JP2002212683A - 高温耐酸化性に優れたフェライト系ステンレス鋼板 - Google Patents

高温耐酸化性に優れたフェライト系ステンレス鋼板

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JP2002212683A
JP2002212683A JP2001009163A JP2001009163A JP2002212683A JP 2002212683 A JP2002212683 A JP 2002212683A JP 2001009163 A JP2001009163 A JP 2001009163A JP 2001009163 A JP2001009163 A JP 2001009163A JP 2002212683 A JP2002212683 A JP 2002212683A
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Yoshihiro Ozaki
芳宏 尾崎
Mineo Muraki
峰男 村木
Atsushi Miyazaki
宮崎  淳
Junichiro Hirasawa
淳一郎 平澤
Yoshihiro Yazawa
好弘 矢沢
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温においては軟質で加工性に優れるととも
に、従来にくらべ高温強度が高く、かつ高温での耐酸化
性にも優れたフェライト系ステンレス鋼板を提案する。 【解決手段】 C:0.02%以下、Si:0.1 %以上0.5 %
以下、Mn:1.5 %以下、P:0.04%以下、S:0.01%以
下、Cr:10%以上16%以下、Ni:1%以下、Mo:1%以
上2%以下、Al:1%以下、Nb:0.2 %以上0.8 %以
下、N:0.02%以下を含み、かつSiとMoを、Mo×Si≦0.
6 を満足するように含有し、残部Feおよび不可避的不純
物からなる組成と、鋼板の表面粗さをRaで0.1 〜2.0 μ
m とする。Ti:0.5 %以下、Zr:0.5 %以下、V:0.5
%以下のうちから選ばれた1種または2種以上、B:0.
003 %以下、Cu:1.0 %以下、W:1.0 %以下のうちの
1種または2種以上を含有してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェライト系ステ
ンレス鋼板に係り、とくに自動車やオートバイの排気
管、触媒外筒材等の自動車排気系部材用として好適な、
常温での加工性と、高温での強度および耐酸化性とを兼
ね備えたフェライト系ステンレス鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の排気系環境で使用される、例え
ば、エキゾーストマニホールド、排気パイプ、コンバー
ターケース、マフラー等に代表される排気系部材には、
高温と低温の繰り返しによる熱歪の問題から、オーステ
ナイト系ステンレス鋼よりも熱膨張率が小さいフェライ
ト系ステンレス鋼が適している。このような排気系部材
に使用される鋼板には、常温で、複雑な形状に加工でき
る高加工性を有するとともに、高温における強度が高
く、さらに耐酸化性にも優れることが要求され、現状で
は、常温では軟質であり成形性に優れ、高温耐力も比較
的高い、NbとSiを添加したフェライト系ステンレス鋼、
例えば、Type 429(14Cr-0.9Si-0.4Nb系) 鋼が多く使用
されている。
【0003】また、排気部材用材料の高温強度を高める
ことは、部材の薄肉化を可能とし、自動車車体の軽量化
に大きく寄与できるため、高温強度の増加要求がますま
す強くなっている。さらに、排気系部材用材料には、排
ガス温度の上昇にともない、高温で異常酸化が発生しな
い優れた耐酸化性を具備することも併せて要求されるよ
うになってきた。エンジン性能の向上により排ガス温度
が現行温度より高い900 ℃程度まで上昇すると、Type 4
29鋼は、高温耐力や高温での耐酸化性が不足するいう問
題がある。
【0004】このような問題に対し、NbとMoを添加し高
温耐力を向上させたフェライト系ステンレス鋼、SUS 43
6(19Cr-0.3Nb-0.9Mo) 鋼、SUS 444(19Cr-0.2Nb-1.8Mo)
鋼が開発されている。しかし、SUS 436 鋼、SUS 444 鋼
は、合金元素量が多く高価であるうえ、とくに常温にお
ける強度が高く、複雑な形状への加工が困難となるとい
う問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来技術の問題を解決し、常温においては軟質で加工性に
優れるとともに、従来にくらべ高温強度が高く、かつ高
温での耐酸化性にも優れたフェライト系ステンレス鋼板
を提案することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題を達成するため、フェライト系ステンレス鋼板の、
常温での加工性、高温強度、高温での耐酸化性に影響す
る合金元素について鋭意研究した。その結果、本発明者
らは、常温での加工性、高温強度を損なうことなく、高
温での耐酸化性と、さらには高温での耐疲労特性を高い
レベルで両立させることができるフェライト系ステンレ
ス鋼板の組成範囲を見いだすことに成功した。本発明
は、上記した知見に基づいて完成されたものである。
【0007】すなわち、本発明は、mass%で、C:0.02
%以下、Si:0.1 %以上0.5 %以下、Mn:1.5 %以下、
P:0.04%以下、S:0.01%以下、Cr:10%以上16%以
下、Ni:1%以下、Mo:1%以上2%以下、Al:1%以
下、Nb:0.2 %以上0.8 %以下、N:0.02%以下を含
み、かつSiとMoを、Mo×Si≦0.6 を満足するように含有
し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、
表面粗さがRaで0.1 〜2.0 μm であることを特徴とする
高温での耐酸化性に優れたフェライト系ステンレス鋼板
であり、また、本発明では、前記組成に加えてさらに、
mass%で、Ti:0.5 %以下、Zr:0.5 %以下、V:0.5
%以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有す
る組成とすることが好ましい。
【0008】また、本発明では、前記各組成に加えてさ
らに、mass%で、B:0.003 %以下含有する組成とする
ことが好ましい。また、本発明では、前記各組成に加え
てさらに、mass%で、Cu:1.0 %以下を含有する組成と
することが好ましい。また、本発明では、前記各組成に
加えてさらに、mass%で、W:1.0 %以下を含有する組
成とすることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明のフェライト系ス
テンレス鋼板の組成限定理由について説明する。なお、
mass%は単に%と記す。 C:0.02%以下 Cは、鋼の強度を増加させるとともに、適正量であれば
結晶粒界を強化し耐二次加工脆性を向上させる元素であ
るが、0.02%を超える含有は、結晶粒界に炭化物が多量
析出し、耐二次加工脆性や耐食性に悪影響を及ぼす。こ
のため、Cは0.02%以下に限定した。なお、好ましくは
0.002 〜0.010 %である。
【0010】Si:0.1 %以上0.5 %以下 Siは、固溶強化により鋼の強度を増加する元素であり、
高温強度の増加に有効に作用する。このような効果は、
0.1 %以上の含有で認められる。しかし、本発明鋼板の
ような、Moを含有する場合には、Siを0.5 %を超えて過
剰に含有すると、Mo析出物、Fe−Mo金属間化合物の析出
を促進するため、Siの固溶強化に加え、Mo析出物の析出
強化により、常温での強度が増加しすぎ、加工性が顕著
に低下する。また、Siの0.5 %を超える過剰な含有は、
高温において固溶Mo量を減少させ、高温強度に加え高温
耐酸化性を低下させる。このため、Siは0.1 %以上0.5
%以下に限定した。
【0011】Mo:1%以上2%以下 Moは、耐食性、高温強度、および高温耐酸化性の向上に
有効な元素であり、このような効果は1%以上の含有で
認められる。なお、好ましくは、1.5 %以上である。一
方、2%を超えて含有すると、靱性が劣化する。このた
め、Moは1%以上2%以下に限定した。
【0012】本発明では、SiとMoを、上記したSiとMoの
含有範囲で、かつMo含有量とSi含有量との関係、Mo×Si
≦0.6 を満足するように、含有する。Moが固溶状態で存
在することにより、高温強度、高温耐酸化性が向上す
る。しかし、Si含有量が増加するとMoの化合物(析出
物)が増加し、固溶Mo量が減少する。このため、本発明
では、Mo×Siを、0.6 以下に限定した。なお、Mo×Si
は、固溶Moの安定性(活量)についての指標であり、Mo
×Siが0.6 を超えると、析出Mo量が増加し、固溶Moの減
少により高温強度および高温耐酸化性が劣化する。な
お、好ましくはMo×Siが0.3 〜0.5 である。
【0013】Mn:1.5 %以下 Mnは、固溶強化により鋼の強度を増加させ、さらに高温
での耐酸化性を改善する効果を有するため、高温用材料
には有効な元素である。このような効果を顕著に得るた
めには、0.1 %以上含有するのが好ましいが、1.5 %を
超える含有は、鋼の靱性を劣化させるとともに、製造性
の低下を招く。このため、Mnは1.5 %以下に限定した。
なお、好ましくは、0.2 〜1.0 %である。
【0014】P:0.04%以下 Pは、粒界に偏析しやすく鋼の脆化を助長するため、で
きる限り低減することが望ましい。しかし、過剰な低減
は精錬コストを高騰させるため、0.04%以下に限定し
た。なお、好ましくは、0.03%以下である。 S:0.01%以下 Sは、伸びを低下させ加工性を劣化させるとともに、ス
テンレス鋼の基本特性である耐食性を低下させる元素で
あり、できるだけ低減することが望ましい。しかし、過
剰な低減は、製鋼時の脱S処理が高価となり経済的に不
利となる。このため、Sは0.01%以下に限定した。な
お、好ましくは、0.001 〜0.007 %である。
【0015】Cr:10%以上16%以下 Crは、耐食性、高温強度、および高温耐酸化性の向上に
有効な元素であり、本発明では重要な元素である。通
常、ステンレス鋼の重要な特性の一つである耐食性のた
めに11%以上のCr含有が必要とされるが、本発明では、
Moを必須含有とするためCr量の下限は10%でよい。また
Crは高温強度を上げる一方で、常温での強度も高くし、
加工性の劣化を招くためその上限を16%とした。なお、
耐食性および高温強度の確保の観点から、好ましくは12
%以上である。
【0016】Ni:1%以下 Niは、靱性を向上させ、ステンレス鋼の重要な特性の一
つである耐食性を向上させる元素であるが、1%を超え
て含有すると常温強度が増加し鋼が硬質化して、加工性
に悪影響を及ぼす。このため、Niは1%以下に限定し
た。 Al:1%以下 Alは、脱酸剤として作用し、製鋼上必要であるが、過度
の含有は酸化物系介在物の生成が顕著となり、製造性や
表面品質に悪影響を与える。このため、Alは1%以下に
限定した。
【0017】Nb:0.2 %以上0.8 %以下 Nbは、C、Nと結合し、高温強度の向上に有効な元素で
あり、所望の高温強度を確保するためには0.2 %以上の
含有を必要とする。なお、溶接部の高温耐疲労特性向上
の観点からは、0.4 %以上含有することが好ましい。一
方、0.8 %を超えて含有すると靱性が劣化する。このた
め、Nbは0.2 %以上0.8 %以下に限定した。なお、好ま
しくは0.3 〜0.6 %である。
【0018】N:0.02%以下 Nは、粒界を強化し耐二次加工脆性を向上させる元素で
あるが、過剰に含有すると、窒化物となって粒界に析出
し、加工性に悪影響を及ぼす。このため、Nは0.02%以
下に限定した。なお、好ましくは0.005 〜0.015 %であ
る。 Ti:0.5 %以下、Zr:0.5 %以下、V:0.5 %以下のう
ちから選ばれた1種または2種以上 Ti、Zr、Vは、成形性の向上に有効な元素であり、必要
に応じ選択して含有できる。しかし過剰に含有すると、
炭化物、窒化物が多量に形成され、熱間圧延時に表面疵
を生じやすくなる。このため、それぞれ、Ti:0.5 %以
下、Zr:0.5 %以下、V:0.5 %以下とするのが好まし
い。
【0019】B:0.003 %以下 Bは、二次加工脆性を改善する効果を有する元素であ
り、必要に応じ含有できるが、0.003 %を超えて過剰に
含有すると、二次加工脆性の改善効果が飽和し、却って
表面性状や加工性を劣化させる。このため、Bは0.003
%以下とするのが好ましい。
【0020】Cu:1.0 %以下 Cuは、耐食性および靱性を向上する効果を有する元素で
あり、必要に応じ含有できるが、1.0 %を超える過剰な
含有は加工性を劣化させる。このため、Cuは1.0 %以下
とするのが好ましい。 W:1.0 %以下 Wは、高温強度を向上する効果を有する元素であり、必
要に応じ含有できるが、1.0 %を超える過剰な含有は靱
性を劣化させる。このため、Wは1.0 %以下とするのが
好ましい。
【0021】上記した成分以外の残部は、Feおよび不可
避的不純物である。なお、アルカリ金属、アルカリ土類
金属、希土類元素および遷移金属などを少量含有するこ
とは、本発明の効果を妨げるものではない。また、本発
明では、上記した組成のフェライト系ステンレス鋼鋼板
の表面粗さを、JIS B 0601で規定される算術平均粗さR
a 表示で、0.1 〜2.0 μm に調整する。通常、フェライ
ト系ステンレス鋼鋼板は、Ra :0.05 〜5.0 μm の範
囲で表面仕上げされるが、本発明では、部品加工時の成
形性と高温での耐酸化性確保の観点から、Ra :0.1 〜
2.0 μm に調整する。鋼板の表面をRa で0.1 〜2.0μm
とすることにより、加工性を損なうことなく高温耐酸
化性劣化を抑制する効果を有する。鋼板の表面がRa で
0.1 μm 未満では、成形加工時の工具との接触で、油膜
切れを生じやすく複雑な形状への加工が困難となる。一
方、2.0 μm を超えると、高温での耐酸化性が著しく劣
化する。
【0022】なお、鋼板表面の表面粗さの調整は、冷間
圧延ロールにより調整するか、冷延板焼鈍処理後に、酸
洗、ショットブラスト、調質圧延、ブラシ研削等の通常
の調整方法で行えばよく、表面粗さの調整方法はとくに
限定されない。つぎに、本発明のフェライト系ステンレ
ス鋼板の製造方法について説明するが、製造方法は、と
くに限定されるものではなく、一般的に採用されている
ステンレス鋼板の製造方法がいずれも好適に適用でき
る。
【0023】例えば、上記した組成の溶鋼を、転炉ある
いは電気炉等の通常公知の溶製炉を利用し、あるいはさ
らに取鍋精錬、真空精錬等により二次精錬を行って溶製
したのち、連続鋳造法、造塊法等の鋳造方法で熱間圧延
用の鋼素材とすることが好ましい。なお、鋳造方法とし
ては、生産性および品質の観点から、連続鋳造法を採用
するのがより好ましい。
【0024】得られた鋼素材は、さらに1000〜1250℃に
加熱され、熱間圧延により所望の板厚の熱延板とされ
る。この熱延板は、必要に応じ好ましくは900 〜1100℃
の連続焼鈍(熱延板焼鈍)を施された後、酸洗、冷間圧
延を施され冷延板とされる。ついで、冷延板は、好まし
くは焼鈍温度:900 〜1100℃の連続焼鈍(冷延板焼鈍)
と、酸洗とを順次施されて冷延焼鈍板とされ、製品板と
されるのが好ましい。なお、鋼板の表面粗さの調整は、
冷延後の冷延板に、及び/または冷延焼鈍後の冷延焼鈍
板に、施すのが好ましい。
【0025】また、用途によっては、熱延板焼鈍後に酸
洗等により脱スケール処理を施され、あるいはさらに鋼
板表面の粗さを調整された熱延焼鈍板は、そのまま使用
に供することも可能である。
【0026】
【実施例】以下、実施例に基づき、本発明をより具体的
に説明する。表1に示す組成を有する溶鋼を転炉で溶製
し、さらに真空脱ガスにより二次精錬を行ったのち、連
続鋳造法で、200mm 厚の連続鋳造製スラブとした。これ
らスラブ(鋼素材)を、1150℃に加熱したのち、熱間圧
延により板厚5mmの熱延板とした。ついで、これら熱延
板に、焼鈍温度:940 ℃の熱延板焼鈍、酸洗、冷間圧
延、焼鈍温度:920 ℃の連続焼鈍(冷延板焼鈍)、酸洗
を順次施し、板厚2mmの製品板(冷延焼鈍板)とした。
なお、表面粗さの調整は酸洗後、調質圧延、ショットブ
ラストによった。
【0027】これらの製品板(冷延焼鈍板)について、
表面粗さ、常温引張試験、高温引張試験、耐酸化性試験
を実施し、加工性、高温強度、耐酸化性を評価した。試
験方法は次のとおりとした。 (1)表面粗さ 各冷延焼鈍板から、試験片(2mm厚×100 mm×100 mm)
を採取し、触針式粗度計を用いて、JIS B 0601の規定に
準拠して、算術平均粗さRa を測定した。 (2)常温引張試験 各冷延焼鈍板から、圧延方向を引張方向としたJIS 13号
B 引張試験片を採取して、JIS Z 2241の規定に準拠し
て、常温引張試験(試験温度:25℃)を実施し、降伏強
さ(YS)、引張強さ(TS)、伸び(El)を測定した。な
お、常温における降伏強さYS、引張強さTSを加工性の指
標とした。YS、TSが低いほど加工性は良好であると評価
した。 (3)高温引張試験 各冷延焼鈍板から、圧延方向を引張方向としたJIS 13号
B 引張試験片を採取して、JIS G 0567の規定に準拠し
て、引張温度:900 ℃、歪速度:0.3 %/min の条件で
高温引張試験を実施し、900 ℃における0.2 %耐力(σ
0.2at900℃)を測定した。 (4)耐酸化性試験 各冷延焼鈍板から、試験片(2mm厚×20mm×30mm)を採
取し、該試験片を、試験温度:900 ℃、雰囲気:大気
中、で100 h保持した。試験前後で試験片の重量を測定
し、試験前後の重量変化を算出し、単位面積当りの酸化
量(mg/cm2)を算出した。
【0028】得られた結果を表2に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】本発明例はいずれも、常温におけるYS、TS
が低く良好な加工性を有し、またσ 0.2at900℃ が高く
高い高温強度を有し、かつ酸化量も少なく高温耐酸化性
にも優れている。これに対し、本発明の範囲を外れる比
較例は、YS、TSが高く加工性が劣化しているか、高温強
度が低いか、耐酸化性が低下しているか、で所望の特性
が得られていない。
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、常温での
加工時には軟質で、高温での使用時には高強度で耐熱性
に優れ、かつ高温での耐酸化性に優れた、自動車排気系
部材用として好適なフェライト系ステンレス鋼板が安価
に製造でき、産業上格段の効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮崎 淳 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 平澤 淳一郎 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 矢沢 好弘 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 mass%で、 C:0.02%以下、 Si:0.1 %以上0.5 %以下、 Mn:1.5 %以下、 P:0.04%以下、 S:0.01%以下、 Cr:10%以上16%以下、 Ni:1%以下、 Mo:1%以上2%以下、 Al:1%以下、 Nb:0.2 %以上0.8 %以下、 N:0.02%以下 を含み、かつSiとMoを、Mo×Si≦0.6 を満足するように
    含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有
    し、かつ表面粗さがRaで0.1 〜2.0 μm であることを特
    徴とする高温での耐酸化性に優れたフェライト系ステン
    レス鋼板。
  2. 【請求項2】 前記組成に加えてさらに、mass%で、T
    i:0.5 %以下、Zr:0.5 %以下、V:0.5 %以下のう
    ちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とす
    ることを特徴とする請求項1に記載のフェライト系ステ
    ンレス鋼板。
  3. 【請求項3】 前記組成に加えてさらに、mass%で、
    B:0.003 %以下含有する組成とすることを特徴とする
    請求項1または2に記載のフェライト系ステンレス鋼
    板。
  4. 【請求項4】 前記組成に加えてさらに、mass%で、C
    u:1.0 %以下を含有する組成とすることを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれかに記載のフェライト系ステ
    ンレス鋼板。
  5. 【請求項5】 前記組成に加えてさらに、mass%で、
    W:1.0 %以下を含有する組成とすることを特徴とする
    請求項1ないし4のいずれかに記載のフェライト系ステ
    ンレス鋼板。
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