JP3278985B2 - Frp円筒体 - Google Patents

Frp円筒体

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JP3278985B2
JP3278985B2 JP16926593A JP16926593A JP3278985B2 JP 3278985 B2 JP3278985 B2 JP 3278985B2 JP 16926593 A JP16926593 A JP 16926593A JP 16926593 A JP16926593 A JP 16926593A JP 3278985 B2 JP3278985 B2 JP 3278985B2
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健一 野口
武彦 広瀬
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、航空機、自動車、自
転車、ゴルフクラブ、スキーポール、釣竿、テント等に
おける各種フレーム、パイプ、シャフトとして好適なF
RP円筒体に関する。
【0002】
【従来の技術】FRP(繊維強化プラスチック)の円筒
体、たとえばゴルフシャフトは、特開昭52−2427
2号公報に記載されるように、内層として補強繊維を円
筒軸方向に対して±45゜の角度で配列した、いわゆる
±45゜層を配置し、その上に、外層として補強繊維を
円筒軸方向に配列した、いわゆる軸方向層を配置した非
対称の層状構成とされている。±45゜層は主としてね
じり特性を向上させるように作用し、軸方向層は主とし
て曲げ特性を向上させるように作用するが、ねじりを受
けたときの横断面における変形が大きく、ねじり強度や
ねじり弾性率等のねじり特性が必ずしも十分でない。一
方、ねじり特性を向上させようとすると、こんどは曲げ
弾性率等の曲げ特性が著しく低下してくる。すなわち、
上記従来の円筒体は、決められた肉厚において、ねじり
強度、ねじり弾性率等のねじり特性と、曲げ弾性率等の
曲げ特性とを同時に満足することはなかなか困難であっ
た。また、上記従来の円筒体は、直径方向に衝撃力が加
わると比較的容易に破壊してしまうという問題もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、従
来のFRP円筒体の上述した問題点を解決し、ねじり強
度やねじり弾性率等のねじり特性と曲げ弾性率等の曲げ
特性とのバランスに優れ、しかも、直径方向における圧
縮強度に優れたFRP円筒体を提供するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、マトリクス樹脂中に埋没された、積層
中心に対して鏡面対称をなす複数の補強繊維層を含み、
それら複数の補強繊維層は、 a. 積層中心を挟んでその積層中心の各側に配置され
た、補強繊維が円筒軸方向に対して±θ1 ゜(10≦θ
1 ≦80)の角度で配列された第1の層と、 b. 上記第1の層の外側に配置された、補強繊維が円
筒軸方向に対してθ2゜(85≦θ2 ≦95)の角度で
配列された第2の層と、 c. 上記第2の層の外側に配置された、補強繊維が円
筒軸方向に対してθ3゜(−5≦θ3 ≦5)の角度で配
列された第3の層と、 を含んでいることを特徴とするFRP円筒体を提供す
る。したがって、円筒体の内側からみると、第3の層、
第2の層、第1の層、第1の層、第2の層、第3の層が
この順序で配置されていることになる。
【0005】好ましくは、各層の補強繊維の含有率が4
0〜70体積%の範囲にあり、かつ、全補強繊維量に対
する補強繊維量が、第1の層においては40〜60%の
範囲にあり、第2の層においては2〜25%の範囲にあ
り、第3の層においては5〜40%の範囲にある。もっ
とも、ねじり強度を特に向上させたい場合には、第1、
第2の層の補強繊維は、第3の層の補強繊維よりも引張
強度の高い補強繊維とし、補強繊維の含有率を、第1、
第2の層においては40〜70体積%の範囲にし、第3
の層においては50〜70体積%の範囲にし、かつ、全
補強繊維量に対する補強繊維量を、第1の層においては
40〜60%の範囲にし、第2の層においては2〜25
%の範囲にし、第3の層においては5〜40%の範囲に
するのが好ましい。また、ねじり弾性率を特に向上させ
たい場合には、第1、第3の層の補強繊維は、第2の層
の補強繊維よりも引張弾性率の高い補強繊維とし、補強
繊維の含有率を、第1、第2の層においては40〜70
体積%の範囲にし、第3の層においては50〜70体積
%の範囲にし、かつ、全補強繊維量に対する補強繊維量
を、第1の層においては40〜60%の範囲にし、第2
の層においては2〜25%の範囲にし、第3の層におい
ては5〜40%の範囲にするのが好ましい。この発明に
おいて、樹脂は、FRPのマトリクスを構成するもの
で、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、その他の
熱硬化性樹脂を使用することができる。なかでも、耐熱
性、耐水性、接着性に優れたエポキシ樹脂が好ましい。
【0006】また、補強繊維としては、炭素繊維、ガラ
ス繊維、ポリアラミド繊維、その他の高強度、高弾性率
繊維を使用することができる。なかでも、比強度、比弾
性率に優れた炭素繊維が好ましい。なお、これらの補強
繊維は、異なる種類のものを併用することができる。ま
た、同じ種類のものであっても、特性の異なるものを併
用することができる。
【0007】さて、この発明の円筒体は、少なくとも、
積層中心を挟んでその積層中心の各側に配置された、補
強繊維が円筒軸方向に対して±θ1 ゜(10≦θ1 ≦8
0)の角度で配列された第1の層と、この第1の層の外
側に配置された、補強繊維が円筒軸方向に対してθ2
(85≦θ2 ≦95)の角度で配列された第2の層と、
この第2の層の外側に配置された、補強繊維が円筒軸方
向に対してθ3 ゜(−5≦θ3 ≦5)の角度で配列され
た第3の層とを有する。第1の層は、主としてねじり特
性を向上させるように作用し、第2、第3の層は、主と
して直径方向における圧縮強度や曲げ特性を向上させる
ように作用する。そのためには、上記±θ1 ゜、θ
2 ゜、θ3 ゜はそれぞれ±45゜、90゜、0゜である
のがよいということになるが、これらの角度は、補強繊
維の種類や、補強繊維量や、樹脂の種類等にも依存し、
組み合せとして上記範囲をとり得る。なお、第1の層の
角度θ1 ゜が上記範囲にないときは、せん断弾性率が低
くなり、ねじり特性が低くなる。また、第2の層の角度
θ2 ゜および第3の層の角度θ3 ゜が上記範囲にないと
きは、圧縮強度が低くなる。
【0008】補強繊維層は、積層中心に対して鏡面対称
をなすように配置される。たとえば、内側から順に、0
゜層(第3の層)、90゜層(第2の層)、±45゜層
(第1の層)、±45゜層(第1の層)、90゜層(第
2の層)、0゜層(第3の層)が配置されているとき、
積層中心は、2個の±45゜層(第1の層)の間という
ことになる。すなわち、第1の層は、積層中心を挟んで
その積層中心の各側に配置される。
【0009】各層の補強繊維の含有率は、40〜70体
積%の範囲にあるのが好ましい。40体積%より低くて
も、また、70体積%を超えても、円筒体の力学的物性
は低下する。補強繊維の利用率を考えると、60体積%
前後が好ましい。
【0010】また、全補強繊維量に対する各層の補強繊
維量は、第1の層においては主としてねじり特性を考慮
して40〜60%の範囲にし、第2の層においては主と
して直径方向における圧縮強度を考慮して2〜25%の
範囲にし、第3の層においては主として曲げ特性を考慮
して5〜40%の範囲にするのが好ましい。すなわち、
ねじり特性の向上のみを考えるならば第1の層の補強繊
維量を多くすればよく、直径方向の圧縮強度の向上のみ
を考えるならば第2の層の補強繊維量を多くすればよ
く、曲げ特性の向上のみを考えるならば第3の層の補強
繊維量を多くすればよいということになるが、用途等に
応じ、全体のバランスを考えねばならない。たとえば、
ゴルフシャフトに適用するときは、曲げ弾性率の低下を
できるだけ抑えながら直径方向における圧縮強度を向上
させ、ねじり特性を向上させるために、第1の層におい
ては55体積%前後とし、第2の層においては15体積
%前後とし、第3の層においては30体積%前後とする
のが好ましい。
【0011】さて、用途等によっては、特にねじり強度
を重点的に向上させたい場合がある。その場合には、第
1、第2の層に第3の層の補強繊維よりも引張強度の高
い補強繊維を使用し、補強繊維の含有率を、第1、第2
の層においては40〜70体積%の範囲にし、第3の層
においては50〜70体積%の範囲にし、かつ、全補強
繊維量に対する補強繊維量を、第1の層においては40
〜60%の範囲にし、第2の層においては2〜25%の
範囲にし、第3の層においては5〜40%の範囲にする
のが好ましい。
【0012】同様に、ねじり弾性率を特に向上させたい
場合には、第1、第3の層に第2の層の補強繊維よりも
引張弾性率の高い補強繊維を使用し、補強繊維の含有率
を、第1、第2の層においては40〜70体積%の範囲
にし、第3の層においては50〜70体積%の範囲に
し、かつ、全補強繊維量に対する補強繊維量を、第1の
層においては40〜60%の範囲にし、第2の層におい
ては2〜25%の範囲にし、第3の層においては5〜4
0%の範囲にするのが好ましい。
【0013】このように、この発明の円筒体は、鏡面対
称をなす第1の層を挟むように、やはり鏡面対称をなす
ように第2、第3の層を配置することによって応力を受
けたときに第1の層にかかる力を低減させ、かつ、その
第1の層の変形を拘束し、かかる作用の相乗によってね
じり強度とねじり弾性率を向上させる。同時に、第2の
層によって直径方向における圧縮強度を向上させて直径
方向における変形を抑え、また、第3の層によって曲げ
弾性率に対してもその低下を抑え、もって、曲げ弾性率
を大きく低下させることなくねじり強度やねじり弾性率
を向上させるとともに直径方向における圧縮強度を向上
させる。
【0014】なお、各層間に、樹脂の層や粒子の層を配
したり、それら樹脂と粒子との混合層を配すると、ねじ
り強度をさらに向上させることができる。これは、これ
らを配すると層間の靭性が向上し、ねじり破壊に至る層
間剥離を抑えることができるためであると考えられる。
樹脂の層は、マレイミド樹脂、アセチレン末端を有する
樹脂、ビニル末端を有する樹脂、シアン酸エステルを有
する樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリアミド樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹
脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポ
リエーテルエーテルケトン樹脂等の熱可塑性樹脂、また
は、これらの熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との混合樹脂
からなる、厚みが10〜50μm程度の層である。粒子
の層は、平均粒子径が10〜50μm程度の、上述した
熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂からなる粒子を10〜50
g/m2 程度の目付で配したものである。また、樹脂と
粒子との混合層は、厚みが10〜50μm程度で、粒子
の樹脂に対する量が1〜50重量%程度の層である。
【0015】この発明の円筒体は、マンドレルにプリプ
レグを巻き付ける、周知のプリプレグ法によって容易に
製造することができる。層間に樹脂および/または粒子
の層を配するときは、前に形成した層の上に、次に層を
形成する前に、樹脂シートや粒子入り樹脂シートを巻き
付けたり、粒子を散布するなどすればよい。
【0016】
【実施例】
実施例1:東レ株式会社製炭素繊維“トレカ”M46J
−6k(平均単糸径:5μm、引張強度:430kgf /
mm2 、引張弾性率:44,500kgf /mm2 )を互いに
並行かつシート状に引き揃えたものにBステージのエポ
キシ樹脂を含浸してなる一方向性プリプレグを用意し
た。以下、これをプリプレグAという。このプリプレグ
Aは、厚みが0.133mmで、炭素繊維の含有率が57
体積%である。
【0017】次に、外径10mm、長さ1,000mmのマ
ンドレルに、上記プリプレグAをその炭素繊維の方向が
マンドレルの軸方向に対して0゜になるように1層巻き
付け、次に90゜になるように1層巻き付け、次に±4
5゜になるように2層巻き付け、次に90゜になるよう
に1層巻き付け、次に0゜になるように1層巻き付け、
さらにラッピングテープを巻き付け、130℃で120
分間加熱して成形し、この発明に係る、内径10mm、外
径12mm、長さ100mmの円筒体を得た。以下、この円
筒体を円筒体Aという。この円筒体Aの各層の炭素繊維
含有率は58体積%であり、全炭素繊維量に対する各層
の炭素繊維量は、±45゜層(第1の層)においては5
0%、90゜層(第2の層)においては15%、0゜層
(第3の層)においては35%であった。
【0018】次に、上記円筒体Aについて、ねじり速度
10.8゜/分でねじり試験をしたところ、ねじり破壊
トルクは4,500kgf ・mm、ねじり弾性率は3,15
0kgf /mm2 であった。また、スパン長220mm、負荷
速度1mm/分で3点曲げ試験をしたところ、曲げ弾性率
は8,500kgf /mm2 であった。さらに、長さ10mm
の試験片を作り、直径方向における圧壊試験をしたとこ
ろ、圧壊強さは34kgf であった。
【0019】一方、比較のため、上記プリプレグAをそ
の炭素繊維の方向がマンドレルの軸方向に対して0゜に
なるように4層巻き付け、次に±45゜になるように2
層巻き付け、以下、上記と同様にして、内径10mm、外
径12mm、長さ100mmの円筒体を得た。以下、これを
参照品Aという。この参照品Aの各層の炭素繊維含有率
は58体積%であり、全炭素繊維量に対する各層の炭素
繊維量は、0゜層においては50%、±45゜層におい
ては50%であった。
【0020】次に、この参照品Aについて上記と同様に
試験をしたところ、ねじり破壊トルクは3,600kgf
・mm、ねじり弾性率は2,700kgf /mm2 、曲げ弾性
率は10,500kgf /mm、圧壊強さは25kgf であっ
た。この参照品Aと円筒体Aとを比較すると、円筒体A
は、参照品Aに対し、ねじり破壊トルクで23%、ねじ
り弾性率で14%、圧壊強さで35%も向上しているの
に対し、曲げ弾性率の低下は19%におさまっている。
【0021】実施例2 東レ株式会社製炭素繊維“トレカ”M40J−6k(平
均単糸径:5μm、引張強度:450kgf /mm2 、引張
弾性率:38,500kgf /mm2 )を互いに並行かつシ
ート状に引き揃えたものにBステージのエポキシ樹脂を
含浸してなる一方向性プリプレグを用意した。以下、こ
れをプリプレグBという。このプリプレグBは、厚みが
0.131mmで、炭素繊維の含有率が60体積%であ
る。
【0022】次に、このプリプレグBを±45゜層(第
1の層)および90゜層(第2の層)の形成に使用し、
実施例1で使用したプリプレグAを0゜層(第3の層)
の形成に使用し、実施例1と同様にして、この発明に係
る、内径10mm、外径12mm、長さ100mmの円筒体を
得た。以下、これを円筒体Bという。この円筒体Bの各
層の炭素繊維含有率は、±45゜層および90゜層が5
8体積%、0゜層が67体積%であり、全炭素繊維量に
対する各層の炭素繊維量は、±45゜層においては50
%、90゜層においては10%、0゜層においては40
%であった。
【0023】次に、この円筒体Bについて実施例1と同
様の試験をしたところ、ねじり破壊トルクは4,800
kgf ・mm、ねじり弾性率は3,000kgf /mm2 、曲げ
弾性率は10,500kgf /mm、圧壊強さは25kgf で
あった。
【0024】一方、比較のため、実施例1で用いたプリ
プレグAをその炭素繊維の方向がマンドレルの軸方向に
対して0゜になるように4層巻き付け、次に上記プリプ
レグBを±45゜になるように2層巻き付け、以下、実
施例1と同様にして、内径10mm、外径12mm、長さ1
00mmの円筒体を得た。以下、これを参照品Bという。
この参照品Bの各層の炭素繊維含有率は、0゜層が67
体積%、±45゜層が58体積%であり、全炭素繊維量
に対する各層の炭素繊維量は、0゜層においては50
%、±45゜層においては50%であった。
【0025】次に、参照品Bについて実施例1と同様に
試験したところ、ねじり破壊トルクは3,800kgf ・
mm、ねじり弾性率は2,600kgf /mm2 、曲げ弾性率
は10,500kgf /mm、圧壊強さは25kgf であっ
た。この参照品Bと上述した円筒体Bとを比較すると、
円筒体Bは、参照品Bに対し、ねじり破壊トルクで26
%、ねじり弾性率で14%、圧壊強さで28%も向上し
ているのに対し、曲げ弾性率の低下は14%におさまっ
ている。
【0026】実施例3 東レ株式会社製炭素繊維“トレカ”M50J−6k(平
均単糸径:5μm、引張強度:410kgf /mm2 、引張
弾性率:48,500kgf /mm2 )を互いに並行かつシ
ート状に引き揃えたものにBステージのエポキシ樹脂を
含浸してなる一方向性プリプレグを用意した。以下、こ
れをプリプレグCという。このプリプレグCは、厚みが
0.123mmで、炭素繊維の含有率が60体積%であ
る。
【0027】次に、このプリプレグCを±45゜層(第
1の層)および0゜層(第3の層)の形成に使用し、実
施例1で使用したプリプレグAを90゜層(第3の層)
の形成に使用し、実施例1と同様にして、この発明に係
る、内径10mm、外径12mm、長さ100mmの円筒体を
得た。以下、これを円筒体Cという。この円筒体Cの各
層の炭素繊維含有率は、±45゜層および0゜層が58
体積%、90゜層が67体積%であり、全炭素繊維量に
対する各層の炭素繊維量は、±45゜層においては50
%、90゜層においては10%、0゜層においては40
%であった。
【0028】次に、この円筒体Cについて実施例1と同
様の試験をしたところ、ねじり破壊トルクは4,200
kgf ・mm、ねじり弾性率は3,600kgf /mm2 、曲げ
弾性率は12,000kgf /mm、圧壊強さは29kgf で
あった。
【0029】一方、比較のため、上記プリプレグCをそ
の炭素繊維の方向がマンドレルの軸方向に対して0゜に
なるように4層巻き付け、次に±45゜になるように2
層巻き付け、以下、実施例1と同様にして、内径10m
m、外径12mm、長さ100mmの円筒体を得た。以下、
これを参照品Cという。この参照品Cの各層の炭素繊維
含有率は、0゜層が67体積%、±45゜層が58体積
%であり、全炭素繊維量に対する各層の炭素繊維量は、
0゜層においては50%、±45゜層においては50%
であった。
【0030】次に、参照品Cについて実施例1と同様に
試験したところ、ねじり破壊トルクは3,500kgf ・
mm、ねじり弾性率は3,100kgf /mm2 、曲げ弾性率
は12,500kgf /mm、圧壊強さは24kgf であっ
た。この参照品Cと円筒体Cとを比較すると、円筒体C
は、参照品Cに対し、ねじり破壊トルクで20%、ねじ
り弾性率で16%、圧壊強さで28%も向上しているの
に対し、曲げ弾性率の低下はわずかに4%におさまって
いる。
【0031】
【発明の効果】この発明の円筒体は、鏡面対称をなす第
1の層の両側に、やはり鏡面対称をなすように第2、第
3の層を配置しているから、応力を受けたときに第1の
層にかかる力が低減され、かつ、その第1の層の変形が
拘束され、かかる作用の相乗によってねじり強度とねじ
り弾性率が大きく向上する。同時に、第2の層によって
直径方向における圧縮強度を向上させて直径方向におけ
る変形を抑え、また、第3の層によって曲げ弾性率に対
してもその低下を抑えているから、曲げ弾性率を大きく
低下させることなくねじり強度やねじり弾性率を向上さ
せることができるとともに、直径方向における圧縮強度
も向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B32B 5/28 A01K 87/00 630A (56)参考文献 特開 平5−177020(JP,A) 実開 平5−13473(JP,U) 実開 平4−92270(JP,U) 実開 昭61−170269(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 A63B 53/10 A63C 11/22 A01K 87/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マトリクス樹脂中に埋没された、積層中心
    に対して鏡面対称をなす複数の補強繊維層を含み、それ
    ら複数の補強繊維層は、 a. 積層中心を挟んでその積層中心の各側に配置され
    た、補強繊維が円筒軸方向に対して±θ1 ゜(10≦θ
    1 ≦80)の角度で配列された第1の層と、 b. 上記第1の層の外側に配置された、補強繊維が円
    筒軸方向に対してθ2゜(85≦θ2 ≦95)の角度で
    配列された第2の層と、 c. 上記第2の層の外側に配置された、補強繊維が円
    筒軸方向に対してθ3゜(−5≦θ3 ≦5)の角度で配
    列された第3の層と、 を含んでいることを特徴とするFRP円筒体。
  2. 【請求項2】各層の補強繊維の含有率が40〜70体積
    %の範囲にあり、かつ、全補強繊維量に対する補強繊維
    量が、第1の層においては40〜60%の範囲にあり、
    第2の層においては2〜25%の範囲にあり、第3の層
    においては5〜40%の範囲にある、請求項1のFRP
    円筒体。
  3. 【請求項3】第1、第2の層の補強繊維は、第3の層の
    補強繊維よりも引張強度の高い補強繊維であり、補強繊
    維の含有率が、第1、第2の層においては40〜70体
    積%の範囲にあり、第3の層においては50〜70体積
    %の範囲にあり、かつ、全補強繊維量に対する補強繊維
    量が、第1の層においては40〜60%の範囲にあり、
    第2の層においては2〜25%の範囲にあり、第3の層
    においては5〜40%の範囲にある、請求項1のFRP
    円筒体。
  4. 【請求項4】第1、第3の層の補強繊維は、第2の層の
    補強繊維よりも引張弾性率の高い補強繊維であり、補強
    繊維の含有率が、第1、第2の層においては40〜70
    体積%の範囲にあり、第3の層においては50〜70体
    積%の範囲にあり、かつ、全補強繊維量に対する補強繊
    維量が、第1の層においては40〜60%の範囲にあ
    り、第2の層においては2〜25%の範囲にあり、第3
    の層においては5〜40%の範囲にある、請求項1のF
    RP円筒体。
  5. 【請求項5】第1、第2、第3の層の層間に樹脂および
    /または粒子の層が配されている、請求項1、2、3ま
    たは4のFRP円筒体。
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