JPH0755547B2 - エポキシ樹脂複合材製パイプ - Google Patents

エポキシ樹脂複合材製パイプ

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JPH0755547B2
JPH0755547B2 JP62256203A JP25620387A JPH0755547B2 JP H0755547 B2 JPH0755547 B2 JP H0755547B2 JP 62256203 A JP62256203 A JP 62256203A JP 25620387 A JP25620387 A JP 25620387A JP H0755547 B2 JPH0755547 B2 JP H0755547B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、繊維強化エポキシ樹脂マトリックス硬化層
と、特定のポリイミドからなるインターリーフ層との多
数層から形成されている強靭な合成樹脂製のパイプに関
するものである。
〔従来技術の説明〕
繊維強化エポキシ樹脂製の成形品は、比強度、比弾性率
が大きいこと、および耐湿性に優れていることから、ス
ポーツ用品、航空機材料などに使用されている。
しかし、公知の繊維強化エポキシ樹脂は、靭性、耐衝撃
性などにおいて、必ずしも満足すべきものではなかっ
た。
最近、ポリイミドフィルムなどのインターリーフ層を有
するエポキシ樹脂のプリプレグが、特開昭60−231738号
公報において提案され、成形品などの靭性、耐湿性など
の改良が試みられているが、せいぜい、板状の成形体に
使用される程度であり、しかも、前記のインターリーフ
層を有するエポキシ樹脂製の成形体は、必ずしも高い靭
性を有するものではなかった。
〔解決しようとする問題点〕
この発明は、工業的に再現性よく製造することができ、
極めて均質であると共に、靭性などの物性が高くて極め
て強靭な『繊維強化エポキシ樹脂複合材製のパイプ』を
新たに提供することを目的としている。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明は、繊維強化エポキシ樹脂マトリックス硬化層
と、少なくとも80%の破断点伸び率を有するポリイミド
フィルムからなるインターリーフ層とが、複数層、交互
に巻き掛けられて積層されていて、一体に接合されてい
ることを特徴とするエポキシ樹脂複合材製パイプに関す
る。
この発明に使用されるポリイミドフィルムは、少なくと
も80%、好ましくは90%以上、特に好ましくは100〜300
%程度の破断点伸び率を有するフィルムであれば良い
が、芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分
とから得られた芳香族ポリイミド製のフィルムが耐熱
性、耐湿性などにおいて好ましく、特に、ビフェニルテ
トラカルボン酸またはその酸二無水物のようなビフェニ
ルテトラカルボン酸類を主成分(全テトラカルボン酸成
分の60モル%以上、特に80モル%以上)とする芳香族テ
トラカルボン酸成分と、ベンゼン環を複数有する芳香族
ジアミン、特に4,4′−ジアミノジフェニルエーテルを
少なくとも60モル%以上含有する芳香族ジアミン成分と
から得られた芳香族ポリイミド製のフィルムであること
が、耐熱性、耐湿性、または種々の機械的物性あるいは
エポキシ樹脂と接着性などの点において好適である。
この発明において、ポリイミドフィルムの厚さは、繊維
強化エポキシ樹脂マトリックス硬化層の厚さより小さい
ことが好ましく、特に5〜50μm、さらに好ましくは7
〜40μm程度であることが好適である。ポリイミドフィ
ルムの厚さが5μmより薄い場合には、そのように薄い
ポリイミドフィルムの製造が困難であり、また、50μm
より厚くなるとこの発明のパイプの製造が困難になるの
で好ましくない。
この発明において、ポリイミドフィルムは、コロナ放電
処理、またはマット加工、あるいは両者の併用処理がな
されていると、ポリイミドフィルムからなるインターリ
ーフ層とエポキシ樹脂マトリックス層との密着性などが
向上するので好ましい。
前記のコロナ放電処理は、例えば、特公昭31−9411号公
報、同32−10614号公報、同32−10615号公報などに開示
されている公知の方法によって行うことができる。
特に好ましいコロナ放電処理の条件は、フィルムの幅お
よび厚さによって変わるが、一般に単位時間、単位面積
当たりの電力値で示される放電量を30〜150W/m2・minの
範囲内にすることが好ましい。
ポリイミドフィルムの表面をコロナ放電処理することに
よって、ポリイミドフィルムの表面に、極性基(例え
ば、−OH基、−COOH基、−C=O基など)を形成させ、
ポリイミドフィルムのエポキシ樹脂に対する化学的親和
力を大きくすることができ、その結果、ポリイミドフィ
ルムとエポキシ樹脂マトリックスとの接着性を高めるこ
とができる。
また、ポリイミドフィルムをマット加工する方法として
は、それ自体公知の方法、例えば、特公昭38−11838号
公報に開示されている方法を採用することができる。す
なわち、砂、酸化チタン、カーボンブラック、炭酸カル
シウム等の適当な硬度を有する無機物または金属の微小
粒子を圧搾空気と共にポリイミドフィルム表面に強力に
吹きつけて、該フィルムの表面を物理的に傷付け該フィ
ルムをマット化し、次いでフィルムを水洗、熱風乾燥し
てマット加工したポリイミドフィルムを得る。マット加
工したフィルムの表面粗さが、0.1〜0.6μmの範囲の中
心線平均粗さ(Ra)になるまでマット加工することが好
ましい。マット加工したポリイミドフィルムは、エポキ
シ樹脂との間にアンカリング効果を生じ、繊維強化エポ
キシ樹脂マトリックスとの接着性が高くなる。
上記コロナ放電処理とマット加工とを併用すると、ポリ
イミドフィルムと繊維強化エポキシ樹脂マトリックスと
の接着性はより一層高くなる。この場合、コロナ放電処
理とマット加工とはいずれを先にしてもよい。
また、上記表面処理は、ポリイミドフィルムの片面のみ
に対して行っても、該フィルムは薄いので処理しない側
の表面にも表面処理効果が現れるので、該フィルムの繊
維強化エポキシ樹脂マトリックスに対する接着性は向上
する。勿論、ポリイミドフィルムの両面を表面処理すれ
ば、接着性はより一層向上する。
この発明のパイプにおいて使用されている繊維強化エポ
キシ樹脂マトリックスは、補強繊維にエポキシ樹脂を含
浸させて形成されたプリプレグから形成される。
前記補強繊維としては、無機質または有機質の長繊維で
あればよく、例えば、ガラス繊維、PAN系カーボン繊
維、ピッチ系カーボン繊維、アラミド繊維、アルミナ繊
維、シリコンカーバイト繊維、及びSi−Ti−C−O繊維
(チラノ繊維;宇部興産(株)製)、並びにこれらの繊
維の二種以上を併用することもできる。
また、これらの補強繊維は、一方向に引き揃えた形態と
して用いられていることが好ましいが、それらの補強繊
維を織って形成された織布(織物)の形態で使用されて
いてもよい。
そして、これらの補強繊維は公知の表面処理、サイジン
グ処理が施されていてもよい。
前記のエポキシ樹脂は、ポリエポキシド、硬化剤、硬化
触媒などからなる樹脂組成物である。
ポリエポキシドとは、分子中に平均して一個以上のエポ
キシ基を有する化合物であり、このエポキシ基は末端基
として存在するものであってもよく、又、分子内であっ
てもよい。これらは、飽和あるいは不飽和の脂肪族、脂
環族、芳香族又は複素環式化合物であってもよく、更に
ハロゲン原子、水酸基、エーテル基などを含む化合物で
あってもよい。
ポリエポキシドとしては、例えば、ビスフェノールA、
F及びSのグリシジル化合物、クレゾールノボラックま
たはフェノールノボラックのグリシジル化合物、芳香族
アミンのグリシジル化合物及び環状脂肪族ポリエポキシ
ドなどを挙げることができる。
このようなポリエポキシドの具体例としては、1,4−ビ
ス(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゼン、4,4′−ビス
(2,3−エポキシプロポキシ)ジフェニルエーテルなど
が挙げられる。
ポリエポキシドの別の例として多価フェノールのグリシ
ジル化合物がある。その多価フェノールとしては、例え
ばレゾルシノール、カテコール、ヒドロキノン、2,3−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノ
ールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(ビスフ
ェノールS)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、3,9−
ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、更にハ
ロゲン含有フェノールとして、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシテトラブロモフェニル)プロパンなどが含まれる。
ポリエポキシドの別の例として多価アルコールのグリシ
ジル化合物がある。その多価アルコールとしては、グリ
セロール、エチレングリコール、ペンタエリスリトー
ル、2,2−ビス(4−ヒドロキシルシクロヘキシル)プ
ロパンなどが挙げられる。
内部エポキシ基を有するエポキシドの例としては、4−
(1,2−エポキシエチル)−1,2−エポキシシクロヘキサ
ン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、
3,4−エポキシシクロヘキルメチル−(3,4−エポキシ)
シクロヘキサンカルボキシレートなどが挙げられる。
ポリエポキシドの別の例として芳香族アミンのグリシジ
ル化合物がある。その芳香族アミンとしては、ジアミノ
ジフェニルメタン、メタキシレンジアミン、m−アミノ
フェノール、p−アミノフェノールなどである。
これらのポリエポキシドの内、ビスフェノールAのグリ
シジルエーテル、クレゾールノボラックあるいはフェノ
ールノボラックのグリシジル化合物、ジアミノジフェニ
ルメタンのグリシジル化合物又はアミノフェノールのグ
リシジル化合物が好適に使用される。
これらのポリエポキシドは1種で用いてもよく、2種以
上混合して用いることもできる。
前記のエポキシ樹脂に使用される硬化剤としては、具体
的には、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジア
ミン、4,4′−メチレンジアニリン、4,4′−ジアミノジ
フェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホ
ン等の芳香族ポリアミン、m−キシレンジアミン、トリ
エチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、イソホロ
ンジアミン、1,3−ジアミノシクロヘキサンメタンジア
ミン、シアノエチル化ジエチレントリアミン、N−アミ
ノエチルピペラジン、メチルイミノビスプロピルアミ
ン、アミノエチルエタノールアミン、ポリエーテルジア
ミン、ポリメチレンジアミン等の脂肪族ポリアミン等の
ポリアミン類、無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレ
イン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ピロメリット
酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、無水トリメ
リット酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水ド
デセニルコハク酸、無水フロレンディック酸、メチルシ
クロペンタジエンの無水マレイン酸付加物、無水メチル
テトラヒドロフタル酸、無水マレイン酸のトルイル酸付
加物、無水シクロペンタンテトラカルボン酸、無水アル
キル化エンドアルキレンテトラヒドロフタル酸、エチレ
ングリコールビストリメリテイト、グリセリントリメテ
イト等のポリカルボン酸基、ポリカルボン酸無水物基、
もしくは、それらの混合基を有する酸性物質類、イソフ
タル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシ
ン酸ジヒドラジド等のヒドラジド類、ポリアミド類、ジ
シアンジアミド、ケチミンなどが挙げられる。
又、硬化触媒としては、3フッ化ホウ素モノエチルアミ
ン錯化合物、3フッ化ホウ素ピペリジン錯化合物等の3
フッ化ホウ素錯体、2−エチルイミダゾール、2−エチ
ル−4−エチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、
トリフェニルホスファイト、ブタンテトラカルボン酸、
1,8−ジアザビシクロ−(5,4,0)−ウンデセン−7、N
−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)−N,N−ジメ
チルウレア、N−(3,4−ジクロロフェニル)−N′,
N′−ジメチルウレア、N−(4−エトキシフェニル)
−N′,N′−ジメチルウレア、N−(4−メチル−3−
ニトロフェニル)−N′,N′−ジメチルウレア等の尿素
化合物等を挙げることができる。
上記のポリエポキシド、硬化剤の組み合わせ及び量比は
一般的には、化学量論量近傍で実施すればよく、硬化触
媒を含む場合はさらに硬化剤を化学量論量より若干低め
で用いることが望ましい。
又、これらのポリエポキシドに種々の熱可塑性樹脂を添
加することもできる。具体例として、ポリ(ε−カプロ
ラクトン)、ポリブタジエン、任意にアミン、カルボキ
シル、ヒドロキシル、又は、−SH基を含むポリブタジエ
ン/アクリルニトリル共重合体、ポリ(エチレンテレフ
タレート)、ポリ(ブチイレンテレフタレート)等のポ
リエステル、ポリエーテルイミド、アクリルニトリル/
ブタジエン/スチレン共重合体、ナイロン−6、ナイロ
ン−6,6、ナイロン−6,12等のポリアミド、ポリオレフ
ィン、ポリエチレンオキシド、ポリブチルメタクリレー
ト、耐衝撃性改良ポリスチレン、スルホン化ポリエチレ
ン、ビスフェノールA、イソフタル酸、テレフタル酸か
ら誘導されるポリアリレート、ポリ(2,6−ジメチルフ
ェニレンオキシド)、ポリ塩化ビニル及びその共重合
体、ポリアセタール、ポリサルホン、ポリフェニレンス
ルフィド等、その他に、ビスマレイミド、ポリイミド等
の耐熱性に優れた熱硬化性樹脂を混合することも可能で
ある。又、ポリエポキシドを変性して前記ポリイミドフ
ィルムとの接着性を改良することも可能である。
この発明のパイプは、例えば、添付図面に示すような構
造を有する。
第1図は、インターリーフと繊維強化エポキシ樹脂マト
リックスとが交互に巻き掛けられて積層されている状態
を示す一例の断面図である。
第1図において、1はインターリーフであり、2は繊維
強化エポキシ樹脂マトリックス硬化層である。
第1図に示す積層構造のパイプ4は、基本的には、繊維
強化エポキシ樹脂マトリックス(シート状体)とインタ
ーリーフとを、筒状または棒状のマンドレルの周囲に交
互に巻き掛けて多数層の積層体とする工程、その積層体
を加熱して硬化する工程,および前記マンドレルを抜き
取ったり、除去する工程からなる製造法で製造される。
前記のマンドレルは、例えば、円筒状(ドラム状)、楕
円筒状、種々の角筒状(四角筒状、五角筒状、六角筒
状、八角筒状など)、あるいは円柱状、楕円柱状、角柱
状(四角柱状、五角柱状、六角柱状、八角柱状)などの
形状を有する「鉄、ステンレス、銅、アルミニュウムな
どの金属、あるいはセラミックなどの無機質材料などで
形成されたマンドレル」であればよく、特に、マンドレ
ルの周囲には、離形剤を塗布されていたり、あるいは、
離形用の紙、または合成樹脂製フィルムが密接に巻き付
けられていることが好適である。
前記のマンドレルは、必要であれば、筒状の割り型とな
っていて、積層体の加熱硬化後にマンドレルの除去が容
易に行えることが好ましい。
前記の積層工程としては、例えば、 (1) ポリイミドフィルムからなるインターリーフを
挟持するエポキシ樹脂マトリックスの長尺のプリプレグ
の端縁同士をマンドレル周面上でつきあわせて、プリプ
レグの端縁部同士の重なり部分や、広く間隔の開いた部
分がないようにして、そのプリプレグを前記マンドレル
の周囲に巻き掛けて、多数層(2〜40層)、積層する方
法、 (2) 繊維強化エポキシ樹脂マトリックスのプリプレ
グをマンドレルの周囲に巻き掛け、次いでその上にイン
ターリーフとなるポリイミドフィルムを重なり部分や隙
間のないように巻き掛け、この操作を複数回繰り返す方
法、 (3) 最初にエポキシ樹脂を含浸した繊維フィラメン
トをマンドレルの周囲に巻き掛けて、その上にインター
リーフを重なり部分や隙間のないようにさらに巻き掛け
て積層することを複数回繰り返し行う方法などを挙げる
ことができる。
なお、前述のように、繊維強化エポキシ樹脂マトリック
スのプリプレグを、マンドレルに巻き付ける場合に、プ
リプレグ内に内蔵されている補強繊維の方向が各隣接す
るプリプレグ層毎に直角、または鋭角に交差するように
することが好ましく、例えば、第2図に示すパイプ4よ
うに、繊維強化エポキシ樹脂マトリックスの長尺のプリ
プレグの長手方向(補強繊維3,3′の長手方向)が、マ
ンドレルの軸方向に対して0゜または90゜の角度に交互
になるように複数層、非対称・直行巻きしたり、あるい
は、第3図に示すパイプ4のように、長尺のプリプレグ
の長手方向(補強繊維3,3′の長手方向)が、マンドレ
ルの軸方向に対して20〜80゜の角度となるように、複数
層巻き掛けて、各隣接するプリプレグ層内の補強繊維の
配置が逆対称・斜交差されているようにすることが好適
である。
前述のように種々の合成樹脂製のインターリーフが挟持
されている繊維強化エポキシ樹脂プリプレグをこの発明
のパイプの製造に使用することもできるが、特に、ポリ
イミドフィルムからなるインターリーフを使用して形成
されたエポキシ樹脂マトリックスのプリプレグを、マン
ドレルに直接に多数層巻き掛けて、その積層体を加熱し
て硬化すれば、一挙に、この発明の積層構造を有するパ
イプを得ることができるので好適である。
前記の繊維強化エポキシ樹脂マトリックスのプリプレグ
の製法としては、前記の補強繊維の多数本のフィラメン
ト糸を一方向に引き揃えてエポキシ樹脂に挟み込んでプ
リプレグ化する方法、前記のエポキシ樹脂を含浸したフ
ィラメント糸束をドラムに巻き掛けてプリプレグ化する
方法、多数本のフィラメント糸を引き揃えた後、エポキ
シ樹脂のフィルム状物を溶融含浸させてプリプレグ化す
る方法、織布または不織布をエポキシ樹脂溜まりに導
き、含浸、乾燥する方法、エポキシ樹脂製のシート状物
を織布または不織布に溶融含浸させてプリプレグ化する
方法などの公知の方法が挙げられる。
前記のポリイミドフィルムからなるインターリーフを挟
持している繊維強化エポキシ樹脂マトリックスのプリプ
レグの製法としては、 (a) 必要であればコロナ放電処理および/またはマ
ット加工したポリイミドフィルムなどのインターリーフ
を使用して、予め用意されたB−ステージの繊維強化エ
ポキシ樹脂プリプレグと重ね合わせて圧着する方法、あ
るいは、 (b) 前記のインターリーフとB−ステージ化する前
の繊維強化エポキシ樹脂とを圧着した後加熱してエポキ
シ樹脂をB−ステージ化することにより製造する方法、
また、 (c) 後者の方法における変形として、インターリー
フとB−ステージ化前の繊維を含まないエポキシ樹脂と
を圧着し、この積層物のエポキシ樹脂に補強繊維を含浸
させ、その後加熱してエポキシ樹脂をB−ステージ化す
る方法を挙げることができる。
上記のインターリーフ内蔵タイプの繊維強化エポキシ樹
脂プリプレグの製法において、インターリーフと繊維強
化エポキシ樹脂未硬化マトリックスとを各1層づつ使用
して積層するか、あるいは、これらを交互に使用して多
数層積層することにより、インターリーフ内蔵タイプの
繊維強化エポキシ樹脂プリプレグを製造してもよく、そ
の場合に、前者の2層構造のプリプレグを複数層積層し
て、後者の多数層構造のプリプレグを製造することもで
きる。
前述のようにして得られた繊維強化エポキシ樹脂マトリ
ックスのプリプレグ層とインターリーフ層とがマンドレ
ル上に巻き掛けられた積層物は、通常、マンドレルに巻
いたままの状態で、外部加熱式および/または内部加熱
方式(例えば、電熱配線などを内蔵する)の種々の加熱
オーブンやオートクレーブ内で、100〜250℃の加熱硬化
温度、特に好ましくは120〜200℃の加熱硬化温度で、加
熱され硬化される。
前記の積層体の加熱硬化において、パイプ状の積層体の
均一な硬化を行うために、回転をしながら加熱硬化を行
うことが好ましい。
また、前記の積層体の加熱は、2段階、または3段階以
上の加熱硬化温度で行うこともでき、また、プレキュア
ー、ポストキュアーを行うこともできる。
最後に、前述のようにして加熱され硬化された積層構造
のパイプは、冷却後、マンドレルから外されるが、この
方法は、パイプ開口部の片端からマンドレルを長手方向
に加圧して押し、硬化されたパイプをマンドレルから離
脱する方法、予め分解または分割できるような構造を有
するマンドレルを使用し、積層体の加熱硬化が終了し、
冷却した後に、前記パイプの内部からマンドレルを分解
または分割して抜き取る方法などを挙げることができ
る。
この発明の積層構造のパイプは、その外径が5〜800m
m、特に10〜500mm程度であり、肉厚が0.1〜20mm、特に
0.5〜10mm程度であるものが好ましく、そのパイプの形
状は、円筒状、楕円筒状、角筒状(3〜36角筒状,特に
4〜16角筒状)であることが好ましい。
〔本発明の作用効果〕
この発明の繊維強化エポキシ樹脂マトリックス複合材パ
イプは、繊維強化エポキシ樹脂マトリックス硬化層と共
に、インターリーフ層として、破断点伸び率(25℃)
が、80%以上である芳香族ポリイミドフィルムが使用さ
れているので、得られたパイプの靭性などが極めて優れ
ており、しかも、耐湿性、耐熱性、その他の機械的強度
も高いレベルに保持されている。
また、この発明のパイプは、極めて均質かつ均一な製
品、あるいは、種々の形状またはサイズのパイプ(筒状
体)を再現性よく、工業的に容易に製造することができ
るものである。
〔実施例〕
次に実施例および比較例を示す。各実施例および比較例
において、靭性は次に示す落錘衝撃試験により評価し
た。
すなわち、落錘衝撃試験は、長さ25mm、内径20mm、外径
24mm、厚み2mmのパイプの上下面を平行板の間に挟み、
高さ1mから重さ2kgの重錘(先端に20mm径半円球を備え
た円柱)を落下させて行った。
実施例1 N,N,N′,N′−テトラグリシジルジアミノジフェニルメ
タン200gと、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン100g
を混合し、これらの樹脂組成物をメチルエチルケトンに
溶解し、60重量%の樹脂溶液を調製した。
この樹脂溶液を、一方向に引き揃えた炭素繊維フィラメ
ント糸(ベスファイトHTA3000、東邦レーヨン(株)
製)に含浸させつつ、テフロン離型紙を巻き付けたドラ
ム上の全周面に均一に巻き取った。
これらの樹脂含浸繊維をカッターで切り開き、熱風循環
乾燥器内において120℃で5〜15分間加熱して、繊維強
化エポキシ樹脂マトリックスのシート状プリプレグ(厚
さ140μm、繊維の体積含有率62%)を作成し、そのプ
リプレグを1200mm×1200mmの大きさに裁断した。
一方、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物と4,4′−ジアミノジフェニルエーテルとから得ら
れた芳香族ポリイミド製のポリイミドフィルム(宇部興
産(株)製、登録商標;ユーピレックス−R、25℃の破
断点伸び率130%、厚さ7.5μm)の両面を、高周波数電
源装置(コロナ放電表面処理機)(春日電気(株)製)
を使用して、放電量50W/m2・minの条件下でコロナ放電
処理した後、1200mm×1200mmの大きさに裁断した。
前記の裁断されたプリプレグシートとコロナ放電処理さ
れたポリイミドフィルムとを重ね合わせて加圧接合し
て、インターリーフ層を有するプリプレグを作成した。
このインターリーフ層を有するプリプレグを使用して、
ドラム(径20mm)の周面上に、14プライを、第2図に示
すような非対称・直行巻き([0゜/90゜]7T)を行っ
た。
そして、ドラムに巻き掛けられた状態の積層体をオート
クレーブに入れて、最高温度180゜、最高圧力7kg/cm2
6時間加熱・硬化して、パイプを成形した。
その後、オートクレーブから硬化したパイプ付きドラム
を取り出し、冷却した後、パイプをドラムから取り外し
た後、そのパイプを190℃で5時間オーブン中でポスト
キュアリングして、エポキシ樹脂複合材パイプを製造し
た。
得られたパイプ内の補強繊維は、概略、第2図に示すよ
うな配置になっている。
このエポキシ樹脂複合材パイプから、長さ25mmの試験片
を切り出し、落錘衝撃試験を行った。
その試験後、パイプの端面を走査型電子顕微鏡で観察し
たところ、層間剥離などが認められず、強靭なものであ
った。
実施例2 実施例1のプリプレグの製造法と同様にして、幅14mm、
長さ1500mmの「ポリイミドフィルムからなるインターリ
ーフを有する長尺シート状プリプレグ」を作成し、その
長尺シート状プリプレグを、ドラム(径20mm、長さ1500
mm)の周面上に、該ドラム軸に対して、+45゜の角度で
巻き掛け、次いで、その上に前記と同様のプリプレグを
−45゜の角度で巻き掛け、これらのプリプレグの巻き掛
けを繰り返し、14プライの逆対称・斜交積層体([+45
゜/−45゜]7T)を形成し、実施例1と同様にその積層
体の加熱硬化などの操作をして、エポキシ樹脂複合材パ
イプを製造した。
得られたパイプ内の補強繊維は、概略、第3図に示すよ
うな配置になっている。
得られたパイプについて、実施例1と同様の落錘衝撃試
験を行ったが、その試験後、パイプの端面を走査型電子
顕微鏡で観察したところ、層間剥離などが認められず、
高靭性なものであった。
実施例3 実施例1のプリプレグの製造法と同様にして、幅14mm、
長さ1500mmの「ポリイミドフィルムからなるインターリ
ーフを有さない長尺シート状プリプレグ」を作成した。
その長尺シート状のプリプレグを、ドラム(径20mm、長
さ1500mm)の周面上に、該ドラム軸に対して、+45゜の
角度で巻き掛け、次いで、その上に、実施例1で使用し
たと同様のポリイミドフィルムを巻き掛けて貼り合わ
せ、その次に、そのポリイミドフィルム上に前記と同様
のプリプレグを−45゜の角度で巻き掛け、これらのプリ
プレグの巻き掛け貼り合わせを繰り返して、合計14プラ
イの逆対称・斜交積層体([+45゜/−45゜]7T)を形
成し、実施例1と同様にその積層体の加熱硬化などの操
作をして、エポキシ樹脂複合材パイプを製造した。
得られたパイプ内の補強繊維は、概略、第3図に示すよ
うな配置になっている。
得られたパイプについて、実施例1と同様の落錘衝撃試
験を行ったが、その試験後、パイプの端面を走査型電子
顕微鏡で観察したところ、層間剥離などが認められず、
高靭性なものであった。
実施例4 実施例1で使用したと同様のエポキシ樹脂溶液に、炭素
繊維フィラメント糸を含浸し、そのフィラメント糸を、
ドラム(径20mm、長さ1500mm)の周面上にそのドラムの
軸に対して+45゜の角度で巻き掛け、次いで、その上
に、実施例1で使用したと同様のポリイミドフィルムを
巻き掛けて貼り合わせ、その次に、そのポリイミドフィ
ルム上に、エポキシ樹脂含浸炭素繊維フィラメント糸を
−45゜の角度で巻き掛け、さらに、その上に前記と同様
のポリイミドフィルムを巻き掛けて貼り合わせ、以後、
上記の操作を繰り返し、14プライの積層をした後、実施
例1と同様にその積層体の加熱硬化などの操作をして、
エポキシ樹脂複合材パイプを製造した。
得られたパイプ内の補強繊維は、概略、第3図に示すよ
うな逆対称・斜交積層体([+45゜/−45゜]7T)の配
置になっている。
得られたパイプについて、実施例1と同様の落錘衝撃試
験を行ったが、その試験後、パイプの端面を走査型電子
顕微鏡で観察したところ、層間剥離などが認められず、
高靭性なものであった。
比較例1 ポリイミドフィルムをまったく使用しなかったほかは実
施例1と同様にしてパイプを製造した。
そのパイプの落錘衝撃試験の結果、非常に多くの層間剥
離が生じていることが認められた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、インターリーフと繊維強化エポキシ樹脂マト
リックスとが交互に巻き掛けられて積層されている状態
を示す一例の断面図である。 第2図は、非対称・直行巻きの補強繊維の配置を示すパ
イプの透視図である。 第3図は、逆対称・斜交巻きでの補強繊維の配置を示す
パイプの透視図である。 1;インターリーフ、2;プリプレグ硬化層、3,3′;補強
繊維、4;パイプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−186570(JP,A) 特開 昭62−59038(JP,A) 特開 昭62−68745(JP,A) 特開 昭62−68747(JP,A) 特開 昭62−162543(JP,A) 特開 昭51−19071(JP,A) 特開 昭63−97635(JP,A) 実開 昭58−58514(JP,U)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維強化エポキシ樹脂マトリックス硬化層
    と、少なくとも80%の破断点伸び率を有するポリイミド
    フィルムからなるインターリーフ層とが、複数層、交互
    に巻き掛けられて積層されていて、一体に接合されてい
    ることを特徴とするエポキシ樹脂複合材製パイプ。
  2. 【請求項2】ポリイミドフィルムが芳香族テトラカルボ
    ン酸成分と芳香族ジアミン成分とから得られた芳香族ポ
    リイミド製のフィルムである特許請求の範囲第1項記載
    のエポキシ樹脂複合材製パイプ。
  3. 【請求項3】芳香族テトラカルボン酸成分が、ビフェニ
    ルテトラカルボン酸類を主成分とする特許請求の範囲第
    2項記載のエポキシ樹脂複合材製パイプ。
  4. 【請求項4】ポリイミドフィルムがコロナ放電処理およ
    び/またはマット加工されたものである特許請求の範囲
    第1項記載のエポキシ樹脂複合材製パイプ。
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JPS6268745A (ja) * 1985-09-20 1987-03-28 電気化学工業株式会社 積層体
JPS6268747A (ja) * 1985-09-24 1987-03-28 電気化学工業株式会社 積層体
JPS62162543A (ja) * 1986-01-13 1987-07-18 宇部興産株式会社 弗素樹脂層を有するポリイミドフイルム

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