JPH10178298A - 部品供給装置の部品ストッパ変位機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 先頭部品の取り出しを良好に行える部品供給
装置の部品ストッパ変位機構を提供する。 【解決手段】 谷部１２ａ１の底点とカム板１２ａの回
動中心Ｏとを結ぶ直線Ｌ１と、時計回り方向で隣接する
山部１２ａ２の頂点とカム板１２ａの回動中心Ｏとを結
ぶ直線Ｌ２の成す角度θ１を、山部１２ａ２の頂点とカ
ム板１２ａの回動中心Ｏとを結ぶ直線Ｌ２と時計回り方
向で隣接する谷部１２ａ１の底点とカム板１２ａの回動
中心Ｏとを結ぶ直線Ｌ１の成す角度θ２よりも小さく設
定することにより、部品ストッパ９を部品停止位置から
部品取出位置にゆっくりと変位するようにしてあるの
で、同変位時における衝撃を極力軽減して、部品ストッ
パ９に吸着されている部品Ｐの姿勢が乱れることを回避
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、一列に並んだ状態
で搬送されるチップ状部品の先頭部品を相互当接により
所定の部品停止位置で停止させ、且つ先頭部品を磁石の
磁力によって吸着する部品ストッパを、上記ストッパ駆
動板の変動を利用して部品停止位置と同位置から離れた
部品取出位置とに変位させる部品供給装置の部品ストッ
パ変位機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の部品供給装置を開示する
ものとして、本出願人による特開平８−４８４１９号公
報が知られている。

【０００３】同公報には、チップ状部品をバラ状態で収
納するホッパーと、ホッパー内の部品を所定向きで１個
宛取り込んで下方に導く部品導出通路と、部品導出通路
から導出された部品を所定方向に搬送する部品搬送路
と、一列に並んだ状態で搬送されるチップ状部品の先頭
部品を相互当接により所定の部品停止位置で停止させ、
且つ先頭部品を磁石の磁力によって吸着する部品ストッ
パと、部品ストッパを部品停止位置と同位置から離れた
部品取出位置とに変位させる部品ストッパ変位機構を備
えた部品供給装置が開示されている。

【０００４】上記の部品ストッパ変位機構は、谷部及び
山部を周面に等間隔で交互に有するカム板と、カム板を
谷部間隔に相当する所定の角度ピッチで所定方向に間欠
回動させるカム板回動手段と、作動部をカム板の周面に
圧接されカム板の間欠回動時には谷部と山部の起伏によ
って所定方向に変動するストッパ駆動板とから構成され
ている。

【０００５】この部品ストッパ変位機構では、カム板を
谷部間隔に相当する所定の角度ピッチで所定方向に間欠
回動させることにより、カム板の谷部の底点からカム板
回動方向とは反対方向で隣接する山部の頂点に至る経路
を利用して、ストッパ駆動板を介して部品ストッパを部
品取出位置から部品停止位置に変位させることができる
と共に、山部の頂点からカム板回動方向とは反対方向で
隣接する谷部の底点に至る経路を利用して、ストッパ駆
動板を介して部品ストッパを部品停止位置から部品取出
位置に変位させることができる。

【０００６】つまり、部品搬送路上の先頭部品を部品ス
トッパに吸着したまま部品取出位置に変位させて２番目
部品から引き離すことにより、先頭部品と２番目部品と
がくっついていたり引っかかっているような場合でもこ
れらを原因とした取出不良の問題を解消して、先頭部品
を２番目部品と干渉せずに、且つ安定した姿勢でスムー
ズに取り出すことができる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】先頭部品を２番目部品
から引き離すことを可能とした上記の部品供給装置で
は、取り扱う部品のサイズ及び重量が小さくなると、部
品ストッパを部品停止位置から部品取出位置に変位した
ときの僅かな衝撃で、部品ストッパに吸着されている部
品の姿勢が乱れて、取り出し不良と原因となる恐れがあ
る。

【０００８】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、先頭部品の取り出しを良
好に行える部品供給装置の部品ストッパ変位機構を提供
することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、谷部及び山部を周面に等間隔で交互に有
するカム板と、カム板を谷部間隔に相当する所定の角度
ピッチで所定方向に間欠回動させるカム板回動手段と、
作動部をカム板の周面に圧接されカム板の間欠回動時に
は谷部と山部の起伏によって所定方向に変動するストッ
パ駆動板とを備え、一列に並んだ状態で搬送されるチッ
プ状部品の先頭部品を相互当接により所定の部品停止位
置で停止させ、且つ先頭部品を磁石の磁力によって吸着
する部品ストッパを、上記ストッパ駆動板の変動を利用
して部品停止位置と同位置から離れた部品取出位置とに
変位させる部品供給装置の部品ストッパ変位機構におい
て、カム板の谷部及び山部の形状を、部品ストッパが部
品停止位置から部品取出位置に変位する時間が、該部品
ストッパが部品取出位置から部品停止位置に変位する時
間よりも遅くなるような形状とした、ことをその主たる
特徴としている。

【００１０】本発明によれば、カム板の谷部及び山部の
形状を、部品ストッパが部品停止位置から部品取出位置
に変位する時間が、該部品ストッパが部品取出位置から
部品停止位置に変位する時間よりも遅くなるような形状
とすることにより、部品ストッパを部品停止位置から部
品取出位置にゆっくりと変位させて同変位時の衝撃を軽
減し、部品ストッパに吸着されている部品の姿勢が乱れ
ることを回避できる。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１は本発明に係る部品供給装置
の側面図を示すもので、図中の１はフレーム、２はホッ
パー、３は固定パイプ、４は可動パイプ、５は部品ガイ
ド、６はベルトガイド、７はベルト、８は前後一対のプ
ーリー、９は部品ストッパ、１０は可動パイプ上下動機
構、１１はベルト送り機構、１２は部品ストッパ変位機
構である。

【００１２】フレーム１は、後述する各構成機器を支持
する役目を果たし、装置取付相手（図示省略）に設けら
れた位置決め孔に挿入される２つの取付ピン１ａを下面
に有している。

【００１３】ホッパー２は、図１及び図３に示すよう
に、収納室２ａと、該収納室２ａの上端開口を開閉自在
に覆う蓋板２ｂと、収納室２ａの底面に貫通形成された
可動パイプ用の円形摺動孔２ｃを具備しており、その側
面をフレーム１に着脱自在に固着されている。

【００１４】収納室２ａ内には、図２（ａ）〜（ｃ）に
示すような円柱状，角柱状或いは扁平角柱状等の形状を
有するチップ状部品Ｐ（以下、単に部品Ｐと言う）、例
えば、チップコンデンサ，チップインダクタ，チップ抵
抗器等で代表される部品Ｐの１種類がバラ状態で多数個
収納されている。このホッパー２内に収納された部品Ｐ
は、部品供給に伴い底面傾斜に沿って摺動孔２ｃに向け
て自重移動する。

【００１５】固定パイプ３は、図３及び図４に示すよう
に、所定長さの薄肉円形パイプ材から成り、部品ガイド
５に下端部を固着され、その上端が摺動孔２ｃの上端よ
りも僅かに低くなるような位置関係にて、該摺動孔２ｃ
内の中心位置に垂直に挿通配置されている。また、固定
パイプ３の内径は供給対象となる部品Ｐの端面最大長よ
りも僅かに大きく、収納室２ａ内の部品Ｐは固定パイプ
３の上端開口に長手向きで取り込まれ、同向きのままパ
イプ内を自重落下して下方に導かれる。

【００１６】可動パイプ４は、図３及び図４に示すよう
に、摺動孔２ｃよりも僅かに小さな外径と固定パイプ３
の外径よりも僅かに大きな内径を備えた所定長さの円形
パイプ材から成り、上端が固定パイプ３の上端よりも僅
かに低くなるような位置関係にて、固定パイプ３の外側
に上下動可能に配置されている。また、可動パイプ４は
供給対象となる部品Ｐの端面最大長よりも僅かに大きな
厚みを有しており、その上端面に中心に向かって下向き
に傾斜するすりばち状の案内面４ａを有している。さら
に、可動パイプ４の外面中間部と外面下端部には係合鍔
４ｂ，４ｃがそれぞれ形成され、中間鍔４ｂの上下には
Ｓ１＜Ｓ２の力関係を有するコイルバネＳ１とＳ２が介
装されている。

【００１７】部品ガイド５は、図３，図１１及び図１３
に示すように、供給部品に対応した所定の幅及び深さの
直線状ガイド溝５ａを下面に有し、その側面をフレーム
１に固着されている。ガイド溝５ａの後端には固定パイ
プ３の内孔と連通する円形または矩形断面の垂直通路５
ｂが形成されており、本実施形態では、固定パイプ３の
内孔と該垂直通路５ｂによって、ホッパー２内の部品Ｐ
を長手向きで１個宛取り込んで下方に導く部品導出通路
（符号なし）が形成されている。また、ガイド溝５ａの
前端には、先頭部品Ｐの上面を外部に露出させるための
部品取出口５ｃが形成されている。

【００１８】ベルトガイド６は、図３，図１１及び図１
３に示すように、ベルト７に対応した所定の幅及び深さ
の直線状ガイド溝６ａを上面に有し、ガイド溝６ａの幅
方向中心が部品ガイド５のガイド溝５ａの幅方向中心と
一致するように部品ガイド５の下側に配置され、その側
面をフレーム１に固着されている。

【００１９】ベルト７は、図３，図１１及び図１３に示
すように、合成ゴム或いは軟質樹脂等から形成された非
磁性の平ベルト或いはタイミングベルトから成り、ベル
トガイド７の前後位置においてフレーム１に回動自在に
支持された一対のプーリー８に巻き付けられ、その上側
部分をベルトガイド６のガイド溝６ａ内に位置し、巻き
付けテンションによって同部分を部品ガイド５の下面に
移動可能な状態で接している。

【００２０】部品ストッパ９は、図１３に示すように、
ガイド溝５ａの溝深さと同等厚みを有する非磁性の長方
形板から成り、ガイド溝５ａの前側位置において、その
一端をピン９ａを介してストッパ支持部材９ｂに水平動
自在に支持されている。この部品ストッパ９はコイルバ
ネＳ３によって図中で反時計回り方向に付勢されてお
り、その一面を部品取出口５ｃの前端に当接（図１４参
照）したときに所期の部品停止位置を確保する。また、
部品ストッパ９の先頭部品Ｐと向き合う位置には、直方
体形状の希土類永久磁石ＭがそのＮ，Ｓ極の一方の面が
先頭部品Ｐと接触するように設けられている。図示例で
は、磁石Ｍとして、高さ寸法が部品ストッパ９の厚み寸
法とほぼ一致し、且つ幅寸法が搬送部品Ｐの幅寸法より
も大きなものを示してあるが、該磁石Ｍの高さ寸法は部
品Ｐの高さ寸法よりも小さくてもよく、また幅寸法も部
品Ｐの幅寸法以下としてもよい。

【００２１】ちなみに図示例のものでは、ベルト７上の
部品Ｐを容易に排出できるように、部品ストッパ９を回
動自在に支持するストッパ支持部材９ｂを、その一端を
ピン９ｃを介して部品ガイド５の前部に上側方向に回動
自在に取り付けてある。つまり、部品ストッパ９は、部
品ガイド５の前端に設けた板バネ９ｄにその前部を係合
させることで水平状態を保持できると共に、板バネ９ｄ
との係合を解いてストッパ支持部材９ｂを上方に回動さ
せることによってベルト７から離せるようになってお
り、この上方可動によって部品ストッパ９による部品移
動規制を解いてベルト７上の部品Ｐをガイド溝５ａの前
端から排出することができる。

【００２２】可動パイプ上下動機構１０は、図３に示す
ように、操作レバー１０ａと、その下側に配置された中
継レバー１０ｂと、操作レバー１０ａの復帰位置を規定
するための位置決めストッパ１０ｃとから構成されてい
る。操作レバー１０ａは、フレーム１に設けられたピン
１０ｄによってその一端部を支持され、上下方向の回動
を可能としており、待機状態ではレバー中央上面を位置
決めストッパ１０ｃに当接している。中継レバー１０ｂ
はフレーム１に設けられたピン１０ｅによってその中央
部を支持され上下方向の回動を可能としている。この中
継レバー１０ｂは、一端部（図中右端部）に形成された
丸穴またはＵ字形の係合部１０ｇを、可動パイプ４の下
端鍔４ｃと下側コイルバネＳ２との間に装着され、待機
状態では上側コイルバネＳ１によって下方に付勢され、
他端部に設けられたローラ１０ｆを操作レバー１０ａの
中央下面に当接している。

【００２３】ちなみに、位置決めストッパ１０ｃは円板
とこれを偏心位置で固着するためのネジとから構成さ
れ、円板の固着向きを変化させることにより操作レバー
１０ａの復帰位置、つまり可動パイプ４の下降位置を任
意に調整できるようになっている。例えば、位置決めス
トッパ１０ｃを図中に破線で示す位置に変化させれば、
操作レバー１０ａの復帰位置を実線位置よりも下側にず
らして可動パイプ４の下降位置を上方に変位させること
ができる。

【００２４】この可動パイプ上下動機構１０では、図５
に示すように、操作レバー１０ａの端部に下向きの力Ｆ
を加えることにより、該操作レバー１０ａをピン１０ｄ
を中心として反時計回り方向に回動させ、該操作レバー
１０ａの下面で中継レバー１０ｂのローラ１０ｆに下向
きの力を加えてこれをピン１０ｅを中心として反時計回
り方向に回動させることができ、そして、中継レバー１
０ｂの係合部１０ｇによってコイルバネＳ２を介してコ
イルバネＳ１を縮めながら可動パイプ４を上方移動させ
ることができる。

【００２５】また、図５の状態で操作レバー１０ａの端
部への力Ｆを解除することにより、コイルバネＳ１の付
勢力によって可動パイプ４を下方移動させ、これに伴っ
て中継レバー１０ｂを時計回り方向に回動させることが
でき、そして、ローラ１０ｆによる押し上げによって操
作レバー１０ａを時計回り方向に回動させ、位置決めス
トッパ１０ｃに当接したところで該操作レバー１０ａの
回動を停止させて図３の待機状態に復帰させることがで
きる。

【００２６】ベルト送り機構１１は、図７及び図１０に
示すように、操作レバー１１ａと、これに回動自在に連
結された中継レバー１１ｂと、これに回動自在に連結さ
れ前側プーリー８と同一軸で回動可能な送りレバー１１
ｃと、送りレバー１１ｃに回動自在に設けられた爪１１
ｄと、前側プーリー８に同軸上に固着された爪車１１ｅ
と、操作レバー１１ａの復帰位置を規定するための位置
決めストッパ１１ｆと、操作レバー１１ａの回動限界位
置を規定するための位置決めストッパ１１ｇと、操作レ
バー１１ａを図中時計回り方向に付勢するコイルバネＳ
４と、爪１１ｄを爪車１１ｅの溝に圧接する巻きバネＳ
５とから構成されている。操作レバー１１ａは、可動パ
イプ上下動機構１０と共通のピン１０ｄによってその一
端部を支持されて上下方向の回動を可能としており、コ
イルバネＳ４の付勢力によって待機状態ではレバー側面
中央を位置決めストッパ１１ｆに当接している。また、
爪車１１ｅの周面には、爪係合用の溝が周方向に等間
隔、詳しくは、後述するカム板１２ａの谷部間隔と同じ
角度ピッチ（図示例は１５度）で設けられている。

【００２７】このベルト送り機構１１の操作レバー１１
ａと先に述べた可動パイプ上下動機構１０の操作レバー
１０ａとは、互いの操作部位をコイルバネＳＳを介して
上下に対向配置されており、可動パイプ上下動機構１０
の操作レバー１０ａの端部に加えられた下向きの力をコ
イルバネＳＳを介してベルト送り機構１１の操作レバー
１１ａの端部に伝えることができるようになっている。

【００２８】また、図示例のものでは、ベルト送り機構
１１を構成する送りレバー１１ｃ，爪１１ｄ及び爪車１
１ｅ等によって、後述する部品ストッパ変位機構１２の
カム板１２ａを所定の角度ピッチで反時計回り方向に回
動するカム板回動手段（ラチェット機構）が構成されて
いる。

【００２９】ちなみに、位置決めストッパ１１ｇは上記
の位置決めストッパ１０ｃと同様に円板とこれを偏心位
置で固着するためのネジとから構成され、円板の固着向
きを変化させることにより操作レバー１１ａの回動限界
位置、つまりベルト７の送り量を任意に調整できるよう
になっている。例えば、位置決めストッパ１１ｇを図中
に破線で示す位置に変化させれば、操作レバー１１ａの
回動限界位置を実線位置よりも右側にずらしてベルト送
り量を大きくすることができる。

【００３０】このベルト送り機構１１では、可動パイプ
上下動機構１０の操作レバー１０ａの端部に下向きの力
Ｆを加えて、コイルバネＳＳを介して操作レバー１１ａ
の端部に下向きの力を加えることにより、図１０に示す
ように、該操作レバー１１ａをコイルバネＳ４の付勢力
に抗しピン１０ｄを中心として反時計回り方向に回動さ
せ、中継レバー１１ｂを介して送りレバー１１ｃを反時
計回り方向に回動させることができ、そして、送りレバ
ー１１ｃの爪１１ｄに係合する爪車１１ｅを前側プーリ
ー８と一緒に反時計回り方向に所定角度回動させて、ベ
ルト７を回動角に応じた距離だけ前方に移動させること
ができる。

【００３１】また、図８の状態で可動パイプ上下動機構
１０の操作レバー１０ａの端部への力Ｆを解除して操作
レバー１１ａの端部への力を解除することにより、コイ
ルバネＳ４の付勢力によってこれを時計回り方向に回動
させ、位置決めストッパ１１ｆに当接したところで該操
作レバー１１ａの回動を停止させて中継レバー１１ｂと
送りレバー１１ｃを図１の待機状態に復帰させることが
できると共に、送りレバー１１ｃの爪１１ｄを時計回り
方向で隣接する溝に移動させて係合させることができ
る。

【００３２】部品ストッパ変位機構１２は、図７，図８
及び図１３に示すように、前側プーリー８に同軸上に固
着された円形カム板１２ａと、ピン１２ｂによってフレ
ーム１の側面に回動自在に取り付けられたストッパ駆動
板１２ｃと、ストッパ駆動板１２ｃを前方に付勢してそ
の作動部１２ｃ１をカム板１２ａの周面に圧接するコイ
ルバネＳ６と、ピン１２ｄによって部品ガイド５の前部
に水平動自在に取り付けられた部品保持レバー１２ｅ
と、部品保持レバー１２ｅを図１３中で時計回り方向に
付勢するコイルバネＳ７と、ガイド溝５ａの前部側面に
設けた孔５ｄに挿通された部品保持ピン１２ｆと、部品
保持ピン１２ｆを外方に付勢するコイルバネＳ８とから
構成されている。

【００３３】カム板１２ａの周面には、所定の形状を有
する谷部１２ａ１及び山部１２ａ２が周方向に等間隔で
交互に設けられている。図８にその詳細を示すように、
谷部１２ａ１の底点とカム板１２ａの回動中心Ｏとを結
ぶ直線Ｌ１と、時計回り方向で隣接する山部１２ａ２の
頂点とカム板１２ａの回動中心Ｏとを結ぶ直線Ｌ２の成
す角度θ１は、山部１２ａ２の頂点とカム板１２ａの回
動中心Ｏとを結ぶ直線Ｌ２と、時計回り方向で隣接する
谷部１２ａ１の底点とカム板１２ａの回動中心Ｏとを結
ぶ直線Ｌ１の成す角度θ２よりも小さく設定してある。
ちなみに、図示例のものは、隣接する谷部１２ａ１の角
度ピッチが１５度であり、角度θ１は５．９度で角度θ
２は９．１度である。

【００３４】また、谷部１２ａ１及び山部１２ａ２の基
準ラインには、１５度の角度ピッチで描かれた仮想円
Ａ，Ｂの曲線と直線が用いられており、ストッパ駆動板
１２ｃの作動部１２ｃ１の基準ラインにも、同じ仮想円
Ｂの一部の曲線が用いられている。つまり、カム板１２
ａの谷部１２ａ１の底点から時計回り方向で隣接する山
部１２ａ２の頂点に至る経路は主として平面から成り、
山部１２ａ２の頂点から時計回り方向で隣接する谷部１
２ａ１の底点に至る経路は主として仮想円Ａの一部曲線
を使用した凸曲面から成る。

【００３５】ストッパ駆動板１２ｃが前方位置にある待
機状態では、図７に示すように、ストッパ駆動板１２ｃ
の作動部１２ｃ１はコイルバネＳ６の付勢力によってカ
ム板１２ａの１つの谷部１２ａ１に圧接され、これによ
り、図１３に示すように、部品保持レバー１２ｅはコイ
ルバネＳ７によって図中時計回り方向に付勢され、部品
保持ピン１２ｆがコイルバネＳ８の付勢力に抗してガイ
ド溝５ａ内に押し込まれ、該部品保持ピン１２ｆによっ
て先頭から２番目の部品Ｐがガイド溝５ａの内面に押し
付けられて同位置に保持されている。また、ストッパ駆
動板１２ｃの押圧によって部品ストッパ９は前方（部品
取出位置から前方に離れた部品取出位置）に変位してお
り、先頭部品Ｐは磁石Ｍに吸着されたまま部品ストッパ
９と一緒に前方に変位して２番目部品Ｐから引き離され
ている。

【００３６】この部品ストッパ変位機構１２では、カム
板１２ａが先に述べたベルト送り機構１１の爪車１１ｅ
と一緒に所定の角度ピッチ（図示例では１５度）で反時
計回り方向に間欠回動する課程で、該カム板１２ａの谷
部１２ａ１と山部１２ａ２の起伏を利用して、ストッパ
駆動板１２ｃを待機位置から所定角度後方に回動させ、
そして後方回動位置から待機位置に復帰させることがで
きる。詳しくは、図９（ａ）〜（ｃ）に示すように、カ
ム板１２ａの間欠回動時には、谷部１２ａ１の底点から
時計回り方向で隣接する山部１２ａ２の頂点に至る経路
を利用して、ストッパ駆動板１２ｃの作動部１２ｃ１を
コイルバネＳ６の付勢力に抗して該経路によって後方に
押圧し、該ストッパ駆動板１２ａを後方に回動させるこ
とができると共に、カム板１２ａの山部１２ａ２の頂点
から時計回り方向で隣接する谷部１２ａ１の底点に至る
経路を利用して、ストッパ駆動板１２ｃの作動部１２ｃ
１をコイルバネＳ６の付勢力によって該経路に摺接しな
がら、該ストッパ駆動板１２ｃを復帰させることができ
る。

【００３７】ストッパ駆動板１２ｃが待機位置から後方
回動するときには、図１４に示すように、部品ストッパ
９がコイルバネＳ３の付勢力によって部品取出口５ｃの
前端に当接して部品停止位置が確保される。これと同時
に、部品保持レバー１２ｅの後端突出部分１２ｅ１がス
トッパ駆動板１２ｃによってコイルバネＳ７の付勢力に
抗して内方に押し込まれて図中反時計回り方向に回動
し、部品保持ピン１２ｆがコイルバネＳ８の付勢力によ
って外方に移動して２番目部品Ｐの保持が解除され、ベ
ルト７上に並ぶ部品全体の前進が可能となる。

【００３８】以下に、上述の部品供給装置の動作につい
て説明する。可動パイプ上下動機構１０の操作レバー１
０ａの端部は、吸着ノズル等によってベルト７上の先頭
部品Ｐを部品取出口５ｃから取り出す際に、該吸着ノズ
ル等の一部或いは他の駆動機器によって下向きに押圧さ
れる。

【００３９】可動パイプ４が下降位置にある状態では、
図４に示すように、該可動パイプ４の上端と摺動孔２ｃ
の内面と固定パイプ３の外面の間に環状ポケットＥが形
成され、該環状ポケットＥには少量の部品Ｐが入り込ん
でいる。

【００４０】可動パイプ上下動機構１０の操作レバー１
０ａの端部が下向きの押圧されると、先に述べたよう
に、該操作レバー１０ａ及び中継レバー１０ｂの回動に
よって可動パイプ４が下降位置から所定ストロークだけ
上昇し、その上端がホッパー２の収納室２ａ内に入り込
む。

【００４１】可動パイプ４が下降位置から上昇位置まで
移動する過程では、図６に示すように、該可動パイプ４
によって環状ポケットＥ内の部品Ｐが上方に持ち上げら
れると共に収納室内２ａの収納部品が解され、また、固
定パイプ３上に横たわる部品Ｐがあっても該部品Ｐは同
位置から押し退けられる。同過程では、ホッパー２内の
収納部品Ｐが、可動パイプ４の上端案内面４ａの傾斜を
利用して固定パイプ３の上端開口に長手向きで取り込ま
れ、同向きのまま該固定パイプ３内を自重落下して下方
に導かれる。

【００４２】また、可動パイプ上下動機構１０の操作レ
バー１０ａの端部への押圧が解除されると、先に述べた
ように、中継レバー１０ｂ及び操作レバー１０ａがバネ
付勢力によって回動復帰し、可動パイプ４もバネ付勢力
によって上昇位置から下降復帰する。

【００４３】可動パイプ４が上昇位置から下降位置まで
移動する過程では、図４に示すように、環状ポケットＥ
内に再び少数の部品Ｐが入り込み、収納部品全体が降下
する。同過程でも、収納部品Ｐが可動パイプ４の上端案
内面４ａの傾斜を利用して固定パイプ３の上端開口に長
手向きで１個宛取り込まれ、同向きのまま該固定パイプ
３内を自重落下する。

【００４４】このように固定パイプ３内への部品取り込
みは、可動パイプ４の上昇過程と下降過程の両方で行わ
れる。固定パイプ３内に長手向きで１個宛取り込まれた
部品Ｐは、該固定パイプ３内を自重落下して下側の垂直
通路５ｂ内に同向きのまま取り込まれ、該垂直通路５ｂ
内を自重落下してその一端部をベルト７の上面に当接
し、後続の部品Ｐはこの上に長手向きで積み重なる（図
１１参照）。

【００４５】一方、可動パイプ上下動機構１０の操作レ
バー１０ａの端部に下向きの力が加わるときには、先に
述べたように、コイルバネＳＳを介してベルト送り機構
１１の操作レバー１１ａの端部も下向きに押圧され、中
継レバー１１ｂと送りレバー１１ｃの回動によって、爪
１１ｄが係合する爪車１１ｅが前側プーリー８と一緒に
反時計回り方向に所定角度回動し、ベルト７がこの回動
角に応じた距離、好ましくは部品Ｐの長手寸法よりも大
きな距離だけ前方に移動する。

【００４６】ベルト７が前方に所定距離移動する過程で
は、ベルト７の上面に一端部を当接する部品Ｐが、ベル
ト７との摩擦抵抗によって前方に引き出され横転してベ
ルト７上に横たわり、次の部品Ｐがベルト７の上面に一
端部を当接する（図１２参照）。

【００４７】ベルト７の移動（間欠移動）は部品取出口
５ｃから先頭部品Ｐが取り出される度に繰り返されるた
め、垂直通路５ｂ内の最下位の部品Ｐは上記同様の横転
作用を受けながら前方に順次移動する。これにより、複
数の部品Ｐがガイド溝５ａによって整列作用を受けなが
らベルト７上に一列に並び、同並び状態のままベルト７
の間欠移動に合わせて前方に搬送される。

【００４８】他方、ベルト送り機構１１の爪車１１ｅが
前側プーリー８と一緒に回動してベルト７が前方に移動
するときには、これと同方向に所定角度回動する部品ス
トッパ変位機構１２のカム板１２ａによって、ストッパ
駆動板１２ｃがバネ付勢力に抗して後方回動し、そして
後方回動位置から復帰する。

【００４９】カム板１２ａの谷部１２ａ１の底点から時
計回り方向で隣接する山部１２ａ２の頂点に至る経路を
利用してストッパ駆動板１２ｃが後方回動するときに
は、図１４に示すように、バネ付勢力によって部品スト
ッパ９が後方に変位し、その後端面が部品取出口５ｃの
前端に当接して所期の部品停止位置が確保される。つま
り、ベルト７によって搬送される部品Ｐは、その先頭部
品Ｐが部品ストッパ９に当接したところで停止してベル
ト７上に長手向きで隙間なく一列に並び、先頭部品Ｐは
磁石Ｍの磁力によって部品ストッパ９に吸着する。ま
た、ベルト７の前方移動量が部品Ｐの長手寸法よりも大
きいときには、部品移動が部品ストッパ９によって規制
された後も、部品接触面との滑りを利用してベルト７の
みが前進する。

【００５０】また、カム板１２ａの山部１２ａ２の頂点
から時計回り方向で隣接する谷部１２ａ１の底点に至る
経路を利用してストッパ駆動板１２ｃが復帰するときに
は、図１３に示すように、部品保持レバー１２ｃの回動
復帰によって部品保持ピン１２ｆの先端がガイド溝５ａ
内に突出して先頭から２番目の部品Ｐが保持されると共
に、部品ストッパ９が前方に変位して部品取出口５ｃの
前端から離れ、これと一緒に先頭部品Ｐが吸着されたま
ま部品取出位置に移動して２番目部品Ｐから離れ、先頭
部品Ｐと２番目部品Ｐとの間に強制的に隙間Ｃが形成さ
れる。

【００５１】図８に示したように、谷部１２ａ１の底点
とカム板１２ａの回動中心Ｏとを結ぶ直線Ｌ１と、時計
回り方向で隣接する山部１２ａ２の頂点とカム板１２ａ
の回動中心Ｏとを結ぶ直線Ｌ２の成す角度θ１が、山部
１２ａ２の頂点とカム板１２ａの回動中心Ｏとを結ぶ直
線Ｌ２と、時計回り方向で隣接する谷部１２ａ１の底点
とカム板１２ａの回動中心Ｏとを結ぶ直線Ｌ１の成す角
度θ２よりも小さく設定してあるので、カム板１２ａの
間欠回動が等速度またはこれに近い動きをする場合に
は、部品ストッパ９の部品停止位置から部品取出位置へ
の変位に要する時間は、部品取出位置から部品停止位置
への変位に要する時間よりも遅くなる。

【００５２】しかも、谷部１２ａ１の底点から時計回り
方向で隣接する山部１２ａ２の頂点に至る経路が主とし
て平面から成り、山部１２ａ２の頂点から時計回り方向
で隣接する谷部１２ａ１の底点に至る経路は主として仮
想円Ａの一部曲線を使用した凸曲面から成ることから、
換言すれば、谷部１２ａ１の底点から時計回り方向で隣
接する山部１２ａ２の頂点に至る経路の距離（長さ）
が、山部１２ａ２の頂点から時計回り方向で隣接する谷
部１２ａ１の底点に至る経路の距離（長さ）よりも小さ
くなっているので、部品ストッパ９が部品停止位置から
部品取出位置に変位するときの速度は、部品取出位置か
ら部品停止位置に変位するときの速度よりも低くなる。

【００５３】つまり、部品取出位置から部品停止位置ま
では部品ストッパ９を迅速に変位させて時間ロスを無く
すことができる一方、部品停止位置から部品取出位置ま
では部品ストッパ９をゆっくりと変位させることができ
るので、部品ストッパ９が部品停止位置から部品取出位
置に変位したときの衝撃を極力軽減して、部品ストッパ
に吸着されている部品の姿勢が乱れることを回避でき
る。

【００５４】吸着ノズル等による先頭部品Ｐの取り出し
は、図１３に示すように、部品ストッパ９が前方に変位
して先頭部品Ｐが２番目部品Ｐから完全に離され、しか
も、部品取出位置に変位した部品Ｐが磁力によって同位
置に保持されている状態で実施される。

【００５５】このように、上述の実施形態によれば、部
品停止位置にある部品ストッパ９を同位置から部品取出
位置にゆっくりと変位するようにしてあるので、部品ス
トッパ９が部品停止位置から部品取出位置に変位したと
きの衝撃を極力軽減して、部品ストッパ９に吸着されて
いる部品Ｐの姿勢が乱れることを回避することができ、
部品取出位置に変位し２番目部品Ｐから引き離された先
頭部品Ｐを安定した姿勢で良好に取り出すことができ
る。

【００５６】また、カム板１２ａにおける上記の角度θ
１及びθ２がθ１＜θ２となる範囲で、該角度θ２選択
することにより、部品ストッパ９の部品停止位置から部
品取出位置への変位時間が所望の時間となるように調整
できると共に、該角度θ２で規定される周面経路の距離
を選択することにより、部品ストッパ９が部品停止位置
から部品取出位置に変位するときの速度も調整できる。

【００５７】さらに、カム板１２ａの谷部１２ａ１の底
点から時計回り方向で隣接する山部１２ａ２の頂点に至
る経路が主として平面から成り、山部１２ａ２の頂点か
ら時計回り方向で隣接する谷部１２ａ１の底点に至る経
路が主として凸曲面から成るので、カム板１２ａの周面
に対しストッパ駆動板１２ｃの作動部１２ｃ１を滑らか
に摺動させて、部品ストッパ９の部品取出位置から部品
停止位置への変位を迅速に、部品停止位置から部品取出
位置への変位を等速度に近い動きで円滑に行うことがで
きる。

【００５８】尚、上述の実施形態では、部品ストッパの
部品取出位置から部品停止位置への変位をバネ付勢力を
利用して行うものを例示したが、部品ストッパとストッ
パ駆動板を連結して、同変位をストッパ駆動板によって
直接的に行わせるようにしてもよい。

【００５９】また、上述の実施形態では、部品搬送路と
してベルトを用いたものを例示したが、ベルト及びベル
トガイドのガイド溝を排除して部品ガイドのガイド溝と
ベルトガイドの上面とで所定断面の搬送路を形成し、該
搬送路の後ろからエアーを吹き込むことによって、該搬
送路に導出された部品の横転と横転後の部品の搬送を行
えるようにしてもよい。

【００６０】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
部品停止位置にある部品ストッパを同位置から部品取出
位置にゆっくりと変位するようにしてあるので、部品ス
トッパが部品停止位置から部品取出位置に変位したとき
の衝撃を極力軽減して、部品ストッパに吸着されている
部品の姿勢が乱れることを回避することができ、部品取
出位置に変位し２番目部品から引き離された先頭部品を
安定した姿勢で良好に取り出すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る部品供給装置の側面図

【図２】供給対象となる部品の斜視図

【図３】可動パイプ上下動機構の詳細図

【図４】可動パイプが下降位置にある状態を示す図

【図５】可動パイプ上下動機構の動作説明図

【図６】可動パイプが上昇位置にある状態を示す図

【図７】前側プーリー部分の部分詳細図

【図８】部品ストッパ変位機構のカム板及びストッパ駆
動板の詳細図

【図９】カム板の間欠回動によるストッパ駆動板の動作
を示す図

【図１０】ベルト送り機構の動作説明図

【図１１】ベルト上への部品導出作用を示す図

【図１２】ベルト上への部品導出作用を示す図

【図１３】部品ストッパ変位機構の詳細図

【図１４】部品ストッパ変位機構の動作説明図

【符号の説明】

１…フレーム、２…ホッパー、Ｐ…部品、３…固定パイ
プ、４…可動パイプ、５…部品ガイド、６…ベルトガイ
ド、７…ベルト、８…前後一対のプーリー、９…部品ス
トッパ、１０…可動パイプ上下動機構、１１…ベルト送
り機構、１２…部品ストッパ変位機構、１２ａ…カム
板、１２ａ１…谷部、１２ａ２…山部、１２ｃ…ストッ
パ駆動板、１２ｃ１…作動部。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 谷部及び山部を周面に等間隔で交互に有
   するカム板と、カム板を谷部間隔に相当する所定の角度
   ピッチで所定方向に間欠回動させるカム板回動手段と、
   作動部をカム板の周面に圧接されカム板の間欠回動時に
   は谷部と山部の起伏によって所定方向に変動するストッ
   パ駆動板とを備え、一列に並んだ状態で搬送されるチッ
   プ状部品の先頭部品を相互当接により所定の部品停止位
   置で停止させ、且つ先頭部品を磁石の磁力によって吸着
   する部品ストッパを、上記ストッパ駆動板の変動を利用
   して部品停止位置と同位置から離れた部品取出位置とに
   変位させる部品供給装置の部品ストッパ変位機構におい
   て、 カム板の谷部及び山部の形状を、部品ストッパが部品停
   止位置から部品取出位置に変位する時間が、該部品スト
   ッパが部品取出位置から部品停止位置に変位する時間よ
   りも遅くなるような形状とした、 ことを特徴とする部品供給装置の部品ストッパ変位機
   構。
2. 【請求項２】 カム板の谷部の底点とカム板の回動中心
   とを結ぶ直線とカム板回動方向とは反対方向で隣接する
   山部の頂点とカム板の回動中心とを結ぶ直線の成す角度
   を、山部の頂点とカム板の回動中心とを結ぶ直線とカム
   板回動方向とは反対方向で隣接する谷部の底点とカム板
   の回動中心とを結ぶ直線の成す角度よりも小さく設定
   し、 カム板の谷部の底点からカム板回動方向とは反対方向で
   隣接する山部の頂点に至る経路を利用して、ストッパ駆
   動板を介して部品ストッパを部品取出位置から部品停止
   位置に変位させると共に、 山部の頂点からカム板回動方向とは反対方向で隣接する
   谷部の底点に至る経路を利用して、ストッパ駆動板を介
   して部品ストッパを部品停止位置から部品取出位置に変
   位させるようにした、 ことを特徴とする請求項１記載の部品供給装置の部品ス
   トッパ変位機構。
3. 【請求項３】 カム板の谷部の底点からカム板回動方向
   とは反対方向で隣接する山部の頂点に至る経路が平面を
   含み、山部の頂点からカム板回動方向とは反対方向で隣
   接する谷部の底点に至る経路が凸曲面を含む、 ことを特徴とする請求項２記載の部品供給装置の部品ス
   トッパ変位機構。