JPH10190284A - 部品供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルト上に導出された部品の横転をミス無く
確実に行える部品供給装置を提供する。 【解決手段】 固定パイプ３の内孔及び垂直通路５ｂか
ら長手向きで導出されベルト上面に接する部品Ｐのベル
ト近傍部分を、ベルト移動に合わせて部品横転補助機構
の押圧アーム１３ｅによって同方向に押圧できるように
したので、ベルト７と部品Ｐとの間の摩擦抵抗が小さ
く、両者の間に必要以上に滑りを生じてベルト７による
部品横転が行えない場合や、部品Ｐの長手寸法が大き
く、横転自体に大きな力を必要とするため両者の間に充
分な摩擦抵抗があっても部品横転が行えな場合でも、押
圧アーム１３ｅによる部品押圧によってベルト移動によ
る部品横転を補助して所期の部品横転を確実に行うこと
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、バラ状態にあるチ
ップ状部品を所定向きで一列に並んだ状態で供給する部
品供給装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の部品供給装置は、チップ
状部品をバラ状態で収納するホッパーと、ホッパー内の
部品を長手向きで１個宛取り込んで下方に自重落下させ
るパイプ等の導出通路と、導出通路の下側に配置された
部品搬送用のベルトとを備えている。

【０００３】導出通路内に長手向きで取り込まれた部品
は、同向きのまま導出通路内を自重落下してベルト上に
導出され、その長手方向一端部をベルトの上面に当接
し、後続の部品はこの部品の上に長手向きで積み重な
る。同状態でベルトを移動させると、ベルト上面に一端
部を当接する部品が、ベルトとの間の摩擦抵抗によって
前方に引き出されて横転し、横たわった状態のままベル
トと一緒に移動する。部品導出通路内の部品はベルトが
間欠移動する度に順次同様の横転作用を受けてベルト上
に横たわり、これにより、複数の部品がベルト上に長手
向きで一列に並び、同状態のままベルトによって搬送さ
れる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の部品供給装
置は、ベルトと部品との間の摩擦抵抗を利用してベルト
移動により部品の横転を行うものであるため、摩擦抵抗
が小さいと両者の間に必要以上に滑りを生じて所期の部
品横転が的確に行えなくなる不具合がある。また、長手
寸法が大きな部品では横転自体に大きな力を必要とする
ため、ベルトと部品と間に充分な摩擦抵抗があっても所
期の部品横転が的確に行えなくなる不具合がある。

【０００５】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、ベルト上に導出された部
品の横転をミス無く確実に行える部品供給装置を提供す
ることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、チップ状部品をバラ状態で収納するホッ
パーと、ホッパー内の部品を所定向きで１個宛取り込ん
で下方に導く導出通路と、導出通路の下側に配置された
部品搬送用のベルトとを備え、導出通路から所定向きで
導出されベルト上面に接する部品を、ベルトとの間の摩
擦抵抗を利用してベルト移動により横転させるようにし
た部品供給装置において、導出通路から所定向きで導出
されベルト上面に接する部品のベルト近傍部分をベルト
移動に合わせて押圧アームにより同方向に押圧し、該押
圧によってベルト移動による部品横転を補助する横転補
助機構を設けた、ことをその主たる特徴としている。

【０００７】本発明によれば、導出通路から所定向きで
導出されベルト上面に接する部品のベルト近傍部分を、
横転補助機構の押圧アームによってベルト移動に合わせ
て同方向に押圧することにより、ベルトによる部品横転
を補助してその確実性を高めることができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１は本発明に係る部品供給装置
の側面図を示すもので、図中の１はフレーム、２はホッ
パー、３は固定パイプ、４は可動パイプ、５は部品ガイ
ド、６はベルトガイド、７はベルト、８は前後一対のプ
ーリー、９は部品ストッパ、１０はパイプ上下動機構、
１１はベルト送り機構、１２はストッパ変位機構、１３
は部品横転補助機構である。

【０００９】フレーム１は、後述する各構成機器を支持
する役目を果たし、装置取付け相手（図示省略）に設け
られた位置決め孔に挿入される２つの取付けピン１ａを
下面に有している。

【００１０】ホッパー２は、図１及び図３に示すよう
に、収納室２ａと、該収納室２ａの上端開口を開閉自在
に覆う蓋板２ｂと、収納室２ａの底面に貫通形成された
可動パイプ用の円形摺動孔２ｃを具備しており、その下
部側面をフレーム１に着脱自在に固着されている。ま
た、収納室２ａ内には、図２に示すような円柱状，角柱
状または扁平角柱状等の形状を有するチップ状部品Ｐ
（以下単に部品Ｐと言う）、例えば、チップコンデン
サ，チップインダクタ，チップ抵抗器等で代表される部
品Ｐの１種類がバラ状態で多数個収納されている。この
ホッパー２内に収納された部品Ｐは、部品供給に伴い収
納室２ａの底面傾斜に沿って摺動孔２ｃに向けて自重移
動する。

【００１１】固定パイプ３は、図１，図３及び図４に示
すように、所定長さの薄肉円形パイプ材から成り、部品
ガイド５に下端部を固着され、その上端がホッパー２の
摺動孔２ｃの上端よりも僅かに低くなるような位置関係
にて、該摺動孔２ｃ内の中心位置に垂直に挿通配置され
ている。また、固定パイプ３の内径は供給対象となる部
品Ｐの端面最大長よりも僅かに大きく設定されている。
つまり、ホッパー２の収納室２ａ内に収納された部品Ｐ
は、固定パイプ３の上端開口に長手向きで取り込まれ、
同向きのまま固定パイプ３内を自重落下して下方に導か
れる。

【００１２】可動パイプ４は、図１，図３及び図４に示
すように、ホッパー２の摺動孔２ｃよりも僅かに小さな
外径と固定パイプ３の外径よりも僅かに大きな内径を備
えた所定長さの円形パイプ材から成り、その上端が固定
パイプ３の上端よりも僅かに低くなるような位置関係に
て、固定パイプ３の外側に上下動可能に挿通配置されて
いる。また、可動パイプ４は供給対象となる部品Ｐの端
面最大長よりも僅かに大きな厚みを有しており、その上
端面に中心に向かって下向きに傾斜するすりばち状の案
内面４ａを有している。さらに、可動パイプ４の外面中
間部と外面下端部には係合鍔４ｂ，４ｃがそれぞれ形成
され、中間鍔４ｂの上下にはＳ１＜Ｓ２の力関係を有す
るコイルバネＳ１とＳ２が介装されている。

【００１３】部品ガイド５は、図１，図３，図９及び図
１１に示すように、供給部品に対応した所定の幅及び深
さの直線状ガイド溝５ａを下面長手方向に有し、その側
面をフレーム１に固着されている。また、ガイド溝５ａ
の後端から所定距離隔てた位置には、固定パイプ３の内
孔と連通する断面円形状または断面矩形状の垂直通路５
ｂが形成されており、本実施形態では、該垂直通路５ｂ
と固定パイプ３の内孔によって、ホッパー２内の部品Ｐ
を長手向きで１個宛取り込んで下方に導く導出通路（符
号なし）が形成されている。さらに、ガイド溝５ａの前
端には、ベルト７上に一列に並んだ部品Ｐのうち先頭の
部品Ｐの少なくとも上面を外部に露出するための部品取
出口５ｃが形成されている。

【００１４】ベルトガイド６は、図１，図３，図９及び
図１１に示すように、ベルト７に対応した所定の幅及び
深さの直線状ガイド溝６ａを上面に有し、該ガイド溝６
ａの中心が部品ガイド５のガイド溝５ａの中心と一致す
るように部品ガイド５の下側に配置され、その側面をフ
レーム１に固着されている。

【００１５】ベルト７は、図１，図３，図９及び図１１
に示すように、合成ゴム或いは軟質樹脂等から形成され
た無端状の平ベルトまたはタイミングベルトから成り、
部品ガイド５のガイド溝５ａよりも大きな幅を有してい
る。このベルト７は、ベルトガイド７の前後位置におい
てフレーム１に回動自在に支持された一対のプーリー８
に巻き付けられ、その上側部分をベルトガイド６のガイ
ド溝６ａ内に位置しており、巻き付けテンションによっ
て同部分を部品ガイド５の下面に移動可能な状態で接し
ている。

【００１６】部品ストッパ９は、図１及び図１１に示す
ように、部品ガイド５のガイド溝５ａの溝深さと同等ま
たはそれ以下の厚みを有する長方形板から成り、ガイド
溝５ａの前側位置において、その一端をピン９ａを介し
てストッパ支持部材９ｂに水平方向で回動自在に支持さ
れている。この部品ストッパ９はコイルバネＳ３によっ
て反時計回り方向に付勢されており、ガイド溝５ａの前
端に当接したときに所期の部品停止位置を確保する（図
１２参照）。また、部品ストッパ９のガイド溝５ａと対
向する位置には、直方体形状の磁石（希土類永久磁石）
Ｍが、そのＮ，Ｓ極の一方がベルト７上の先頭の部品Ｐ
と向き合うように設けられている。

【００１７】ちなみに図示例のものでは、部品ストッパ
９を回動自在に支持するストッパ支持部材９ｂを、その
一端をピン９ｃを介して部品ガイド５の前部に上側方向
に回動できるように取り付けてある。つまり、部品スト
ッパ９は、ストッパ支持部材９ｂの前部を部品ガイド５
の前端に設けた板バネ９ｄに係合させることで水平状態
を保持できると共に、板バネ９ｄとの係合を解いてスト
ッパ支持部材９ｂを上方に回動させることによってベル
ト７から離せるようになっており、この上方回動によっ
て部品ストッパ９による移動規制を解いてベルト７上に
並ぶ部品Ｐをガイド溝５ａの前端から排出することがで
きる。

【００１８】パイプ上下動機構１０は、図１及び図３に
示すように、操作レバー１０ａと、その下側に配置され
た中継レバー１０ｂと、操作レバー１０ａの復帰位置を
規定するための位置決めストッパ１０ｃとから構成され
ている。操作レバー１０ａは、フレーム１に設けられた
ピン１０ｄによってその一端部を支持され、上下方向の
回動を可能としており、初期状態ではレバー中央上面を
位置決めストッパ１０ｃに当接している。また、中継レ
バー１０ｂはフレーム１に設けられたピン１０ｅによっ
てその中央部を支持され、上下方向の回動を可能として
いる。この中継レバー１０ｂは、支持箇所よりも右側に
形成された丸穴またはＵ字形の係合部１０ｇを、可動パ
イプ４の下端鍔４ｃと下側コイルバネＳ２との間に装着
され、初期状態ではコイルバネＳ１，Ｓ２によって下方
に付勢されており、これによって支持箇所よりも左側の
端部に設けられたローラ１０ｆを操作レバー１０ａの中
央下面に当接している。また、中継レバー１０ｂの支持
箇所よりも右側の端部には、部品横転補助機構１３のピ
ン１３ｂが係合する長穴１０ｈが設けられている。

【００１９】ちなみに、図示例の位置決めストッパ１０
ｃは円板とこれを偏心位置で固着するためのネジとから
構成されており、円板の固着向きを変化させることによ
り操作レバー１０ａの復帰位置、つまり可動パイプ４の
下降位置を任意に調整できるようになっている。例え
ば、位置決めストッパ１０ｃを図３中に破線で示す位置
に変化させれば、操作レバー１０ａの復帰位置を実線位
置よりも下側にずらして可動パイプ４の下降位置を上方
に変化させることができる。

【００２０】このパイプ上下動機構１０では、図５に示
すように、操作レバー１０ａの端部に下向きの力Ｆを加
えることにより、該操作レバー１０ａをピン１０ｄを中
心として反時計回り方向に回動させ、該操作レバー１０
ａの下面で中継レバー１０ｂのローラ１０ｆに下向きの
力を加えてこれをピン１０ｅを中心として反時計回り方
向に回動させることができ、そして、中継レバー１０ｂ
の係合部１０ｇによってコイルバネＳ２を介してコイル
バネＳ１を縮めながら可動パイプ４を上方移動させるこ
とができる。

【００２１】また、図５の状態で操作レバー１０ａの端
部への力Ｆを解除することにより、コイルバネＳ１の付
勢力によって可動パイプ４を下方移動させ、これに伴っ
て中継レバー１０ｂを時計回り方向に回動させることが
でき、そして、ローラ１０ｆによる押し上げによって操
作レバー１０ａを時計回り方向に回動させ、位置決めス
トッパ１０ｃに当接したところで該操作レバー１０ａの
回動を停止させて図３の初期状態に復帰させることがで
きる。

【００２２】ベルト送り機構１１は、図１，図７及び図
８に示すように、操作レバー１１ａと、これに回動自在
に連結された中継レバー１１ｂと、これに回動自在に連
結され前側プーリー８と同一軸で回動可能な送りレバー
１１ｃと、送りレバー１１ｃに回動自在に設けられた爪
１１ｄと、前側プーリー８に同軸上に固着された爪車１
１ｅと、操作レバー１１ａの復帰位置を規定するための
位置決めストッパ１１ｆと、操作レバー１１ａの回動限
界位置を規定するための位置決めストッパ１１ｇと、操
作レバー１１ａを時計回り方向に付勢するコイルバネＳ
４と、爪１１ｄを爪車１１ｅの溝に圧接して係合させる
巻きバネＳ５とから構成されている。操作レバー１１ａ
は、パイプ上下動機構１０の操作レバー１０ａと共通の
ピン１０ｄによってその一端部を支持されて上下方向の
回動を可能としており、コイルバネＳ４の付勢力によっ
て初期状態ではレバー側面中央を位置決めストッパ１１
ｆに当接している。また、この操作レバー１１ａと先に
述べたパイプ上下動機構１０の操作レバー１０ａとは、
互いの操作部位をコイルバネＳＳを介して上下に対向配
置されており、パイプ上下動機構１０の操作レバー１０
ａの端部に加えられた下向きの力をコイルバネＳＳを介
してベルト送り機構１１の操作レバー１１ａの端部に伝
えることができるようになっている。

【００２３】ちなみに、図示例の位置決めストッパ１１
ｇは上記の位置決めストッパ１０ｃと同様に円板とこれ
を偏心位置で固着するためのネジとから構成されてお
り、円板の固着向きを変化させることにより操作レバー
１１ａの回動限界位置、つまりベルト７の送り量を任意
に調整できるようになっている。例えば、位置決めスト
ッパ１１ｇを図８中に破線で示す位置に変化させれば、
操作レバー１１ａの回動限界位置を実線位置よりも右側
にずらしてベルト送り量を大きくすることができる。

【００２４】このベルト送り機構１１では、図８に示す
ように、パイプ上下動機構１０の操作レバー１０ａの端
部に下向きの力Ｆを加えて、コイルバネＳＳを介して操
作レバー１１ａの端部に下向きの力を加えることによ
り、該操作レバー１１ａをコイルバネＳ４の付勢力に抗
しピン１０ｄを中心として反時計回り方向に回動させ、
中継レバー１１ｂを介して送りレバー１１ｃを反時計回
り方向に回動させることができ、そして、送りレバー１
１ｃの爪１１ｄに係合する爪車１１ｅを前側プーリー８
と一緒に反時計回り方向に回動させて、ベルト７を回動
角に応じた距離だけ前方に移動させることができる。

【００２５】また、図８の状態で操作レバー１１ａの端
部への力を解除することにより、コイルバネＳ４の付勢
力によって該操作レバー１１ａを時計回り方向に回動さ
せ、位置決めストッパ１１ｆに当接したところで該操作
レバー１１ａの回動を停止させて中継レバー１１ｂと送
りレバー１１ｃを図１の初期状態に復帰させることがで
きると共に、送りレバー１１ｃの爪１１ｄを時計回り方
向で隣接する溝に移動させて係合させることができる。

【００２６】ストッパ変位機構１２は、図１，図７，図
８及び図１１に示すように、前側プーリー８に同軸上に
固着された爪車１２ａと、ピン１２ｂによってフレーム
１の側面に回動自在に支持されたストッパ作動板１２ｃ
と、ストッパ作動板１２ｃを前方に付勢する図示省略の
バネ材と、ピン１２ｄによって部品ガイド５の前部に水
平方向で回動自在に取り付けられた部品保持レバー１２
ｅと、部品保持レバー１２ｅを時計回り方向に付勢する
コイルバネＳ６と、ガイド溝５ａの前部側面に設けた孔
５ｄに挿通された部品保持ピン１２ｆと、部品保持ピン
１２ｆを外方に付勢するコイルバネＳ７とから構成され
ている。

【００２７】ストッパ作動板１２ｃが前方位置にある初
期状態では、図１１に示すように、部品保持レバー１２
ｅがコイルバネＳ６によって時計回り方向に付勢され、
これにより部品保持ピン１２ｆがコイルバネＳ６の付勢
力に抗してガイド溝５ａ内に押し込まれ、該部品保持ピ
ン１２ｆによってベルト７上の先頭から２番目の部品Ｐ
がガイド溝５ａの内面に押し付けられて同位置に保持さ
れている。また、ストッパ作動板１２ｃの押圧によって
部品ストッパ９は前方（部品停止位置から前方に離れた
位置）に変位し、先頭の部品Ｐは部品ストッパ９の磁石
Ｍに吸着保持されたまま該部品ストッパ９と一緒に前方
に移動して２番目の部品Ｐから完全に離れている。

【００２８】このストッパ変位機構１２では、爪車１２
ａが先に述べたベルト送り機構１１の爪車１１ｅと一緒
に回動する過程（ベルト７が所定距離前方に移動する過
程）で、ストッパ作動板１２ｃを爪車１２ａの一爪分の
起伏を利用して後方に移動させることができる。ストッ
パ作動板１２ｃが後退するときには、図１２に示すよう
に、部品ストッパ９がコイルバネＳ３の付勢力によって
部品ガイド５のガイド溝５ａの前端に当接して部品停止
位置が確保される。これと同時に、部品保持レバー１２
ｅの後端突出部分がストッパ作動板１２ｃによってコイ
ルバネＳ６の付勢力に抗して内方に押し込まれて反時計
回り方向に回動し、部品保持ピン１２ｆがコイルバネＳ
７の付勢力によって外方に移動して２番目の部品Ｐの保
持が解除され、ベルト７上に並ぶ部品Ｐの前進が可能と
なる。

【００２９】部品横転補助機構１３は、図１及び図３に
示すように、フレーム１に回動自在に支持された円板１
３ａと、該円板１３ａの外縁部に所定の角度間隔をおい
て突設さされた２本のピン１３ｂ，１３ｃと、長穴１３
ｄを後部に有する押圧アーム１３ｅとから構成されてい
る。円板１３ａの一方のピン１３ｂは、先に述べたパイ
プ上下動機構１０の操作レバー１０ａに形成された長穴
１０ｈに係合し、他方のピン１３ｃは、押圧アーム１３
ｅの長穴１３ｄに係合している。また、押圧アーム１３
ｅは、部品ガイド５のガイド溝５ａの幅及び深さよりも
僅かに小さな幅及び厚みを有しており、ガイド溝５ａの
後端から溝内に挿入されている。

【００３０】この部品横転補助機構１３では、図５に示
すように、パイプ上下動機構１０の操作レバー１０ａの
端部に下向きの力Ｆを加えて中継レバー１０ｂを所期位
置から反時計回り方向に回動させることにより、該中継
レバー１０ｂの長穴１０ｈにピン１３ｂを介して係合す
る円板１３ａを時計回り方向に回動させ、該円板１３ａ
のピン１３ｃに長穴１３ｄを係合する押圧アーム１３ｅ
をガイド溝５ａ内でベルト７の上面に沿って前方に移動
させることができる。

【００３１】また、図５の状態でパイプ上下動機構１０
の操作レバー１０ａの端部への力Ｆを解除して中継レバ
ー１０ｂを回動復帰させることにより、円板１３ａを反
時計回り方向に回動させ、押圧アーム１３ｅをベルト７
の上面に沿って後方に移動させて図３の初期状態に復帰
させることができる。この部品横転補助機構１３による
作用は後の動作説明において詳述する。

【００３２】以下に、上述の部品供給装置の動作につい
て説明する。パイプ上下動機構１０の操作レバー１０ａ
の端部は、吸着ノズル等によってベルト７上の先頭の部
品Ｐを部品取出口５ｃから取り出す際に、該吸着ノズル
等の一部または他の駆動機器によって下向きに押圧され
る。

【００３３】可動パイプ４が下降位置にある状態では、
図３及び図４に示すように、該可動パイプ４の上端と摺
動孔２ｃの内面と固定パイプ３の外面の間に環状ポケッ
トＥが形成され、該環状ポケットＥには少量の部品Ｐが
入り込んでいる。

【００３４】パイプ上下動機構１０の操作レバー１０ａ
の端部が下向きの押圧されると、先に述べたように、該
操作レバー１０ａ及び中継レバー１０ｂの回動によって
可動パイプ４が下降位置から所定ストロークだけ上昇
し、その上端がホッパー２の収納室２ａ内に入り込む。

【００３５】可動パイプ４が下降位置から上昇位置まで
移動する過程では、図５及び図６に示すように、該可動
パイプ４によって環状ポケットＥ内の部品Ｐが上方に持
ち上げられると共に収納室内２ａの収納部品が解され、
また、固定パイプ３上に横たわる部品Ｐがあっても該部
品Ｐは同位置から押し退けられる。同過程では、ホッパ
ー２内の収納部品Ｐが、可動パイプ４の上端案内面４ａ
の傾斜を利用して固定パイプ３の上端開口に長手向きで
１個宛取り込まれ、同向きのまま該固定パイプ３内を自
重落下して下方に導かれる。

【００３６】また、パイプ上下動機構１０の操作レバー
１０ａの端部への押圧が解除されると、先に述べたよう
に、中継レバー１０ｂ及び操作レバー１０ａがバネ付勢
力によって回動復帰し、可動パイプ４もバネ付勢力によ
って上昇位置から下降復帰する。

【００３７】可動パイプ４が上昇位置から下降位置まで
移動する過程では、図３及び図４に示すように、環状ポ
ケットＥ内に再び少数の部品Ｐが入り込み、収納部品全
体が降下する。同過程でも、ホッパー２内の収納部品Ｐ
が、可動パイプ４の上端案内面４ａの傾斜を利用して固
定パイプ３の上端開口に長手向きで１個宛取り込まれ、
同向きのまま該固定パイプ３内を自重落下する。

【００３８】このように固定パイプ３内への部品取り込
みは、可動パイプ４の上昇過程及び下降過程の両方で行
われる。固定パイプ３内に長手向きで１個宛取り込まれ
た部品Ｐは、該固定パイプ３内を自重落下して下側の垂
直通路５ｂ内に同向きのまま取り込まれ、該垂直通路５
ｂ内を自重落下してその一端部をベルト７の上面に当接
し、後続の部品Ｐはこの上に長手向きで積み重なる（図
９参照）。

【００３９】一方、パイプ上下動機構１０の操作レバー
１０ａの端部に下向きの力が加わるときには、先に述べ
たように、コイルバネＳＳを介してベルト送り機構１１
の操作レバー１１ａの端部も下向きに押圧され、中継レ
バー１１ｂと送りレバー１１ｃの回動によって、爪１１
ｄが係合する爪車１１ｅが前側プーリー８と一緒に回動
し、ベルト７がこの回動角に応じた距離、好ましくは部
品Ｐの長手寸法よりも大きな距離だけ前方に移動する。

【００４０】また、パイプ上下動機構１０の操作レバー
１０ａの端部に下向きの力が加わるときには、先に述べ
たように、中継レバー１０ｂによって部品横転補助機構
１３の円板１３ａも同時に回動し、押圧アーム１３ｅが
この回動角に応じた距離だけベルト７の上面に沿って前
方に移動する。

【００４１】ベルト７が前方に所定距離前方移動し、且
つ押圧アーム１３ｅが所定距離前方移動する課程では、
ベルト７の上面に一端部を当接する部品Ｐがベルト７と
の間の摩擦抵抗によって前方に引き出されると同時に、
該部品Ｐのベルト近傍部分の後側が押圧アーム１３ｅに
よって押圧され、これにより、部品Ｐが横転してベルト
７上に横たわり、次の部品Ｐがベルト７の上面に一端部
を当接する（図１０参照）。

【００４２】依って、ベルト７と部品Ｐとの間の摩擦抵
抗が小さく、両者の間に必要以上に滑りを生じてベルト
７による部品横転が行えない場合や、部品Ｐの長手寸法
が大きく、横転自体に大きな力を必要とするため両者の
間に充分な摩擦抵抗があっても部品横転が行えな場合で
も、押圧アーム１３ｅによる部品押圧によってベルト移
動による部品横転を補助して所期の部品横転を確実に行
うことができる。

【００４３】押圧アーム１３ｅによる部品押圧は、基本
的には、ベルト７の上面に一端部を当接する部品Ｐにベ
ルト７による横転を可能とするための傾きが付与できる
程度でよく、前進時のプレート先端の位置は垂直通路５
ｂの中心位置よりも後ろであって構わない。また、押圧
アーム１３ｅの先端に図９及び図１０に示すような微細
突起を設けておけば、部品Ｐのベルト７により近い部位
を押圧して部品横転の確実性を高めることができる。さ
らに、押圧アーム１３ｅの部品接触箇所に丸みや部品被
押圧箇所の硬度よりも軟質の部材が設ければ、押圧時の
接触によって部品Ｐに傷が付くことをも防止できる。

【００４４】ベルト７の移動は部品取出口５ｃから先頭
の部品Ｐが取り出される度に間欠的に繰り返されるた
め、垂直通路５ｂ内の最下位の部品Ｐは上記同様の横転
作用を受けてベルト７上に横たわる。これにより、複数
の部品Ｐが部品ガイド５のガイド溝５ａによって整列作
用を受けながらベルト７上に長手向きで一列に並び、同
並び状態のままベルト７の間欠移動に合わせて前方に搬
送される。

【００４５】他方、ベルト送り機構１１の爪車１１ｅが
前側プーリー８と一緒に回動してベルト７が前方に移動
するときには、これと同方向に回動するストッパ変位機
構１２の爪車１２ａによってストッパ作動板１２ｃが所
定距離後退し、これにより、バネ付勢力によって部品ス
トッパ９が後方に変位し、その後端面がガイド溝５ａの
前端に当接して所期の部品停止位置が確保される。つま
り、ベルト７によって搬送される部品Ｐは、その先頭の
部品Ｐが部品ストッパ９に当接したところで停止し、ベ
ルト７上に長手向きで隙間なく一列に並ぶと共に、部品
移動が部品ストッパ９によって規制された後は部品接触
面との滑りを利用してベルト７のみが前進する（図１２
参照）。

【００４６】ストッパ変位機構１２の爪車１２ａがベル
ト送り機構１１の爪車１１ｅと一緒に所定角度（一山
分）だけ反時計回り方向に回動した後は、先に述べたよ
うに、ストッパ作動板１２ｃが初期位置に回動復帰し、
図１１に示すように、部品保持レバー１２ｃの回動復帰
によって部品保持ピン１２ｆの先端がガイド溝５ａ内に
突出して先頭から２番目の部品Ｐが保持されると共に、
部品ストッパ９が前方に変位してガイド溝５ａの前端か
ら離れ、これと一緒に先頭の部品Ｐが吸着保持されたま
ま前方に移動して２番目の部品Ｐから離れ、先頭の部品
Ｐと２番目の部品Ｐとの間に強制的に隙間Ｃが形成され
る。

【００４７】吸着ノズル等による先頭の部品Ｐの取り出
しは、図１１に示すように、部品ストッパ９が前方に変
位して先頭の部品Ｐが２番目の部品Ｐから完全に引き離
された状態で実施されるため、先頭の部品Ｐと２番目の
部品Ｐとが湿気等の影響でくっついていたり引っかかっ
ているような場合でも、これを解消して先頭の部品Ｐの
取り出しを極めて良好に行うことができる。

【００４８】このように、上述の部品供給装置によれ
ば、固定パイプ３の内孔及び垂直通路５ｂから長手向き
で導出されベルト上面に接する部品Ｐのベルト近傍部分
を、ベルト移動に合わせて部品横転補助機構１３の押圧
アーム１３ｅによって同方向に押圧できるようにしたの
で、ベルト７と部品Ｐとの間の摩擦抵抗が小さく、両者
の間に必要以上に滑りを生じてベルト７による部品横転
が行えない場合や、部品Ｐの長手寸法が大きく、横転自
体に大きな力を必要とするため両者の間に充分な摩擦抵
抗があっても部品横転が行えな場合でも、押圧アーム１
３ｅによる部品押圧によってベルト移動による部品横転
を補助して所期の部品横転を確実に行うことができる。

【００４９】また、ベルト送り機構１０の動作と上記部
品横転補助機構の動作とが連動するように構成し、ベル
ト７の移動と押圧アーム１３ｅによる部品押圧とを同期
して行えるようにしたので、横転すべき部品Ｐにベルト
７及び押圧アーム１３ｅの両方から同時に横転力を付与
して、所期の部品横転をより確実、且つ迅速に行うこと
ができる。

【００５０】尚、上述の実施形態では、パイプ上下動機
構１０，ベルト送り機構１１，ストッパ変位機構１２及
び部品横転補助機構１３の各機構を、パイプ上下動機構
１０の操作レバー１０ａへの外力付加に応じて連動させ
るようにしたものを例示したが、ベルトによる部品横転
を的確に行う観点からすれば、少なくともベルト送り機
構と部品横転補助機構との動作が連動するように構成さ
れていればよく、他の機構はこれら機構と独立して動作
するものであってもよい。

【００５１】また、ベルト送り機構と部品横転補助機構
とは必ずしも構造的に連動させる必要はなく、ベルト移
動に合わせて部品横転補助機構の作動を制御できるので
あれば、該部品横転補助機構をベルト送り機構と独立さ
せてもよい。

【００５２】図１３はその一例を示すもので、同図に示
した部品横転補助機構１４は、フレーム１に回動自在に
支持された操作レバー１４ａと、該操作レバー１４ａの
初期位置を規定するためのストッパ１４ｂと、操作レバ
ー１４ａをストッパ方向に付勢するコイルバネ１４ｃ
と、操作レバー１４ａの回動限界位置を規定するための
ストッパ１４ｄと、操作レバー１４ａの端部に回動自在
に支持され先端部をガイド溝５ａ内に挿入された押圧ア
ーム１４ｅとから構成されている。

【００５３】この部品横転補助機構１４では、操作レバ
ー１４ａの一端部を図示省略の駆動機器によって下向き
に押圧することにより、該操作レバー１４ａを時計回り
方向に回動させて、その他端部に連結された押圧アーム
１４ｅをガイド溝５ａ内でベルト７の上面に沿って前方
に移動させることができる。従って、この部品横転補助
機構１４をベルト移動に合わせて作動させれば、先の実
施形態と同様の作用，効果を得ることができる。

【００５４】また、ベルト送り機構１１の爪車１１ｅ及
びストッパ変位機構１２の爪車１２ａとベルト７との
間、または各爪車１１ｅ，１２ａの爪間溝内に部品Ｐが
紛れ込んで生じる、所謂噛み込みを防止するには、図１
４（ａ）に示すように、両爪車１１ｅ，１２ａの外周を
覆う有底扁平円筒状のカバー１５を前側プーリー８と同
軸上に設けて、爪車側への部品侵入を阻止するようにす
るとよい。勿論、このカバー１５の周面部分には、送り
レバー１１ｃやストッパ作動板１２ｃ等との接触を回避
するためのの切り込みを設けておく。

【００５５】或いは、図１４（ｂ）に示すように、少な
くとも幅方向一側に側縁に沿って鍔１６ａを連続して有
するベルト１６を使用し、該ベルト１６の鍔１６ａによ
って両爪車１１ｅ，１２ａの外周を覆うようにするとよ
い。この場合には、ベルトガイド６のガイド溝６ａの形
状をベルト１６と整合させる他、ストッパ変位機構１２
の爪車１２ａをベルト送り機構１１の爪車１１ｅよりも
プーリー寄りに配置して送りレバー１１ｃとベルト１６
との干渉を防止するとよい。

【００５６】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
ベルトと部品との間の摩擦抵抗が小さく、両者の間に必
要以上に滑りを生じてベルトによる部品横転が行えない
場合や、部品の長手寸法が大きく、横転自体に大きな力
を必要とするため両者の間に充分な摩擦抵抗があっても
部品横転が行えな場合でも、押圧アームによる部品押圧
によってベルト移動による部品横転を補助して所期の部
品横転を確実に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る部品供給装置の側面図

【図２】供給対象となる部品の斜視図

【図３】パイプ上下動機構及び部品横転補助機構の詳細
図

【図４】可動パイプが下降位置にある状態を示す詳細図

【図５】パイプ上下動機構及び部品横転補助機構の動作
説明図

【図６】可動パイプが上昇位置にある状態を示す詳細図

【図７】前側プーリー部分の詳細図

【図８】ベルト送り機構の動作説明図

【図９】ベルト上への部品導出作用を示す図

【図１０】ベルト上への部品導出作用を示す図

【図１１】ストッパ変位機構の詳細図とそのｂ−ｂ線矢
視図

【図１２】ストッパ変位機構の動作説明図

【図１３】他の構造例を示すパイプ上下動機構及び部品
横転補助機構の詳細図

【図１４】他の構造例を示す前側プーリー部分の部分詳
細図

【符号の説明】

１…フレーム、２…ホッパー、Ｐ…部品、３…固定パイ
プ、４…可動パイプ、５…部品ガイド、６…ベルトガイ
ド、７…ベルト、８…前後一対のプーリー、９…部品ス
トッパ、１０…パイプ上下動機構、１１…ベルト送り機
構、１２…ストッパ変位機構、１３…部品横転補助機
構、１３ｅ…押圧アーム、１４…部品横転補助機構、１
４ｅ…押圧アーム。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 チップ状部品をバラ状態で収納するホッ
   パーと、ホッパー内の部品を所定向きで１個宛取り込ん
   で下方に導く導出通路と、導出通路の下側に配置された
   部品搬送用のベルトとを備え、導出通路から所定向きで
   導出されベルト上面に接する部品を、ベルトとの間の摩
   擦抵抗を利用してベルト移動により横転させるようにし
   た部品供給装置において、 導出通路から所定向きで導出されベルト上面に接する部
   品のベルト近傍部分をベルト移動に合わせて押圧アーム
   により同方向に押圧し、該押圧によってベルト移動によ
   る部品横転を補助する横転補助機構を設けた、 ことを特徴とする部品供給装置。
2. 【請求項２】 ベルトを間欠移動させる送り機構の動作
   と上記横転補助機構の動作とが少なくとも連動するよう
   に構成し、ベルトの移動と押圧アームによる部品押圧と
   を同期して行えるようにした、 ことを特徴とする請求項１記載の部品供給装置。