JPH10184003A - 杭頭充填材 - Google Patents

杭頭充填材

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Publication number
JPH10184003A
JPH10184003A JP35143796A JP35143796A JPH10184003A JP H10184003 A JPH10184003 A JP H10184003A JP 35143796 A JP35143796 A JP 35143796A JP 35143796 A JP35143796 A JP 35143796A JP H10184003 A JPH10184003 A JP H10184003A
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JP
Japan
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water
plug
pile head
pile
sheet
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Withdrawn
Application number
JP35143796A
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English (en)
Inventor
Koichi Okamoto
功一 岡本
Naoyuki Shirane
直之 白根
Yoshihiro Ikeda
義宏 池田
Isao Yanagisawa
勲 柳澤
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CHUGOKU KAKO
CHUGOKU KAKO KK
HOKURIKU FINE CHEM KK
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
CHUGOKU KAKO
CHUGOKU KAKO KK
HOKURIKU FINE CHEM KK
Nippon Shokubai Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 栓体の除去を極めて容易にし、現場での空隙
形成作業を簡便にするとともに、該栓体の再利用を可能
にする基礎埋込杭の杭頭充填材を提供する。 【解決手段】 基礎埋込杭の杭頭充填材であって、栓体
の少なくとも一部を吸水性シートで被覆してなることを
特徴とする杭頭充填材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基礎埋込杭の杭頭
充填材に関するものである。さらに、詳しく述べると、
プレボーリング拡大根固め、プレボーリング根固め等の
埋込み工法に用いられる基礎埋込杭の杭頭に、形成させ
たい空隙の形状と同じ形状の栓体をセメントなどの水硬
化性組成物の中に施工した後、経時後に栓体を除去して
目的とする空隙を形成させる杭頭充填材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、基礎杭打ち工法としては、基礎杭
を直接地下の支持地盤に先端が食いこむまで打ち込む打
込杭の工法が取られていたが、この工法では、大きな震
動と打撃音が発生し、環境問題上好ましくない工法にな
ってきている。
【0003】代って基礎杭の埋込み工法が広まってい
る。この工法は、地盤をアースオーガー等の掘削機を用
いて所定の深さまで掘削した後、セメントミルクを該掘
削孔に注入し、次いで先端開放型の中空コンクリート杭
をその孔に埋めこみ、基礎杭とするものである。この工
法では該杭を埋めこむ時に、セメントミルクが杭の頭部
にまで上昇して杭の上部の空間を埋めつくすことが起こ
りやすく、該セメントミルクの硬化後、土台との接続用
鉄筋篭を挿入できるようにハツリ作業等によって杭頭部
に空間を形成させる必要がある。
【0004】この空間を形成するために、紙管、金属
体、合成樹脂成形物などの充填物を杭頭部にとりつけ、
セメントが硬化した後、その充填物を何らかの方法例え
ば重機を使って強制的に除去する方法や合成樹脂成形物
を溶剤でもってとかし出す方法などが最近開発されてい
る。
【0005】しかしながら、充填物を強制的に除去する
には多大な力が必要であるため、特殊な重機が不可欠で
あり、煩雑であると共に安全面で課題があった。また、
作業スペースの狭い現場では重機が入ることができず充
填物の除去ができなくなる場合があった。さらに、除去
した充填物は廃材として処理しなければならなかった。
一方、作業員が直接ハツリ取る場合は、硬化セメントの
破砕が極めて困難かつ煩雑であるため、作業効率が悪く
工期が延びるという問題があり、作業員の安全面、周囲
への騒音問題等にも配慮する必要があった。
【0006】そこで、こうしたハツリ作業を軽減するた
め、特開平4−92015号公報では、杭頭部の中空部
に、内外面に粉体状の吸水性ポリマーを塗布した発泡ポ
リスチレン等の円筒体を挿入する方法が提案されてい
る。これは、セメントミルクの水分を吸水性ポリマーが
吸水膨潤して、セメントが杭内壁に固着するのを防止さ
せるもので、杭頭部の硬化セメントのハツリ作業を容易
にしようとする方法である。
【0007】しかしながら、この方法によれば、吸水性
ポリマーを円筒体表面に固定させるためには、塗料媒体
またはバインダー等の接合剤を用いて塗膜化しなければ
ならない。この形成させる接合剤の膜は、吸水性ポリマ
ーの固定には寄与するものの、吸水性ポリマーの吸水、
膨潤性を著しく制限するものであり、接合剤の配合量が
少ないとポリマーが脱落するものとなる。また、ポリマ
ーの付着分布も不均一なものになりやすかった。したが
って、純水で数十倍の吸水倍率を有するものであって
も、セメントミルク中の水分は塩濃度が高いため、その
吸水性は極めて低いものとなり、セメントの杭内壁への
付着は完全に防げるものではなかった。さらに、吸水性
ポリマーを円筒体表面に塗布する加工自体も極めて手間
のかかるものであり、円筒内部に流入したセメントのハ
ツリ作業は依然として不可欠で煩雑なものとなってい
た。また、この公報では、杭の中空内の壁面に吸水性ポ
リマーを塗布する方法も提案されている。しかしなが
ら、この方法によれば、塗膜の除去が困難なため、杭頭
に空隙を形成した後も杭内壁面に塗膜が残ってしまい、
杭頭の空隙穴に挿入する土台用鉄筋部材と杭との密着強
度を低下させるという問題が生じる。
【0008】また、特開平4−333770号公報で
は、吸水性ポリマーをゴムや軟質樹脂に配合した吸水膨
張性素材自体を型材とし、その吸水膨潤性素材を十分吸
水膨潤させた状態でコンクリート(未硬化)中に打設
し、コンクリートが養生乾燥して硬化した後、乾燥収縮
した吸水膨潤性素材を除去してコンクリート中に空洞を
形成させる方法が提案されている。
【0009】しかしながら、この方法においても、前者
の公報の場合と同様、ゴムや軟質樹脂などの吸水性ポリ
マーの吸水膨潤性を抑制する物質に吸水性ポリマーを配
合しているため、その吸水性は低いものとなっていた。
従って、コンクリート中の塩濃度の高い水分を吸水して
十分に膨潤させることは困難であるため、予め純水を十
分吸水させて膨潤させておくことが好ましいが、この吸
水膨潤性素材を目標とする大きさまで膨潤させるのには
多大な時間が必要であった。また、所定のサイズおよび
形状にコントロールするためのもう一つの型材が必要と
なっていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、特殊な重機や効率の悪いハツリ作業を必要とせ
ず、杭頭に空隙孔を形成する材料を提供することであ
り、空隙形成のために用いる充填物(栓体)の除去を格
段に容易にし、現場での空隙形成作業を極めて簡便にす
るとともに、その充填物(栓体)を再利用することで廃
材の量を低減する基礎埋込杭の杭頭充填材を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記諸目的は、下記
(1)〜(3)により達成される。
【0012】(1) 基礎埋込杭の杭頭充填材であっ
て、栓体の少なくとも一部を吸水性シートで被覆してな
ることを特徴とする杭頭充填材。
【0013】(2) 該吸水性シートが、水溶性不飽和
モノマーを含む重合成分を基材上で重合して得られたも
のである前記(1)に記載の杭頭充填材。
【0014】(3) 該栓体が、ほぼ軸方向に沿って両
端面に連通して形成された少なくとも一つの貫通孔を有
してなる前記(1)または(2)記載の杭頭充填材。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明を詳細に説明する。
【0016】図1および図2は本発明による杭頭充填材
の一実施例態様を示すものである。すなわち、円柱状の
栓体1と、該栓体1の少なくとも外表面、例えば図1お
よび図2に示すように側面および底面を覆ってなる吸水
性シート2とよりなる杭頭充填材3である。この栓体1
には、必要に応じ、ほぼ軸方向に沿って両端面4,5に
連通する貫通孔6を設けてもよい。この貫通孔6は、前
記栓体1に空洞を穿設し、さらにパイプ7をその先端部
を突出させて嵌挿してなるものである。この貫通孔6
は、通常、1本で充分であるが、大形の栓体1の場合に
は複数本設けてもよい。
【0017】さらに、後で吸水膨潤した吸水性シート2
の除去を容易にするために、該吸水性シート2の両端部
にそれぞれ紐8を取り付けてもよい。
【0018】図3は、本発明による杭頭充填材の他の実
施態様を示すもので、図1および図2と同様の構造の杭
頭充填材3において、円柱状の栓体1のほぼ軸方向に沿
って設けられる貫通孔6にパイプを嵌挿しない場合の例
を示すものである。なお、同図において、図1および図
2と同一の符号は、同一の部材を示す。
【0019】図4は、本発明による杭頭充填材のさらに
他の実施態様を示すもので、図1および図2と同様の構
造の杭頭充填材3において、栓体1を円筒状中空体で形
成してなるものである。この場合、貫通孔6には、その
先端部を突出させてパイプ7が必要により挿通される。
なお、同図において、図1および図2と同一の符号は、
同一の部材を示す。
【0020】図5は、本発明による杭頭充填材の別の実
施態様を示すもので、栓体1を有底円筒体で形成してな
るものである。なお、同図において、図1および図2と
同一の符号は、同一の部材を示す。
【0021】図6は、本発明による杭頭充填材のさらに
別の実施態様を示すもので、栓体1を無底円筒体で形成
してなるものである。この場合、吸水性シート2は、該
無底円筒体の内外両側面を覆っている。なお、同図にお
いて、図1および図2と同一の符号は、同一の部材を示
す。
【0022】図7および図8は、本発明による杭頭充填
材の別の実施態様を示すもので、大型の杭頭充填材の場
合の分割型の例である。すなわち、例えば、図7に示す
ように扇形の横断面を有する柱状の栓体1と、該栓体1
の少なくとも外表面、例えば図7に示すように側面およ
び底面を覆ってなる袋状の吸水性シート2とよりなる杭
頭充填材3である。該栓体1には、必要によりほぼ軸方
向に沿って、両端面4,5に連通する貫通孔6を設けて
もよく、該貫通孔6にさらにその先端部を突出させてパ
イプ(図示せず)を嵌挿してもよい。
【0023】さらに、後で吸水膨潤した吸水性シート2
の除去を容易にするために、該吸水性シート2の両端部
にそれぞれ紐8を取り付けてもよい。
【0024】このような構造よりなる杭頭充填材3は、
その複数個、例えば3個を図8に示すように組み合わせ
て円柱状ないし円筒状を構成して使用して使用される。
しかして、図7および図8の実施態様においては、3分
割の部材を組み合わせた例を示したが、所望の空隙の大
きさに応じて2分割ないし数分割に杭頭充填材3を形成
して、これを組合わせて使用してもよい。
【0025】以上は、横断面が円形である場合の実施態
様について述べたが、この他に楕円形、三角形、四角
形、六角形、八角形等の多角形、台形、星形、不定形状
等あるいはこれらを組合わせた形状等があり、また、縦
断面の幅が下方に行くにしたがい減衰するような形状の
ものが栓体の除去を容易にし、例えば逆円錐台状のもの
が挙げられる。栓体の形状としては、除去が容易な形状
のものであれば、特に制限されない。
【0026】しかしながら、栓体の加工性や軽量化等の
作業性の観点からは、円柱状あるいは有底筒状(中空
体)のものが好ましい。有底筒状体の場合には、蓋をし
て用いてもよく、有底筒状または中空体の栓体の空隙部
分には空気や水、軽量素材等を充填しておくとよい。こ
うしておくと、栓体の除去を容易にすることができる。
【0027】本発明において使用される吸水性シート
は、シート状基材に吸水性ポリマーが直接固着したもの
である。
【0028】本発明における吸水性ポリマーとしては、
例えば、アクリル酸またはアクリル酸塩あるいはスルホ
ン酸基含有(メタ)アクリル酸エステルまたはその塩を
主成分とし、場合により架橋剤を添加してなる水溶性の
エチレン性不飽和モノマーを重合させて得られる、自重
の10〜1000倍の水を吸収し膨潤する吸水性ポリマ
ーを挙げることができ、好ましく用いられる。
【0029】上記以外の吸水性ポリマーの例としては、
例えば、架橋ポリビニルアルコール、架橋ポリエチレン
オキシド、架橋ポリビニルピロリドン、スルホン化ポリ
スチレン架橋体、架橋ポリビニルピリジン、デンプン−
ポリ(メタ)アクリロニトリルグラフト共重合体のケン
化物、デンプン−ポリ(メタ)アクリル酸(およびその
塩)グラフト架橋共重合体、ポリビニルアルコールと無
水マレイン酸(塩)の反応物、架橋ポリビニルアルコー
ルスルホン酸塩、ポリビニルアルコール−アクリル酸グ
ラフト共重合物等も例示できる。また、水溶性ノニオン
性不飽和モノマーを必須とするモノマー成分を重合して
なる吸水性ポリマーが挙げられる。
【0030】本発明に用いられるシート状基材として
は、例えば、親水性または疎水性の織布、不織布、編
布、紙、スポンジ等の多孔質材を挙げることができる。
基材がその中に空隙を有していることで、吸水性ポリマ
ーの膨潤許容空間を確保でき、またセメント水が吸水性
ポリマーと有効に接触できるので好ましい。基材に使用
される素材としては、基材が繊維基材の場合、親水性の
ものとして木材パルプ、綿、羊毛、レーヨン、アセテー
ト、ビニロン等の繊維が挙げられ、疎水性のものとして
はポリエステル、ポリアクリロニトリル、ナイロン、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウ
レタン、グラスウール、ロックウールの繊維を挙げるこ
とができる。また、基材がスポンジ様の場合にはポリア
セタール、ポリオレフィン、ポリウレタン、セルロー
ス、フェノール樹脂等を挙げることができる。中でも、
得られる吸水性シートの作業性、柔軟性、経済性の観点
から、好ましい基材としてポリエステル、ポリプロピレ
ン等の疎水性の繊維からなる不織布を用いることが好ま
しい。基材の厚みは特に制限はないが、一般に0.01
〜10mm好ましくは0.1〜5mmの範囲である。ま
た、坪量は10〜500g/m2 好ましくは20〜20
0g/m2 の範囲である。
【0031】本発明において、前記吸水性ポリマーとシ
ート状基材の重量比としては、基材100重量部に対
し、吸水性ポリマー10〜1000重量部、好ましくは
80〜500重量部の範囲である。吸水性ポリマーの量
が10重量部未満の場合には、吸水性ポリマーの栓体引
き抜きの際の潤滑効果が小さく好ましくない。一方、1
000重量部を越える場合には、得られる吸水性シート
の柔軟性が低下し、作業性の点から好ましくない。
【0032】これらの吸水性ポリマーがシート状基材に
直接固着した吸水性シートを得る方法としては、A)基
材に水で軟化した吸水性ポリマーを直接プレスし、必要
により乾燥する方法。B)架橋により吸水性ポリマーに
転換し得る水溶性ポリマーを基材に施し、その後架橋せ
しめる方法。C)重合により吸水性ポリマーに転換し得
るモノマーをシート状基材に施したのち重合せしめる方
法等、シート状基材に吸水性ポリマーがバインダーを介
さずに直接固着できるのであればその方法は特に限定さ
れない。
【0033】中でも、製造の容易さ、経済性、得られる
吸水性シートの耐久性等の観点から、重合により吸水性
ポリマーに転換し得るモノマーを基材に付着せしめた
後、該モノマーをシート状基材上で重合する方法が好ま
しい。この製法により吸水性ポリマーがシート状基材に
直接固着した吸水性シートをより簡便に得ることができ
る。
【0034】重合により吸水性ポリマーに転換すること
ができるモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタ
クリル酸およびそれらのアルカリ金属塩やアンモニウム
塩;2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−
(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、2−(メ
タ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、
ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸およびそ
れらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩;(メタ)アク
リルアミド、N,N’−ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレートおよびその4級化物;ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコール(メ
タ)アクリレート等を挙げることができ、これらの1種
または2種以上を用いることができる。
【0035】セメント水の吸水膨潤性の観点から、2−
(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)
アクリロイルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスル
ホン酸、(メタ)アリルスルホン酸およびそれらのアル
カリ金属塩やアンモニウム塩等のスルホン酸基を有する
水溶性エチレン性不飽和モノマーがより好ましい。スル
ホン酸基を有する水溶性エチレン性不飽和モノマーを基
材に付着させて重合・架橋することで得られる吸水性シ
ートを用いる本発明の杭頭充填材は、セメント水中に含
まれるカルシウム等の多価金属塩やpHの影響を受けに
くいため長期間においてもセメント水の吸水膨潤性が高
く、栓体の引き抜きがさらに良好となる杭頭充填材とす
ることができる 本発明の吸水性ポリマーは、水溶性ノニオン性不飽和モ
ノマーを必須とするモノマー成分を、必要により架橋剤
の存在下、重合することによっても得られる。水溶性ノ
ニオン性不飽和モノマーとしてはアクリルアミド、メタ
クリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジア
セトン(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メ
タ)アクリルアミド、N,N´−ジメチル(メタ)アク
リルアミド等の(メタ)アクリルアミド及びその誘導
体;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートやメ
トキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートな
どに代表されるポリアルキレングリコール(メタ)アク
リレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートやヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート等に代表される
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;N−ビニル
ピロリドンやN−ビニルサクシイミドに代表されるN−
ビニルモノマー;N−ビニルホルムアミド、N−ビニル
−N−メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、
N−ビニル−N−メチルアセトアミド等のN−ビニルア
ミドモノマー;ビニルメチルエーテル等が挙げられる。
【0036】中でも好ましくはアクリルアミド、メタク
リルアミド、メトキシポリアルキレングリコールおよび
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートから選ばれる
一種または二種以上である。
【0037】本発明において、上記水溶性ノニオン性不
飽和モノマーに加えて水溶性アニオン性モノマーや水溶
性カチオン性モノマーを用いることができる。
【0038】用いられる水溶性アニオン性不飽和モノマ
ーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、2−(メタ)
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−
スルホエチル(メタ)アクリレート等に代表されるスル
ホン酸基含有(メタ)アクリレート及びそのアルカリ金
属塩又はアンモニウム塩等が挙げられる。
【0039】水溶性カチオン性不飽和モノマーとして
は、N,N’−ジメチルアミノ(メタ)アクリレートお
よびその4級化物に代表されるアミノ基含有(メタ)ア
クリレート等が挙げられる。
【0040】これらモノマーの中でも、得られる吸水性
ポリマーの吸水性能や栓体の引抜性能の点で、アクリル
酸、メタクリル酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸、2−スルホエチル(メタ)
アクリレートおよびそのアルカリ金属塩またはアンモニ
ウム塩等の水溶性アニオン性不飽和モノマーを前記水溶
性ノニオン性不飽和モノマーと共重合することが好まし
い。
【0041】前記水溶性ノニオン性不飽和モノマーはモ
ノマー成分中10モル%以上、好ましくは20〜99モ
ル%、より好ましくは50〜95モル%用いることが好
ましい。ノニオン性不飽和モノマーの割合が10モル%
よりも少ないと、鋼製の栓体を用いた場合、鋼材表面に
錆が発生し易くなり、引抜き性や引き抜いた鋼材の再使
用の点で好ましくないことがある。そして、セメント水
中において十分な吸水性能を発揮できなかったり、経時
的に吸水性能が大きく低下してしまうことがある。ま
た、ノニオン性不飽和モノマーの割合が99モル%より
も多いと得られる吸水性ポリマーの吸水倍率が低くセメ
ント水中や軟弱地盤中で充分な潤滑性を発揮できなくな
ることがある。
【0042】本発明の杭頭充填材は、前記水溶性ノニオ
ン性不飽和モノマーを必須とするモノマー成分を重合し
てなる吸水性ポリマーを含有する吸水性シートで設けて
なる。
【0043】以上のごとき吸水性ポリマーのうち、水溶
性ノニオン性不飽和モノマーを必須とするモノマー成分
を、必要により架橋剤の存在下により重合して得られる
ものが好ましい。
【0044】前記モノマー中には、架橋剤として、ジビ
ニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
ジ(メタ)アクリレート、N,N−メチレンビスアクリ
ルアミド、イソシアヌル酸トリアリル、トリメチロール
プロパンジアリルエーテル等に代表される多官能性の水
溶性エチレン性不飽和モノマーを加えておくことができ
る。架橋剤の使用により、得られる潤滑材の耐久性や保
形性を向上できる。架橋剤の使用量は、上記モノマーの
種類や重合条件により適宜選択することができるが、一
般に0.001〜10モル%(対モノマー)の範囲であ
り、好ましくは0.01〜5モル%(対モノマー)の範
囲である。
【0045】上記したモノマーを基材に付着させる方法
としては特に限定はされないが、例えば水溶液の状態
で、基材にモノマー水溶液を印刷したり、噴霧、含浸、
含浸後に搾り取る方法等によりモノマーを基材に付着で
きる。このようにして基材に付着させたモノマーは、公
知の手段により重合し基材に吸水性ポリマーを直接固着
できる。重合させる方法としては、例えば、熱、光、電
子線、紫外線等を用いる方法を採用できる。必要に応じ
て、上記したモノマーの水溶液中に過硫酸塩や水溶性ア
ミノ化合物等の水溶性ラジカル重合開始剤やその他の添
加剤が加えられてもよい。
【0046】このようにして得られる本発明の吸水性シ
ートは、その厚さが10〜10,000mm、好ましく
は100〜5,000μmである。すなわち10μm未
満では機械的強度が不充分であるばかりでなく、吸水量
が不充分であるので、栓体を引抜くための潤滑性が不充
分である。一方、10,000μmを越えると、該吸水
性シートは柔軟性に欠けたものとなる。
【0047】この栓体の材質は、杭頭内に空隙を形成さ
せ得るものであれば特に制限はされない。例えば、鉄、
亜鉛、合金等の金属類、木材等の天然素材、ダンボー
ル、紙管、ボイド管等の紙類、塩化ビニル樹脂、ポリエ
チレン、ポリスチレン、繊維強化プラスチックス、ゴム
等の各種合成樹脂などが挙げられる。加工性、取り扱い
性(軽量性)、経済性の観点からそれらの発泡体または
多孔質体が好ましい。
【0048】また、栓体の表面が、平滑な金属面や平滑
な高分子成型面などのように表面滑り性を有するもので
あると、杭頭から栓体を引き抜く又は空気圧で押し出す
等の抜き出す場合に抵抗力が小さくなり作業性が向上し
好ましいものとなる。
【0049】また、予め滑り性を有する被覆材で該栓体
を被覆してもよい。滑り性を有する被覆材としては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロ
ン、テフロン、塩化ビニル、塩化ビニリデン製などの各
種合成フィルムまたはシート、アルミ箔などの金属箔
膜、金属蒸着膜、金属製の薄板などが挙げられる。ま
た、各種の滑り剤または剥離剤を栓体表面に吹き付けた
り、塗工してもよい。加工性、取り扱い性、経済性の観
点からポリオレフィン製フィルムが好適に用いられる。
栓体に滑り性を有する被覆材を被覆する方法としては、
包んだり、貼り付けたり、ピン状のもで打ちつけたりす
る方法などが挙げられる。さらに、シュリンクフィルム
の利用も加工性の観点から好ましい。
【0050】このような構成を有する本発明の杭頭充填
材は、つぎのようにして使用されて杭頭に所望の空隙を
形成する。
【0051】なお、本発明における基礎埋込杭とは、プ
レボーリング拡大根固め、プレボーリング根固め、セメ
ント等の埋込み工法に用いられる杭のことを意味する。
【0052】まず図9(A)に示すように、例えば掘削
により土中10に形成した孔(穴)にセメントミルク1
2を注入し、一定必要量を注入したのちに杭頭充填材3
を装着したコンクリートパイル11を埋設する。この
時、セメントミルク12あるいは土砂(図示せず)の混
入したセメントミルク12がコンクリートパイル11の
中を上昇し、コンクリートパイル11の中を上昇し、コ
ンクリートパイル11の内側と杭頭充填物3の外側の空
隙を充満する。この間に、セメントミルク中のカルシウ
ム塩、その他の塩を含有する水分と吸水性シート2と
が、接触して水分が吸収され、該吸水性シート2は膨潤
する。
【0053】しかして、セメントミルクが流動性を失う
か硬化したのちに、栓体1を引張り上げると、吸水膨潤
した吸水性シート2の滑り性のために容易に除去するこ
とができる。この場合、該栓体1に貫通孔6が設けられ
ている場合には、埋設した栓体を杭頭から引抜く場合
に、減圧状態とならずに図9(B)に示すように容易に
抜き出すことができる。さらに貫通孔6の突出端7にチ
ューブ(図示せず)を連結して積極的に空気を送り込む
ことが特に好ましく、容易に栓体を抜き出すことができ
る。栓体を抜き出すために必要な空気を送り込む圧力は
特に制限はされないが、150kg/cm2 未満が好ま
しく、3kg/cm2 未満が特に好ましい。圧力が15
0kg/cm2 を越えると通常の気体ボンベや小型のコ
ンプレッサーでは不十分となり、空気を送り込む特別な
装置が必要となる。
【0054】また、栓体を杭頭から引き抜く場合は、栓
体の単位接触面積(硬化セメントとの接触面積)当たり
の引き抜き力は、0.1t/m2 未満が好ましい。引き
抜き力が、0.1t/m2 以上だと、特殊な引き抜き機
材が必要となる場合がある。
【0055】該栓体をコクリートパイル11の内部に埋
め込む方法としては、コンクリートパイル11に栓体を
取りつけた後に行なうか、コンクリートパイル11を埋
めこんだ後に栓体をコンクリートパイル11の内部に挿
入する方法もあるが、実際の施工においては、前者、す
なわちコンクリートパイル11に該栓体を取りつけた
後、コンクリートパイル11を埋め込む方が格段に好都
合である。
【0056】このように、吸水性シートで被覆した栓体
の杭頭充填材を杭頭部に設置した杭を、水硬化性組成物
が注入された掘削孔に挿入し、水硬化性組成物が流動性
を失うか、硬化した後、該栓体を除去することで、土台
用鉄筋部材を設置するための空隙を形成することができ
る。
【0057】また、埋め込みまたは設置する杭頭充填体
は、単体での使用だけでなく、複数個の杭頭充填体を接
触させて使用してもよい。特に、杭頭充填材のスケール
が取り扱い難い大きさになる場合には、複数個に分け小
スケールで、杭頭充填材の埋め込み設置を行った方が作
業が容易で好ましい(図7〜8参照)。
【0058】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明する。
【0059】実施例1 アクリルアミド70モル%およびアクリル酸ナトリウム
30モル%からなるモノマー水溶液(モノマー濃度35
重量%)に、N,N−メチレンビスアクリルアミド0.
1モル%(対モノマー)、2,2’−アゾビス(2−ア
ミジノプロパン)2塩酸塩1g/モル(対モノマー)お
よびヒドロキシエチルセルロース1.5重量%(対モノ
マー)を加え、次いで窒素ガスで溶液中の溶存酸素を除
去した。このモノマー水溶液に、坪量が60g/m2
ポリエステル製不織布を浸漬し、該水溶液を含浸させた
後、余分なモノマー水溶液をローラーで絞り取った。こ
の含浸物を加熱してラジカル重合を行ったところ、80
g/m2 の吸水性ポリマーがシート状基材に直接固着し
た吸水性シートを得た。この吸水性シートをセメントブ
リージング水に24時間浸漬した後、吸引濾過し濾過後
のシート重量を求め浸漬前の重量で除し吸水倍率を求め
たところ、吸水倍率は9倍であった。
【0060】次に、図1〜2に示すように、サイズ12
14mm×1225mmの吸水性シート2を2つ折りし
て、合わせ部を縫い代10mmで幅8mmの紐を重ねた
状態でミシン縫いした。また、折り目にも幅8mmの紐
8を重ねてミシン縫いを行い紐を取り付けた。このよう
にして開口径380mm(開口円周長1194mm)、
長さ1215mmの2つの紐8が取り付られた吸水性シ
ート袋2を作製した。
【0061】次に、発泡ポリスチレン製の直径370m
m、長さ935mmの円柱体に、上部から下部へ内径1
5mmの硬質塩化ビニル樹脂製パイプ管7を貫通させて
貫通孔6を設けた。次いで、円柱体上部および底部のパ
イプ管の口を塞がないように滑り性を有する厚み0.1
mmのポリエチレンフィルム(図示せず)で被覆して固
定し、栓体1を作製した。次に、吸水性シート袋2の中
に前記栓体1を挿入し、吸水性シート2である吸水性シ
ートで包装被覆された杭頭充填材3を得た。
【0062】図9(A)に示すように、土中10に形成
した穴に、セメントと水との重量比が各々1:0.65
の水硬化性のモルタル組成物を注入し、内径420m
m、肉厚90mm、長さ8000mmのコンクリートパ
イル11の内部に上記栓体を装着した後、土中に挿入し
た。このコンクリートパイル11の挿入時、栓体1とコ
ンクリートパイル11の間隙から土砂が混入したセメン
トミルクが上部に吹き上げた。
【0063】1週間後の水硬化性モルタルが充分硬化し
たことを確認した後、栓体1の貫通孔6から1kg/c
2 の圧力で空気を流し込んだところ、該栓体1はコン
クリートパイル上方へ押し出され、容易にコンクリート
パイルの杭頭に空隙(穴)を形成させることができた
(図9(B)参照)。また、吸水性シート袋2は形成さ
れた空隙(穴)の内壁に付着していたが、該袋に取り付
けてあった紐を引っ張ることで容易に除去することがで
きた。さらに、除去した栓体1の損傷は、ほとんどな
く、再利用することができるものであった。従って、栓
体1は、廃材として処理する必要はなかった。
【0064】実施例2 ポリエチレンフィルムで被覆しないで、容器自体に表面
滑り性を有する、容器の底に孔径15mmの貫通孔6を
設けた開口径370mm、高さ935mmの塩化ビニル
樹脂製容器を栓体1とした。実施例1の発泡ポリスチレ
ン製の円柱体の栓体に代えて、この栓体1を用いた他
は、実施例1と同じ条件で実施した。
【0065】1週間後、栓体1の貫通孔から1kg/c
2 の圧力で空気を流し込んだところ、栓体1はコンク
リートパイルの上方へ押し出され、容易に杭頭に空隙
(穴)を形成させることができた。また、吸水性シート
袋2は形成された空隙(穴)の内壁に付着していたが、
該袋に取り付けてあった紐8を引っ張ることで容易に除
去することができた。さらに、除去した栓体1の損傷
は、ほとんどなく、再利用することができるものであっ
た。従って、栓体1は、廃材として処理する必要はなか
った。
【0066】比較例1 粉体状の吸水性ポリマーを発泡ポリスチレン製の直径3
70mm、長さ935mmの円柱体の表面にアクリル系
のバインダーを用いて塗布した。この表面の塗膜を剥が
し、セメントブリージング水に24時間浸漬した後、吸
引濾過し濾過後のシート重量を求め浸漬前の重量で除し
吸水倍率を求めたところ、吸水倍率は2.5倍と低いも
のであった。
【0067】次に、この円柱体を上部から下部へ内径1
5mmの硬質塩化ビニル樹脂製パイプを貫通させて貫通
孔を設けて比較栓体1を作製した。
【0068】次に、この比較栓体1を実施例1と同様に
コンクリートパイルの杭頭に栓体として用いた以外は同
様の方法を行なった。
【0069】1週間後、比較栓体1の貫通孔から1kg
/cm2 の圧力で空気を流し込んだが、比較栓体1をコ
ンクリートパイルの上方へ押し出すことができなかっ
た。さらに、くさびを打ち込んで引き抜こうとしたが比
較栓体1が割れるだけで一度に除去できなかった。そこ
で、やむを得ずハツリ取ったが時間と手間がかかり煩雑
であった。従って、比較栓体1は、再利用することがで
きず、廃材として処分しなければならなかった。
【0070】比較例2 発泡ポリスチレン製の円柱体に代えて、直径370m
m、長さ935mmの鉄製の円筒体を用いた他は比較例
1と同じ条件で実施した。
【0071】1週間後、比較栓体2を0.3tの力でコ
ンクリートパイルの上方へ引き抜こうとしたが、比較栓
体2を引き抜くことはできず、ハツリ作業も時間と手間
がかかり、かなり煩雑であった。また、比較栓体2は、
再利用することができず、廃材として処分しなければな
らなかった。
【0072】実施例3 スクリューオーガー掘削機を用いて直径630mm、深
さ11mの垂直方向の穴を開け、その底部1500mm
を直径800mmと拡大ヘッドにより拡底し、根固め液
としてセメントと水との重量比が1:0.6のセメント
ミルク1.01m3 、杭周固定液としてセメントと水と
の重量比が1:0.67のセメントミルク250リット
ルを注入しながらスクリューオーガーを抜き取った。掘
設穴に外径600mm(内径420mm)、長さ8mの
コンクリートパイル11(先端開放杭)を打設する際
に、図10に示すように実施例1と同様の杭頭充填剤3
を杭頭部11内に挿入し、杭打設時のセメントミルク噴
き出し圧に耐え得るように杭頭補強輪(鉄製)12に直
径13mmの鉄筋13を2本溶接し、また、その鉄筋1
3に充填剤3が落下しないように固定した。15日間の
養生後、栓体の上部空気注入口(貫通孔)より2.0k
g/cm2 の圧搾空気を導入したところ内部栓体は容易
に押し出され、また吸水性シート袋も容易に除去するこ
とができた。さらに、押し出された発泡スチレン樹脂製
の栓体は何らの損傷もなく再利用できるものであった。
【0073】形成された杭頭の空隙は、中埋コンクリー
ト補強筋(鉄筋篭)を杭頭の硬化したソイルセメントを
手掘り、もしくは機械掘り等のハツリ作業をすることな
しに挿入することができた。なお、同図において符号1
4は、ひもを表し、符号15は硬化したセメントミルク
を表わす。
【0074】
【発明の効果】本発明は、以上のごとき構成を有してな
るものであるから、水分で吸水膨潤した吸水性シートを
栓体と杭の内面との間に存在させることになり、両者間
の界面で縁切りを行なうことができ、付着を防止させる
ことができる。特に、該栓体を抜き出す場合には、吸水
性シートが膨潤して形成した厚みのあるゲル層が、潤滑
および剥離効果を発現し極めて容易に栓体を抜き出すこ
とができるのである。また、該栓体は、極めて容易に抜
き出されるので損傷がほとんどなく再利用できるものと
なるため、廃材の量を著しく低減できるのである。
【0075】吸水性シートは該栓体に直接被覆させた
り、杭の内壁に被覆(付着)させたりすることができる
が、作業性、装着性および加工性の観点から栓体に被覆
させることが好ましい。被覆する方法としては、包んだ
り、接合剤で貼り付けたり、ピン状のもので打ちつけた
りする方法などが挙げられる。該栓体の再利用や吸水膨
潤性の観点から包む方法が好ましい。予め吸水性シート
の袋を作製しておいて、その袋の中に栓体を入れること
が作業面で特に好ましい。
【0076】また、吸水性シートに水分を吸収させる方
法としては、被覆させる前に純水で吸水膨潤させておく
方法、被覆した後に水分を供給する方法、また、掘削孔
に注入されるセメントミルクなどの水硬化性組成物の水
分を吸収させる方法などが挙げられる。作業性の観点か
ら注入される水硬化性組成物の水分を吸収させる方法が
好ましい。
【0077】したがって、本発明の杭頭充填材を用い
て、容易に杭頭に空隙孔を形成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による杭頭充填材の一実施態様を示す
斜視図である。
【図2】 図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】 本発明による杭頭充填材の他の実施態様を示
す図2と同様な断面図である。
【図4】 本発明による杭頭充填材のさらに他の実施態
様を示す図2と同様な断面図である。
【図5】 本発明による杭頭充填材の別の実施態様を示
す図2と同様な断面図である。
【図6】 本発明による杭頭充填材のさらに別の実施態
様を示す図2と同様な断面図である。
【図7】 本発明による杭頭充填材の別の実施態様を示
す斜視図である。
【図8】 図5に示す杭頭充填材を組合せて使用する状
態を示す斜視図である。
【図9】 本発明による杭頭充填材の使用状態を示す断
面図であり、(A)は杭頭充填材を埋設時の状態を表わ
し、(B)は引抜後の状態を表わす。
【図10】 本発明による杭頭充填材の使用状態を示す
一部破断斜視図である。
【符号の説明】
1…栓体、 2…吸水性シート、 3…杭頭充填材、 6…貫通孔。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年1月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図9】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白根 直之 大阪府大阪市中央区高麗橋4丁目1番1号 株式会社日本触媒内 (72)発明者 池田 義宏 岡山県倉敷市水江1575番地 中国化工株式 会社内 (72)発明者 柳澤 勲 福井県坂井郡丸岡町四ッ柳18−22 株式会 社北陸ファインケミカル内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基礎埋込杭の杭頭充填材であって、栓体
    の少なくとも一部を吸水性シートで被覆してなることを
    特徴とする杭頭充填材。
  2. 【請求項2】 該吸水性シートが、水溶性不飽和モノマ
    ーを含む重合成分を基材上で重合して得られたものであ
    る請求項1に記載の杭頭充填材。
  3. 【請求項3】 該栓体が、ほぼ軸方向に沿って両端面に
    連通して形成された少なくとも一つの貫通孔を有してな
    る請求項1または2記載の杭頭充填材。
JP35143796A 1996-12-27 1996-12-27 杭頭充填材 Withdrawn JPH10184003A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104790389A (zh) * 2015-04-14 2015-07-22 宁波住宅建设集团股份有限公司 灌注桩的桩尖防卡沉管及其施工工艺
CN109083132A (zh) * 2018-07-24 2018-12-25 北京隧盾市政建设有限公司 一种复合锚杆桩及其施工工艺
CN109235436A (zh) * 2018-10-22 2019-01-18 中国建筑第八工程局有限公司 桩头施工用的装置及其施工方法

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