JP3519421B2 - 加工性と耐食性に優れたFe−Cr合金 - Google Patents

加工性と耐食性に優れたFe−Cr合金

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は伸び性、曲げ性および耐
食性に優れた高純度のFe−Cr合金に関する。 【0002】 【従来の技術】一般にFe−Cr合金は耐食性に優れた
材料として知られているが、耐食性および加工性の改善
も含めてFe−Cr合金の物性の改良が以下に例示のご
とくに各種提案されている。 【0003】特公昭63−58904号公報ではCr含
量11.0〜16.0重量%のFe−Cr合金で、特に
Ti含量を特定量とした張り出し性および二次加工性に
優れたフェライト系ステンレス鋼を提案している。 【0004】特公昭64−6264号公報ではCr含量
8.0〜35.0重量%のFe−Cr合金で、特にS
i,MnおよびNbを各々特定量含有せしめた耐銹性に
優れたステンレス鋼光輝焼鈍材を提案している。 【0005】特公平2−1902号公報ではCr含量が
20.0重量%を越え25重量%以下のFe−Cr合金
で、特にMo,MnおよびNbを各々特定量含有せしめ
た溶接時の耐高温割れ性および溶接部靱性に優れた耐食
性フェライトステンレス鋼を提案している。 【0006】特開昭61−186451号公報ではCr
含量が25〜50重量%のFe−Cr合金で、特にS
i,MnおよびMoを特定量含有せしめた耐サワー性に
優れた合金を提案している。 【0007】特開昭62−267450号公報ではCr
含量16〜19重量%のFe−Cr系合金であって、特
にMoを特定量含有せしめた耐粒界腐食性に優れる高純
度フェライト系ステンレス鋼を提案している。 【0008】特開平1−287253号公報ではCr含
量15〜26重量%、Al含量4〜6重量%のFe−C
r−Al合金であって、希土類元素を少量特定量含有せ
しめた耐酸化性および製造性に優れたAl含有フェライ
ト系ステンレス鋼を提案している。 【0009】特開平2−232344号公報ではCr含
量25.0〜30.0重量%のFe−Cr系合金であっ
て、特にMoを特定量含有せしめた耐生物付着性および
耐海水性に優れたフェライト系ステンレス鋼を提案して
いる。 【0010】特開平3−2355号公報ではCr含量1
6.0〜25.0重量%のFe−Cr合金であって、特
にNbをCとNの合計量との比において特定量含有せし
めた冷間加工性、靱性、耐食性に優れたフェライト系ス
テンレス鋼を提案している。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の先行技術において提案されたFe−Cr合金は、耐食
性および成形性のいずれをも充分に満たすものではな
い。一般的にCr量の増加と共に耐食性は増加するが、
反面、延性が低下して加工性が低下する。上記の種々の
提案では、ステンレス鋼の最も重要な特性である耐食性
を損なわないようCr量を比較的多く使用しているの
で、加工性を犠牲にしている。前記特開平3−2355
号公報では、Nbを特定量加えて加工性の向上を狙って
いるが、それでもなお限界がある。また、当然ながらC
rの多量の使用は合金のコストが高くなる。 【0012】かくして、本発明の目的は耐食性および
工性の目安となる伸び性、曲げ性が高い水準でバランス
が取れ、しかも安価に製造し得るFe−Cr合金を提供
することである。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意研究を行った結果、従来Fe−Cr合金
に存在していたC,N,O,P,Sなどの不純物を低下
させ、不可避的に存在したか、あるいは積極的に添加す
る場合もあるAl,Tiなどの元素の存在量を低下させ
た結果、意外にも極めて高純度で比較的低Cr含量のF
e−Cr合金が上記目的を達成することを見い出し、本
発明を完成するに至った。 【0014】すなわち、本発明によれば、高純度電解鉄
と電解Crを、10 −7 torrよりも高い超高真空下
で溶解、鋳造することにより得られる、FeとCrの合
計含量が99.98重量%以上で不純物合計量が0.0
2重量%未満かつCr含量が0.5〜12重量%である
伸び性、曲げ性および耐食性に優れた超高純度のFe−
Cr合金が提供される。 【0015】 【作用】本発明の理解のために、図面を用いて説明す
る。図1は、供試材(Fe−11.2%Cr)の引張試
験により伸びを測定した結果を示すものである。この図
から明らかなように、Fe,Cr以外の成分の総和が
0.02重量%未満、即ちFeとCrの合計量が99.
98%以上の場合において伸びが極めて高いことが明ら
かである。 【0016】なお、試験片の調製および測定法は以下の
ごとくである。 試験片:10kg真空炉で溶解、鋳造し、熱間で4mm
厚まで圧延後、再結晶焼鈍し、脱スケール後冷間で0.
7mm厚まで圧延後、再結晶焼鈍し、供試材とした。 測定法:試験片を圧延方向に対してL方向、C方向、X
方向より採取し、JIS Z−2241に準拠した引張
試験により伸びとして、各方向の平均すなわち(L+C
+2×X)/4で求めた。 【0017】図2は、FeとCrの合計量が99.98
重量%以上および99.98重量%未満の各々の合金に
つき、Cr含量と耐食性の試験を行った結果を示してい
る。 【0018】耐食性は、大気暴露試験を6ケ月間行い、
以下のように評価した。 A:赤錆全くなし B:わずかに赤錆発生 C:赤錆中程度発生 D:著しく赤錆発生 試験片の調製:10kg真空炉で溶解、鋳造し、熱間で
4mm厚まで圧延後、再結晶焼鈍し、脱スケール後冷間
で0.7mm厚まで圧延後、再結晶焼鈍した鋼板表面を
エメリー#500研磨して試験に供した。 試験法:千葉の海岸地区(海岸線より10mのところ)
で6ケ月間暴露した。 【0019】図2から明らかなように、FeとCrの合
計量が99.98重量%以上の場合、Cr含量が0.5
重量%から耐食性が向上し、5重量%以上となると著し
く耐食性に優れることが明らかである。 【0020】一方、FeとCrの合計量が99.98重
量%未満の場合、Cr含量が10%以上になってはじめ
て耐食性が改善されることがわかる。すなわち、Fe−
Cr系合金で著しく高純度化することにより、極低Cr
量で耐食性が良好となることがわかる。従来、18%程
度必要であったCr量が(Fe+Cr)≧99.98重
量%とすることにより、2.5%程度で同等の耐食性が
得られる。 【0021】 【構成】以下、本発明の構成を詳述する。本発明のFe
−Cr合金のFeとCrの合計量は99.98重量%以
上である。99.98重量%未満であると、〔作用〕の
項で述べたように延性が低下すると共に、耐食性も低
い。FeとCrの合計量が上記範囲であることによっ
て、延性と耐食性の両方が高い水準となる。 【0022】また、Cr含量は0.5〜12重量%、好
ましくは2〜12重量%である。Cr含量が12重量%
を超えた場合、本発明の検討範囲内では特に耐食性が優
れることもなく、むしろ延性が低下するとともに、コス
ト的にも高くなる。 【0023】このように、高純度電解鉄と電解Crを、
10 −7 torrよりも高い超高真空下で溶解、鋳造す
ることにより得られる、FeとCrの合計含量が99.
98重量%以上で不純物合計量が0.02重量%未満か
つCr含量が0.5〜12重量%とすることにより、著
しく高耐食性で高伸び性、高曲げ性を有するFe−Cr
合金が得られる。 【0024】従来のFe−Cr合金に通常含有されてい
る不純物元素とては、C,N,O,P,S,Si,M
n,Al,Mo,Ti,V,Nb,W,Zr,Ta,
B,Ni,Cu,Co,Ca,Mgなどがあるが、Fe
+Cr≧99.98%であればよいので、これら不純物
元素の量を個々には規定しない。 【0025】このような超高純度のFe−Cr合金を製
造するには、原料として高純度電解鉄と電解Crを所定
量用いることで達成される。いずれの原料も、主たる不
純物は酸素であり、この酸素を除去するために、10-7
torrよりも高い超高真空下で溶解、鋳造することに
より本発明の超高純度のFe−Cr合金を製造すること
ができる。また、本発明合金は、熱延焼鈍板、冷延焼鈍
板で用いられても十分に効果が生じるとともに、冷延焼
鈍板においては表面仕上げが2D,2B,BA,HL,
研磨、鏡面などのいずれでもかまわない。 【0026】 【実施例】以下、実施例をもって本発明を具体的に説明
する。 (実施例)表1に示す化学組成を有する鋼を10kg真
空溶解炉で溶製、鋳造し、熱間圧延により板厚4mmの
熱延板とし、再結晶を目的とした熱延板焼鈍を施し、脱
スケール後冷間圧延により板厚0.8mmの冷延板とし
て最終的に再結晶焼鈍し、冷延焼鈍板とした。 【0027】 【0028】このようにして得られた鋼板について以下
の試験を行った。 〔伸び性および曲げ性の評価〕 JIS Z−2241に準拠した引張試験による伸びの
測定と、50%冷間圧延後、C方向に180°密着曲げ
試験を行った時の割れの状況を観察した。その結果を表
2に示す。 【0029】【0030】Fe+Cr≧99.98%と超高純度化す
ることにより伸びが改善され、曲げ性も良好となること
がわかる。一方、Fe+Cr≧99.98%としてもC
rが12%を超えるとCrの固溶強化により伸びが低下
することもわかる。 【0031】〔耐食性評価〕上記鋼板をエメリー#50
0研磨し、千葉海岸地区(海岸線より10m)で6ケ月
間の大気暴露試験およびJIS Z−2371に準拠し
た塩水噴霧試験(SST)を100時間行った。その結
果を表3に示す。 【0032】 【0033】Fe+Cr≧99.98%の高純度とし、
かつCrを0.5%以上含有させることにより、耐食性
が著しく改善されることがわかる。 【0034】 【発明の効果】Fe+Cr≧99.98重量%と超高純
度化したFe−Cr合金は、非常に伸び性および曲げ性
が良好であるばかりか、従来鋼の18%Cr鋼と同等の
耐食性をわずか2%Crで得ることができ、著しく耐食
性が良好となり、伸び性、曲げ性および耐食性のいずれ
も優れた合金を安価に提供できる可能性がある。
【図面の簡単な説明】 【図1】 Fe,Cr以外の成分の総和と伸びの関係を
示すグラフである。 【図2】 Cr含量と耐食性の関係を示すグラフであ
る。
フロントページの続き (72)発明者 矢 沢 好 弘 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 大和田 哲 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 藤 澤 光 幸 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社技術研究本部内 (56)参考文献 特公 昭49−5091(JP,B2) 特公 昭57−13632(JP,B2) 特公 昭49−31170(JP,B2)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】【請求項1】 高純度電解鉄と電解Crを、10−7to
    rrよりも高い超高真空下で溶解、鋳造することにより
    得られる、FeとCrの合計含量が99.98重量%以
    上で不純物合計量が0.02重量%未満かつCr含量が
    0.5〜12重量%である伸び性、曲げ性および耐食性
    に優れたFe−Cr合金。
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