JP3265905B2 - 空調設備 - Google Patents
空調設備Info
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Description
劇場、公会堂、アトリウム等の比較的天井の高い大空間
の空調に好適な空調設備に関する。
空間に適用される空調設備は、被空調室に連通される還
気ダクトの吸込口と排気ダクトの吸込口を共用し、ダク
トも部分的に兼用する方式が多く、還気ダクトと排気ダ
クトが相互に独立した管路となっていない場合が多い。
また、独立に設置されていたとしても、互いの吸込口が
近距離に配置されることが多い。
堂、アトリウム等の大空間は、床から天井までが高く2
0〜30m程度ある例も多数である。また、風量も床面
積を基準として判断すると大風量であり、特に都建築安
全条例(第56〜71条)、都興行場条例(第4条)等
に基づく東京都内の劇場、公会堂では、換気量が75m
3 /h・m2 、空調時の外気量が25m3 /h・m2 で
あり、一般的な事務所ビルと比較しても1.5倍から2
倍程度に相当する大風量となる。
較すると、一般的な事務所ビルが10回程度の換気回数
であるのに対して、劇場、公会堂、アトリウム等の大空
間では、5回程度と半分程度の換気しか行われていな
い。このため、天井の高い空間では、垂直方向に温度分
布ができ、温度成層が発生し、床面付近と天井面付近の
温度差を比較すると5〜7℃程度の温度差が発生するこ
とが一般に報告されている。しかしながら、温度成層の
発生原因は、空気の温度差による浮力の相違により発生
するため、これを防止することは困難である。
び排気ダクトが兼用されていたり、また、独立に配設さ
れていても互いの吸込口が近くに配置されていて、位置
的に固定されていたりするため、季節に応じた被空調室
の還気と排気の吸込高さの選択が不可能であった。この
ため、被空調室の温度成層を有効に利用できず、例え
ば、夏期に床付近の冷たい空気を排気して、天井付近の
暖かい空気を還気したり、冬期に天井付近の暖かい空気
を排気して、床付近の冷たい空気を還気したりして不経
済であるという欠点があった。
もので、被空調室に発生する温度成層を利用して、省エ
ネ化が可能な空調設備を提供することを目的とする。
するために、空調機からの空調エアを被空調室内に吹き
出すとともに、前記被空調室内のエアの一部を外気に排
気し、残りのエアを前記空調機に還気する空調設備にお
いて、前記被空調室の天井部又は天井部近傍に設けら
れ、前記被空調室内の天井部付近のエアを吸い込む第1
の吸込口と、前記第1の吸込口で吸い込んだエアを前記
空調機に還気させる還気経路又は外気に排気させる排気
経路に切り換える第1の切換手段と、前記被空調室の床
部又は床部近傍に設けられ、前記被空調室内の床部付近
のエアを吸い込む第2の吸込口と、前記第2の吸込口で
吸い込んだエアを前記空調機に還気させる還気経路又は
外気に排気させる排気経路に切り換える第2の切換手段
と、から成り、前記第1の吸込口で吸い込んだエアを外
気に排気させるときは前記第2の吸込口で吸い込んだエ
アを前記空調機に還気し、前記第1の吸込口で吸い込ん
だエアを前記空調機に還気させるときは前記第2の吸込
口で吸い込んだエアを外気に排気することを特徴とす
る。
手段により、被空調室に形成された第1の吸込口と第2
の吸込口から吸い込まれるエアを空調機に還気する還気
経路、又は外気に排気する排気経路とに選択的に切り換
えることができる。これにより、例えば、夏期冷房時
は、被空調室内の天井部付近の暖かい空気を第1の吸込
口より吸い込んで外気中に排気し、床部付近の冷たい空
気を空調機に還気することができ、冬期暖房時は、逆に
被空調室内の天井部付近の暖かい空気を第1の吸込口よ
り吸い込んで空調機に還気し、床部付近の冷たい空気を
外気中に排気することができ、経済的な空調機の運転が
可能になる。
の好ましい実施例について詳説する。図1は、本発明に
係る空調設備の実施例の構成図である。尚、前記空調設
備10が使用される構造物として劇場12を例にとって
説明する。
部12Aには、前部にステージ部12Bを有し、その後
方に緩やかな勾配で客席部12Cが形成されている。一
方、この劇場12の天井部12Dには、空調機22から
供給される空調エアが吹き出される吹出口14、14、
…が複数配設される(3箇所のみ図示)とともに、劇場
12内の天井部12D付近のエアを吸い込む第1の吸込
口16、16、…が複数配設されている(2箇所のみ図
示)。また、壁面部12Eの床部12A近傍には、劇場
12内の床部12A付近のエアを吸い込む第2の吸込口
18、18、…が複数配設されている(1箇所のみ図
示)。
4、14、…は、供給ダクト20を介して空調機22に
連結されている。この空調機22は、外気導入口24か
ら導入した外気を熱交換器26でその温度及び湿度を調
整したのち、送風ファン28により前記供給ダクト20
を介して劇場12内に空調エアを供給する。一方、前記
天井部12に配設されている第1の吸込口16、16、
…は、第1の排還気ダクト30に連結されている。この
第1の排還気ダクト30は、空調機22に連結された第
1の還気ダクト32、及び排気口34に連結された第1
の排気ダクト36に連結されている。そして、第1の還
気ダクト32及び第1の排気ダクト36の管路途中に
は、第1のダンパ44、及び第2のダンパ46がそれぞ
れ設けられており、各々の管路を流れるエアの風量の調
節ができるようになっている。また、第1のダンパ44
及び第2のダンパ46には、第1のモータ48及び第2
のモータ50がそれぞれ接続されており、この第1のモ
ータ48及び第2のモータ50を駆動することにより、
前記第1のダンパ44及び第2のダンパ46は作動す
る。
2の吸込口18、18、…は、第2の排還気ダクト38
に連結されている。この第2の排還気ダクト38は、前
記第1の排還気ダクト30と同様に、空調機22に連結
された第2の還気ダクト40、及び排気口34に連結さ
れた第2の排気ダクト42に連結されている。そして、
第2の還気ダクト40及び第2の排気ダクト42の管路
途中には、第3のダンパ52、及び第4のダンパ54が
それぞれ設けられている。また、第3のダンパ52及び
第4のダンパ54には、第3のモータ56及び第4のモ
ータ58がそれぞれ接続されている。
タ50、第3のモータ56及び第4のモータ58は、そ
の動作を制御装置60で制御されている。前記の如く構
成される本発明に係る空調設備の実施例の作用は次のよ
うになる。大空間である劇場12においては、空気の温
度差による浮力の相違により温度成層が発生し、天井部
12D近傍では比較的温度が高い空気が存在し、床部1
2A近傍では比較的温度が低い空気が存在する。
の温度が高い空気を排気し、床部12A付近の温度が低
い空気を還気して再利用するのが経済的である。このた
め、制御装置60は、天井部12Dに配設した第1の吸
込口16、16、…で吸い込まれる空気が排気されるよ
うに、第1のモータ48及び第2のモータ50を駆動し
て、第1のダンパ44を閉め、第2のダンパ46を全開
させる。これにより、第1の吸込口16、16、…で吸
い込まれる暖かい空気は、全て第1の排気ダクト36を
介して外気中に排気される。
18、18、…で吸い込まれる空気は再び空調機22に
還気されるように、制御装置60は、第3のモータ56
及び第2のモータ58を駆動して、第3のダンパ52を
全開させ、第4のダンパ54を閉める。これにより、第
2の吸込口18、18、…で吸い込まれる冷たい空気
は、全て第2の還気ダクト42を介して空調機22に還
気され、空調機22内で導入外気を混合されて再び劇場
12内に供給される。
D付近の温度が高い空気を還気して再利用し、床部12
A付近の温度が低い空気を排気するのが経済的である。
このため、冬期暖房時においては、前記夏期冷房時とは
逆に、制御装置60は、天井部12Dに配設した第1の
吸込口16、16、…で吸い込まれる空気が排気される
ように、第1のモータ48及び第2のモータ50を駆動
して、第1のダンパ44を閉め、第2のダンパ46を全
開させる。そして、床部12Aに配設した第2の吸込口
18、18、…で吸い込まれる空気は再び空調機22に
還気されるように、第3のモータ56及び第2のモータ
58を駆動して、第3のダンパ52を全開させ、第4の
ダンパ54を閉める。これにより、暖かい空気を空調機
22にもどし、冷たい空気を排気することができる。
れば、天井部12D付近で吸い込んだ空気と床部12A
付近で吸い込んだ空気の排気と還気を効率的に選択でき
るので、劇場12内に生成する温度成層を有効に利用し
た高い熱回収が可能になる。これにより、使用する熱交
換器26が小能力のもので済むとともに、省エネ化を図
ることができる。
れる空調エアは、劇場12の天井部12Dに設けられた
吹出口14、14、…から吹き出すようにしているが、
図2に示されるように、床部12Aに吹出口14、1
4、…を設けてもよい。この場合、暖かい空気は上昇す
るので、暖房時に効果的となる。また、天井部12Dか
ら空調エアを吹き出す場合は、逆に冷房時に効果的とな
る。
換器を複合してリン利用することにより、更に省エネ効
果を向上させることができる。また、制御装置60に
は、カレンダ機能等を内蔵させ、冬期と夏期でのダンパ
(第1〜第4)の切り替えを自動で制御させてもよい。
第1の切換手段と第2の切換手段により、被空調室に形
成された第1の吸込口と第2の吸込口から吸い込まれる
エアを空調機に還気する還気経路、又は外気に排気する
排気経路とに選択的に切り換えることができる。これに
より、被空調室内に生じる温度成層を有効に利用した熱
回収が可能になり、使用する空調機が小能力のもので済
むとともに、省エネ化を図ることができる。
図
Claims (3)
- 【請求項1】 空調機からの空調エアを被空調室内に吹
き出すとともに、前記被空調室内のエアの一部を外気に
排気し、残りのエアを前記空調機に還気する空調設備に
おいて、 前記被空調室の天井部又は天井部近傍に設けられ、前記
被空調室内の天井部付近のエアを吸い込む第1の吸込口
と、 前記第1の吸込口で吸い込んだエアを前記空調機に還気
させる還気経路又は外気に排気させる排気経路に切り換
える第1の切換手段と、 前記被空調室の床部又は床部近傍に設けられ、前記被空
調室内の床部付近のエアを吸い込む第2の吸込口と、 前記第2の吸込口で吸い込んだエアを前記空調機に還気
させる還気経路又は外気に排気させる排気経路に切り換
える第2の切換手段と、から成り、 前記第1の吸込口で吸い込んだエアを外気に排気させる
ときは前記第2の吸込口で吸い込んだエアを前記空調機
に還気し、前記第1の吸込口で吸い込んだエアを前記空
調機に還気させるときは前記第2の吸込口で吸い込んだ
エアを外気に排気することを特徴とする空調設備。 - 【請求項2】 前記被空調室は、前記空調機から供給さ
れる空調エアが天井部又は天井部近傍から吹き出される
ことを特徴とする請求項1記載の空調設備。 - 【請求項3】 前記被空調室は、前記空調機から供給さ
れる空調エアが床部又は床部近傍から吹き出されること
を特徴とする請求項1記載の空調設備。
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