JP3269129B2 - 毛羽無し紡績糸 - Google Patents

毛羽無し紡績糸

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、結束紡績糸であって
特に実質的に毛羽がない毛羽無し紡績糸に関する。
【0002】紡績糸はその加撚機構によって種々の形態
のものができる。リング精紡機で加撚すると実撚紡績糸
といわれるように全体に撚りが入った紡績糸が得られ
る。空気ノズルで加撚すると結束紡績糸といわれるよう
に平行な芯ファイバの回りに全体の15〜20%程度の
巻き付きファイバが存在することによって加撚状態とな
った紡績糸が得られる。この種の紡績糸では実撚紡績糸
又は結束紡績糸に関係なく多量の毛羽が発生する。
【0003】次に結束糸を例にしてその加撚機構と毛羽
の発生状態を図6乃至図8により説明する。図6におい
て、円筒状のケンスKにコイル状に巻かれたスライバS
が、図示されないスライバガイドを経て上下互いに圧接
状態で積極駆動され、ドラフト装置を構成するバックロ
ーラ2、エプロン3を装着したミドルローラ4、及びフ
ロントローラ5の各ローラをそれぞれ通過することによ
って順次ドラフトされる。ところでフロントローラ5の
出口には、空気紡績ノズル7が糸道に沿って配置されて
いる。この空気紡績ノズル7は、図7に示すように二個
の第1ノズル9と第2ノズル10を直列に内蔵してお
り、逆方向の空気流AS,BSを糸Yに作用させる。そ
して図6に戻り、空気紡績ノズル7からの糸Yは、糸ガ
イド11を経て、デリベリローラ13によって所定速度
で引き出され、糸Yの弛みをとるスラックチューブ14
及び糸欠陥を検出するスラブキャッチャー15を経て、
フリクションローラ16で所定の給糸パッケージPに巻
き取られる。
【0004】この空気紡績ノズル7の第1ノズル9と第
2ノズル10による紡績過程は次のようにして行われ
る。通路内に導入されたスライバーSには旋回空気流B
Sによっ当該方向の仮撚が付与され、該仮撚がフロント
ローラ5によるニップ点まで伝搬する。
【0005】フロントローラ5からでてきたスライバー
Sはこの第2ノズル10による仮撚によって集束される
が、フロントローラ5と第1ノズル9間では第1ノズル
によってスライバーSが仮撚とは逆方向にバルーンして
おり、このバルーンによって、後端はまだフロントロー
ラ5に把持され、スライバーを構成するファイバ中にあ
るが、先端はフリーになったファイバ(オープンエンド
ファイバ)f1が生成する。このファイバf1はフロン
トローラ5と第1ノズル9間の仮撚と逆方向のバルーン
および第1ノズル9の空気流ASによって第2ノズル1
0による仮撚とは逆方向に芯繊維束f2に巻き付けられ
る。そして、このファイバf1は第2ノズル10を通過
して仮撚が解撚される過程で、挿入された仮撚とは逆方
向に充分な巻回数で芯繊維束f2にますます強く巻き付
き、いわゆる結束紡績糸Yを形成する。
【0006】この空気紡績ノズル7における第1ノズル
9と第2ノズル10の紡績過程で毛羽fが大量に発生す
る。このようにして加撚された結束紡績糸の状態を図8
により説明する。芯ファイバーは平行であるが、全体の
15〜20%に相当する表面はZ撚り方向で角度θの巻
き付きファイバーとなっている。図示のように、多くの
毛羽fが紡績糸の周囲に飛び出しており、10m当たり
の紡績糸において糸から横に0.5mm離れた位置で観
測される毛羽数は3000本前後の多数に達する。な
お、リング紡績機による実撚紡績糸でも毛羽は3000
本以上が普通である。
【0007】そこで従来、毛羽が実質的にない毛羽無し
紡績糸を得たい場合には、紡績工程の後に、毛羽焼き工
程を付加して紡績糸の毛羽を焼き切っていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、紡績工
程に毛羽焼き工程を付加するとなると、紡績機で得られ
た給糸パッケージを解舒してバーナ炉等に通し、再び給
糸パッケージを巻形成することになり、巻取回数が増え
る分だけ段取りが悪くなり、コストアップにもなるとい
う問題点を有していた。
【0009】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、紡績工程とは別の工程を付加することなく簡単
に得られる毛羽無し紡績糸を提供しようとするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明における毛羽無し紡績糸は、ファイバが芯繊
維束に巻き付けられた結束紡績糸にニップ部による仮撚
を施し、前記ニップ部による擦り又はスリップにより、
毛羽を糸表面に擦り付けるとともに、前記仮撚による撚
りの付加により、周囲の毛羽を巻き込んだり、表面に巻
き付け、糸表面に実質的に毛羽がないものである。こ
で、実質的に毛羽がないとは、10m当たりの糸におけ
る0.5mm離れた位置で観測される毛羽の総数が25
0以下のことをいう。
【0011】
【作用】結束紡績糸に仮撚ベルトなどのニップ部で仮撚
を施すと、追撚又は解撚のいずれの仮撚でも、糸固有の
撚りにさらに撚りが付加されると同時に、相対的に毛羽
が多く延びる方向に糸表面を擦ることになり、毛羽は擦
り付けられた状態で回って巻き込まれるか又は巻き付
く。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。図1は本発明の紡績糸を示す図であり、同図
(a)は同方向仮撚の場合、同図(b)逆方向仮撚の場
合を示す。また図2は仮撚装置の概念図、図3は追撚の
ための仮撚装置の要部斜視図、図4は解撚のための仮撚
装置の要部斜視図である。
【0013】まず図2〜図4により、仮撚装置による仮
撚を説明した後、この仮撚による毛羽無し紡績糸を説明
する。図2の概念図において、5はフロントローラ、9
は第1ノズル、10は第2ノズル、13はデリベリロー
ラ、14はスラックチューブである。仮撚装置20,2
0′はデリベリローラ13とスラックチューブ14との
間に設けられ、固有の撚りを有する糸に直ちに仮撚が施
される。仮撚装置20,20′はいずれも駆動ローラ2
2と仮撚ベルト23との間に適当な接圧が付与され、こ
れらのニップ点で仮撚するものである。仮撚装置20,
20′からデリベリローラ13までの上流の区間Lの糸
Yは一時的に加撚される仮撚状態であるが、仮撚装置2
0,20′から下流の糸Yは解撚状態である。すなわ
ち、デリベリローラ13に入る糸Yの撚りがZ撚りであ
れば、仮撚装置20,20′より出る糸YもZ撚りであ
る。
【0014】図2(a)では、仮撚ベルト23は右下が
りに配設され、区間Lの糸YはS撚り仮撚が施され、逆
方向の仮撚を受ける。この場合、仮撚装置20を出た糸
Yは空気紡績ノズル7を出た糸Yと同方向に解撚される
ので、これを追撚と呼ぶ。デリベリローラ13の周速を
S1、駆動ローラ22の周速をS2、仮撚ベルト23の
周速をS3とすると、S2及びS3の両方共に、S1よ
りも遅くすることが好ましい。例えば、S1>S2>S
3とする。しかし、S1=S3>S2でもよい。この追
撚の場合、区間Lの糸Yは緊張するため、緩める必要が
ある。図3は具体的な追撚用仮撚装置20の斜視図であ
る。デリベリローラ13の駆動軸17と平行な駆動軸2
1がスラックチューブ14の上に設けられる。この駆動
軸21に駆動ローラ22が嵌入され、駆動ローラ22に
対して斜めの仮撚ベルト23が接離自在に配設されてい
る。この仮撚ベルト23は従動プーリ24と駆動プーリ
25との間に巻き掛けられ、駆動プーリ25はベベルギ
ア等の変速手段を経てローラ26に連結されている。ロ
ーラ26は駆動軸21に嵌入されたフリクションローラ
27に当接して回転力を伝達される。なお、28は糸ガ
イドである。
【0015】図2(b)では、仮撚ベルト23は左下が
りに配設され、区間Lの糸YはZ撚りの仮撚が施され、
同方向の仮撚を受ける。この場合、仮撚装置20を出た
糸Yは空気紡績ノズル7を出た糸Yと逆方向に解撚され
るので、これを解撚と呼ぶ。デリベリローラ13の周速
をS1、駆動ローラ22の周速をS2、仮撚ベルト23
の周速をS3とすると、S2又はS3のいずれかを、S
1よりも速くすることが好ましい。例えば、S1=S
2,S2<S3又はS1<S2,S2<S3とする。こ
の解撚の場合、区間Lの糸Yは緩むため、引っ張る必要
がある。図4は具体的な解撚用仮撚装置の斜視図であ
る。図3の仮撚装置20と異なる点は、仮撚装置が左右
勝手反対となっている点であり、他は同様であるので、
同じ符号を付してその説明を省略する。
【0016】図2(a)の追撚又は図2(b)の解撚の
いずれでも、区間Lの糸Yは撚りが加算又は減算され
る。そして仮撚ベルト23を出ると加算又は減算された
撚りが戻ろうとするので、この過程で糸Yを構成するフ
ァイバの旋回が起こり、巻き付きファイバが短時間の間
に複雑に動き、周囲の毛羽を巻き込んだり、表面に巻き
付いたりする。さらに、駆動ローラ22と仮撚ベルト2
3のニップ部において、糸Yは擦り又はスリップの作用
を受ける。そのため、単に先端が浮いた状態の毛羽は撚
りに基づく回転力だけでは、簡単に糸表面に巻き込まれ
ない場合もあるが、浮いた状態の毛羽がニップ部で相対
的に毛羽が多く延びる方向に糸表面を擦り付けられたり
するため、浮いた状態の毛羽も簡単に巻き込まれてしま
うか、又は巻き付く。
【0017】つぎに、追撚又は解撚された糸の状態を図
1で説明する。図1(a)は追撚すなわち同方向仮撚を
受けた糸であり、毛羽fは周囲の巻き付きファイバに巻
き込まれている。追撚の影響を受けて、芯ファイバーは
全体的にZ撚りが残った状態となっており、周囲の巻き
付きファイバの巻き付き角度θは全体的に図8のものに
比較して小さくなっている。また糸の太さも図6のもの
に比較して約0.9倍に細くなっている。そのため糸の
直線度と強度が改善される。
【0018】図1(b)は解撚すなわち逆方向仮撚を受
けた糸であり、毛羽fは周囲の巻き付きファイバに巻き
込まれている。解撚では芯ファイバは平行なままである
が、巻き付きファイバの平均的な巻き付き角度θは大き
くなっている。また巻き付きファイバは元の撚り方向に
巻き付いたものもあるが、a部の如く直角巻きになった
ものが多く見られ、b部のように逆巻きになったものも
ある。そのため、糸の太さは図6のものと同程度である
が、毛羽fの巻き込み及び巻き付きは図1(a)より多
く、毛羽fはより少なくなっている。
【0019】つぎに具体的実験例により毛羽の程度を説
明する。コーマ綿100%でNe30の糸を紡績速度約
173m/minで加工し、図3の仮撚装置で追撚を施
し、仮撚ベルトの周速を変えた場合の毛羽数を図5に示
す。この毛羽数は10m当たりの糸における0.5mm
離れた位置で観測される毛羽の総数である。図示のよう
に仮撚スピード155〜183m/minの範囲で毛羽
数が250以下となっている。仮撚ベルトの周速が早く
なると毛羽も少なくなる傾向にあるが、仮撚を施したこ
とで毛羽は著しく減少し実質的に毛羽無しになってい
る。すなわち仮撚無しの同じ条件で加工した紡績糸の毛
羽数は3006本であり、仮撚を施すと十分の一以下の
毛羽数であって実質的に毛羽無しの状態となる。なお、
上記の結束紡績糸で仮撚を施さない場合の毛羽数が30
06本であり、リング精紡機の実撚紡績糸で仮撚を施さ
ない場合も毛羽数は3625本であるため、これと比
較しても本実施例の毛羽数250以下の紡績糸は実質的
に毛羽無しの状態である。
【0020】
【0021】
【発明の効果】本発明の毛羽無し紡績糸は、結束紡績糸
にニップ部による仮撚が施されることにより、相対的に
毛羽が多く延びる方向に糸表面を擦るとともに同時に撚
りを与えることにより、毛羽は擦り付けられた状態で回
って巻き込まれるか又は巻き付き、実質的に毛羽なしに
なるので、別工程で毛羽焼きを施すことなく紡績工程の
途中で毛羽無し紡績糸となり、安価な毛羽無し紡績糸を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紡績糸を示す図である。
【図2】仮撚装置の概念図である。
【図3】追撚のための仮撚装置の要部斜視図である
【図4】解撚のための仮撚装置の要部斜視図である。
【図5】仮撚ベルトの周速と毛羽数の関係を示すグラフ
図である。
【図6】空気紡績ノズルを用いた紡績機の斜視図であ
る。
【図7】空気紡績ノズルの作動図である。
【図8】従来の紡績糸を示す図である。
【符号の説明】 20,20′ 仮撚装置 22 駆動ローラ 23 仮撚ベルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 1/00 - 3/48 D01H 1/11 - 1/115

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ファイバが芯繊維束に巻き付けられた結
    束紡績糸にニップ部による仮撚を施し、前記ニップ部に
    よる擦り又はスリップにより、毛羽を糸表面に擦り付け
    るとともに、前記仮撚による撚りの付加により、周囲の
    毛羽を巻き込んだり、表面に巻き付け、10m当たりの
    糸における0.5mm離れた位置で観測される毛羽の総
    数が250以下であって、糸表面に実質的に毛羽がない
    毛羽無し紡績糸。
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