JP3261700B2 - 表示装置、およびそれを備えた時計 - Google Patents

表示装置、およびそれを備えた時計

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JP3261700B2
JP3261700B2 JP53135598A JP53135598A JP3261700B2 JP 3261700 B2 JP3261700 B2 JP 3261700B2 JP 53135598 A JP53135598 A JP 53135598A JP 53135598 A JP53135598 A JP 53135598A JP 3261700 B2 JP3261700 B2 JP 3261700B2
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丈二 北原
信宏 小池
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    • G04B19/24Clocks or watches with date or week-day indicators, i.e. calendar clocks or watches; Clockwork calendars
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    • G04B19/25333Driving or releasing mechanisms wherein the date indicators are driven or released mechanically by a clockwork movement
    • G04B19/25353Driving or releasing mechanisms wherein the date indicators are driven or released mechanically by a clockwork movement driven or released stepwise by the clockwork movement

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  • Transmission Devices (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、時計のカレンダー表示などに用いられる表
示装置に関するものである。さらに詳しくは、表示装置
の送り機構に関するものである。
背景技術 腕時計などにおいて日、曜などを表示するカレンダー
表示装置には、駆動部においてステップモータなどから
駆動力が伝達される駆動車と、日車や曜車などで表示を
行う表示部に構成された従動車と、駆動車の回転を従動
車に間欠的に伝達する表示用伝達車が構成されている。
たとえば、図17に示すカレンダー表示装置では、24時間
で1回転する駆動車101に対して2種類の爪102、103を
備える表示用伝達部材104が構成され、24時間に1回、
一方の爪103が日車105(従動車)の内歯106と噛み合っ
て日車105を1ステップ分回転させる。また、24時間に
1回、他方の爪102が曜車107の外歯108と噛み合って曜
車107を1ステップ分回転させる。また、カレンダー表
示装置には、巻真111の鼓車112を介して竜頭(図示せ
ず。)への巻回動作が伝達される第1の第1の表示修正
用伝達車113と、巻真111を1段だけ引き出して竜頭を日
表示の修正方向に回転させたときに日車105に内接噛合
する位置にずれる第2の表示修正用伝達車114とが構成
されている。従って、駆動車101や表示用伝達車104を介
さずに日車105を手動で早送りすることが可能である。
また、巻真を1段だけ引き出して竜頭を曜表示の修正方
向(日表示の修正方向と反対方向)に回転させると、第
2の表示修正用伝達車114は、曜車107に外接噛合してい
る第3の表示修正用伝達車115に外接噛合するので、曜
車107を手動で早送りすることも可能である。
このように構成したカレンダー表示装置では、表示用
伝達車104が日車105や曜車107を1ステップ分、駆動し
終える度に、爪102、103と、日車105や曜車107との噛合
が解除されるため、腕時計に外力が加わると、日車105
や曜車107が勝手に回る事象、いわゆる表示飛びが発生
するおそれがある。そこで、カレンダー表示装置には日
車105や曜車107を位置決めしておくための機構が付与さ
れている。たとえば図17に示す例では、日車105に対し
て薄板状のジャンパ121を配置し、このジャンパ121の頭
部122を、実線L11で示すように、日車105の内歯106に係
合させておくことによって、日車105を位置決めし、日
車105の表示飛びを防止している。同様に、曜車107に対
して薄板状のジャンパ126を設け、このジャンパ126の頭
部127を、実線L12で示すように、曜車107の外歯108と係
合させておくことによって曜車107を位置決めし、曜車1
07の表示飛びを防止している。
その他にも、日車や曜車の表示飛びを防止するための
機構として、特開昭50−142265号公報、特開昭54−8575
6号公報、および特開昭52−134471号公報にはそれぞ
れ、レバーとカムとを利用したもの、ゼネバ機構を利用
したもの、およびゼネバ機構とジャンパばねとを併用し
たものが開示されている。
しかしながら、従来のようにジャンパ機構(図17を参
照のこと。)を利用したものでは、日車105や曜車107を
1ステップ分、回転させる度に、図17に二点鎖線L13、L
14で示すように、ジャンパ121、126の頭部122、127が日
車105の内歯106または曜車107の外歯108を乗り越える必
要があるので、ジャンパ121、126を変形させる力が必要
となる。それ故、日送り時および曜送り時の負荷が大き
いという問題点がある。このような負荷は消費電力の増
大を招くため、腕時計では電池の大型化が必要になって
腕時計の薄型化を妨げる。また、腕時計に回転錘などを
利用した発電装置を内蔵させたときには、消費電力が大
きい分、発電能力が大きい大型の発電装置が必要になる
ので、腕時計の薄型化を妨げる。
一方、特開昭50−142265号公報に開示されているよう
なレバーとカムとを利用したものでは、レバーを持ち上
げるときのタイミングを適正に設定するのが難しい。ま
た、特開昭54−85765号公報に開示されているようなゼ
ネバ機構を利用したものでは、日送り時間が長く、日の
ずれが発生する。さらに、特開昭52−134471号公報に開
示されているものでは日の飛びやずれが発生するととも
に、ばねを持ち上げるための大きな負荷がかかるという
問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、送り動作の
負荷が小さくて、かつ、表示の飛びが発生しない表示装
置、およびそれを備えた時計を提供することにある。
また、本発明の課題は、表示用従動車を早送りして表
示の修正も可能な表示装置、およびそれを備えた時計を
提供することにある。
発明の開示 駆動部に構成された駆動車と、表示部に構成された表
示用従動車と、前記表示用従動車および前記駆動車の双
方に係合して前記駆動車の動作を前記表示用従動車に伝
達する表示用伝達車と、前記駆動車と前記表示用従動車
との間に入り込む方向の側圧を前記表示用伝達車に付与
する側圧付与手段とを備えるゼネバ構造の送り機構とを
有し、前記入り込む方向とは反対方向に前記表示用伝達
車を移動可能な状態に前記表示用伝達車を支持する支持
手段を備えていることを特徴とする。
本発明を適用した表示装置の送り機構は基本的にはゼ
ネバ構造であり、かつ、側圧付与手段は、表示用伝達車
を押圧して表示用伝達車と駆動車との係合部間のガタ、
または表示用伝達車と表示用従動車との係合部間のガタ
を弾性をもって詰めることが可能である。しかも、ジャ
ンパばねを用いていない。それ故、表示用伝達車と駆動
車との間、および表示用伝達車と表示用従動車との間の
いずれにおいても余分な負荷を発生させない。また、側
圧付与手段は、表示用伝達車を表示用伝達車と駆動車と
の間に向けて押圧しているため、送り駆動の休止期間
中、表示用伝達車は駆動車あるいは表示用従動車に接し
た状態にあり、この状態で表示用従動車を位置決めす
る。このため、表示用従動車が外乱などによって勝手に
動こうとしたとき、表示用伝達車は負荷として作用する
ので、表示飛びを防止できる。それ故、本発明によれ
ば、送り動作の負荷が小さくて、かつ、表示の飛びが発
生しない表示装置を実現できる。
本発明において、前記側圧付与手段は、前記表示用伝
達車に側圧を付与することにより、たとえば、該表示用
伝達車と前記駆動車との係合部間のガタおよび前記表示
用伝達車と前記表示用従動車との係合部間のガダを詰め
ている。
また、前記側圧付与手段は、前記駆動車および前記表
示用従動車のうち前記表示用従動車の方に偏った方向の
側圧を前記表示用伝達車に付与することにより、該表示
用伝達車と前記表示用従動車との係合部間のガタを詰め
ることがある。このように構成すると、表示用伝達車は
表示用従動車を強めに位置決めすることになるので、表
示用従動車の表示飛びをより確実に防止できる。また、
駆動車と表示用伝達車とは軽く接することになるので、
カレンダー送り動作における休止期間において駆動車と
表示用伝達車との間の摩擦負荷トルクを低減できるとい
う利点がある。
このように構成するにあたっては、前記側圧付与手段
は、前記駆動車の輪郭円のうち、当該駆動車と前記表示
用伝達車との接触位置における接線方向と略平行な方向
の側圧を前記表示用伝達車に付与するように構成する場
合がある。すなわち、前記側圧付与手段は、前記駆動車
の輪郭円と、前記駆動車および前記表示用伝達車の両回
転中心点を結ぶ線との交点における前記輪郭円の円周方
向の側圧を前記表示用伝達車に付与するように構成する
場合がある。
また、本発明において、前記側圧付与手段は、前記駆
動車および前記表示用従動車のうち前記駆動車の方に偏
った方向の側圧を前記表示用伝達車に付与することによ
り、該表示用伝達車と前記駆動車との係合部間のガタを
詰めることもある。このように構成すると、表示用伝達
車は表示用従動車に軽く接することになるが、駆動車と
は強めに接するので、表示用従動車の表示飛びを防止で
きる。また、表示用伝達車と表示用従動車とが軽く接す
るので、通常の送り動作を行なう際に表示用伝達車と表
示用従動車との間の噛合が浅いので、歯の突っ張りに起
因する負荷を低減できるという利点がある。
このように構成するにあたっては、前記側圧付与手段
は、前記表示用従動車の輪郭円のうち、当該表示用従動
車と前記表示用伝達車との接触位置における接線方向と
略平行な方向の側圧を前記表示用伝達車に付与するよう
に構成することが好ましい。すなわち、前記側圧付与手
段は、前記表示用従動車の輪郭円と、前記表示用従動車
および前記表示用伝達車の両回転中心点を結ぶ線との交
点における前記輪郭円の円周方向の側圧を前記表示用伝
達車に付与するように構成されていることが好ましい。
このように構成すると、表示用伝達車と表示用従動車と
の係合部間にガタが形成され、表示用伝達車は、カレン
ダー送り動作における休止期間中、駆動車と表示用従動
車との間に深く入り込んで楔となるということがない。
従って、カレンダー送り動作における休止期間中、駆動
車に対しては側圧に相当する負荷のみが加わるだけであ
る。よって、駆動車は運針などをスムーズに行うことが
できる。しかも、表示用伝達車は、表示用従動車の輪郭
円に対して円周方向の側圧を受けているので、ストッパ
ーを構成しておけば、表示用伝達車は駆動車およびスト
ッパーに確実に押し当てられた状態となる。従って、表
示用伝達車は、表示用従動車の寸法ばらつきの影響を受
けることなく、ストッパーによって確実に位置決めされ
るので、表示用従動車の位置も正確に決まる。それ故、
カレンダー表示のずれは、表示用伝達車と表示用従動車
との係合部間のガタに相当する分だけであり、最小限に
抑えることができる。
本発明において、さらに、前記表示用伝達車に対して
側圧の付与方向側の位置には、前記表示用伝達車が前記
駆動車と前記表示用従動車との間に過度に入り込むこと
を防止するストッパーを有していることが好ましい。こ
のように構成すると、表示用伝達車は駆動車または表示
用従動車と過大な力で噛み合うことがないので、駆動車
が表示用伝達車を回転させる際の噛み合い負荷、または
表示用伝達車が表示用従動車を回転させる際の噛み合い
負荷を増大させることがない。
本発明において、前記側圧付与手段は、前記ストッパ
ーと対峙する位置で前記表示用伝達車の回転中心軸に当
接して当該ストッパーの方に向かう側圧を前記表示用伝
達車に付与していることが好ましい。このように構成す
ると、表示用伝達車の回転中心軸がストッパーに突き当
たっても回転軸が傾くことがないので、駆動車が表示用
伝達車を回転させる負荷、または表示用伝達車が表示用
従動車を回転させる負荷を小さく抑えることができる。
本発明では、さらに、前記駆動車および前記表示用伝
達車を介さずに別の駆動力伝達経路を介して前記表示用
従動車を送り駆動して表示の修正を行う表示修正用送り
機構を有することが好ましい。この場合には、前記表示
修正用送り機構は、表示の修正時には、前記駆動車およ
び前記表示用伝達車を介して送り駆動する方向と同一の
方向に前記表示用従動車を送り駆動するように構成する
ことができる。また、前記表示修正用送り機構は、表示
の修正時には、前記駆動車および前記表示用伝達車を介
して送り駆動する方向と反対の方向に前記表示用従動車
を送り駆動するように構成することもある。いずれの場
合でも、表示用伝達車は弾性をもって表示用従動車を位
置決めしているだけであるため、駆動車および表示用伝
達車を介さずに表示用従動車を早送りしたときに表示用
伝達車にかかる力は、その弾性で吸収されるので、表示
用従動車をスムーズに早送りすることができる。
本発明において、前記駆動車、前記表示用伝達車、お
よび前記表示用従動車は略同一の平面内に配置すること
により、表示装置の薄型化を図ることが好ましい。すな
わち、駆動車、表示用伝達車および表示用従動車を平面
的に重ならないように配置して表示装置の薄型化を図る
ことが好ましい。このように構成するには、前記表示用
伝達車については、外周縁に、前記表示用従動車の周縁
に形成された凹部と係合する凸部と、該凸部の先端縁か
ら凹んで前記駆動車の周縁に形成された凸部と係合する
凹部とを備える構成とすることが好ましい。このように
構成すると、駆動車と表示用伝達車との噛み合い、およ
び表示用従動車と表示用伝達車との噛み合いのいずれに
も表示用伝達車の共通の凹凸を利用することになるの
で、駆動車、表示用伝達車および表示用従動車を同一平
面内に配置して表示装置の薄型化を図ることができる。
また、前記表示用伝達車は、外周縁に、前記表示用従
動車の周縁に形成された凹部、および前記駆動車の周縁
に形成された凹部と係合する凸部を備える構成にしても
よい。このように構成した場合も、駆動車と表示用伝達
車との噛み合い、および表示用従動車と表示用伝達車と
の噛み合いのいずれにも表示用伝達車の共通の凸部を利
用することになるので、駆動車、表示用伝達車および表
示用従動車を同一平面内に配置して表示装置の薄型化を
図ることができる。すなわち、駆動車、表示用伝達車お
よび表示用従動車を平面内に重ならないように配置して
表示装置の薄型化を図ることができる。また、表示用伝
達車の周縁において、凸部の先端縁がそこに形成された
凹部で先割れ構造になっていると、駆動車の凸部が表示
用伝達車の凹部内に入って係合する際には、駆動車の凸
部は、表示用伝達車の凹部を構成する2つの凸部の一方
を乗り越える必要がある。このため、駆動車の凸部に
は、側圧に抗して表示用伝達車を持ち上げるための負荷
が加わるが、表示用伝達車が先割れでない単なる凸部を
備える構成であれば、このような負荷が発生しない。
本発明において、前記表示用伝達車は外歯を備える一
方、前記表示用従動車は内歯を備え、前記表示用伝達車
は前記表示用従動車に内接噛合するように構成されるこ
とがある。このように構成する際に、前記表示用従動車
は内歯を有するリング状に構成され、回転中心軸に連結
されていない場合がある。この場合には前記表示部には
該リング状の表示用従動車を案内するガイド機構を設け
ることが好ましい。
本発明において、前記表示用伝達車および前記表示用
従動車はいずれもが外歯を備え、前記表示用伝達車は前
記表示用従動車に外接噛合するように構成されることが
ある。
本発明における外歯または内歯とは、通常の歯車のよ
うに周り全体に歯が所定のピッチで形成されているもの
に限らず、間欠的に1、2か所形成されているもの、形
状的には間欠カムのような突起のものなども意味し、い
ずれの場合でも、互いに係合、噛合して駆動力を伝達で
きるものであればよい。
本発明において、前記側圧付与手段は、たとえば、前
記駆動車と前記表示用従動車との間に入り込む方向、お
よびそれとは反対方向のいずれの方向にも移動可能な状
態に前記表示用伝達車を支持する支持手段と、前記表示
用伝達車の回転中心軸を介して該表示用伝達車に側圧を
付与する弾性部材とによって構成することがある。この
ように、表示用伝達車の回転中心軸に弾性部材が当接す
るように構成すると、回転中心軸の径が小さいので、表
示用伝達車の回転中心軸と弾性部材との間の摩擦負荷ト
ルクを低減できる。また、弾性部材が表示用伝達車に加
える側圧の方向や大きさを調整しやすいという利点があ
る。
また、前記側圧付与手段は、前記駆動車と前記表示用
従動車との間に入り込む方向、およびそれとは反対方向
のいずれの方向にも移動可能な状態に前記表示用伝達車
を支持する支持手段と、前記表示用伝達車の外周縁を介
して該表示用伝達車に側圧を付与する弾性部材とによっ
て構成する場合もある。このように構成すると、弾性部
材と表示用伝達車とを同一平面上に配置できるので、表
示装置を薄型化できる。すなわち、弾性部材と表示用伝
達車とを平面的に重ならないように配置して表示装置の
薄型化を図ることができる。
本発明において、前記表示用伝達車は、前記支持手段
によって前記駆動車の方および前記表示用従動車の方の
いずれの方向にも移動可能な状態に支持されていること
が好ましい。このように構成すると、表示用伝達車は駆
動車の方から受ける力と表示用従動車の方から受ける力
とのバランスによって最適位置にずれる。従って、表示
用伝達車は表示用伝達車と駆動車との間、および表示用
伝達車と表示用従動車との間の双方において隙間を確実
に、かつ、適度に詰めることができるので、ゼネバ構造
特有のガタつきを確実に防止することができる。
また、前記弾性部材は、当該弾性部材の押圧力に抗し
て前記表示用伝達車が前記駆動車と前記表示用従動車と
の間に入り込む方向とは反対方向に移動する途中からば
ね定数が小さな値から大きな値に切り換わるように構成
されていることが好ましい。すなわち、前記表示用従動
車が前記駆動車と前記表示用従動車との間に入り込む方
向とは反対方向に移動する際の前記弾性部材の弾性変形
量が小さな状態から大きな状態に切り換わったときにば
ね定数も大きな値に切り換わるように構成されているこ
とが好ましい。このように構成すると、表示用従動車に
表示飛びが起きる際には、駆動車と表示用従動車との間
に入り込む方向とは反対方向に表示用伝達車を大きく変
位させるはずなので、弾性部材が大きく弾性変形し、ば
ね定数が大きくなる。従って、表示用伝達車は表示用従
動車を確実に位置決めすることになる。それでも、通常
の表示送り動作の際には、表示用伝達車は大きく変位し
ないので、弾性部材は、弾性変形量が小さく、ばね定数
も小さい。それ故、表示用伝達車と駆動車との間、表示
用伝達車と表示用従動車との間の負荷が小さくて済む。
このように構成するにあたっては、前記駆動車と前記
表示用従動車との間に入り込む方向の側圧を前記表示用
伝達車に付与し続ける第1の変形部、および前記駆動車
と前記表示用従動車との間に入り込む方向とは反対方向
に前記表示用伝達車が移動する途中から当該表示用伝達
車に前記駆動車と前記表示用従動車との間に入り込む方
向の側圧を付与し始める第2の変形部を備える1つのば
ねから前記弾性部材を構成することがある。このように
構成した場合に、前記第2の変形部が前記第1の変形部
よりも大きなばね定数を有していることが好ましい。こ
のように構成すると、表示用従動車に表示飛びが起きる
際にはばね定数が大きいので、表示用伝達車は表示用従
動車をより確実に位置決めする。また、通常の表示送り
動作の際にはばね定数が小さいので、表示用伝達車と駆
動車との間、表示用伝達車と表示用従動車との間の負荷
が小さくて済む。
また、前記駆動車と前記表示用従動車との間に入り込
む方向の側圧を前記表示用伝達車に付与し続ける第1の
ばねと、前記駆動車と前記表示用従動車との間に入り込
む方向とは反対方向に前記表示用伝達車が移動する途中
から当該表示用伝達車に前記駆動車と前記表示用従動車
との間に入り込む方向の側圧を付与し始める第2のばね
とから前記弾性部材を構成することもある。このように
構成した場合には、前記第2のばねは、前記第1のばね
よりも大きなばね定数を有していることが好ましい。こ
のように構成した場合には、表示用従動車に表示飛びが
起きる際にはばね定数が大きいので、表示用伝達車は表
示用従動車をより確実に位置決めする。また、通常の表
示送り動作の際にはばね定数が小さいので、表示用伝達
車と駆動車との間、表示用伝達車と表示用従動車との間
の負荷が小さくて済む。
本発明において、前記弾性部材の少なくとも一部を前
記表示用従動車と重なるように配置して、弾性部材が占
有する面積を圧縮し、表示装置の小型化を図ることが好
ましい。
これに対して、前記弾性部材を前記表示用従動車と略
同一の平面内に配置すると、表示装置を薄型化できると
いう利点がある。すなわち、前記弾性部材を前記表示用
従動車と平面的に重ならないように配置すると、表示装
置を薄型化できるという利点がある。
本発明において、前記駆動車は、前記表示用伝達車に
前記側圧の付与方向と同一方向に向かう作用力が生じる
ように前記表示用伝達車を回転駆動してもよい。この場
合には、前記表示用伝達車に対して前記側圧の付与方向
側の位置には、地板の壁などを利用して、前記表示用伝
達車が前記駆動車と前記表示用従動車との間に過度に入
り込むことを防止するストッパーを配置することが好ま
しい。
これとは逆に、前記駆動車は、前記表示用伝達車に前
記側圧の付与方向と反対方向に向かう作用力が生じるよ
うに前記表示用伝達車を回転駆動してもよい。すなわ
ち、駆動車は側圧に抗する方向に表示用伝達車を回転駆
動するように構成してもよい。このように構成すると、
駆動車によって表示用伝達車が回転駆動される際に表示
用伝達車が変位する量が少なくて済むので、表示用伝達
車を支持しやすいという利点がある。また、このように
構成すると、駆動車と表示用伝達車との噛合が浅くなる
ので、歯の突っ張りに起因する負荷を低減できる。
本発明においては、さらに、前記駆動車から前記表示
用伝達車を介して前記表示用従動車に至る駆動力伝達経
路に、該伝達経路を接続状態および断続状態に切り換え
るクラッチ機構を構成することが好ましい。このように
構成すると、クラッチ機構で駆動力伝達経路を断続でき
るので、表示用従動車を表示送りと同じ方向および逆の
方向のいずれの方向にも小さな力で早送りすることがで
き、表示内容の修正が可能となる。
本発明では、前記駆動車と前記表示用伝達車とは材質
が相違するものから構成し、それらの磨耗を低減するこ
とが好ましい。
本発明において、前記駆動車および前記表示用伝達車
の少なくとも一方には潤滑性を高めるための処理が施さ
れていることが好ましい。このように構成すると、潤滑
油が不要となるので、潤滑油に起因するリンギング負荷
の発生や汚れを防止できる。
このように構成した表示装置は低消費電力化が可能で
あることから、腕時計、置き時計、掛け時計などの時計
のカレンダー表示用として用いるのに適している。
図面の簡単な説明 図1は、本発明の実施の形態1に係る腕時計のカレン
ダー表示装置の要部を構成する各部品の配置を示す平面
図である。
図2は、図1に示すカレンダー表示装置の送り機構に
おける駆動力伝達部分の拡大図である。
図3は、図1に示すカレンダー表示装置において、輪
列を展開して各部品の係合状態を模式的に示す縦断面図
である。
図4は、図1に示すカレンダー表示装置において、表
示用伝達車の回転中心軸に対して側圧を付加している様
子を示す説明図である。
図5は、本発明の実施の形態2に係る腕時計のカレン
ダー表示装置の要部を構成する各部品の配置を示す平面
図である。
図6は、図5に示すカレンダー表示装置の送り機構に
おける駆動力伝達部分の拡大図である。
図7は、図5に示すカレンダー表示装置において、輪
列を展開して各部品の係合状態を模式的に示す縦断面図
である。
図8は、本発明の実施の形態3に係る腕時計のカレン
ダー表示装置の要部を構成する各部品の配置を示す平面
図である。
図9は、図8に示すカレンダー表示装置において、輪
列を展開して各部品の係合状態を模式的に示す縦断面図
である。
図10は、本発明の実施の形態4に係る腕時計のカレン
ダー表示装置の要部を構成する各部品の配置を示す平面
図である。
図11は、本発明の実施の形態5に係る腕時計のカレン
ダー表示装置の要部を構成する各部品の配置を示す平面
図である。
図12は、図11に示すカレンダー表示装置の送り機構に
おける駆動力伝達部分の拡大図である。
図13は、先割れ構造の外歯を用いたときに発生する不
具合を示す説明図である。
図14は、図11に示すカレンダー表示装置において、駆
動車と表示用伝達車との噛み合い部分周辺の輪列を展開
して各部品の係合状態を模試的に示す縦断面図である。
図15は、図11に示すカレンダー表示装置において、表
示修正用早送り機構の輪列を展開して各部品の係合状態
を模試的に示す縦断面図である。
図16は、図11に示すカレンダー表示装置において、表
示用伝達車の回転中心軸に対して側圧を付加している様
子を示す説明図である。
図17は、従来のカレンダー表示装置の要部を構成する
各部品の配置を示す平面図である。
[符号の説明] 1 腕時計 21A、21B、21D、29D 回転中心軸を支持する孔 3 駆動部 31 駆動車(駆動車) 5 カレンダー表示装置 50 送り機構 6A、6B、6D 表示用従動車 7 側圧付与機構 7A、7B、7D 表示用伝達車 70A、70B、70D、79D 表示用伝達車の回転中心軸 8A、8B、8D、80D ばね(弾性部材) 9 表示修正用早送り機構 発明を実施するための最良の形態 図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
[実施の形態1] 図1は、本発明の実施の形態1に係る腕時計のカレン
ダー表示装置の要部を構成する各部品の配置を示す平面
図、第2は、このカレンダー表示装置の送り機構におけ
る駆動力伝達部分の拡大図、図3は、このカレンダー表
示装置の送り機構を構成する輪列を展開して各部品の係
合状態を模式的に示す縦断面図である。
図1および図2において、腕時計1の本体内には、ス
テップモータ(図示せず。)を備える駆動部3において
ステップモータからの回転駆動力が伝達されて24時間で
1回転する駆動車31(駆動車)が構成されている。この
駆動車31に形成されている時刻表示用の外歯311は時刻
表示用の筒車の歯車4と噛み合っている。
また、腕時計1には、文字板の3時方向に形成された
表示窓22での日表示や曜表示を切り換えていくカレンダ
ー表示装置5が構成されている。このカレンダー表示装
置5の送り機構50は、日を表示するための数字が印刷さ
れたリング状の表示用従動車6A(表示部の日車/表示用
従動車)と、この表示用従動車6Aおよび駆動車31の双方
に係合して駆動車31の回転を表示用従動車6Aに伝達する
表示用伝達車7Aとを備えるゼネバ構造を有し、時刻表示
用と同様、駆動車31から伝達される回転駆動力を利用し
て日を表示する。
表示用従動車6Aは回転中心軸をもたないリング状であ
るため、これを位置決めしながら回転させるにあたっ
て、本形態では、表示用従動車6Aの内周側または外周側
にピンやダボを利用したガイド機構(図示せず。)を構
成してある。
駆動車31は外周縁に2つの凹部312の間で突出する1
枚の外歯313に相当する凸部が形成されている一方、リ
ング状の表示用従動車6Aは内周縁に31枚の内歯61Aが等
角度間隔で形成されている。表示用伝達車7Aは、外周縁
に凹部72Aを挟むように突き出た2本で一対の凸部から
なる5枚の外歯71Aが等角度間隔で形成されている。
このように構成した輪列において、表示用伝達車7Aの
凹部72Aに駆動車31の外歯313が係合することにより、表
示用伝達車7Aは、駆動車31に外接噛合し、駆動車31が矢
印A1で示す方向に回転したときに、この回転に連動して
矢印A2で示す方向に回転する。また、表示用伝達車7Aの
2つの凸部からなる外歯71Aが表示用従動車6Aの内歯61A
の凹部に係合することにより、表示用伝達車7Aは、表示
用従動車6Aに内接噛合し、駆動車31の回転を表示用従動
車6Aに矢印A3で示す方向(順方向)の回転として伝達
し、カレンダー表示の切り換えを行なう。
このように、駆動車31の外周縁と表示用伝達車7Aの外
周縁との噛み合い、および表示用従動車6Aの内周縁と表
示用伝達車7Aの外周縁との噛み合いのいずれにも、1枚
の表示用伝達車7Aの外周縁で外歯71Aを構成する凹凸を
利用しているので、表示用伝達車7Aとしては、駆動車31
および表示用従動車6Aのそれぞれに噛合する2枚の歯車
を貼り合わせたものを採用する必要がない。このため、
図3に示すように、駆動車31、表示用伝達車7Aおよび表
示用従動車6Aを同一平面内に配置できるので、カレンダ
ー表示装置5の送り機構50を薄型化できる。すなわち、
駆動車31、表示用伝達車7Aおよび表示用従動車6Aを平面
的に重ならないように配置して、カレンダー表示装置5
の送り機構50を薄型化できる。それ故、腕時計1の薄型
化を図ることができる。
再び図2において、送り機構50には、駆動車31と表示
用従動車6Aとの間に入り込む方向の側圧(矢印FA1で示
す。)を弾性をもって表示用伝達車7Aに付与する側圧付
与機構7が構成されている。この側圧付与機構7におい
て、表示用伝達車7Aの回転中心軸70Aは、輪列受けや地
板(図示せず。)に形成されている孔21A(支持手段)
内に支持されている。この孔21Aは、駆動車31の外周縁
に沿うように、駆動車31と表示用従動車6Aとが構成して
いる隙間GAの外側から奥の方に向けて延びているため、
表示用伝達車7Aは孔21Aの形成範囲内において隙間GAの
外側と奥の方との間で移動可能である。また、表示用伝
達車7Aの回転中心軸70Aからみれば隙間GAの外側の方に
は、前記の輪列受けや地板などに基部81Aが支持された
略U字形状の薄い板材からなるばね8A(弾性部材)が配
置されている。このばね8Aの先端部82Aは、矢印FA1で示
すように、弾性をもって表示用伝達車7Aの回転中心軸70
Aを隙間GAの奥の方に押圧している。しかも、駆動車31
と表示用従動車6Aとは奥にいくほど幅が狭くなる隙間GA
を構成しているので、ばね8Aの押圧力(側圧)は表示用
伝達車7Aの外周縁を駆動車31の外周縁および表示用従動
車6Aの内周縁に押し付けて、駆動車31および表示用従動
車6Aとのガタ(隙間)を弾性をもって詰める。
但し、ばね8Aが表示用伝達車7Aを押圧する方向(矢印
FA1で示す方向)は、駆動車31の外周輪郭円のうち、駆
動車31と表示用伝達車7Aとの接触位置における接線方向
(矢印FA2で示す方向)と略平行である。すなわち、ば
ね8Aが表示用伝達車7Aを押圧する方向(矢印FA1で示す
方向)は、駆動車31の外周輪郭円と、駆動車31および表
示用伝達車7Aの両回転中心点を結ぶ線との交点における
当該外周輪郭円の円周方向である。このため、ばね8Aは
表示用伝達車7Aの回転中心軸70Aを駆動車31および表示
用従動車6Aのうち、表示用従動車6Aの方に偏った方向に
押圧している。従って、駆動車31および表示用従動車6A
と接する位置において表示用伝達車7Aが法線方向に押す
力は、駆動車31の方より表示用従動車6Aの方で大きい。
また、表示用伝達車7Aがばね8Aに押圧されて隙間GAの
奥の方にまで過度に入り込むと楔として作用し、大きな
負荷を発生させるが、本形態では、孔21Aの縁が表示用
伝達車7Aに対する壁211A(ストッパー)となるので、表
示用伝達車7Aはこれ以上、隙間GA内に入り込むことはな
い。
また、孔21Aは駆動車31と表示用従動車6Aとが構成し
ている隙間GAの外側にまで延びているため、後述するよ
うに、日表示の修正を行う際に表示用従動車6Aを矢印A4
で示すように回したときには、この力を表示用従動車6A
から受ける表示用伝従動6Aは、駆動車31と表示用従動車
6Aとの間から外側に向けて退避する。
再び図1において、本形態では、駆動車31および表示
用伝達車7Aを介さずに、表示用伝達車7Aを早送りで回転
させて日表示の修正を行うための表示修正用早送り機構
9が構成されている。この表示修正用早送り機構9に
は、外端部に竜頭91が固着された巻真92と、この巻真92
に固定されている鼓車93と、この鼓車93の回転が伝達さ
れる第1の表示修正用伝達車94と、表示用従動車6Aに内
接噛合する第2の表示修正用伝達車95と、カレンダーを
修正するために竜頭91を引き出して竜頭91を日表示の修
正方向に回したときに第2の表示修正用伝達車95と噛み
合う位置にずれる第3の表示修正用伝達車96とが構成さ
れている。従って、竜頭91を引き出して竜頭91を日表示
の修正方向に回すと、第3の表示修正用伝達車96は二点
鎖線L2で示す位置から二点鎖線L1で示す位置にずれて第
2の表示修正用伝達車95と噛み合うので、竜頭91の回転
動作は、巻真92の鼓車93、第1の表示修正用伝達車94、
第3の表示修正用伝達車96、および第2の表示修正用伝
達車95を介して表示用従動車6Aに矢印A4の方向の回転と
して伝達される。従って、表示用従動車6Aを手動で早送
りすることが可能である。但し、竜頭91を押し込んだ状
態では鼓車93が第1の表示修正用伝達車94との係合位置
からずれ、それらの係合が解除された状態になるため、
駆動車31および表示用伝達車7Aを介して表示用従動車6A
に通常のカレンダー送り動作を行わせるときには、駆動
車31および表示用伝達車7Aに過大な負荷がかからない。
このように構成したカレンダー表示装置5において、
前記のステップモータからの回転駆動力が伝達されて駆
動車31が矢印A1で示すように24時間で1回転し、外歯31
3が所定の位置に来ると表示用伝達車7Aの外歯71Aと噛み
合う。その結果、表示用伝達車7Aは、矢印A2で示す方向
に24時間に72゜の角度分(1ステップ分)を回転してか
ら停止することになる。この間、表示用伝達車7Aは、外
歯71Aおよび内歯61Aを介して内接噛合する表示用従動車
6Aを矢印A3で示す方向に24時間に約11.6゜分(1ステッ
プ分)を回転させ、表示窓22で行う日の表示を1日進ま
せてから停止する。
このような通常のカレンダー送りが行われる際に、カ
レンダー表示装置5の送り機構50はゼネバ構造であるた
め、表示用伝達車7Aはカレンダー送り時に駆動車31と噛
み合えばスムーズに回転し、駆動力を効率よく伝達する
ことができる。
また、表示用伝達車7Aはばね8Aに押圧されて駆動車31
との係合部間のガタ、および表示用従動車6Aとの係合部
間のガタを弾性をもって詰めており、歯の突っ張りに起
因する負荷などを避けることのできる程度のガタが確保
されている。さらに、表示用従動車6Aの表示飛びを防ぐ
のにジャンパばねを用いていない。それ故、表示用伝達
車7Aと駆動車31との間、表示用伝達車7Aと表示用従動車
6Aとの間のいずれの間でも余分な負荷を発生させないの
で、腕時計1(カレンダー表示機構5)の低消費電力化
を図ることができる。
ここで、表示用伝達車7Aが駆動車31および表示用従動
車6Aとの係合部間のガタを詰めるように、孔21Aは隙間G
Aの内側まで延びているが、通常のカレンダー送りの休
止期間には、表示用伝達車7Aの回転中心軸70Aは孔21Aの
中央寄りの位置にあって孔21Aの内周縁には接していな
い(図1参照。)。この状態から、通常のカレンダー送
り動作を行なうと、駆動車31から表示用伝達車7Aに加わ
る力の方向は、ばね8Aが表示用伝達車7Aを押圧している
方向(側圧方向)とは同一であり、表示用伝達車7Aを隙
間GAに深く押し込もうとする方向である。このため、駆
動車31が表示用伝達車7Aを回転駆動したとき、表示用伝
達車7Aが隙間GAの奥の方に過度に入り込むおそれがある
が、本形態では、表示用伝達車7Aの回転中心軸70Aが孔2
1Aの壁211Aに突き当たるので(図2参照。)、これ以上
駆動車31と表示用従動車6Aとの間に深く入り込むことが
ない。従って、駆動車31と表示用伝達車7Aとの間におい
て発生する歯の突っ張りに起因する負荷、および表示用
伝達車7Aと表示用従動車6Aとの間において発生する歯の
突っ張りに起因する負荷を低減できる。それ故、カレン
ダー送りを行う際に低消費電力化を図ることができる。
また、孔21Aは回転中心軸70Aの径からみれば幅が広い
ので、駆動車31の方および表示用従動車6Aの方のいずれ
の方向(側圧方向に直交する方向)にも移動可能であ
る。このため、表示用伝達車7Aは駆動車31の方から受け
る力と表示用従動車6Aの方から受ける力とのバランスに
よって最適位置にずれる。このため、表示用伝達車7A
は、表示用伝達車7Aと駆動車31との間、および表示用伝
達車7Aと表示用従動車6Aとの間の双方においてガタを確
実に、適度な力で詰めることができるので、ゼネバ構造
特有のガタつきを確実に防止することができる。
さらに、カレンダー送りの休止期間においても、表示
用伝達車7Aはばね8Aによって押圧され、楔状に駆動車31
との係合部間のガタおよび表示用従動車6Aとの係合部間
のガタを詰めている。このようなゼネバ構造では、カレ
ンダー送りの休止期間中、表示用伝達車7Aの外周縁は駆
動車31の外周縁および表示用従動車6Aの内周縁に接した
状態に位置決めされ、その結果、表示用従動車6Aを位置
決めすることになる。それ故、表示用従動車6Aは外乱な
どによって勝手に動くことがないので、表示飛びが防止
できる。よって、送り動作の負荷が小さくて、かつ、表
示の飛びが発生しないカレンダー表示装置5を実現でき
る。
しかも、ばね8Aは表示用伝達車7Aの回転中心軸70Aを
表示用従動車6Aの方に偏った方向に押圧しているため、
表示用伝達車7Aは表示用従動車6Aを確実に位置決めす
る。これに対して、表示用伝達車7Aは駆動車31の外周縁
に対して表示用従動車6Aの方に比較してやや弱めの力で
押圧しているだけなので、通常のカレンダー送り動作に
おける休止期間において駆動車31と表示用伝達車7Aとの
間の摩擦負荷トルクが小さい。
また、本形態では、表示用伝達車7Aに側圧を加えるに
あたって、ばね8Aを回転中心軸70Aに当接させているの
で、表示用伝達車7Aを押圧する方向や大きさを最適な条
件に設定するのが容易であり、表示用従動車6Aの位置ず
れ・日飛びのない構造を構成しやすい。しかも、ばね8A
の先端部82Aと回転中心軸70Aとの接触であり、回転中心
軸70Aの径が小さい。従って、駆動車31が表示用伝達車7
Aを回転させる際にばね8Aと回転中心軸70Aとの接触部分
での摩擦が小さい分、摩擦負荷トルクを小さく抑えるこ
とができるので、低消費電力化に適している。
さらに、本形態のカレンダー表示装置5において日表
示を修正したいときに竜頭91を引き出して日表示の修正
方向に回せば、第2の表示修正用伝達車95と第3の表示
修正用伝達車96とが噛み合って、駆動車31および表示用
伝達車7Aを介さずに、表示用従動車6Aを矢印A4で示す方
向に早送りする。この際に、表示用伝達車7Aの位置が完
全に固定していると、表示用従動車6Aを回す際に表示用
伝達車7Aおよび駆動車31から大きな負荷がかかるが、本
形態では、表示用伝達車7Aは孔21Aの形成範囲内で移動
可能であり、しかもばね8Aの押圧力によって表示用伝達
車7Aと表示用従動車6Aとが係合しているだけである。そ
れ故、竜頭91を介して表示用従動車6Aを早送りするとき
には、その力を受けて、表示用伝達車7Aは隙間GAの奥か
ら外側へ押し出されるので、表示用伝達車7Aと表示用従
動車6Aとの係合が解除される。よって、表示用従動車6A
を手動によって早送りするのもスムーズである。また、
この状態から通常のカレンダー送りの状態に戻る際に
は、表示用伝達車7Aは孔21A内で駆動車31の方および表
示用従動車6Aの方のいずれの方向(側圧方向に直交する
方向)にずれることが可能であるため、表示用伝達車7A
は駆動車31および表示用従動車6Aに再び噛合する状態に
スムーズに戻る。
また、本形態では、図1および図3からわかるよう
に、ばね8Aには、湾曲部分84Aと、そこから細く延びて
表示用伝達車7Aの回転中心軸70Aに当接する先端部82A
と、この先端部82Aと基部81Aとの間で突き当たることに
よって湾曲部分84Aのこれ以上の変形を防止するストッ
パー部分85Aとが構成されている。このため、1つのば
ね8Aに、湾曲部分84A(第1の変形部)と先端部82A(第
2の変形部)の2ヵ所に弾性変形部分を有している。す
なわち、湾曲部分84Aは比較的小さなばね定数をもって
弾性変形するが、表示用伝達車7Aが駆動車31と表示用従
動車6Aとの間に入り込む方向とは反対方向に移動する途
中、ストッパー部分85Aが突き当たった後はそこを支点
として先端部82が大きなばね定数をもって弾性変形を開
始する。従って、ばね8Aはそれ1つで2つのばね定数を
有しているといえ、弾性変形量が小さい状態から大きな
状態に切り換わったときにばね定数も大きな値に切り換
わる。このため、表示用従動車6Aに表示飛びが起きる際
には、駆動車31と表示用従動車6Aとの間に入り込む方向
とは反対方向に表示用伝達車7Aを大きく変位させるはず
なので、このときはばね8Aが大きく弾性変形し、ばね定
数が大きくなる。従って、表示用伝達車7Aは表示用従動
車6Aを確実に位置決めすることになる。それでも、通常
の表示送り動作の際には、ばね8Aは、弾性変形量が小さ
く、ばね定数が小さいままである。それ故、表示用伝達
車7Aと駆動車31との間、表示用伝達車7Aと表示用従動車
6Aとの間の負荷が小さくて済む。よって、カレンダー送
り動作時の低消費電力化を図りながら、表示飛びを確実
に防止できる。
また、ばね8Aはその大部分が表示用従動車6Aと重なる
ように配置されている。このため、ばね8Aを配置するの
に特別なスペースを確保する必要がないので、腕時計1
の小型化に適している。これに対して、後述する実施の
形態2のように、ばね8Aを表示用従動車6Aと同じ平面内
に配置すると、腕時計1の薄型化に適している。
さらに、図4に示すように、側圧付与機構7におい
て、ばね8Aの先端部82は、地板などに形成した孔21Aの
縁(壁211A/ストッパー)と対峙する位置で表示用伝達
車7Aの回転中心軸70Aに当接してこの壁211Aの方に向か
う側圧を表示用伝達車7Aに付与している。このため、表
示用伝達車7Aの回転中心軸70Aがばね8Aの先端部82に押
圧されて壁211Aに突き当たることがあっても、表示用伝
達車7Aの回転中心軸70Aは傾くことがない。それ故、駆
動車31が表示用伝達車7Aを回転させる負荷、または表示
用伝達車7Aが表示用従動車6Aを回転させる際に負荷を小
さく抑えることができる。
[実施の形態2] 図5は、本発明の実施の形態2に係る腕時計のカレン
ダー表示装置の要部を構成する各部品の配置を示す平面
図、図6は、このカレンダー表示装置の送り機構におけ
る駆動力伝達部分の拡大図、図7は、カレンダー表示装
置の送り機構を構成する輪列を展開して各部品の係合状
態を模式的に示す縦断面図である。本形態のカレンダー
表示装置の基本的な構成は、実施の形態1と同様である
ため、対応する機能を有する部分には同一の符号を付し
て、それらの詳細な説明を省略する。但し、対応する機
能を有する部品のうち、実施の形態1の説明において表
示用従動車6A、表示用従動車6A、ばね8Aとしたものなど
については、表示用従動車6B、表示用従動車6B、ばね8B
などとして図示し、説明する。
図5および図6に示すように、本形態でも、駆動部3
においてステップモータ(図示せず。)から回転駆動力
が伝達されて24時間で1回転する駆動車31(駆動車)が
構成され、この駆動車31に形成されている時刻表示用の
外歯311は時刻表示用の歯車4と噛み合っている。
カレンダー表示装置5の送り機構50において、実施の
形態1では、表示用従動車として内歯を備えるリング状
のものを用いたが、本形態では、外周縁に31枚の外歯61
Bが形成された円盤状の表示用従動車6B(表示部の日車
/表示用従動車)を用いており、その上面部には、日が
印刷された表示盤66Bが一体に取り付けられている。駆
動車31としては、外周縁において2つの凹部312で挟ま
れた凸部からなる1枚の外歯313が形成されたものを用
いている。ここで、表示用従動車6Bには駆動車31の回転
動作が表示用伝達車7Bを介して伝達されるようになって
いる。
すなわち、図6および図7に示すように、表示用伝達
車7Bは、駆動車31と噛合する4枚の外歯741を備える第
1のディスク74と、表示用従動車6Bと噛合する4枚の外
歯751を備える第2のディスク75とからなる2枚の歯車
で構成され、第2のディスク75と第1のディスク74とは
回転中心軸70Bを共通にして積層固定されている。従っ
て、いずれのディスク74、75も回転中心軸70Bの周りを
一体に回転するように構成されている。
図5および図6において、このように構成した送り機
構50にも、駆動車31と表示用従動車6Bとの間に入り込む
方向の側圧を弾性をもって表示用伝達車7Bに付与する側
圧付与機構7が構成されている。すなわち、表示用伝達
車7Bは回転中心軸70Bが輪列受けや地板(図示せず。)
に形成されている孔21B内に支持され、表示用伝達車7B
は孔21Bの形成範囲内において、駆動車31と表示用従動
車6Bとの間に入り込む位置と、そこから外側に出た位置
との間で移動可能である。但し、表示用伝達車70Bの回
転中心軸70Bは、略U字形状のばね8B(弾性部材)によ
って弾性をもって駆動車31と表示用従動車6Bとの間に入
り込むように押圧され、駆動車31および表示用従動車6B
に押し付けられている。
再び図5において、本形態のカレンダー表示装置5の
送り機構50でも、駆動車31および表示用伝達車7Bを介さ
ずに、表示用従動車6Bを回転させて日表示の修正を行う
ための表示修正用早送り機構9が構成されている。この
表示修正用早送り機構9は、外端部に竜頭91が固着され
た巻真92と、この巻真92に固定されている鼓車93と、こ
の鼓車93の回転が伝達される第1の表示修正用伝達車94
と、表示の修正を行うために竜頭91を引き出して日表示
の修正方向に回したとこには二点鎖線L4で示す位置から
二点鎖線L3で示す位置にずれて表示用従動車6Bと噛合す
る第2の表示修正用伝達車97とが構成されている。従っ
て、竜頭91を引き出して日表示の修正方向に回すと、そ
の回転動作が巻真92の鼓車93、第1の表示修正用伝達車
94、および第2の表示修正用伝達車97を介して表示用従
動車6Bに伝達されるので、表示用従動車6Bを手動で早送
りすることが可能である。但し、竜頭91を押し込んだ状
態では鼓車93が第1の表示修正用伝達車94との係合位置
からずれ、それらの係合が解除された状態にあるため、
駆動車31および表示用伝達車7Bを介して表示用従動車6B
に通常のカレンダー送り動作を行うときには、駆動車31
および表示用伝達車7Bに過大な負荷がかからない。
このように構成したカレンダー表示装置5の送り機構
50において、前記のステップモータからの回転駆動力が
伝達されて駆動車31が矢印B1で示す方向に24時間で1回
転すると、これに第1のディスク74を介して噛み合う表
示用伝達車7Bは矢印B2で示す方向に24時間に90゜の角度
分(1ステップ分)を回転してから停止する。この間、
表示用伝達車7Bに第2のディスク75を介して噛み合う表
示用従動車6Bは、矢印B3で示す方向(順方向)に24時間
に約11.6゜分(1ステップ分)を回転し、表示窓22で行
う日の表示を1日進ませてから停止する。
このように、本形態に係るカレンダー表示装置5の送
り機構50も、実施の形態1と同様、ゼネバ構造であるた
め、表示用伝達車7Bはカレンダー送り時に駆動車31と噛
み合えばスムーズに回転し、駆動力を効率よく伝達する
ことができる。
また、表示用伝達車7Bはばね8Bに押圧されて駆動車31
との係合部間のガタ、および表示用従動車6Bとの係合部
間のガタを弾性をもって詰めており、歯の突っ張りに起
因する負荷を避けることのできる程度のガタが確保され
ている。さらに、表示用従動車6Bの表示飛びを防ぐのに
ジャンパばねを用いていない。それ故、表示用伝達車7B
と駆動車31との間、表示用伝達車7Bと表示用従動車6Bと
の間のいずれの間でも余分な負荷を発生させないので、
腕時計1(カレンダー表示機構5)の低消費電力化を図
ることができる。
また、カレンダー送りの休止期間においても、表示用
伝達車7Bはばね8Bによって押圧され、駆動車31との係合
部間のガタおよび表示用従動車6Bとの係合部間のガタの
双方を詰めている。従って、カレンダー送りの休止期間
においては、表示用伝達車7Bは駆動車31および表示用従
動車6Bに接した状態に位置決めされ、この状態で表示用
従動車6Bを位置決めしている。それ故、表示用従動車6B
は外乱などによって勝手に動くことがないので、表示飛
びを防止できる。よって、送り動作の負荷が小さくて、
かつ、表示の飛びが発生しないカレンダー表示装置5を
実現できる。
また、表示修正用早送り機構9において、駆動車31お
よび表示用伝達車7Bを介さずに、表示用従動車6Bを逆方
向に早送りすると、その力を受けて、表示用伝達車7Bは
駆動車31と表示用従動車6Bとの間から外側へ押し出され
るので、表示用伝達車7Bと表示用従動車6Bや駆動車31と
の係合が解除される。よって、表示用従動車6Bを手動に
よって逆送りするのにも支障がないなど、この点でも実
施の形態1と同様な効果を奏する。
さらに、本形態では、表示用従動車6Bを軸案内する構
造であるため、表示用従動車6Bとの径方向におけるガタ
を加工において小さくできるので、日表示の飛びに強い
という利点がある。しかも、表示用従動車6Bの歯モジュ
ールを小さくできる分、小型化できるとともに、表示の
送りに要する時間を短縮できる。
[実施の形態3] 図8は、本発明の実施の形態3に係る腕時計のカレン
ダー表示装置の要部を構成する各部品の配置を示す平面
図、図9は、このカレンダー表示装置の送り機構を構成
する輪列を展開して各部品の係合状態を模式的に示す縦
断面図である。本形態のカレンダー表示装置の基本的な
構成は、実施の形態1、2と同様であり、実施の形態1
の構成を利用して日表示を行い、実施の形態2の構成を
利用して曜表示を行うものである。このため、対応する
機能を有する部分には同一の符号を付して、それらの詳
細な説明を省略する。
これらの図において、腕時計1の本体内には、駆動部
3においてステップモータ(図示せず。)からの回転駆
動力が伝達されて48時間で1回転する駆動車31が構成さ
れており、この駆動車31に形成されている時刻表示用の
外歯311は時刻表示用の歯車4と噛み合っている。
また、腕時計1には日、曜のいずれをも表示するカレ
ンダー表示装置5が構成されている。このカレンダー表
示装置5の送り機構50でも駆動車31(駆動車)から伝達
される回転駆動力を利用して日や曜を表示する。
すなわち、カレンダー表示装置5の送り機構50では、
実施の形態1と同様に、日を表示するための数字が印刷
されたリング状の表示用従動車6A(表示部の日車/表示
用従動車)と、この表示用従動車6Aおよび駆動車31の双
方に係合して駆動車31の回転を表示用従動車6Aに伝達可
能な表示用伝達車7Aとが構成されている。駆動車31は、
実施の形態1で説明したように、外歯313に相当する突
起が形成されているが、外歯313は、角度位置が180゜ず
れた2ヵ所に形成されている。表示用従動車6Aは31枚の
内歯61Aを備えている。表示用伝達車7Aは、凹部を挟む
2本で一対の突起からなる5枚の外歯71Aが等角度間隔
で形成されている。従って、表示用伝達車7Aは駆動車31
に外接噛合する一方、表示用従動車6Aに内接噛合し、駆
動車31の回転を表示用従動車6Aに伝達可能である。
本形態では、実施の形態2と同様な構成を利用して曜
を表示するようになっている。すなわち、カレンダー表
示装置5の送り機構50には、外周縁に14枚の外歯61Bが
形成された円盤状の表示用従動車6B(表示部の表示用従
動車)が構成され、この表示用従動車6Bの上面部には、
曜が二か国語で印刷された表示盤66B(表示部の曜車)
が一体に取り付けられている。この表示用従動車6Bには
表示用伝達車7Bを介して駆動車31の回転が伝達されるよ
うになっている。表示用伝達車7Bは、実施の形態2で説
明したように、駆動車31と噛合する4枚の外歯を備える
第1のディスク74と、表示用従動車6Bと噛合する4枚の
外歯を備える第2のディスク75とを備え、第2のディス
ク75と第1のディスク74とは回転中心軸70Bを共通にし
て積層固定されているので、いずれのディスクも回転中
心軸70Bの周りを一体に回転する。
このように構成した表示送り機構50には、実施の形態
1、2と同様、駆動車31と表示用従動車6A、6Bとの間に
入り込む方向の側圧を弾性をもって表示用伝達車7A、6B
にそれぞれ付与する側圧付与機構7が構成されている。
すなわち、表示用伝達車7A、7Bの回転中心軸70A、70B
は、輪列受けや地板(図示せず。)に形成されている孔
21A、21B内に支持され、かつ、略U字形状のばね8A、8B
(弾性部材)によって駆動車31と表示用従動車6A、6Bと
の間に向けて押圧されている。従って、表示用伝達車7
A、7Bは駆動車31および表示用従動車6A、6Bに押し付け
られている。
また、本形態のカレンダー表示装置5の送り機構50で
も、駆動車31および表示用伝達車7A、7Bを介さずに、表
示用従動車6A、6Bを回転させて日表示および曜表示の修
正を行うための表示修正用早送り機構9が構成されてい
る。この表示修正用早送り機構9は、外端部に竜頭91が
固着された巻真92と、この巻真92に固定されている鼓車
93と、この鼓車93の回転が伝達される第1の表示修正用
伝達車94と、表示用従動車6Aに内接噛合する第2の表示
修正用伝達車95と、日表示の修正を行うために竜頭91を
1段引き出して日表示修正方向に回したときには第2の
表示修正用伝達車95と係合する位置にずれ、曜表示の修
正を行うために竜頭91を1段引き出して曜表示修正方向
に回したときには表示用従動車6Bと係合する位置にずれ
る第3の表示修正用伝達車96とが構成されている。ここ
で、竜頭91を押し込んであるときには鼓車93と第1の表
示修正用伝達車94との係合が解除された状態になるた
め、駆動車31および表示用伝達車7A、7Bを介して表示用
従動車6A、6Bを通常のカレンダー送り動作を行わせると
きに駆動車31および表示用伝達車7A、7Bに過大な負荷が
かからない。
このように構成したカレンダー表示装置5の送り機構
50において、前記のステップモータからの回転駆動力が
伝達されて駆動車31が矢印A1で示すように、48時間で1
回転すると、これに噛み合う表示用伝達車7A、7Bは、矢
印A2、B2で示すように24時間に1ステップ分を回転して
から停止する。この間、表示用伝達車7A、7Bに噛み合う
表示用従動車6A、6Bも矢印A3、B3で示すように24時間に
1ステップ分を回転し、表示窓22で行う日、曜の表示を
1日進ませてから停止する。ここで、表示用伝達車7A、
7Bは、それぞれ駆動車31と噛み合うタイミングがずれて
いる。従って、日送りと曜送りとが異なるタイミングで
行われるので、負荷が小さい。
このような通常のカレンダー送りが行われる間、およ
びカレンダー送りの休止期間に相当する期間のいずれに
おいても、表示用伝達車7A、7Bは駆動車31および表示用
従動車6A、6Bに向けて弾性をもって押し付けられてい
る。従って、送り機構50は、ジャンパばねを用いないゼ
ネバ構造を有しているといえ、通常のカレンダー送りを
行う際に、表示用伝達車7A、7Bと駆動車31との間、表示
用伝達車7A、7Bと表示用従動車6A、6Bとの間のいずれの
間でも余分な負荷を発生させない。また、この送り機構
において、側圧付与機構7のばね8A、8Bは、表示用伝達
車7A、7Bを押圧して表示用伝達車7A、7Bと駆動車31との
係合部間のガタおよび表示用伝達車7A、7Bと表示用従動
車6A、6Bとの係合部間のガタを弾性をもって詰めてい
る。このため、駆動車31の動きを表示用従動車6A、6Bに
伝達する動作の休止期間においても、表示用伝達車7A、
7Bは駆動車31および表示用従動車6A、6Bに接した状態に
位置決めされ、表示用従動車6A、6Bを位置決めする状態
にある。このため、表示用従動車6A、6Bは外乱などのよ
って勝手に動くことがないので、表示飛びを防止できる
など、実施の形態1、2と同様、送り動作の負荷が小さ
くて、かつ、表示の飛びが発生しない表示装置を実現で
きる。
また、表示修正用早送り機構9において、駆動車31お
よび表示用伝達車7A、7Bを介さずに、表示用従動車6A、
6Bを早送りすると、その力を受けて、表示用伝達車7A、
7Bは駆動車31と表示用従動車6A、6Bとの間から外側へ押
し出されるので、表示用伝達車7A、7Bと表示用従動車6
A、6Bや駆動車31との係合が解除される。よって、表示
用従動車6A、6Bを手動によって早送りするのにも支障が
ないなど、この点でも実施の形態1、2と同様な効果を
奏する。
[実施の形態4] 以下に説明するように、カレンダー送りを行う際に駆
動車31から表示用伝達車7Aに加わる力の方向と、ばね8A
が表示用伝達車7Aを押圧している方向(側圧方向)とが
反対の向きであってもよい。たとえば、図10に通常のカ
レンダー送り時の回転方向を矢印A1′、A2′、A3で示す
ように、図1および図2を参照したものに対して回転方
向を反対の向きに設定してもよい。このように設定する
と、駆動車31は表示用伝達車7Aを回転駆動するときに表
示用伝達車7Aを隙間GAから引き出そうとするので、駆動
車31と表示用伝達車7Aとの間において発生する歯の突っ
張りに起因する負荷、および表示用伝達車7Aと表示用従
動車6Aとの間において発生する歯の突っ張りに起因する
負荷を低減できる。また、駆動車31から表示用伝達車7A
の加わる力の方向は、ばね8Aが表示用伝達車7Aを押圧す
る力に抗する方向であるため、表示用伝達車7Aの回転中
心軸70Aがほとんど移動しない。従って、表示用伝達車7
Aの回転中心軸70Aを支持しやすい。また、回転中心軸70
Aは孔21Aの縁に当接することもないので、回転中心軸70
Aと孔21Aの縁との間に負荷が発生しない。それ故、カレ
ンダー送りを行う際の低消費電力化を図ることができ
る。
このよう構成したとき、駆動車31の外歯132と表示用
伝達車6Aの外歯71Aとが噛み合っている状態では表示修
正用早送り機構9を介して表示用従動車6Aをカレンダー
送り方向と逆方向(矢印A4で示す方向)に早送りするに
は駆動車31をも逆方向に回す必要がある分、大きな負荷
がかかる。そこで、駆動車31から表示用伝達9車6Aを介
して表示用従動車6Aに至る駆動力伝達経路には、この伝
達経路を断続可能なクラッチ機構を設けておき、表示修
正用早送り機構9を介して表示用従動車6Aを小さな負荷
で逆方向に早送りできるように構成してもよい。
[実施の形態5] 図11は、本発明の実施の形態5に係る腕時計のカレン
ダー表示装置の要部を構成する各部品の配置を示す平面
図、図12は、このカレンダー表示装置の送り機構におけ
る駆動力伝達部分の拡大図、図14および図15はそれぞ
れ、このカレンダー表示装置の送り機構を構成する輪列
を展開して各部品の係合状態を模式的に示す縦断面図で
ある。本形態のカレンダー表示装置の基本的な構成は、
実施の形態1と同様であるため、対応する機能を有する
部分には同一の符号を付して、それらの詳細な説明を省
略する。但し、対応する機能を有する部品のうち、実施
の形態1の説明において表示用従動車6A、表示用従動車
6A、ばね8Aとしたものなどについては、表示用従動車6
D、表示用従動車6D、ばね8D、80Dなどとして図示し、説
明する。
図11および図12において、腕時計1の本体内には、ス
テップモータ(図示せず)。を備える駆動部3において
ステップモータからの回転駆動力が伝達されて24時間で
1回転する駆動車31(駆動車)が構成され、この駆動車
31に形成されている時刻表示用の外歯311は時刻表示用
の中間車32の歯車321と噛み合い、この中間車32の歯車3
22は、時刻表示用の筒車の歯車4と噛み合っている。
また、腕時計1には3時方向に形成された表示窓(図
示せず。)での日表示を切り換えていくカレンダー表示
装置5が構成されている。このカレンダー表示装置5の
送り機構50は、日を表示するための数字が印刷されたリ
ング状の表示用従動車6D(表示部の日車)と、この表示
用従動車6Dおよび駆動車31の双方に係合して駆動車31の
回転を表示用従動車6Dに伝達する表示用伝達車7Dとを備
えるゼネバ構造を有し、時刻表示用と同様、駆動車31か
ら伝達される回転駆動力を利用して日を表示する。
本形態でも、表示用従動車6Dは回転中心軸をもたない
リング状であるため、これを位置決めしながら回転させ
るにあたって、本形態では、表示用従動車6Dの内周側ま
たは外周側にピンやダボを利用したガイド機構(図示せ
ず。)を構成してある。
駆動車31は、時刻表示用の外歯311が形成されている
歯車と、外周縁にカレンダ送り用の外歯313に相当する
凹部が1つ形成されている歯車とが2枚貼り合わされた
構造を有している。表示用従動車6Dは内周縁に31枚の内
歯61Dが等角度間隔で形成されている。表示用伝達車7D
は、外周縁に外歯71Dに相当する凸部が等角度間隔で5
枚形成されている。
この表示用伝達車7Dにおいて、1つの凸部が外歯71D
を構成した理由は、以下のとおりである。すなわち、図
13に示すように、凸部(外歯71A)の先端縁がそこに形
成された凹部で先割れ構造になっていると、駆動車31の
外歯313に相当する凸部が表示用伝達車7Aの外歯71Aの凹
部内に入って係合するには、駆動車31の外歯313に相当
する凸部は、表示用伝達車7Aの凹部を構成する両側の2
つの凸部の一方を乗り越える必要がある。このため、駆
動車31の外歯313に相当する凸部には、側圧に抗して表
示用伝達車7Aを持ち上げるための負荷が加わるが、図11
および図12からわかるように、本形態において、表示用
伝達車7Dは、先割れでない単なる凸部からなる外歯71D
を備えているので、このような負荷が発生しない。
このように構成した輪列において、表示用伝達車7Dの
外歯71Dに駆動車31の外歯313が係合することにより、表
示用伝達車7Dは、駆動車31に外接噛合し、駆動車31が矢
印D1で示す方向に回転したときに、この回転に連動して
矢印D2で示す方向に回転する。また、同じく表示用伝達
車7Dの外歯71Dが表示用従動車6Dの内歯61Dの凹部に係合
することにより、表示用伝達車7Dは表示用従動車6Dに内
接噛合い、駆動車31の回転を表示用従動車6Dに矢印D3で
示す方向(順方向)の回転として伝達し、日の表示を切
り換える。
このように、駆動車31の外周縁と表示用伝達車7Dの外
周縁との噛み合い、および表示用従動車6Dの内周縁と表
示用伝達車7Dの外周縁との噛み合いのいずれにも、表示
用伝達車7Dの外周縁で外歯71Dを構成する凸部を利用し
ているので、表示用伝達車7Dとしては、駆動車31および
表示用従動車6Dのそれぞれに噛合する2枚の歯車を貼り
合わせたものを採用する必要がない。このため、図14お
よび図15に示すように、駆動車31、表示用伝達車7Dおよ
び表示用従動車6Dをスペーサ150を介して積層された地
板200と押さえ板210との間の隙間内に配置できる。すな
わち、駆動車31、表示用伝達車7Dおよび表示用従動車6D
を同一平面内に配置できる。それ故、カレンダー表示装
置5の送り機構50を薄型化できるので、腕時計1の薄型
化を図ることができる。
再じ図12において、送り機構50には、駆動車31と表示
用従動車6Dとの間に入り込む方向の側圧(矢印FD1で示
す。)を弾性をもって表示用伝達車7Dに付与する側圧付
与機構7が構成されている。この側圧付与機構7におい
て、表示用伝達車7Dは、図14および図15に示すように、
その歯車部分から上下にそれぞれ延びる2本の回転中心
軸79D、70Dが地板200と押さえ板210とに重なるように形
成されている孔29D、21D(支持手段)内にそれぞれ支持
されている。この孔29D、21Dは、図12からわかるよう
に、駆動車31と表示用従動車6Dとが構成している隙間GD
の外側から奥の方に向けて延びているため、表示用伝達
車7Dは孔21D、29Dの形成範囲内において隙間GDの外側と
奥の方との間で移動可能である。
また、表示用伝達車7Dの回転中心軸79D、70Dからみれ
ば隙間GDの外側の方には、押さえ板210のだぼ220の基部
81Dが固定された細い棒材からなる第1のばね8D(弾性
部材)が配置されている。この第1のばね8Dは、スペー
サ150の両面のうち、地板200が位置する側に配置されて
いる。さらに、スペーサ150の両面のうち、押さえ板210
が位置する側には第2のばね80D(弾性部材)が配置さ
れている。この第2のばね80Dは、長さ方向における略
中央部分で屈曲した細い棒材で構成され、基部810Dが反
対側に回り込んだ地板200の側に固着されている。ま
た、第2のばね80Dは、屈曲部分と先端部との略中央部
分がスペーサ150の起立部分151に弾性をもって当接し、
この状態ですでに、ある程度の弾性変形した状態にあ
る。このため、第2のばね80Dは、後述するように、そ
の先端部820Dに表示用伝達車7Dの回転中心軸79Dが当接
すると、安定したばね定数をもって回転中心軸79Dを押
圧する。ここで、第2のばね80Dは、第1のばね8Dより
も太く、大きなばね定数を有している。
これらの2つのばね8D、80Dのうち、第1のばね8Dの
先端部82Dは、矢印FD1で示すように、弾性をもって表示
用伝達車7Dの回転中心軸70Dを隙間GDの奥の方に押圧し
ている。これに対して、第2のばね80Dの先端部820D
は、第1のばね8Dの先端部82Dからみると、隙間GDの外
側に位置しているので、通常のカレンダー送りを行なう
際には表示用伝達車7Dの回転中心軸79Dに当接しておら
ず、表示用伝達車7Dに作用していない。
ここで、駆動車31と表示用従動車6Dとは奥にいくほど
幅が狭くなる隙間GDを構成しているので、第1のばね8D
が表示用伝達車7Dを隙間GDの奥に入り込む方向に押圧す
る力(側圧)は表示用伝達車7Dの外周縁を駆動車31の外
周縁に押し付けて、駆動車31とのガタ(隙間)を弾性を
もって詰める。
それでも、第1のばね8Dが表示用伝達車7Dを押圧する
方向(矢印FD1で示す方向)は駆動車31の方に偏ってお
り、表示用従動車6Dの内周輪郭円のうち、表示用伝達車
7Dと表示用従動車6Dの接触位置における接線方向(矢印
FD2で示す方向)と略平行である。すなわち、第1のば
ね8Dが表示用伝達車7Dを押圧する方向(矢印FD1で示す
方向)は、表示用従動車6Dの内周輪郭円と、表示用従動
車6Dおよび表示用伝達車7Dの両回転中心点を結ぶ線との
交点における当該内周輪郭円の円周方向である。従っ
て、表示用伝達車7Dが駆動車31および表示用従動車6Dと
接する位置において表示用伝達車7Dが法線方向に押す力
は、表示用従動車6Dの方より駆動車31の方でかなり大き
い。従って、表示用伝達車7Dと表示用従動車6Dとは軽く
接しているか、あるいは表示用伝達車7Dと表示用従動車
6Dとの間にはガタSが形成される。それ故、表示用従動
車6Dは、カレンダー送りの休止期間中、すなわち、通常
の運針時に駆動車31と表示用従動車6Dとの間に深く入り
込んで楔となるということがない。よって、通常の運針
時には駆動車31に対して第1のばね8Dのばね力のみが負
荷として加わるだけなので、駆動車31はスムーズな運針
を行うことになる。
また、本形態では、表示用従動車6Dの内周輪郭円のう
ち、表示用伝達車7Dと表示用従動車6Dの接触位置におけ
る法線方向(表示用伝達車7Dと表示用従動車6Dの接触位
置における表示用従動車6Dの内周輪郭円の円周方向と垂
直な方向位置)で、孔29D、21Dの縁が表示用伝達車7Dに
対する壁291D、211D(ストッパー)となる。従って、表
示用伝達車7Dはこれ以上、隙間GD内に入り込むことはな
いので、通常の運針時に駆動車31に対して楔状の負荷と
なることはない。しかも、表示用伝達車7Dは、表示用従
動車6Dの輪郭円に対して円周方向の側圧を受けているの
で、駆動車31および壁291D、211D(ストッパー)に確実
に押し当てられた状態となる。従って、表示用伝達車7D
は、表示用従動車6Dの寸法ばらつきの影響を受けること
なくストッパーによって確実に位置決めされるので、表
示用従動車6Dの位置も正確に決まる。それ故、カレンダ
ー表示のずれは、表示用伝達車7Dと表示用従動車6Dとの
係合部間のガタに相当する分だけであり、最小限に抑え
ることができる。
ここで、孔29D、21Dは駆動車31と表示用従動車6Dとが
構成している隙間GDの外側にまで延びているため、後述
するように、日表示の修正を行う際に表示用従動車6Dを
矢印D4で示すように回したときには、この力を表示用従
動車6Dから受ける表示用伝達車7Dは、駆動車31と表示用
従動車6Dとの間から外側に向けて退避することが可能で
ある。
再び図11において、本形態では、駆動車31および表示
用伝達車7Dを介さずに、表示用従動車6Dを早送りで回転
させて日表示の修正を行うために表示修正用早送り機構
9が構成されている。この表示修正用早送り機構9は、
図1を参照して説明した機構と基本的には同じ機能を果
たす。すなわち、外端部に竜頭(図示せず。)が固着さ
れた巻真(図示せず。)と、この巻真に固定されている
鼓車と、この鼓車の回転が伝達される第1の表示修正用
伝達車94と、カレンダーを修正するために竜頭を引き出
して竜頭を日表示の修正方向に回したときに表示用従動
車6Dと噛み合う位置にずれる第2の表示修正用伝達車96
とが構成されている。従って、竜頭を引き出して竜頭を
日表示の修正方向に回すと、第2の表示修正用伝達車96
は実線線L12で示す位置から一点鎖線L11で示す位置にず
れて表示用従動車6Dと噛み合うので、竜頭の回転動作
は、第1の表示修正用伝達車94、および第2の表示修正
用伝達車96を介して表示用従動車6Dに矢印D4の方向の回
転として伝達される。従って、表示用従動車6Dを手動で
早送りすることが可能である。但し、竜頭を押し込んだ
状態では鼓車が第1の表示修正用伝達車94との係合位置
からずれ、それらの係合が解除された状態になるため、
駆動車31および表示用伝達車7Dを介して表示用従動車6D
に通常のカレンダー送り動作を行なうときには、駆動車
31および表示用伝達車7Dに過大な負荷がかからない。
このように構成したカレンダー表示装置5では、前記
のステップモータからの回転駆動力が伝達されて駆動車
31が矢印D1で示すように24時間で1回転し、外歯313が
所定の位置に来ると表示用伝達車7Dの外歯71Dと噛み合
う。その結果、表示用伝達車7Dは、矢印D2で示す方向に
24時間に72゜の角度分(1ステップ分)を回転してから
停止することになる。この間、表示用伝達車7Dは、外歯
71Dおよび内歯61Dを介して内接噛合する表示用従動車6D
を矢印D3で示す方向に24時間に約11.6゜分(1ステップ
分)を回転し、表示窓22で行う日の表示を1日進ませて
から停止する。
このような通常のカレンダー送りが24時間に一度行わ
れる際に、カレンダー表示装置5の送り機構50はゼネバ
構造であるため、表示用伝達車7Dはカレンダー送り時に
駆動車31と噛み合えばスムーズに回転し、駆動力を効率
よく伝達することができる。
また、表示用伝達車7Dは第1のばね8Dに押圧されて駆
動車31の方に強く押圧されている。このため、表示用伝
達車7Dと表示用従動車6Dとは軽く接しているだけなの
で、通常のカレンダー送りを行なう際に表示用伝達車7D
と表示用従動車6Dとの間に噛合が浅い。従って、表示用
伝達車7Dと表示用従動車6Dとの間において、歯の突っ張
りに起因する負荷を低減できる。それ故、表示用伝達車
7Dと駆動車31との間、表示用伝達車7Dと表示用従動車6D
との間のいずれの間でも余分な負荷を発生させないの
で、腕時計1(カレンダー表示機構5)の低消費電力化
を図ることができる。
ここで、孔29D、21Dは隙間GDの内側まで延びている
が、カレンダー送りの休止期間には、表示用伝達車7Dの
回転中心軸70Dは孔29D、21Dの中央寄りの位置にあって
孔29D、21Dの内周縁には接していない(図12参照。)。
しかし、カレンダー送りを行う際に駆動車31から表示用
伝達車7Dに加わる力の方向は、第1のばね8Dが表示用伝
達車7Dを押圧している方向(側圧方向)とは同一であ
り、表示用伝達車7Dを隙間GDに深く押し込もうとする方
向である。このため、駆動車31が表示用伝達車7Dを回転
駆動したときには、表示用伝達車7Dが隙間GDの奥の方に
過度に入り込むおそれがあるが、本形態では、表示用伝
達車7Dの回転中心軸70Dが孔29D、21Dの壁291D、211Dに
突き当たるので、これ以上駆動車31と表示用従動車6Dと
の間に深く入り込むことがない。従って、駆動車31と表
示用従動車6Dとの間において発生する歯の突っ張りに起
因する負荷、および表示用伝達車7Dと表示用従動車6Dと
の間において発生する歯の突っ張りに起因する負荷を低
減できる。それ故、カレンダー送りを行う際の低消費電
力化を図ることができる。
また、孔29D、21Dは回転中心軸79D、70Dの径からみれ
ば幅が広いので、駆動車31の方および表示用従動車6Dの
方のいずれの方向(側圧方向に直交する方向)にも移動
可能である。このため、表示用伝達車7Dは駆動車31の方
から受ける力と表示用従動車6Dの方から受ける力とのバ
ランスによって最適位置にずれる。その結果、表示用伝
達車7Dは、表示用伝達車7Dと駆動車31との間、および表
示用伝達車7Dと表示用従動車6Dとの間の双方においてガ
タを確実に、適度な力で詰めることができるので、ゼネ
バ構造特有のガタつきを確実に防止することができる。
さらに、カレンダー送りの休止期間においても、表示
用伝達車7Dは第1のばね8Dに押圧させて駆動車31の方に
強く押圧されている。このため、表示用伝達車7Dは、表
示用従動車6Dに軽く接することになるが、駆動車31とは
強めに接している。従って、表示用従動車6Dは外乱など
によって勝手に動くことがないので、表示飛びを防止で
きる。よって、送り動作の負荷が小さくて、かつ、表示
の飛びが発生しないカレンダー表示装置5が実現でき
る。
また、本形態では、表示用伝達車7Dに側圧を加えるに
あたって、第1のばね8Dを回転中心軸70Dに当接させて
いるので、表示用伝達車7Dを押圧する方向や大きさを最
適な条件に設定するのが容易であり、表示用従動車6Dの
位置ずれ・日飛びのない構造を構成しやすい。しかも、
第1のばね8Dの先端部82Dと回転中心軸70Dとの接触であ
り、回転中心軸70Dの径が小さい。従って、駆動車31が
表示用伝達車7Dを回転させる際に第1のばね8Dと回転中
心軸70Dとの接触部分での摩擦が小さい分、摩擦負荷ト
ルクを小さく抑えることができるので、低消費電力化に
適している。
さらに、本形態のカレンダー表示装置5において日表
示を修正したいときに竜頭を引き出して日表示の修正方
向に回せば、駆動車31および表示用伝達車7Dを介さず
に、表示用従動車6Dを矢印D4で示す方向に早送りする。
この際に、表示用伝達車7Dの位置が完全に固定している
と、表示用従動車6Dを回す際に表示用伝達車7Dおよび駆
動車31から大きな負荷がかかるが、本形態では、表示用
伝達車7Dは孔29D、21Dの形成範囲内で移動可能であり、
しかも第1のばね8Dの押圧力によって表示用伝達車7Dと
表示用従動車6Dとが係合しているだけである。それ故、
竜頭を介して表示用従動車6Dを早送りするときには、そ
の力を受けて、表示用伝達車7Dは隙間GDの奥から外側へ
押し出されるので、表示用伝達車7Dと表示用従動車6Dと
の係合が解除される。よって、表示用従動車6Dを手動に
よって早送りするのもスムーズである。また、この状態
から通常のカレンダー送りの状態に戻る際には、表示用
伝達車7Dは孔29D、21D内で駆動車31の方および表示用従
動車6Dの方のいずれの方向(側圧方向に直交する方向)
にずれることが可能であるため、表示用伝達車7Dは駆動
車31および表示用従動車6Dに再び噛合する状態にスムー
ズに戻る。
また、本形態では図12からわかるように、側圧付与機
構7では、第1のばね8Dおよび第2のばね80Dのうち、
第1のばね8Dは、駆動車31と表示用伝達車7Dとの間に入
り込む方向の側圧を表示用伝達車7Dに付与し続け、第2
のばね80Dは、駆動車31と表示用従動車6Dとの間に入り
込む方向とは反対方向に表示用従動車7Dが移動する途中
からこの表示用伝達車7Dに駆動車31と表示用従動車6Dと
の間に入り込む方向の側圧を付与し始めるように構成さ
れている。このため、表示用従動車6Dに表示飛びが起き
る際には表示用伝達車7Dが大きく変位するが、このよう
なときには、第1のばね8Dおよび第2のばね80Dの双方
が表示用伝達車7Dに作用するので、ばね定数が大きい。
それ故、表示用伝達車7Dには大きな変位が起きないの
で、表示飛びが発生しない。これに対して、通常の表示
送り動作の際には第1のばね8Dのみが表示用伝達車7Dに
作用するので、ばね定数が小さい。従って、表示用伝達
車7Dと駆動車31との間、表示用伝達車7Dと表示用従動車
6Dとの間の負荷が小さくて済む。それ故、カレンダー送
り動作時の低消費電力化を図りながら、表示飛びを確実
に防止できる。また、第2のばね80Dは、第1のばね8D
よりも大きなばね定数を有しているため、表示用伝達車
7Dが大きく変位しようとする際にはそれを押し戻そうと
する大きな力が加わることになるので、表示飛びをより
確実に防止できる。
さらにまた、本形態でも、図16に示すように、側圧付
与機構7において、第1のばね8Dの先端部82Dは、地板2
00に形成した孔21Dの縁(壁211D/ストッパー)と対峙す
る位置で表示用伝達車7Dの回転中心軸70Dに当接してこ
の壁211Dの方に向かう側圧を表示用伝達車7Dに付与して
いる。このため、表示用伝達車7Dの回転中心軸70Dがば
ね8Dの先端部82に押圧されて壁211Dの突き当たっても、
表示用伝達車7Dの回転中心軸70Dは傾くことがない。そ
れ故、駆動車31が表示用伝達車7Dを回転させる負荷、ま
たは表示用伝達車7Dが表示用従動車6Dを回転させる際の
負荷を小さく抑えることができる。
[その他の実施の形態] なお、上記のいずれの形態でも、表示用伝達車7A、7
B、7Dを略U字形状の薄い板材や細い棒材からなるばね8
A、8B、8D、80Dによって押圧する構成であってが、この
ばねとしては、板ばね、コイルばね、ひげぜんまいなど
を用いることもできる。また、表示用伝達車7A、7B、7D
を弾性をもって押圧可能なものであれば、ばねに限ら
ず、ゴムなどの弾性体でもよい。
また、表示用伝達車7A、7B、7Dとは別の部材で表示用
伝達車7A、7B、7Dに側圧を付与する構成に限らず、表示
用伝達車7A、7B、7Dをゴム製とし、それ自身の弾性変形
力によって、表示用伝達車7A、7B、7Dが駆動車31と表示
用従動車6A、6B、6Dとの間に弾性をもって入り込むよう
な側圧を発生させてもよい。このように構成した場合に
は、表示用伝達車7A、7B、7D自身の弾性力によって駆動
車31および表示用伝達車7A、7B、7Dとのガタを弾性をも
って詰めるゼネバ構造の送り機構50を構成できる。ま
た、このゼネバ構造の送り機構50では、表示用伝達車7
A、7B、7Dによって表示用従動車6A、6B、6Dを位置決め
できるとともに、表示用従動車6A、6B、6Dを早送りする
際には、表示用伝達車7A、7B、7D自身の弾性変形によっ
て表示用従動車6A、6B、6Dとの係合が解除されることに
なる。ここで、表示用伝達車7A、7B、7Dを弾性変形可能
な部品として構成するには、それ自身をゴムから構成す
る場合に限らず、部分的に空隙などを設け、この空隙に
向かって凹むことを利用して表示用伝達車7A、7B、7Dが
弾性変形するようにしてもよい。
また、上記の形態1、2、5では、ばね8A、8B、8Dは
表示用伝達車7A、7Bの回転中心軸70A、70B、70Dを介し
て押圧する構成であったが、ばねA、8B、8Dなどの弾性
部材が表示用伝達車7A、7B、7Dの外周縁(外歯の外端
縁)を押圧する構成でもよい。このように構成すると、
ばね8A、8B、8Dと表示用伝達車7A、7B、7Dとを同一平面
上に配置できるので、カレンダー表示装置5の薄型化、
すなわち腕時計1の薄型化を図ることができる。
また、駆動力を伝達し合う部材間においてその材質を
異なるものとすることによって磨耗等を防止してもよ
い。たとえば、駆動車31と表示用伝達車7A、7B、7Dとに
ついては一方をプラスチック製とし、他方を金属製とし
てもよい。
さらに、駆動車31や表示用伝達車7A、7B、7Dについて
はフッ素樹脂加工などといった潤滑処理を行い、摩擦負
荷トルクを低減してもよい。このように構成すると、潤
滑油を使用すう必要がなくなるので、リンギング負荷を
低減することができる。また、表示部分では印刷面への
油の付着による汚れなどもなくなる。
なお、上記の実施の形態では、腕時計1において日や
曜を表示する例を説明したが、腕時計用、置き時計用、
掛け時計用などに本発明を適用したカレンダー表示装置
を構成してもよい。さらに、表示すべき内容としては、
日や曜に限らず、時刻、月、年、月齢、太陽位置、さら
には、水深、気圧、温度、湿度、方位、速度などの計測
結果であってもよい。
発明の利用可能性 以上説明したように、本発明に係る表示装置では、駆
動車と表示用従動車との間に入り込む方向の側圧を弾性
をもって表示用伝達車に付与する側圧付与手段を有して
いる。従って、本発明によれば、ゼネバ構造の送り機構
において、ジャンパばねを用いなくても、側圧付与手段
が表示用伝達車を押圧しており、このため、側圧付与手
段は弾性をもってガタを詰めることを可能とし、送り動
作の負荷が小さい。また、送り駆動の休止期間には表示
用伝達車は駆動車および表示用従動車に接した位置決め
され、この状態で表示用従動車を位置決めする。このた
め、表示用従動車は外乱などによって勝手に動くことが
ないので、表示飛びを防止できる。それ故、送り動作の
負荷が小さくて、かつ、表示の飛びが発生しない表示装
置を実現できる。本発明において、駆動車および表示用
伝達車を介さずに表示用従動車を送り駆動して表示の修
正を行う表示修正用早送り機構を設けた場合でも、表示
用伝達車は弾性をもって表示用従動車を位置決めし、表
示用伝達車を前記入り込む方向とは反対方向に移動可能
としており、駆動車および表示用伝達車を介さずに表示
用従動車を動かしたときに表示用伝達車にかかる力は、
その弾性で吸収されるので、表示用従動車を逆方向にス
ムーズに早送りすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G04B 19/24 G04B 19/25 G04B 19/253

Claims (34)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動部に構成された駆動車と、表示部に構
    成された表示用従動車と、前記表示用従動車および前記
    駆動車の双方に係合して前記駆動車の動作を前記表示用
    従動車に伝達する表示用伝達車と、前記駆動車と前記表
    示用従動車との間に入り込む方向の側圧を前記表示用伝
    達車に付与する側圧付与手段とを備えるゼネバ構造の送
    り機構とを有し、前記入り込む方向とは反対方向に移動
    可能な状態に前記表示用伝達車を支持する支持手段を備
    えていることを特徴とする表示装置。
  2. 【請求項2】請求の範囲第1項において、前記側圧付与
    手段は、前記表示用伝達車に側圧を付与することによ
    り、前記表示用伝達車と前記駆動車との係合部間のガタ
    および前記表示用伝達車と前記表示用従動車との係合部
    間のガタを詰めていることを特徴とする表示装置。
  3. 【請求項3】請求の範囲第1項において、前記側圧付与
    手段は、前記駆動車および前記表示用従動車のうち前記
    表示用従動車の方に偏った方向の側圧を前記表示用伝達
    車に付与することにより、前記表示用伝達車と前記表示
    用従動車との係合部間のガタを詰めていることを特徴と
    する表示装置。
  4. 【請求項4】請求の範囲第3項において、前記側圧付与
    手段は、前記駆動車の輪郭円と、前記駆動車および前記
    表示用伝達車の両回転中心点を結ぶ線との交点における
    前記輪郭円の円周方向の側圧を前記表示用伝達車に付与
    するように構成されていることを特徴とする表示装置。
  5. 【請求項5】請求の範囲第1項において、前記側圧付与
    手段は、前記駆動車および前記表示用従動車のうち前記
    駆動車の方に偏った方向の側圧を前記表示用伝達車に付
    与することにより、前記表示用伝達車と前記駆動車との
    係合部間のガタを詰めていることを特徴とする表示装
    置。
  6. 【請求項6】請求の範囲第5項において、前記側圧付与
    手段は、前記表示用従動車の輪郭円と、前記表示用従動
    車および前記表示用伝達車の両回転中心点を結ぶ線との
    交点における前記輪郭円の円周方向の側圧を前記表示用
    伝達車に付与するように構成されていることを特徴とす
    る表示装置。
  7. 【請求項7】請求の範囲第1項ないし第6項のいずれか
    において、さらに、前記表示用伝達車に対して側圧の付
    与方向側の位置には、前記表示用伝達車が前記駆動車と
    前記表示用従動車との間に過度に入り込むことを防止す
    るストッパーを有していることを特徴とする表示装置。
  8. 【請求項8】請求項第7項において、前記側圧付与手段
    は、前記ストッパーと対峙する位置で前記表示用伝達車
    の回転中心軸に当接して当前記ストッパーの方に向かう
    側圧を前記表示用伝達車に付与していることを特徴とす
    る表示装置。
  9. 【請求項9】請求の範囲第1項ないし第6項のいずれか
    において、さらに、前記駆動車および前記表示用伝達車
    を介さずに別の駆動力伝達経路を介して前記表示用従動
    車を送り駆動して表示の修正を行う表示修正用送り機構
    を有することを特徴とする表示装置。
  10. 【請求項10】請求の範囲第9項において、前記表示修
    正用送り機構は、表示の修正時には、前記駆動車および
    前記表示用伝達車を介して送り駆動する方向と同一の方
    向に前記表示用従動車を送り駆動することを特徴とする
    表示装置。
  11. 【請求項11】請求の範囲第9項において、前記表示修
    正用送り機構は、表示の修正時には、前記駆動車および
    前記表示用伝達車を介して送り駆動する方向とは反対の
    方向に前記表示用従動車を送り駆動することを特徴とす
    る表示装置。
  12. 【請求項12】請求の範囲第1項ないし第6項のいずれ
    かにおいて、前記駆動車、前記表示用伝達車、および前
    記表示用従動車は略同一の平面内に配置されていること
    を特徴とする表示装置。
  13. 【請求項13】請求の範囲第12項において、前記表示用
    伝達車は、外周縁に、前記表示用従動車の周縁に形成さ
    れた凹部と係合する凸部と、前記凸部の先端縁から凹ん
    で前記駆動車の周縁に形成された凸部と係合する凹部と
    を備えていることを特徴とする表示装置。
  14. 【請求項14】請求の範囲第12項において、前記表示用
    伝達車は、外周縁に、前記表示用従動車の周縁に形成さ
    れた凹部、および前記駆動車の周縁に形成された凹部と
    係合する凸部を備えていることを特徴とする表示装置。
  15. 【請求項15】請求の範囲第1項ないし第6項のいずれ
    かにおいて、前記表示用伝達車は外歯を備える一方、前
    記表示用従動車は内歯を備え、前記表示用伝達車は前記
    表示用従動車に内接噛合するように構成されていること
    を特徴とする表示装置。
  16. 【請求項16】請求の範囲第15項において、前記表示用
    従動車は内歯を有するリング状に構成され、前記表示部
    は前記リング状の表示用従動車を案内するガイド機構を
    備えていることを特徴とする表示装置。
  17. 【請求項17】請求の範囲第1項ないし第6項のいずれ
    かにおいて、前記表示用伝達車および前記表示用従動車
    はいずれも外歯を備え、前記表示用伝達車は前記表示用
    従動車に外接噛合するように構成されていることを特徴
    とする表示装置。
  18. 【請求項18】請求の範囲第1項ないし第6項のいずれ
    かにおいて、前記側圧付与手段は、前記駆動車と前記表
    示用従動車との間に入り込む方向、およびそれとは反対
    方向のいずれの方向にも移動可能な状態に前記表示用伝
    達車を支持する支持手段と、前記表示用伝達車の回転中
    心軸を介して前記表示用伝達車に側圧を付与する弾性部
    材とを備えていることを特徴とする表示装置。
  19. 【請求項19】請求の範囲第1項ないし第6項のいずれ
    かにおいて、前記側圧付与手段は、前記駆動車と前記表
    示用従動車との間に入り込む方向、およびそれとは反対
    方向のいずれの方向にも移動可能な状態に前記表示用伝
    達車を支持する支持手段と、前記表示用伝達車の外周縁
    を介して前記表示用伝達車に側圧を付与する弾性部材と
    を備えていることを特徴とする表示装置。
  20. 【請求項20】請求の範囲第18項または第19項におい
    て、前記表示用伝達車は、前記支持手段によって前記駆
    動車の方および前記表示用従動車の方のいずれの方向に
    も移動可能な状態に支持されていることを特徴とする表
    示装置。
  21. 【請求項21】請求の範囲第18項または第19項におい
    て、前記弾性部材は、当前記弾性部材の押圧力に抗して
    前記表示用伝達車が前記駆動車と前記表示用従動車との
    間に入り込む方向とは反対方向に移動する途中からばね
    定数が小さな値から大きな値に切り換わるように構成さ
    れていることを特徴とする表示装置。
  22. 【請求項22】請求の範囲第21項において、前記弾性部
    材は、前記駆動車と前記表示用従動車との間に入り込む
    方向の側圧を前記表示用伝達車に付与し続ける第1の変
    形部、および前記駆動車と前記表示用従動車との間に入
    り込む方向とは反対方向に前記表示用伝達車が移動する
    途中から当前記表示用伝達車に前記駆動車と前記表示用
    従動車との間に入り込む方向の側圧を付与し始める第2
    の変形部を備える1つのばねから構成されていることを
    特徴とする表示装置。
  23. 【請求項23】請求の範囲第22項において、前記第2の
    変形部は、前記第1の変形部よりも大きなばね定数を有
    していることを特徴とする表示装置。
  24. 【請求項24】請求の範囲第21項において、前記弾性部
    材は、前記駆動車と前記表示用従動車との間に入り込む
    方向の側圧を前記表示用伝達車に付与し続ける第1のば
    ねと、前記駆動車と前記表示用従動車との間に入り込む
    方向とは反対方向に前記表示用伝達車が移動する途中か
    ら当前記表示用伝達車に前記駆動車と前記表示用従動車
    との間に入り込む方向の側圧を付与し始める第2のばね
    とから構成されていることを特徴とする表示装置。
  25. 【請求項25】請求項の範囲第24項において、前記第2
    のばねは、前記第1のばねよりも大きなばね定数を有し
    ていることを特徴とする表示装置。
  26. 【請求項26】請求の範囲第18項ないし第25項のいずれ
    かにおいて、前記弾性部材は、少なくとも一部が前記表
    示用従動車と平面的に重なるように配置されていること
    を特徴とする表示装置。
  27. 【請求項27】請求の範囲第18項ないし第25項のいずれ
    かにおいて、前記弾性部材は、前記表示用従動車と平面
    的に重ならないように配置されていることを特徴とする
    表示装置。
  28. 【請求項28】請求の範囲第1項ないし第6項のいずれ
    かにおいて、前記駆動車は、前記表示用伝達車に前記側
    圧の付与方向と同一方向に向かう作用力が生じるように
    前記表示用伝達車を回転駆動し、前記表示用伝達車に対
    して前記側圧の付与方向側の位置には、前記表示用伝達
    車が前記駆動車と前記表示用従動車との間に過度に入り
    込むことを防止するストッパーが配置されていることを
    特徴とする表示装置。
  29. 【請求項29】請求の範囲第1項ないし第6項のいずれ
    かにおいて、前記駆動車は、前記表示用伝達車に前記側
    圧の付与方向と反対方向に向かう作用力が生じるように
    前記表示用伝達車を回転駆動することを特徴とする表示
    装置。
  30. 【請求項30】請求の範囲第29項において、さらに、前
    記駆動車から前記表示用伝達車を介して前記表示用従動
    車に至る駆動力伝達経路には、前記伝達経路を接続状態
    および断続状態に切り換えるクラッチ機構を有している
    ことを特徴とする表示装置。
  31. 【請求項31】請求の範囲第1項ないし第30項のいずれ
    かにおいて、前記駆動車と前記表示用伝達車とは材質が
    相違することを特徴とする表示装置。
  32. 【請求項32】請求の範囲第1項ないし第31項のいずれ
    かにおいて、前記駆動車および前記表示用伝達車の少な
    くとも一方には潤滑性を高めるための処理が施されてい
    ることを特徴とする表示装置。
  33. 【請求項33】請求の範囲第1項ないし第32項のいずれ
    かに規定する表示装置を備えていることを特徴とする時
    計。
  34. 【請求項34】請求の範囲第33項において、前記表示装
    置は、カレンダーであることを特徴とする時計。
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