JP3260286B2 - 部品供給装置 - Google Patents

部品供給装置

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JP3260286B2
JP3260286B2 JP30527196A JP30527196A JP3260286B2 JP 3260286 B2 JP3260286 B2 JP 3260286B2 JP 30527196 A JP30527196 A JP 30527196A JP 30527196 A JP30527196 A JP 30527196A JP 3260286 B2 JP3260286 B2 JP 3260286B2
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浩二 斉藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バラ状態にあるチ
ップ状部品を所定向きで一列に並んだ状態で供給する部
品供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の部品供給装置を開示する
ものとして、特開平6−232596号公報が知られて
いる。
【0003】同公報に開示される部品供給装置は、バラ
状態のチップ状部品(以下単に部品と言う)を収納する
収納箱と、収納箱の下面に上下動可能に挿通された部品
取出管と、部品取出管を上下動させる機構と、部品取出
管に連通して下方に延設された部品搬送管と、部品搬送
管の終端位置に配設され該部品搬送管から排出される部
品を搬送するベルトと、ベルトを所定ピッチで間欠移動
させる機構と、ベルト上の部品を整列する溝付きカバー
と、ベルトにより搬送される部品を所定位置に停止させ
るストッパと、ストッパを部品停止位置と同位置から離
れた位置とに変位させる機構とを具備している。
【0004】この部品供給装置では、部品取出管を上下
動させることによって、収納箱内の部品を所定向きで1
個宛部品取出管内に取り込み、これを部品搬送管を通じ
てベルト上に排出させ、該排出部品をベルトによってス
トッパ方向に搬送することができる。また、搬送部品を
ストッパで停止させた後に該ストッパを前方に変位させ
て先頭の部品から離すことにより、ベルト上に一列に並
んだ部品のうち先頭の部品にかかる力(挟み力)を解除
できるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の部品供給装
置では、ストッパによる部品停止後に該ストッパを前方
に移動させて先頭の部品から離しているだけなので、先
頭の部品と2番目の部品とが湿気や部品製造段階で用い
られる処理液等の影響でくっついていたり、或いは、先
頭の部品と2番目の部品とに相互の表面凹凸による引っ
かかりがあると、先頭の部品を吸着ノズル等で取り出す
際に先頭の部品の姿勢に乱れを生じて取出不良を生じる
不具合がある。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、先頭の部品の取り出しを
良好に行える部品供給装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、チップ状部品をバラ状態で収納するホッ
パーと、ホッパー内の部品を所定向きで1個宛取り込ん
で下方に導く部品導出通路と、部品導出通路から導出さ
れた部品を所定方向に搬送する部品搬送路と、部品搬送
路上の先頭の部品を相互当接により所定の部品停止位置
で停止させる部品ストッパと、部品ストッパを部品停止
位置と同位置から離れた部品取出位置とに変位させるス
トッパ変位機構とを具備した部品供給装置において、部
品ストッパに磁石を設けて部品搬送路上の先頭の部品を
該部品ストッパに吸着したまま部品取出位置に変位でき
るようにすると共に、部品取出位置に変位した部品の下
側に磁石を設けて同部品を部品搬送路に密着できるよう
にした、ことをその主たる特徴としている。
【0008】本発明によれば、部品ストッパを部品停止
位置から部品取出位置に変位させることにより、磁石の
磁力によって部品ストッパに吸着された先頭の部品を、
該部品ストッパと一緒に変位させて、2板目の部品から
完全に引き離すことができる。また、部品ストッパに吸
着されたまま部品取出位置に変位した部品を、同部品の
下側に設けた磁石の磁力によって部品搬送路に密着させ
てその姿勢を安定させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る部品供給装置
の側面図を示すもので、図中の1はフレーム、2はホッ
パー、3は固定パイプ、4は可動パイプ、5は部品ガイ
ド、6はベルトガイド、7はベルト、8は前後一対のプ
ーリー、9は部品ストッパ、10はパイプ上下動機構、
11はベルト送り機構、12はストッパ変位機構であ
る。
【0010】ホッパー2は、図1及び図3に示すよう
に、収納室2aと、該収納室2aの上端開口を開閉自在
に覆う蓋板2bと、収納室2aの底面に貫通形成された
可動パイプ用の円形摺動孔2cを具備しており、その側
面をフレーム1に着脱自在に固着されている。
【0011】収納室2a内には、図2に示すような円柱
状,角柱状或いは扁平角柱状等の形状を有するチップ状
部品P(以下、単に部品Pと言う)、例えば、チップコ
ンデンサ,チップインダクタ,チップ抵抗器等で代表さ
れる部品Pの1種類がバラ状態で多数個収納されてい
る。このホッパー2内に収納された部品Pは、部品供給
に伴い底面傾斜に沿って摺動孔2cに向けて自重移動す
る。
【0012】固定パイプ3は、図3及び図4に示すよう
に、所定長さの薄肉円形パイプ材から成り、部品ガイド
5に下端部を固着され、その上端が摺動孔2cの上端よ
りも僅かに低くなるような位置関係にて、該摺動孔2c
内の中心位置に垂直に挿通配置されている。また、固定
パイプ3の内径は供給対象となる部品Pの端面最大長よ
りも僅かに大きく、収納室2a内の部品Pは固定パイプ
3の上端開口に長手向きで取り込まれ、同向きのままパ
イプ内を自重落下して下方に導かれる。
【0013】可動パイプ4は、図3及び図4に示すよう
に、摺動孔2cよりも僅かに小さな外径と固定パイプ3
の外径よりも僅かに大きな内径を備えた所定長さの円形
パイプ材から成り、上端が固定パイプ3の上端よりも僅
かに低くなるような位置関係にて、固定パイプ3の外側
に上下動可能に配置されている。また、可動パイプ4は
供給対象となる部品Pの端面最大長よりも僅かに大きな
厚みを有しており、その上端面に中心に向かって下向き
に傾斜するすりばち状の案内面4aを有している。さら
に、可動パイプ4の外面中間部と外面下端部には係合鍔
4b,4cがそれぞれ形成され、中間鍔4bの上下には
S1<S2の力関係を有するコイルバネS1とS2が介
装されている。
【0014】部品ガイド5は、図3,図12及び図14
に示すように、供給部品に対応した所定の幅及び深さの
直線状ガイド溝5aを下面に有し、その側面をフレーム
1に固着されている。ガイド溝5aの後端には固定パイ
プ3の内孔と連通する円形または矩形断面の垂直通路5
bが形成されており、本実施形態では、固定パイプ3の
内孔と該垂直通路5bによって、ホッパー2内の部品P
を長手向きで1個宛取り込んで下方に導く部品導出通路
(符号なし)が形成されている。また、部品ガイド5の
前部には、先頭の部品Pの上面を外部に露出させるため
の部品取出口5cが形成されている。
【0015】ベルトガイド6は、図3,図7,図8及び
図12に示すように、ベルト7に対応した所定の幅及び
深さの直線状ガイド溝6aを上面に有し、ガイド溝6a
の中心がガイド溝5aの中心と一致するように、部品ガ
イド5の下側に配置されその側面をフレーム1に固着さ
れている。
【0016】また、ベルト7の部品搬送に利用される部
分の下側に当たるガイド溝6aの底面には、図7に示す
ように、部品導出位置(部品導出点X1及びその近傍部
分を指す)と部品停止位置(部品停止点X2及びその近
傍部分を指す)を除いて、扁平円柱形状を成す複数の希
土類永久磁石Mが、ガイド溝6aに沿って等間隔で、且
つ各磁石Mの上面がガイド溝6aの底面と一致するよう
に、または、磁石上面がガイド溝底面によりも僅かに低
くなるように埋設されている。
【0017】ちなみに、先に述べた「ベルト7の部品搬
送に利用される部分」とは、ベルト7の部品導出点X1
(部品導出通路からベルト上に部品が導出されたときの
中心ポイント)と部品停止点X2(ベルト上の部品が部
品ストッパによって停止されたときの中心ポイント)で
挟まれる部分を指している。
【0018】さらに、ガイド溝6aの底面には、図7及
び図8に示すように、ベルト7の部品搬送に利用される
部分よりも前方に位置する、ベルト7の部品取出位置
(部品取出点X3(先頭の部品が部品ストッパと一緒に
前方に変位したときの中心ポイント)及びその近傍部分
を指す)の下側にも同様の永久磁石Mが設けられてお
り、この永久磁石Mとその後方に位置する永久磁石Mと
の間には部品1個分程度の間隔が形成されている。
【0019】ちなみに、図示例のものでは、ガイド溝6
aの底面に設けられる磁石Mとして、その直径が部品P
の長手寸法の2倍よりも小さく、且つ部品Pの長手寸法
よりも大きなものを使用している。また、ベルト7の部
品搬送に利用される部分に対応する複数の永久磁石Mの
ベルト7に向き合う面の極性は、先頭の永久磁石Mから
順にN極とS極が交互に並ぶようになっている。さら
に、部品取出位置に対応する永久磁石Mのベルト7に向
き合う面の極性(S極)と、後述する部品ストッパ9の
永久磁石Jの先頭の部品Pと向き合う面の極性(N極)
は異ならせてある。しかも、部品取出位置に変位した部
品Pに対して部品ストッパ9の永久磁石Jから及ぶ磁力
を、同部品Pに対して部品取出位置に対応する永久磁石
Mから及ぶ磁力よりも小さく設定してある。
【0020】ベルト7は、図3,図8,図12及び図1
4に示すように、合成ゴム或いは軟質樹脂等から形成さ
れた非磁性の平ベルト或いはタイミングベルトから成
り、それ自体に磁気透過性を有しており、ベルトガイド
7の前後位置においてフレーム1に回動自在に支持され
た一対のプーリー8に巻き付けられ、その上側部分をベ
ルトガイド6のガイド溝6a内に位置し、巻き付けテン
ションによって同部分を部品ガイド5の下面に移動可能
な状態で接している。
【0021】部品ストッパ9は、図8,図9及び図14
に示すように、ガイド溝5aの溝深さと同等厚みを有す
る非磁性の長方形板から成り、ガイド溝5aの前側位置
において、その一端をピン9aを介してストッパ支持部
材9bに水平動自在に支持されている。この部品ストッ
パ9は図示省略のバネ材によって図14中で反時計回り
方向に付勢されており、その後端面をガイド溝5aの前
端に当接(図15参照)したときに所期の部品停止位置
を確保する。
【0022】また、部品ストッパ9の先頭の部品Pと向
き合う位置には、直方体状の希土類永久磁石JがそのN
極面が先頭の部品Pと接触できるように設けられてい
る。図示例のものでは、この永久磁石Jの高さ寸法は部
品Pの高さ寸法とほぼ一致しており、幅寸法は部品Pの
幅寸法とほぼ一致している。さらに、永久磁石Jの上側
には、該永久磁石Jの上面よりも大きな略半円形状の磁
性板Fが、その上面が部品ストッパ9の上面と一致する
ように設けられている。この磁性板Fは永久磁石Jの磁
界を調整するためのもので、鉄等の磁性材料から成り、
該永久磁石Jの上方への磁束漏れを抑制すると共に、先
頭の部品Pと向き合う面の磁力の強い部分をその高さ方
向中心よりも上側にシフトする役目を果たしている。
【0023】ちなみに図示例のものでは、部品ストッパ
9を回動自在に支持するストッパ支持部材9bを、その
一端をピン9cを介して部品ガイド5の前部に上側方向
に回動自在に取り付けてある。つまり、部品ストッパ9
は、部品ガイド5の前端に設けた板バネ9dにその前部
を係合させることで水平状態を保持できると共に、板バ
ネ9dとの係合を解いてストッパ支持部材9bを上方に
回動させることによってベルト7から離せるようになっ
ており、この上方可動によって部品ストッパ9による部
品移動規制を解いてベルト7上に並ぶ部品Pをガイド溝
5aの前端から排出することができる。
【0024】パイプ上下動機構10は、図3に示すよう
に、操作レバー10aと、その下側に配置された中継レ
バー10bと、操作レバー10aの復帰位置を規定する
ための位置決めストッパ10cとから構成されている。
操作レバー10aは、フレーム1に設けられたピン10
dによってその一端部を支持され、上下方向の回動を可
能としており、待機状態ではレバー中央上面を位置決め
ストッパ10cに当接している。中継レバー10bはフ
レーム1に設けられたピン10eによってその中央部を
支持され上下方向の回動を可能としている。この中継レ
バー10bは、一端部(図中右端部)に形成された丸穴
部分或いはU字形部分を、可動パイプ4の下端鍔4cと
下側コイルバネS2との間に装着され、待機状態では上
側コイルバネS1によって下方に付勢され、他端部に設
けられたローラ10fを操作レバー10aの中央下面に
当接している。
【0025】ちなみに、位置決めストッパ10cは円板
とこれを偏心位置で固着するためのネジとから構成さ
れ、円板の固着向きを変化させることにより操作レバー
10aの復帰位置、つまり可動パイプ4の下降位置を任
意に調整できるようになっている。例えば、位置決めス
トッパ10cを図3中に破線で示す位置に変化させれ
ば、操作レバー10aの復帰位置を実線位置よりも下側
にずらして可動パイプ4の下降位置を上方に変位させる
ことができる。
【0026】このパイプ上下動機構10では、図5に示
すように、操作レバー10aの端部に下向きの力Fを加
えることにより、該操作レバー10aをピン10dを中
心として反時計回り方向に回動させ、該操作レバー10
aの下面で中継レバー10bのローラ10fに下向きの
力を加えてこれをピン10eを中心として反時計回り方
向に回動させることができ、そして、中継レバー10b
の端部によってコイルバネS2を介してコイルバネS1
を縮めながら可動パイプ4を上方移動させることができ
る。
【0027】また、図5の状態で操作レバー10aの端
部への力Fを解除することにより、コイルバネS1の付
勢力によって可動パイプ4を下方移動させ、これに伴っ
て中継レバー10bを時計回り方向に回動させることが
でき、そして、ローラ10fによる押し上げによって操
作レバー10aを時計回り方向に回動させ、位置決めス
トッパ10cに当接したところで該操作レバー10aの
回動を停止させて図3の待機状態に復帰させることがで
きる。
【0028】ベルト送り機構11は、図10及び図11
に示すように、操作レバー11aと、これに回動自在に
連結された中継レバー11bと、これに回動自在に連結
され前側プーリー8と同一軸で回動可能な送りレバー1
1cと、送りレバー11cに回動自在に設けられた爪1
1dと、前側プーリー8に同軸上に固着された爪車11
eと、操作レバー11aの復帰位置を規定するための位
置決めストッパ11fと、操作レバー11aの回動限界
位置を規定するための位置決めストッパ11gと、操作
レバー11aを図中時計回り方向に付勢するコイルバネ
S3と、爪11dを爪車11eに圧接する巻きバネS4
とから構成されている。操作レバー11aは、パイプ上
下動機構10と共通のピン10dによってその一端部を
支持されて上下方向の回動を可能としており、コイルバ
ネS3の付勢力によって待機状態ではレバー側面中央を
位置決めストッパ11fに当接している。また、このベ
ルト送り機構11の操作レバー11aと先に述べたパイ
プ上下動機構10の操作レバー10aとは、互いの操作
部位をコイルバネSSを介して上下に対向配置されてお
り、パイプ上下動機構10の操作レバー10aの端部に
加えられた下向きの力をコイルバネSSを介してベルト
送り機構11の操作レバー11aの端部に伝えることが
できるようになっている。
【0029】ちなみに、位置決めストッパ11gは上記
の位置決めストッパ10cと同様に円板とこれを偏心位
置で固着するためのネジとから構成され、円板の固着向
きを変化させることにより操作レバー11aの回動限界
位置、つまりベルト7の送り量を任意に調整できるよう
になっている。例えば、位置決めストッパ11gを図1
1中に破線で示す位置に変化させれば、操作レバー11
aの回動限界位置を実線位置よりも右側にずらしてベル
ト送り量を大きくすることができる。
【0030】このベルト送り機構11では、パイプ上下
動機構10の操作レバー10aの端部に下向きの力Fを
加えて、コイルバネSSを介して操作レバー11aの端
部に下向きの力を加えることにより、図11に示すよう
に、該操作レバー11aをコイルバネS3の付勢力に抗
しピン10dを中心として反時計回り方向に回動させ、
中継レバー11bを介して送りレバー11cを反時計回
り方向に回動させることができ、そして、送りレバー1
1cの爪11dに係合する爪車11eを前側プーリー8
と一緒に反時計回り方向に回動させて、ベルト7を回動
角に応じた距離だけ前方に移動させることができる。
【0031】また、図11の状態でパイプ上下動機構1
0の操作レバー10aの端部への力Fを解除して操作レ
バー11aの端部への力を解除することにより、コイル
バネS3の付勢力によってこれを時計回り方向に回動さ
せ、位置決めストッパ11fに当接したところで該操作
レバー11aの回動を停止させて中継レバー11bと送
りレバー11cを図1の待機状態に復帰させることがで
きると共に、送りレバー11cの爪11dを時計回り方
向で隣接する溝に移動させて係合させることができる。
【0032】ストッパ変位機構12は、図10及び図1
4に示すように、前側プーリー8に同軸上に固着された
爪車12aと、ピン12bによってフレーム1の側面に
回動自在に取り付けられたストッパ作動板12cと、ス
トッパ作動板12cを前方に付勢する図示省略のバネ材
と、ピン12dによって部品ガイド5の前部に水平動自
在に取り付けられた部品保持レバー12eと、部品保持
レバー12eを図中時計回り方向に付勢するコイルバネ
S5と、ガイド溝5aの前部側面に設けた孔5dに挿通
された部品保持ピン12fと、部品保持ピン12fを外
方に付勢するコイルバネS6とから構成されている。
【0033】ストッパ作動板12cが前方位置にある待
機状態では、図14に示すように、部品保持レバー12
eはコイルバネS5によって図中時計回り方向に付勢さ
れ、これにより部品保持ピン12fがコイルバネS6の
付勢力に抗してガイド溝5a内に押し込まれ、該部品保
持ピン12fによって先頭から2番目の部品Pがガイド
溝5aの内面に押し付けられて同位置に保持されてい
る。また、ストッパ作動板12cの押圧によって部品ス
トッパ9は前方(部品取出位置から前方に離れた部品取
出位置)に変位しており、先頭の部品Pは永久磁石Jに
吸着されたまま部品ストッパ9と一緒に前方に変位して
2番目の部品Pから完全に離れている。
【0034】このストッパ変位機構12では、爪車12
aが先に述べたベルト送り機構11の爪車11eと一緒
に回動する過程(ベルト7が所定距離前方に移動する過
程)で、ストッパ作動板12cを爪車12aの一爪分の
起伏を利用して後方に所定距離移動させることができ
る。ストッパ作動板12cが後方移動するときには、図
15に示すように、部品ストッパ9がバネ付勢力によっ
てガイド溝5aの前端に当接して部品停止位置が確保さ
れる。これと同時に、部品保持レバー12eの後端突出
部分がストッパ作動板12cによってコイルバネS5の
付勢力に抗して内方に押し込まれて図中反時計回り方向
に回動し、部品保持ピン12fがコイルバネS6の付勢
力によって外方に移動して2番目の部品Pの保持が解除
され、ベルト7上に並ぶ部品全体の前進が可能となる。
【0035】以下に、上述の部品供給装置の動作につい
て説明する。パイプ上下動機構10の操作レバー10a
の端部は、吸着ノズル等によってベルト7上の先頭の部
品Pを部品取出口5cから取り出す際に、該吸着ノズル
等の一部或いは他の作動機器によって下向きに押圧され
る。
【0036】可動パイプ4が下降位置にある状態では、
図4に示すように、該可動パイプ4の上端と摺動孔2c
の内面と固定パイプ3の外面の間に環状ポケットEが形
成され、該環状ポケットEには少量の部品Pが入り込ん
でいる。
【0037】パイプ上下動機構10の操作レバー10a
の端部が下向きの押圧されると、先に述べたように、該
操作レバー10a及び中継レバー10bの回動によって
可動パイプ4が下降位置から所定ストロークだけ上昇
し、その上端がホッパー2の収納室2a内に入り込む。
【0038】可動パイプ4が下降位置から上昇位置まで
移動する過程では、図6に示すように、該可動パイプ4
によって環状ポケットE内の部品Pが上方に持ち上げら
れると共に収納室内2aの収納部品が解され、また、固
定パイプ3上に横たわる部品Pがあっても該部品Pは同
位置から押し退けられる。同過程では、ホッパー2内の
収納部品Pが、可動パイプ4の上端案内面4aの傾斜を
利用して固定パイプ3の上端開口に長手向きで取り込ま
れ、同向きのまま該固定パイプ3内を自重落下して下方
に導かれる。
【0039】また、パイプ上下動機構10の操作レバー
10aの端部への押圧が解除されると、先に述べたよう
に、中継レバー10b及び操作レバー10aがバネ付勢
力によって回動復帰し、可動パイプ4もバネ付勢力によ
って上昇位置から下降復帰する。
【0040】可動パイプ4が上昇位置から下降位置まで
移動する過程では、図3に示すように、環状ポケットE
内に再び少数の部品Pが入り込み、収納部品全体が降下
する。同過程でも、収納部品Pが可動パイプ4の上端案
内面4aの傾斜を利用して固定パイプ3の上端開口に長
手向きで宛取り込まれ、同向きのまま該固定パイプ3内
を自重落下する。
【0041】このように固定パイプ3内への部品取り込
みは、可動パイプ4の上昇過程と下降過程の両方で行わ
れる。固定パイプ3内に長手向きで1個宛取り込まれた
部品Pは、該固定パイプ3内を自重落下して下側の垂直
通路5b内に同向きのまま取り込まれ、該垂直通路5b
内を自重落下してその一端部をベルト7の上面に当接
し、後続の部品Pはこの上に長手向きで積み重なる(図
12参照)。
【0042】一方、パイプ上下動機構10の操作レバー
10aの端部に下向きの力が加わるときには、先に述べ
たように、コイルバネSSを介してベルト送り機構11
の操作レバー11aの端部も下向きに押圧され、中継レ
バー11bと送りレバー11cの回動によって、爪11
dが係合する爪車11eが前側プーリー8と一緒に反時
計回り方向に回動し、ベルト7がこの回動角に応じた距
離、好ましくは部品Pの長手寸法よりも大きな距離だけ
前方に移動する。
【0043】ベルト7が前方に所定距離移動する過程で
は、ベルト7の上面に一端部を当接する部品Pが、ベル
ト7との摩擦抵抗によって前方に引き出され横転してベ
ルト7上に横たわり、次の部品Pがベルト7の上面に一
端部を当接する(図13参照)。
【0044】ベルト7の移動(間欠移動)は部品取出口
5cから先頭の部品Pが取り出される度に繰り返される
ため、垂直通路5b内の最下位の部品Pは上記同様の横
転作用を受けながら前方に順次移動する。これにより、
複数の部品Pがガイド溝5aによって整列作用を受けな
がらベルト7上に一列に並び、同並び状態のままベルト
7の間欠移動に合わせて前方に搬送される。
【0045】先に述べたように、ベルト7の部品搬送に
利用される部分の下側には複数の永久磁石Mが等間隔で
配置されているため、ベルト7によって前方に搬送され
る部品Pは、該永久磁石Mの磁力によって下方に引き寄
せられてベルト表面に密着した状態で搬送されることに
なる。また、永久磁石Mのベルト7に向き合う面の極性
を、ベルト7に沿ってN極とS極が交互に並ぶようにし
てあるので、ベルト7上の部品Pが部品搬送区域のどの
位置にあっても上記密着作用を適切に発揮させることが
できる。依って、搬送途中の部品Pにガイド溝5aとの
接触抵抗等が加わった場合でも、該部品Pのベルト7に
対する滑りを抑制して、並び状態を保ちながら部品搬送
を良好に行うことができる。また、ベルト7の部品導出
位置の下側には永久磁石Mが設けられていないので、先
に述べた部品横転作用が磁力によって妨げられることは
ない。
【0046】他方、ベルト送り機構11の爪車11eが
前側プーリー8と一緒に回動してベルト7が前方に移動
するときには、これと同方向に回動するストッパ変位機
構12の爪車12aによってストッパ作動板12cが所
定距離後退し、これにより、バネ付勢力によって部品ス
トッパ9が後方に変位し、その後端面がガイド溝5aの
前端に当接して所期の部品停止位置が確保される。つま
り、ベルト7によって搬送される部品Pは、その先頭の
部品Pが部品ストッパ9に当接したところで停止してベ
ルト7上に長手向きで隙間なく一列に並ぶと共に、部品
移動が部品ストッパ9によって規制された後は部品接触
面との滑りを利用してベルト7のみが前進する(図15
参照)。
【0047】ストッパ変位機構12の爪車12aがベル
ト送り機構11の爪車11eと一緒に所定角度(一爪
分)だけ回動した後は、先に述べたように、ストッパ作
動板12cが回動復帰し、図14に示すように、部品保
持レバー12cの回動復帰によって部品保持ピン12f
の先端がガイド溝5a内に突出して先頭から2番目の部
品Pが保持されると共に、部品ストッパ9が前方に変位
してガイド溝5aの前端から離れ、これと一緒に先頭の
部品Pが吸着されたまま部品取出位置に移動して2
の部品Pから離れ、先頭の部品Pと2番目の部品Pとの
間に強制的に隙間Cが形成される。
【0048】図8に示すように、ベルト7の部品取出位
置の下側に設けた永久磁石Mとその後方に位置する永久
磁石Mとの間に部品1個分程度の間隔が形成されている
ので、先頭の部品Pが部品ストッパ9と一緒に前方に移
動する過程では、先頭の部品Pと2番目の部品Pとの切
り離しが磁力によって妨げられることはない。
【0049】また、部品ストッパ9が前方に変位して先
頭の部品Pが2番目の部品Pから完全に離れている状態
では、図8に示すように、先頭の部品Pはその下側の永
久磁石Mの真上位置(部品Pの長手方向中心と永久磁石
Mの中心とが一致する位置)にあり、該部品Pは、2つ
の永久磁石JとMとの間に形成される磁界内に置かれ
る。つまり、部品取出位置に変位した部品Pは、永久磁
石Jの磁力によって部品ストッパ9に吸着すると共に、
下側の永久磁石Mの磁力によって下方に引き寄せられて
ベルト7の上面に密着し、両永久磁石J,Mの磁力によ
って部品取出位置に安定した姿勢で保持されることにな
る。
【0050】さらに、部品取出位置に変位した部品Pに
対して部品ストッパ9の永久磁石Jから及ぶ磁力を、同
部品に対して部品取出位置に対応する永久磁石Mから及
ぶ磁力よりも小さく設定してあるので、部品ストッパ9
に吸着されている部品Pをベルト7の上面に確実に密着
させて浮き上がりを防止することができる。
【0051】さらにまた、部品ストッパ9の永久磁石J
の上面に磁界調整用の磁性板Fを設けてあるので、該永
久磁石Jの上方への磁束漏れを抑制し、且つ先頭の部品
Pと向き合う面の磁力の強い部分をその高さ方向中心よ
りも上側にシフトすることにより、部品ストッパ9に吸
着されている部品Pの立ち上がりや傾斜を防止すること
ができる。
【0052】吸着ノズル等による先頭の部品Pの取り出
しは、図8及び14に示すように、部品ストッパ9が前
方に変位して先頭の部品Pが2番目の部品Pから完全に
離され、しかも、部品取出位置に変位した部品Pが磁力
によって同位置に安定した姿勢で保持されている状態で
実施されるため、先頭の部品Pを2番目の部品Pと干渉
せずに、しかも安定した姿勢で取り出すことができる。
【0053】このように、上述の部品供給装置によれ
ば、ベルト7の部品搬送に利用される部分の下側に複数
の永久磁石Mを等間隔で配置し、ベルト7によって搬送
される部品Pをこれら永久磁石Mの磁力によってベルト
表面に引き寄せて密着させるようにしてあるので、搬送
途中の部品Pにガイド溝5aとの接触抵抗等が加わった
場合でも、該部品Pのベルト7に対する滑りを抑制して
並び状態を保ちながら部品搬送を良好に行うことができ
る。
【0054】また、上記複数の永久磁石Mのベルト7に
向き合う面の極性を、ベルト7に沿ってN極とS極が交
互に並ぶようにしてあるので、ベルト7上の部品Pが部
品搬送区域のどの位置にあっても先に述べた密着作用を
適切に発揮させて部品搬送を的確に行うことができる。
【0055】さらに、ベルト7の部品導出位置の下側に
は永久磁石Mを設けていないので、垂直通路5bからベ
ルト7上への部品導出や、ベルト7による部品横転作用
が磁力によって妨げられることもない。
【0056】さらにまた、部品停止後に部品ストッパ9
を前方を変位させることにより、ベルト7上に並ぶ部品
のうち先頭の部品Pを部品ストッパ9に吸着したまま部
品取出位置に変位させて2番目の部品から完全に引き離
すことができるので、先頭の部品Pと2番目の部品Pと
が湿気等の影響でくっついていたり引っかかっているよ
うな場合でもこれを簡単に解消することができる。
【0057】さらにまた、ベルト7の部品取出位置の下
側に設けた永久磁石Mとその後方に並ぶ永久磁石Mとの
間に部品1個分程度の間隔を設けてあるので、部品スト
ッパ9の前方変位による先頭の部品Pと2番目の部品P
との切り離しが磁力によって妨げられることがない。
【0058】さらにまた、部品取出位置に変位した部品
Pを、永久磁石Jの磁力によって部品ストッパ9に吸着
すると共に、下側の永久磁石Mの磁力によってベルト表
面に密着させて同位置に安定した姿勢で保持することが
できるので、部品取出位置に変位した部品Pの姿勢を該
部品Pが取り出されるまで適正に維持することができ、
また、同部品Pを適正姿勢のまま良好に取り出すことが
できる。
【0059】さらにまた、部品ストッパ9の永久磁石J
の先頭の部品Pと向き合う面の極性と、ベルトガイド6
の永久磁石Mの同部品と向き合う面の極性とを異ならせ
ることにより、両永久磁石J,Mの磁力を有効利用し
て、磁力による部品保持作用を効果的に発揮させること
ができる。
【0060】さらにまた、部品取出位置に変位した部品
Pに対して部品ストッパ9の永久磁石Jから及ぶ磁力
を、その下側の永久磁石Mから及ぶ磁力よりも小さく設
定してあるので、部品ストッパ9に吸着されている部品
Pをベルト7の上面に確実に密着させることができる。
【0061】さらにまた、部品ストッパ9の永久磁石J
の上面に磁界調整用の磁性板Fを設けてあるので、該永
久磁石Jの上方への磁束漏れを抑制し、且つ先頭の部品
Pと向き合う面の磁力の強い部分をその高さ方向中心よ
りも上側にシフトすることによって、部品ストッパ9に
吸着されている部品Pの立ち上がりや傾斜を防止するこ
とができる。
【0062】さらにまた、部品取出位置に変位した部品
Pの下側に設けられた永久磁石Mの直径(部品搬送方向
の寸法)を部品Pの長手寸法の2倍よりも小さく、且つ
部品Pの長手寸法よりも大きく設定してあるので、該永
久磁石Mからの磁力を部品取出位置に変位した部品Pに
的確に作用させることができる。
【0063】図16は部品ストッパの変形例を示すもの
で、図9に示した部品ストッパとは、永久磁石Jと磁性
板Fをガイド溝5aと対向する面から僅かに引っ込ませ
て、該永久磁石Jの先頭部品と向き合う面を低磁性また
は非磁性の非磁性板Hで覆うようにした点で構造を異に
する。同図に示した部品ストッパは、非磁性板Hの板厚
tによって永久磁石Jから先頭の部品Pに及ぶ磁力をコ
ントロールすることが可能であり、部品形状及びサイズ
に応じて部品ストッパ9の部品吸着力を変更する場合に
有用である。
【0064】図17(a)(b)は部品ストッパの変形
例を示すもので、図9及び図16のそれぞれに示した部
品ストッパとは、永久磁石Jをその極性を有しない面を
先頭の部品と向き合うように配置、換言すれば先頭の部
品Pと向き合う面と隣り合う両端面にN極とS極がそれ
ぞれ位置するように永久磁石Jを配置した点で構造を異
にする。同図(a)(b)に示した部品ストッパは、永
久磁石Jから先頭の部品に及ぶ磁力を低減する場合に有
用である。
【0065】図18は部品ストッパの変形例を示すもの
で、図9に示した部品ストッパとは、部品ストッパ9の
高さ寸法(図示例のものでは永久磁石Jと磁性板Fの高
さ寸法の和)を、搬送対象となる部品Pの高さ寸法以下
に設定した点で構造を異にする。同図に示した部品スト
ッパでは、部品取出位置に変位した部品Pを取り出す際
に吸着ノズルKNを該部品Pに近づけたとき、部品スト
ッパ9がノズル降下や部品吸着の邪魔になることを防止
できる利点がある。勿論、使用する吸着ノズルKNの外
形が大きい場合には、部品ストッパ9の高さ寸法を搬送
部品Pの高さ寸法以下に設定すると同時に、図中破線で
示すように部品ガイド5の前端に吸着ノズルKNとの干
渉を回避するための切り欠きを設けるようにするとよ
い。
【0066】図19は部品ストッパの変形例を示すもの
で、図18に示した部品ストッパとは、永久磁石Jの下
側に、該永久磁石Jの下面よりも大きな略半円形状の磁
性板Fを、その下面が部品ストッパ9の下面と一致する
ように設けた点で構造を異にする。同図に示した部品ス
トッパでは、永久磁石Jの下側に設けた磁性板Fによっ
て、該永久磁石Jの先頭の部品Pと向き合う面の磁力の
強い部分をその高さ方向の中心よりも下側にシフトする
ことにより、部品ストッパ9に吸着されている部品Pを
ベルト7の上面に押し付けてベルト7への部品密着をよ
り的確に行うことができる。他の作用,効果は図18に
示した部品ストッパによるものと同様である。
【0067】図20は部品ストッパの変形例を示すもの
で、図9に示した部品ストッパと同図(a)のものと
は、部品ストッパ9の永久磁石Jの幅寸法を、搬送対象
となる部品Pの幅寸法よりも小さく設定した点で構造を
異にする。また、図9に示した部品ストッパと同図
(b)のものとは、永久磁石Jを部品ストッパ9の先頭
の部品Pと向き合う面よりも内側に配置して、該永久磁
石Jの露出幅を搬送対象となる部品Pの幅寸法よりも小
さく設定した点で構造を異にする。同図(a)(b)に
示した部品ストッパでは、部品ストッパ9の磁石Jにお
ける磁束通過領域の幅寸法を、搬送対象となる部品Pの
幅寸法よりも小さく設定することにより、搬送部品Pが
幅方向にずれた場合でも永久磁石Jの磁力の強い部分が
該部品Pから外れることを回避して、部品ストッパ9に
おける部品吸着を適切に実施できる利点がある。
【0068】図20のものでは、部品ストッパPの永久
磁石Jの、先頭の部品と向き合う面における磁束通過領
域(吸着有効領域)を、該永久磁石Jの同面の面積によ
って規定、或いは、該永久磁石Jの露出面積によって規
定したものを例示したが、他の方法によって同領域を規
定するようにしてもよい。
【0069】図21は部品取出位置の変形例を示すもの
で、図8に示したものとは、部品取出位置に変位した部
品Pの長手方向中心Psを、その下側の永久磁石Mの中
心Msまたはこれよりも後方に位置するように設定した
点で異なる。部品取出位置に変位した部品Pは、2つの
永久磁石JとMとの間に形成される磁界内に置かれる
が、このときの磁束密度は部品長手方向に均等ではな
く、部品ストッパ9に近い側の磁束密度は反対側よりも
高くなる。つまり、部品取出位置を図のように設定して
磁束密度の高い部分から後方寄りに変化させれば、部品
Pに及ぶ磁力の部品長手方向のバランスを取ってその偏
りを解消し、部品Pの姿勢保持をより良好に行うことが
できる。
【0070】図22は部品取出位置に対応する磁石の変
形例を示すもので、図8に示したものとは、永久磁石M
をガイド溝6aの底面よりも下側に配置して、該永久磁
石Mの露出部の位置及び大きさが、部品取出位置に変位
した部品Pの長手方向中心よりも後方となるように非磁
性のマスク板Maで覆った点で異なる。同図に示した構
造では、部品取出位置を変えたり、または下側磁石Mの
大きさや位置を変えることなく、上記と同様に部品取出
位置に変位した部品Pに及ぶ磁力の部品長手方向のバラ
ンスを取ってその偏りを解消し、部品Pの姿勢保持をよ
り良好に行うことができる。
【0071】図20及び図21のものでは、部品取出位
置に対応する永久磁石Mの、同位置に変位した部品と向
き合う面における磁束通過領域(吸着有効領域)を、該
永久磁石Mの同面の面積によって規定、或いは、該永久
磁石Mの露出面積によって規定したものを例示したが、
他の方法によって同領域を規定するようにしてもよい。
【0072】図23は部品取出位置に対応する磁石の変
形例を示すもので、図8に示したものとは、永久磁石M
として直方体状のものを使用し、且つ該永久磁石Mの幅
寸法を搬送対象となる部品Pの幅寸法に近似させた点で
構造を異にする。同図に示した構造では、部品停止位置
に変位した部品Pに対し下側の永久磁石Mの磁力を効果
的に利用することができ、部品停止位置に変位した部品
P以外に永久磁石Mの磁力が及ぶことを回避して部品ブ
レを防止できる。
【0073】図23のものでは、部品取出位置に対応す
る永久磁石Mの、同位置に変位した部品と向き合う面に
おける磁束通過領域(吸着有効領域)を、該永久磁石M
の同面の面積によって規定したものを例示したが、永久
磁石の露出面積によって規定したり、或いは他の方法に
よって同領域を規定するようにしてもよい。
【0074】図24は部品取出位置に対応する磁石の変
形例を示すもので、図8に示したものとは、永久磁石と
して一面とこれとは反対側の面に所定の境界をもってN
極とS極の両方が現れる両極磁石Mdを用いた点で構造
を異にする。同図に示した構造では、両極磁石Mdの上
面の部品ストッパ寄りの極性を部品ストッパ9の永久磁
石Jの先頭の部品と向き合う面の極性と異ならせること
により、上記同様の姿勢保持を行うことができる。勿
論、部品取出位置下側の永久磁石Mよりも後方に並ぶ永
久磁石Mに同様の両極磁石Mdを用いてもよい。
【0075】尚、上述の実施形態では、部品搬送用のベ
ルトとして合成ゴム或いは軟質樹脂等から形成された平
ベルト或いはタイミングベルトを用いたが、吸湿性を有
する材料から成るベルトをこれに代えて用いれば、ベル
トと該ベルト上の部品との密着性をより高めて部品滑り
をより確実に抑制することができる。
【0076】また、上述の実施形態では、部品搬送路と
してベルトを用いたものを例示したが、ベルト及びベル
トガイドのガイド溝を排除して部品ガイドのガイド溝と
ベルトガイドの上面とで所定断面の搬送路を形成し、該
搬送路の後ろからエアーを吹き込むことによって、該搬
送路に導出された部品の横転と横転後の部品の搬送を行
えるようにしてもよい。
【0077】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
部品搬送路上の先頭の部品を部品ストッパに吸着したま
ま部品取出位置に変位させて2番目の部品から完全に引
き離すことができ、しかも、部品取出位置に変位した部
品を、部品ストッパに吸着すると同時にベルト表面に密
着させて同位置に安定した姿勢で保持することができる
ので、先頭の部品と2番目の部品とが湿気等の影響でく
っついていたり引っかかっているような場合でもこれを
簡単に解消することができると共に、部品取出位置に変
位した部品の姿勢を該部品が取り出されるまで適正に維
持して、同部品を適正姿勢のまま良好に取り出すことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る部品供給装置の側面図
【図2】供給対象となる部品の斜視図
【図3】パイプ上下動機構の詳細図
【図4】可動パイプが下降位置にある状態を示す詳細図
【図5】パイプ上下動機構の動作説明図
【図6】可動パイプが上昇位置にある状態を示す詳細図
【図7】ベルトガイドの部分上面図
【図8】ベルトガイドの部分断面図
【図9】部品ストッパの上面図とそのb−b線矢視図
【図10】前側プーリー部分の詳細図
【図11】ベルト送り機構の動作説明図
【図12】ベルト上への部品導出作用を示す図
【図13】ベルト上への部品導出作用を示す図
【図14】ストッパ変位機構の詳細図
【図15】ストッパ変位機構の動作説明図
【図16】部品ストッパの変形例を示す図
【図17】部品ストッパの変形例を示す図
【図18】部品ストッパの変形例を示す図
【図19】部品ストッパの変形例を示す図
【図20】部品ストッパの変形例を示す図
【図21】部品取出位置の変形例を示す図
【図22】部品取出位置に対応する磁石の変形例を示す
【図23】部品取出位置に対応する磁石の変形例を示す
【図24】部品取出位置に対応する磁石の変形例を示す
【符号の説明】
1…フレーム、2…ホッパー、P…部品、3…固定パイ
プ、4…可動パイプ、5…部品ガイド、6…ベルトガイ
ド、M…永久磁石、7…ベルト、8…前後一対のプーリ
ー、9…部品ストッパ、J…永久磁石、F…磁性板、1
0…パイプ上下動機構、11…ベルト送り機構、12…
ストッパ変位機構、H…非磁性板、Md…両極磁石。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 13/02

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チップ状部品をバラ状態で収納するホッ
    パーと、ホッパー内の部品を所定向きで1個宛取り込ん
    で下方に導く部品導出通路と、部品導出通路から導出さ
    れた部品を所定方向に搬送する部品搬送路と、部品搬送
    路上の先頭の部品を相互当接により所定の部品停止位置
    で停止させる部品ストッパと、部品ストッパを部品停止
    位置と同位置から離れた部品取出位置とに変位させるス
    トッパ変位機構とを具備した部品供給装置において、 部品ストッパに磁石を設けて部品搬送路上の先頭の部品
    を該部品ストッパに吸着したまま部品取出位置に変位で
    きるようにすると共に、 部品取出位置に変位した部品の下側に磁石を設けて同部
    品を部品搬送路に密着できるようにし、 部品ストッパ側の磁石の先頭の部品と向き合う面の極性
    と、部品搬送路側の磁石の同部品と向き合う面の極性と
    を異ならせた、 ことを特徴とする部品供給装置。
  2. 【請求項2】 チップ状部品をバラ状態で収納するホッ
    パーと、ホッパー内の部品を所定向きで1個宛取り込ん
    で下方に導く部品導出通路と、部品導出通路から導出さ
    れた部品を所定方向に搬送する部品搬送路と、部品搬送
    路上の先頭の部品を相互当接により所定の部品停止位置
    で停止させる部品ストッパと、部品ストッパを部品停止
    位置と同位置から離れた部品取出位置とに変位させるス
    トッパ変位機構とを具備した部品供給装置において、 部品ストッパに磁石を設けて部品搬送路上の先頭の部品
    を該部品ストッパに吸着したまま部品取出位置に変位で
    きるようにすると共に、 部品取出位置に変位した部品の下側に磁石を設けて同部
    品を部品搬送路に密着できるようにし、 部品取出位置に変位した部品に対して部品ストッパ側の
    磁石から及ぶ磁力を、同部品に対して部品搬送路側の磁
    石から及ぶ磁力よりも小さく設定した、 ことを特徴とする部品供給装置。
  3. 【請求項3】 部品搬送路側の磁石の部品搬送方向の長
    さ寸法を、搬送部品の搬送方向の長さ寸法よりも大きく
    設定した、 ことを特徴とする請求項1または2記載の部品供給装
    置。
  4. 【請求項4】 部品ストッパ側の磁石の部品搬送路と向
    き合う面またはこれとは反対側の面に磁界調整用の磁性
    板を設けた、 ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の部
    品供給装置。
  5. 【請求項5】 部品ストッパ側の磁石の先頭の部品と向
    き合う面に磁力調整用の非磁性板を設けた、 ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の部
    品供給装置。
  6. 【請求項6】 部品ストッパの高さ寸法を、搬送部品の
    高さ寸法以下に設定した、 ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の部
    品供給装置。
  7. 【請求項7】 部品ストッパ側の磁石の先頭の部品と向
    き合う面における磁束通過領域の幅寸法を、搬送部品の
    幅寸法よりも小さく設定した、 ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の部
    品供給装置。
  8. 【請求項8】 部品ストッパ側の磁石の先頭の部品と向
    き合う面における磁束通過領域が、該磁石の同面の面積
    によって規定されている、 ことを特徴とする請求項記載の部品供給装置。
  9. 【請求項9】 部品ストッパ側の磁石の先頭の部品と向
    き合う面における磁束通過領域が、該磁石の露出面積に
    よって規定されている、 ことを特徴とする請求項記載の部品供給装置。
  10. 【請求項10】 部品取出位置に変位した部品の部品搬
    送方向の中心が、部品搬送路側の磁石の同部品と向き合
    う面における磁束通過領域の中心またはこれよりも部品
    ストッパから離れる方向に位置するように設定した、 ことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項記載の部
    品供給装置。
  11. 【請求項11】 部品搬送路側の磁石の部品取出位置に
    変位した部品と向き合う面における磁束通過領域が、該
    磁石の同面の面積によって規定されている、 ことを特徴とする請求項10記載の部品供給装置。
  12. 【請求項12】 部品搬送路側の磁石の部品取出位置に
    変位した部品と向き合う面における磁束通過領域が、該
    磁石の露出面積によって規定されている、 ことを特徴とする請求項10記載の部品供給装置。
  13. 【請求項13】 部品搬送路側の磁石の部品取出位置に
    変位した部品と向き合う面における磁束通過領域の幅寸
    法を、搬送部品の幅寸法に近似させた、 ことを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項記載の
    部品供給装置。
  14. 【請求項14】 部品搬送路側の磁石の部品取出位置に
    変位した部品と向き合う面における磁束通過領域が、該
    磁石の同面の面積によって規定されている、 ことを特徴とする請求項13記載の部品供給装置。
  15. 【請求項15】 部品搬送路側の磁石の部品取出位置に
    変位した部品と向き合う面における磁束通過領域が、該
    磁石の露出面積によって規定されている、 ことを特徴とする請求項13記載の部品供給装置。
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