JP2592631B2 - レイタンス発生防止材および防止方法 - Google Patents

レイタンス発生防止材および防止方法

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JP2592631B2
JP2592631B2 JP630988A JP630988A JP2592631B2 JP 2592631 B2 JP2592631 B2 JP 2592631B2 JP 630988 A JP630988 A JP 630988A JP 630988 A JP630988 A JP 630988A JP 2592631 B2 JP2592631 B2 JP 2592631B2
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徳 榊原
隆 赤松
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、コンクリートのレイタンスの発生防止材お
よびレイタンス発生防止方法に関する。
[従来の技術] コンクリートは打設後、その表面にレイタンスと呼ば
れるカルシウム化合物を主成分とした粒子間に結合力を
持たない堆積層を形成する。このレイタンスを放置する
とコンクリート表面から飛散し、人体に吸入されて水分
と接触すると強いアルカリ性を呈するため健康を害する
ことがある。また、レイタンスを取り除かずにコンクリ
ートを打ち継ぐと、新・旧コンクリートが一体化せず、
ひび割れ、水漏れ、内部鉄筋の発錆等の原因となり、ひ
いては構造物の破壊を招くことすらある。したがって打
ち継ぎ工法の場合、人力でレイタンスを除去するいわゆ
るレイタンス処理が行われている。
その他レイタンスの発生を防止する方法として、水/
セメント比を低下させてブリージングを抑える方法が提
案されている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら人力でレイタンスを除去するには多大の
労力と時間を要するとともに作業者の健康上好ましくな
いという問題点がある。また水/セメント比を低下させ
てブリージングを抑えるとともにレイタンスの発生を抑
制する方法ではワーカビリティを損なうという問題点が
ある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、多大の労力と時間を要することなくコ
スト的に安価で、しかも作業者の健康上の問題も無いレ
イタンスの発生防止材および防止方法を見い出すべく鋭
意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、第四級アンモニウム塩基を必須と
して有するカチオン性または両性吸水性樹脂を担持した
シート状物からなるレイタンス発生防止材(第一発
明);および第四級アンモニウム塩基を必須として有す
るカチオン性または両性吸水性樹脂を担持したシート状
物からなるレイタンス発生防止材がコンクリート表面に
接するように、コンクリートの打設前および/または打
設後に該防止材を敷くことを特徴とするレイタンスの発
生防止方法(第二発明)である。
本発明において第四級アンモニウム塩基を有する吸水
性樹脂としては、たとえば、第四級アンモニウム塩基を
有するカチオン性ビニル単量体(A)、共重合性架橋剤
(C)および必要により非イオン性水溶性ビニル単量体
(D)を重合して得られるカチオン性吸水性樹脂;第四
級アンモニウム塩基を有するカチオン性ビニル単量体
(A)、カルボキシル基および/またはスルホン基を有
するアニオン性ビニル単量体(B)、共重合性架橋剤
(C)および必要により非イオン性水溶性ビニル単量体
(D)を重合し、必要によりアルカリ金属化合物で中和
して部分的にアルカリ金属塩基とした両性吸水性樹脂が
あげられる。
第四級アンモニウム塩基を有するカチオン性ビニル単
量体(A)としては、ジアルキルアミノアルキル(メ
タ)アクリレートとアルキルハライドまたはジアルキル
硫酸との反応物[たとえば(メタ)アクリロイルオキシ
エチルトリメチルアンモニウムクロライドまたはブロマ
イド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルア
ンモニウムメチルサルフェート、(メタ)アクリロイル
オキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライ
ド、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメチルア
ンモニウムクロライドなど];ジアルキルアミノヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートとアルキルハライド
またはジアルキル硫酸との反応物[たとえば(メタ)ア
クリロイルオキシヒドロキシエチルトリメチルアンモニ
ウムクロライドまたはブロマイド、(メタ)アクリロイ
ルオキシヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムメチ
ルサルフェートなど];ジアルキルアミノアルキル(メ
タ)アクリルアミドとアルキルハライドまたはジアルキ
ル硫酸との反応物[たとえばトリメチルアミノエチル
(メタ)アクリルアミドの塩化物または臭化物、トリメ
チルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの塩化物な
ど];ジアルキルアミノヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリルアミドとアルキルハライドまたはジアルキル硫酸
との反応物[たとえばトリメチルアミノヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリルアミドの塩化物、ジエチルメチルア
ミノヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミドの塩化
物など];N−アルキルビニルピリジニウムハライド[た
とえばN−メチル−2−ビニルピリジニウムクロライド
またはブロマイド、N−メチル−4−ビニルピリジニウ
ムクロライドなど]、トリアルキルアリルアンモニウム
ハライド[たとえばトリメチルアリルアンモニウムクロ
ライド、トリエチルアリルアンモニウムクロライドな
ど]などがあげられる。これらの第四級アンモニウム塩
基を有するカチオン性ビニル単量体は単独で使用しても
よく、また2種以上併用してもよい。
カルボキシル基を有するアニオン性ビニル単量体
(B)としては、不飽和モノまたはポリカルボン酸
[(メタ)アクリル酸(アクリル酸および/またはメタ
クリル酸をいう。以下同様の記載を用いる。)、クロト
ン酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸
など]、それらの無水物[無水マレイン酸など]などが
あげられる。
スルホン基を有するアニオン性ビニル単量体(B)と
しては、脂肪族または芳香族ビニルスルホン酸[ビニル
スルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、ビニルトルエ
ンスルホン酸、スチレンスルホン酸など]、(メタ)ア
クリルスルホン酸[(メタ)アクリル酸スルホエチル、
(メタ)アクリル酸スルホプロピルなど]、(メタ)ア
クリルアミドスルホン酸[2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸など]などがあげられる。
これらカルボキシル基および/またはスルホン基を有
するアニオン性ビニル単量体は水溶性塩として使用して
もよい。これらの塩としては、アルカリ金属塩(ナトリ
ウム、カリウム、リチウムなどの塩)、アルカリ土類金
属塩(カルシウム、マグネシウムなどの塩)、アンモニ
ウム塩およびアミン塩(メチルアミン、トリメチルアミ
ンなどのアルキルアミンの塩;トリエタノールアミン、
ジエタノールアミンなどのアルカノールアミンの塩な
ど)およびこれらの二種以上が挙げられる。これらのう
ちで好ましいものは、ナトリウム塩およびカリウム塩で
ある。
上記アニオン性ビニル単量体は単独で使用してもよ
く、また2種以上併用してもよい。これらのうちで好ま
しいものはカルボキシル基を有するビニル単量体であ
る。
カチオン性ビニル単量体(A)および場合によりアニ
オン性ビニル単量体(B)とともに必要により非イオン
性水溶性ビニル単量体(D)を併用することができ、た
とえばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル
アミド、ビニルピロリドンなどがあげられる。
共重合性架橋剤(C)としては(1)少なくとも2個
の重合性二重結合を有する化合物および(2)1個の重
合性二重結合を有しかつカチオン性ビニル単量体および
/またはアニオン性ビニル単量体の官能基と反応しうる
基を少なくとも1個有する化合物があげられる。
(1)の化合物としては、たとえばN,N−メチレンビ
ス(メタ)アクリルアミド、ポリオール類[エチレング
リコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリ
オキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリ
コールなど]のジ−またはトリ−(メタ)アクリル酸エ
ステル、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、テトラ
アリロキシエタン、ジアリルフタレート、ジアリルアジ
ペートなどがあげられる。
化合物(2)の例としては第四級アンモニウム塩基お
よび/またはカルボキシル基、スルホン基と反応性の基
たとえばヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基などを
含有するエチレン性不飽和化合物があげられる。たとえ
ばヒドロキシル基含有不飽和化合物[N−メチロール
(メタ)アクリルアミドなど]およびエポキシ基含有不
飽和化合物[グリシジル(メタ)アクリレートなど]な
どである。
共重合性架橋剤(C)のうちで好ましいものは(1)
の化合物であり、とくに好ましいものはN,N−メチレン
ビスアクリルアミド、エチレングリコールジアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレートおよびテ
トラアリロキシエタンである。
カチオン性ビニル単量体(A)とアニオン性ビニル単
量体(B)のモル比は、要求される吸収性能、吸水ゲル
の強度などの条件により種々変化しうるが通常(A):
(B)=100:15〜0:85であり、好ましくは(A):
(B)=100:30〜0:70である。
必要により併用される非イオン性水溶性ビニル単量体
(D)の量は(A),(B)および(D)の合計重量に
基づいて通常30%以下、好ましくは10%以下である。
本発明において共重合性架橋剤(C)の量は、
(A),(B)および(D)の合計重量に対して通常0.
01〜10%、好ましくは0.1〜5%である。共重合性架橋
剤の量が0.01%未満では得られた樹脂は吸水時のゲル強
度が小さくゾル状となる。一方10重量%を越えると逆に
ゲル強度が過大となりブリージング水の吸水能が低下
し、その結果レイタンス防止能も低下する。
ビニル単量体(A),(B)および共重合性架橋剤
(C)および必要により併用される非イオン性ビニル単
量体(D)を重合する方法は、従来から知られている方
法でよく、たとえばこれらの水溶液または水分散液をラ
ジカル重合触媒を用いて重合する方法、有機溶媒を使用
した逆相懸濁重合による方法および放射線、電子線、紫
外線などを照射する通常の方法などがあげられる。
本発明において、必要によりアルカリ金属化合物を添
加して酸基を中和し、部分的にアルカリ金属塩基とする
ことができる。
アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属水酸化物
(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム
など)、アルカリ金属炭酸塩(炭酸ナトリウム、重炭酸
ナトリウムなど)およびこれらの二種以上があげられ
る。これらのうちで好ましいものは、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムおよび重炭酸ナトリウムである。
中和度は酸基の90モル%以下、好ましくは50〜80モル
%である。酸基の中和度が90モル%を越えると得られた
樹脂のPHが高くなり人体の皮膚に対する安全性の点で問
題となる。
該重合体中の官能基と反応しうる基を少なくとも2個
有する化合物でさらに架橋せしめることにより、より高
いゲル強度を有し、吸水ゲルの安定性により優れた樹脂
を製造することができる。
この化合物としては、エポキシ基、水酸基、イソシア
ナート基などの第四級アンモニウム塩基および/または
カルボキシル基、スルホン基と反応性の基を少なくとも
2個有する化合物およびイオン架橋を形成し得る多価金
属化合物があげられる。
次いで重合体を通常の方法で乾燥、粉砕し、必要によ
り希望の粒度に調整して本発明における吸水性樹脂とす
る。
該吸水性樹脂の形状については特に制限はなく、粉粒
状、フレーク状、繊維状などのいすれの形状であっても
よい。
本発明の吸水性樹脂に増量剤、充填剤として植物性繊
維[たとえばパルプ、綿など];植物性粉末[たとえば
パルプ粉末、デンプンおよびその誘導体、オガクズ、ピ
ートモスなど];鉱物性多孔質物質[たとえばパーライ
ト、ゼオライト、シリカ、バーミキュライトなど];カ
チオン性基を含有しない吸水性樹脂[たとえば架橋ポリ
ビニルアルコール、架橋ポリエチレンオキシド、架橋ポ
リアクリル酸塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合
体架橋物、デンプン−アクリル酸塩共重合体架橋物、酢
酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン
化物など]を併用することができる。その他、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、防カビ剤、界面活性剤、熱融着性樹
脂粉末なども必要により添加することができる。
該吸水性樹脂を担持したシート状物としては、(1)
吸水性樹脂を少なくとも2枚の水不溶性透水性基材で挟
んだシート、(2)吸水性樹脂を少なくとも1枚の水不
溶性透水性基材と不透水性基材で挟んだシート、(3)
吸水性樹脂を水不溶性透水性基材または不透水性基材に
接着または塗布したシートなどがあげられる。
上記シート状物の内、製造のしやすさ、コンクリート
表面への密着性、レイタンスの発生を防止する能力およ
び使用済みシート状物の後処理のしやすさなど点から
(1)のシートが好ましい。
水不溶性透水基材としては、紙[たとえば吸水紙、新
聞用紙、薄葉紙、クラフト紙、硫酸紙、和紙など]、不
織布、織物、編物などの繊維質シートやセロハン、ビニ
ロン、透水性を有する有孔合成樹脂製シートおよびこれ
らの積層シートなどがあげられる。好ましい基材は安価
に入手できる点から紙および繊維質シートである。
不透水性基材としてはたとえばポリエチレンフィル
ム、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、
ナイロンなどの合成樹脂フィルムおよびこれらの積層フ
ィルムがあげられる。
本発明においてシート状物に担持される吸水性樹脂の
量はそのカチオン性基の含有量、コンクリートの水/セ
メント比により適宜選択できるが通常5g/m2〜200g/m2
好ましくは10g/m2〜100g/m2である。吸水性樹脂の量が5
g/m2未満の場合レイタンスの発生防止が不完全なものに
なる。一方、200g/m2を越える場合レイタンスの発生防
止の点ではさしつかえないが経済的に不利となる。
シート状物の重量は通常20g/m2〜500g/m2である。
防止材の製造方法は特に限定されず、たとえば(イ)
水不溶性透水性基材の上に吸水性樹脂を散布し、必要に
より少量の水あるいは水溶性樹脂接着剤を溶解した水を
スプレーし、更にもう一枚の水不溶性透水性基材を重ね
てエンボス加工あるいは熱圧着した後、必要により乾燥
する方法;(ロ)吸水性樹脂を非水性樹脂バインダー
(たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリ
オレフィン、ウレタン樹脂、線状熱可塑性ポリエステル
樹脂、合成あるいは天然ゴムなど)と共に非水系塗工液
とし、この塗工液を水不溶性透水性基材の上に塗布また
は含浸して固着せしめた後にもう一枚の水不溶性透水性
基材を重ねて乾燥する方法;(ハ)上記(イ),(ロ)
の方法において上下いずれかの水不溶性透水性基材に代
えて不透水性基材を使用する方法;(ニ)水不溶性透水
性基材または不透水性基材に接着剤を塗布した後、該吸
水性樹脂を接着する方法;(ホ)吸水性樹脂を上記非水
性バインダーと共に非水系塗工液とし、この塗工液を水
不溶性透水性基材または不透水性基材に塗布または含浸
して乾燥・固着する方法などがあげられる。
本発明の防止材の厚さに特に限定はないが、通常0.1m
m〜3mmである。3mmを越える厚さではコンクリート表面
への密着性が不良となりレイタンスの発生防止効果が低
下する。該防止材の寸法は、たとえば巾約1m、長さ100
〜1000mであるが、使用前に型枠の面積あるいはコンク
リート表面の面積に裁断して使用することができる。
レイタンスの発生防止を目的として本発明の防止材を
コンクリート(モルタル、生コンクリートなど)表面に
敷くに当たっては、コンクリートを打設する前の型枠内
面に敷くかまたは張り付けても良く、あるいはコンクリ
ートを打設した後に敷いても良い。また両方を併用して
も良い。コンクリートを打設した後に敷く場合、打設直
後から凝結が終了するまでの間に敷くのが好ましく、更
に好ましくは打設した直後からコンクリートの沈下収縮
が終了するまでの間である。またコンクリートの凝結が
終了した後に敷く場合には、予めコンクリート面に散水
してから該防止材を敷設するのが好ましく、この方法は
広面積の現場を施工する場面に適する。
防止材をコンクリートの型枠内面または打設表面に敷
く方法に特に限定はなく、防止材をコンクリートの型枠
内面または打設後の表面に広げて固定するといった簡単
な操作で充分である。ただし水不溶性透水性基材あるい
は吸水性樹脂の面がコンクリートと接するように敷く必
要のあることは言うまでもない。
このように敷かれた防止材は必要によりコンクリート
の凝結が終了すると取り除いてもよい。
[実施例] 以下、製造例および実施例により本発明を更に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、製
造例中の部は重量部である。
製造例1(吸水性樹脂の製造) メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム
クロライド22部、アクリル酸8部、トリメチロールプロ
パントリアクリレート0.35部および水70部を開閉可能な
密閉容器に仕込み、窒素雰囲気下で液温を15℃とした
後、0.5%の過硫酸アンモニウム水溶液1部および0.5%
の亜硫酸水素ナトリウム水溶液1部を添加して重合させ
たところ発熱とともにゲル状となった。重合開始から5
時間後に密閉容器を開き、生成したゲル状含水架橋重合
体を取り出した。このゲルをで細断した後、150℃に加
熱されたドラムドライヤーで乾燥し、32〜145メッシュ
の粒度に粉砕して吸水性樹脂(a)を得た。
製造例2(吸水性樹脂の製造) 上記製造例1において、メタクリロイルオキシエチル
トリメチルアンモニウムクロライド23.5部およびアクリ
ル酸8部に代えてメタクリロイルオキシエチルジメチル
ベンジルアンモニウムクロライド23.5部およびアクリル
酸6.5部を使用し、かつトリメチロールプロパントリア
クリレートの量を0.24部とする以外は製造例1と同様の
方法で吸水性樹脂(b)を得た。
製造例3(吸水性樹脂の製造) メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモ
ニウムクロライド30部、N,N−メチレンビスアクリルア
ミド0.3部および水70部を開閉可能な密閉容器に仕込
み、窒素雰囲気下で液温を15℃とした後、0.5%の過硫
酸アンモニウム水溶液1部および0.5%の亜硫酸水素ナ
トリウム水溶液1部を添加して重合させたところ発熱と
ともにゲル状となった。重合開始から5時間後に密閉容
器を開き、生成したゲル状含水架橋重合体を取り出し
た。このゲルをで細断した後、150℃に加熱されたドラ
ムドライヤーで乾燥し、32〜145メッシュの粒度に粉砕
して吸水性樹脂(c)を得た。
実施例1 吸水紙(坪量:18g/m2)の上に製造例1で得た吸水性
樹脂(a)を30g/m2の割合で均一に散布した後もう1枚
の吸水紙(坪量:18g/m2)を重ね、エンボス加工してシ
ート状物(イ)を作製した。これを本発明の防止材とす
る。
実施例2 実施例1において、吸水性樹脂(a)とともにパルプ
を50g/m2併用する以外は全く同様にしてシート状物
(ロ)を作製した。これを本発明の防止材とする。
実施例3 実施例1において、吸水性樹脂(a)に代えて吸水性
樹脂(b)を使用する以外は全く同様にしてシート状物
(ハ)を作製した。これを本発明の防止材とする。
実施例4 実施例1において、吸水性樹脂(a)に代えて吸水性
樹脂(c)を使用する以外は全く同様にしてシート状物
(ニ)を作製した。これを本発明の防止材とする。
実施例5 実施例1において、2枚の吸水紙に代えて2枚の不織
布(坪量:35g/m2)を使用する以外は全く同様にしてシ
ート状物(ホ)を作製した。これを本発明の防止材とす
る。
実施例6〜10 水/セメント比56%、単位セメント量320kg/m3、骨材
量1800kg/m3の配合で調整したコンクリートを縦40×横1
0×高さ10cmの型枠内に打設し、10分後に実施例1〜5
のシート状物(イ)〜(ホ)を打設表面に敷いた。その
後10時間室内(温度:18〜23℃,湿度:60〜70%RH)に放
置して凝結させた後シート状物を取り除き、更に2日間
放置後コンクリート表面のレイタンス発生状態を観察し
た。観察後、コンクリート表面を水1リットルで水洗
し、洗液中および使用済シート状物中のカルシウム量を
原子吸光法により測定した。その結果を第1表に示し
た。
比較として、何も敷かない場合の結果を実施例11、実
施例1の吸水性樹脂(a)に代えて市販のアニオン性吸
水性樹脂「アクアキープ10SH」(製鉄化学工業(株)、
架橋ポリアクリル酸ナトリウム)を使用する以外は全く
同様にして作製したシート状物(ヘ)を敷いた場合の結
果を実施例12として第1表に併記した。
なお未使用の実施例1〜5のシート状物中のカルシウ
ム量はいずれも検出限界(0.1ppm)以下であった。
本発明のレイタンス発生防止材を敷かない実施例11お
よび市販のアニオン性吸水性樹脂を使用した実施例12の
場合、コンクリート表面にレイタンスが発生して白色化
しており、指でこすると白色のの粉末が指に付着したの
に対し、本発明にもとずくコンクリートの表面は灰色で
あり、表面を指でこすっても全く粉末は付着しなかっ
た。
また洗液中および使用済の実施例1〜5のシート状物
中のカルシウム量の測定結果より、レイタンス発生の主
原因であるカルシウムイオンのほとんどが本発明のレイ
タンス発生防止材に吸収・保持されていることは明かで
ある。
実施例13〜17 水/セメント比56%、単位セメント量320kg/m3、骨材
量1800kg/m3の配合で調整したコンクリートを予め実施
例1〜5のシート状物(イ)〜(ホ)を型枠内面に張り
付けた直径15cm×高さ30cmの円柱型枠内に打設し、10分
後に同じシート状物(イ)〜(ホ)を打設表面に敷い
た。その後1日間室外(温度:25〜30℃,湿度:60〜70%
RH)に保持して凝結させた後、型枠およびシート状物を
取り除き吸水ゲルの状態を観察した。さらに27日間室内
放置し、コンクリートの強度を経時的に測定した。その
結果を第2表に示した。
比較として、何も敷かない場合の結果を実施例18、実
施例1の吸水性樹脂(a)に代えて市販のアニオン性吸
水性樹脂「アクアキープ10SH」(製鉄化学工業(株)、
架橋ポリアクリル酸ナトリウム)を使用する以外は全く
同様にして作製したシート状物(ヘ)を敷いた場合の結
果を実施例19として第2表に併記した。
吸水ゲルの状態はシート状物内のゲル強度を指触判定
し、◎、○、△、×の四段階で評価した。コンクリート
強度はJIS A-1108にもとづいて測定した。
[発明の効果] 本発明のレイタンス発生防止材およびレイタンス発生
防止方法は次のような効果を奏する。
(1)レイタンスの発生を防止できるため、アルカリ性
粉塵により人間の健康を阻害するという心配が無い。
一般にコンクリートを打設すると、打設直後から凝固
完了までの間に、カルシウムやアルミニウム、ケイ素な
どの多価金属イオンを主成分とした粒子間に結合力を持
たない無機物質がブリージング水と共にコンクリート表
面に溶出し、これが乾燥してコンクリートの表面にアル
カリ性のレイタンスを堆積する。このレイタンスを放置
するとコンクリート表面から飛散し、人体に吸入されて
水分と接触すると強いアルカリ性を呈するため人間の健
康上極めて有害である。
本発明のレイタンス発生防止材およびレイタンス発生
防止方法によれば、シート状物に担持されている第四級
アンモニウム塩基を必須として有するカチオン性または
両性吸水性樹脂はレイタンスの生成原因である上記無機
物質を含有したブリージング水を高度に吸水・保持し、
かつ吸水後のゲール強度と吸水ゲルの安定性にも優れ
る。したがって凝固後に該防止材を取り外すと、コンク
リート表面にはレイタンスの堆積は認められない。以上
のことよりコンクリートを打設してもレイタンスの発生
が無いため、人間の健康を害するという心配が無い。
(2)コンクリートを打ち継いでも新・旧コンクリート
が容易に一体化する。
一般に表面のレイタンスを取り除かずにコンクリート
を打ち継ぐと、新・旧コンクリートが一体化せず、ひび
割れ・水漏れ・内部鉄筋の発錆等の原因となり、ひいて
は構造物の破壊を招くことすらある。したがって打ち継
ぎ工法の場合、人力でレイタンスを除去するいわゆるレ
イタンス処理が行われている。
本発明によればレイタンスの発生が無いため、上記の
ような人力によるレイタンス処理なしにコンクリートを
打ち継ぐことができ、且つ工期の短縮にもつながる。
(3)作業性に優れる。
従来のレイタンス除去の方法は人力で掻き取る方法で
あり、多大の労力と時間を要するとともに作業者の健康
を害するという問題点があった。しかるに本発明によれ
ば該防止材を敷くまたは張り付けるという簡単な作業で
レイタンスの発生を防止できる。
(4)コンクリートの凝結までの時間が短縮できる。
通常コンクリート打設時の作業性(ワーカビリティ)
を維持する目的から必要以上に水/セメント比を高めて
いるのが現状であり、その結果凝結までに余分な時間を
必要とした。しかるに本発明によれば、該防止材中の吸
水性樹脂がコンクリート中の余分な水分を吸収して水/
セメント比を適度に低下させるため凝結完了までの時間
が短縮される。
(5)コンクリートの強度が向上する。
上記のごとく水/セメント比を低下させることができ
るため、コンクリートの強度が向上する。
(6)吸水性樹脂の使用量が少量ですみ経済的である。
従来のアニオン性吸水性樹脂を使用したシート状物で
は、脱イオン水に対しては高い吸水力を示すものの、Mg
2+イオン、Ca2+イオン、Al3+イオン等を含有した多価電
解質溶液に対してはイオン架橋により不溶化が進行して
吸水力が極端に低下し、さらに吸水ゲルの日光や紫外線
に対する安定性にも劣ることから多量の吸水性樹脂を使
用する必要があった。しかるに本発明の第四級アンモニ
ウム塩基を必須として有する吸水性樹脂は多価電解質溶
液に対して特に高い吸水力を示し、かつ吸水ゲルの強度
および日光や紫外線に対する安定性に優れることから吸
水性樹脂の使用量が少量ですみ経済的である。
以上の効果を奏することから本発明のレイタンス発生
防止材および防止方法は、建設現場におけるコンクリー
トの打設;コンクリート舗装面;ボックスカルバートの
スラブ面;プレキャスト板、パイル、ブロックなどのコ
ンクリート製品の製造現場;コンクリートの打ち継ぎ作
業など、コンクリートの打設を必要とするあらゆる場面
に有効である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第四級アンモニウム塩基を必須として有す
    るカチオン性または両性吸水性樹脂を担持したシート状
    物からなるレイタンス発生防止材。
  2. 【請求項2】吸水性樹脂が第四級アンモニウム塩基を有
    するカチオン性ビニル単量体(A)、共重合性架橋剤
    (C)および必要により非イオン性水溶性ビニル単量体
    (D)を重合して得られるカチオン性吸水性樹脂または
    第四級アンモニウム塩基を有するカチオン性ビニル単量
    体(A)、カルボキシル基および/またはスルホン基を
    有するアニオン性ビニル単量体(B)、共重合性架橋剤
    (C)および必要により非イオン性水溶性ビニル単量体
    (D)を重合し、必要によりアルカリ金属化合物で中和
    して部分的にアルカリ金属塩基とした両性吸水性樹脂で
    ある特許請求の範囲第1項記載の防止材。
  3. 【請求項3】シート状物が該吸水性樹脂を2枚の水不溶
    性透水性基材で挟んだものである特許請求の範囲第1ま
    たは2項記載の防止材。
  4. 【請求項4】第四級アンモニウム塩基を必須として有す
    るカチオン性または両性吸水性樹脂を担持したシート状
    物からなるレイタンス発生防止材がコンクリート表面に
    接するように、コンクリートの打設前および/または打
    設後に該防止材を敷くことを特徴とするレイタンスの発
    生防止方法。
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