JPH0931983A - 仮埋設物引抜用潤滑材 - Google Patents

仮埋設物引抜用潤滑材

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JPH0931983A
JPH0931983A JP17905195A JP17905195A JPH0931983A JP H0931983 A JPH0931983 A JP H0931983A JP 17905195 A JP17905195 A JP 17905195A JP 17905195 A JP17905195 A JP 17905195A JP H0931983 A JPH0931983 A JP H0931983A
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water
lubricant
temporary
cement
absorbent polymer
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JP17905195A
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English (en)
Inventor
Koichi Okamoto
功一 岡本
Norisuke Suminaga
憲資 角永
Shigeru Sakamoto
繁 阪本
Koji Miyake
浩司 三宅
Nobuyuki Harada
信幸 原田
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 仮埋設物を引き抜く際の引き抜き抵抗の少な
い、工事終了後に仮埋設物をセメント層から容易に引き
抜き・回収することのできる仮埋設物引抜用潤滑材を提
供する。 【解決手段】 セメント層に埋め込まれた仮埋設物を硬
化後のセメント層から分離することを容易にする仮埋設
物引抜用潤滑材であって、該潤滑材は水溶性ノニオン性
不飽和モノマーを必須とするモノマー成分を重合してな
る吸水性ポリマーを含有する吸水性ポリマーシート層か
らなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、仮埋設物引抜用潤
滑材に関する。詳しく述べると、H鋼等の杭や鋼矢板等
の仮埋設物をセメント等の硬化性含水物や軟弱地盤中に
施工した後、仮埋設物の用済み後に、前記仮埋設物とセ
メント層や地盤との間に滑りを与え引き抜き易くするた
めに使用される仮埋設物引抜用潤滑材に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の高層ビル、河川、地下等の建設ま
たは土木工事において一般的によく用いられている工法
の一つに柱列ソイルセメント連続壁工法というものがあ
る。これは、工事現場敷地周囲を掘削して、その掘削し
た部分にソイルセメントを流し込んで埋め、土水圧を抑
えるためのソイルセメント壁を構築する工法である。こ
のソイルセメントの壁は通常のコンクリートに比べ強度
が弱いため、H鋼等の仮埋設物を補強材としてソイルセ
メント層に投入している。また、山止め工事などにおい
ても、H鋼等の杭をセメント系物質中に埋め込んでこれ
を支持体としてコンクリート壁を形成している。これま
で、セメント層に投入されたH鋼等の仮埋設物は、硬化
後のセメントとの密着性が高く、引き抜くことが困難な
ために、通常工事終了後においても埋められた状態で放
置されていた。
【0003】一般的に、仮埋設物として使用されていた
鋼材は、セメント硬化後には強度的に必ずしも必要とし
ないことが多く、従って、工事終了後に仮埋設物として
使用されていた用済みの鋼材を、硬化したセメント層か
ら引き抜いて回収し、再利用することができれば非常に
経済的である。また、建設物の増設・改修または下水・
水道工事等の2次工事を容易にすることができるので好
ましい。
【0004】セメント系硬化物から鋼材を引抜易くする
ための方法として、特開昭58−104058号公報に
は、仮埋設物表面にワックスや糖類を含む有機物を塗布
する方法が提案されている。しかしながら、ワックスや
糖類は仮埋設物の表面に薄い皮膜を形成するだけであ
り、隙間の形成が不十分であり十分な潤滑作用が得られ
なかった。その結果引き抜き効果も乏しいものであっ
た。また、有機物を塗布する作業は繁雑であり好ましい
ものではなかった。
【0005】最近では、吸水性ポリマーを表面に付着さ
せた仮埋設物をセメント層に投入することで、セメント
水を吸収し膨潤した吸水性ポリマー層で仮埋設物との間
に隙間を形成させ、さらに膨潤した吸水性ポリマーゲル
を引き抜き時の潤滑材として作用させ、仮埋設物を容易
に引き抜き回収する方法がいくつか提案されている。例
えば、特開平01−58715号公報では、所定の重量
比の吸水性ポリマーと展着剤とからなる表面処理剤を鋼
材に直接塗装する方法が開示されている。しかしなが
ら、この方法では展着剤を用いているため吸水性ポリマ
ーが膨潤規制を受けやすく充分な潤滑効果が得られなか
った。その上、表面処理剤を鋼材に直接塗工する作業は
容易ではなく、また展着剤を塗料分散させるためには溶
剤を用いる必要があり作業環境にも問題があった。
【0006】特公平04−44045号公報では、吸水
性ポリマーをでん粉糊等の再湿性バインダーで固定した
吸水潤滑テープを、仮埋設物の表面全面に貼着すること
で、補強材の引き抜きを容易にすることが開示されてい
る。
【0007】この方法によれば、吸水潤滑テープを仮埋
設物全面に貼着する作業が非常に煩雑であり、特に現場
での作業は困難であった。そして、吸水性ポリマーをテ
ープ支持体とでん粉糊等の再湿性バインダーで固定して
いるため、使用時に吸水性ポリマーの脱落が起こりやす
く、所定の位置に吸水性ポリマー層を設けることが困難
なため、実際には潤滑材として吸水性ポリマーが働いて
いないのが実状であった。吸水性ポリマーの脱落を抑え
るためにはバインダー量を多くする方法があるが、この
場合には、吸水性ポリマーの膨潤規制が起こり、吸水量
が不十分で、仮埋設物の抜取り潤滑効果が低下した。
【0008】そのうえかかる問題に加え、上記従来技術
の方法で仮埋設物を引き抜いて再利用するためには、引
き抜かれた仮埋設物表面に付着している吸水性ポリマー
またはその接合剤等を除去した後に、新たな潤滑テープ
の貼付けや表面処理剤の塗工をする必要があり、再利用
に際しても煩雑で不経済であった。また、鋼材を引き抜
いてもセメント水によってその表面に錆が発生しやすく
再使用には不適当となることがあった。
【0009】そして、従来用いられていた吸水性ポリマ
ーはセメント水中では十分な吸水性を発揮することがで
きなかったり、経時的に吸水性能が低下することがあっ
た。それ故、仮埋設物を引き抜く際に十分な潤滑作用が
得られないものであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、新規な仮埋設物引抜用潤滑材を提供することに
ある。
【0011】本発明の他の目的は、現場での施工作業性
や引抜効果に優れ、工事終了後に仮埋設物をセメント層
から容易に引き抜き・回収・再利用することができる経
済性に優れた仮埋設物引抜用潤滑材を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記諸目的は、水溶性ノ
ニオン性不飽和モノマーを必須とするモノマー成分を重
合してなる吸水性ポリマーを含有する吸水性ポリマーシ
ート層を具備してなることを特徴とする仮埋設物引抜用
潤滑材により達成される。
【0013】本発明における仮埋設物引抜用潤滑材は、
土砂やヘドロ等の軟弱地盤やセメント等の硬化性含水物
を受けるH型鋼材等の杭や平板鉄板等の鋼矢板等の仮埋
設物の表面を覆って土砂やセメント中に打設される。そ
して、土砂やセメント部分の工事終了後、不要になった
仮埋設物を引き抜くが、その際、水溶性ノニオン性不飽
和モノマーを必須とするモノマー成分を重合してなる吸
水性ポリマーを含有する吸水性ポリマーシート層を具備
してなる本発明の仮埋設物引抜用潤滑材を使用している
ことにより、容易にH型鋼や鋼矢板を引き抜くことがで
き、また引き抜いたH型鋼や鋼矢板の表面に錆の発生が
無く容易に再使用できるというものである。
【0014】以下、図面を参照しながら、本発明を詳細
に説明する。
【0015】図1に示すように、本発明の吸水性ポリマ
−シート層を設けてなる仮埋設物用潤滑材1は、水溶性
ノニオン性不飽和モノマ−を必須とするモノマー成分を
重合してなる吸水性ポリマ−を含有する吸水性ポリマー
シート層3を基材2に設けてなる。
【0016】図2は、本発明の他の実施態様を示すもの
で、基材12に吸水性ポリマーシート層13が形成さ
れ、更に該吸水性ポリマーシート層13の片面に非透水
性層14が設けられてなる仮埋設物引抜用潤滑材11で
ある。
【0017】本発明の吸水性ポリマーは水溶性ノニオン
性不飽和モノマーを必須とするモノマー成分を、必要に
より架橋剤の存在下、重合することにより得られる。水
溶性ノニオン性不飽和モノマーとしてはアクリルアミ
ド、メタクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリ
ン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−イソプロ
ピル(メタ)アクリルアミド、N,N´−ジメチル(メ
タ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド及びそ
の誘導体;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
トやメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレ
ートなどに代表されるポリアルキレングリコール(メ
タ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ートやヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等に代
表されるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;N
−ビニルピロリドンやN−ビニルサクシイミドに代表さ
れるN−ビニルモノマー;N−ビニルホルムアミド、N
−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルアセト
アミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド等のN−
ビニルアミドモノマー;ビニルメチルエーテル等が挙げ
られる。
【0018】中でも好ましくはアクリルアミド、メタク
リルアミド、メトキシポリアルキレングリコールおよび
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートから選ばれる
一種または二種以上である。
【0019】本発明において、上記水溶性ノニオン性不
飽和モノマーに加えて水溶性アニオン性モノマーや水溶
性カチオン性モノマーを用いることができる。
【0020】用いられる水溶性アニオン性不飽和モノマ
ーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、2−(メタ)
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−
スルホエチル(メタ)アクリレート等に代表されるスル
ホン酸基含有(メタ)アクリレート及びそのアルカリ金
属塩又はアンモニウム塩等が挙げられる。
【0021】水溶性カチオン性不飽和モノマーとして
は、N,N’−ジメチルアミノ(メタ)アクリレートお
よびその4級化物に代表されるアミノ基含有(メタ)ア
クリレート等が挙げられる。
【0022】これらモノマーの中でも、得られる吸水性
ポリマーの吸水性能や潤滑材の引抜性能の点で、アクリ
ル酸、メタクリル酸、2−(メタ)アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸、2−スルホエチル(メ
タ)アクリレートおよびそのアルカリ金属塩またはアン
モニウム塩等の水溶性アニオン性不飽和モノマーを前記
水溶性ノニオン性不飽和モノマーと共重合することが好
ましい。
【0023】前記水溶性ノニオン性不飽和モノマーはモ
ノマー成分中10モル%以上、好ましくは20〜99モ
ル%、より好ましくは50〜95モル%用いることが好
ましい。ノニオン性不飽和モノマーの割合が10モル%
よりも少ないと、鋼材表面に錆が発生し易くなり引き抜
いた鋼材の再使用の点で好ましくないことがある。そし
て、セメント水中において十分な吸水性能を発揮できな
かったり、経時的に吸水性能が大きく低下してしまうこ
とがある。また、ノニオン性不飽和モノマーの割合が9
9モル%よりも多いと得られる吸水性ポリマーの吸水倍
率が低くセメント水中や軟弱地盤中で充分な潤滑性を発
揮できなくなることがある。
【0024】本発明の仮埋設物引抜用潤滑材は、前記水
溶性ノニオン性不飽和モノマーを必須とするモノマー成
分を重合してなる吸水性ポリマーを含有する吸水性ポリ
マーシート層を設けてなる。
【0025】吸水性ポリマーシート層としては、前記吸
水性ポリマーをシート状に形成したものであれば特に制
限なく用いることができる。例えば、吸水性ポリマーを
ゴムやポリ塩化ビニル、ポリオレフィン等の熱可塑性樹
脂と混練しシート状に形成したもの、バインダー等を用
いてフィルムや不織布などの基材に塗工したもの、不織
布や紙等の基材の間に挟んだもの等が挙げられる。
【0026】中でも吸水性ポリマーシート層の好ましい
形態としては、前記吸水性ポリマーがバインダーを介さ
ずに基材に直接固着したものが挙げられる。このような
吸水性ポリマーシート層は、A)基材に水で軟化した吸
水性ポリマーを直接プレスし、必要により乾燥する方
法、B)架橋により吸水性ポリマーに転換し得る前記水
溶性ノニオン性不飽和モノマーを必須とするモノマー成
分を重合して得た水溶性ポリマーを基材に施し、その後
架橋せしめる方法、C)前記水溶性ノニオン性不飽和モ
ノマーを必須とするモノマー成分を基材に施したのち、
必要により架橋剤の存在下、重合せしめる方法等、基材
に吸水性ポリマーがバインダーを介さずに直接固着でき
るのであればその方法は特に限定されない。
【0027】中でも、製造の容易さ、経済性、得られる
吸水性ポリマーシートの耐久性等の観点から、前記水溶
性ノニオン性不飽和モノマーを必須とするモノマー成分
を基材に付着せしめた後、該モノマーを基材上で重合、
架橋する方法が好ましい。こうして得られる吸水性ポリ
マーシートはセメント水等を吸収したときに、膨潤した
吸水性ポリマーが基材から脱落することが防がれるので
仮埋設物の表面に吸水性ポリマーの膨潤ゲル層が均一に
形成され、その結果仮埋設物の引抜抵抗が少なくなる。
【0028】本発明に用いられる基材としては、例え
ば、親水性または疎水性の織布、不織布、編布、紙等の
繊維状基材やスポンジ等の多孔質材を挙げることができ
る。基材がその中に空隙を有していることで、吸水性ポ
リマーの膨潤許容空間を確保でき、またセメント水が吸
水性ポリマーと有効に接触できるので好ましい。基材に
使用される素材としては、基材が繊維状基材の場合、親
水性のものとして木材パルプ、綿、羊毛、レーヨン、ア
セテート、ビニロン等の繊維が挙げられ、疎水性のもの
としてはポリエステル、ポリアクリロニトリル、ナイロ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリウレタン、グラスウール、ロックウールの繊維を挙
げることができる。また、基材がスポンジ様の場合には
ポリアセタール、ポリウレタン、セルロース、フェノー
ル樹脂等を挙げることができる。中でも、得られる仮埋
設物引抜用潤滑材の作業性、柔軟性、経済性の観点か
ら、好ましい基材としてポリエステル、ポリプロピレン
等の疎水性の繊維からなる不織布を用いることが好まし
い。基材の厚みは特に制限はないが、一般に0.01〜
100mm、好ましくは0.02〜50mmの範囲であ
る。また、坪量は10〜500g/m2 、好ましくは1
5〜200g/m2 の範囲である。
【0029】本発明において、前記吸水性ポリマーと基
材の重量比としては、基材100重量部に対し、吸水性
ポリマー10〜1000重量部、好ましくは80〜50
0重量部の範囲である。吸水性ポリマーの量が10重量
部未満の場合には、吸水性ポリマーの仮埋設物引き抜き
の際の潤滑効果が小さく好ましくない。一方、1000
重量部を越える場合には、得られる吸水性ポリマーシー
トの柔軟性が低下し、作業性の点から好ましくない。
【0030】前記水溶性ノニオン性不飽和モノマーを必
須とするモノマー成分を基材に付着した後、基材上で該
モノマーを重合する方法としては、例えば、熱、光、電
子線、紫外線等を用いる方法を採用できる。必要に応じ
て、上記したモノマーの水溶液中に過硫酸塩や水溶性ア
ミジノ化合物等の水溶性ラジカル重合開始剤やデンプ
ン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸(塩)等
の水溶性ポリマーやその他の添加剤が加えられてもよ
い。
【0031】前記モノマーを重合する際、架橋剤とし
て、ジビニルベンゼン、テトラアリロキシエタン、エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリ
レート、N,N−メチレンビスアクリルアミド、イソシ
アヌル酸トリアリル、トリメチロールプロパンジアリル
エーテル等に代表される多官能性の水溶性エチレン性不
飽和モノマーを加えておくことができる。架橋剤の使用
により、得られる潤滑材の耐久性や保形性を向上でき
る。架橋剤の使用量は、上記モノマーの種類や重合条件
により適宜選択することができるが、一般に0.001
〜10モル%(対モノマー)の範囲であり、好ましくは
0.01〜5モル%(対モノマー)の範囲である。
【0032】このようにして得られる本発明の仮埋設物
引抜用潤滑材は、その厚さが10〜2000μm、好ま
しくは20〜1000μmである。すなわち10μm未
満では機械的強度が不充分であるばかりでなく、吸水量
が不充分であるので、仮埋設物を引抜くための潤滑性が
不充分である。一方、2000μmを越えると、該潤滑
材は柔軟性に欠けたものとなり、仮埋設物の表面に該潤
滑材を配することが困難になることがある。
【0033】このようにして得られる本発明の吸水性ポ
リマーシート層を設けてなる仮埋設物引抜用潤滑材は、
吸水性ポリマーが水溶性ノニオン性不飽和モノマーを必
須とするモノマー成分を重合して得られているので、セ
メント水中や軟弱地盤中に埋設したときに優れた吸水性
能を発揮し、潤滑性に優れたものとなる。また、防錆性
に優れ引き抜いた仮埋設物の表面に錆の発生が少なく再
使用に適したものとなる。
【0034】また、水溶性ノニオン性不飽和モノマーを
必須とするモノマー成分を基材上で重合して吸水性ポリ
マーが基材に直接固着していると、仮埋設物のセメント
層への投入またはセメント水の吸水膨潤または硬化セメ
ント層からの引き抜き時において吸水性ポリマーの脱落
が少なく、仮埋設物の全表面に渡って均一に吸水性ポリ
マーが配置されるものとなる。従って、本発明の潤滑材
は仮埋設物引き抜き時に、極めて高い滑り性を発現する
潤滑材となる。
【0035】また、吸水性ポリマーが基材に直接固着し
ているので、吸水性ポリマーの吸水膨潤を妨げるバイン
ダー等の接合剤の使用によって吸水性ポリマーを基材に
固定していないため、高い膨潤性を示すことができる。
従って、本発明の潤滑材を用いることで仮埋設物とセメ
ント層との間に大きな空隙を形成することができ、仮埋
設物引き抜き時の摩擦抵抗を小さくすることができるの
である。
【0036】さらに上記した吸水性ポリマーシート層の
片面に非透水性層を設けることで、仮埋設物の引き抜き
を更に容易にすることができる。
【0037】非透水性層の材料としては、非透水性で上
記吸水性ポリマーシート層と貼り合わせが可能な材料で
あれば特に制限はされるものではない。例えば、ポリエ
ステル、ポリアクリロニトリル、ナイロン、ポリプロピ
レン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン等
の疎水性の樹脂フィルムおよびボード;アルミニウム
箔;アルミニウム等の金属製フィルムが挙げられる。中
でも、非透水性層を設けてなる吸水性ポリマーシートの
柔軟性、作業性、経済性等の観点からポリエステル、ポ
リアクリロニトリル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリ
エチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン等からなる樹
脂フィルム層が好ましい。その厚さは、1〜1000μ
m、好ましくは10〜500μmである。
【0038】上記吸水性ポリマーシート層の片面に非透
水性の材料を貼り合わせる方法としては、粘着剤や接着
剤等の接合剤で貼り付ける方法や、吸水性ポリマーシー
ト層の片面に熱溶融可能な材料を熱溶融した状態で押し
出し塗布加工する方法等が挙げられる。中でも、潤滑材
の生産性、柔軟性、作業性、経済性等の観点から溶融押
し出しによる塗布加工が好ましい。
【0039】この非透水性層を設けた潤滑材を仮埋設物
表面に配設するときは、仮埋設物側に非透水性層が配置
されるようにし、セメント層側には吸水性ポリマー層が
配置されるようにする。この片面に非透水性層を設けて
なる潤滑材の非透水性層によって、硬化前の流動するセ
メントが仮埋設物側へ移動するのを防止し、セメント層
と仮埋設物との分離を完全にすることができ、仮埋設物
をより容易に引き抜き回収することができる。回収した
仮埋設物の表面にはセメントが付着したり錆が発生する
ことが防止されるので、仮埋設物は回収後そのまま再使
用できる。
【0040】さらに、仮埋設物引き抜き時の潤滑性また
は補強材の防錆・防蝕性を向上させるためにワックス等
の潤滑材や防サビ剤等を予め仮埋設物表面に塗布してお
いても良い。
【0041】本発明の仮埋設物引抜潤滑材は、仮埋設物
の表面に配設しセメント等の硬化性含水物中に施工す
る。仮埋設物の表面に潤滑材を配設する方法として、例
えば、潤滑材で前記仮埋設物を包んだり、挟んだりする
方法が挙げられる。また、ボルトで固定したり、あるい
は各種接着剤で貼り付けたりすることもできる。中でも
工事現場での作業性の観点から好ましくは、仮埋設物引
抜用潤滑材を袋状に加工して仮埋設物を包む方法であ
る。袋状に加工することにより、H鋼のように大きくて
重い仮埋設物の表面に潤滑材を容易に配設することがで
きる。袋状に加工した潤滑材は、更に折り畳んだり蛇腹
状に加工されていることが好ましい。折り畳んだり蛇腹
状に加工されていると、潤滑材がコンパクトな形状にな
り、作業現場で場所をとらず、また仮埋設物に容易に配
設することが出来るようになり好ましい。
【0042】仮埋設物引抜用潤滑材は、予め仮埋設物に
配設し作業現場に運ぶこともできるが、作業現場で仮埋
設物に配設しセメント中に施工することが好ましい。作
業現場で配設する方法としては特に制限ないが例えば、
図3〜5に示す方法が挙げられる。図3には、架台25
に蛇腹状に加工した仮埋設物引抜用潤滑材21を設置
し、上方からH鋼22を蛇腹状に加工した仮埋設物引抜
用潤滑材21の袋の中に挿入しながら(A方向)、地盤
に掘削された穴中に充填されたソイルセメント23中に
施工する方法が示されている。仮埋設物引抜用潤滑材2
1の袋の内側には、必要によりポリプロピレンの非透水
性層(図示せず)が設けられている。また袋の底はヒー
トシールされており、硬化前のセメント23が仮埋設物
引抜用潤滑材21を通過しH鋼22と接触することを防
いでいる。図3において、仮埋設物引抜用潤滑材21は
蛇腹状の袋に加工されているので場所もとらず、袋の上
からH鋼22を挿入するという簡便な手段によりH鋼2
2の表面に仮埋設物引抜用潤滑材21を配設することが
できる。
【0043】図4には、H鋼22の一方の端に蛇腹状の
仮埋設物引抜用潤滑材21をかぶせ、次いでクレーン2
7等で該H鋼22を吊り上げた後、前記仮埋設物引抜用
潤滑材21を人29が紐28で引き降ろし、H鋼22の
表面に仮埋設物引抜用潤滑材21を配設する方法が示さ
れている。硬化前のセメントがH鋼22と接触するのを
防ぐため、仮埋設物引抜用潤滑材21の内面に非透水性
層が設けられていたり、袋の下側をヒートシール等によ
りシールしておくこともできる。
【0044】図5には、クレーン27等でH鋼22を吊
り上げ、袋状に加工した仮埋設物引抜用潤滑材21を滑
車30を介して紐28で引き上げる方法が示されてい
る。袋の内側には硬化前のセメントがH鋼22と接触す
ることを防ぐため、必要により非透水性層(図示せず)
が設けられている。前記袋の上部には紐28が取り付け
られており、クレーン27の先に取り付けられた滑車3
0を通じてH鋼22を包むように人29の力で引き上げ
られる。引き上げた後、仮埋設物引抜用潤滑材21の袋
は適当な長さに切り取られ、下の部分は硬化前のセメン
トが浸入しないよう接着剤やヒートシールによりシール
される。セメントの浸入を防ぐため紐等でくくることも
できる。この方法によってもH鋼22の表面に仮埋設物
引抜用潤滑材21を容易に配設することができる。仮埋
設物の表面に仮埋設物引抜用潤滑材21を配設する方法
がこれら方法に限定されるものではない。
【0045】図6は、被仮埋設物であるH鋼22への仮
埋設物引抜用潤滑材21の取付け方法の他の例を示すも
ので、折りたたまれた袋状ないし筒状の仮埋設物引抜用
潤滑材21の開口端31にH鋼22を挿入し、紐28を
引張ることにより該開口端31を上昇させて、H鋼22
全体を包む。
【0046】図7および図8は、取付け方法のさらに他
の例を示すもので、袋状ないし筒状の仮埋設物引抜用潤
滑材21の開口端31に紐32等を介してハンガー33
を取付ける。この仮埋設引抜用潤滑材21の開口端31
に、H鋼22を挿入し、紐28を引張ることにより前記
ハンガー33とともに開口端31を上昇させて、H鋼2
2の側面に沿って仮埋設物引抜用潤滑材21は上昇する
が、H鋼22の上端よりやや上部に達した時点で引張り
を解除すると、ハンガー33はH鋼22の上端に下降し
て固定する。したがって、以後の埋設作業中に仮埋設物
引抜用潤滑材21を特に固定する必要はなくなる。
【0047】仮埋設物引抜用潤滑材は、ヒートシール、
接着剤、縫製、連結金具等により袋状や筒状に加工する
ことができる。
【0048】本発明の仮埋設物引抜用潤滑材は、水溶性
ノニオン性不飽和モノマーを必須とするモノマー成分を
重合してなる吸水性ポリマーを含有する吸水性ポリマー
シート層を具備してなるので、セメント水を吸収した状
態で長期間に渡って吸水性ポリマーの膨潤ゲル層が保持
され、引き抜き時に高い滑り性が発現する。また鋼材表
面の錆の発生も抑制される。
【0049】そして、吸水性ポリマーが、水溶性ノニオ
ン性不飽和モノマーを必須とするモノマー成分を基材に
施した後、基材上で該モノマーを重合することにより基
材に直接固着していると、仮埋設物のセメント層への投
入またはセメント層からの引き抜きまたはセメント水の
吸水膨潤時において、吸水性ポリマーの脱落が少なく、
仮埋設物の全表面に渡って均一に吸水性ポリマーが配置
されるものとなり、補強材を引き抜く時に極めて高い滑
り性を発現する。また、バインダーを使用していないの
で吸水性ポリマーの吸水膨潤を妨げることなく、補強材
とセメント層との間に大きな空隙を形成することができ
る。従って、本発明の仮埋設物引抜用潤滑材を用いるこ
とで、仮埋設物引き抜き時の摩擦抵抗を小さくすること
ができ、補強材を極めて容易に引き抜き回収することが
できる。
【0050】本発明の仮埋設物引抜用潤滑材は、厚みが
薄く、柔軟な繊維や不織布等の基材に吸水性ポリマーを
直接固着させてなる吸水性ポリマー層を具備しているの
で、厚みが薄く柔軟な潤滑材である。従って、セメント
層に投入する補強材表面に本発明の仮埋設物引抜用潤滑
材を配設するときは、挟む、包む等の簡単な作業で良
く、作業性、取り扱い性の高い潤滑材となる。また、ヒ
ートシール、縫製、連結金具等による種々の加工が容易
で袋状にしたり他の材料と複合化することができる。例
えば、本発明の仮埋設物引抜用潤滑材で袋を予め作れ
ば、仮埋設物をその袋の中に挿入するだけで良く作業性
を更に向上させることができる。
【0051】吸水性ポリマーシート層の片面に非透水性
層を設け、使用時に非透水性層を仮埋設物側に配設する
ことによって、硬化前の流動するセメントの仮埋設物側
への移動を防止し、セメント層と仮埋設物との分離を完
全にすることができ、仮埋設物を極めて容易に引き抜く
ことができる。また、従来技術では仮埋設物表面に吸水
性ポリマーやその接合剤等が付着したまま引き抜かれる
のに対して、本発明の吸水性ポリマーシート層を設けて
なる仮埋設物引抜用潤滑材は、仮埋設物引き抜き時に潤
滑材が仮埋設物に付着することがないため、仮埋設物の
みを引き抜き回収することができる。このことから、一
度使用した仮埋設物引抜用潤滑材を仮埋設物表面から剥
す手間がなく仮埋設物の再使用が極めて簡便となる。ま
た、表面にセメントや土が付着したり、錆が発生したり
することもなく再使用することができ好ましい。
【0052】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明がこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0053】(初期吸水倍率の測定)5cm×5cmに
切り取ったシートを100mlのセメントブリージング
水に10分間浸漬した後吸引濾過し、濾過後のシートの
重量を求め浸漬前の重量で除し、初期吸水倍率を求め
た。
【0054】なお、セメントブリージング水は、セメン
ト12.2重量部、水52.6重量部、ベントナイト
1.3重量部および笹岡粘土33.9重量部を混合した
後吸引濾過し、濾液を採取することにより得た。
【0055】(吸水倍率の測定)5cm×5cmに切り
取ったシートを100mlのセメントブリージング水に
24時間浸漬した後吸引濾過し、濾過後のシートの重量
を求め浸漬前の重量で除し、吸水倍率を求めた。
【0056】実施例1 アクリルアミド70モル%およびアクリル酸ナトリウム
30モル%からなるモノマー水溶液(モノマー濃度35
重量%)にメチレンビスアクリルアミド0.1モル%
(対モノマー)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプ
ロパン)2塩酸塩1g/モル(対モノマー)およびヒド
ロキシエチルセルロース1.5重量%(対モノマー)を
加え、次いで窒素ガスで溶液中の溶存酸素を除去した。
【0057】このモノマー水溶液に、坪量が22g/m
2 のポリプロピレン製不織布を浸漬し、該水溶液を含浸
させた後、余分なモノマー水溶液をローラーで絞り取っ
た。この含浸物を加熱しラジカル重合を行って、50g
/m2 の吸水性ポリマーが基材に直接固着した吸水性ポ
リマーシート(1)を得た。このものの初期吸水倍率は
11倍であり、吸水倍率は9倍であった。
【0058】この吸水性ポリマーシート(1)はセメン
トブリージング水中でもその吸水性が維持されるもので
あり、このものを本発明の仮埋設物引抜用潤滑材(1)
とした。その厚さは200μmであった。
【0059】この仮埋設物引抜用潤滑材(1)を2つに
折り曲げ両端をヒートシールし、幅約40cmの筒状に
加工した。さらに端部をヒートシールし、幅40cm、
長さ120cmの袋状に加工した。この袋の中に幅10
cm、長さ100cmのH鋼を挿入した。
【0060】引き続き、仮埋設物引抜用潤滑材(1)の
袋の中に挿入したH鋼を、ソイルセメントの満たされた
直径25cm、高さ120cmの容器の中に注入した。
ソイルセメントは、セメント12.8重量部、水52.
6重量部、ベントナイト1.3重量部および粘土33.
9重量部を混合し調製した。
【0061】30日後、硬化したセメントからH鋼を引
き抜いたところ、最大引抜荷重は45kgfであった。
引き抜いたH鋼の表面には錆は発生していなかった。
【0062】比較例1 75%が水酸化ナトリウムにより中和された部分中和ア
クリル酸ナトリウム水溶液にメチレンビスアクリルアミ
ド0.1モル%(対アクリル酸ナトリウムモノマー)お
よび過硫酸ナトリウム1.0g/モル(対アクリル酸ナ
トリウムモノマー)を溶解し40重量%のモノマー水溶
液を調製した。このモノマー水溶液を用いた他は実施例
1と同様にして比較吸水性ポリマーシート(1)を得
た。このものの初期吸水倍率は15倍であり、吸水倍率
は2.5倍であった。
【0063】この比較吸水性ポリマーシート(1)はセ
メントブリージング水中で膨潤初期は高い吸水性を示す
ものの、経時的にその吸水性を失うものであった。この
ものを比較仮埋設物引抜用潤滑材(1)とした。
【0064】この比較仮埋設物引抜用潤滑材を用いた他
は実施例1と同様にしてH鋼をソイルセメント中に挿入
した。
【0065】30日後、硬化したソイルセメントからH
鋼を引き抜いたところ最大引き抜き荷重は80kgfで
あった。引き抜いたH鋼の表面には一部錆が発生してい
た。
【0066】比較例2 比較例1で調製したモノマー水溶液を、窒素雰囲気下8
0℃に加熱されたベルトの上に滴下しモノマーの重合を
行った。得られた重合ゲルをベルトからかきとり、15
0℃の熱風乾燥機で乾燥した後粉砕し比較吸水性ポリマ
ー(2)を得た。
【0067】得られた比較吸水性ポリマー(2)15重
量部、アクリル系樹脂の展着剤35重量部、キシレン2
0重量部、n−ブタノール5重量部およびメチルエチル
ケトン20重量部で配合した表面処理剤を、実施例1で
用いたH鋼の表面に塗布して乾燥した後、実施例1と同
様にしてソイルセメント中に挿入した。
【0068】30日後、硬化したソイルセメントからH
鋼を引き抜いたところ、最大引き抜き荷重は150kg
fであった。引き抜いたH鋼の表面には一部錆が発生し
ており、更には吸水性ポリマーおよび展着剤等が付着し
た状態であった。このものを再利用するためにはその付
着物を除去する必要があり、直ちに仮埋設物として再利
用できる状態のものではなかった。
【0069】比較例3 仮埋設物引抜用潤滑材を配設しなかった他は実施例1と
同様にして、H鋼をソイルセメント中に挿入した。
【0070】30日後、硬化したセメントからH鋼を引
き抜いたところ最大引抜荷重は1100kgfであっ
た。引き抜いたH鋼の表面にはセメントが付着してお
り、錆も発生していた。
【0071】実施例2 実施例1で得た吸水性ポリマーシート(1)の片面にポ
リプロピレンを熱溶融した状態で押し出し塗布加工し、
吸水性ポリマーシート(1)の片面に厚さ20μmの非
透水性ポリプロピレン層を設け、本発明の仮埋設物引抜
用潤滑材(2)を得た。
【0072】このものを内側が非透水性プロピレン層と
なるように加工した他は実施例1と同様にして袋状物を
作成し、中にH鋼を挿入し、ソイルセメント中に注入し
た。
【0073】30日後、硬化したセメントからH鋼を引
き抜いたところ最大引き抜き荷重は30kgfであっ
た。
【0074】比較例4 比較例1で得た比較吸水性シート(1)を用いた他は実
施例2と同様にしてH鋼をソイルセメント中の注入し
た。
【0075】30日後、硬化したセメントからH鋼を引
き抜いたところ最大引き抜き荷重は50kgfであっ
た。
【0076】比較例5 厚さ100μmの袋の中に挿入したH鋼をセメント中に
注入した他は実施例2と同様にした。
【0077】30日後、硬化したセメントからH鋼を引
き抜いたところ最大引抜荷重は200kgfであった。
【0078】
【発明の効果】本発明の仮埋設物引抜用潤滑材は、セメ
ント水中においても長期間高い膨潤性を有し、仮埋設物
のセメント層からの引き抜き・回収を極めて容易にし、
経済性を向上させるものである。また、現場での取扱い
作業または2次工事または再利用の際の作業性を向上さ
せるものである。また、引き抜いた鋼材の表面に錆の発
生も少なく再使用が容易となる。
【0079】従って、本発明の仮埋設物引抜用潤滑材
は、高層建築物、高速道路、橋、河川・湖、海岸・港湾
等の各種土木建設工事または地下都市、地下鉄道、地盤
改良、下水管、水道管、ガス管、電気配線等の各種地下
工事または山止め工事等で造成されるセメント層や軟弱
地盤からのH鋼や鋼矢板等の仮埋設物の回収を容易にす
る材料として使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の仮埋設物引抜用潤滑材の一例を示す
断面図である。
【図2】 本発明の仮埋設物引抜用潤滑材の他の例を示
す断面図である。
【図3】 蛇腹状に加工した仮埋設物引抜用潤滑材にH
鋼を挿入し、セメント中に施工する様子を示す図であ
る。
【図4】 本発明の仮埋設物引抜用潤滑材をH鋼に配設
する一例を示す図である。
【図5】 本発明の仮埋設物引抜用潤滑材をH鋼に配設
する他の例を示す図である。
【図6】 本発明の仮埋設物引抜用潤滑材をH鋼に配設
するさらに他の例を示す図である。
【図7】 本発明の仮埋設物引抜用潤滑材をH鋼に配設
する別の例を示す図である。
【図8】 仮埋設物潤滑材がH鋼に固定された状態を示
す図である。
【符号の説明】
1,11,21…仮埋設物引抜用潤滑材、 2,12…基材、 3,13…ポリマーシート層、 14…非透水性層、 22…H鋼、 23…ソイルセメント、 24…地盤、 25…架台、 26…プラスチック製円筒、 27…クレーン、 28,32…紐、 29…人、 A…H鋼の挿入方向 30…滑車、 31…仮埋設物引抜用潤滑材の開口端、 33…ハンガー。
フロントページの続き (72)発明者 三宅 浩司 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 原田 信幸 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性ノニオン性不飽和モノマーを必須
    とするモノマー成分を重合してなる吸水性ポリマーを含
    有する吸水性ポリマーシート層を具備してなることを特
    徴とする仮埋設物引抜用潤滑材。
  2. 【請求項2】 吸水性ポリマーシート層が基材上で水溶
    性ノニオン性不飽和モノマーを必須とするモノマー成分
    を重合して得られたものである請求項1に記載の仮埋設
    物引抜用潤滑材。
  3. 【請求項3】 水溶性ノニオン性不飽和モノマーがアク
    リルアミド、メタクリルアミド、メトキシポリアルキレ
    ングリコール(メタ)アクリレートおよびヒドロキシア
    ルキル(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれる少
    なくとも1種のものである請求項1または2に記載の仮
    埋設物引抜用潤滑材。
  4. 【請求項4】 基材が繊維状基材またはスポンジである
    請求項1〜3いずれかに記載の仮埋設物引抜用潤滑材。
  5. 【請求項5】 吸水性ポリマーシート層の片面に非透水
    性層を設けてなる請求項1〜4いずれかに記載の仮埋設
    物引抜用潤滑材。
  6. 【請求項6】 仮埋設物引抜用潤滑材が袋状ないし筒状
    物である請求項1〜5いずれかに記載の仮埋設物引抜用
    潤滑材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6280120B1 (en) 1998-07-27 2001-08-28 Nippon Shokubai Co., Ltd. Adhesion preventing method and support body extracting method
US11173472B2 (en) 2016-07-08 2021-11-16 Nippon Shokubai Co., Ltd. N-vinyl lactam-based crosslinked polymer, cosmetic, absorbent agent for ink, and absorbent composite

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6280120B1 (en) 1998-07-27 2001-08-28 Nippon Shokubai Co., Ltd. Adhesion preventing method and support body extracting method
US11173472B2 (en) 2016-07-08 2021-11-16 Nippon Shokubai Co., Ltd. N-vinyl lactam-based crosslinked polymer, cosmetic, absorbent agent for ink, and absorbent composite
US11786763B2 (en) 2016-07-08 2023-10-17 Nippon Shokubai Co., Ltd. N-vinyl lactam-based crosslinked polymer, cosmetic, absorbent agent for ink, and absorbent composite

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