JP3276472B2 - 加工性および耐候性に優れたFe−Cr合金 - Google Patents

加工性および耐候性に優れたFe−Cr合金

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海浜工業地帯のような
厳しい腐食環境での建築物外装材などに好適な加工性お
よび耐候性に優れたFe−Cr合金に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にFe−Cr合金は耐食性に優れた
材料として知られているが、耐食性、加工性および耐酸
化性の改善を含めてFe−Cr合金の物性の改良が以下
の例示のごとくに各種提案されている。
【0003】特公昭63−58904号公報では、Cr
含量11.0〜16.0重量%のFe−Cr合金で、特
にTi含量を特定量とした張り出し性および二次加工性
に優れたフェライト系ステンレス鋼を提案している。
【0004】特公昭64−6264号公報では、Cr含
量8.0〜35.0重量%のFe−Cr合金で、特にS
i,MnおよびNbを各々特定量含有した耐銹性に優れ
たステンレス鋼光輝焼鈍材を提案している。
【0005】特公平2−1902号公報では、Cr含量
が20.0重量%を越え25.0重量%以下のFe−C
r合金で、特にMo,MnおよびNbを特定量含有せし
めた溶接時の耐高温割れ性および溶接部靱性に優れた耐
食性フェライト系ステンレス鋼を提案している。
【0006】特開昭61−186451号公報では、C
r含量が25〜50重量%のFe−Cr合金で、特にS
i,MnおよびMoを特定量含有せしめた耐サワー性に
優れた合金を提案している。
【0007】特開昭62−267450号公報では、C
r含量16〜19重量%のFe−Cr合金であって、特
にMoを特定量含有せしめた耐粒界腐食性に優れる高純
度フェライト系ステンレス鋼を提案している。
【0008】特開平1−287253号公報では、Cr
含量15〜26重量%、Al含量4〜6重量%のFe−
Cr−Al合金であって、希土類元素を少量特定量含有
せしめた耐酸化性および製造性に優れたAl含有フェラ
イト系ステンレス鋼を提案している。
【0009】特開平2−232344号公報では、Cr
含量25.0〜30.0重量%のFe−Cr合金であっ
て、特にMoを特定量含有せしめた耐生物付着性および
耐海水性に優れたフェライト系ステンレス鋼を提案して
いる。
【0010】特開平3−2355号公報では、Cr含量
16.0〜25.0重量%のFe−Cr合金であって、
特にNbをCとNの合計量との比において特定量含有せ
しめた冷間加工性、靱性、耐食性に優れたフェライト系
ステンレス鋼を提案している。特公平5−36492号
公報では、Cr含量15〜50重量%、Mo5.00重
量%のFe−Cr合金であって、C,N,S,Si,M
n,Oを低減すると同時にAlを特定量含有せしめた耐
食性および靱性にすぐれたフェライト系クロムステンレ
ス鋼を提案している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来のFe−Cr合金は海浜工業地帯などの厳しい腐食
環境においては、なお耐候性不足であり、また耐候性と
重視する余りCr,Moを比較的多量に使用するため、
延性が低下し、十分な加工を施すことが困難であった。
【0012】したがって、本発明の目的は、加工性に優
れ、しかも耐候性に優れたFe−Cr合金を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意研究を行った結果、意外にも従来のFe
−Cr合金に存在していたC,N,O,PおよびSなど
の不純物元素がきわめて少ないFe−Cr合金が著しく
延性において優れることを見いだすとともに、不純物が
極めて少ないFe−Cr合金にMoを特定量添加した合
金は耐候性が著しく向上することを知見し、本発明を完
成するに至った。
【0014】すなわち、本発明は、Cr含有量が3〜6
0重量%であり、不純物としてのC,N,P,Oおよび
Sの合計量が100重量ppm以下であり、かつMoを
0.05重量%以上0.5重量%未満含有し、残部Fe
および不可避的不純物よりなることを特徴とする加工性
および耐候性に優れたFe−Cr合金を提供するもので
ある。
【0015】
【作用】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本発明
のFe−Cr合金は、Cr含有量が3〜60重量%であ
り、C,N,O,PおよびSなどの不純物が100pp
m以下と極めて少ないので延性に優れ、またMoを0.
05重量%以上0.5重量%未満含有するので耐候性に
優れる。
【0016】次に本発明のFe−Cr合金の成分の限定
理由について説明する。 〔Cr〕3〜60重量%、好ましくは4〜50重量%を
含有する。上記範囲であれば他の条件と結合して耐候性
に優れた合金となるが、60重量%を超えての過剰の含
有はコスト高となり好ましくない。
【0017】〔C,N,O,PおよびS〕これら元素の
合計量は100ppm以下好ましくは85ppm以下で
ある。これらの元素の含有量を低減することにより合金
の延性、即ち加工性が改善されると同時に上述したCr
含有量の条件およびMo含有量の条件と結合して耐候性
にすぐれた合金となる。この量が100ppmを超える
とこのような優れた効果を示さない。その一例を図1に
示す。評価は実施例に示すのと同じである。
【0018】〔Mo〕0.05重量%以上0.5重量%
未満、好ましくは0.1〜0.3重量%を含有する。上
記範囲であれば他の条件と結合して耐候性にすぐれた合
金となる。0.5重量%をこえての過剰のMoの含有は
コスト高となり好ましくない。
【0019】本発明のFe−Cr合金を製造するには、
原料として、超高純度の電解鉄と電解Crおよび高純度
金属原料を使用する。これらの原料を10-5Torr以
上の超高真空中で溶解・鋳造することにより本発明のF
e−Cr合金を製造することができる。
【0020】また本発明のFe−Cr合金は、熱延焼鈍
板、冷延焼鈍板で用いられても十分に効果が生ずるとと
もに、冷延焼鈍においては、表面仕上げが2D、2B、
BA、HL、研磨、鏡面などのいずれでもかまわない。
【0021】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。 (実施例)表1に示す組成の合金を超高純度電解鉄と電
解Crおよび高純度金属Moを用いて10-5Torr以
上の真空中で要製した。これを約1150℃に加熱後、
熱間圧延にて約4.5mm厚に仕上げ、最終的に0.6
〜1.0mm厚に冷間圧延後、再結晶と結晶粒径の調整
のための焼鈍を500〜1100℃で施した。
【0022】これから室温での引張試験片(JIS5
号)を切り出し、JIS Z2241に準拠して引張試
験を行った。
【0023】また、耐候性試験では、表面#1000エ
メリー紙研磨後、千葉市の海浜海岸地区(海から25
m)にて3か月暴露し、発銹状態を目視観察すると同時
に、発銹状態により下記の5段階評価を行った。その結
果を図2に示す。 5:発銹なし 4:しみさび発生 3:しみさび発生大 2:赤さび発生 1:赤さび発生大 以上の測定結果を表1に合わせて示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】本発明のFe−Cr合金は加工性および
耐候性において優れるので、海浜工業地区など腐食環境
の厳しい地区における建築物外装材などの用途に好適に
用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (C+N+O+S+P)と引張特性との関係
を示すグラフである。
【図2】 Fe−(3〜51%)Cr合金に関してMo
含有量と発銹ランクの関係と示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−49604(JP,A) 特開 平6−49603(JP,A) 特開 平6−41697(JP,A) 特開 平6−41696(JP,A) 特開 平6−33197(JP,A) 特開 昭49−59021(JP,A) 特開 平5−302152(JP,A) 特開 昭59−83749(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Cr含有量が3〜60重量%であり、不純
    物としてのC,N,P,OおよびSの合計量が100重
    量ppm以下であり、かつMoを0.05重量%以上
    0.5重量%未満含有し、残部Feおよび不可避的不純
    物よりなることを特徴とする加工性および耐候性に優れ
    たFe−Cr合金。
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