JP3273745B2 - 表面外観と耐黒変性に優れたZn−Al系溶融めっき鋼 - Google Patents

表面外観と耐黒変性に優れたZn−Al系溶融めっき鋼

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面外観と耐黒変
性の改善されたZn−Al系溶融めっき鋼に関するもの
である。本発明のZn−Al系溶融めっき鋼には、板
状、棒状、管状など様々な形状のものが含まれるが、以
下の記載では、その代表例としてZn−Al系溶融めっ
き鋼板を中心に説明する。
【0002】
【従来の技術】Zn−Al系溶融めっき鋼板のなかでも
特にZn−5%Al溶融めっき鋼板は、優れた耐食性を
有する為、プレハブ住宅の構造部材や屋根壁材等、建材
用途を中心に広く使用されており、最近では、スチール
ハウス用構造部材にも適用され、その需要が更に拡大さ
れつつある。
【0003】しかしながら、Zn−5%Al溶融めっき
鋼板は耐食性に優れる反面、外観に関し、溶融Znめっ
きやZn−55%Alめっき、Alめっき、ステンレス
等の部材と比較すると、以下に示す幾つかの欠点を抱え
ている。
【0004】まず第1に、Zn−5%Al溶融めっき鋼
板は、溶融Znめっき鋼板に比べて不めっきが発生し易
い。不めっきは、ベアスポットとも呼ばれるめっき層の
表面欠陥であり、文字通り、めっき鋼板表面の一部分
(直径数mm〜数cm)がめっきされずに欠落して下地
の鋼板が露出したものである。
【0005】この様な不めっきが生じる原因は、溶融め
っきライン(CGL)にて、表面が清浄化された鋼板を
溶融浴(Zn−5%Al浴)中に浸漬する際、スナウト
内に浮遊しているドロスが鋼板表面に付着する結果、こ
の部分が溶融浴と濡れない為である。Zn−5%Al浴
は、通常のZn浴に比べてAlの酸化によるドロスが発
生し易いうえ、溶融浴と鋼板との濡れ性も悪いため、不
めっきが著しく生成し易くなる。
【0006】上記不めっきを防止する為に、溶融浴中に
ミッシュメタルを5ppm〜1.0%添加する方法が開
示されている(特公平1−24221号)。しかし、ミ
ッシュメタルは高価でコスト上昇を招く一方、その割に
は不めっきの防止効果は不充分で、実操業レベルにおい
ては依然として不めっきが発生してしまうという問題が
ある。
【0007】第2に、Zn−5%Al溶融めっき鋼板で
は、その表面に直径5mm〜2cm程度の亀甲模様が形
成される。この模様は、Zn−5%Al溶融めっきが鋼
板表面で凝固する際に生成する粒界(Zn−Al結晶
粒)からなるが、粒界は、凝固時に体積が収縮する為、
凹状になっている。そのため、めっき後に塗装を施した
としても亀甲模様となって浮き出てしまい、外観が低下
するのである。
【0008】この様な亀甲模様の生成を防止する為に
は、通常、めっき後の表面をスキンパス圧延することに
より亀甲模様を潰している。しかし、亀甲模様を構成す
る粒界凹みは相当深く、この模様を完全になくそうとす
ると圧延率を高める必要があるが、これでは、鋼板の伸
び等の機械的特性が低下してしまう。更に、圧延によっ
て表面の酸化皮膜層を潰し新生面を露出させると、その
表面が黒変し易くなり、後記する第3の外観不良を促進
することになる。
【0009】亀甲模様を防止する他の方法としては、め
っき層中にMgを0.01〜1.0重量%含有する方法
が挙げられる。これは、Mgの作用により、Zn−5%
Al溶融めっきが凝固する際に生成する結晶粒を球状化
且つ微細化し、粒界凹みを目立たなくしようというもの
である。しかし、Mgは酸化し易いため、Zn−5%A
l溶融めっき浴中へMgを添加するとドロスの発生が増
加し、不めっきの生成を促進してしまうことになる。
【0010】第3に、Zn−5%Al溶融めっき鋼板の
場合、製造後大気中に保管しておくだけで、その表面が
徐々に黒くなっていく所謂黒変現象が認められる。この
黒変化は、Zn−5%Al溶融めっき鋼板が空気中の水
分と酸素により腐食され、その表面に極く薄い酸化皮膜
が形成されることにより生じる。酸化皮膜の生成は、Z
n系めっき鋼板に共通して起こるが、Zn−5%Al溶
融めっきの場合は、生成する酸化皮膜が、Alの作用に
より酸素が不足した形態[ZnO1-x (0<x<1]に
なっており、この様な酸素の不足した酸化物は黒く見え
る為、Zn−5%Al溶融めっき鋼板は黒変化してしま
うのである。
【0011】一方、上記黒変化は、Zn−5%Al溶融
めっき鋼板に生成する緻密な酸化皮膜を除去すると発生
し易くなる。従って、前述の様に、亀甲模様の生成を防
止する為にめっき表面を圧延すると、その表面が更に黒
変してしまうのである。
【0012】また、この黒変化は、Zn−5%Al溶融
めっき鋼板の表面をクロメート処理し、防錆処理を施し
ても防止することはできず、クロメート処理を行うと、
むしろ黒変化が促進してしまう。これは、耐食性の良好
なクロメート皮膜は、酸素拡散に対するバリア効果が高
い為、クロメート皮膜の下に生成する酸化皮膜は、一層
酸素不足の傾向になり、その結果、益々黒く見える様に
なるからと考えられる。
【0013】その他、黒変化の防止対策として、めっき
後にNi塩やCo塩を鋼板表面に噴霧したり、或いは、
これらの塩類を含む溶液中にめっき鋼板を浸漬させるこ
とにより、めっき表面にNi層やCo層を形成させる方
法が知られている。しかし、この様な処理を行ったとし
ても黒変化は完全に防止できず、逆に耐食性に悪影響を
及ぼす様になる。
【0014】この様にZn−5%Al溶融めっき鋼板に
は、該鋼板に特有の不めっき、亀甲模様、黒変化といっ
た外観不良が見られ、これらの外観不良は、今後、Zn
−5%Al溶融めっき鋼板の使用を拡大するうえで大き
な障害となるものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に着
目してなされたものであって、その目的は、とりわけZ
n−5%Al溶融めっき鋼板に顕著に見られる不めっき
や亀甲模様の生成、及び黒変化を防止し、外観に優れた
鋼板を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明の表面外観と耐黒変性に優れたZn−Al系溶融め
っき鋼とは、鋼基材上にFe−Zn−Al系めっき層が
形成され、該めっき層中のFe含有量が1〜10重量%
であるところに要旨を有する。ここで、上記めっき層中
にAlを合計で3〜20重量%含有するものは、耐食性
に優れており、非常に有用である。更に、Mg:0.0
1〜1重量%及び/又はミッシュメタル:0.0005
〜1重量%を含有するものは、亀甲模様や不めっきの防
止効果が一層顕著になる。また、上記のZn−Al系溶
融めっき鋼にクロメート皮膜を施し、防錆効果を付与さ
せたものも本発明の範囲内に包含される。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上述したZn−5
%Al溶融めっき鋼板における不めっき、亀甲模様、黒
変化といった弊害を防止し、外観に優れた鋼板を提供す
べく鋭意検討した結果、連続溶融めっきの際、Fe−Z
n−Al系めっき層(以下、単にめっき層と略記する場
合がある)中に1〜10重量%のFeを含有させること
が上記弊害の発生防止に極めて有効であることを見出
し、本発明を完成したのである。
【0018】めっき層中には、通常、Fe2 Al5 等の
Fe−Al系金属間化合物やFeZn7 (通常δ1 相と
呼ばれるもの)等のFe−Zn系金属間化合物といった
Fe含有金属間化合物が存在し、Feと結合しない残り
のAlは、Znと共に共晶組織を形成している。この様
なFe含有金属間化合物を含む合金層は、従来の溶融Z
nめっき鋼板においても、厚さの程度の差こそあれ生成
されていたが、「これらの合金層はZn層に比べて脆
く、めっき密着性に劣る」という理由から、むしろ該合
金層の生成を抑制していた。本発明は、この様なFe含
有金属化合物が、Zn−5%Al溶融めっき鋼板におけ
る外観不良(不めっき、亀甲模様、黒変化)の改善に極
めて有効であることを初めて見出し、該化合物をめっき
層中に適切に形成させたところに最大の特徴を有するも
のである。
【0019】これらの化合物の形成によって溶融めっき
鋼板の外観不良が改善されるメカニズムについては、以
下の様に考えられる。まず、めっき層中には、最初にF
e−Al系金属間化合物やFe−Zn系金属間化合物が
生成するが、この化合物が、その後に生成されるZn−
Alめっき粒を微細化することにより、粒界凹みがなく
なり亀甲模様が形成されなくなると共に、上記金属間化
合物の作用により、黒変化の原因物質であるZnO1-x
(0<x<1,酸素不足の状態にある酸化亜鉛)の生成
が防止される結果、耐黒変性も改善されるものと考えら
れる。また、不めっきが改善される理由については、上
記Fe2 Al5 ,FeZn7 等の金属間化合物のうちめ
っき層と素地鋼板中間付近に生成される化合物が、めっ
き層と素地鋼板との濡れ性を改善するためと考えられ
る。
【0020】上記Fe含有金属間化合物による外観不良
改善作用を有効に発揮させる為には、めっき層中のFe
含有率を1〜10重量%に制御することが必要である。
この下限値を下回る場合は、これらの作用を有効に発揮
させることができない。好ましい下限値は3重量%であ
る。一方、上限値を超えると、硬くて脆い合金層がめっ
き層中に多量に生成する結果、加工の際にめっき層が剥
離し、めっき密着性が低下してしまう。好ましい上限値
は7重量%である。
【0021】また、適切なFe金属間化合物を形成させ
ることにより上述した外観不良を防止し、しかも、めっ
き鋼板に本来要求される耐食性を有効に発揮させる為に
は、Alの含有量を制御することが推奨される。めっき
層中のAl含有率は3重量%以上(より好ましくは4重
量%以上)、20重量%以下(より好ましくは15重量
%以下)に制御することが好ましい。この様な範囲に制
御することにより優れた耐食性を維持することができ
る。
【0022】尚、より優れた表面外観を得る為に、めっ
き層中には、更にMg:0.01〜1重量%及び/又は
ミッシュメタル:0.0005〜1重量%を含有させる
ことが推奨される。これらの元素は、夫々単独で使用し
ても上述した外観不良の全てを解決することはできない
が、所定量のFeと併存させることにより、前述した様
なMg添加による亀甲模様の防止、ミッシュメタル添加
による不めっきの防止を一層向上させることができる。
【0023】このうち、Mgは0.01〜1重量%に制
御することが好ましい。0.01重量%未満では亀甲模
様の防止効果が得られず、一方、Mgが1重量%を超え
ると、この効果が飽和すると共に、「酸化し易い」とい
うMgの性質の為、溶融浴表面のドロス量が増加し、ひ
いては不めっきの増加を促進し、めっき表面へのドロス
付着に伴う表面外観の劣化が一層顕著になる。より好ま
しい含有量は0.05〜0.2重量%である。
【0024】また、ミッシュメタルの含有量は0.00
05〜1重量%にすることが好ましい。0.0005重
量%未満では不めっきの防止効果が得られず、一方、1
重量%を超えると、「酸化し易い」というミッシュメタ
ルの性質の為、前記Mgの場合と同様、溶融浴表面のド
ロス量が増加し、ひいては不めっきの増加を促進し、め
っき表面へのドロス付着に伴う表面外観の劣化が一層顕
著になる。また、ミッシュメタルは、高価である為、多
量に添加するとコストアップを招く。より好ましい含有
量は0.01〜0.2重量%である。尚、ミッシュメタ
ルとは、セリウム族希土類元素の混合物であり、具体的
には、Ceを40〜50%,Laを20〜40%含有す
るものである。これらの元素は、夫々単独で使用しても
良いし、両方を併用させても良く、所望の表面外観が得
られる様適宜選択することができる。
【0025】この様な構成からなるZn−Al系溶融め
っき鋼板は、更に塗装して屋根や壁用の材料に使用した
り、或いは、無塗装のままでプレハブ住宅などの構造材
料にて使用することができる。このうち無塗装で使用す
る場合には、該鋼板にクロメート皮膜を形成させ、防錆
処理を施すことが推奨される。
【0026】このクロメート皮膜の厚みは、Cr付着量
に換算して1〜200mg/m2 の範囲に制御すること
が好ましい。Cr付着量が1mg/m2 未満では、耐食
性、詳細には、雨などに濡れた際、発生する白錆を有効
に防止することはできない。一方、200mg/m2
超えると耐食性が飽和するのみならず、多量のCr添加
により表面が黄褐色を呈し、また、水分と接触すると可
溶性の6価クロムの溶出量も増加する等の弊害が生じ
る。
【0027】更に本発明では、耐食性、塗装性、耐黒変
性の向上を目的として、上記クロメート皮膜中にSiO
2 ,Al23 等の酸化物微粒子;硫酸、リン酸、硝酸
等の鉱酸;Ni塩,Co塩等の塩類;各種樹脂などを含
有させても良い。上述した本発明のめっき鋼板を製造す
る方法については特に限定されず、例えば以下の方法を
単独で、または組合わせて採用することができる。
【0028】Zn−Al溶融浴の温度、及び/又は溶
融浴へ鋼板を浸漬する温度を、Zn−5%Al溶融めっ
き鋼板を製造する際に通常適用される温度よりも高目に
設定する方法。具体的には、Zn−Al溶融浴の温度は
500〜560℃、溶融浴への鋼板浸漬温度は500〜
580℃とすることが好ましい。この様な温度範囲に調
整することにより、溶融浴に鋼板を浸漬中に、所望のF
e−Al系及びFe−Zn系金属間化合物を鋼板表面に
生成させることができる。
【0029】溶融浴より鋼板を取り出し、得られため
っき鋼板を500〜700℃に再加熱することによりめ
っき層と鋼板表面を合金化する方法。 溶融浴中に所定量のFe−Al系合金微粉末及び/又
はFe−Zn系合金微粉末を加え、溶解する方法。
【0030】以下実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施するこ
とは全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0031】
【実施例】
実施例1 図1に示す溶融めっき実験装置を用い、厚さ0.8m
m,面積100×150mmの冷延鋼板をめっきするこ
とより、表1に示す種々の溶融めっき鋼板を作製した。
その際、めっき層中のAl,Mg,ミッシュメタルの含
有量は、溶融浴中におけるこれら元素の添加量を調整す
ることにより変化させた。また、めっき層中のFe含有
量は、下記〜の方法を併用する等して調整した。 浴温を520℃にし、浸漬時の板温を500〜600
℃で変化させる。 鋼板をめっき後、600℃で5〜120秒間加熱す
る。 めっき浴中にFe2 Al5 微粉末を添加する。 尚、めっき付着量は、100g/m2 と一定になる様に
制御した。
【0032】めっき後、一部の鋼板については、コロイ
ダルシリカを含有するクロメート浴中にてクロメート処
理した。尚、コロイダルシリカの含有量は、Crと同量
のSi量を含有する様に調整した。また、Cr付着量は
クロメート浴の濃度と塗布量により制御した。
【0033】これらの材料につき、下記測定項目を評価
した。 [表面外観]鋼板表面(100×150mm)の不めっ
きおよび亀甲模様を目視にて観察し、下記基準で評価し
た。 不めっき ◎:不めっきなし ○:直径5mm未満の不めっきが1カ所あり △:直径5mm未満の不めっきが複数個存在する ×:直径5mm以上の不めっきが存在する 亀甲模様 ◎:亀甲模様が認められない ○:平均径3mm未満の亀甲模様が認められる △:平均径3〜5mmの亀甲模様が認められる ×:平均径5mm以上の亀甲模様が認められる
【0034】[耐黒変性]各鋼板を、温度50℃、相対
湿度95%に設定した恒温恒湿試験機中に48時間設置
した前後の色調変化につき、色差計にてL値(明度)の
変化(ΔL)を測定した。ΔL<3の場合、黒変は目視
では認められず、ΔL:3〜10では目視にて黒変が僅
かに認識される。ΔL>10では、黒変は明瞭である。 [めっき密着性]各めっき鋼板を用いて180゜密着曲
げ試験を行い、凸部をテーピングしてセロファン粘着テ
ープへのめっき層の剥離状況を観察し、下記基準でめっ
き密着性を評価した。 ○:剥離が認められない △:剥離が僅かに認められる ×:剥離が著しい [耐食性]JIS Z 2371に準拠した塩水噴霧試験
を行い、赤錆(鋼素地からの錆)発生までの時間(h
r)を測定した。これらの結果を表1に併記する。
【0035】
【表1】
【0036】表の結果より以下の様に考察することがで
きる。No.1は、Feの含有量が本発明の範囲を下回る
比較例であるが、不めっき及び亀甲模様が現れ、黒変が
顕著であった。また、No.6は、Feの含有量が本発明
の範囲を超える比較例であるが、めっき密着性が低下し
た。No.11/No.16は、Alの含有量が本発明の好
ましい範囲を下回る/超える例であり、いずれも耐食性
が低下した。
【0037】これに対してNo.2〜5,7〜10,12
〜15は、本発明の要件を満足する実施例であり、不め
っきや亀甲模様は見られず表面外観が良好で、且つ耐黒
変性にも優れていた。更に、めっき密着性も良好であ
り、クロメート皮膜を施したものは耐食性にも優れてい
た。
【0038】また、No.17〜23は、Fe及びAlの
含有量を一定にし、Mgやミッシュメタルを添加した場
合の効果を調べたものである。No.18〜20は、Mg
の含有量を種々変化させて添加した例であるが、Mgを
添加しないNo.17に比べて耐黒変性効果に優れると共
に、亀甲模様も認められない。
【0039】No.21,22は、ミッシュメタルの含有
量を変化させて添加した例であるが、ミッシュメタルを
添加しないNo.17に比べ、不めっきの防止に一層有効
であることが分かった。No.23は、Mg及びミッシュ
メタルを両方添加した例であるが、不めっきや亀甲模様
の生成を一層顕著に防止すると共に、耐黒変性も一段と
向上させることができた。
【0040】
【発明の効果】本発明は上記の様に構成されているの
で、不めっきや亀甲模様の生成、及び黒変化を防止し、
外観に優れたZn−Al系溶融めっき鋼板を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に用いた溶融めっき実験装置の概略図で
ある。
【符号の説明】
1 熱電対 2 サンプル昇降装置 3 ガス入口 4 サンプル着脱扉 5 赤外線加熱ヒーター 6 ガスジェット冷却器 7 ゲートバルブ 8 水冷冷却板 9 ガスワイピング 10 ヒーター 11 サンプル 12 溶融めっき浴 13 るつぼ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 2/00 - 2/40

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼基材上にFe−Zn−Al系めっき層
    が形成され、該めっき層中のFe含有量が1〜10重量
    %であることを特徴とする表面外観と耐黒変性に優れた
    Zn−Al系溶融めっき鋼。
  2. 【請求項2】 前記めっき層中のAl含有量が3〜20
    重量%である請求項1に記載の溶融めっき鋼。
  3. 【請求項3】 更にMg:0.01〜1重量%及び/又
    はミッシュメタル:0.0005〜1重量%を含有する
    請求項1または2に記載の溶融めっき鋼。
  4. 【請求項4】 クロメート皮膜を有する請求項1〜3の
    いずれかに記載の溶融めっき鋼。
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