JP2611808B2 - 懸濁物質含有水の脱水材の再生方法 - Google Patents

懸濁物質含有水の脱水材の再生方法

Info

Publication number
JP2611808B2
JP2611808B2 JP63162272A JP16227288A JP2611808B2 JP 2611808 B2 JP2611808 B2 JP 2611808B2 JP 63162272 A JP63162272 A JP 63162272A JP 16227288 A JP16227288 A JP 16227288A JP 2611808 B2 JP2611808 B2 JP 2611808B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
resin
dewatering
voltage
suspended substance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63162272A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH029499A (ja
Inventor
奨 橋本
敬次 田中
健治 田中
隆 赤松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority to JP63162272A priority Critical patent/JP2611808B2/ja
Publication of JPH029499A publication Critical patent/JPH029499A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2611808B2 publication Critical patent/JP2611808B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
  • Treatment Of Sludge (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、懸濁物質含有水の脱水材の再生方法に関す
る。更に詳しくは、懸濁物質含有水の脱水に用いた吸水
した脱水材の電気応答性を利用した脱水材の再生方法に
関する。
[従来の技術] 従来、懸濁物質含有水の脱水方法としては、懸濁物質
含有廃水を、水分を透過するが懸濁物質を透過しない透
水層を介して吸水性樹脂と接触させて脱水し、次いで水
を吸収した吸水性樹脂を加熱乾燥により水分を蒸発させ
て再使用する方法、または水を吸収した該吸水性樹脂を
電解質溶液に浸漬して水分を吐き出させて再使用する方
法が提案されている(特開昭57−38906号公報)。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、上記の従来の脱水法では、水の吸収に
ついては問題はないが、水を吸収した吸水性樹脂を加熱
乾燥により水分を蒸発させて再使用する再に、(イ)加
熱乾燥のための多大のエネルギーと乾燥設備が必要であ
る、(ロ)乾燥に長時間を要する、(ハ)乾燥中に吸水
性樹脂の吸水能力が低下する等の問題点がある。また水
を吸収した該吸水性樹脂を電解質溶液に浸漬して水分を
吐き出させて再使用する方法では、(ニ)電解質溶液に
浸漬しても完全に放水させることができない、(ホ)放
水ゲル中に電解質が蓄積されて再吸水能力が低下する、
(ヘ)浸漬のための特別な設備が必要である等の問題点
がある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、懸濁物質含有水からの脱水能力に優
れ、吸水した脱水材からの放水が簡単であり、放水処理
した脱水材を再使用しても初期の吸水能力を発揮し、且
つ懸濁物質含有水から水分のみを連続的に繰り返し脱水
しうる方法を見い出すべく鋭意検討した結果、本発明に
到達した。
即ち本発明は、懸濁物質含有水の下記脱水工程で用い
た吸水した脱水材に、直流電圧を印加し、水を放出させ
る懸濁物質含有水の脱水材の再生方法。
脱水工程:懸濁物質含有水を、水分を透過するが懸濁物
質を透過しない透水層を介して下記電気応答性樹脂から
なる脱水材と接触させ、脱水材に水を吸収させる懸濁物
質含有水の脱水工程。
電気応答性樹脂:アニオン性基及び/又はカチオン性を
有する水不溶性の水膨潤性高分子電解質であり、吸水性
を有し、且つ吸水したものに直流電圧を印加すると収縮
して水を放出する性質を有する樹脂。
本発明において、透水層としては、懸濁物質含有水と
接触して水分を透過するが懸濁物質を透過しないもので
あればとくに限定されない。具体的にはろ過の際に用い
る固液分離用の多孔材やろ紙および半透膜などが挙げら
れる。
多孔材としては、例えば(イ)編物、織物(天然ある
いは合成繊維)および不織布、(ロ)ガラス繊維、
(ハ)有孔フィルムや有孔金属板、(ニ)金属製あるい
は樹脂製の網、(ホ)多孔体(素焼、セラミックスな
ど)、(ヘ)連続気泡発泡体(ウレタンフォームなど)
などが挙げられる。半透膜としては、セロハン膜、コロ
ジオン膜、ビニロン膜などが挙げられる。
これらの内で好ましいものは、固液分離性、耐久性、
コストなどの点から、織物(いわゆる濾布)、不織布お
よび金属製あるいは樹脂製の網あるいはこれらの組合せ
である。
透水層の厚さは、通常0.01〜10mmである。
本発明において電気応答性樹脂としては、(1)アニ
オン性基を有する水不溶性の水膨潤性高分子電解質、
(2)カチオン性基を有する水不溶性の水膨潤性高分子
電解質、(3)アニオン性基とカチオン性基の両方を有
する水不溶性の水膨潤性高分子電解質などが挙げられ
る。
好ましいものは、電気応答速度が速いという点で、ア
ニオン性基とカチオン性基の両方を有する(3)の水膨
潤性高分子電解質である。
(1)の例としては、カルボキシル基および/または
スルホン基などのアニオン性基を含有した高分子架橋体
が挙げられ、例えば、カルボキシル基および/またはス
ルホン基を有する吸水性樹脂が挙げられる。
この具体例としては、架橋ポリアクリル酸塩、自己架
橋したポリアクリル酸塩、イソブチレン−無水マレイン
酸塩共重合体架橋物、デンプン(またはセルロース)−
アクリル酸塩共重合体架橋物、デンプン(またはセルロ
ース)−アクリロニトリルグラフト重合体のケン化物、
酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケ
ン化物、架橋されたポリアクリルアミドの部分加水分解
物などが挙げられる。また、スルホン基を有するビニル
単量体および必要により非イオン性ビニル単量体との共
重合体架橋物、スルホン基を有するビニル単量体とカル
ボキシル基を有するビニル単量体および必要により非イ
オン性ビニル単量体との共重合体架橋物なども挙げられ
る。
カルボキシル基を有するビニル単量体としては、例え
ば、不飽和モノまたはポリカルボン酸[(メタ)アクリ
ル酸、クロトン酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン
酸、ケイ皮酸など]、それらの無水物[無水マレイン酸
など]およびこれらのアルカリ金属塩(ナトリウム塩、
カリウム塩、リチウム塩など)、アンモニウム塩および
アミン塩などが挙げられる。また、上記単量体の2種以
上の混合物も使用可能である。これらの内で好ましいも
のは、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸の
アルカリ金属塩である。
スルホン基を有するビニル単量体としては、例えば、
脂肪族または芳香族ビニルスルホン酸[ビニルスルホン
酸、(メタ)アリルスルホン酸、ビニルトルエンスルホ
ン酸、スチレンスルホン酸など]、(メタ)アクリルス
ルホン酸[(メタ)アクリル酸スルホエチル、(メタ)
アクリル酸スルホプロピルなど]、(メタ)アクリルア
ミドスルホン酸[2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸など]、およびこれらの塩(アルカリ金
属塩、アンモニウム塩、アミン塩など)および上記単量
体の2種以上の混合物などが挙げられる。これらの内で
好ましいものは、(メタ)アクリルスルホン酸、(メ
タ)アクリルアミドスルホン酸およびこれらのアルカリ
金属塩である。
必要により用いられる非イオン性ビニル単量体として
は、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸
のポリアルキレングリコールエステル、(メタ)アクリ
ルアミド、ビニルピロリドン、酢酸ビニル、イソブチレ
ン、アクリル酸アルキルエステル、およびこれらの2種
以上の混合物などが挙げられる。
アニオン性基を含有した高分子架橋体に占めるアニオ
ン性ビニル単量体の量は、通常50モル%以上、好ましく
は70モル%以上である。
上記の吸水性樹脂の製造に使用される架橋剤の種類お
よび量、架橋方法、重合方法については特に限定はな
く、通常の方法でよい。その製造法としては、例えば、
特公昭49−43395号、特開昭53−46389号、特公昭53−46
199号、特公昭55−19243号、特開昭56−36504号、特開
昭56−131608号、特開昭57−73007号、特開昭58−2312
号、特開昭58−71907号、特公昭58−25500号、特開昭59
−189103号、特開昭61−36309号公報に記載されてい
る。更に、放射線、電子線、紫外線などにより重合を開
始させる公知の製造法も可能である。
(2)の例としては、カチオン性基を含有した高分子
架橋体が挙げられる。具体的には、カチオン性ビニル単
量体の単独または共重合体架橋物、カチオン性ビニル単
量体および必要により前記の非イオン性ビニル単量体と
の共重合体架橋物などが挙げられる。
カチオン性基を含有した高分子架橋体に占めるカチオ
ン性ビニル単量体の量は、通常50モル%以上、好ましく
は70モル%以上である。
カチオン性ビニル単量体としては、カチオン性を示す
ものであればいずれでもよいが、好ましくは第四級アン
モニウム塩基を有する単量体である。
例えば、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレ
ートとアルキルハライドまたはジアルキル硫酸との反応
物[(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアン
モニウムクロライドまたはブロマイド、(メタ)アクリ
ロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチルサル
フェート、(メタ)アクリロイルオキシエチルジエチル
ベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイ
ルオキシベンジルトリメチルアンモニウムクロライドな
ど]、ジアルキルアミノヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレートとアルキルハライドまたはジアルキル硫酸と
の反応物[(メタ)アクリロイルオキシヒドロキシエチ
ルトリメチルアンモニウムクロライドまたはブロマイ
ド、(メタ)アクリロイルオキシヒドロキシエチルトリ
メチルアンモニウムメチルサルフェートなど]、ジアル
キルアモニアルキル(メタ)アクリルアミドとアルキル
ハライドまたはジアルキル硫酸との反応物[トリメチル
アミノエチル(メタ)アクリルアミドの塩化物または臭
化物、など]、ジアルキルアミノヒドロキシアルキル
(メタ)アクリルアミドとアルキラハライドまたはジア
ルキル硫酸との反応物[トリメチルアミノヒドロキシエ
チル(メタ)アクリルアミドの塩化物など]、N−アル
キルビニルピリジニウムハライド[N−メチル−2−ビ
ニルピリジニウムクロライドまたはブロマイド、N−メ
チル−4−ビニルピリジニウムクロライドなど]、トリ
アルキルアリルアンモニウムハライド[トリメチルアリ
ルアンモニウムクロライド、トリエチルアリルアンモニ
ウムクロライドなど]およびこれらの2種以上の混合物
が挙げられる。
上記重合体架橋物の製造に使用される架橋剤の種類お
よび量、架橋方法、重合方法などについては特に限定は
なく、前述の通常の方法でよい。
(3)の例としては、アニオン性基含有高分子架橋
体とカチオン性基含有高分子架橋体との混合物、アニ
オン性基とカチオン性基を有するグラフトあるいはブロ
ック重合体架橋物、アニオン性基とカチオン性基を有
するランダム共重合体架橋物などが挙げられる。これら
の内好ましいのは、電気応答速度が速いという点で、ア
ニオン性基とカチオン性基とが分離したセグメントで存
在している。およびの重合体架橋物である。特に好
ましいのは、である。
アニオン性基含有高分子架橋体とカチオン性基含有高
分子架橋体との混合物であるの電気応答性樹脂は、例
えば、次の1)〜3)のような方法で得ることができ
る。
1)単量体水溶液を水溶液重合して得られるアミオン
性、カチオン性それぞれの含水ゲル状架橋重合体を、ニ
ーダーあるいは万能混合機などにより混練し、次いで乾
燥・粉砕する方法。
2)アニオン性、カチオン性のそれぞれの乾燥された前
記高分子架橋体に、水を添加して得られるゲル状物を混
練し、あるいはそれぞれの高分子架橋体を混合した後に
水を加えて含水ゲル状物とし、1)と同様の方法で混練
・乾燥・粉砕する方法。
3)アニオン性、カチオン性のそれぞれの乾燥された前
記高分子架橋体を単に混合する方法。
アニオン性基含有高分子架橋体とカチオン性基含有高
分子架橋体の比は、それぞれの高分子架橋体中に存在す
るイオン性官能基数の比において、即ちアニオン性基と
カチオン性基のモル比において、通常10:90〜90:10、好
ましくは30:70〜70:30、特に好ましくは50:50である。
のアニオン性基とカチオン性基を有するグラフトあ
るいはブロック重合体架橋物、あるいはのアニオン性
基とカチオン性基を有するランダム共重合体架橋物とし
ては、アニオン性ビニル単量体とカチオン性ビニル単量
体および必要により非イオン性ビニル単量体を架橋剤の
存在下でグラフトあるいはブロックあるいはランダム共
重合した共重合体架橋物が挙げられる。
アニオン性ビニル単量体、カチオン性ビニル単量体お
よび必要により使用される非イオン性ビニル単量体は、
アニオン性基含有高分子架橋体およびカチオン性基含有
高分子架橋体の項で説明した単量体を用いることができ
る。
アニオン性ビニル単量体とカチオン性ビニル単量体の
比は、それぞれのイオン性官能基数の比において、即ち
アニオン性基とカチオン性基のモル比において、通常1
0:90〜90:10、好ましくは30:70〜70:30、特に好ましく
は50:50である。
上記重合体架橋物の製造に使用される架橋剤の種類お
よび量、架橋方法、重合方法などについては特に限定は
なく、前述の通常の方法でよい。
本発明において、電気応答性樹脂の吸水能力として
は、通常10ml/g以上、好ましくは50ml/g以上、さらに好
ましくは100〜1,000ml/gである。
電気応答性樹脂は通常、粉粒状で使用されるが、必ず
しもこれに限定されず、繊維状、シート状あるいは特定
形状に成形したものも使用できる。
本発明における電気応答性樹脂に、増量剤、充填剤と
して有機質の粉末または繊維[例えば、パルプ、オガク
ズ、合成樹脂繊維など];無機質粉末または繊維[例え
ばパーライト、シリカ粉末、ガラス繊維、ロックウール
など];非イオン性吸水性樹脂[例えば架橋ポリビニル
アルコール、架橋ポリエチレンオキシド、など]等を併
用してもよい。また、防腐剤、殺菌剤、界面活性剤、脱
臭剤、キレート化剤などを添加してもよく、この添加量
は通常使用されている量でよい。
本発明において、上記の電気応答性樹脂そのものを脱
水材として使用することができる。その他、(a)電気
応答性樹脂を透水層でサンドイッチ状に挟み込みシート
状にした形態、(b)透水層からなる袋に電気応答性樹
脂が入っている形態、(c)電気応答性樹脂とゴムおよ
び/または熱可塑性合成樹脂とを混練してシート状、板
状、チップ状、紐状あるいは特定形状に成形した形態、
(d)電気応答性樹脂を樹脂バインダーとともに、透水
性またはその他の基材にコーティングまたは接着した形
態のものなども脱水材として使用することができる。
本発明において懸濁物質含有水としては、下水し尿、
活性汚泥、上水用河川水、鉱工業その他各種産業の排水
(染色排水、紙・パルプ工業排水、皮革工業排水、有機
および無機化学工業排水、食品工業排水など)、砂・砂
利採取排水、土木建設現場からの排水、選鉱排水、干拓
地・泥沼地のヘドロなどの有機および/または無機の懸
濁物質含有排水が挙げられる。また、高分子凝集剤や無
機系凝集剤を用いて凝集処理した汚泥やスラッジ、フィ
ルタープレスや真空脱水機など機械を用いて脱水処理し
た汚泥やスラッジなども含まれる。
懸濁物質含有水の懸濁物質の濃度(SS分)は、懸濁物
質の種類、発生源、前処理の有無などにより種々変わる
ため特に限定されないが、通常0.1〜80%、好ましくは
1〜50%である。
本発明において脱水材は、水分を透過するが懸濁物質
を透過しない透水層を介して懸濁物質含有水と接触する
ため、水分のみを吸収するようにされている。
この脱水の方法は特に限定されず任意の方法をとりう
る。例えば、透水層の袋に入れた脱水材を懸濁物質含有
水中に投入し、吸水した後に脱水材を取り出す方法;前
記シート状の脱水材に透水層を介して懸濁物質含有水を
流延して接触させ、吸水した後に脱水材を分離する方
法;脱水材を透水層でサンドイッチ状に挟み込んでシー
ト状にしたものを懸濁物質含有水中に挿入し、吸水した
後に引き上げる方法、第1図に示した連続的に懸濁物質
含有水を脱水する装置において、ベルトコンベアーの透
水層側の表面に脱水材を存在させるか、あるいは電気応
答性樹脂とゴムおよび/または成形性樹脂とを混練・成
形したベルトコンベアーを使用する方法などが挙げられ
る。
本発明の脱水方法において、脱水材の使用量は、懸濁
物質含有水の種類、濃度(SS分)、電気応答性樹脂の種
類、脱水材中の電気応答性樹脂の量などにより種々変化
させることができるが、懸濁物質含有水中の水分の量に
対して脱水材中の電気応答性樹脂の量が、通常0.05%以
上、好ましくは0.1〜10重量%である。
懸濁物質含有水中の水分を吸収した脱水材は、電気印
加すなわち直流電圧を印加することにより、脱水材に吸
収された水を放水して再使用することができる。また電
圧を除去すると元の吸水力を復元する。これを繰り返す
ことにより、連続して懸濁物質含有水の脱水を行うこと
ができる。
電気印加の方法としては特に限定されず任意の方法を
とりうる。例えば、(1)水分を吸収した脱水材を二枚
の極板で挟み、必要により多少の圧力を加えて直流電圧
を印加する方法、(2)水分を吸収した脱水材が二枚の
通電性の透水層(有孔金属板、金属製の網など)でサン
ドイッチ状に挟み込まれている場合、電極端子を透水層
に接続して直流電圧を印加する方法などが挙げられる。
印加する直流電圧は、脱水材中のアニオン基および/
またはカチオン基の含有量、脱水材の吸水量、印加時間
などにより種々変化させることができるため特に限定は
なく、通常10〜500ボルト、好ましくは20〜300ボルトで
ある。
印加時間についても脱水材中のアニオン基および/ま
たはカチオン基の含有量、脱水材の吸水量、吸水ゲルの
厚み、印加電圧などにより種々変化させることができる
ため特に限定はなく、通常10秒〜60分、好ましくは30秒
〜30分である。
本発明の脱水方法を適用して、連続的に懸濁物質含有
水を脱水するに当り、その実施態様としては、水分を透
過するが懸濁物質を透過しない透水層を介して懸濁物質
含有水を電気応答性樹脂からなる脱水材と接触させる工
程[I]と、吸水した脱水材に直流電圧を印加して放水
させる工程[II]と、必要により脱水材に電解質を補充
する工程[III]、および放水処理された脱水材を再び
透水層を介して懸濁物質含有水と接触させる工程[IV]
とが連続的に繰り返されるのが好ましい。
上記の工程[III]において、必要により脱水材に補
充される電解質としては、電気応答性樹脂に含まれるイ
オン基の対イオンを形成する電解質であれば特に限定さ
れない。例えば、アルカリ金属塩化物(NaCl、KCl、LiC
l、KBrなど)、アルカリ金属炭酸塩(Na2CO3など)、ア
ルカリ金属水酸化物(NaOH、KOHなど)、アルカリ金属
硫酸塩(Na2SO4など)、アンモニウム化合物(NH4Cl、
酢酸アンモニウムなど)、無機酸(塩酸、硫酸、リン酸
など)、有機酸(酢酸、クエン酸など)およびこれらの
混合物または併用使用などが挙げられる。
補充される電解質の量としては、工程[II]の放水に
より消失した対イオン量に相当する量以下が好ましい。
第1図には、本発明の脱水方法を適用して、連続的に
懸濁物質含有水を脱水する装置の実施態様の一例を示し
たが、本発明の実施態様はこれに限定されるものではな
く、前記[I]から[IV]の工程が包含されておればよ
い。
[実施例] 以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明
はこれに限定されるものではない。以下において、部お
よび%は重量部および重量%を示す。
製造例1(電気応答性樹脂の製造) アクリル酸ナトリウム20部、N,N−メチレンビスアク
リルアミド0.1部および水80部を開閉可能な密閉容器に
仕込み、窒素雰囲気下で液温を15℃とした後、0.5%の
過硫酸アンモニウム水溶液1部および0.5%の亜硫酸水
素ナトリウム水溶液1部を添加して重合させたところ発
熱とともにゲル状となった。重合開始から5時間後に密
閉容器を開き、アニオン性ゲル状含水架橋重合体(1)
を得た。このゲルを細断した後、150℃に加熱されたド
ラムドライヤーで乾燥し、20〜100メッシュの粒度に粉
砕してアニオン性電気応答性樹脂(イ)を得た。この樹
脂の吸水能力は680g/gであった。
製造例2(電気応答性樹脂の製造) 製造例1において、アクリル酸ナトリウムに代えて、
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナ
トリウムを同量使用する以外は同様にして、アニオン性
ゲル状含水架橋重合体(2)を得た。また製造例1と同
様の操作で粉末状のアニオン性電気応答性樹脂(ロ)を
得た。このものの吸水能力は550g/gであった。
製造例3(電気応答性樹脂の製造) 製造例1において、アクリル酸ナトリウムに代えて、
アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロ
ライドを同量使用する以外は同様にして、カチオン性ゲ
ル状含水架橋重合体(3)を得た。また製造例1と同様
の操作で粉末状のカチオン性電気応答性樹脂(ハ)を得
た。このものの吸水能力は480g/gであった。
製造例4(電気応答性樹脂の製造) 製造例1で得たアニオン性ゲル状含水架橋重合体
(1)30部と製造例3で得たカチオン性ゲル状含水架橋
重合体(3)70部をニーダーで混練した後、150℃に加
熱されたドラムドライヤーで乾燥し、20〜100メッシュ
の粒度に粉砕して両性電気応答性樹脂(ニ)を得た。こ
のものの吸水能力は480g/gであった。
製造例5(電気応答性樹脂の製造) 製造例2で得たアニオン性ゲル状含水架橋重合体
(2)54部と製造例3で得たカチオン性ゲル状含水架橋
重合体(3)46部をニーダーで充分乾燥した後、150℃
に加熱されたドラムドライヤーで乾燥し、20〜100メッ
シュの粒度に粉砕して電気応答性樹脂(ホ)を得た。こ
のものの吸水能力は440g/gであった。
製造例6(電気応答性樹脂の製造) 製造例1で得たアニオン性電気応答性樹脂(イ)30部
および製造例3で得たカチオン性電気応答性樹脂(ハ)
70部をV型混合機で均一に混合して電気応答性樹脂
(ヘ)を得た。このものの吸水能力は510g/gであった。
実施例1 活性汚泥(SS分:3%)10Kgに対し、製造例1〜6で得
た電気応答性樹脂からなる脱水材50gを350メッシュのナ
イロン網で作った袋に入れ、排水中に投入した。排水全
体を約15分間ゆるく撹拌した後、水分を吸収した脱水材
の入った袋を取り出したところ、排水は固形状のスラッ
ジに変化していた。回収したスラッジの含水率を測定し
た結果を第1表に記載する。
水分を吸収した脱水材の入った袋を電極で挟み、加圧
しながら100ボルトの電圧を約20分間印加したところ水
分が放水され、脱水材は収縮した。電圧印加前の重量と
印加後の重量との比を求め、これを収縮率Iとして第1
表に記載した。
電圧印加により放水処理した脱水材に電解質を補充
し、再び新しい排水(SS分:3%)10Kgに投入し、上記と
同様の脱水操作と放水処理を行った。その都度新しい排
水10Kgを使用して、この一連の操作を更に3回繰り返し
た。脱水材を合計5回再使用した後の、回収スラッジの
含水率を測定した。この結果を第1表に記載する。
実施例2 製造例1〜6で得た電気応答性樹脂からなる脱水材を
50g/m2の割合で不織布上に均一に散布し、更にその上に
もう1枚の不織布を重ねてサンドイッチ状の脱水材を作
製した。この上に350メッシュの金網を重ねて、粘土質
を含む土木工業排水(SS分:7%)を流した。約10分後、
金網上には脱水された固形状のスラッジが堆積してお
り、金網を取り除くことにより簡単に回収された。回収
したスラッジの含水率を測定した結果を第2表に記載す
る。
水分を吸収した脱水材を電極で挟み、加圧しながら10
0ボルトの電圧を約15分間印加したところ水分が放水さ
れ、脱水材は収縮した。電圧印加前のゲルの厚さと印加
後の厚さとの比を求め、これを収縮率IIとして第2表に
記載した。
電圧印加により放水処理した脱水材に電解質を補充
し、金網を重ねて新しい排水(SS分:7%)を流して上記
と同様の脱水操作と放水処理を行った。その都度新しい
排水を使用して、この一連の操作を更に3回繰り返し
た。脱水材を合計5回再使用した後の、回収スラッジの
含水率を測定した。この結果を第2表に記載する。
実施例3 脱水材として製造例1、3、4で得た電気応答性樹脂
(イ)、(ハ)または(ニ)をそれぞれ第1図のベルト
コンベアー上に固着し、透水層に350メッシュのナイロ
ン網と金網とを併用した脱水装置に、前記の粘土質を含
む土木工業排水(SS分:7%)を連続的に流して連続脱水
試験を実施した。なお、放水処理工程では200ボルトの
直流電圧を印加した。また、補充電解質として塩化ナト
リウムを適量使用した。
脱水された懸濁物質スラッジの含水率を経時的に測定
し、その結果を脱水材のリサイクル回数と対応させて第
3表に記載した。
本発明の脱水方法は、懸濁物質含有水の連続脱水およ
び固液分離に極めて有効であった。
[発明の効果] 本発明の脱水方法は、次のような効果を奏する。
(1)懸濁物質含有水から水分のみを選択的に吸収する
ため、懸濁物質含有水を容易に固液分離することができ
る。
(2)吸水した脱水材を電気印加することにより放水処
理ができるため、操作が簡単であり、電解質溶液に浸漬
して脱水処理する方法や加熱乾燥による従来の方法のよ
うに特別な設備を必要としない。しかも放水処理した脱
水の再使用時には初期の吸水能力を復元する。
(3)上記(1)および(2)の操作を繰り返すことに
より、懸濁物質含有水の脱水を連続的に行うことができ
る。
(4)懸濁物質そのものには成分・組成などの変化が生
じないことから、脱水された懸濁物質の有効利用が可能
となる。
上記効果を奏することから本発明の脱水方法は、下水
し尿、活性汚泥、上水用河川水、鉱工業その他各種産業
の排水(染色排水、紙・パルプ工業排水、皮革工業排
水、有機および無機化学工業排水、食品工業排水な
ど)、砂・砂利採取排水、土木建設現場からの排水、選
鉱排水、干拓地・泥沼地のヘドロなどの有機および/ま
たは無機の懸濁物質含有排水などの脱水処理および固液
分離に有効である。さらに、高分子凝集剤や無機系凝集
剤を用いて凝集処理した汚泥やスラッジ、フィルタープ
レスや真空脱水機など機械を用いてあらかじめ脱水処理
した汚泥やスラッジなどの脱水処理にも適用できる。
また、固液分離された懸濁物質を、土壌、肥料、培
土、飼料、資材原料などに再利用する目的や、回収した
水を再利用する目的にも有効である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の脱水方法を適用して、連続的に懸濁
物質含有水を脱水する装置の実施態様の一例を示す概略
図である。図中、1は懸濁物質含有水、2は透水層、3
は脱水材あるいは電気応答性樹脂、4はベルトコンベア
ー、5は掻き取り装置、6は脱水された懸濁物質(スラ
ッジ)、7は電極、8は直流電源、9は電解質を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−38906(JP,A) 特開 昭56−31500(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】懸濁物質含有水の下記脱水工程で用いた吸
    水した脱水材に、直流電圧を印加し、水を放出させる懸
    濁物質含有水の脱水材の再生方法。 脱水工程:懸濁物質含有水を、水分を透過するが懸濁物
    質を透過しない透水層を介して下記電気応答性樹脂から
    なる脱水材と接触させ、脱水材に水を吸収させる懸濁物
    質含有水の脱水工程。 電気応答性樹脂:アニオン性基及び/又はカチオン性を
    有する水不溶性の水膨潤性高分子電解質であり、吸水性
    を有し、且つ吸水したものに直流電圧を印加すると収縮
    して水を放出する性質を有する樹脂。
  2. 【請求項2】吸水した脱水材に直流電圧を印加し、水を
    放出させた後、更に電解質を補充する請求項1記載の再
    生方法。
JP63162272A 1988-06-29 1988-06-29 懸濁物質含有水の脱水材の再生方法 Expired - Lifetime JP2611808B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63162272A JP2611808B2 (ja) 1988-06-29 1988-06-29 懸濁物質含有水の脱水材の再生方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63162272A JP2611808B2 (ja) 1988-06-29 1988-06-29 懸濁物質含有水の脱水材の再生方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH029499A JPH029499A (ja) 1990-01-12
JP2611808B2 true JP2611808B2 (ja) 1997-05-21

Family

ID=15751310

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63162272A Expired - Lifetime JP2611808B2 (ja) 1988-06-29 1988-06-29 懸濁物質含有水の脱水材の再生方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2611808B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101387455B1 (ko) * 2012-06-28 2014-04-21 한국에너지기술연구원 고효율 탈수를 위한 전처리 장치

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6293492B2 (ja) * 2014-01-16 2018-03-14 特定非営利活動法人広島循環型社会推進機構 使用済み高吸水性ポリマーを含有した紙おむつの脱水脱塩方法及びその装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5631500A (en) * 1979-08-23 1981-03-30 Mitsubishi Petrochem Co Ltd Dehydration of sludge like material
JPS5738906A (en) * 1980-08-19 1982-03-03 Sanyo Chem Ind Ltd Dehydrating material and dehydrating method

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101387455B1 (ko) * 2012-06-28 2014-04-21 한국에너지기술연구원 고효율 탈수를 위한 전처리 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JPH029499A (ja) 1990-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Po Water-absorbent polymers: a patent survey
CA2558038C (en) Sewage sludge dewatering process
US7749392B2 (en) Dewatering process
US20070187330A1 (en) Dewatering process
CN108358431A (zh) 一种污泥化学调理深度脱水方法
JP2003500530A (ja) 強化ネットワークポリマー/粘土アロイ複合体
US9550879B2 (en) Hydraulic barrier composition and method of making the same
US5518634A (en) Coagulant for twin belt filter presses
JP2611808B2 (ja) 懸濁物質含有水の脱水材の再生方法
WO2015006799A1 (en) Recovery of super absorbent polymers
CN108947199A (zh) 一种石膏基泥浆板框压滤的中性脱水剂及其应用
JPH029498A (ja) 懸濁物質含有水の脱水方法
EA026671B1 (ru) Способ производства модифицированного смектита или содержащего смектит материала, способного впитывать и высвобождать воду обратимым образом
JP2779887B2 (ja) 汚泥資源化システムにおける汚泥の脱水方法
Masuda et al. Dewatering of particulate materials utilizing highly water-absorptive polymer
JP2592631B2 (ja) レイタンス発生防止材および防止方法
JP2587808B2 (ja) 水の分離保持放出剤
JPH071000A (ja) 軟弱土の処理方法
JPH08309398A (ja) 汚泥の脱水方法
JPS6391198A (ja) 汚泥脱水方法
JP2001121193A (ja) 汚泥の再生方法
WO2017176591A1 (en) Hydraulic barrier composition and method of making the same
JPS5852000A (ja) 下水汚泥の脱水方法
JP2004082016A (ja) 高含水汚泥類の処理方法
CA1279436C (en) Process for preparing water-absorbing resins