JPH05214617A - 紡績糸の毛羽発生防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空気紡績装置により得られる紡績糸の毛羽を
減少し品質の良い紡績糸を得ることのできる、紡績糸の
毛羽発生防止装置を得ることを目的とする。 【構成】 仮撚装置と、その下流側に位置する送り出し
ローラとの間の糸道に、糸の走行方向に糸の走行速度よ
りも速く回転する回転体を糸に接触させて設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、空気紡績装置によっ
て得られる紡績糸の毛羽の発生防止装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の紡績装置は、ケンスから供給され
たスライバをドラフトするドラフト装置と、該ドラフト
装置によりドラフトされたスライバに撚を加える空気紡
績ノズル（仮撚装置）及び形成された糸を送り出すニッ
プローラとデリベリローラとからなる送り出しローラ
と、送り出された糸を巻き取る巻取装置とからなり、紡
績糸は空気紡績ノズルと送り出しローラとの間で形成さ
れた後、巻取装置に巻き取られる。このようにして得ら
れる従来の紡績糸の表面には多くの毛羽が形成され、製
品の品質にすくなからぬ影響を与えていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、空気紡績
装置により得られる紡績糸の毛羽を減少し品質の良い紡
績糸を得ることのできる、紡績糸の毛羽発生防止装置を
得ることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】仮撚装置と、その下流側
に位置する送り出しローラとの間の糸道に、糸の走行方
向に糸の走行速度よりも速く回転する回転体を糸に接触
させて設けた。

【０００５】

【作用】糸表面に発生している毛羽を芯糸上に巻き付け
て毛羽を減少する。

【０００６】

【実施例】以下、図面と共にこの発明の実施例を説明す
る。

【０００７】本発明の毛羽発生防止装置が設けられる紡
績装置は、図１に示すように、バックローラ対１ａ，サ
ードローラ対１ｂ，エプロンバンドを装架したセカンド
ローラ対１ｃ，及びフロントローラ対１ｄからなるドラ
フト装置１と、ドラフト装置１によりドラフトされたス
ライバＳに撚を加える空気紡績ノズル２及び形成された
糸Ｙを送り出すニップローラ３ａとデリベリローラ３ｂ
とからなる送り出しローラ３と、送り出された糸Ｙを巻
き取る巻取装置４とからなり、５はサクションパイプ６
を備えたダストコレクタ、７はスラックチューブ、８は
スラブキャッチャ、９は巻取装置４のトラバース装置を
示している。

【０００８】空気紡績ノズル２は、互いに逆方向の旋回
流を糸に作用させる第１ノズル及び第２ノズルから構成
されている。この空気紡績ノズル２を出た糸は、図４に
示すように略平行に揃えられた芯繊維（芯糸）13と該芯
繊維13に螺旋状に巻き付いた巻付繊維13ａとで基本構成
されている。12は毛羽である。

【０００９】然して本発明においては、図１に示すよう
に、前記空気紡績ノズル２とその下流側に位置する送り
出しローラ３との間の糸道に、糸Ｙの走行方向に糸Ｙの
走行速度よりも速い速度で積極回転するローラ10を設け
たものであって、該ローラ10は図２に示すように、周面
10ａがＵ字状又はＶ字状の凹面をなしており、図示を省
略した駆動装置により軸11を回転軸として糸Ｙの走行速
度より速い速度で糸Ｙと接触し積極回転する。

【００１０】今、紡出されつつある糸Ｙは、空気紡績ノ
ズル２と送り出しローラ３との間でバルーンしながら
（解撚されながら）走行するが、走行途中において該糸
Ｙの走行速度で回転するローラ10と接触し、その結果、
糸Ｙ上の毛羽12は逆回転のバルーンの作用を受け、芯糸
13に巻き付き、毛羽のない糸Ｙを形成するのである。即
ち、バルーンしている糸Ｙがローラ10の周面10ａと接す
ることにより、芯糸13は回転し、毛羽12は回転が止めら
れて、この結果、毛羽12が、ローラ10の回転が糸速より
も速いことにより、糸走行方向に沿って巻付繊維13ａと
同じ巻回方向に芯糸13に巻き付くようになる。

【００１１】なお、本発明において使用されるローラ10
の周面は、Ｕ字状又はＶ字状の凹面をなしていると説明
したが、実験の結果、平面よりも凹面のほうが好まし
く、さらにＵ字状よりはＶ字状であるほうが好ましく、
又、該凹面における糸Ｙとの摩擦係数は、毛羽を巻き付
かせるため、糸Ｙのバルーンを阻止しない限り高いほう
が良いことが確認された。また、空気紡績ノズルの代わ
りに他の公知の仮撚装置を用いてもよい。勿論、ローラ
周面は平面であってもよい。また、ローラの代わりに無
端ベルト，円盤等を用いてもよい。

【００１２】

【発明の効果】以上詳細に述べた通り、この発明の毛羽
発生防止装置は、仮撚装置と、その下流側に位置する送
り出しローラとの間の糸道に、糸の走行方向に糸の走行
速度よりも速く回転する回転体を糸に接触させて設けた
ものであるから、空気紡績ノズルと送り出しローラとの
間をバルーンしながら走行しつつある糸はその間に介置
され、前記走行速度よりも速い速度で回転するローラと
接触し、糸Ｙ上の毛羽を容易に芯糸上に巻き付かせて、
毛羽のない品質のすぐれた紡績糸を得ることができた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明装置を備えた紡績装置の斜視図である。

【図２】本発明装置の拡大斜視図である。

【図３】ローラと糸の接触状態を示す部分断面図であ
る。

【図４】空気紡績ノズルを出た糸の正面図である。

【符号の説明】 Ｙ 糸 ２ 空気紡績ノズル ３ 送り出しローラ 10 ローラ 11 軸 12 毛羽 13 芯糸

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 仮撚装置と、その下流側に位置する送り
   出しローラとの間の糸道に、糸の走行方向に糸の走行速
   度よりも速く回転する回転体を糸に接触させて設けたこ
   とを特徴とする紡績糸の毛羽発生防止装置。