JPH11343621A - 仮埋設物引抜用潤滑材および仮埋設物引抜用潤滑材の取付方法 - Google Patents

仮埋設物引抜用潤滑材および仮埋設物引抜用潤滑材の取付方法

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JPH11343621A
JPH11343621A JP15025798A JP15025798A JPH11343621A JP H11343621 A JPH11343621 A JP H11343621A JP 15025798 A JP15025798 A JP 15025798A JP 15025798 A JP15025798 A JP 15025798A JP H11343621 A JPH11343621 A JP H11343621A
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JP
Japan
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temporary
lubricating material
buried object
lubricant
water
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Application number
JP15025798A
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English (en)
Inventor
Koichi Okamoto
功一 岡本
Yoshihiko Masuda
善彦 増田
Akira Hattori
晃 服部
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 H型鋼などの仮埋設物の施工の際に破損する
ことがなく、より小さな力で確実に仮埋設物を引き抜く
ことを可能とする仮埋設物引抜用潤滑材を提供する。 【解決手段】 基材1に吸水性ポリマー2が接合剤なし
に直接固着してなる吸水性ポリマーシート3に対して、
透水性を有する補強材4を積層し、好ましくは袋状また
は筒状に形成する。この仮埋設物引抜用潤滑材を仮埋設
物に取り付けた場合に、上記補強材4が積層されている
面は、土壌やセメントなどに接する外側面であることが
好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、H型鋼などの杭や
鋼矢板などの仮埋設物をセメントなどの硬化性含水物や
軟弱地盤中に施工して使用した後に、該仮埋設物が用済
みとなった際に、この仮埋設物とセメント層や地盤との
間に滑りを与え、仮埋設物を引き抜き易くするために使
用される仮埋設物引抜用潤滑材と、該仮埋設物引抜用潤
滑材を仮埋設物に取り付ける際に、該仮埋設物引抜用潤
滑材の破損を回避し得る仮埋設物引抜用潤滑材の取付方
法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の高層ビル、河川、地下などの建設
工事または土木工事において一般的によく用いられてい
る工法の一つに、柱列ソイルセメント連続壁工法があ
る。この工法は、工事現場敷地周囲を掘削し、この掘削
により得られた部分にソイルセメントを流し込んで埋め
ることにより、土水圧を抑制するためのソイルセメント
壁を構築する工法である。このソイルセメント壁は、通
常のコンクリートに比べ強度が弱いため、H型鋼などの
仮埋設物をソイルセメント層に投入する必要がある。ま
た、山止め工事などにおいても、H型鋼などの杭をセメ
ント系物質中に埋め込んでこれを支持体としてコンクリ
ート壁を形成している。
【0003】上述したように、セメント層に投入された
H型鋼などの仮埋設物は、硬化後のセメント層との密着
性が高く、引き抜くことが困難となっている。そのた
め、上記仮埋設物は、通常では、工事終了後であっても
埋められた状態でそのまま放置されていた。
【0004】一般的に、仮埋設物として使用された鋼材
は、セメント硬化後には強度的に必要ないことの方が多
い。したがって、工事終了後に仮埋設物として使用され
ていた用済みの鋼材を硬化したセメント層から引き抜い
て回収し、再利用することができれば非常に経済的であ
る。また、上記用済みの鋼材を引き抜いておけば、建設
物の増設・改修または下水・水道工事などの二次工事を
容易にすることができるため好ましい。
【0005】そこで、従来より、セメント系硬化物から
鋼材を引き抜き易くすることが試みられており、そのた
めの方法として、たとえば、特開平6−185054号
公報や特開平7−247549号公報に開示されている
技術が知られている。
【0006】まず、特開平6−185054号公報に開
示されている技術では、土中に打ち込む鋼材の表面に超
吸水性繊維からなるシートを潤滑材として貼着してい
る。この超吸水性繊維からなるシートは、土中などにあ
る水を自然に吸水するか、あるいは清水、塩水、アルカ
リ水溶液などを適宜注水することにより膨潤して粘性体
となる。その結果、鋼材と土などとの摩擦を低減するこ
とが可能となり、鋼材を容易に引き抜くことができる。
【0007】一方、特開平7−247549号公報に開
示されている技術では、吸水性ポリマーが基材に直接固
着した吸水性ポリマーシートを設けている仮埋設物引抜
用潤滑材を用いて、仮埋設物である鋼材などの表面を覆
っている。それゆえ、吸水性ポリマーがセメント中など
の水分を吸水して膨潤し、上記鋼材などを引き抜き易く
することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記各公報
に開示されている技術では、シート状の潤滑材の強度が
不十分であるため、地盤に掘削した掘削孔に仮埋設物を
打ち込む際などに、シート状の潤滑材が破れてしまい、
用済みとなった仮埋設物の引き抜きを妨げることになる
という問題点を招来している。
【0009】具体的には、たとえば、H型鋼などの仮埋
設物は1t前後の重量を有しているため、掘削孔に仮埋
設物を打ち込む際に、シート状の潤滑材に対して該仮埋
設物の重量がかかることになる。また、上記掘削孔には
すでにソイルセメントが充填されているが、このソイル
セメントから仮埋設物に加えられる圧力も非常に大きく
なるためシート状の潤滑材にかかる力は非常に大きなも
のとなる。それゆえ、仮埋設物の表面に取り付けられて
いる潤滑材は非常に破れ易くなる。また、掘削孔に仮埋
設物を打ち込む際に、仮埋設物の端部が掘削孔の壁面に
接触したりすることによっても該潤滑材は破れてしま
う。
【0010】さらに、仮埋設物に対してシート状の潤滑
材を取り付けるために、たとえば、袋状に加工した潤滑
材で仮埋設物を包む方法が用いられるが、この場合、仮
埋設物の端部などに潤滑材が引っ掛かるだけで該潤滑材
に破損が発生する。
【0011】潤滑材が破れた状態で仮埋設物を掘削孔に
打ち込むと、仮埋設物の一部が露出してソイルセメント
などに接することになる。その結果、仮埋設物に取り付
けられた潤滑材はその潤滑効果を十分に発揮することが
できなくなり、用済みとなった仮埋設物を引き抜くこと
を非常に困難とする。
【0012】このように、上記従来の技術では、H型鋼
などの仮埋設物を確実に引き抜くことができない。その
ため、従来より、仮埋設物の施工の際に破損することが
なく、より小さな力で確実に仮埋設物を引き抜くことが
できる仮埋設物引抜用潤滑材が求められていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、基材に吸水性ポリマ
ーが直接固着されてなる吸水性ポリマーシートに対し
て、透水性を備える補強材の層をさらに必要箇所に積層
し、この補強材の層を好ましくは外側として仮埋設物に
取り付けることによって、仮埋設物を施工する際に破損
することなく、施工後、仮埋設物を確実に引き抜くこと
を可能とする仮埋設物引抜用潤滑材として好適に用いる
ことができることを見出した。
【0014】また、本発明者らは、上記課題を解決する
ために鋭意検討した結果、掘削孔に打ち込んだ際に、仮
埋設物の下側となる端部に対して緩衝機能を有する装着
具を装着することによって、仮埋設物に対して潤滑材を
取り付ける際や仮埋設物の施工の際などに潤滑材の破損
をより一層効果的に回避することができる取付方法とな
り得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】すなわち、本発明にかかる仮埋設物引抜用
潤滑材は、上記の課題を解決するために、基材に吸水性
ポリマーが接合剤なしで直接固着してなる吸水性ポリマ
ーシートに対して、少なくとも一部に透水性を有する補
強材を積層してなることを特徴としている。
【0016】上記構成によれば、上記補強材が積層され
ているため、仮埋設物への潤滑材の取付けの際や、仮埋
設物の打ち込みの際などに潤滑材の破損がなく、該仮埋
設物を非常に小さな力で容易に引き抜くことができる。
また、上記潤滑材を用いれば、仮埋設物の引き抜きに必
要な荷重を非常に小さくすることができるため、一般の
トラッククレーンなどの通常の工事に用いられている設
備で容易に仮埋設物を引き抜くことができる。それゆ
え、引抜作業をより一層容易化かつ簡素化することがで
きる。
【0017】本発明にかかる仮埋設物引抜用潤滑材にお
いては、上記吸水性ポリマーシートは、基材上で重合に
より吸水性ポリマーとなり得る、水溶性エチレン性不飽
和モノマーを重合して得られたものであることが好まし
い。
【0018】上記構成によれば、基材に対して吸水性ポ
リマーシートを直接固着することが容易であり、かつ、
安定した潤滑材を得ることができるとともに、吸水性ポ
リマーシートの潤滑機能をより一層向上させることがで
きる。
【0019】本発明にかかる仮埋設物引抜用潤滑材にお
いては、上記補強材の引張強度が1kgf/2.5cm 以上であ
ることが好ましい。
【0020】上記構成によれば、得られる仮埋設物引抜
用潤滑材を取り付けた状態で仮埋設物を施工しても、該
潤滑材に与えられる負荷に十分耐え得ることができるた
め、該潤滑材の破損の発生を有効に防止することができ
る。
【0021】本発明にかかる仮埋設物引抜用潤滑材にお
いては、上記透水性を有する補強材が、上記仮埋設物引
抜用潤滑材を仮埋設物に取り付けた際に外側となる面に
積層または単に重ね合わせられた状態にあることが好ま
しい。
【0022】上記構成によれば、透水性を有する補強材
が外側に積層されているため、地盤に掘削した掘削孔
に、仮埋設物引抜用潤滑材を取り付けた仮埋設物を打ち
込むに際して、該仮埋設物引抜用潤滑材の破損を効果的
に防止することができる。
【0023】本発明にかかる仮埋設物引抜用潤滑材にお
いては、上記仮埋設物引抜用潤滑材を仮埋設物に取り付
けた際に、仮埋設物に接する内側となる面の少なくとも
一部に非透水層を積層していることが好ましい。
【0024】上記構成によれば、非透水層が仮埋設物と
接する内側の面に積層されているため、仮埋設物への潤
滑材の取り付け時に、巻き付きや引っ掛かりが生ずるこ
とを低減することができる。それゆえ、潤滑材の吊り上
げ抵抗の軽減および潤滑材の破損の防止を実現すること
ができる。
【0025】また、潤滑材における吸水性ポリマーの膨
潤を妨げることなく、硬化前の流動するセメントが仮埋
設物側へ移動することを防止し、セメントと仮埋設物と
を完全に分離することができる。そのため、潤滑材の潤
滑効果を損なうことなく仮埋設物をより容易に引き抜く
ことができるとともに、回収した仮埋設物の表面にセメ
ントなどが付着したり、錆が生じたりすることを防止す
ることができる。それゆえ、回収した仮埋設物をそのま
ま再使用することが可能となる。
【0026】本発明にかかる仮埋設物引抜用潤滑材にお
いては、上記仮埋設物引抜用潤滑材が袋状または筒状の
形状を有していることが好ましい。
【0027】上記構成によれば、潤滑材が上記の形状を
有しているために、H型鋼のように大きくかつ重い仮埋
設物の表面に対して該潤滑材を容易に取り付けることが
できる。そのため、工事現場における作業性をより一層
向上させることができる。
【0028】本発明にかかる仮埋設物引抜用潤滑材にお
いては、上記仮埋設物引抜用潤滑材が、該仮埋設物引抜
用潤滑材を縫い合わせてなる縫い合わせ部を有してお
り、この縫い合わせ部を覆うように第2の補強材が形成
されていることが好ましい。
【0029】上記構成によれば、たとえば、仮埋設物引
抜用潤滑材を袋状や筒状などの所望の形状に加工するよ
うな場合には、該仮埋設物引抜用潤滑材を縫い合わせる
方法が好適に用いられるが、このとき、縫い合わせによ
って形成される縫い合わせ部の強度は他の部位に比べて
低下する傾向がある。そこで、この縫い合わせ部を覆う
ように第2の補強材を形成することによって、縫い合わ
せ部の強度を向上させることができる。その結果、仮埋
設物引抜用潤滑材の強度をより一層向上させることが可
能となる。
【0030】本発明にかかる仮埋設物引抜用潤滑材にお
いては、上記第2の補強材が、少なくとも上記仮埋設物
引抜用潤滑材の底部を覆うように形成されていることが
好ましい。
【0031】上記構成によれば、縫い合わせにより所望
の形状に加工された潤滑材では、仮埋設物の重量がかか
ることになる底部が特に破損し易くなるが、この底部に
第2の補強材を形成することによって、底部の構造をよ
り一層向上させることができる。
【0032】本発明にかかる仮埋設物引抜用潤滑材の取
付方法は、上述した仮埋設物引抜用潤滑材を仮埋設物に
取り付ける際に、あらかじめ該仮埋設物の端部に装着具
を装着することを特徴としている。
【0033】上記方法によれば、上記装着具を、特に、
仮埋設物の下側となる端部に装着することによって、仮
埋設物に対して潤滑材を取り付ける際に、装着具の緩衝
効果により仮埋設物の端部に潤滑材が引っ掛かるなどし
て該潤滑材が破損するようなことがない。それゆえ、潤
滑材が有する効果、すなわち、仮埋設物を容易に引き抜
く効果を向上させることができる。
【0034】また、ソイルセメントが充填された掘削孔
の中に仮埋設物を打ち込んだ場合であっても、潤滑材の
底部に上記装着具を仮埋設物の下側となる端部に装着し
ておけば、仮埋設物の下側となる端部が剥き出しとなら
ないとともに、仮埋設物の下側の端部にかかる単位面積
当たりの重量やソイルセメントからの圧力を低減するこ
とが可能となる。そのため、掘削孔への打ち込みの際の
潤滑材の破損をより効果的に抑制することができる。そ
の結果、仮埋設物引抜用潤滑材が有する効果をより一層
向上させることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図1
ないし図15に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。本発明にかかる仮埋設物引抜用潤滑材(以下、適宜
潤滑材と略す)は、土砂やヘドロなどの軟弱地盤やセメ
ントなどの硬化性含水物(水硬性物質)中に埋設される
H型鋼の杭や平板鉄板などの鋼矢板、コンクリート中空
パイル、鋼管などの中空パイルといった仮埋設物の表面
を覆って土砂やセメント中に埋設されるものである。
【0036】上記仮埋設物引抜用潤滑材は、吸水性ポリ
マーおよび補強材を備えている。そのため、土砂やセメ
ント部分の工事終了後、不要となった仮埋設物を引き抜
く際に、該潤滑材が破損することなく、より一層効果的
に仮埋設物を引き抜くことができる。
【0037】本発明にかかる仮埋設物引抜用潤滑材は、
図1に示すように、基材1に対して吸水性ポリマー2を
直接固着させて吸水性ポリマーシート3を得、さらに、
この吸水性ポリマーシート3に対して補強材4を積層す
る構成となっている。
【0038】本発明における吸水性ポリマー2として
は、たとえば、アクリル酸またはアクリル酸塩あるいは
スルホン酸基含有(メタ)アクリル酸エステルまたはそ
の塩を主成分とし、場合により架橋剤を添加してなる水
溶性のエチレン性不飽和モノマーを重合させて得られ
る、自重の10倍〜1000倍の水を吸収し膨潤する吸
水性ポリマーを挙げることができる。
【0039】また、上記の吸水性ポリマー2以外の例と
しては、たとえば、架橋ポリエチレンオキシド、架橋ポ
リビニルピロリドン、スルホン化ポリスチレン架橋体、
架橋ポリビニルピリジン、デンプン−ポリ(メタ)アク
リロニトリルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−
ポリ(メタ)アクリル酸(およびその塩)グラフト架橋
重合体、ポリビニルアルコールと無水マレイン酸(塩)
の反応物、架橋ポリビニルアルコールスルホン酸塩、ポ
リビニルアルコール−アクリル酸グラフト共重合物など
も例示することができる。
【0040】本発明における上記基材1としては、たと
えば、親水性または疎水性の織布、不織布、編布、紙、
スポンジなどの多孔質材を挙げることができるが特に限
定されるものではない。しかしながら、上記多孔質材を
基材1として用いると、該基材1がその中に空隙を有す
ることになるため、吸水性ポリマー2の膨張許容空間を
確保でき、また、セメント水が吸水性ポリマー2と有効
に接触することができるようになるため好ましい。
【0041】基材1に使用される素材としては、基材1
が繊維基材である場合、親水性のものとして木材パル
プ、綿、羊毛、レーヨン、アセテート、ビニロンなどの
繊維を挙げることができる。また、疎水性のものとして
は、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ナイロン、
ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
ウレタン、グラスウール、ロックウールなどの繊維を挙
げることができる。さらに、基材1がスポンジ様の場合
には、たとえば、ポリアセタール、ポリウレタン、セル
ロース、フェノール樹脂などを挙げることができる。
【0042】これらの中でも、得られる仮埋設物引抜用
潤滑材の作業性、柔軟性、経済性の観点から、ポリエス
テル、ポリプロピレンなどの疎水性の繊維からなる不織
布を用いることが好ましい。
【0043】上記基材1の厚みは特に限定されるもので
はないが、一般に、0.01mm〜10mmの範囲内で
あることが好ましい。また、坪量は、10g/m2 〜5
00g/m2 の範囲内であることが好ましい。
【0044】本発明において、上記吸水性ポリマー2と
基材1との重量比としては、100重量部の基材1に対
して、吸水性ポリマー2は、10重量部〜1000重量
部の範囲内が好ましく、80重量部〜500重量部の範
囲内であることがより好ましい。吸水性ポリマー2の量
が10重量部未満である場合には、吸水性ポリマー2が
有する仮埋設物の引き抜きの際の潤滑効果が小さくなる
ため好ましくない。一方、1000重量部を超える場合
には、得られる吸水性ポリマーシート3の柔軟性が低下
し、作業効率の低下を招来するので好ましくない。
【0045】これら吸水性ポリマー2が基材1に直接固
着してなる吸水性ポリマーシート3を得るための方法と
しては、吸水性ポリマー2を基材1に対してバインダー
(接合剤)を介さずに直接固着できる方法であれば特に
限定されるものではない。具体的には、たとえば、A)
基材1に水で軟化した吸水性ポリマー2を直接プレス
し、必要により乾燥する方法、B)架橋により吸水性ポ
リマー2に転換し得る水溶性ポリマーを基材1に施し、
その後架橋せしめる方法、C)重合により吸水性ポリマ
ー2に転換し得るモノマーを基材1に施した後、重合せ
しめる方法などが挙げられる。
【0046】これらの中でも、製造の容易さ、経済性、
得られる吸水性ポリマーシート3の耐久性の観点から、
上記C)の方法を用いることがより好ましい。このC)
の方法を用いることにより、吸水性ポリマー2がノーバ
インダー(接合剤なし)で基材1に直接固着した吸水性
ポリマーシート3をより簡便に得ることができる。
【0047】重合により吸水性ポリマー2に転換するこ
とができる上記モノマーとしては、たとえば、アクリル
酸、メタクリル酸およびそれらのアルカリ金属塩やアン
モニウム塩;2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン
酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、2
−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸お
よびそれらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩;(メ
タ)アクリルアミド、N,N’−ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレートおよびその4級化物;ヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコ
ール(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N
−ビニルアセトアミド、メトキシポリエチレングリコー
ル(メタ)アクリレートなどが好ましく用いられる。上
記モノマーは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以
上を組み合わせて用いてもよい。
【0048】上記モノマーのうち、仮埋設物引抜用潤滑
材がセメント水を吸水して膨潤する際の吸水膨潤性の観
点から、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、
2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、2−
(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸およ
びそれらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩などのスル
ホン酸基を有する水溶性エチレン性不飽和モノマーがよ
り好ましく、さらに、(メタ)アクリル酸金属塩モノマ
ーとアクリルアミドモノマーとの混合モノマーや、(メ
タ)アクリル酸金属塩モノマーとメトキシポリエチレン
グリコール(メタ)アクリレートとの混合モノマーが特
に好ましい。
【0049】本発明にかかる仮埋設物引抜用潤滑材は、
上記モノマーを基材1に付着させて重合・架橋すること
で得られる吸水性ポリマーシート3を用いているため、
セメント水中に含まれているカルシウムなどの多価金属
塩やpHの影響を受けにくい。そのため、長期間におい
てもセメント水による吸水膨潤性が高く、仮埋設物の引
き抜きをより一層良好とすることができる。
【0050】上記モノマー中には、架橋剤として、ジビ
ニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
ジ(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビスアク
リルアミド、イソシアヌル酸トリアリル、トリメチロー
ルプロパンジアリルエーテルなどに代表される多官能性
の水溶性エチレン性不飽和モノマーを加えておくことが
できる。
【0051】この架橋剤の使用により、得られる仮埋設
物引抜用潤滑材の耐久性や保形性を向上することができ
る。架橋剤の使用量は、上記モノマーの種類や重合条件
などにより適宜選択することができるが、一般に0.0
01モル%〜10モル%(対モノマー)範囲内であり、
好ましくは0.15モル%〜5モル%(対モノマー)の
範囲内である。
【0052】上述したモノマーを基材1に付着させる方
法は特に限定されるものではないが、たとえば、水溶液
の状態で、基材1にモノマー水溶液を印刷したり、噴
霧、含浸、含浸後に搾り取る方法などによりモノマーを
基材1に付着させることができる。この方法により基材
1に付着させたモノマーは、公知の手段により重合し
て、基材1に吸水性ポリマー2を接合剤なしに直接固着
することができる。
【0053】上記モノマーの重合方法としては、たとえ
ば、熱、光、電子線、紫外線などを用いる方法を採用す
ることができる。また、必要に応じて、上記のモノマー
の水溶液中に過硫酸塩や水溶性アミノ化合物などの水溶
性ラジカル重合開始剤やその他の添加剤が加えられてい
てもよい。
【0054】本発明にかかる仮埋設物引抜用潤滑材は、
基材1の表面に吸水性ポリマー2を直接固着させた吸水
性ポリマーシート3に対して、さらに、補強材4の層が
積層されている構成となっている。上記補強材4は、仮
埋設物に接する側の面とは反対側の面、すなわち仮埋設
物を施工した場合に、ソイルセメントや土壌などに接す
る外側となる面に積層されていることが好ましい。外側
に補強材4が積層されていれば、施工の際に上記仮埋設
物引抜用潤滑材が破損することを効果的に防止できる。
【0055】一方、上記補強材4が仮埋設物に接する
側、すなわち内側に積層されているとすると、仮埋設物
の施工に際して、該仮埋設物が地盤に掘削した掘削孔の
壁に衝突したりすることによって外部の潤滑材が破損し
てしまい、補強材4としての効果が得られなくなるため
好ましくない。
【0056】また、上記補強材4は、外側および内側の
両方の面に積層されていてもよい。しかしながら、上記
補強材4が後述する引張強度などの条件を満たしていれ
ば、片側の面のみに積層するだけで破損を防止し得るだ
けの十分な強度を発揮することができる。それゆえ、補
強材4の積層は外側の面だけで十分である。なお、補強
材4を両面に積層する場合に、仮埋設物引抜用潤滑材の
製造工程の煩雑化や製造コストの上昇を伴わなければ、
吸水性ポリマーシート3の両面に補強材4を積層しても
構わない。
【0057】上記補強材4としては、吸水性ポリマーシ
ート3の強度を向上させることが可能であり、さらに、
吸水性ポリマー2がセメント水などを吸収して膨潤でき
るように透水性を有しているものであれば、その材質や
形状などは特に限定されるものではない。
【0058】上記補強材4の材質としては、具体的に
は、割繊維不織布(たとえば商品名ワリフなど)、カー
ペット、フェルト、石綿布、石綿フェルト、ガラス繊維
不織布、ガラス強化プラスチック、ステッチボンド不織
布などの不織布類;フラットヤーンの繊維織物、綿織
物、麻織物、帯状織物、帯ひも、ポリプロピレンなどの
合成樹脂織物などの織物類;ポリエステル繊維と綿繊維
とを混紡して得られる織物などの混紡織物;ポリスチレ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、
ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ゴムフォームなどに対
して独立または連続気泡を形成して得られる発泡体;ウ
レタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、エーテルゴ
ム、アクリルゴム、ブチルゴム、ネオプレン(クロロプ
レンゴム)、ブタンジエン−アクリロニトリル共重合
体、天然ゴムなどのエラストマーシート、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイ
ロン、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂などのプラスチッ
クシート、皮革シート、木材シート、防水加工を施した
紙シート、厚紙シートなどの天然物シート、アルミニウ
ム、鉄、銅、銀、またはステンレスといった合金などか
らなる金属シート、ステンレス鋼繊維シート、セラミッ
クファイバーシート、アルミニウム、鉄、銅、銀、また
はステンレスといった合金などからなる金属箔などのシ
ート類;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレン
テレフタレート、ナイロン、塩化ビニル樹脂、アクリル
樹脂などからなるネットまたはメッシュ、アルミニウ
ム、鉄、銅、銀、またはステンレスといった合金などか
らなるネットまたはメッシュなどのネット・メッシュ
類;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ナイロン、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂
といったプラスチックや、ウレタン系吹付発泡材からな
る発泡性樹脂、コールタール、セメントといった水硬化
性物質などからなるコーティング膜;などを挙げること
ができる。
【0059】この中でも、割繊維不織布、ニードルパン
チ不織布、フラットヤーンの繊維織物、麻織物、綿織
物、合成樹脂織物、混紡織物、帯状織物などが特に好ま
しい。これらの材質は、仮埋設物引抜用潤滑材の強度を
向上させるだけの強度を有しているとともに、透水性や
加工性に優れ、材質のコストも高くないため、補強材4
としてより好適な材質となっている。
【0060】上記各補強材4のうち、シート類などは、
透水性を付与するために、たとえば切り目や孔などを形
成することが好ましい。このときの切り目や孔の形状や
数量としては特に限定されるものではなく、補強材4を
吸水性ポリマーシート3に積層する際の状態や得られる
潤滑材の特性などを考慮して適宜設定することができ
る。上記各補強材4は、1種類を単独で用いてもよい
し、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0061】上記各補強材4の積層方法としては、特に
限定されるものではないが、たとえば、熱溶融可能な補
強材4を溶融化し吸水性ポリマーシート3(潤滑材)に
溶融ラミネートする方法、溶融した補強材4をコーティ
ングする方法、溶融した補強材4を吹き付ける方法;水
溶性または水分散系または溶剤系の接着剤を介して接合
する方法;粘着剤やアンカーコート剤を介して接合する
方法;ホットメルト剤や熱溶融性ネットまたはフィルム
を介して溶融接合する方法;縫製による方法;補強材4
を袋状として吸水性ポリマーシート3に被覆する方法;
などの各方法が挙げられ、少なくとも補強材4の一部分
を吸水性ポリマーシート3に積層して一体化したり、重
ね合わせたりすることができる。
【0062】上記補強材4の引張強度は 1 kgf/2.5cm以
上となっており、 4 kgf/2.5cm以上であることが好まし
く、 7 kgf/2.5cm以上であることがより好ましい。補強
材4の強度がこの範囲内であれば、得られる仮埋設物引
抜用潤滑材を取り付けた状態で仮埋設物を施工しても、
該潤滑材の破損の発生を有効に防止することができる。
【0063】上記補強材4の引張強度は、幅2.5c
m、長さ20cmの大きさに裁断した試験片を、JIS
L 1096(一般織物試験方法)の引張試験方法
(引張強さ)に基づいた低速伸長引張試験機を用いて測
定した。この試験機の測定結果(単位:kgf/2.5cm )が
大きいほど引張強度が大きいと言える。なお、引張速度
は20mm/min、つかみ間隔は10cmである。
【0064】上記補強材4は、仮埋設物引抜用潤滑材を
仮埋設物に取り付けた場合に外側となる面に形成されて
いることが好ましいが、このとき、該補強材4は、その
透水度が20hr以下となっており、好ましくは1hr
以下、より好ましくは0.05hr以下である。
【0065】上記補強材4の透水度は、次のようにして
測定した。まず、図2に示すように、内径7.98cm
の2つの筒状容器6の間に試験片10を挟み接合剤で固
定した。次に、試験片10をイオン交換水で十分に湿潤
させた後、上方の筒状容器内へ400mLのイオン交換
水6aを一度に注ぎ、このイオン交換水6aが試験片1
0を透過し終わる時間(単位:hr)を測定し、これを
透水度とした。したがって、この時間は短いほど試験片
の透水性が大きいと言える。すなわち、上記補強材4
は、透水性がよいほど好ましい。
【0066】上記補強材4は、上述したように、基材1
および基材1の表面に形成された吸水性ポリマー2の強
度を向上させることが可能であり、さらに、吸水性ポリ
マー2がセメント水などを吸収して膨潤できるように透
水性を有しているものであれば特に限定されるものでは
ないが、基材1に積層するに当たっての加工性が高いこ
とが好ましい。これによって、高い強度を有する本発明
にかかる仮埋設物引抜用潤滑材を得ることができる。
【0067】上記補強材4の加工性の高さは、たとえ
ば、補強材4の柔軟性によって規定することができる。
すなわち、柔軟性が高ければ、ポリマーシートへの積層
をより行い易くすることができるとともに、得られる仮
埋設物引抜用潤滑材の使用に際しても、仮埋設物である
H型鋼などを包み易くなる。
【0068】本実施の形態では、上記柔軟性は、次の測
定法により測定されて得られる柔軟度によって評価す
る。まず、幅2.54cmの、長さ7.62cmの大き
さに裁断された試験片を、JIS L 1096(一般
織物試験方法)の剛軟性試験方法(ガーレー法)に基づ
いてガーレー剛性を測定し、柔軟度(単位:mgf)と
した。この柔軟度が小さいほど柔らかいと言える。
【0069】また、補強材4の柔軟性は該補強材4の厚
みによっても規定することができる。すなわち、厚みが
大きければ柔軟性は低下するが、厚みが小さければ柔軟
性は向上することになるためである。上記補強材4の厚
みは、0.01mm〜10mmの範囲内となっており、
好ましくは0.05mm〜8mmの範囲内であり、より
好ましくは0.2mm〜5mmの範囲内である。この補
強材4の厚みが上記の範囲よりも大きくなると補強材4
の柔軟性が極端に低下したり、得られる潤滑材が嵩高い
ものとなり、取り扱いにくいものとなるため好ましくな
い。一方、補強材4の厚みが上記の範囲よりも小さくな
ると、補強材4の強度が低下し、吸水性ポリマーシート
3の補強が不十分となるため好ましくない。なお、補強
材4の厚みはマイクロメーターにより測定した。
【0070】上記補強材4の坪量は特に限定されるもの
ではないが、10g/m2 〜10,000g/m2 の範
囲内であることが好ましい。
【0071】本発明にかかる仮埋設物引抜用潤滑材は、
上述した吸水性ポリマー2を付着した基材1において、
外側のソイルセメントや土壌に接触する側の面に補強材
4を積層しているが、さらに、図3に示すように、補強
材4の積層されている面とは反対側の面、すなわち仮埋
設物側に接する面(内側面)に非透水層5が積層されて
いることが好ましい。このような非透水層5を設けるこ
とにより、仮埋設物の引き抜きをさらに容易にすること
ができる。
【0072】上記非透水層5の材料としては、非透水性
で上記吸水性ポリマーシート3と貼り合わせが可能な材
料であれば特に限定されるものではない。たとえば、ポ
リエステル、ポリアクリロニトリル、ナイロン、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹
脂などの疎水性の樹脂フィルムおよびボード;アルミニ
ウム箔;アルミニウムなどの金属製フィルム;などが挙
げられる。
【0073】中でも、非透水層5を設けてなる吸水性ポ
リマーシート3の柔軟性、作業性、経済性などの観点か
らポリエステル、ポリアクリロニトリル、ナイロン、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニル樹脂、ウレタ
ン樹脂などからなる樹脂フィルムが好ましい。この樹脂
フィルムの厚みは1μm〜1000μmの範囲内であ
り、好ましくは10μm〜500μmの範囲内である。
【0074】上記非透水層5を、基材1の表面に形成さ
れた吸水性ポリマーシート3の内側面に積層する方法と
しては、粘着剤や接着剤などの接合剤で貼り合わせる方
法、吸水性ポリマーシート3の内側面に熱溶融可能な材
料を熱溶融した状態で押し出し、塗布加工する方法など
が挙げられる。中でも、本発明にかかる仮埋設物引抜用
潤滑材の生産性、柔軟性、作業性、経済性などの観点か
ら溶融押出による塗布加工法が好ましい。
【0075】本発明にかかる仮埋設物引抜用潤滑材を仮
埋設物に取り付けた場合には、図4に示すように、上記
仮埋設物引抜用潤滑材21において、上記非透水層5の
積層されている面が仮埋設物22に接する内側面となっ
ており、上記補強材4が積層されている面が、非透水層
5の形成されている内側面の反対側である外側面となっ
ていることが好ましい。
【0076】つまり、上記非透水層5は、上述したよう
に、潤滑材21を仮埋設物22に取り付けた際にセメン
ト側ではなく仮埋設物22側の面(内側面)に位置する
ように、吸水性ポリマーシート3に積層される。一方、
該非透水層5が積層されていない側の面(外側面)は、
ソイルセメント23側に位置するように、吸水性ポリマ
ーシート3に積層される(図4参照)。
【0077】非透水層5が内側面に積層されていれば、
潤滑材21における吸水性ポリマー2の膨潤を妨げるこ
となく、硬化前の流動するソイルセメント23が仮埋設
物22側へ移動することを防止し、ソイルセメント23
と仮埋設物22とを完全に分離することができる。その
ため、回収した仮埋設物22の表面にソイルセメント2
3などが付着したり錆が生じたりすることが防止される
ため、仮埋設物22をそのまま再使用することが可能と
なる。
【0078】さらに図示しないが、上記非透水層5を、
たとえば、ロープ状や帯状にして吸水性ポリマーシート
3の内側面の一部のみに積層した場合には、仮埋設物2
2全体をソイルセメント23から分離することはできな
いが、仮埋設物22への潤滑材21の取り付け時に、一
部のみに積層された上記非透水層5の部分的な分離効果
により、潤滑材21が仮埋設物22に巻き付いたり引っ
掛かったりするおそれを低減することができる。それゆ
え、潤滑材21の吊り上げ抵抗の軽減および潤滑材21
の破損の防止を実現することができる。
【0079】さらに、仮埋設物を引き抜く際の潤滑性の
向上や、仮埋設物の防錆、防蝕性を向上させるために、
ワックスなどの潤滑剤や防錆剤などをあらかじめ仮埋設
物の表面に塗布しておいてもよい。
【0080】本発明にかかる仮埋設物引抜用潤滑材は、
使用時に仮埋設物の表面に取り付けるが、この仮埋設物
の表面への取付方法としては特に限定されるものではな
い。たとえば、上記潤滑材で仮埋設物を包んだり挟んだ
りしてもよいし、上記潤滑材をボルトで固定したり各種
接着剤で貼り付けたりしてもよい。
【0081】中でも、工事現場における作業性の観点か
ら、本発明にかかる仮埋設物引抜用潤滑材を袋状または
筒状の形状に加工して仮埋設物を包むようにする方法が
特に好ましい。この袋状または筒状の形状に加工した潤
滑材で仮埋設物を包む方法では、H型鋼のように大きく
かつ重い仮埋設物の表面に、容易に潤滑材を取り付ける
ことが可能となる。
【0082】上記袋状または筒状の形状に加工された潤
滑材の大きさは、用いられる仮埋設物の形状や大きさに
よって適宜設定されるものであり、特に限定されるもの
ではない。たとえば、図5に示すような本実施の形態に
おける袋状の潤滑材21では、仮埋設物の形状などに応
じて、長手方向の長さLおよび幅WがそれぞれL=23
m、W=1.4mとなっている仕様1と、L=14.5
m、W=1.4mとなっている仕様2(使用1とはLが
異なる)との2種類を用いることができる。
【0083】図5に示すような本実施の形態における潤
滑材21は、補強材4を外袋とし、吸水性ポリマーシー
ト3を内袋として、これらを積層してなっている。補強
材4としては割繊維不織布(ワリフ;商品名LX−1
4、日本プラスト(株)製)などを用い、たとえば、上
記仕様1または仕様2の大きさを有する袋として形成し
ている。吸水性ポリマーシート3としては、上述したも
のを用い、同様に、たとえば上記仕様1または仕様2の
大きさを有する袋として形成している。
【0084】本発明にかかる仮埋設物引抜用潤滑材が袋
状または筒状の形状に加工されている場合には、該潤滑
材の胴部は巻物状(ロール状)または蛇腹状に加工され
ていることが好ましい。巻物状または蛇腹状に加工して
おれば、未使用時の潤滑材をコンパクトな形状にまとめ
ることができる。同時に、使用時においても、H型鋼の
ように縦に長い形状の仮埋設物の底端部に、袋状または
筒状の潤滑材の開口部を位置させて巻物または蛇腹を延
伸させることにより取り付けが可能となる。それゆえ、
作業現場で場所をとることなしに、容易に潤滑材を仮埋
設物に取り付けることができる。
【0085】本発明にかかる仮埋設物引抜用潤滑材は、
上述したように袋状または筒状の形状を有していること
が好ましいが、上記形状への加工は、縫製によって行わ
れることが好ましい。ここで、縫製により所望の形状に
加工された仮埋設物引抜用潤滑材においては、該仮埋設
物引抜用潤滑材の縫い合わせ部の強度が劣ることがあ
る。そこで、強度の劣る縫い合わせ部を補強するため
に、該縫い合わせ部を覆うように第2の補強材を形成す
ることが好ましい。
【0086】具体的には、たとえば、袋状に加工された
潤滑材でH型鋼のように大きくかつ重い仮埋設物を包ん
だ際に、この袋状の潤滑材の底部を単に縫い合わせただ
けの構造とする。このとき、潤滑材の底部には、仮埋設
物の重量により大きな力がかかることになる。ところ
が、底部の加工は縫い合わせのみであるため、底部の強
度は実質的には縫い合わせた糸の強度のみに依存するこ
とになる。それゆえ、縫い合わせのみでは、底部が容易
に破損して袋の底部が突き抜けてしまうおそれがある。
【0087】しかしながら、図5に示すように、袋状の
潤滑材21の底部に対して、第2の補強材としての先端
カバー14を取り付けると、より袋(潤滑材21)の底
部の構造を強化することが可能となる。この先端カバー
14は、後述する補強帯とともに潤滑材21に縫い付け
ておくことが好ましい。また、図5に示すように、先端
カバー14の上端を接着止め14aにて潤滑材21に固
定することもできる。この先端カバー14の素材として
は特に限定されるものではなく、上述した補強材4に用
いられる材質と同様のものを好適に用いることができ
る。中でも、強度の観点からフェルトなどが好ましい。
【0088】また、上述したように袋状または筒状の形
状に加工する場合には、袋または筒の周囲を縫い合わせ
る場合がある。このとき、袋または筒の周囲は第2の補
強材である補強帯により補強しておくことが好ましい。
たとえば、図5に示すように、長方形状の袋状の形状に
加工された潤滑材21の四辺の周囲を所定の幅w0 を有
するベルト状の補強帯15を縫い合わせて補強し、底部
についても補強帯15aを縫い合わせて補強しておけ
ば、袋(潤滑材21)の形状をより一層安定化させるこ
とができる。そのため、H型鋼のような大きくかつ重い
仮埋設物を包んでも潤滑材21の破損を回避することが
可能となる。
【0089】上記補強帯15および15aの材質および
幅w0 のサイズは特に限定されるものではない。たとえ
ば、本実施の形態では、補強帯15および15aとして
0=5cmのポリプロピレン製ベルトを用いている。
【0090】上記補強帯15および15aは、袋または
筒(潤滑材21)の周囲に沿って縫い合わせられること
が好ましいが、このときの縫い代の位置は特に限定され
るものではなく、たとえば、本実施の形態では、袋の外
側から見て、1cm程度内側となるように位置してい
る。
【0091】なお、潤滑材21が袋状に加工されている
場合は、上記補強帯15の底部は、図6に示すように、
折り返し構造としておくことが好ましい。上述したよう
に、補強材4を積層した吸水性ポリマーシート3からな
る潤滑材21を袋状にして底部を縫い合わせ、さらに、
底部に対して、第2の補強材である先端カバー14を取
り付ける。この状態で補強帯15aを縫い合わせ、さら
に、袋(潤滑材21)の周囲に補強帯15をさらに折り
返して縫い合わせる。これによって、潤滑材21の底部
の構造をより一層強化することができる。
【0092】また、上記補強帯15における袋(潤滑材
21)の開口部側の端部は、そのまま延長した状態で吊
りひも16として形成しておくことができる。この吊り
ひも16の長さl0 は特に限定されるものではなく、た
とえば、本実施の形態ではl0 =1m程度の長さであ
る。この吊りひも16は、仮埋設物に取り付ける際に袋
を吊り下げたり吊り上げたりする作業を行うために用い
ることができる。
【0093】なお、上記吊りひも16の端部も、図7に
示すように折り返し構造として補強しておくことが好ま
しい。たとえば、本実施の形態では、折り返し部の長さ
1=10cm程度として縫い合わせておくと、吊りひ
も16の端部の構造を強化できるため好ましい。
【0094】袋状や筒状の形状に加工された潤滑材21
の開口部には、図5に示すように、縛りひも17が設け
られていることが好ましい。この縛りひも17で開口部
を縛ることによって、仮埋設物に対して袋(潤滑材2
1)を安定して取り付けることができる。同様に、折り
返し構造となっている袋の底部にも縛りひも17を設け
ておくことが好ましい。これによって、仮埋設物に対し
て袋をさらに安定して取り付けることが可能となり、た
とえば、仮埋設物をソイルセメント中に施工するに際し
ても、袋が仮埋設物から外れて破損したりするような事
態を回避することができる。
【0095】上記縛りひも17のうち、開口部に設けら
れるものは、たとえば、図5に示すように、開口部の補
強帯15に沿って配置されている。すなわち、縛りひも
17は、長方形状の袋において長手方向に直交するよう
に位置している。
【0096】一方、上記縛りひも17のうち、底部に設
けられているものは、上記開口部に設けられているもの
と同様に、長方形状の袋の長手方法に直交するように位
置している。ここで、この底部に設けられている縛りひ
も17は、図5に示すように複数本設けられていてもよ
い(本実施の形態では、図5に示すように2本)。この
ように縛りひも17が複数設けられていれば、袋(潤滑
材21)を仮埋設物に取り付ける状態をより一層安定化
させることができる。
【0097】底部の縛りひも17は、上述した先端カバ
ー14上に配設されることになるが、この縛りひも17
の配設位置については、仮埋設物の端部に対して袋の底
部を安定して取り付けることができれば特に限定される
ものではない。たとえば、図5に示すように、先端カバ
ー14が長手方向にH=3mの長さを有している形状で
ある場合には、最底部からh=1mの位置に1本目の縛
りひも17を配設し、最底部から2mの位置、すなわ
ち、1本目の縛りひも17から見てh=1m離れた位置
に2本目の縛りひも17を配設する手法が挙げられる。
【0098】このとき、各縛りひも17を袋に備えさせ
る構成としては特に限定されるものではない。たとえ
ば、本実施の形態では、図8に示すように、袋(潤滑材
21)の長手方向の周囲に沿って設けられている補強帯
15に、複数のひも通し17aを設けておく構成が挙げ
られる。
【0099】上記縛りひも17の長さは仮埋設物に取り
付けた状態の潤滑材21を縛ることができる長さであれ
ば特に限定されるものではないが、縛りひも17を縛る
ためには、好ましくは、ひも通し17aに通して袋に備
えさせた状態で、該縛りひも17の両端部がそれぞれ3
0cm程度の長さを有していることが好ましい。
【0100】たとえば、本実施の形態では、潤滑材21
の幅W=1.4mであるが、仮埋設物に上記潤滑材21
を取り付けた場合に、潤滑材21の内径幅Kは、K=
1.3m以上となる。このとき、縛りひも17は、潤滑
材21を縛ることができる長さでなければならないた
め、上記のように、両端部が30cm程度の長さを有し
ていることが好ましい。
【0101】なお、縛りひも17の材質は特に限定され
るものではなく、仮埋設物に対して袋(潤滑材21)を
取り付けることができるように縛るだけの強度があれば
よい。本実施の形態では、縛りひも17としては、通常
よく用いられている丸ひもを使用している。
【0102】本発明にかかる仮埋設物引抜用潤滑材は、
あらかじめ仮埋設物に取り付けて作業現場まで搬送する
こともできるが、好ましくは、作業現場にて、仮埋設物
に対して上記潤滑材を取り付け、ソイルセメント中に施
工する。これによって、仮埋設物に対して、潤滑材の取
り付けを適宜行うことになるため、施工の自由度を向上
させることができる。
【0103】作業現場における潤滑材の取付方法として
は特に限定されるものではない。たとえば、図9に示す
ように、架台25に袋状で胴部を蛇腹状に加工した潤滑
材21を設置し、上方から仮埋設物(H型鋼)22を袋
状の潤滑材21の開口部から中に挿入しながら(図中矢
印A方向)、地盤24に掘削した掘削孔中に充填された
ソイルセメント23中に施工する方法が挙げられる。な
お、このときの潤滑材21では、蛇腹状の胴部を縮めた
状態を保持するために、袋状の潤滑材21内にプラスチ
ック製円筒26を設けている。
【0104】また、他の取付方法として、図10に示す
ように、仮埋設物22の一方の端部に蛇腹状の潤滑材2
1をかぶせ、次いでクレーン27などで該仮埋設物22
を吊り上げた後に、かぶせた潤滑材21を人29がひも
28で引き下ろし、仮埋設物22の表面に潤滑材21を
取り付ける方法が挙げられる。
【0105】他の取付方法としては、図11に示すよう
に、クレーン27などで仮埋設物22を吊り上げ、人2
9が滑車30を介して、袋状に加工した潤滑材21をひ
も28で引き上げる方法が挙げられる。
【0106】上述した方法では、潤滑材21の形状は筒
状であってもよく、筒状の潤滑材21を引き上げて仮埋
設物22を包んだ後、下方側の余分な潤滑材21を切断
して除去することができる。すなわち、潤滑材21が筒
状である場合には、仮埋設物22の長さに応じて潤滑材
21の長さを適宜設定することが可能となる。なお、筒
状の潤滑材21は、底部をひもで縛ったり、縫製した
り、あるいは、接着剤やヒートシールによりシールした
りすることによって、最終的に袋状とすることが好まし
い。
【0107】他の取付方法としては、図12に示すよう
に、折り畳まれた袋状または筒状の潤滑材21の開口部
31に仮埋設物22を挿入し、開口部31に取り付けら
れたひも28を上方に引っ張ることにより、該開口部3
1が形成されている端部を上昇させて仮埋設物22の全
体を包む方法が挙げられる。
【0108】他の取付方法としては、図13に示すよう
に、袋状または筒状の潤滑材21の開口部31にひも3
2を介してハンガー33を取り付け、このハンガー33
を引き上げることによって仮埋設物22を包む方法が挙
げられる。
【0109】この方法では、潤滑材21の開口部31が
形成されている端部をハンガー33を介して上方に引っ
張り上げ、仮埋設物22を完全に包んだ状態でさらに仮
埋設物22の上端よりもやや上部に達した時点で引っ張
りを解除すると、図14に示すように、ハンガー33が
仮埋設物22の上端に下降して固定され、潤滑材21
は、ひも32によって仮埋設物22を包んだ状態で保持
される。したがって、この方法を用いると、仮埋設物2
2の上端に潤滑材21を固定させる必要がなくなり、取
付け作業を簡素化することができる。
【0110】上述した各取付方法により取付けられた仮
埋設物の施工は次のようにして行う。まず、地盤に掘削
孔を掘削し、ソイルセメントを充填する。このソイルセ
メントの充填はアースオーガーなどを用いて掘削と同時
に充填される。このソイルセメントが充填された掘削孔
中に仮埋設物を施工する。この施工はクレーンによって
仮埋設物を吊るし、掘削孔中に仮埋設物を打ち込むこと
により行われる。
【0111】このとき、取り付けられている掘削孔へ打
ち込まれる仮埋設物に従来の仮埋設物引抜用潤滑材が取
り付けられているとすると、この従来の潤滑材の強度は
十分ではないため、掘削孔への打ち込みの際に仮埋設物
の重量による影響やソイルセメントから受ける圧力、ま
たは仮埋設物の掘削孔の壁面への衝突などにより、該潤
滑材が破損することになる。
【0112】潤滑材が破損すると、該潤滑材により覆わ
れている仮埋設物が露出してソイルセメントなどに接触
する。そのため、潤滑材の有する潤滑効果が得られず、
仮埋設物が非常に引き抜きにくくなる。
【0113】これに対して、本発明にかかる仮埋設物引
抜用潤滑材を用いた場合、補強材により該潤滑材の強度
が向上しているため、施工の際などに生じやすい潤滑材
の破損が回避される。そのため、従来、引き抜きが不可
能とされた仮埋設物でも引き抜きを可能とし、従来法で
引き抜くことができる場合でも、引き抜きに必要な力
(引抜荷重)の1/2以下、好ましくは1/10以下で
引き抜くことが可能となる。
【0114】それゆえ、本発明にかかる仮埋設物引抜用
潤滑材を用いることで、大幅に引抜荷重を低減すること
ができ、引抜作業の安全性の向上と、引き抜き補助機械
の使用を最少限度に抑えることができる。その結果、引
抜作業を簡単かつ効率化することができ、工期の短縮と
コストの低減を実現することができる。
【0115】さらに、本発明にかかる仮埋設物引抜用潤
滑材を用いた仮埋設物の引き抜きに必要な力(引抜荷
重)は、45tf以下であることが特に好ましい。引き
抜きに必要な力がこの範囲内であれば、たとえば、通常
用いられているトラッククレーンなどの汎用的な設備に
よって容易に引き抜きを行うことが可能になる。上記潤
滑材が破損しなければ、引き抜きに必要な力は上記の範
囲内となるため、仮埋設物を容易に引き抜くことができ
る。
【0116】これに対して、仮埋設物の引き抜きに必要
な力が45tfを超えれば、トラッククレーンなどの汎
用的な設備で仮埋設物を容易に引き抜くことができなく
なる。その結果、引き抜きに予定以上の特殊な設備を要
することになって引抜作業が煩雑化したりコストが上昇
したりするなどの問題を招来する。
【0117】上述したように潤滑材が破損すると、引き
抜きに必要な力が予定の範囲を超えてしまい、引き抜き
を容易に行うことができなくなって潤滑材の効果が得ら
れなくなり、予想以上のコストがかかることになる。し
かしながら、本発明にかかる仮埋設物引抜用潤滑材は、
補強材の層を外側に積層しているため、上述したような
重量による影響、圧力、または衝突などによる潤滑材の
破損を回避することができる。その結果、上記潤滑材
は、従来の潤滑材のように破損に伴う潤滑効果の低下の
発生がなく、仮埋設物を確実に引き抜くことが可能とな
る。
【0118】本発明にかかる仮埋設物引抜用潤滑材を仮
埋設物に取り付ける際には、H型鋼などの仮埋設物の下
側となる端部に対して、仮埋設物引抜用装着具(以下、
装着具とする)を装着する取付方法を用いることが好ま
しい。この装着具は、少なくとも緩衝効果を示す材質、
すなわち緩衝材を備えてなるものである。
【0119】この装着具を仮埋設物の下側となる端部に
装着しておけば、仮埋設物に対してさらに潤滑材を取り
付ける際に、装着具の緩衝効果により仮埋設物の端部に
潤滑材が引っ掛かるなどして該潤滑材が破損するような
ことがない。それゆえ、潤滑材が有する効果、すなわ
ち、仮埋設物を容易に引き抜く効果をより一層向上させ
ることができる。
【0120】さらに、上記装着具を装着しない状態で潤
滑材を取り付けた仮埋設物を、ソイルセメントが充填さ
れた掘削孔の中に打ち込んだ場合、底部の潤滑材が非常
に破損し易くなる。すなわち、上記の場合では、仮埋設
物の重量やソイルセメントの圧力などにより仮埋設物の
下側の端部と潤滑材の底部とが激しく接触する上に、硬
い金属からなる仮埋設物の端部が剥き出しであるため、
この端部と上記重量や圧力との相乗効果により、潤滑材
はより一層破損し易くなる。
【0121】しかしながら、上記装着具を仮埋設物の下
側となる端部に装着しておけば、仮埋設物の下側となる
端部が剥き出しとならず、また、仮埋設物の下側の端部
にかかる単位面積当たりの重量やソイルセメントからの
圧力を低減することができる。そのため、掘削孔への打
ち込みの際の潤滑材の破損をより効果的に抑制すること
ができる。それゆえ、仮埋設物引抜用潤滑材が有する効
果をより一層向上させることができる。
【0122】上記装着具の形状は、仮埋設物の下側とな
る端部が剥き出しにならず、また、仮埋設物の下側とな
る端部と潤滑材との間に設けられた際に緩衝材としての
役割を果たすことができるものであれば特に限定される
ものではない。しかしながら、上記装着具は、仮埋設物
の端部にはめ込むことによって装着できるような形状で
あることが特に好ましい。
【0123】たとえば、本実施の形態では、図15
(a)に示すように、少なくとも発泡体からなっている
円筒形状で、さらに、切り込み部18aを有する装着具
18を用いている。この装着具18は、図15(b)に
示すように、切り込み部18aを仮埋設物22であるH
型鋼の端部へはめ込むだけで装着することが可能であ
る。それゆえ、装着具18の装着が非常に容易であり、
仮埋設物22を掘削孔に打ち込む作業の煩雑化を伴うこ
とがない。
【0124】なお、上記装着具の装着においては、装着
が煩雑化したり、装着のために特殊な設備が必要になる
などしてコストの上昇を招来したりするなどしない限
り、はめ込みによる装着以外の種々の方法を用いても構
わない。
【0125】上記装着具の材質は、緩衝効果の得られる
材質(緩衝材)であれば特に限定されるものではない。
たとえば、割繊維不織布、カーペット、フェルト、ステ
ッチボンド不織布などの不織布類;フラットヤーンの繊
維織物、綿織物、麻織物、ポリプロピレンなどの合成樹
脂織物などの織物類;ポリスチレン、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、フェノ
ール樹脂、ゴムフォームなどに対して独立または連続気
泡を形成して得られる発泡体;ウレタンゴム、シリコー
ンゴム、フッ素ゴム、エーテルゴム、アクリルゴム、ブ
チルゴム、ネオプレン(クロロプレンゴム)、ブタンジ
エン−アクリロニトリル共重合体、天然ゴムなどのエラ
ストマー;皮革、木材、防水加工を施した紙、厚紙など
の天然物などを挙げることができる。
【0126】以上のように、本発明にかかる仮埋設物引
抜用潤滑材は、厚みが薄く、柔軟な繊維や不織布などの
基材に対して吸水性ポリマーを直接固着させて吸水性ポ
リマーシートを得て、さらにこの吸水性ポリマーシート
が補強材を備えている構成となっている。そのため、仮
埋設物への潤滑材の取付けの際や、仮埋設物の打ち込み
の際などに潤滑材の破損がなく、該仮埋設物を非常に小
さな力で容易に引き抜くことができる。
【0127】また、上記潤滑材を用いれば、長さ10m
程度のH型鋼であれば、一般のトラッククレーンなどの
通常の工事に用いられている設備で容易に仮埋設物を引
き抜くことができるため、引抜作業をより一層容易化か
つ簡素化することが可能となる。もちろん、より大きな
仮埋設物の引き抜きでも従来に比べて引き抜き設備の大
幅な簡素化が図れることは言うまでもない。
【0128】さらに、本発明にかかる仮埋設物引抜用潤
滑材の取付方法は、上記潤滑材を仮埋設物に取り付ける
前に、該仮埋設物の下側となる端部に装着具を装着する
ものである。そのため、上記潤滑材の取り付けの際や、
該潤滑材を取り付けた仮埋設物を打ち込む際に生じ易く
なる潤滑材の破損を効果的に抑制し、仮埋設物をより一
層引き抜き易くすることができる。
【0129】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を詳
細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。まず、本実施例および比較例に用いる本発明にか
かる仮埋設物引抜用潤滑材は以下の製造例に示すように
して製造した。
【0130】〔製造例〕水酸化ナトリウム75%中和ア
クリル酸ナトリウム水溶液に、N,N’−メチレンビス
アクリルアミド0.12モル%(対アクリル酸ナトリウ
ムモノマー)および過硫酸ナトリウム1.0g/モル
(対アクリル酸ナトリウムモノマー)を溶解し、40重
量%のモノマー水溶液を調製した。
【0131】このモノマー水溶液に、坪量が60g/m
2 のポリエステル製不織布を浸漬し、該水溶液を含浸さ
せた後、余分なモノマー水溶液をローラーで絞り取っ
た。この含浸物を加熱しラジカル重合を行って、80g
/m2 の吸水性ポリマーが接合剤なしに基材に直接固着
した吸水性ポリマーシートを得た。
【0132】この吸水性ポリマーシートに対して、補強
材としての割繊維不織布(ワリフ;商品名LX−14、
日本プラスト(株)製、坪量39g/cm2 、幅105
0mm)を全面に積層し、エッジ部のみ縫製した。さら
に、この補強材が積層された吸水性ポリマーシートを長
さ10.5m、幅1150mmの袋状に形成した。な
お、上記補強材の積層された面を袋の外側の面となるよ
うにした。このようにして得られた本発明にかかる仮埋
設物引抜用潤滑材を潤滑材(1)とする。
【0133】また、袋状の上記潤滑材(1)の底部に、
底部用の第2の補強材としてニードルパンチ不織布(フ
ェルト;(株)フジコーカーペット製、坪量800g/
2〜900g/m2 、幅1200mm)を底部から5
0cmだけ被覆し、エッジ部のみ縫製した。このように
して得られた袋状の形状を有する本発明にかかる仮埋設
物引抜用補強材を潤滑材(2)とする。上記潤滑材
(1)および(2)はロール状に巻き取って保管した。
【0134】上記仮埋設物引抜用補強材を仮埋設物に取
り付け、その後地盤に掘削した掘削孔に該仮埋設物を打
ち込み、その後に引き抜くことによって、上記各潤滑材
の効果を判定した。
【0135】〔実施例1〕仮埋設物として長さ10m、
Hサイズが300mm×300mm、重量0.93tの
H型鋼を用い、このH型鋼を45tfトラッククレーン
により吊り上げ、吊り上げられたH型鋼の下方から潤滑
材(2)を履かせるように吊り上げて取り付けた。
【0136】一方、地盤に対して、アースオーガー(三
和機材(株)製、商品番号D−60K)により、掘削口
径φ600mm、深さ11.5mの掘削孔を掘削しなが
らセメントミルク(ソイルセメント)を充填した。この
ときのセメントミルクは、水に対して、セメントとベン
トナイトとを配合したものである。配合の比率として
は、重量比で、水/セメント/ベントナイト=600/
280/10とした。なお、この比率の配合を以下、標
準配合とする。
【0137】セメントミルクが充填された上記の掘削孔
に対して、上記H型鋼を打ち込んだ。このとき、完全に
H型鋼を打ち込むことができず、高止まりしたために、
アースオーガーで強制的に掘削孔へ圧入した。また、打
ち込み途中に潤滑材に少しの破れを観測した。
【0138】打ち込みが完了してセメントミルクが硬化
した後、27日間放置した仮埋設物を上記45tfトラ
ッククレーンにより引き抜いた。この引き抜きに要した
荷重および時間を表1に示す。
【0139】〔実施例2〕上記掘削孔の掘削深度が1
0.5mである以外は、前記実施例1と同様にして、仮
埋設物に潤滑材(2)を取り付けた後に掘削孔に打ち込
み、その後引き抜いた。この引き抜きに要した荷重およ
び時間を表1に示す。
【0140】〔実施例3〕仮埋設物引抜用潤滑材として
潤滑材(2)に代えて潤滑材(1)を用いた以外は、実
施例2と同様にして、仮埋設物に潤滑材を取り付けた後
に掘削孔に打ち込み、その後引き抜いた。この引き抜き
に要した荷重および時間を表1に示す。
【0141】〔実施例4〕仮埋設物の下側となる端部
に、図15(a)に示すような発泡材製の仮埋設物引抜
用装着具を取り付けた以外は、前記実施例3と同様にし
て、仮埋設物に潤滑材(1)を取り付けた後に掘削孔に
打ち込み、その後引き抜いた。この引き抜きに要した荷
重および時間を表1に示す。
【0142】〔実施例5〕掘削孔に注入するセメントミ
ルクの配合を、標準配合から、水/セメント/ベントナ
イト=600/330/10(重量比)の特殊配合(セ
メント成分を増量)に代えた以外は、実施例3と同様に
して、仮埋設物に潤滑材(1)を取り付けた後に掘削孔
に打ち込み、その後引き抜いた。この引き抜きに要した
荷重および時間を表1に示す。
【0143】〔比較例〕上記潤滑材(1)または(2)
を用いないで、前記実施例1と同様にして表面にワック
スを塗布したブランクのH型鋼を打ち込み、その後、引
抜作業を行った。その結果を表1に示す。
【0144】
【表1】
【0145】表1の結果から明らかなように、本発明に
かかる仮埋設物引抜用潤滑材を取り付けた仮埋設物は6
tf〜12tfの引抜荷重で引き抜くことができた。ま
た、引き抜きに要した時間(引抜時間)は全て5分以下
となった。
【0146】特に、実施例1のように、高止まりしたた
めにアースオーガーで強制的に圧入した場合や、実施例
5のように掘削孔に充填するセメントミルクの成分を増
量させてセメント強度を向上させた場合であっても、一
般に用いられる45tfトラッククレーンのみで、11
tf〜12tfの荷重で引き抜くことができた。
【0147】また、前記実施例1ないし5では、仮埋設
物の引き抜きに際して特殊な引抜機材(多滑車、バイブ
ロ、ジャッキなど)を用いる必要がなかった。それゆ
え、本発明にかかる仮埋設物引抜用潤滑材は引抜作業を
非常に簡素化することができた。さらに、引き抜きに要
した時間は、1本当たり2分〜4分の間であり、平均
2.9分であった。
【0148】これに対して、本発明にかかる仮埋設物引
抜用潤滑材を用いず、ブランクのH型鋼をワックスを用
いて引き抜く場合、すなわち、比較例の場合では、25
tfの荷重を15分間かけたが引き抜くことができなか
った。
【0149】このように、本発明にかかる仮埋設物引抜
用潤滑材および仮埋設物引抜用装着具を用いれば、仮埋
設物を容易かつ低コストで引き抜くことが可能となる。
【0150】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の仮埋設物引抜用
潤滑材は、以上のように、基材に吸水性ポリマーが接合
剤なしで直接固着してなる吸水性ポリマーシートに対し
て、少なくとも一部に透水性を有する補強材を積層して
なる構成である。
【0151】それゆえ、上記構成では、仮埋設物への潤
滑材の取付けの際や、仮埋設物の打ち込みの際などに発
生しやすい潤滑材の破損を防止して、該仮埋設物を非常
に小さな力で容易に引き抜くことができるという効果を
奏する。また、上記潤滑材を用いれば、引抜作業をより
一層容易化かつ簡素化することができるという効果も併
せて奏する。
【0152】本発明の請求項2記載の仮埋設物引抜用潤
滑材は、以上のように、請求項1記載の構成に加えて、
上記吸水性ポリマーが基材上で重合により吸水性ポリマ
ーとなり得る、水溶性エチレン性不飽和モノマーを重合
して得られたものである構成である。
【0153】それゆえ、上記構成では、基材に対して吸
水性ポリマーシートを直接固着することが容易であり、
かつ、安定した潤滑材を得ることができるとともに、吸
水性ポリマーシートの潤滑機能をより一層向上させるこ
とができるという効果を奏する。
【0154】本発明の請求項3記載の仮埋設物引抜用潤
滑材は、以上のように、請求項1または2記載の構成に
加えて、上記補強材は、引張強度が1kgf/2.5cm 以上で
ある構成である。
【0155】それゆえ、上記構成では、潤滑材の強度を
向上させて、該潤滑材の破損の発生をより一層有効に防
止することができるという効果を奏する。
【0156】本発明の請求項4記載の仮埋設物引抜用潤
滑材は、以上のように、請求項1、2または3記載の構
成に加えて、上記補強材は、上記仮埋設物引抜用潤滑材
を仮埋設物に取り付けた際に外側となる面に積層または
単に重ね合わせられた状態にある構成である。
【0157】それゆえ、上記構成では、外側に補強材が
積層されているか、重ね合わせられているため、施工の
際に上記仮埋設物引抜用潤滑材の破損を効果的に防止す
ることができるという効果を奏する。
【0158】本発明の請求項5記載の仮埋設物引抜用潤
滑材は、以上のように、請求項1ないし4の何れか1項
に記載の構成に加えて、上記仮埋設物引抜用潤滑材を仮
埋設物に取り付けた際に、仮埋設物に接する内側となる
面の少なくとも一部に非透水層を積層している構成であ
る。
【0159】それゆえ、上記構成では、内側に非透水層
が積層されているため、仮埋設物への潤滑材の取り付け
時に、巻き付きや引っ掛かりが生ずることを低減するこ
とができ、潤滑材の吊り上げ抵抗の軽減および潤滑材の
破損の防止を実現することができるという効果を奏す
る。
【0160】また、内側に非透水層が積層されているた
め、潤滑材の膨潤を妨げることなく、セメントと仮埋設
物とを完全に分離して、該仮埋設物を非常に引き抜き易
くすることができるという効果を併せて奏する。
【0161】本発明の請求項6記載の仮埋設物引抜用潤
滑材は、以上のように、請求項1ないし5の何れか1項
に記載の構成に加えて、上記仮埋設物引抜用潤滑材は袋
状または筒状の形状を有している構成である。
【0162】それゆえ、上記構成では、H型鋼のように
大きくかつ重い仮埋設物の表面に対して該潤滑材を容易
に取り付けることができるため、工事現場における作業
性をより一層向上させることができるという効果を奏す
る。
【0163】本発明の請求項7記載の仮埋設物引抜用潤
滑材は、以上のように、請求項1ないし6の何れか1項
に記載の構成に加えて、上記仮埋設物引抜用潤滑材は、
該仮埋設物引抜用潤滑材を縫い合わせてなる縫い合わせ
部を有しており、この縫い合わせ部を覆うように第2の
補強材が形成されている構成である。
【0164】それゆえ、上記構成では、縫い合わせによ
り所望の形状に加工された仮埋設物引抜用潤滑材におい
て、強度的に弱い部位である縫い合わせ部を第2の補強
材を形成することになる。その結果、仮埋設物引抜用潤
滑材の強度をより一層向上させることができるという効
果を奏する。
【0165】本発明の請求項8記載の仮埋設物引抜用潤
滑材は、以上のように、請求項7記載の構成に加えて、
上記第2の補強材は、少なくとも上記仮埋設物引抜用潤
滑材の底部を覆うように形成されている構成である。
【0166】それゆえ、上記構成では、底部に第2の補
強材を形成することによって、底部の構造をより一層向
上させることができるという効果を奏する。
【0167】本発明の請求項9記載の仮埋設物引抜用潤
滑材の取付方法は、以上のように、請求項1ないし8の
何れか1項に記載の仮埋設物引抜用潤滑材を仮埋設物に
取り付ける際に、あらかじめ該仮埋設物の端部に装着具
を装着する方法である。
【0168】それゆえ、上記方法では、潤滑材の破損の
発生を効果的に防止して仮埋設物を容易に引き抜く効果
を向上させることができるという効果を奏する。
【0169】また、掘削孔への打ち込みの際の潤滑材の
破損をより効果的に抑制することができるため、仮埋設
物引抜用潤滑材が有する効果をより一層向上させること
ができるという効果も併せて奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態にかかる仮埋設物引抜用
潤滑材の構造を示す概略断面図である。
【図2】上記仮埋設物引抜用潤滑材における透水度を測
定する測定系を示す説明図である。
【図3】上記仮埋設物引抜用潤滑材における他の構造を
示す概略断面図である。
【図4】上記仮埋設物引抜用潤滑材を仮埋設物に取り付
けた場合の状態を示す説明図である。
【図5】上記仮埋設物引抜用潤滑材を袋状の形状に加工
した状態を示す説明図である。
【図6】図5に示す仮埋設物引抜用潤滑材の底部におけ
る補強帯の折り返し構造を示す概略断面図である。
【図7】図5に示す仮埋設物引抜用潤滑材に備えられて
いる吊りひもの構成を示す概略断面図である。
【図8】図5に示す仮埋設物引抜用潤滑材に備えられて
いる縛りひもおよびひも止めの構成を示す概略断面図で
ある。
【図9】図5に示す仮埋設物引抜用潤滑材をH型鋼に取
り付けて、掘削孔に打ち込む方法を示す説明図である。
【図10】図5に示す仮埋設物引抜用潤滑材をH型鋼に
取り付ける方法を示す説明図である。
【図11】図5に示す仮埋設物引抜用潤滑材をH型鋼に
取り付ける他の方法を示す説明図である。
【図12】図5に示す仮埋設物引抜用潤滑材をH型鋼に
取り付けるさらに他の方法を示す説明図である。
【図13】図5に示す仮埋設物引抜用潤滑材をH型鋼に
取り付ける際にハンガーを用いる方法を示す説明図であ
る。
【図14】図13に示す方法において、ハンガーによる
仮埋設物引抜用潤滑材の固定を示す斜視図である。
【図15】(a)は、本発明の仮埋設物引抜用潤滑材の
取付方法に用いられる仮埋設物引抜用装着具の構成を示
す説明図であり、(b)は、上記仮埋設物引抜用装着具
を装着した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 基材 2 吸水性ポリマー 3 吸水性ポリマーシート 4 補強材 5 非透水層 14 先端カバー(第2の補強材) 15 補強帯(第2の補強材) 18 仮埋設物引抜用装着具(装着具) 21 仮埋設物引抜用潤滑材(潤滑材) 22 仮埋設物(H型鋼)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材に吸水性ポリマーが接合剤なしで直接
    固着してなる吸水性ポリマーシートに対して、少なくと
    も一部に透水性を有する補強材を積層してなることを特
    徴とする仮埋設物引抜用潤滑材。
  2. 【請求項2】上記吸水性ポリマーが、基材上で重合によ
    り吸水性ポリマーとなり得る、水溶性エチレン性不飽和
    モノマーを重合して得られたものであることを特徴とす
    る請求項1記載の仮埋設物引抜用潤滑材。
  3. 【請求項3】上記補強材は、引張強度が1kgf/2.5cm 以
    上であることを特徴とする請求項1または2記載の仮埋
    設物引抜用潤滑材。
  4. 【請求項4】上記補強材は、上記仮埋設物引抜用潤滑材
    を仮埋設物に取り付けた際に外側となる面に積層または
    単に重ね合わせられた状態にあることを特徴とする請求
    項1、2または3記載の仮埋設物引抜用潤滑材。
  5. 【請求項5】上記仮埋設物引抜用潤滑材を仮埋設物に取
    り付けた際に、仮埋設物に接する内側となる面の少なく
    とも一部に非透水層を積層していることを特徴とする請
    求項1ないし4の何れか1項に記載の仮埋設物引抜用潤
    滑材。
  6. 【請求項6】上記仮埋設物引抜用潤滑材は袋状または筒
    状の形状を有していることを特徴とする請求項1ないし
    5の何れか1項に記載の仮埋設物引抜用潤滑材。
  7. 【請求項7】上記仮埋設物引抜用潤滑材は、該仮埋設物
    引抜用潤滑材を縫い合わせてなる縫い合わせ部を有して
    おり、この縫い合わせ部を覆うように第2の補強材が形
    成されていることを特徴とする請求項1ないし6の何れ
    か1項に記載の仮埋設物引抜用潤滑材。
  8. 【請求項8】上記第2の補強材は、少なくとも上記仮埋
    設物引抜用潤滑材の底部を覆うように形成されているこ
    とを特徴とする請求項7記載の仮埋設物引抜用潤滑材。
  9. 【請求項9】請求項1ないし8の何れか1項に記載の仮
    埋設物引抜用潤滑材を仮埋設物に取り付ける際に、あら
    かじめ該仮埋設物の端部に装着具を装着することを特徴
    とする仮埋設物引抜用潤滑材の取付方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008231730A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Kansai Electric Power Co Inc:The ケーシングボーリング装置及びケーシングボーリング工法

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