JP3274421B2 - 被覆材およびその製造方法 - Google Patents

被覆材およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、仮埋設物を被覆す
る被覆材およびその製造方法に関するものである。より
詳しくは、本発明は、例えば、仮埋設物と水硬性組成物
の硬化物とで少なくとも構成される構造体において、仮
埋設物を水硬性組成物の硬化物からより簡単に引き抜く
ことができるように、両者の接着を抑制すべく、上記仮
埋設物を被覆する被覆材およびその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、建築分野並びに土木分野の基礎
工事において土留め擁壁等の構造体としての地盤基礎構
造体を施工する際には、掘削孔に例えばH型鋼を緩挿し
た後、該H型鋼の周囲にセメントミルクや生コンクリー
ト等の水硬性組成物を注入して硬化させること、若しく
は、掘削孔に注入された水硬性組成物に例えばH型鋼を
芯材として埋め込んだ(打ち込んだ)後、該水硬性組成
物を硬化させることが行われている。H型鋼は、水硬性
組成物の硬化が終了した後、後年に地下を再び開発する
際の障害とならないように、該硬化物から引き抜かれて
撤去されることが望まれている。
【0003】ところが、H型鋼と水硬性組成物の硬化物
とは強固に接着しており、工事終了後にH型鋼を撤去す
るために、H型鋼を該硬化物から引き抜く作業には、付
着強度(接着強度)に打ち勝つための相当な労力(引張
力)が必要であるので設備や経費、日数等がかかる。
【0004】そこで、上記の引き抜き作業を容易に行う
ために、従来より、i)H型鋼の表面にワックスやグリー
ス等の潤滑油を予め塗布する方法や、H型鋼の表面に吸
水性樹脂を接着剤を用いて付着させる方法、或いは、i
i) H型鋼の表面に潤滑材を貼着する方法、さらには、i
ii)H型鋼を被覆材で被覆する方法、等の各種方法が提
案されている。
【0005】上記i)の方法として、例えば、特開昭64
−58715号公報には、吸水性樹脂と、ポリエステル
系樹脂やビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹
脂等の展着剤とからなる芯材引き抜き用表面処理剤を用
いることが提案されている。また、例えば、特開昭63
−165615号公報には、吸水性樹脂と、天然ゴムや
合成ゴム、プラスチック等の揮発性膜形成樹脂とからな
る水膨潤性膜を用いて、鋼材を引き抜く際の摩擦抵抗力
を低減する方法が提案されている。
【0006】また、上記 ii)の方法として、例えば、特
開平6−185054号公報には、超吸水性繊維からな
るシート状の潤滑材を鋼材の表面に貼着することが提案
されている。また、例えば、特開昭62−174418
号公報には、吸水性樹脂とバインダーとからなる潤滑テ
ープを用いて、鋼材を引き抜く際の摩擦抵抗力を低減す
る方法が提案されている。
【0007】また、上記iii)の方法として、例えば、特
開平7−247549号公報には、吸水性樹脂を織布や
不織布等の基材に直接的に固着させてなるポリマーシー
トからなる袋状の潤滑材で仮埋設物を被覆することによ
って、該仮埋設物を引き抜く際の摩擦抵抗力を低減する
方法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
64−58715号公報に記載の表面処理剤に含まれる
展着剤、並びに、特開昭63−165615号公報に記
載の水膨潤性膜に含まれる揮発性膜形成樹脂は、水硬性
組成物に含まれるアルカリ性を呈する水(以下、セメン
ト水と記す)に対する溶解性または膨潤性に乏しい。こ
のため、該展着剤並びに揮発性膜形成樹脂は、吸水性樹
脂が水を吸水して膨潤する際の体積膨張を阻害してしま
う。上記従来の表面処理剤並びに水膨潤性膜は、このよ
うに展着剤並びに揮発性膜形成樹脂が吸水性樹脂の表面
を覆ってしまい、該吸水性樹脂の体積膨張を阻害するの
で、該吸水性樹脂がその吸水特性(性能)を充分に発揮
することができない。さらに、上記従来の表面処理剤並
びに水膨潤性膜に含まれる吸水性樹脂は、セメント水に
対する膨潤性に乏しい。その上、表面処理剤をH型鋼等
の芯材(仮埋設物)に塗布することによって形成される
塗膜、並びに水膨潤性膜は、柔軟性および靭性に劣って
いるので、作業現場の温度変化によって芯材から剥離し
たり、べとついたりし易い。また、作業現場において表
面処理剤を塗布する場合には、表面処理剤を加熱、溶
融、塗布するための労力や時間、場所等を確保する必要
があるという欠点も有している。
【0009】また、特開平6−185054号公報に記
載の潤滑材、並びに、特開昭62−174418号公報
に記載の潤滑テープは、セメント水に対する超吸水性繊
維や吸水性樹脂の吸水膨潤性が低く、従って、仮埋設物
の引き抜き作業の改善性が不充分である。そして、上記
の潤滑テープは、バインダーが水と接触することによっ
て容易に溶解するので、吸水性樹脂が脱落し易い。ま
た、仮埋設物(鋼材)の表面は通常、錆や汚れ等が付着
しているので、潤滑テープが貼着し難く、しかも、施工
時におけるセメント水との接触や、不意の水ぬれ・降雨
によっても吸水性樹脂が脱落し易い。このため、潤滑テ
ープは、効果を発揮することができない。また、溶解し
たバインダーによって仮埋設物が滑り易くなるので危険
を伴う場合があると共に、仮埋設物が野積みされている
場合には、降雨等によって仮埋設物が濡れると潤滑テー
プを貼着することができなくなる等、施工上の制約が多
い。一方、上記の潤滑材は、超吸水性繊維からなるシー
ト状物であるので、上記の潤滑テープよりもさらに容易
に吸水する。このため、潤滑材は脱落し易く、しかも、
仮埋設物(鋼材)の表面は通常、錆や汚れ等が付着して
いるので、潤滑材が貼着し難く、従って、上記と同様の
問題点を招来することとなる。
【0010】さらに、上記従来の表面処理剤や水膨潤性
膜、潤滑材、潤滑テープは、H型鋼等の芯材に直接的に
固着している。それゆえ、これら表面処理剤等は、セメ
ント水と片面側(表面側)だけでしか接触することがで
きないので、吸水性樹脂や超吸水性繊維がその吸水特性
(性能)を充分に発揮することができず、それゆえ、該
芯材を水硬性組成物の硬化物から引き抜くことが困難と
なる。
【0011】従って、上記従来の表面処理剤や水膨潤性
膜、潤滑材、潤滑テープは、満足する性能が得られず、
H型鋼等の芯材を引き抜く作業を容易にする効果が乏し
いという問題点を有している。
【0012】また、特開平7−247549号公報に記
載の袋状の潤滑材は、吸水性樹脂を基材に直接的にかつ
強固に固着させている。該潤滑材には、柔軟で繊維規制
が弱く薄い基材が用いられている。これは、厚みが厚く
て強度が高い基材を用いると、製品(潤滑材)の生産性
が極端に低下するという理由により、また、繊維規制が
強い基材を用いると、風合いが硬く、皺が生じ易くなる
ので製品(潤滑材)の品質が低下するという理由によ
る。従って、強度が低い基材を用いた上記従来の袋状の
潤滑材は、芯材を被覆するときや、注入された水硬性組
成物に芯材を埋め込む(打ち込む)とき等にかかる外力
によって破損するおそれがある。このため、芯材が水硬
性組成物の硬化物に固着することを充分に防止すること
ができない場合がある。
【0013】それゆえ、H型鋼等の芯材を引き抜く作業
を容易にすることができる被覆材、つまり、芯材を施工
する際における上記の各種問題点を招来することなく、
該芯材を水硬性組成物の硬化物からより簡単にかつ確実
に引き抜くことができる被覆材が求められている。尚、
現状では、引き抜き性や施工性が不充分であり、引き抜
き作業時に、予定以上に大型の引き抜き装置を急遽搬入
する必要性が生じる等の問題点はあるものの、代替技術
が無いために、H型鋼等の芯材の表面に潤滑油を直接、
塗布する方法、および、潤滑性を備えたポリ塩化ビニル
シート等を用いて芯材を被覆する方法が、実施されてい
るだけである。
【0014】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、例えば、H型鋼等の芯材
(仮埋設物)を引き抜く作業を改善することができる被
覆材を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記従
来の問題点を解決すべく、被覆材について鋭意検討し
た。その結果、シート状基材に、酸価が15mgKOH
/g以上、500mgKOH/g以下の範囲内であり、
かつ、自重に対するイオン交換水の吸水倍率が2倍未満
アルカリ水可溶性樹脂を含む樹脂層、より好ましくは
該アルカリ水可溶性樹脂と水膨潤性樹脂等の吸水材とを
含む樹脂層が形成されている被覆材を用いて仮埋設物を
被覆することにより、例えば、仮埋設物と水硬性組成物
の硬化物との接着を抑制することができ、仮埋設物を水
硬性組成物の硬化物から引き抜く作業の作業性を改善す
ることができることを見い出して、本発明を完成させる
に至った。
【0016】即ち、請求項1記載の発明の被覆材は、上
記の課題を解決するために、仮埋設物を被覆する被覆材
であって、シート状基材に、酸価が15mgKOH/g
以上、500mgKOH/g以下の範囲内であり、か
つ、自重に対するイオン交換水の吸水倍率が2倍未満の
アルカリ水可溶性樹脂を含む樹脂層が形成されているこ
とを特徴としている。
【0017】上記の構成によれば、例えば、仮埋設物を
水硬性組成物の硬化物から引き抜くべく、上記仮埋設物
を被覆材で被覆した場合には、水硬性組成物に含まれる
水に溶解したアルカリ水可溶性樹脂が、シート状基材近
傍の水硬性組成物内に拡散(溶出)し、いわゆる水和遅
延効果を発揮する。つまり、シート状基材近傍における
水硬性組成物の硬化を遅延させる。このため、アルカリ
水可溶性樹脂が溶解することにより、シート状基材と水
硬性組成物の硬化物との間に易剥離層を形成することが
できるので、仮埋設物を水硬性組成物の硬化物から引き
抜く作業における労力(引張力)を低減することがで
き、該作業の作業性を向上させることができる。それゆ
え、上記の構成によれば、仮埋設物を引き抜く作業を改
善することができる被覆材を提供することができる。そ
して、樹脂層がアルカリ水可溶性樹脂を含んでいるの
で、不意の水ぬれ・降雨(酸性雨を含む)によって、該
樹脂層がシート状基材から脱落するおそれがない。
【0018】請求項2記載の発明の被覆材は、上記の課
題を解決するために、請求項1記載の被覆材において、
仮埋設物を被覆した状態において外側となる面に、上記
樹脂層が形成されていることを特徴としている。
【0019】上記の構成によれば、仮埋設物を引き抜く
作業をより一層容易に行うことができると共に、水に溶
解したアルカリ水可溶性樹脂が仮埋設物に付着すること
がないので、引き抜いた仮埋設物の表面を綺麗な状態に
保つことができ、再利用(リサイクル)が容易となる。
【0020】請求項3記載の発明の被覆材は、上記の課
題を解決するために、請求項1または2記載の被覆材に
おいて、上記シート状基材の引張強度が、1kgf/
2.5cm以上であることを特徴としている。
【0021】上記の構成によれば、例えば仮埋設物を埋
設するときに生じる衝撃力や引張力等の外力がかかって
も破損しない強度を備えた被覆材を提供することができ
る。
【0022】請求項4記載の発明の被覆材は、上記の課
題を解決するために、請求項1、2または3記載の被覆
材において、仮埋設物を挿入可能な袋状若しくは筒状に
形成されていることを特徴としている。
【0023】上記の構成によれば、仮埋設物をより一層
簡単にかつ迅速に被覆することができる。また、被覆材
を仮埋設物に直接的に貼着していないため、被覆材の両
面(外側の面および内側の面)で以て、水硬性組成物に
含まれる水と接触することができるので、シート状基材
と水硬性組成物の硬化物との間に易剥離層をより一層形
成し易くなる。さらに、例えば柔軟で樹脂溶液が浸透可
能な織布等のシート状基材に樹脂層が形成されているの
で、アルカリ水可溶性樹脂はシート状基材に強固に接着
(付着)しており、それゆえ、樹脂層が吸水材をさらに
含んでいる場合には、施工前或いは施工中における、該
吸水材の脱離を防止することができる。
【0024】請求項5記載の発明の被覆材は、上記の課
題を解決するために、請求項1、2、3または4記載の
被覆材において、上記樹脂層が、吸水材をさらに含んで
いることを特徴としている。
【0025】上記の構成によれば、例えば、仮埋設物を
水硬性組成物の硬化物から引き抜くべく、上記仮埋設物
を被覆材で被覆した場合には、仮埋設物と水硬性組成物
との間に、水を吸水して膨潤した吸水材の層が形成され
る。つまり、仮埋設物と水硬性組成物の硬化物との間
に、膨潤した吸水材の層を形成することができるので、
両者の接着をより一層抑制することができる。これによ
り、仮埋設物を水硬性組成物の硬化物から引き抜く際に
は、膨潤した吸水材が潤滑効果を発揮することによっ
て、該仮埋設物が滑り易くなる。従って、仮埋設物を水
硬性組成物の硬化物から引き抜く作業における労力(引
張力)をより一層低減することができるので、該作業の
作業性を向上させることができる。さらに、吸水材を乾
燥させることにより、仮埋設物と水硬性組成物の硬化物
との間に隙間を形成することができるので、上記作業の
作業性をさらに一層向上させることができる。
【0026】上記の吸水材は、水膨潤性樹脂であること
がより好ましい。該構成によれば、膨潤した水膨潤性樹
脂が潤滑効果を発揮することによって、仮埋設物がより
一層滑り易くなる。従って、仮埋設物を引き抜く作業の
作業性をさらに向上させることができる。この場合、水
膨潤性樹脂がアルカリ水可溶性樹脂によって覆われてい
る状態がより好ましい。これにより、施工前において被
覆材が不意の水ぬれ・降雨(酸性雨を含む)によって水
と接触する機会があっても、アルカリ水可溶性樹脂が中
性ないし酸性を呈する水に容易に溶解しないので、被覆
材が施工前(使用前)に損なわれるおそれがない。ま
た、仮埋設物が埋設される際には、その初期段階におい
てはアルカリ水可溶性樹脂の存在によって水膨潤性樹脂
が膨潤せず、該水膨潤性樹脂の脱落を防止し、その後に
おいては、アルカリ水可溶性樹脂の溶解に伴って、水膨
潤性樹脂が水硬性組成物に含まれる水を吸水して膨潤す
ることが特に好ましい。このためには、アルカリ水可溶
性樹脂の種類を適切に選択すること、および、水膨潤性
樹脂をアルカリ水可溶性樹脂で充分に覆うことが重要で
ある。さらに、アルカリ水可溶性樹脂は、そのガラス転
移温度を制御することによって、シート状基材に例えば
塗布したときに、塗膜(樹脂層)がべとつかず、かつ、
クラック等が発生しないものがより好ましい。
【0027】また、上記の水膨潤性樹脂は、平均粒子径
が2,000μm以下であることがより好ましい。該構
成によれば、アルカリ水可溶性樹脂と水膨潤性樹脂との
混合性がより良好となると共に、シート状基材の単位面
積当たりに対する水膨潤性樹脂の付着量を、平均粒子径
が2,000μmを越えている場合と比較して、多くす
ることができ、樹脂層をより一層形成し易くなる。従っ
て、仮埋設物の引き抜き性と、引き抜く作業の作業性と
をさらに向上させることができる。
【0028】請求項6記載の発明の被覆材の製造方法
は、上記の課題を解決するために、請求項1〜5の何れ
か1項に記載の被覆材の製造方法であって、酸価が15
mgKOH/g以上、500mgKOH/g以下の範囲
内であり、かつ、自重に対するイオン交換水の吸水倍率
が2倍未満のアルカリ水可溶性樹脂を有機溶剤に溶解さ
せてシート状基材に付着させる工程を含むことを特徴と
している。
【0029】
【0030】
【発明の実施の形態】本発明にかかる被覆材によって被
覆すべき仮埋設物は、使用後若しくは不用となったとき
等に引き抜くことを前提として埋設される埋設物、また
は、引き抜くことが望ましい埋設物であればよく、特に
限定されるものではないが、以下の説明においては、仮
埋設物と水硬性組成物の硬化物とで少なくとも構成され
る構造体に使用される該仮埋設物を例に挙げることとす
る。即ち、以下の説明においては、該構造体に使用され
る仮埋設物を被覆する被覆材を例に挙げることとする。
【0031】また、本発明における「アルカリ水可溶性
樹脂」は、中性ないし酸性を呈する水には溶解せず、ア
ルカリ性を呈する水に溶解する樹脂を示す。そして、上
記「アルカリ性を呈する水」(以下、アルカリ水と記
す)とは、例えばコンクリートやモルタル等の水硬性組
成物に含まれるコンクリート水等の水を示すものとす
る。但し、アルカリ水可溶性樹脂は、pH9以上のアル
カリ性を呈する水に溶解する樹脂がより好ましい。
【0032】上記の構造体としては、例えば、建築分野
並びに土木分野の基礎工事における土留め擁壁や土台等
の地盤基礎構造体が挙げられる。構造体を構成する水硬
性組成物としては、例えば、ソイルセメント等の各種コ
ンクリート、各種モルタル等が挙げられるが、特に限定
されるものではなく、一般に建築分野並びに土木分野の
基礎工事において、土留め擁壁や土台等の地盤基礎構造
体を施工する際に用いられる水硬性組成物であればよ
い。該水硬性組成物は硬化することによって硬化物とな
る。尚、水硬性組成物に含まれるセメントや混和材、混
和剤、骨材、補強材等の種類や組み合わせ、即ち、水硬
性組成物の組成は、特に限定されるものではない。
【0033】構造体を構成する仮埋設物(各種物品)と
しては、具体的には、例えば、H型鋼、I型鋼、鉄柱、
コンクリート杭、ポール、筒状のパイル(中空パイ
ル)、長尺板状の杭である鋼矢板(シートパイル)や波
板等が挙げられるが、特に限定されるものではない。仮
埋設物は、一般に建築分野並びに土木分野の基礎工事に
おいて、土留め擁壁や土台等の地盤基礎構造体を施工す
る際に用いられ、かつ、使用後に水硬性組成物の硬化物
から引き抜く必要がある埋設物(芯材)、または、引き
抜くことが望ましい埋設物であればよい。また、仮埋設
物の形状、長さ、材質等は、特に限定されるものではな
い。
【0034】本発明にかかる被覆材(シート状可撓性材
料)を構成するシート状基材は、地盤基礎構造体を施工
する際にかかる種々の外力、例えば、仮埋設物や水硬性
組成物の重量がかかることによって生じる引張力や剪断
力;仮埋設物を埋設するときに生じる衝撃力や引張力、
水硬性組成物との間の摩擦力;等に対して耐え得る強
度、つまり、上記外力がかかっても破損しない強度を備
えている材質からなっていればよく、特に限定されるも
のではない。
【0035】該シート状基材の材質としては、具体的に
は、例えば、割繊維不織布(例えばワリフ「商品名」
等)、カーペット、フェルト、石綿布、石綿フェルト、
ガラス繊維不織布、ガラス繊維強化プラスチック、ステ
ッチボンド不織布、ニードルパンチ不織布、等の不織布
類;フラットヤーンの繊維織物、綿織物、麻織物、帯状
織物、帯ひも、ポリプロピレン等からなる合成樹脂織
物、等の織物類;ポリエステル繊維と綿繊維とを混紡し
て得られる織物、等の混紡織物;ポリスチレン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹
脂、フェノール樹脂、ゴムフォーム等からなる素材の内
部に、独立気泡および/または連続気泡が形成されてな
る発泡体;ウレタンゴムやシリコーンゴム、フッ素ゴ
ム、エーテルゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、ネオプ
レン(クロロプレンゴム)、ブタジエン−アクリロニト
リル共重合体、天然ゴム等からなるエラストマーシー
ト、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリアミド(ナイロン)、塩化ビニル樹
脂、アクリル樹脂等からなるプラスチックシート、皮革
シートや木材シート、防水加工を施した紙シート、厚紙
シート等の天然物シート、アルミニウムや鉄、銅、銀等
からなる金属シート、ステンレス等からなる合金シー
ト、ステンレス鋼繊維シート、セラミックファイバーシ
ート、アルミニウムや鉄、銅、銀等からなる金属箔、ス
テンレス等からなる合金金属箔、等のシート類;ポリエ
チレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリアミド(ナイロン)、塩化ビニル樹脂、アクリ
ル樹脂等からなるネットまたはメッシュ、アルミニウム
や鉄、銅、銀等からなるネットまたはメッシュ、ステン
レス等の合金からなるネットまたはメッシュ、等のネッ
ト・メッシュ類;等が挙げられる。これら材質は、一種
類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用(複
合)してもよい。
【0036】上記例示の材質のうち、透水性や加工性に
より優れると共に、廉価であることから、割繊維不織
布、ニードルパンチ不織布、フラットヤーンの繊維織
物、綿織物、麻織物、帯状織物、合成樹脂織物、およ
び、混紡織物が特に好ましい。
【0037】また、上記例示の材質のうち、透水性を備
えていない材質、例えば、シート類等に対しては、必要
に応じて、例えば切り目や孔等を形成してもよい。この
場合、切り目や孔の形状、大きさ、個数、形成位置は、
特に限定されるものではなく、上記外力がかかってもシ
ート状基材が破損しない強度を維持することができる範
囲内で以て、適宜設定することができる。
【0038】上記シート状基材の厚さは、材質に応じて
設定すればよく、特に限定されるものではないが、0.
01mm〜10mmの範囲内がより好ましく、0.05
mm〜8mmの範囲内がさらに好ましく、0.2mm〜
5mmの範囲内が特に好ましい。シート状基材の厚さが
10mmよりも厚いと、被覆材の柔軟性が低下するおそ
れがある。また、被覆材が嵩高くなるので、その取り扱
い性や保管性が低下するおそれがある。シート状基材の
厚さが0.01mmよりも薄いと、外力に耐え得る強度
を維持することができないおそれがある。
【0039】尚、上記シート状基材の坪量は、材質や厚
さに応じて設定すればよく、特に限定されるものではな
いが、10g/m2 〜10,000g/m2 の範囲内が
より好ましく、20g/m2 〜1,000g/m2 の範
囲内がさらに好ましい。
【0040】シート状基材の引張強度は、特に限定され
るものではないが、1kgf/2.5cm以上であるこ
とがより好ましく、10kgf/2.5cm以上である
ことがさらに好ましく、30kgf/2.5cm以上で
あることが特に好ましい。引張強度が1kgf/2.5
cm以上であれば、シート状基材は、上記外力がかかっ
ても破損しない強度を維持することができる。シート状
基材の引張強度が1kgf/2.5cm未満であると、
外力がかかったときに破れたり裂けたりし易くなる。
【0041】上記の引張強度は、幅2.5cm、長さ2
0cmの大きさに裁断した後、イオン交換水に30分間
浸漬して充分に濡らした試験片(シート状基材)を用
い、JIS L 1096(一般織物試験方法)の引張
試験方法(引張強さ)に基づく低速伸長引張試験機を使
用して、引張速度20mm/min、つかみ間隔10c
mの条件で以て測定した。該試験機によって得た測定値
(単位:kgf/2.5cm)が大きいほど、シート状
基材の引張強度が大きいと判断できる。
【0042】上記シート状基材、つまり、被覆材は、仮
埋設物を被覆することができる形状並びに大きさに形成
されていればよいが、後段にて詳述するように、仮埋設
物を挿入可能な袋状若しくは筒状に形成されていること
がより好ましい。シート状基材(つまり、被覆材)を袋
状若しくは筒状に形成することにより、大きくかつ重量
物である仮埋設物をより一層簡単にかつ迅速に被覆する
ことができるので、作業現場における作業性をより一層
向上させることができる。
【0043】樹脂層を構成するアルカリ水可溶性樹脂
は、中性ないし酸性を呈する水には溶解せず、アルカリ
水に溶解する樹脂であればよく、特に限定されるもので
はないが、酸価が15mgKOH/g以上であり、か
つ、イオン交換水に対して非膨潤性、即ち、自重に対す
るイオン交換水の吸水倍率が2倍未満の樹脂が好適であ
る。アルカリ水可溶性樹脂は、水膨潤性樹脂等の吸水材
と併用する場合においては、吸水材をシート状基材に付
着させるバインダー(接合剤)としての機能を備えてい
る。
【0044】該アルカリ水可溶性樹脂としては、例え
ば、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基等の置
換基を有する樹脂、フェノール性ヒドロキシル基を含む
ノボラック樹脂、および、ポリビニルフェノール樹脂が
より好ましく、α,β−不飽和カルボン酸系単量体とビ
ニル系単量体とを共重合して得られる樹脂が、アルカリ
水に対する溶解性、および経済性により優れると共に、
シート状基材表面に形成される樹脂層の各種物性により
優れるので、特に好ましい。また、カルボン酸基を有す
る樹脂である、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフ
タレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテ
ートサクシネート、セルロースアセテートヘキサヒドロ
フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセ
テートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
スヘキサヒドロフタレート等のセルロース誘導体を、ア
ルカリ水可溶性樹脂として用いることもできる。
【0045】α,β−不飽和カルボン酸系単量体として
は、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等
のα,β−不飽和モノカルボン酸;イタコン酸、マレイ
ン酸、フマル酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸;無水
マレイン酸、無水イタコン酸等のα,β−不飽和ジカル
ボン酸無水物;マレイン酸モノエステル、フマル酸モノ
エステル、イタコン酸モノエステル等のα,β−不飽和
ジカルボン酸モノエステル;等が挙げられるが、特に限
定されるものではない。これらα,β−不飽和カルボン
酸系単量体は、一種類のみを用いてもよく、また、二種
類以上を併用してもよい。上記例示のα,β−不飽和カ
ルボン酸系単量体のうち、アクリル酸、メタクリル酸
が、シート状基材表面に形成される樹脂層の柔軟性およ
び靭性により優れるので、さらに好ましい。
【0046】ビニル系単量体としては、具体的には、例
えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ステアリ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ス
テアリル等の、炭素数1〜18の一価アルコールと(メ
タ)アクリル酸とのエステル;アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系単量体;ア
クリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニ
ル系単量体;アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル
酸ヒドロキシプロピル等の水酸基含有ビニル系単量体;
メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有ビニル系単
量体;アクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛等の、α,β
−不飽和カルボン酸の金属塩;スチレン、α−メチルス
チレン等の芳香族ビニル系単量体;酢酸ビニル等の脂肪
族ビニル系単量体;塩化ビニル、臭化ビニル、ヨウ化ビ
ニル、塩化ビニリデン等のハロゲン基含有ビニル系単量
体;アリルエーテル類;無水マレイン酸、マレイン酸モ
ノアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等
のマレイン酸誘導体;フマル酸モノアルキルエステル、
フマル酸ジアルキルエステル等のフマル酸誘導体;マレ
イミド、N−メチルマレイミド、N−ステアリルマレイ
ミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマ
レイミド等のマレイミド誘導体;イタコン酸モノアルキ
ルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、イタコン
アミド類、イタコンイミド類、イタコンアミドエステル
類等のイタコン酸誘導体;エチレン、プロピレン等のア
ルケン類;ブタジエン、イソプレン等のジエン類;等が
挙げられるが、特に限定されるものではない。これらビ
ニル系単量体は、一種類のみを用いてもよく、また、二
種類以上を併用してもよい。
【0047】上記例示のビニル系単量体のうち、アクリ
ル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル
が、シート状基材表面に形成される樹脂層の柔軟性、耐
候性および靭性により優れるので、さらに好ましい。ま
た、ビニル系単量体に占める(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルの割合を30重量%以上にすることにより、
上記樹脂層の柔軟性、耐候性および靭性がより一層向上
するので、特に好ましい。さらに、(メタ)アクリル酸
アルキルエステルが、炭素数1〜18の一価アルコール
と(メタ)アクリル酸とのエステルである場合には、上
記樹脂層の柔軟性、耐候性および靭性が特に向上するの
で、最も好ましい。
【0048】また、α,β−不飽和カルボン酸系単量体
およびビニル系単量体の合計量に占めるα,β−不飽和
カルボン酸系単量体の割合は、9重量%以上であること
がより好ましく、9重量%〜40重量%の範囲内がさら
に好ましい。α,β−不飽和カルボン酸系単量体の割合
を9重量%以上にすることにより、アルカリ水に対する
溶解性により一層優れたアルカリ水可溶性樹脂を得るこ
とができる。そして、α,β−不飽和カルボン酸系単量
体の割合を9重量%〜40重量%の範囲内にすることに
より、アルカリ水に対する溶解性と共に、柔軟性や耐候
性、靭性に特に優れたアルカリ水可溶性樹脂を得ること
ができる。
【0049】上記のα,β−不飽和カルボン酸系単量体
とビニル系単量体とを共重合することにより、アルカリ
水可溶性樹脂が得られる。共重合方法、つまり、アルカ
リ水可溶性樹脂の製造方法は、特に限定されるものでは
ない。また、アルカリ水可溶性樹脂の平均分子量は、水
硬性組成物の組成やアルカリ水のpH、作業環境等に応
じて設定すればよく、特に限定されるものではない。本
発明にかかるアルカリ水可溶性樹脂は、アルカリ水に対
する溶解性に優れているので、吸水材としての例えば水
膨潤性樹脂と併用する場合においては、水膨潤性樹脂が
水を吸水して膨潤する際の体積膨張を阻害するおそれが
無い。従って、水膨潤性樹脂は、その吸水特性(性能)
を充分に発揮することができる。
【0050】アルカリ水可溶性樹脂がアルカリ水に溶解
する場合には、溶解したアルカリ水可溶性樹脂がシート
状基材近傍の水硬性組成物内に拡散(溶出)し、いわゆ
る水和遅延効果を発揮する。つまり、シート状基材近傍
における水硬性組成物の硬化を遅延させる。このため、
アルカリ水可溶性樹脂がアルカリ水に溶解する場合に
は、シート状基材と水硬性組成物の硬化物との間に易剥
離層を形成することができるので、仮埋設物を水硬性組
成物の硬化物から引き抜く作業における労力(引張力)
を低減することができ、該作業の作業性を向上させるこ
とができる。
【0051】本発明にかかるアルカリ水可溶性樹脂の酸
価は、15mgKOH/g以上であればよいが、30m
gKOH/g以上であることがより好ましく、50mg
KOH/g以上であることがさらに好ましく、70mg
KOH/g以上であることが特に好ましく、70mgK
OH/g〜500mgKOH/gの範囲内であることが
最も好ましい。アルカリ水可溶性樹脂の酸価が15mg
KOH/g未満である場合には、アルカリ水に対する溶
解性が乏しくなるので、仮埋設物を引き抜く作業を容易
に行うことができなくなる(引き抜き性が低下する)お
それがある。また、アルカリ水可溶性樹脂の酸価が50
0mgKOH/gを越える場合には、該アルカリ水可溶
性樹脂の耐水性が低下するので、シート状基材表面に形
成される樹脂層が、雨等の中性域または酸性域のpHを
示す水と接触すると、溶解または膨潤して損傷するおそ
れがある。このため、被覆材を装着する作業や仮埋設物
を埋設する作業に支障をきたすおそれがあると共に、仮
埋設物の引き抜き性に悪影響を及ぼすおそれがある。ま
た、作業現場の温度変化によって該樹脂層がシート状基
材から剥離したり、べとついたりし易くなるおそれがあ
る。尚、酸価の測定方法は、特に限定されるものではな
い。
【0052】本発明にかかるアルカリ水可溶性樹脂は、
示差走査熱量測定(DSC (differential scanning ca
lorimetry))によって得られるDSC微分曲線のピーク
トップ(DSC曲線の変曲点)、つまり、ガラス転移温
度を、−80℃〜120℃の範囲内に1つ、より好まし
くは2つ以上有している。そして、アルカリ水可溶性樹
脂は、−30℃〜20℃の範囲内に低温側のガラス転移
温度を有する一方、40℃〜100℃の範囲内に高温側
のガラス転移温度を有していることがさらに好ましい。
尚、ガラス転移温度の測定方法、即ち、示差走査熱量測
定の測定条件は、特に限定されるものではない。
【0053】低温側のガラス転移温度が−30℃〜20
℃の範囲内に存在することにより、例えば冬季等、作業
現場が低温であっても上記樹脂層がシート状基材から剥
離するおそれがなくなる。また、高温側のガラス転移温
度が40℃〜100℃の範囲内に存在することにより、
例えば夏期等、作業現場が高温であっても上記樹脂層が
べとつくおそれがなくなる。従って、アルカリ水可溶性
樹脂が、−30℃〜20℃の範囲内に低温側のガラス転
移温度を有する一方、40℃〜100℃の範囲内に高温
側のガラス転移温度を有している場合には、作業現場の
温度変化に左右されない安定な樹脂層、即ち、剥離し難
く、べとつき難い樹脂層を形成することができる。
【0054】本発明においては、アルカリ水可溶性樹脂
と吸水材とを併用することが、最も好ましい実施の形態
である。樹脂層を構成する吸水材、つまり、必要に応じ
てアルカリ水可溶性樹脂と併用される吸水材は、水を吸
水することができる材質からなっていればよく、特に限
定されるものではないが、水膨潤性樹脂、水膨潤性樹脂
を付着させた織布や不織布等の吸水シート、吸水性繊
維、自重の2倍以上の水を吸水・保持することができる
スポンジやフェルト等の多孔質体、等が好適である。上
記例示の吸水材のうち、水膨潤性樹脂が特に好ましい。
【0055】上記の水膨潤性樹脂は、水を吸水すること
によって膨潤し、かつ、自重に対するイオン交換水の吸
水倍率が3倍以上の樹脂であればよく、特に限定される
ものではないが、該吸水倍率が10倍以上の樹脂がより
好ましい。該水膨潤性樹脂としては、具体的には、例え
ば、ポリ(メタ)アクリル酸架橋体、ポリ(メタ)アク
リル酸塩架橋体、スルホン酸基を有するポリ(メタ)ア
クリル酸エステル架橋体、ポリオキシアルキレン基を有
するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリ(メ
タ)アクリルアミド架橋体、(メタ)アクリル酸塩と
(メタ)アクリルアミドとの共重合架橋体、(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシアルキルと(メタ)アクリル酸塩と
の共重合架橋体、ポリジオキソラン架橋体、架橋ポリエ
チレンオキシド、架橋ポリビニルピロリドン、スルホン
化ポリスチレン架橋体、架橋ポリビニルピリジン、デン
プン−ポリ(メタ)アクリロニトリルグラフト共重合体
のケン化物、デンプン−ポリ(メタ)アクリル酸(塩)
グラフト架橋共重合体、ポリビニルアルコールと無水マ
レイン酸(塩)との反応生成物、架橋ポリビニルアルコ
ールスルホン酸塩、ポリビニルアルコール−アクリル酸
グラフト共重合体、ポリイソブチレンマレイン酸(塩)
架橋重合体等が挙げられる。これら水膨潤性樹脂は、必
要に応じて、一種類のみを用いてもよく、また、二種類
以上を併用してもよい。さらに、水膨潤性樹脂が備える
各種性質(吸水倍率等)を阻害しない程度に、他の樹脂
を水膨潤性樹脂と併用することもできる。
【0056】上記例示の水膨潤性樹脂のうち、ノニオン
性基および/またはスルホン酸(塩)基を有する水膨潤
性樹脂がより好ましく、アミド基またはヒドロキシアル
キル基を有する水膨潤性樹脂がさらに好ましい。該水膨
潤性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸塩と
(メタ)アクリルアミドとの共重合架橋体、(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシアルキルと(メタ)アクリル酸塩と
の共重合架橋体等が挙げられる。さらに、上記例示の水
膨潤性樹脂のうち、ポリオキシアルキレン基を有する水
膨潤性樹脂が特に好ましい。該水膨潤性樹脂としては、
例えば、メトキシポリオキシアルキレン基を有する(メ
タ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸塩との共
重合架橋体等が挙げられる。メトキシポリオキシアルキ
レン基を有する水膨潤性樹脂は、長期間にわたって、ア
ルカリ水に対する膨潤性に特に優れている。従って、該
水膨潤性樹脂を用いることにより、仮埋設物を引き抜く
作業を極めて容易に行うことができる。
【0057】さらに、本発明にかかる水膨潤性樹脂とし
て、水溶性を有するエチレン性不飽和単量体と、必要に
応じて架橋剤とを含む単量体成分を重合することによっ
て得られる樹脂を用いることができる。エチレン性不飽
和単量体を(共)重合してなる水膨潤性樹脂は、水に対
する膨潤性により優れており、かつ、一般的に安価であ
る。従って、該水膨潤性樹脂を用いることにより、仮埋
設物を引き抜く作業を極めて容易に、かつ、より一層経
済的に行うことができる。尚、上記の架橋剤は、特に限
定されるものではない。また、直鎖状の高分子に、架橋
剤を添加して架橋することにより、或いは、電子線を照
射して架橋することにより、水膨潤性樹脂を形成するこ
ともできる。
【0058】上記のエチレン性不飽和単量体としては、
具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコ
ン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、
2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、
2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、並び
に、これら単量体のアルカリ金属塩やアンモニウム塩;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
並びに、その四級化物;(メタ)アクリルアミド、N,
N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)ア
クリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、(メタ)アクリロイルモルホリン等の(メタ)アク
リルアミド類、並びに、これら単量体の誘導体;2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート;N−ビニル−
2−ピロリドン、N−ビニルスクシンイミド等のN−ビ
ニル単量体;N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N
−メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−
ビニル−N−メチルアセトアミド等のN−ビニルアミド
単量体;ビニルメチルエーテル;等が挙げられるが、特
に限定されるものではない。これらエチレン性不飽和単
量体は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上
を併用してもよい。
【0059】上記例示のエチレン性不飽和単量体のう
ち、ノニオン性基および/またはスルホン酸(塩)基を
有するエチレン性不飽和単量体がより好ましい。該単量
体としては、例えば、2−(メタ)アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイ
ルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパ
ンスルホン酸、(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレング
リコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。さ
らに、ポリオキシアルキレン基を有するエチレン性不飽
和単量体が特に好ましい。そして、メトキシポリエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレートを含む単量体成
分を重合して得られる水膨潤性樹脂は、アルカリ水に対
する膨潤性に特に優れている。従って、該水膨潤性樹脂
を用いることにより、仮埋設物を引き抜く作業を極めて
容易に行うことができる。
【0060】さらに、単量体成分としてエチレン性不飽
和単量体を二種類以上併用する場合においては、該単量
体成分に占める、ノニオン性基および/またはスルホン
酸(塩)基を有するエチレン性不飽和単量体の割合を1
重量%以上にすることがより好ましく、10重量%以上
にすることがさらに好ましい。上記の割合が1重量%未
満である場合には、該単量体成分を重合して得られる水
膨潤性樹脂を用いても、仮埋設物を引き抜く作業の作業
性をさらに向上させることができなくなるおそれがあ
る。
【0061】単量体成分としてエチレン性不飽和単量体
を二種類以上併用する場合における、より好ましい組み
合わせとしては、例えば、アクリル酸ナトリウム等の
(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩とアクリルアミドと
の組み合わせ、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩とメ
トキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
トとの組み合わせ等が挙げられるが、特に限定されるも
のではない。
【0062】上記の単量体成分を重合することにより、
水膨潤性樹脂が得られる。単量体成分の重合方法、つま
り、水膨潤性樹脂の製造方法は、特に限定されるもので
はない。また、水膨潤性樹脂の平均分子量や形状、平均
粒子径等は、水硬性組成物の組成やアルカリ水のpH、
シート状基材との組み合わせ、作業環境等に応じて設定
すればよく、特に限定されるものではないが、平均粒子
径が2,000μm以下、より好ましくは500μm以
下、さらに好ましくは150μm以下である水膨潤性樹
脂を用いることがより望ましい。該平均粒子径の水膨潤
性樹脂を用いることにより、例えば樹脂溶液(後述す
る)における水膨潤性樹脂の分散性または混合性が良好
となるので、その取り扱い性がより一層向上すると共
に、シート状基材表面に樹脂層を容易に形成することが
できる。さらに、単位面積当たりの樹脂層に含まれる水
膨潤性樹脂の量を、均一な状態で、より多くすることが
できる。
【0063】樹脂層が水膨潤性樹脂等の吸水材を含む場
合には、シート状基材と水硬性組成物の硬化物との間
に、水を吸水して膨潤した吸水材の層が形成される。つ
まり、仮埋設物と水硬性組成物の硬化物との間に、膨潤
した吸水材の層を形成することができるので、両者の接
着をより一層抑制することができる。これにより、仮埋
設物を水硬性組成物の硬化物から引き抜く際には、膨潤
した吸水材が潤滑効果を発揮することによって、該仮埋
設物が滑り易くなる。従って、仮埋設物を水硬性組成物
の硬化物から引き抜く作業における労力(引張力)をよ
り一層低減することができるので、該作業の作業性を向
上させることができる。さらに、吸水材を乾燥させるこ
とにより、仮埋設物と水硬性組成物の硬化物との間に隙
間を形成することができるので、上記作業の作業性をさ
らに一層向上させることができる。
【0064】アルカリ水可溶性樹脂と水膨潤性樹脂とを
併用する場合における両者の割合、即ち、樹脂層におけ
るアルカリ水可溶性樹脂と水膨潤性樹脂との割合は、両
者の組成や組み合わせ、作業環境等に応じて設定すれば
よく、特に限定されるものではないが、重量比で1/9
9〜99/1の範囲内がより好ましく、10/90〜9
0/10の範囲内がさらに好ましく、25/75〜75
/25の範囲内が特に好ましい。
【0065】また、シート状基材に対する樹脂層の割
合、即ち、シート状基材の単位面積当たりに対するアル
カリ水可溶性樹脂および水膨潤性樹脂の付着量は、両者
の組成や組み合わせ、作業環境等に応じて設定すればよ
く、特に限定されるものではないが、1g/m2 〜1
0,000g/m2 の範囲内がより好ましく、10g/
2 〜5,000g/m2 の範囲内がさらに好ましく、
20g/m2 〜1,000g/m2 の範囲内が特に好ま
しい。尚、シート状基材100重量部に対するアルカリ
水可溶性樹脂および水膨潤性樹脂の割合は、1重量部〜
10,000重量部の範囲内がより好ましく、10重量
部〜1,000重量部の範囲内がさらに好ましく、20
重量部〜500重量部の範囲内が特に好ましい。
【0066】シート状基材表面に樹脂層を形成する方法
は、特に限定されるものではないが、具体的には、例え
ば、アルカリ水可溶性樹脂と水膨潤性樹脂とを併用する
場合においては、両者を有機溶剤や水等の分散媒に分散
(または溶解)してなる分散液(樹脂溶液)をシート状
基材表面に、噴霧(スプレー)する方法;樹脂溶液を刷
毛塗り、またはローラを用いて塗布する方法;シート状
基材に樹脂溶液を含浸させる方法;等を採用すればよ
い。或いは、アルカリ水可溶性樹脂を含む溶液または分
散液をシート状基材表面に噴霧または塗布した後、該表
面に水膨潤性樹脂を均一に撒布し、さらにこの上に該溶
液または分散液を噴霧または塗布する方法;等を採用す
ることもできる。上記例示の方法のうち、アルカリ水可
溶性樹脂と水膨潤性樹脂とを有機溶剤や水等の分散媒に
分散(または溶解)してなる分散液(樹脂溶液)をシー
ト状基材表面に、噴霧(スプレー)または塗布する方法
が、作業上並びに製造上、容易であるので、特に好まし
い。シート状基材に塗布された該分散液等は、必要に応
じて乾燥させればよい。これにより、シート状基材表面
(外面および/または内面)に樹脂層が形成される。
尚、水膨潤性樹脂を用いない場合には、上記方法におい
て水膨潤性樹脂を分散する工程や、水膨潤性樹脂を撒布
する工程を省略すればよい。
【0067】そして、シート状基材、即ち、被覆材にお
いては、仮埋設物を被覆した状態において外側となる面
に、上記樹脂層が形成されていることがより好ましい。
これにより、仮埋設物を引き抜く作業をより一層容易に
行うことができると共に、例えばアルカリ水に溶解した
アルカリ水可溶性樹脂が仮埋設物に付着することが少な
くなるので、引き抜いた仮埋設物の表面を、綺麗な状態
に保つことができる。
【0068】アルカリ水可溶性樹脂と水膨潤性樹脂とを
含む樹脂溶液の調製方法は、特に限定されるものではな
い。また、上記有機溶剤としては、具体的には、例え
ば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、ベンゼン、トルエン、アセトン、メチル
エチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル;エチレングリ
コール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、ポリプ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等
の、多価アルコールおよびその誘導体;等が挙げられる
が、特に限定されるものではない。樹脂層の膜厚は、1
0μm程度あれば充分であるが、水膨潤性樹脂の粒子径
等に応じて設定すればよく、特に限定されるものではな
い。
【0069】上記樹脂層におけるアルカリ水可溶性樹脂
は、雨等の中性域または酸性域のpHを示す水と接触し
ても容易に溶解しない。つまり、アルカリ水可溶性樹脂
は耐水性に優れており、中性域または酸性域のpHを示
す水と接触しても損傷しない。従って、作業中に降雨等
があっても、性能を損なうことがない。また、構造体を
施工する際においては、作業現場で仮埋設物を被覆材で
被覆することができるが、例えば、仮埋設物を被覆材で
予め被覆しておき、該被覆された仮埋設物を作業現場に
野積みすることもできる。つまり、作業現場の状況に応
じて、適宜、作業の簡便化、合理化を図ることができる
ので、構造体を迅速に施工することができる。さらに、
必要に応じて、上記樹脂層の表面に、耐水性付与剤から
なる耐水性被膜を形成(いわゆるトップコート)しても
よい。該耐水性付与剤としては、例えば、ワックス、フ
ッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、上記アルカリ水可溶性
樹脂等が挙げられる。
【0070】一方、アルカリ水可溶性樹脂は、アルカリ
水と接触すると溶解する。つまり、樹脂層は、水硬性組
成物と接触したときにアルカリ水可溶性樹脂が溶解
始し、水硬性組成物とシート状基材との間に、例えば、
膨潤した水膨潤性樹脂の層を形成するようになってい
る。従って、仮埋設物を水硬性組成物の硬化物から引き
抜く作業の作業性を改善することができる。
【0071】仮埋設物を被覆材で被覆した状態におい
て、仮埋設物と被覆材とは、互いに接触はしているが固
着はしていない。つまり、本発明にかかる被覆材は、非
接着(非固着)の被覆材である。従って、仮埋設物と被
覆材との間には、アルカリ水が滲入することができる空
隙が形成され、それゆえ、水膨潤性樹脂の吸水膨潤性が
さらに向上し、両者の接着をより一層抑制することがで
きる。そして、膨潤した水膨潤性樹脂による潤滑効果と
の相乗効果によって、仮埋設物を引き抜く作業を極めて
容易に行うことができる。
【0072】また、仮埋設物を被覆材で被覆する際に
は、一つの仮埋設物に対して一つの被覆材を用いること
が望ましいが、必要に応じて、一つの仮埋設物に対して
二つ以上の被覆材を用いることもできる。従って、仮埋
設物を被覆材で被覆する方法として、例えば仮埋設物を
シート状に形成された二枚の被覆材で挟み込む方法、等
を採用することもできる。尚、本発明において「被覆」
とは、必ずしも被覆材で仮埋設物が見えなくなるように
覆い隠すことではなく、仮埋設物を水硬性組成物の硬化
物から容易に引き抜くことができる程度に、つまり、両
者の接着を抑制することができる程度に、仮埋設物を被
覆材で覆うことを示している。
【0073】仮埋設物を被覆材で被覆する方法として
は、具体的には、例えば、袋状若しくは筒状に形成され
た被覆材を仮埋設物に被せる方法、仮埋設物を袋状若し
くは筒状に形成された被覆材に挿入する方法、仮埋設物
をシート状に形成された被覆材で包み込む方法、仮埋設
物に被覆材を固定治具等を用いて固定する方法、等を採
用することができるが、特に限定されるものではない。
また、仮埋設物を被覆材で被覆する際には、仮埋設物の
形状に沿うようにして被覆材を被覆させることがより好
ましい。これにより、仮埋設物を埋設する際の位置決め
精度(打ち込み精度)がより向上する。尚、被覆材を袋
状若しくは筒状に形成する方法としては、具体的には、
例えば、接着剤を用いて接着する方法、ヒートシールに
よって融着させる方法、縫い合わせる方法、針金や紐等
で縛る方法、等の種々の方法を採用することができる
が、特に限定されるものではない。また、被覆材の荷姿
は、特に限定されるものではないが、ロール状(図1)
に巻き取られた状態、または、蛇腹状に折り畳まれた状
態が、取り扱い性および作業性の観点から、より好まし
い。
【0074】仮埋設物を被覆材で被覆する時期は、特に
限定されるものではなく、作業現場に仮埋設物を運び込
むまでの間の適当な時期であってもよく、作業現場で仮
埋設物を保管している間の適当な時期であってもよく、
仮埋設物を埋設する作業にかかるまでの間の適当な時期
であってもよい。つまり、仮埋設物は、埋設される時点
で、被覆材で被覆されていればよい。また、袋状若しく
は筒状に形成された被覆材を用いる場合においては、該
被覆材は、埋設される時点で、これら形状に形成されて
いればよい。
【0075】仮埋設物を被覆材で被覆する方法として
は、より具体的には、例えば、図1(a)に示すよう
に、クレーン6を用いて仮埋設物2を吊り上げると共
に、該クレーン6の先端部に設けられた滑車5に通した
紐3を被覆材1に取り付け、次いで、袋状若しくは筒状
に形成された被覆材1を、例えば作業員4が紐3を引っ
張ることにより、下方から履かせるようにして仮埋設物
2に挿入した後、同図(b)に示すように、作業員4が
紐3をさらに引っ張ることにより、該被覆材1を引き上
げて装着し固定する方法;筒状に形成された被覆材を上
方から被せるようにして仮埋設物に挿入し上端部を固定
した後、クレーンを用いて仮埋設物を吊り上げ、次い
で、被覆材の下端部に取り付けられた紐を例えば作業員
が引っ張ることにより、該被覆材を引き下げて装着する
方法;袋状若しくは筒状に形成された被覆材を地面等に
載置した後、該被覆材に仮埋設物を挿入し、次いで、被
覆材を引き上げて装着し固定する方法;仮埋設物を地面
等に載置した後、該仮埋設物に袋状若しくは筒状に形成
された被覆材を挿入し、次いで、仮埋設物を吊り上げる
と共に被覆材を引き上げて装着し固定する方法;図2
(a)に示すように、シート状に形成された被覆材10
の上に仮埋設物2をクレーン6等を用いて載置した後、
同図(b)・(c)に示すように、該被覆材10で仮埋
設物2を包み込み、次いで、同図(d)に示すように、
被覆材10を固定治具11…を用いて固定する方法;蛇
腹状に折り畳んだ被覆材の間に仮埋設物を挟み込んで固
定する方法;仮埋設物の上部および下部に被覆材の両端
部を固定する方法;仮埋設物の上部および下部に被覆材
の両端部を固定すると共に、該被覆材の中央部を針金
(番線)や紐、ベルト、ガムテープ等を用いて固定する
方法;仮埋設物の上部に被覆材の一部分を固定し、該被
覆材の残りの部分を仮埋設物に沿って垂らす方法;等を
採用することができるが、特に限定されるものではな
い。
【0076】上記例示の方法のうち、袋状若しくは筒状
に形成された被覆材を、下方から履かせるようにして仮
埋設物に挿入して装着する方法、並びに、仮埋設物をシ
ート状に形成された被覆材で包み込む方法が、被覆作業
の作業性に優れているので、より好ましい。尚、被覆材
を仮埋設物に固定する方法は、特に限定されるものでは
ない。また、上記固定治具11としては、具体的には、
例えば、洗濯挟み、クリップ、ゴムホースまたは断熱発
泡体等のチューブ類を縦割にして形成したキャップ等の
バインダー、針金(番線)、紐、ベルト、ガムテープ等
が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0077】以上のように、仮埋設物を被覆材で被覆す
ることにより、仮埋設物と水硬性組成物とが接触するこ
とを抑制し、両者を分離することができるので、仮埋設
物を水硬性組成物の硬化物から引き抜く際の摩擦抵抗力
を低減することができる。従って、該仮埋設物を容易に
引き抜くことができるようになる。回収した仮埋設物
は、そのまま再利用することができる。尚、被覆材は、
仮埋設物が引き抜かれた後も構造体に残ることになる
が、例えば被覆材が仮埋設物に固定されている場合に
は、仮埋設物と共に引き抜かれる場合もある。
【0078】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら
限定されるものではない。
【0079】〔実施例1〕アルカリ水可溶性樹脂の1
2.5重量%メチルアルコール溶液(以下、ASP溶液
と記す)を製造した。該アルカリ水可溶性樹脂は、アク
リル酸メチルを18重量%、アクリル酸エチルを34重
量%、アクリル酸を15重量%、および、メタクリル酸
メチルを33重量%の割合で含む単量体成分を所定の条
件下で共重合させることにより得た。
【0080】一方、アクリル酸ナトリウムとアクリルア
ミドとを所定の条件下で架橋共重合させることにより水
膨潤性樹脂を製造した。該水膨潤性樹脂の平均粒子径は
200μmであった。
【0081】上記のASP溶液と水膨潤性樹脂とを、重
量比10:1で混合することにより、樹脂層となるべき
樹脂溶液を得た。そして、A4版の大きさに裁断した不
織布(シート状基材)を該樹脂溶液に浸漬し、余分な樹
脂溶液を搾り取った後、乾燥機を用いて100℃で3分
間乾燥させた。つまり、不織布の両面に樹脂層を形成し
た。該不織布には、アルカリ水可溶性樹脂が80g/m
2 、水膨潤性樹脂が64g/m2 の割合で付着してい
た。また、該不織布の引張強度は、0.8kgf/2.
5cmであった。
【0082】次に、樹脂層が形成された上記不織布、即
ち、本発明にかかる被覆材を縫い合わせることにより、
幅80mm×高さ140mmの袋体を形成した。この袋
体に、仮埋設物としての、幅70mm×高さ150mm
×厚さ0.8mmの鉄板(日本テストパネル大阪製)を
挿入した。
【0083】一方、水とセメントと粘土とベントナイト
とを、重量比25:12:16:0.6で混合すること
により、ソイルセメントミルク(水硬性組成物)を調製
した。そして、上記の袋体を、容器に入れたソイルセメ
ントミルクに埋め込んだ。つまり、被覆材で被覆された
鉄板をソイルセメントミルクに打ち込んだ後、該ソイル
セメントミルクを硬化させた。
【0084】鉄板を打ち込んでから3日間経過後、該鉄
板をソイルセメントミルクの硬化物から、引張試験機を
用いて引き抜いた。該引き抜き作業に要した引抜き荷重
は0.8kgfであり、鉄板はソイルセメントミルクの
硬化物から極めて容易に引き抜くことができた。
【0085】〔実施例2〕実施例1で製造したASP溶
液と水膨潤性樹脂とを、重量比10:3.3で混合する
ことにより、樹脂層となるべき樹脂溶液を得た。そし
て、実施例1の操作と同様の操作を行うことにより、不
織布の両面に樹脂層を形成した。該不織布には、アルカ
リ水可溶性樹脂が40g/m2 、水膨潤性樹脂が104
g/m2 の割合で付着していた。
【0086】次に、実施例1の操作と同様の操作を行う
ことにより、袋状の被覆材で被覆された鉄板をソイルセ
メントミルクに打ち込んだ後、該鉄板をソイルセメント
ミルクの硬化物から引き抜いた。該引き抜き作業に要し
た引抜き荷重は0.6kgfであり、鉄板はソイルセメ
ントミルクの硬化物から極めて容易に引き抜くことがで
きた。
【0087】〔比較例1〕実施例1で製造したASP溶
液と水膨潤性樹脂とを、重量比10:2.5で混合する
ことにより、樹脂溶液を得た。そして、該樹脂溶液を幅
70mm×高さ150mm×厚さ0.8mmの鉄板の両
面に塗布した後、室温で30分間乾燥させ、さらに乾燥
機を用いて60℃で30分間乾燥させた。該鉄板には、
アルカリ水可溶性樹脂が100g/m2 、水膨潤性樹脂
が100g/m2 の割合で付着していた。
【0088】次に、実施例1の操作と同様の操作を行う
ことによりソイルセメントミルクを調製し、上記の鉄板
を、容器に入れた該ソイルセメントミルクに埋め込ん
だ。つまり、袋状の被覆材で被覆されていない鉄板をソ
イルセメントミルクに打ち込んだ後、該ソイルセメント
ミルクを硬化させた。
【0089】鉄板を打ち込んでから7日間経過後、該鉄
板をソイルセメントミルクの硬化物から引き抜いた。該
引き抜き作業に要した引抜き荷重は6.0kgfであ
り、鉄板はソイルセメントミルクの硬化物から容易に引
き抜くことができなかった。
【0090】〔比較例2〕アルカリ水可溶性樹脂の代わ
りに、合成ゴム系接着剤(住友スリーエム株式会社製;
商品名「3M スプレーのり99」)を用いて、比較用
の被覆材を製造した。該接着剤の成分は、スチレンブタ
ジエンゴム等の合成ゴム10重量%、n−ペンタンやア
セトン、トルエン等の有機溶剤40重量%、LPGやジ
メチルエーテル等のガス(スプレー用)50重量%であ
る。
【0091】先ず、A4版の大きさに裁断した不織布の
表面(片面)に、合成ゴム(固形分)の付着量が0.5
gとなるように上記接着剤を均一にスプレー塗布した。
その上に、実施例1で製造した水膨潤性樹脂2.5gを
均一に撒布した後、さらにその上に、合成ゴムの付着量
が1.5gとなるように上記接着剤を均一にスプレー塗
布した。これにより、水膨潤性樹脂を不織布の表面に付
着させた。そして、該不織布の裏面にも、上記操作と同
様の操作を行って、合成ゴムおよび水膨潤性樹脂を付着
させた。次いで、該不織布を乾燥機を用いて100℃で
5分間乾燥させた。不織布には、合成ゴムが64g/m
2 、水膨潤性樹脂が80g/m2 の割合で付着してい
た。
【0092】次に、実施例1の操作と同様の操作を行う
ことにより、袋状の比較用被覆材で被覆された鉄板をソ
イルセメントミルクに打ち込んだ後、該鉄板をソイルセ
メントミルクの硬化物から引き抜いた。該引き抜き作業
に要した引抜き荷重は3.0kgfであり、鉄板はソイ
ルセメントミルクの硬化物から容易に引き抜くことがで
きなかった。
【0093】〔実施例3〕A4版の大きさに裁断した織
布(シート状基材)の表面(片面)に、アルカリ水可溶
性樹脂(固形分)の付着量が2.5gとなるように、実
施例1で製造したASP溶液を均一にスプレー塗布し
た。該織布は、ポリエステルと綿とを重量比50:50
で含む混紡織物であり、厚さ0.5mm、坪量200g
/m2 である。次いで、該織布を乾燥機を用いて100
℃で3分間乾燥させた。つまり、織布の片面に樹脂層を
形成した。織布には、アルカリ水可溶性樹脂が80g/
2 付着していた。
【0094】次に、樹脂層が形成された上記織布、即
ち、本発明にかかる被覆材を、該樹脂層が外側になるよ
うにして縫い合わせることにより、幅80mm×高さ1
40mmの袋体を形成した。
【0095】その後、実施例1の操作と同様の操作を行
うことにより、袋状の被覆材で被覆された鉄板をソイル
セメントミルクに打ち込んだ後、該鉄板をソイルセメン
トミルクの硬化物から引き抜いた。該引き抜き作業に要
した引抜き荷重は1.5kgfであり、鉄板はソイルセ
メントミルクの硬化物から容易に引き抜くことができ
た。
【0096】〔実施例4〕メトキシポリエチレングリコ
ールメタクリレートとメタクリル酸ナトリウムとを所定
の条件下で架橋共重合させることにより水膨潤性樹脂を
製造した。該水膨潤性樹脂の平均粒子径は200μmで
あった。
【0097】次に、A4版の大きさに裁断した織布の表
面(片面)に、アルカリ水可溶性樹脂(固形分)の付着
量が1.25gとなるように、実施例1で製造したAS
P溶液を均一にスプレー塗布した。その上に、該ASP
溶液が乾く前に上記の水膨潤性樹脂1.25gを均一に
撒布した後、さらにその上に、アルカリ水可溶性樹脂の
付着量が1.25gとなるように該ASP溶液を均一に
スプレー塗布した。これにより、アルカリ水可溶性樹脂
中に水膨潤性樹脂が均一に分散分布した樹脂層を織布の
表面に付着形成させた。そして、該織布の裏面にも、上
記操作と同様の操作を行って、アルカリ水可溶性樹脂お
よび水膨潤性樹脂を付着させた。該織布は、実施例3で
用いた織布と同一の混紡織物である。次いで、該織布を
乾燥機を用いて100℃で3分間乾燥させた。織布に
は、アルカリ水可溶性樹脂が80g/m2 、水膨潤性樹
脂が40g/m2 の割合で付着していた。
【0098】その後、実施例1の操作と同様の操作を行
うことにより、袋状の被覆材で被覆された鉄板をソイル
セメントミルクに打ち込んだ後、該鉄板をソイルセメン
トミルクの硬化物から引き抜いた。該引き抜き作業に要
した引抜き荷重は1.0kgfであり、鉄板はソイルセ
メントミルクの硬化物から容易に引き抜くことができ
た。
【0099】〔実施例5〕A4版の大きさに裁断した織
布の表面(片面)に、アルカリ水可溶性樹脂(固形分)
の付着量が1.25gとなるように、実施例1で製造し
たASP溶液を均一にスプレー塗布した。その上に、該
ASP溶液が乾く前に実施例4で製造した水膨潤性樹脂
2.5gを均一に撒布した後、さらにその上に、アルカ
リ水可溶性樹脂の付着量が1.25gとなるように該A
SP溶液を均一にスプレー塗布した。これにより、アル
カリ水可溶性樹脂中に水膨潤性樹脂が均一に分散分布し
た樹脂層を織布の表面に付着形成させた。該織布は、実
施例3で用いた織布と同一の混紡織物である。次いで、
該織布を乾燥機を用いて100℃で3分間乾燥させた。
つまり、織布の片面に樹脂層を形成した。織布には、ア
ルカリ水可溶性樹脂が40g/m2 、水膨潤性樹脂が4
0g/m2 の割合で付着していた。
【0100】次に、樹脂層が形成された上記織布、即
ち、本発明にかかる被覆材を、該樹脂層が外側になるよ
うにして縫い合わせることにより、幅80mm×高さ1
40mmの袋体を形成した。
【0101】その後、実施例1の操作と同様の操作を行
うことにより、袋状の被覆材で被覆された鉄板をソイル
セメントミルクに打ち込んだ後、該鉄板をソイルセメン
トミルクの硬化物から引き抜いた。該引き抜き作業に要
した引抜き荷重は0.5kgfであり、鉄板はソイルセ
メントミルクの硬化物から極めて容易に引き抜くことが
できた。
【0102】〔実施例6〕アクリル酸ナトリウムとアク
リル酸とを所定の条件下で架橋共重合させることにより
水膨潤性樹脂を製造した。該水膨潤性樹脂の平均粒子径
は100μmであった。
【0103】次に、A4版の大きさに裁断した織布の表
面(片面)に、アルカリ水可溶性樹脂(固形分)の付着
量が1.25gとなるように、実施例1で製造したAS
P溶液を均一にスプレー塗布した。その上に、該ASP
溶液が乾く前に上記の水膨潤性樹脂5.0gを均一に撒
布した後、さらにその上に、アルカリ水可溶性樹脂の付
着量が1.25gとなるように該ASP溶液を均一にス
プレー塗布した。これにより、アルカリ水可溶性樹脂中
に水膨潤性樹脂が均一に分散分布した樹脂層を織布の表
面に付着形成させた。該織布は、実施例3で用いた織布
と同一の混紡織物である。次いで、該織布を乾燥機を用
いて100℃で3分間乾燥させた。つまり、織布の片面
に樹脂層を形成した。織布には、アルカリ水可溶性樹脂
が40g/m2 、水膨潤性樹脂が80g/m2 の割合で
付着していた。また、該織布の引張強度は、31kgf
/2.5cmであった。
【0104】次に、樹脂層が形成された上記織布、即
ち、本発明にかかる被覆材を、該樹脂層が外側になるよ
うにして縫い合わせることにより、幅80mm×高さ1
40mmの袋体を形成した。
【0105】その後、実施例1の操作と同様の操作を行
うことにより、袋状の被覆材で被覆された鉄板をソイル
セメントミルクに打ち込んだ後、該鉄板をソイルセメン
トミルクの硬化物から引き抜いた。該引き抜き作業に要
した引抜き荷重は0.6kgfであり、鉄板はソイルセ
メントミルクの硬化物から極めて容易に引き抜くことが
できた。
【0106】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の被覆材は、以上
のように、仮埋設物を被覆する被覆材であって、シート
状基材に、酸価が15mgKOH/g以上、500mg
KOH/g以下の範囲内であり、かつ、自重に対するイ
オン交換水の吸水倍率が2倍未満のアルカリ水可溶性樹
脂を含む樹脂層が形成されている構成である。
【0107】上記の構成によれば、アルカリ水可溶性樹
脂が溶解することにより、シート状基材と水硬性組成物
の硬化物との間に易剥離層を形成することができるの
で、仮埋設物を水硬性組成物の硬化物から引き抜く作業
における労力(引張力)を低減することができ、該作業
の作業性を向上させることができる。それゆえ、上記の
構成によれば、仮埋設物を引き抜く作業を改善すること
ができる被覆材を提供することができるという効果を奏
する。
【0108】本発明の請求項2記載の被覆材は、以上の
ように、仮埋設物を被覆した状態において外側となる面
に、上記樹脂層が形成されている構成である。
【0109】上記の構成によれば、仮埋設物を引き抜く
作業をより一層容易に行うことができると共に、水に溶
解したアルカリ水可溶性樹脂が仮埋設物に付着すること
がないので、引き抜いた仮埋設物の表面を綺麗な状態に
保つことができ、再利用(リサイクル)が容易となると
いう効果を奏する。
【0110】本発明の請求項3記載の被覆材は、以上の
ように、上記シート状基材の引張強度が、1kgf/
2.5cm以上である構成である。
【0111】上記の構成によれば、例えば仮埋設物を埋
設するときに生じる衝撃力や引張力等の外力がかかって
も破損しない強度を備えた被覆材を提供することができ
るという効果を奏する。
【0112】本発明の請求項4記載の被覆材は、以上の
ように、仮埋設物を挿入可能な袋状若しくは筒状に形成
されている構成である。
【0113】上記の構成によれば、仮埋設物をより一層
簡単にかつ迅速に被覆することができるという効果を奏
する。
【0114】本発明の請求項5記載の被覆材は、以上の
ように、上記樹脂層が、吸水材をさらに含んでいる構成
である。
【0115】上記の構成によれば、仮埋設物と水硬性組
成物の硬化物との間に、膨潤した吸水材の層を形成する
ことができるので、両者の接着をより一層抑制すること
ができる。これにより、仮埋設物を水硬性組成物の硬化
物から引き抜く際には、膨潤した吸水材が潤滑効果を発
揮することによって、該仮埋設物が滑り易くなる。従っ
て、仮埋設物を水硬性組成物の硬化物から引き抜く作業
における労力(引張力)をより一層低減することができ
るので、該作業の作業性を向上させることができるとい
う効果を奏する。さらに、吸水材を乾燥させることによ
り、仮埋設物と水硬性組成物の硬化物との間に隙間を形
成することができるので、上記作業の作業性をさらに一
層向上させることができるという効果も併せて奏する。
【0116】そして、上記吸水材が水膨潤性樹脂である
場合には、膨潤した水膨潤性樹脂が潤滑効果を発揮する
ことによって、仮埋設物がより一層滑り易くなる。従っ
て、仮埋設物を引き抜く作業の作業性をさらに向上させ
ることができるという効果をさらに奏する。
【0117】また、上記水膨潤性樹脂の平均粒子径が
2,000μm以下である場合には、アルカリ水可溶性
樹脂と水膨潤性樹脂との混合性がより良好となると共
に、シート状基材の単位面積当たりに対する水膨潤性樹
脂の付着量を、平均粒子径が2,000μmを越えてい
る場合と比較して、多くすることができ、樹脂層をより
一層形成し易くなる。従って、仮埋設物の引き抜き性
と、引き抜く作業の作業性とをさらに向上させることが
できるという効果をさらに奏する。
【0118】本発明の請求項6記載の被覆材の製造方法
は、以上のように、請求項1〜5の何れか1項に記載の
被覆材の製造方法であって、酸価が15mgKOH/g
以上、500mgKOH/g以下の範囲内であり、か
つ、自重に対するイオン交換水の吸水倍率が2倍未満の
アルカリ水可溶性樹脂を有機溶剤に溶解させてシート状
基材に付着させる工程を含む構成である。
【0119】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)共に、本発明の実施の一形態に
かかる被覆材を用いて仮埋設物を被覆する手順を示す概
略の斜視図である。
【図2】(a)〜(d)共に、本発明の実施の他の形態
にかかる被覆材を用いて仮埋設物を被覆する手順を示す
概略の斜視図である。
【符号の説明】
1 被覆材 2 仮埋設物 10 被覆材
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−247549(JP,A) 特開 平9−39147(JP,A) 特開 昭62−174418(JP,A) 特開 平3−175003(JP,A) 特開 平11−343621(JP,A) 特開 平6−185054(JP,A) 特開 昭64−58715(JP,A) 特開 昭63−165615(JP,A) 実開 平6−63634(JP,U) 特許3212955(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 201/00 C09D 5/00 C09D 125/18 C09D 133/02 C09D 135/00 C09D 141/00 C09D 143/02 C09D 161/06 - 161/14 C10M 107/00 C10M 107/20 - 107/36 C10M 107/46 - 107/48 C10N 40:34 - 40:36 E02D 9/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】仮埋設物を被覆する被覆材であって、 シート状基材に、酸価が15mgKOH/g以上、50
    0mgKOH/g以下の範囲内であり、かつ、自重に対
    するイオン交換水の吸水倍率が2倍未満のアルカリ水可
    溶性樹脂を含む樹脂層が形成されていることを特徴とす
    る被覆材。
  2. 【請求項2】仮埋設物を被覆した状態において外側とな
    る面に、上記樹脂層が形成されていることを特徴とする
    請求項1記載の被覆材。
  3. 【請求項3】上記シート状基材の引張強度が、1kgf
    /2.5cm以上であることを特徴とする請求項1また
    は2記載の被覆材。
  4. 【請求項4】仮埋設物を挿入可能な袋状若しくは筒状に
    形成されていることを特徴とする請求項1、2または3
    記載の被覆材。
  5. 【請求項5】上記樹脂層が、吸水材をさらに含んでいる
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の被覆
    材。
  6. 【請求項6】請求項1〜5の何れか1項に記載の被覆材
    の製造方法であって、 酸価が15mgKOH/g以上、500mgKOH/g
    以下の範囲内であり、かつ、自重に対するイオン交換水
    の吸水倍率が2倍未満のアルカリ水可溶性樹脂を有機溶
    剤に溶解させてシート状基材に付着させる工程を含むこ
    とを特徴とする被覆材の製造方法。
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