JP3277639B2 - 作業機の傾斜制御装置 - Google Patents

作業機の傾斜制御装置

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JP3277639B2 JP24633993A JP24633993A JP3277639B2 JP 3277639 B2 JP3277639 B2 JP 3277639B2 JP 24633993 A JP24633993 A JP 24633993A JP 24633993 A JP24633993 A JP 24633993A JP 3277639 B2 JP3277639 B2 JP 3277639B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンバイン等の作業機
の傾斜制御装置に係るものである。
【0002】
【従来技術】従来公知の、特開平3−27213号公報
には、機体フレームの下方に前部を中心に回動自在の中
間フレームを設け、該フレームに設けた前側支持軸およ
び後側支持軸に側面視略L型の前側リンク機構および後
側リンク機構の中間部を回動自在に設け、前側リンク機
構と後側リンク機構は連結ロッドにより連結し、該前側
リンク機構および後側リンク機構の下端部に左右一対の
走行フレームを軸着し、前記機体フレームに設けた左右
ローリング用シリンダを前側リンク機構に連結し、前記
中間フレームの後部と機体フレームの間にピッチング用
リンク機構を設け、該ピッチング用リンク機構にピッチ
ング用シリンダを接続した構成について記載されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公知のコンバイン
フレ−ムは、機体フレームと走行フレ−ムとの間に中間
フレ−ムが存在し、また、ピッチング用リンク機構およ
びピッチング用シリンダが存在し、これらがあるから、
構造は複雑になり、重量大となり、背が高くなって不安
定となり、湿田を走行すると中間フレームに多量の泥土
が付着し、路上走行時のスピ−ドが上らないという課題
となる。
【0004】
【発明の目的】本発明は、水平制御機構の簡素化、軽量
化を行なえるようにしたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】よって、本発明は、機体
フレーム1の左右両側にそれぞれ設けた前側支持軸14
および後側支持軸22に側面視略L型の左右一対の前側
リンク機構12および後側リンク機構18の中間部を回
動自在に取付け、該前側リンク機構12および後側リン
ク機構18の下端部にクローラー7を取付けた左右一対
の走行フレーム5をそれぞれ軸着し、前記機体フレーム
1には、前後方向のシリンダチューブ26内に装着した
2個の前側ピストン27および後側ピストン28の夫々
、前後方向に突出して独立して伸縮する2本の前側ピ
ストンロッド38および後側ピストンロッド39を夫々
設けた左右一対の傾斜制御用シリンダ25を、設けた作
業機の傾斜制御装置としたものである。また、本発明
は、前記装置において、前記左右一対の傾斜制御用シリ
ンダ25は、夫々一緒にまたは独立して作動することに
より、機体フレーム1の左右両側の走行フレーム5の何
れか一方または両方を上下させて機体フレーム1の左右
側を相対的に上下動させるローリングおよび車高調節自
在に構成すると共に、左右一対の傾斜制御用シリンダ2
5の夫々の2本の前側ピストンロッド38および後側ピ
ストンロッド39に設けた前記2個の前側ピストン27
および後側ピストン28の何れか一方または両方を伸縮
させて左右の走行フレーム5の何れか一方または両方を
上下させて機体フレーム1の前後側を相対的に上下動さ
せるピッチング自在に構成した作業機の傾斜制御装置と
したものである。
【0006】
【実施例】本発明の実施例をコンバインの例にて図によ
り説明すると、1はコンバインの機体フレーム、2は機
体フレーム1の下方位置に設けた走行装置であり、図示
は省略するが、前記機体フレーム1の上方位置には脱穀
装置を、前記走行装置2の前方位置には刈取部をそれぞ
れ設けている。前記機体フレーム1は、前後方向の縦フ
レーム3および該縦フレーム3を連結する左右方向の横
フレーム4により構成される。機体フレーム1の下方に
は、前記縦フレーム3と平行の前記走行装置2の走行フ
レーム5を左右に所定間隔を有して設ける。前記各走行
フレーム5の外側面には前後に所定間隔を置いて転輪6
を設け、該転輪6の外周にはクローラ7を掛け回す。8
は駆動輪、9はアイドルローラである。
【0007】しかして、前記機体フレーム1と前記左右
の走行フレーム5との間には、圃場の左右傾斜および前
後傾斜に対して機体フレーム1を水平にする機体水平機
構10を設ける。機体水平機構10は従来の左右傾斜に
対するローリング装置及び前後傾斜に対するピッチング
装置の夫々の機能を合せ持ったものであり、また、左右
対称構成のため特に必要な部分を除き片側の構成の説明
を省略する。前記走行フレーム5の前部には左右方向の
前部横取付軸11を設ける。前記走行フレーム5よりも
内側に突き出した前部横取付軸11には、前側リンク機
構12の前側横アーム13の先部を軸着し、前側横アー
ム13の基部は左右方向の前側支持軸14に固定状態に
取付ける。前側支持軸14は前記機体フレーム1側に設
けた前側支持メタル15に回転のみ自在に軸着する。前
側支持メタル15よりも内側に突き出した前側支持軸1
4には、前側リンク機構12の前側縦アーム16の基部
を固定状態に取付ける。したがって、前記各前側リンク
機構12は前記機体フレーム1に対してその中間部を前
側支持軸14によりそれぞれ軸支される。
【0008】前記走行フレーム5の後部には、左右方向
の後部横取付軸17を設け、前記走行フレーム5より左
右側に突き出た後部横取付軸17には後側リンク機構1
8の取付板19の下部を軸着する。取付板19の上部に
は後側横アーム20の先部を中間取付軸21により軸着
する。後側横アーム20の基部は左右方向の後側支持軸
22に固定状態に取付ける。後側支持軸22は前記機体
フレーム1側に設けた後側支持メタル23に回転のみ自
在に軸着する。後側支持軸22には後側リンク機構18
の後側縦アーム24の基部を固定する。
【0009】しかして、前記機体フレーム1には、左右
一対の傾斜制御用シリンダ25を設ける。傾斜制御用シ
リンダ25は、単体に構成されたシリンダチューブ26
内に2個の前側ピストン27および後側ピストン28を
装着し、前記シリンダチューブ26の前後および中間位
置にそれぞれ前側油出入口30と中間油出入口31と後
側油出入口32とを設け、シリンダチューブ26の前側
ロッドカバー33と前側ピストン27の間に前側シリン
ダ室34を形成し、前側ピストン27と後側ピストン2
8との間に中間シリンダ室35を形成し、後側ピストン
28と後側ロッドカバー後側ロッドカバー36の間に後
側シリンダ室37を形成し、前記前側ピストン27およ
び後側ピストン28のそれぞれの前側ピストンロッド3
8および後側ピストンロッド39を前後に突出させて構
成している。
【0010】傾斜制御用シリンダ25は、シリンダチュ
ーブ26の前側部を機体フレーム1に設けた軸43に回
動自在に取付け、前記前側ピストンロッド38の先端に
は取付部材42を介して前側縦アーム16の先端を軸着
し、後側ピストンロッド39の先端に後側縦アーム24
の先端を軸着する。即ち、前側ピストンロッド38およ
び後側ピストンロッド39は直線移動であり、前側縦ア
ーム16および後側縦アーム24の先端は円弧移動ある
ので、シリンダチューブ26を回動自在に取付けて、傾
斜制御用シリンダ25の姿勢を前側縦アーム16および
後側縦アーム24の回動に追随させる。
【0011】
【作用】次に作用を述べる。 (ローリング作用) 傾斜制御用シリンダ25の作動は、図6のAパターンの
状態から中間油出入口31を閉にし、前側油出入口30
から油を供給して後側油出入口32より排出すると、前
側油出入口30から前側シリンダ室34に入った油は前
側ピストン27を後側に押して前側ピストンロッド38
を縮小させ、前側ピストン27は中間シリンダ室35の
油をそのまま後側に押して後側ピストン28を押し、後
側シリンダ室37内の油が後側油出入口32より排出さ
れて後側ピストンロッド39が後側に伸長し、図6のB
パターンとなる。即ち、中間油出入口31が閉であり、
中間シリンダ室35内の油圧は変化しないので、前側ピ
ストンロッド38が縮小した分、後側ピストンロッド3
9は伸長する。
【0012】そして、前側ピストンロッド38の縮小に
より、図6のAパターンを示す図2の状態の前側縦アー
ム16を後回動させて前側支持軸14を回転させ、前側
支持軸14の回転により前側横アーム13を前側支持軸
14を中心に後回動させ、また、後側ピストンロッド3
9の伸長により後側縦アーム24が後回動し、該後回動
により後側支持軸22を回転させ、後側支持軸22の回
転により後側横アーム20を後回動させ、図6のBパタ
ーンを示す図7の状態となって走行フレーム5に対して
機体フレーム1を相対的に上動させる(図1)。
【0013】また、反対に、傾斜制御用シリンダ25の
中間油出入口31を閉にし、後側油出入口32から油を
供給して前側油出入口30より排出すると、前側ピスト
ンロッド38伸長し、前側縦アーム16を前回動させて
前側支持軸14を回転させ、前側支持軸14の回転によ
り前側横アーム13を前側支持軸14を中心に前回動さ
せ、また、後側ピストンロッド39が縮小し、後側縦ア
ーム24を前回動させて後側支持軸22を回転させ、後
側支持軸22の回転により後側横アーム20を前回動さ
せ、走行フレーム5に対して機体フレーム1を相対的に
下動させる(図2)。
【0014】したがって、傾斜制御用シリンダ25の両
方を前記のように作動させると、走行フレーム5を機体
フレーム1に対して上下させて車高調節が行なえ、傾斜
制御用シリンダ25の一方または相互反対に前記のよう
に作動させると、走行フレーム5を機体フレーム1に対
して一方または相互反対に相対的に上下させて圃場の左
右傾斜に対応させて機体フレーム1の傾斜を修正させ所
謂ローリングさせる。
【0015】(ピッチング作用) しかして、左右の傾斜制御用シリンダ25の前側ピスト
ンロッド38または後側ピストンロッド39の一方を伸
縮させて、前側リンク機構12または後側リンク機構1
3の一方を作動させると、機体フレーム1の前後のいず
れかを上下させ、圃場の前後傾斜に対して機体フレーム
1を水平にする。
【0016】即ち、図6のAパターンから傾斜制御用シ
リンダ25の後側油出入口32を閉にし、前側油出入口
30から油を供給して中間油出入口31より排出する
と、前側ピストンロッド38を縮小させ、前側縦アーム
16および前側横アーム13を後方回動させるので、図
6のDパターンとなって機体フレーム1の前側が上動す
る(図9)。また、図6のBパターンから前側油出入口
30を閉にし、後側油出入口32から油を供給して中間
油出入口31より排出すると、後側ピストンロッド39
を縮小させ、後側縦アーム24および後側横アーム20
を前方回動させると、機体フレーム1の後側が下り結果
的に機体フレーム1の前側が上動する。
【0017】しかして、図6のAパターンの状態から前
側油出入口30を閉にし、中間油出入口31から油を供
給して後側油出入口32より排出すると、後側ピストン
ロッド39が伸長し、図6のEパターンとなって、後側
縦アーム24および後側横アーム20を後方回動させ、
機体フレーム1の後側が上動する(図10)。また、後
側油出入口32を閉にし、中間油出入口31から油を供
給して前側油出入口30より排出すると、前側ピストン
ロッド38が伸長し、前側縦アーム16および前側横ア
ーム13を前方回動させるので、機体フレーム1の前側
が下がり結果的に機体フレーム1の後側が上動する。な
お、ピッチング作用は、圃場の前後傾斜に対して機体フ
レーム1を水平にするものであるが、理解を容易にする
ため、図においては、地面を水平にし、機体フレーム1
を傾斜させて表現している。
【0018】(ローリングおよびピッチング) 以上の作用の説明は、理解を容易にするために、従来の
ローリングおよびピッチング作用と同様にそれぞれ独立
した例にて説明したが、2個の傾斜制御用シリンダ25
を、独立して行うことで、前後の上下を左右独立して行
なえる。したがって、従来の左右傾斜にのみ対応するロ
ーリングあるいは前後傾斜にのみ対応するピッチング制
御といったものでなく、これらを組合わせて水平制御を
正確に行なえる。なお、前記のように前後の上下を左右
独立しても行なえるから、機体フレーム1の前側の右側
だけを上動させる等、一部分の上下も可能であり、傾斜
制御用シリンダ25の制御方法、あるいは前側ピストン
27および後側ピストン28の伸縮については任意であ
る。しかして、傾斜制御用シリンダ25は、機体フレー
ム1に取付けているので、互いが互いの強度メンバーと
なって、強度を確保できる。また、機体フレーム1の下
方には走行フレーム5が設けられているだけで、中間フ
レームが存在しないので、軽量化でき、走行中の泥抜け
がよく、走行性能を向上させる。また、前側リンク機構
12および後側リンク機構18は、中間フレームに取付
けず、機体フレーム1に取付けたので、強度が向上す
る。
【0019】
【効果】本発明は、機体フレーム1の左右両側にそれぞ
れ設けた前側支持軸14および後側支持軸22に側面視
略L型の左右一対の前側リンク機構12および後側リン
ク機構18の中間部を回動自在に取付け、該前側リンク
機構12および後側リンク機構18の下端部にクローラ
ー7を取付けた左右一対の走行フレーム5をそれぞれ軸
着し、前記機体フレーム1には、前後方向のシリンダチ
ューブ26内に装着した2個の前側ピストン27および
後側ピストン28の夫々に、前後方向に突出して独立し
伸縮する2本の前側ピストンロッド38および後側ピ
ストンロッド39を夫々設けた左右一対の傾斜制御用シ
リンダ25を、設けた作業機の傾斜制御装置としたもの
であるから、ローリングおよびピッチング可能でありな
がら、従来例では存在した機体フレーム1と走行フレー
ム5との間の中間フレームを省略したので、構造が簡単
になって軽量化が図れ、車高を低くして走行安定性を向
上させ、特に湿田作業において作業したようなときでも
泥土の付着が少ないので、走行性能を著しく向上させ、
また、左右を独立して上下できるのできめ細かい水平制
御を行え、走行性能を向上させる。また、本発明は、前
記装置において、前記左右一対の傾斜制御用シリンダ2
5は、夫々一緒にまたは独立して作動することにより、
機体フレーム1の左右両側の走行フレーム5の何れか一
方または両方を上下させて機体フレーム1の左右側を相
対的に上下動させるローリングおよび車高調節自在に構
成すると共に、左右一対の傾斜制御用シリンダ25の夫
々の2本の前側ピストンロッド38および後側ピストン
ロッド39に設けた前記2個の前側ピストン27および
後側ピストン28の何れか一方または両方を伸縮させて
左右の走行フレーム5の何れか一方または両方を上下さ
せて機体フレーム1の前後側を相対的に上下動させるピ
ッチング自在に構成した作業機の傾斜制御装置としたも
のであるから、2個の傾斜制御用シリンダ25を、独立
して行うことで、前後の上下を左右独立して行なえる。
したがって、従来の左右傾斜にのみ対応するローリング
あるいは前後傾斜にのみ対応するピッチング制御といっ
たものでなく、これらを組合わせて水平制御を正確に行
なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 走行装置の側面図。
【図2】 同平面図。
【図3】 同正面図。
【図4】 制御図。
【図5】 油圧回路図。
【図6】 制御図。
【図7】 Bパターンのピッチング状態の側面図。
【図8】 Cパターンのピッチング状態の側面図。
【図9】 Dパターンのピッチング状態の側面図。
【図10】 Eパターンのピッチング状態の側面図。
【符号の説明】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…縦フレーム、4
…横フレーム、5…走行フレーム、6…転輪、7…クロ
ーラ、8…駆動輪、9…アイドルローラ、10…機体水
平機構、11前部横取付軸11、12…前側リンク機
構、13…前側横アーム、14…前側支持軸、15…前
側支持メタル、16…前側縦アーム、17…後部横取付
軸、18…後側リンク機構、19…取付板、20…後側
横アーム、21…中間取付軸、22…後側支持軸、23
…後側支持メタル、24…後側縦アーム、26…シリン
ダチューブ、27…前側ピストン、28…後側ピスト
ン、30…前側油出入口、31…中間油出入口、32…
後側油出入口、33…前側ロッドカバー、34…前側シ
リンダ室、35…中間シリンダ室、36…後側ロッドカ
バー、37…後側シリンダ室、38…前側ピストンロッ
ド、39…後側ピストンロッド、42…取付部材、43
…軸。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機体フレーム1の左右両側にそれぞれ設
    けた前側支持軸14および後側支持軸22に側面視略L
    型の左右一対の前側リンク機構12および後側リンク機
    構18の中間部を回動自在に取付け、該前側リンク機構
    12および後側リンク機構18の下端部にクローラー7
    を取付けた左右一対の走行フレーム5をそれぞれ軸着
    し、前記機体フレーム1には、前後方向のシリンダチュ
    ーブ26内に装着した2個の前側ピストン27および後
    側ピストン28の夫々に、前後方向に突出して独立して
    伸縮する2本の前側ピストンロッド38および後側ピス
    トンロッド39を夫々設けた左右一対の傾斜制御用シリ
    ンダ25を、設けた作業機の傾斜制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記左右一対の傾斜
    制御用シリンダ25は、夫々一緒にまたは独立して作動
    することにより、機体フレーム1の左右両側の走行フレ
    ーム5の何れか一方または両方を上下させて機体フレー
    ム1の左右側を相対的に上下動させるローリングおよび
    車高調節自在に構成すると共に、左右一対の傾斜制御用
    シリンダ25の夫々の2本の前側ピストンロッド38お
    よび後側ピストンロッド39に設けた前記2個の前側ピ
    ストン27および後側ピストン28の何れか一方または
    両方を伸縮させて左右の走行フレーム5の何れか一方ま
    たは両方を上下させて機体フレーム1の前後側を相対的
    に上下動させるピッチング自在に構成した作業機の傾斜
    制御装置
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