JPH06123017A - 紡績糸の加工方法及び加工装置 - Google Patents
紡績糸の加工方法及び加工装置Info
- Publication number
- JPH06123017A JPH06123017A JP29785992A JP29785992A JPH06123017A JP H06123017 A JPH06123017 A JP H06123017A JP 29785992 A JP29785992 A JP 29785992A JP 29785992 A JP29785992 A JP 29785992A JP H06123017 A JPH06123017 A JP H06123017A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- yarn
- spun yarn
- twist
- false
- fluff
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Spinning Or Twisting Of Yarns (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 紡績の連続工程の中で効率的に毛羽を解消で
きる紡績糸の加工方法を提供する。 【構成】 紡績後の糸Yをデリベリローラ13で送りな
がら、駆動ローラ22とこれと傾斜する方向の仮撚ベル
ト23とによるニップ部材で糸Yの撚りと同方向の仮撚
を施し、ニップ部材22,23の上流側の糸Yに比率α
の縮み生じさせ、糸速度に対するニップ部材22,23
の送り速度の比を(1−α)を越えるようにした紡績糸
の加工方法である。
きる紡績糸の加工方法を提供する。 【構成】 紡績後の糸Yをデリベリローラ13で送りな
がら、駆動ローラ22とこれと傾斜する方向の仮撚ベル
ト23とによるニップ部材で糸Yの撚りと同方向の仮撚
を施し、ニップ部材22,23の上流側の糸Yに比率α
の縮み生じさせ、糸速度に対するニップ部材22,23
の送り速度の比を(1−α)を越えるようにした紡績糸
の加工方法である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は実撚紡績糸や結束紡績糸
等の紡績糸の加工方法及び加工装置に関し、特に実質的
に毛羽がない毛羽無し紡績糸を効率的に生産するものに
関する。
等の紡績糸の加工方法及び加工装置に関し、特に実質的
に毛羽がない毛羽無し紡績糸を効率的に生産するものに
関する。
【0002】紡績糸はその加撚機構によって種々の形態
のものができる。リング紡績装置で加撚すると実撚紡績
糸といわれるように全体に撚りが入った紡績糸が得られ
る。空気ノズルで加撚すると結束紡績糸といわれるよう
に平行な芯ファイバの回りに全体の15〜20%程度の
巻き付きファイバが存在することによって加撚状態とな
った紡績糸が得られる。この種の紡績糸では実撚紡績糸
又は結束紡績糸に関係なく多量の毛羽が発生する。
のものができる。リング紡績装置で加撚すると実撚紡績
糸といわれるように全体に撚りが入った紡績糸が得られ
る。空気ノズルで加撚すると結束紡績糸といわれるよう
に平行な芯ファイバの回りに全体の15〜20%程度の
巻き付きファイバが存在することによって加撚状態とな
った紡績糸が得られる。この種の紡績糸では実撚紡績糸
又は結束紡績糸に関係なく多量の毛羽が発生する。
【0003】次に結束糸を例にしてその加撚機構と毛羽
の発生状態を図6〜図8により説明する。図6におい
て、円筒状のケンスKにコイル状に巻かれたスライバS
が、図示されないスライバガイドを経て上下互いに圧接
状態で積極駆動されドラフト装置を構成するバックロー
ラ2、エプロン3を装着したミドルローラ4、及びフロ
ントローラ5の各ローラをそれぞれ通過することによっ
て順次ドラフトされる。ところでフロントローラ5の出
口には、空気紡績ノズル7が糸道に沿って配置されてい
る。この空気紡績ノズル7は、図7に示すように二個の
第1ノズル9と第2ノズル10を直列に内蔵しており、
逆方向の空気流AS,BSを糸Yに作用させる。そして
図6に戻り、空気紡績ノズル7からの糸Yは、糸ガイド
11を経て、デリベリローラ13によって所定速度で引
き出され、糸Yの弛みをとるスラックチューブ14及び
糸欠陥を検出するスラブキャッチャー15を経て、巻取
装置のフリクションローラ16で所定の給糸パッケージ
Pに巻き取られる。
の発生状態を図6〜図8により説明する。図6におい
て、円筒状のケンスKにコイル状に巻かれたスライバS
が、図示されないスライバガイドを経て上下互いに圧接
状態で積極駆動されドラフト装置を構成するバックロー
ラ2、エプロン3を装着したミドルローラ4、及びフロ
ントローラ5の各ローラをそれぞれ通過することによっ
て順次ドラフトされる。ところでフロントローラ5の出
口には、空気紡績ノズル7が糸道に沿って配置されてい
る。この空気紡績ノズル7は、図7に示すように二個の
第1ノズル9と第2ノズル10を直列に内蔵しており、
逆方向の空気流AS,BSを糸Yに作用させる。そして
図6に戻り、空気紡績ノズル7からの糸Yは、糸ガイド
11を経て、デリベリローラ13によって所定速度で引
き出され、糸Yの弛みをとるスラックチューブ14及び
糸欠陥を検出するスラブキャッチャー15を経て、巻取
装置のフリクションローラ16で所定の給糸パッケージ
Pに巻き取られる。
【0004】この空気紡績ノズル7の第1ノズル9と第
2ノズル10による紡績過程は次のようにして行われ
る。通路内に導入されたスライバーSには旋回空気流B
Sによっ当該方向の仮撚が付与され、該仮撚がフロント
ローラ5によるニップ点まで伝搬する。
2ノズル10による紡績過程は次のようにして行われ
る。通路内に導入されたスライバーSには旋回空気流B
Sによっ当該方向の仮撚が付与され、該仮撚がフロント
ローラ5によるニップ点まで伝搬する。
【0005】フロントローラ5からでてきたスライバー
Sはこの第2ノズル10による仮撚によって集束される
が、フロントローラ5と第1ノズル9間では第1ノズル
によってスライバーSが仮撚とは逆方向にバルーンして
おり、このバルーンによって、後端はまだフロントロー
ラ5に把持され、スライバーを構成するファイバ中にあ
るが、先端はフリーになったファイバ(オープンエンド
ファイバ)f1が生成する。このファイバf1はフロン
トローラ5と第1ノズル9間の仮撚と逆方向のバルーン
および第1ノズル9の空気流ASによって第2ノズル1
0による仮撚とは逆方向に芯繊維束f2に巻き付けられ
る。そして、このファイバf1は第2ノズル10を通過
して仮撚が解撚される過程で、挿入された仮撚とは逆方
向に充分な巻回数で芯繊維束f2にますます強く巻き付
き、いわゆる結束紡績糸Yを形成する。
Sはこの第2ノズル10による仮撚によって集束される
が、フロントローラ5と第1ノズル9間では第1ノズル
によってスライバーSが仮撚とは逆方向にバルーンして
おり、このバルーンによって、後端はまだフロントロー
ラ5に把持され、スライバーを構成するファイバ中にあ
るが、先端はフリーになったファイバ(オープンエンド
ファイバ)f1が生成する。このファイバf1はフロン
トローラ5と第1ノズル9間の仮撚と逆方向のバルーン
および第1ノズル9の空気流ASによって第2ノズル1
0による仮撚とは逆方向に芯繊維束f2に巻き付けられ
る。そして、このファイバf1は第2ノズル10を通過
して仮撚が解撚される過程で、挿入された仮撚とは逆方
向に充分な巻回数で芯繊維束f2にますます強く巻き付
き、いわゆる結束紡績糸Yを形成する。
【0006】この空気紡績ノズル7における第1ノズル
9と第2ノズル10の紡績過程で毛羽fが大量に発生す
る。このようにして加撚された結束紡績糸の状態を図8
により説明する。芯ファイバーは平行であるが、全体の
15〜20%に相当する表面はZ撚り方向で角度θの巻
き付きファイバーとなっている。図示のように、多くの
毛羽fが紡績糸の周囲に飛び出しており、10m当たり
の紡績糸において糸から横に0.5mm離れた位置で観
測される毛羽数は3000本前後の多数に達する。そし
て、この毛羽fの延びる方向は一見ランダムであるが、
よく見ると糸の走行方向に向かって延びている。なお、
リング紡績装置による実撚紡績糸でも毛羽は3000本
以上が普通である。
9と第2ノズル10の紡績過程で毛羽fが大量に発生す
る。このようにして加撚された結束紡績糸の状態を図8
により説明する。芯ファイバーは平行であるが、全体の
15〜20%に相当する表面はZ撚り方向で角度θの巻
き付きファイバーとなっている。図示のように、多くの
毛羽fが紡績糸の周囲に飛び出しており、10m当たり
の紡績糸において糸から横に0.5mm離れた位置で観
測される毛羽数は3000本前後の多数に達する。そし
て、この毛羽fの延びる方向は一見ランダムであるが、
よく見ると糸の走行方向に向かって延びている。なお、
リング紡績装置による実撚紡績糸でも毛羽は3000本
以上が普通である。
【0007】そこで従来、毛羽が実質的にない毛羽無し
紡績糸を得たい場合には、紡績工程の後に、毛羽焼き工
程を付加して紡績糸の毛羽を焼き切っていた。
紡績糸を得たい場合には、紡績工程の後に、毛羽焼き工
程を付加して紡績糸の毛羽を焼き切っていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、紡績工
程に毛羽焼き工程を付加するとなると、紡績装置で得ら
れた給糸パッケージを解舒してバーナ炉等に通し、再び
給糸パッケージを巻形成することになり、巻取回数が増
える分だけ段取りが悪くなり、コストアップにもなると
いう問題点を有していた。
程に毛羽焼き工程を付加するとなると、紡績装置で得ら
れた給糸パッケージを解舒してバーナ炉等に通し、再び
給糸パッケージを巻形成することになり、巻取回数が増
える分だけ段取りが悪くなり、コストアップにもなると
いう問題点を有していた。
【0009】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、紡績の連続工程の中で効率的に毛羽を解消でき
る紡績糸の加工方法及び加工装置を提供しようとするも
のである。
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、紡績の連続工程の中で効率的に毛羽を解消でき
る紡績糸の加工方法及び加工装置を提供しようとするも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明における紡績糸の加工方法は、紡績後の糸を
送りながらニップ部材によって糸の撚りと同方向の仮撚
を施し、ニップ部材の上流側の糸に比率αの縮み生じさ
せ、糸速に対するニップ部材送り速度の比を(1−α)
を越えるようにした方法である。また、本発明における
紡績糸の加工装置は、紡績糸を送る手段と、紡績糸に仮
撚を施すニップ部材とを備え、該ニップ部材を、糸の撚
りと同方向の仮撚を施す方向に駆動するとともに、糸速
に対するニップ部材送り速度の比が(1−α)を越える
ように駆動する装置である。
に、本発明における紡績糸の加工方法は、紡績後の糸を
送りながらニップ部材によって糸の撚りと同方向の仮撚
を施し、ニップ部材の上流側の糸に比率αの縮み生じさ
せ、糸速に対するニップ部材送り速度の比を(1−α)
を越えるようにした方法である。また、本発明における
紡績糸の加工装置は、紡績糸を送る手段と、紡績糸に仮
撚を施すニップ部材とを備え、該ニップ部材を、糸の撚
りと同方向の仮撚を施す方向に駆動するとともに、糸速
に対するニップ部材送り速度の比が(1−α)を越える
ように駆動する装置である。
【0011】
【作用】糸と同方向の仮撚を施すと仮撚区間の糸は比率
αだけ縮むため、デリベリローラ送り速度に対するニッ
プ部材送り速度の比を(1−α)を越えるようにする
と、ニップ部材と糸との間に滑りが生じる。また、仮撚
によって糸固有の撚りにさらに別の撚りが付加され、同
時にニップ部材によって毛羽は擦り付けられた状態にな
って付加された撚りの変動と共に巻き込まれるか又は巻
き付く。
αだけ縮むため、デリベリローラ送り速度に対するニッ
プ部材送り速度の比を(1−α)を越えるようにする
と、ニップ部材と糸との間に滑りが生じる。また、仮撚
によって糸固有の撚りにさらに別の撚りが付加され、同
時にニップ部材によって毛羽は擦り付けられた状態にな
って付加された撚りの変動と共に巻き込まれるか又は巻
き付く。
【0012】
【実施例】以下、本発明方法の実施例を図面を参照しつ
つ説明する。図1は本発明の加工方法を示す図、図2は
本発明の加工装置の要部斜視図である。
つ説明する。図1は本発明の加工方法を示す図、図2は
本発明の加工装置の要部斜視図である。
【0013】図1において、13はデリベリローラ、1
6は巻取装置のフリクションローラである。仮撚装置2
0はデリベリローラ13とフリクションローラ16との
間に設けられ、固有の撚りを有する糸に直ちに仮撚が施
される。仮撚装置20はニップ部材としての駆動ローラ
22と仮撚ベルト23との間に以下に述べるスリップが
生じる程度の適当な接圧が付与され、これらのニップ点
で仮撚するものである。仮撚装置20からデリベリロー
ラ13までの上流の区間Lの糸Yは一時的に加撚される
仮撚状態であるが、仮撚装置20から下流の糸Yは解撚
状態である。すなわち、デリベリローラ13に入る糸Y
の撚りがZ撚りであれば、仮撚装置20より出る糸Yも
Z撚りである。そして、空気紡績ノズルによる紡績糸は
実質的に走行方向延びる毛羽fを多数有している。
6は巻取装置のフリクションローラである。仮撚装置2
0はデリベリローラ13とフリクションローラ16との
間に設けられ、固有の撚りを有する糸に直ちに仮撚が施
される。仮撚装置20はニップ部材としての駆動ローラ
22と仮撚ベルト23との間に以下に述べるスリップが
生じる程度の適当な接圧が付与され、これらのニップ点
で仮撚するものである。仮撚装置20からデリベリロー
ラ13までの上流の区間Lの糸Yは一時的に加撚される
仮撚状態であるが、仮撚装置20から下流の糸Yは解撚
状態である。すなわち、デリベリローラ13に入る糸Y
の撚りがZ撚りであれば、仮撚装置20より出る糸Yも
Z撚りである。そして、空気紡績ノズルによる紡績糸は
実質的に走行方向延びる毛羽fを多数有している。
【0014】図1では、仮撚ベルト23は右上がりに配
設され、仮撚区間Lの糸YはZ撚りに加算される仮撚が
施され、同方向の仮撚を受ける。この場合、仮撚装置2
0を出た糸Yは紡績後の糸Yと逆方向に解撚されるの
で、これを解撚と呼ぶ。仮撚区間Lでは撚りが加算され
るので、糸Yは縮む。糸の縮み率を例えば5%のように
αとする。また、デリベリローラ13の送り速度(糸速
と略同一)をS1、駆動ローラ22の送り速度をS2、
仮撚ベルト23の走行速度をS3、巻取装置のフリクシ
ョンローラ16の送り速度をS4とすると、S2/S1
>(1−α)とすることが重要である。なお、S3≒S
2×cosγとし、S1≒S4とする。すると、ニップ
部材としての駆動ローラ22と仮撚ベルト23との間
で、糸の縮み率αを考慮に入れた所望のスリップが生
じ、そのスリップの方向は糸の走行方向であって毛羽f
を延ばす方向である。
設され、仮撚区間Lの糸YはZ撚りに加算される仮撚が
施され、同方向の仮撚を受ける。この場合、仮撚装置2
0を出た糸Yは紡績後の糸Yと逆方向に解撚されるの
で、これを解撚と呼ぶ。仮撚区間Lでは撚りが加算され
るので、糸Yは縮む。糸の縮み率を例えば5%のように
αとする。また、デリベリローラ13の送り速度(糸速
と略同一)をS1、駆動ローラ22の送り速度をS2、
仮撚ベルト23の走行速度をS3、巻取装置のフリクシ
ョンローラ16の送り速度をS4とすると、S2/S1
>(1−α)とすることが重要である。なお、S3≒S
2×cosγとし、S1≒S4とする。すると、ニップ
部材としての駆動ローラ22と仮撚ベルト23との間
で、糸の縮み率αを考慮に入れた所望のスリップが生
じ、そのスリップの方向は糸の走行方向であって毛羽f
を延ばす方向である。
【0015】図2は具体的な加工装置の斜視図である。
デリベリローラ13の駆動軸17と平行な駆動軸21が
スラックチューブ14の上に設けられる。この駆動軸2
1に駆動ローラ22が嵌入され、駆動ローラ22に対し
て斜めの仮撚ベルト23が接離自在に配設されている。
この仮撚ベルトは従動プーリ24と駆動プーリ25との
間に巻き掛けられ、駆動プーリ25はベベルギア等の変
速手段を経てローラ26に連結されている。ローラ26
は駆動軸21に嵌入されたフリクションローラ27に当
接して回転力を伝達される。このように、ニップ部材が
駆動ローラ22と仮撚ベルト23の組合せであると、ロ
ール同士のようにニップ部分が単なる線ではなく、面の
ニップ部分となる。そのため、スリップによる糸の擦り
付けが広範囲にわたって行われることになり好ましい。
また、ニップ力が強すぎると、ニップ部分での糸のスリ
ップが生じにくくなるため、ニップ力はスリップを許容
する程度の弱めに設定される。
デリベリローラ13の駆動軸17と平行な駆動軸21が
スラックチューブ14の上に設けられる。この駆動軸2
1に駆動ローラ22が嵌入され、駆動ローラ22に対し
て斜めの仮撚ベルト23が接離自在に配設されている。
この仮撚ベルトは従動プーリ24と駆動プーリ25との
間に巻き掛けられ、駆動プーリ25はベベルギア等の変
速手段を経てローラ26に連結されている。ローラ26
は駆動軸21に嵌入されたフリクションローラ27に当
接して回転力を伝達される。このように、ニップ部材が
駆動ローラ22と仮撚ベルト23の組合せであると、ロ
ール同士のようにニップ部分が単なる線ではなく、面の
ニップ部分となる。そのため、スリップによる糸の擦り
付けが広範囲にわたって行われることになり好ましい。
また、ニップ力が強すぎると、ニップ部分での糸のスリ
ップが生じにくくなるため、ニップ力はスリップを許容
する程度の弱めに設定される。
【0016】図1において、仮撚区間Lの糸Yは撚りが
加算される。そして仮撚ベルト23を出ると加算された
撚りが急に戻ろうとするので、この過程で糸Yを構成す
るファイバの旋回が起こり、巻き付きファイバが短時間
の間に複雑に動き、周囲の毛羽を巻き込んだり、表面に
巻き付いたりする。さらに、駆動ローラ22と仮撚ベル
ト23の面となったニップ部において、糸Yは毛羽fが
実質的に延びる走行方向の擦り又はスリップの作用を受
ける。そのため、単に先端が浮いた状態の毛羽は撚りに
基づく回転力だけでは、簡単に糸表面に巻き込まれない
場合もあるが、浮いた状態の毛羽がニップ部で相対的に
毛羽が多く延びる方向に糸表面を擦り付けられするた
め、浮いた状態の毛羽も簡単に巻き込まれてしまうか、
又は巻き付く。
加算される。そして仮撚ベルト23を出ると加算された
撚りが急に戻ろうとするので、この過程で糸Yを構成す
るファイバの旋回が起こり、巻き付きファイバが短時間
の間に複雑に動き、周囲の毛羽を巻き込んだり、表面に
巻き付いたりする。さらに、駆動ローラ22と仮撚ベル
ト23の面となったニップ部において、糸Yは毛羽fが
実質的に延びる走行方向の擦り又はスリップの作用を受
ける。そのため、単に先端が浮いた状態の毛羽は撚りに
基づく回転力だけでは、簡単に糸表面に巻き込まれない
場合もあるが、浮いた状態の毛羽がニップ部で相対的に
毛羽が多く延びる方向に糸表面を擦り付けられするた
め、浮いた状態の毛羽も簡単に巻き込まれてしまうか、
又は巻き付く。
【0017】つぎに、毛羽が解消された糸の状態を図3
で説明する。毛羽fは周囲の巻き付きファイバに巻き込
まれている。解撚では芯ファイバは平行なままである
が、巻き付きファイバの平均的な巻き付き角度θは大き
くなっている。また巻き付きファイバは元の撚り方向に
巻き付いたものもあるが、a部の如く直角巻きになった
ものが多く見られ、b部のように逆巻きになったものも
ある。そのため、糸の残留トルクが少なくなる。例え
ば、図4に示される糸の場合、駆動ローラの周速を早く
して仮撚の程度を大きくすればするほど、JISL−1
008で規定するスナル係数が小さくなっている。
で説明する。毛羽fは周囲の巻き付きファイバに巻き込
まれている。解撚では芯ファイバは平行なままである
が、巻き付きファイバの平均的な巻き付き角度θは大き
くなっている。また巻き付きファイバは元の撚り方向に
巻き付いたものもあるが、a部の如く直角巻きになった
ものが多く見られ、b部のように逆巻きになったものも
ある。そのため、糸の残留トルクが少なくなる。例え
ば、図4に示される糸の場合、駆動ローラの周速を早く
して仮撚の程度を大きくすればするほど、JISL−1
008で規定するスナル係数が小さくなっている。
【0018】毛羽の減少の程度は、仮撚を施さない場合
の3000本(10m当たりの糸における0.5mm離
れた位置で観測される毛羽の総数)が200本以下に減
少する。例えば図5に示される糸の場合、駆動ローラの
周速を早くして仮撚の程度を大きくして滑りを生じさせ
るほど、毛羽数が少なくなっている。なお、仮撚区間の
糸の縮みを考慮せず、ニップ部材と糸との間に毛羽が実
質的に延びる方向の滑りを生じさせないで仮撚を施す
と、毛羽の減少の程度が少なくなると共に、毛羽がネッ
プ状に塊となって巻き付く傾向が生じ、糸の均一性が損
なわれる。
の3000本(10m当たりの糸における0.5mm離
れた位置で観測される毛羽の総数)が200本以下に減
少する。例えば図5に示される糸の場合、駆動ローラの
周速を早くして仮撚の程度を大きくして滑りを生じさせ
るほど、毛羽数が少なくなっている。なお、仮撚区間の
糸の縮みを考慮せず、ニップ部材と糸との間に毛羽が実
質的に延びる方向の滑りを生じさせないで仮撚を施す
と、毛羽の減少の程度が少なくなると共に、毛羽がネッ
プ状に塊となって巻き付く傾向が生じ、糸の均一性が損
なわれる。
【0019】なお、上述した実施例では、紡績糸として
空気紡績ノズルを用いた紡績装置による結束紡績糸の場
合を説明したが、実撚紡績糸(リング糸)でも本発明方
法が適用される。また、仮撚ベルト23は平ベルトに限
らず、丸ベルトであってもよい。
空気紡績ノズルを用いた紡績装置による結束紡績糸の場
合を説明したが、実撚紡績糸(リング糸)でも本発明方
法が適用される。また、仮撚ベルト23は平ベルトに限
らず、丸ベルトであってもよい。
【0020】
【発明の効果】本発明の紡績糸の加工方法及び加工装置
は、糸と同方向の仮撚を施し、仮撚区間の糸の比率αの
縮みを考慮して、デリベリローラ送り速度に対するニッ
プ部材送り速度の比を(1−α)を越えるようにし、ニ
ップ部材と糸との間に滑りを生じさせ、また仮撚によっ
て糸固有の撚りにさらに撚りを付加し、同時にニップ部
材によって毛羽が延びる方向に更に延ばされ毛羽は擦り
付けられた状態にして付加された撚りの変動と共に毛羽
を巻き込まむか又は巻き付くようにしたので、毛羽を紡
績工程の途中で効率良く解消させることができる。
は、糸と同方向の仮撚を施し、仮撚区間の糸の比率αの
縮みを考慮して、デリベリローラ送り速度に対するニッ
プ部材送り速度の比を(1−α)を越えるようにし、ニ
ップ部材と糸との間に滑りを生じさせ、また仮撚によっ
て糸固有の撚りにさらに撚りを付加し、同時にニップ部
材によって毛羽が延びる方向に更に延ばされ毛羽は擦り
付けられた状態にして付加された撚りの変動と共に毛羽
を巻き込まむか又は巻き付くようにしたので、毛羽を紡
績工程の途中で効率良く解消させることができる。
【図1】本発明の加工方法を示す図である。
【図2】本発明の加工装置の要部斜視図である。
【図3】本発明の加工方法で得られた紡績糸を示す図で
ある。
ある。
【図4】駆動ローラの周速とスナル係数の関係を示すグ
ラフ図である。
ラフ図である。
【図5】駆動ローラの周速と毛羽数の関係を示すグラフ
図である。
図である。
【図6】空気紡績ノズルを用いた紡績装置の斜視図であ
る。
る。
【図7】空気紡績ノズルの作動図である。
【図8】従来方法で得られた紡績糸を示す図である。
13 デリベリローラ(紡績糸を送る手段) 16 フリクションローラ(巻取装置) 20 仮撚装置 22 駆動ローラ(ニップ部材) 23 仮撚ベルト(ニップ部材)
Claims (2)
- 【請求項1】 紡績後の糸を送りながらニップ部材によ
って糸の撚りと同方向の仮撚を施し、ニップ部材の上流
側の糸に比率αの縮み生じさせ、糸速に対するニップ部
材送り速度の比を(1−α)を越えるようにした紡績糸
の加工方法。 - 【請求項2】 紡績糸を送る手段と、紡績糸に仮撚を施
すニップ部材とを備え、該ニップ部材を、糸の撚りと同
方向の仮撚を施す方向に駆動するとともに、糸速に対す
るニップ部材送り速度の比が(1−α)を越えるように
駆動する紡績糸の加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29785992A JPH06123017A (ja) | 1992-10-09 | 1992-10-09 | 紡績糸の加工方法及び加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29785992A JPH06123017A (ja) | 1992-10-09 | 1992-10-09 | 紡績糸の加工方法及び加工装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06123017A true JPH06123017A (ja) | 1994-05-06 |
Family
ID=17852073
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29785992A Pending JPH06123017A (ja) | 1992-10-09 | 1992-10-09 | 紡績糸の加工方法及び加工装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06123017A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5699661A (en) * | 1994-07-15 | 1997-12-23 | Murata Kikai Kabushiki Kaisha | Spinning apparatus and method for producing a false twisted spurn yarn |
-
1992
- 1992-10-09 JP JP29785992A patent/JPH06123017A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5699661A (en) * | 1994-07-15 | 1997-12-23 | Murata Kikai Kabushiki Kaisha | Spinning apparatus and method for producing a false twisted spurn yarn |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH0313326B2 (ja) | ||
JPH0380891B2 (ja) | ||
JPH0128135B2 (ja) | ||
JPH03161525A (ja) | 紡績糸の製造装置 | |
JPH0532502B2 (ja) | ||
JPH06123017A (ja) | 紡績糸の加工方法及び加工装置 | |
JP2570663Y2 (ja) | 紡績装置 | |
JPH06123018A (ja) | 紡績糸の加工方法及び加工装置 | |
JPH06123016A (ja) | 紡績糸の加工方法及び加工装置 | |
JP3269129B2 (ja) | 毛羽無し紡績糸 | |
JPH04163325A (ja) | 紡績装置 | |
JPH0665823A (ja) | ノントルク紡績糸 | |
JPS60126330A (ja) | 空気式紡績機における糸掛け方法 | |
JPS6344845B2 (ja) | ||
JPH052616Y2 (ja) | ||
JPH052618Y2 (ja) | ||
JP3095230B2 (ja) | 仮撚紡績方法と該方法を実施するための装置 | |
JPH039209B2 (ja) | ||
JPH0665832A (ja) | 高強度紡績糸 | |
JPS6065122A (ja) | 紡績糸の製造方法 | |
JPH052615Y2 (ja) | ||
JPH03241018A (ja) | 紡績装置 | |
JPH0376827A (ja) | 紡績糸の製造方法 | |
JPH05302220A (ja) | 紡績糸の毛羽抑制方法並びに装置 | |
JPH0313337B2 (ja) |