JP3259389B2 - パネル補強用シート材料及びそれを用いた車輌外板パネル - Google Patents
パネル補強用シート材料及びそれを用いた車輌外板パネルInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、貯蔵安定性の良好なプ
ラスチゾル組成物を加熱加工して得られるパネル補強用
シート材料、及びそれを用いた自動車等の車輌外板パネ
ル構造体に関する。
ラスチゾル組成物を加熱加工して得られるパネル補強用
シート材料、及びそれを用いた自動車等の車輌外板パネ
ル構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】金属パネルは、自動車、建築物、家具な
ど、種々の産業分野で構造体として広く用いられてい
る。この金属パネルは、強度や耐久性に優れる特徴を有
するものの、比重が高い、熱伝導性が良いため断熱
性に乏しい、などの欠点を有している。
ど、種々の産業分野で構造体として広く用いられてい
る。この金属パネルは、強度や耐久性に優れる特徴を有
するものの、比重が高い、熱伝導性が良いため断熱
性に乏しい、などの欠点を有している。
【0003】一方、近年、省資源省エネルギーの観点か
ら、車輌や建材などにおいては、板厚を薄くして軽量化
が進められているが、そのため、逆に強度が低下し、例
えば自動車のドアの場合、強度低下により面の張り剛性
が不足し、部品としてのしっかり感が不足するのを免れ
ないという問題が生じる。
ら、車輌や建材などにおいては、板厚を薄くして軽量化
が進められているが、そのため、逆に強度が低下し、例
えば自動車のドアの場合、強度低下により面の張り剛性
が不足し、部品としてのしっかり感が不足するのを免れ
ないという問題が生じる。
【0004】このような問題を解決するために、例えば
エポキシ樹脂を主成分とするシートをドアパネルの一部
に貼り付け、自動車の塗装乾燥炉で硬化させ、ドアを補
強する方法が提案されている(実開昭55−10165
9号公報)。しかしながら、この方法においては、一部
に貼り付けるだけでは充分な補強効果が得られず、逆に
全面に貼ると軽量化の目的が達成できないという欠点が
ある。
エポキシ樹脂を主成分とするシートをドアパネルの一部
に貼り付け、自動車の塗装乾燥炉で硬化させ、ドアを補
強する方法が提案されている(実開昭55−10165
9号公報)。しかしながら、この方法においては、一部
に貼り付けるだけでは充分な補強効果が得られず、逆に
全面に貼ると軽量化の目的が達成できないという欠点が
ある。
【0005】また、自動車や建材などにおいては、外部
からの熱の流出入を防止する方法として、パネル裏面に
ガラスウール、フェルト、発泡ウレタンなどの断熱材を
設けることが行われている。しかしながら、この方法は
冷房効果を高めたり、結露を防止するには有効であるも
のの、使用する断熱材は予め成形された大型の成形品で
あるため、取付け作業に時間を要するという問題があ
る。
からの熱の流出入を防止する方法として、パネル裏面に
ガラスウール、フェルト、発泡ウレタンなどの断熱材を
設けることが行われている。しかしながら、この方法は
冷房効果を高めたり、結露を防止するには有効であるも
のの、使用する断熱材は予め成形された大型の成形品で
あるため、取付け作業に時間を要するという問題があ
る。
【0006】このような問題を解決する方法として、作
業性がよく、軽量で断熱性及び補強性を併せもつ車輌外
板パネル構造体の製造方法が種々提案されている。
業性がよく、軽量で断熱性及び補強性を併せもつ車輌外
板パネル構造体の製造方法が種々提案されている。
【0007】特開昭63−272515号公報には、塩
化ビニル樹脂、可塑剤、高温分解型発泡剤、エポキシ樹
脂及びエポキシ樹脂用加熱活性型硬化剤を必須成分とす
る発泡性組成物から成る第1層と、繊維製クロスから成
る第2層と、金属薄膜から成る第3層とを積層したシー
トをパネル裏面に貼り付け、次いで加熱して発泡、硬化
させる方法が提案されている。
化ビニル樹脂、可塑剤、高温分解型発泡剤、エポキシ樹
脂及びエポキシ樹脂用加熱活性型硬化剤を必須成分とす
る発泡性組成物から成る第1層と、繊維製クロスから成
る第2層と、金属薄膜から成る第3層とを積層したシー
トをパネル裏面に貼り付け、次いで加熱して発泡、硬化
させる方法が提案されている。
【0008】また、特開昭63−28475号公報に
は、高剛性化によるしっかり感を向上させるため、ペー
スト用塩化ビニル樹脂、可塑剤、発泡剤などから成るプ
ラスチゾル組成物に液状エポキシ樹脂及び加熱活性型硬
化剤を含有させてパネル裏面に塗布、又はセミゲル化シ
ートとして貼付したのち、加熱して発泡、硬化させる方
法が提案されている。
は、高剛性化によるしっかり感を向上させるため、ペー
スト用塩化ビニル樹脂、可塑剤、発泡剤などから成るプ
ラスチゾル組成物に液状エポキシ樹脂及び加熱活性型硬
化剤を含有させてパネル裏面に塗布、又はセミゲル化シ
ートとして貼付したのち、加熱して発泡、硬化させる方
法が提案されている。
【0009】しかし、塩化ビニル系プラスチゾルは機械
物性、加工性、耐寒性、発泡性、難燃性、室温における
長期貯蔵安定性などに優れ、かつ安価であるなどの長所
を有するものの、特に高温加熱時において塩化水素ガス
を発生するという欠点を有し、安全衛生面や環境汚染の
面で好ましいものではない。
物性、加工性、耐寒性、発泡性、難燃性、室温における
長期貯蔵安定性などに優れ、かつ安価であるなどの長所
を有するものの、特に高温加熱時において塩化水素ガス
を発生するという欠点を有し、安全衛生面や環境汚染の
面で好ましいものではない。
【0010】また、いずれの方法においても、発泡性組
成物に、熱可塑性樹脂として塩化ビニル樹脂を用いてい
るため、油面粘着性に劣る。そのうえ、発泡、硬化して
得られたシートが耐熱性に劣ることから、電着塗装後の
車輌外板パネルには適用できるが、電着塗装前の車輌外
板パネルには適用できないという決定的な欠点を有して
いる。
成物に、熱可塑性樹脂として塩化ビニル樹脂を用いてい
るため、油面粘着性に劣る。そのうえ、発泡、硬化して
得られたシートが耐熱性に劣ることから、電着塗装後の
車輌外板パネルには適用できるが、電着塗装前の車輌外
板パネルには適用できないという決定的な欠点を有して
いる。
【0011】特開昭51−71344号公報及び特開昭
52−42590号公報においては、(メタ)アクリル
酸アルキルエステル重合体及びエステル系可塑剤を必須
成分とするプラスチゾルが提案されている。しかしなが
ら、これらのプラスチゾルは、塩化ビニル系プラスチゾ
ルがもつ欠点を有しないものの、塩化ビニル系プラスチ
ゾルに慣用されている2−エチルヘキシルフタレート
(DOP)などの汎用エステル系可塑剤に該重合体を分
散させたプラスチゾルにおいては、両者の相溶性が悪
く、これを解決するにはトリクレジルホスフェート(T
CP)、ブチルベンジルフタレート、アセチルトリブチ
ルサイトレートのような高価な可塑剤を用いなければな
らない。また、これらの可塑剤は極性が大きくて、重合
体を膨潤する作用があるのでプラスチゾルの粘度が貯蔵
中に著しく増加するという欠点がある。ポリ(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルと前記汎用エステル系可塑剤
との相溶性は、共重合させるアクリル酸アルキルエステ
ルやメタクリル酸アルキルエステルとして、アルキル基
の大きなものを用いることにより改善することができる
(特公昭62−3868号公報)。しかし、このような
共重合体を用いて調製されたプラスチゾルも、貯蔵時に
著しく粘度が上昇し、室温でゲル化する場合があるとい
う欠点がある。
52−42590号公報においては、(メタ)アクリル
酸アルキルエステル重合体及びエステル系可塑剤を必須
成分とするプラスチゾルが提案されている。しかしなが
ら、これらのプラスチゾルは、塩化ビニル系プラスチゾ
ルがもつ欠点を有しないものの、塩化ビニル系プラスチ
ゾルに慣用されている2−エチルヘキシルフタレート
(DOP)などの汎用エステル系可塑剤に該重合体を分
散させたプラスチゾルにおいては、両者の相溶性が悪
く、これを解決するにはトリクレジルホスフェート(T
CP)、ブチルベンジルフタレート、アセチルトリブチ
ルサイトレートのような高価な可塑剤を用いなければな
らない。また、これらの可塑剤は極性が大きくて、重合
体を膨潤する作用があるのでプラスチゾルの粘度が貯蔵
中に著しく増加するという欠点がある。ポリ(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルと前記汎用エステル系可塑剤
との相溶性は、共重合させるアクリル酸アルキルエステ
ルやメタクリル酸アルキルエステルとして、アルキル基
の大きなものを用いることにより改善することができる
(特公昭62−3868号公報)。しかし、このような
共重合体を用いて調製されたプラスチゾルも、貯蔵時に
著しく粘度が上昇し、室温でゲル化する場合があるとい
う欠点がある。
【0012】一般に、プラスチゾルの貯蔵安定性は分散
粒子を粗大化させることにより、改善される傾向にある
が、この場合、プラスチゾルのゲル化性能が低下し、そ
の結果、加熱成形したシートの外観や機械的物性が低下
するなど、好ましくない事態を招来する。
粒子を粗大化させることにより、改善される傾向にある
が、この場合、プラスチゾルのゲル化性能が低下し、そ
の結果、加熱成形したシートの外観や機械的物性が低下
するなど、好ましくない事態を招来する。
【0013】貯蔵安定性の良いプラスチゾルの樹脂粒子
としては、特開昭63−95248号公報に、カルボキ
シル基含有共重合体に多官能価塩基性物質と反応せしめ
た微粒化共重合体が開示されている。しかしこの方法で
は、可塑剤がTCP等の極性の大きい、高価なものに限
定されため、本質的な問題解決策とはならなかった。
としては、特開昭63−95248号公報に、カルボキ
シル基含有共重合体に多官能価塩基性物質と反応せしめ
た微粒化共重合体が開示されている。しかしこの方法で
は、可塑剤がTCP等の極性の大きい、高価なものに限
定されため、本質的な問題解決策とはならなかった。
【0014】このように、ポリ(メタ)アクリル酸アル
キルエステルと汎用エステル系可塑剤を用いたプラスチ
ゾルには、加熱成形後のシートの機械的特性と、プラス
チゾルとしての貯蔵安定性の両方を満足するものがなか
った。特に、加熱成形後のシートの耐熱性及び油面粘着
性を満足し、電着塗装前の車輌外板パネルにも適用可能
なプラスチゾルは、貯蔵時に著しく粘度が上昇するため
に作り置きが出来ず、車輌外板パネルの生産性を向上さ
せるにあたって、大きな障害となっていた。
キルエステルと汎用エステル系可塑剤を用いたプラスチ
ゾルには、加熱成形後のシートの機械的特性と、プラス
チゾルとしての貯蔵安定性の両方を満足するものがなか
った。特に、加熱成形後のシートの耐熱性及び油面粘着
性を満足し、電着塗装前の車輌外板パネルにも適用可能
なプラスチゾルは、貯蔵時に著しく粘度が上昇するため
に作り置きが出来ず、車輌外板パネルの生産性を向上さ
せるにあたって、大きな障害となっていた。
【0015】ところで、自動車産業においては、生産性
の向上や使用部位の拡大の点から、電着塗装前の車輌外
板パネルに補強用シート材料を設けることが強く望まれ
ている。この電着塗装前の車輌外板パネルに設けられる
補強用シート材料としては、電着塗装前の外板パネルに
は通常防錆油が塗布されているため、油面粘着性に優
れ、かつ180℃以上の温度(電着塗装時の温度)に耐
える耐熱性を有するものが望まれている。
の向上や使用部位の拡大の点から、電着塗装前の車輌外
板パネルに補強用シート材料を設けることが強く望まれ
ている。この電着塗装前の車輌外板パネルに設けられる
補強用シート材料としては、電着塗装前の外板パネルに
は通常防錆油が塗布されているため、油面粘着性に優
れ、かつ180℃以上の温度(電着塗装時の温度)に耐
える耐熱性を有するものが望まれている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、油面粘着性に優れる上、加熱により発
泡、硬化して良好な耐熱性、断熱性、補強性、軽量性を
有する補強用発泡シートを与えることができ、特に電着
塗装前の金属パネル補強用として好適な作業性のよいパ
ネル補強用シート材料、及びこのシート材料を用いて補
強されて成る断熱性及び剛性に優れ、かつ軽量な車輌外
板パネル構造体(以下補強材と称することがある)を提
供することを目的とするものである。
事情のもとで、油面粘着性に優れる上、加熱により発
泡、硬化して良好な耐熱性、断熱性、補強性、軽量性を
有する補強用発泡シートを与えることができ、特に電着
塗装前の金属パネル補強用として好適な作業性のよいパ
ネル補強用シート材料、及びこのシート材料を用いて補
強されて成る断熱性及び剛性に優れ、かつ軽量な車輌外
板パネル構造体(以下補強材と称することがある)を提
供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有するパネル補強用シート材料及び車輌外
板パネル構造体を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、特
定組成の発泡性プラスチゾル組成物から成る第1層と繊
維製クロスから成る第2層と場合により特定の厚さの金
属薄膜から成る第3層とが積層された構造のパネル補強
用シート材料、及びこのシート材料を車輌外板パネルの
裏面上に該シート材料の第1層面が接するように設け、
加熱して発泡、硬化させて成る車輌外板パネル構造体が
その目的に適合しうることを見い出し、この知見に基づ
いて本発明を完成するに至った。
ましい性質を有するパネル補強用シート材料及び車輌外
板パネル構造体を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、特
定組成の発泡性プラスチゾル組成物から成る第1層と繊
維製クロスから成る第2層と場合により特定の厚さの金
属薄膜から成る第3層とが積層された構造のパネル補強
用シート材料、及びこのシート材料を車輌外板パネルの
裏面上に該シート材料の第1層面が接するように設け、
加熱して発泡、硬化させて成る車輌外板パネル構造体が
その目的に適合しうることを見い出し、この知見に基づ
いて本発明を完成するに至った。
【0018】かくして本発明によれば、 (1)(A)(a)アクリル酸アルキルエステル及び/
又はメタクリル酸アルキルエステルと(b)ラジカル重
合性不飽和カルボン酸単量体とを共重合してなり、
(a)を主構成単位とするアクリル系共重合体(A−
1)に、1〜3価の金属カチオン(A−2)を付加して
なる樹脂、(B)エポキシ樹脂、(C)可塑剤、(D)
高温分解型発泡剤及び(E)エポキシ樹脂用加熱活性型
硬化剤を必須成分とするプラスチゾル用組成物からなる
第1層と、繊維製クロスからなる第2層とが積層された
構造のパネル補強用シート材料、 (2)(A)(a)アクリル酸アルキルエステル及び/
又はメタクリル酸アルキルエステルと(b)ラジカル重
合性不飽和カルボン酸単量体とを共重合してなり、
(a)を主構成単位とするアクリル系共重合体(A−
1)に、1〜3価の金属カチオン(A−2)を付加して
なる樹脂、(B)エポキシ樹脂、(C)可塑剤、(D)
高温分解型発泡剤及び(E)エポキシ樹脂用加熱活性型
硬化剤を必須成分とするプラスチゾル用組成物からなる
第1層と、繊維製クロスからなる第2層と、厚さ100
mm以下の金属薄膜からなる第3層とが積層された構造
のパネル補強用シート材料、 (3)更にジエン系駕化合物、芳香族ビニル化合物及び
ビニルシアン化合物からなる群から選ばれる少なくとも
1種の単量体(c)をアクリル系共重合体(A−1)成
分として用いる上記(1)又は(2)記載のパネル補強
用シート材料、及び、 (4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のパネル補
強用シート材料を、車輌外板パネルの裏面上に該シート
材料の第1層面が接するように設け、加熱して発泡、硬
化させて成る外板パネル構造体、が提供される。以下本
発明を詳細に説明する。
又はメタクリル酸アルキルエステルと(b)ラジカル重
合性不飽和カルボン酸単量体とを共重合してなり、
(a)を主構成単位とするアクリル系共重合体(A−
1)に、1〜3価の金属カチオン(A−2)を付加して
なる樹脂、(B)エポキシ樹脂、(C)可塑剤、(D)
高温分解型発泡剤及び(E)エポキシ樹脂用加熱活性型
硬化剤を必須成分とするプラスチゾル用組成物からなる
第1層と、繊維製クロスからなる第2層とが積層された
構造のパネル補強用シート材料、 (2)(A)(a)アクリル酸アルキルエステル及び/
又はメタクリル酸アルキルエステルと(b)ラジカル重
合性不飽和カルボン酸単量体とを共重合してなり、
(a)を主構成単位とするアクリル系共重合体(A−
1)に、1〜3価の金属カチオン(A−2)を付加して
なる樹脂、(B)エポキシ樹脂、(C)可塑剤、(D)
高温分解型発泡剤及び(E)エポキシ樹脂用加熱活性型
硬化剤を必須成分とするプラスチゾル用組成物からなる
第1層と、繊維製クロスからなる第2層と、厚さ100
mm以下の金属薄膜からなる第3層とが積層された構造
のパネル補強用シート材料、 (3)更にジエン系駕化合物、芳香族ビニル化合物及び
ビニルシアン化合物からなる群から選ばれる少なくとも
1種の単量体(c)をアクリル系共重合体(A−1)成
分として用いる上記(1)又は(2)記載のパネル補強
用シート材料、及び、 (4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のパネル補
強用シート材料を、車輌外板パネルの裏面上に該シート
材料の第1層面が接するように設け、加熱して発泡、硬
化させて成る外板パネル構造体、が提供される。以下本
発明を詳細に説明する。
【0019】本発明におけるパネル補強用シート材料
の、第1層に用いられる発泡性プラスチゾル組成物にお
いては、(a) アクリル酸アルキルエステル及び/又はメ
タクリル酸アルキルエステルと(b) ラジカル重合性不飽
和カルボン酸単量体とからなり、(a) を主構成単位と
し、かつ所望によりジエン系化合物、芳香族ビニル化合
物及びビニルシアン化合物から選ばれる少なくとも1種
の単量体(c) を含有するアクリル系共重合体(A-1)に、
1〜3価の金属カチオン(A-2)を付加して遊離カルボキ
シル基をイオン的に結合することによりイオン架橋させ
たイオン架橋物から成る樹脂(A)を使用する。(a) の
例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレ
ート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレー
ト、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレ
ート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オク
チルアクリレートなどのアクリル酸アルキルエステルや
これに対応するメタクリル酸アルキルエステルが挙げら
れる。これらは1種のみ用いても、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。これらの中では、特にメチルメタク
リレートが好適である。
の、第1層に用いられる発泡性プラスチゾル組成物にお
いては、(a) アクリル酸アルキルエステル及び/又はメ
タクリル酸アルキルエステルと(b) ラジカル重合性不飽
和カルボン酸単量体とからなり、(a) を主構成単位と
し、かつ所望によりジエン系化合物、芳香族ビニル化合
物及びビニルシアン化合物から選ばれる少なくとも1種
の単量体(c) を含有するアクリル系共重合体(A-1)に、
1〜3価の金属カチオン(A-2)を付加して遊離カルボキ
シル基をイオン的に結合することによりイオン架橋させ
たイオン架橋物から成る樹脂(A)を使用する。(a) の
例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレ
ート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレー
ト、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレ
ート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オク
チルアクリレートなどのアクリル酸アルキルエステルや
これに対応するメタクリル酸アルキルエステルが挙げら
れる。これらは1種のみ用いても、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。これらの中では、特にメチルメタク
リレートが好適である。
【0020】本発明の共重合体(A−1)における、ラ
ジカル重合性不飽和カルボン酸単量体(b) は、イオン架
橋させるための遊離カルボキシル基を分子当たり1個以
上持つものである。このようなものの例としては、 アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン
酸、ケイ皮酸等の不飽和モノカルボン酸、 マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、
クロロマレイン酸等の不飽和ジカルボン酸やその無水物
及び マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレ
イン酸モノブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノ
エチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチ
ル、イタコン酸モノブチル等の不飽和ジカルボン酸のモ
ノエステルやその誘導体が挙げられる。これらは1種の
み用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。こ
れらの中では、特にアクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、無水マレイン酸、イタコン酸が好適である。
ジカル重合性不飽和カルボン酸単量体(b) は、イオン架
橋させるための遊離カルボキシル基を分子当たり1個以
上持つものである。このようなものの例としては、 アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン
酸、ケイ皮酸等の不飽和モノカルボン酸、 マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、
クロロマレイン酸等の不飽和ジカルボン酸やその無水物
及び マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレ
イン酸モノブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノ
エチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチ
ル、イタコン酸モノブチル等の不飽和ジカルボン酸のモ
ノエステルやその誘導体が挙げられる。これらは1種の
み用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。こ
れらの中では、特にアクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、無水マレイン酸、イタコン酸が好適である。
【0021】本発明の共重合体(A−1)において所望
により用いられる、ジエン系化合物、芳香族ビニル化合
物及びビニルシアン化合物から選ばれる少なくとも1種
の単量体(c)の例としては、 ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、シ
クロペンタジエン、ジシクロペンタジエンなどの共役ジ
エン系化合物 スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化
合物 アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのビニル
シアン化合物 1,4−ヘキサジエン、エチリデンノルボルネンなど
の非共役ジエン系化合物 などが挙げられる。これらは1種のみ用いても、2種以
上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、特に
ブタジエン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル
が好適である。
により用いられる、ジエン系化合物、芳香族ビニル化合
物及びビニルシアン化合物から選ばれる少なくとも1種
の単量体(c)の例としては、 ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、シ
クロペンタジエン、ジシクロペンタジエンなどの共役ジ
エン系化合物 スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化
合物 アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのビニル
シアン化合物 1,4−ヘキサジエン、エチリデンノルボルネンなど
の非共役ジエン系化合物 などが挙げられる。これらは1種のみ用いても、2種以
上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、特に
ブタジエン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル
が好適である。
【0022】本発明の共重合体(A−1)においては、
(a) 単位の前記アクリル酸アルキルエステル及び/又は
メタクリル酸アルキルエステルから形成される単位、
(b) 単位のラジカル重合性不飽和カルボン酸から形成さ
れる単位、及び(c) 単位のジエン系化合物、芳香族ビニ
ル化合物及びビニルシアン化合物から選ばれる単位の含
有割合は、特に規定されないが、各単位の合計量に基づ
き (a)単位を60〜99重量%、好ましくは70〜90
重量%の範囲内で、 (b)単位を0.5〜20重量%、好
ましくは0.5〜5重量%の範囲内で、 (c)単位を0〜
40重量%、好ましくは0〜25重量%の範囲内で用い
ることが望ましい。
(a) 単位の前記アクリル酸アルキルエステル及び/又は
メタクリル酸アルキルエステルから形成される単位、
(b) 単位のラジカル重合性不飽和カルボン酸から形成さ
れる単位、及び(c) 単位のジエン系化合物、芳香族ビニ
ル化合物及びビニルシアン化合物から選ばれる単位の含
有割合は、特に規定されないが、各単位の合計量に基づ
き (a)単位を60〜99重量%、好ましくは70〜90
重量%の範囲内で、 (b)単位を0.5〜20重量%、好
ましくは0.5〜5重量%の範囲内で、 (c)単位を0〜
40重量%、好ましくは0〜25重量%の範囲内で用い
ることが望ましい。
【0023】(b)単位の含有量が0.5重量%未満で
は、プラスチゾルの粘度の経時変化を抑えることが難し
い。一方20重量%を越えると、可塑剤(C)との相溶
性が低下するために、加熱硬化後の発泡体の靱性が低減
する。その結果、補強材としての耐衝撃性が低下する。
また、(c)単位の含有量が40重量%を超えると、発
泡性プラスチゾル組成物における樹脂(A)の溶融時の
粘度が低下し、緻密で整ったセルの発泡体が得られにく
くなる。
は、プラスチゾルの粘度の経時変化を抑えることが難し
い。一方20重量%を越えると、可塑剤(C)との相溶
性が低下するために、加熱硬化後の発泡体の靱性が低減
する。その結果、補強材としての耐衝撃性が低下する。
また、(c)単位の含有量が40重量%を超えると、発
泡性プラスチゾル組成物における樹脂(A)の溶融時の
粘度が低下し、緻密で整ったセルの発泡体が得られにく
くなる。
【0024】本発明の共重合体(A−1)には、本発明
の目的が損なわれない範囲で、所望により前記単量体と
共重合可能な他の単量体単位を含有させてもよい。この
場合、他の単量体単位の含有量は、通常共重合体中に2
0重量%以下となるようにする。このような単量体とし
ては、例えば発泡性組成物の接着性などを向上させるた
めの官能基含有不飽和単量体、具体的には グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、シクロヘ
キセンモノオキシドなどのエポキシ基を有する重合性不
飽和化合物 2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノ
プロピル(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル
(メタ)アクリレート、2−アミノブチル(メタ)アク
リレート、3−アミノブチル(メタ)アクリレート、4
−アミノブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリ
ルアミド、N−2−アミノエチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−2−アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、
N−3−アミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどの
アミノ基含有重合性不飽和化合物 2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレートなどの水酸基含有重合性不飽和化合物 などが挙げられる。これらの共重合可能な他の単量体
は、1種のみ用いても、2種以上を組み合わせて用いて
もよい。
の目的が損なわれない範囲で、所望により前記単量体と
共重合可能な他の単量体単位を含有させてもよい。この
場合、他の単量体単位の含有量は、通常共重合体中に2
0重量%以下となるようにする。このような単量体とし
ては、例えば発泡性組成物の接着性などを向上させるた
めの官能基含有不飽和単量体、具体的には グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、シクロヘ
キセンモノオキシドなどのエポキシ基を有する重合性不
飽和化合物 2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノ
プロピル(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル
(メタ)アクリレート、2−アミノブチル(メタ)アク
リレート、3−アミノブチル(メタ)アクリレート、4
−アミノブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリ
ルアミド、N−2−アミノエチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−2−アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、
N−3−アミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどの
アミノ基含有重合性不飽和化合物 2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレートなどの水酸基含有重合性不飽和化合物 などが挙げられる。これらの共重合可能な他の単量体
は、1種のみ用いても、2種以上を組み合わせて用いて
もよい。
【0025】本発明の共重合体(A−1)の分子量は、
特に制限されるものではなく、通常平均分子量が100
000〜1500000の範囲であり、好ましくは20
0000〜1000000の範囲である。
特に制限されるものではなく、通常平均分子量が100
000〜1500000の範囲であり、好ましくは20
0000〜1000000の範囲である。
【0026】本発明の共重合体(A−1)は、塩化ビニ
ルペースト加工用樹脂の製造において慣用されている微
細懸濁重合法、乳化重合法又は播種乳化重合法により製
造するのが好ましい。しかし、ゾル粘度の低減などの目
的でブレンドする比較的大きな粒径をもつものを必要と
する場合は、懸濁重合法や塊状重合法などが有利であ
る。
ルペースト加工用樹脂の製造において慣用されている微
細懸濁重合法、乳化重合法又は播種乳化重合法により製
造するのが好ましい。しかし、ゾル粘度の低減などの目
的でブレンドする比較的大きな粒径をもつものを必要と
する場合は、懸濁重合法や塊状重合法などが有利であ
る。
【0027】ここにいう微細懸濁重合法は、水性媒体中
に重合開始剤と界面活性剤と、各単量体単位として (a) アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル
酸アルキルエステル (b) ラジカル重合性不飽和カルボン酸単量体と、所望に
より (c) ジエン系化合物、芳香族ビニル化合物及びビニルシ
アン化合物から選ばれる少なくとも1種の単量体 とを仕込み、これらをプレミックスし、ホモジナイザー
で均質化処理して油滴の粒径を調節し、所定の温度まで
昇温して、重合反応を行う方法である。該重合開始剤と
しては、油溶性のラジカル開始剤が用いられる。その例
としては、 クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルイソプロピル
ベンゼンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオ
キシド、イソプロピルヒドロペルオキシドなどのヒドロ
ペルオキシド類 ジベンゾイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシ
ドなどのジアシルペルオキシド類 ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジ−2−
エチルヘキシルペルオキシジカーボネートなどのペルオ
キシジカーボネート類 t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオ
キシネオデカノエートなどのペルオキシエステル類 2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−
アゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物 が挙げられる。これらは1種のみ用いても、2種以上を
組み合わせて用いてもよく、その使用量は、使用する単
量体100重量部当たり、通常0.001〜5重量部の
範囲で選ばれる。
に重合開始剤と界面活性剤と、各単量体単位として (a) アクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル
酸アルキルエステル (b) ラジカル重合性不飽和カルボン酸単量体と、所望に
より (c) ジエン系化合物、芳香族ビニル化合物及びビニルシ
アン化合物から選ばれる少なくとも1種の単量体 とを仕込み、これらをプレミックスし、ホモジナイザー
で均質化処理して油滴の粒径を調節し、所定の温度まで
昇温して、重合反応を行う方法である。該重合開始剤と
しては、油溶性のラジカル開始剤が用いられる。その例
としては、 クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルイソプロピル
ベンゼンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオ
キシド、イソプロピルヒドロペルオキシドなどのヒドロ
ペルオキシド類 ジベンゾイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシ
ドなどのジアシルペルオキシド類 ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジ−2−
エチルヘキシルペルオキシジカーボネートなどのペルオ
キシジカーボネート類 t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオ
キシネオデカノエートなどのペルオキシエステル類 2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−
アゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物 が挙げられる。これらは1種のみ用いても、2種以上を
組み合わせて用いてもよく、その使用量は、使用する単
量体100重量部当たり、通常0.001〜5重量部の
範囲で選ばれる。
【0028】また、界面活性剤としては、アニオン性界
面活性剤類を中心に、ノニオン性及びカチオン性のもの
も用いられる。アニオン性界面活性剤の例としては、ラ
ウリル硫酸エステルナトリウム、ミリスチル硫酸エステ
ルナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩類、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンス
ルホン酸カリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩
類、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシル
スルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸エステル
塩類、ラウリン酸アンモニウム、ステアリン酸カリウム
などの脂肪酸塩類の他、ポリオキシエチレンアルキル硫
酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルアリール
硫酸エステル塩類などが挙げられる。ノニオン性界面活
性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類など、ポリ
オキシエチレン鎖を分子内に有し、界面活性能を有する
化合物及び前記化合物のポリオキシエチレン鎖がオキシ
エチレン、オキシプロピレンの共重合体で代替されてい
る化合物の他、ソルビタンエステル類、グリセリンアル
キルエステル類などが挙げられる。また、カチオン性界
面活性剤の例としては、セチルピリジニウムクロリド、
セチルトリメチルアンモニウムブロミドなどが挙げられ
る。これらは1種のみ用いても、2種以上を組み合わせ
て用いてもよく、その使用量は、通常使用する単量体1
00重量部当たり、0.05〜5重量部、好ましくは
0.2〜4重量部の範囲で選ばれる。
面活性剤類を中心に、ノニオン性及びカチオン性のもの
も用いられる。アニオン性界面活性剤の例としては、ラ
ウリル硫酸エステルナトリウム、ミリスチル硫酸エステ
ルナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩類、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンス
ルホン酸カリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩
類、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシル
スルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸エステル
塩類、ラウリン酸アンモニウム、ステアリン酸カリウム
などの脂肪酸塩類の他、ポリオキシエチレンアルキル硫
酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルアリール
硫酸エステル塩類などが挙げられる。ノニオン性界面活
性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類など、ポリ
オキシエチレン鎖を分子内に有し、界面活性能を有する
化合物及び前記化合物のポリオキシエチレン鎖がオキシ
エチレン、オキシプロピレンの共重合体で代替されてい
る化合物の他、ソルビタンエステル類、グリセリンアル
キルエステル類などが挙げられる。また、カチオン性界
面活性剤の例としては、セチルピリジニウムクロリド、
セチルトリメチルアンモニウムブロミドなどが挙げられ
る。これらは1種のみ用いても、2種以上を組み合わせ
て用いてもよく、その使用量は、通常使用する単量体1
00重量部当たり、0.05〜5重量部、好ましくは
0.2〜4重量部の範囲で選ばれる。
【0029】この微細懸濁重合においては、通常30〜
80℃の範囲の温度において重合が行われ、平均一次粒
径が0.5〜3μmで粒径分布の広い、樹脂粒子のラテ
ックスが得られる。このラテックスは、通常噴霧乾燥な
どの公知の処理が施され、重合体は固形物として取り出
される。該重合体の分子量は、目的に応じて反応温度や
分子量調節剤により適宜調節される。
80℃の範囲の温度において重合が行われ、平均一次粒
径が0.5〜3μmで粒径分布の広い、樹脂粒子のラテ
ックスが得られる。このラテックスは、通常噴霧乾燥な
どの公知の処理が施され、重合体は固形物として取り出
される。該重合体の分子量は、目的に応じて反応温度や
分子量調節剤により適宜調節される。
【0030】乳化重合法は、乳化剤及び水溶性重合開始
剤を含有する水性媒体中において、各単量体を共重合さ
せる方法である。該乳化剤としては、通常アニオン性界
面活性剤単独又はノニオン性界面活性剤との組合わせに
より、微細懸濁重合法における界面活性剤と同じ物が用
いられる。これらは1種のみでも、2種以上を組み合わ
せてもよい。また使用量は、アニオン性界面活性剤、ノ
ニオン性界面活性剤ともに、通常使用する単量体100
重量部当たり0.1〜5重量部の範囲で選ばれる。
剤を含有する水性媒体中において、各単量体を共重合さ
せる方法である。該乳化剤としては、通常アニオン性界
面活性剤単独又はノニオン性界面活性剤との組合わせに
より、微細懸濁重合法における界面活性剤と同じ物が用
いられる。これらは1種のみでも、2種以上を組み合わ
せてもよい。また使用量は、アニオン性界面活性剤、ノ
ニオン性界面活性剤ともに、通常使用する単量体100
重量部当たり0.1〜5重量部の範囲で選ばれる。
【0031】一方、該重合開始剤としては、水溶性無機
過酸化物又は水溶性還元剤と有機過酸化物との組合せが
用いられる。水溶性無機過酸化物の例としては、過硫酸
カリウムや過硫酸アンモニウムなどが挙げられる。水溶
性還元剤の例としては、水に可溶な通常のラジカル酸化
還元重合触媒成分として用いられる還元剤、例えばエチ
レンジアミン四酢酸又はそのナトリウム塩やカリウム
塩、あるいはこれらと鉄、銅、クロムなどの重金属との
錯化合物、スルフィン酸又はそのナトリウム塩やカリウ
ム塩、L−アスコルビン酸又はそのナトリウム塩、カリ
ウム塩、カルシウム塩、ピロリン酸第一鉄、硫酸第一
鉄、硫酸第一鉄アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、酸性
亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナ
トリウム、還元糖類などが挙げられる。これらは1種の
み用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよく、そ
の使用量は、使用する単量体100重量部当たり、通常
0.0001〜5重量部の範囲で選ばれる。有機過酸化
物は、微細懸濁重合におけるヒドロペルオキシド系のラ
ジカル開始剤と同じものが用いられる。これらは1種の
み用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよく、そ
の使用量は、使用する単量体100重量部当たり、通常
0.001〜5重量部の範囲で選ばれる。
過酸化物又は水溶性還元剤と有機過酸化物との組合せが
用いられる。水溶性無機過酸化物の例としては、過硫酸
カリウムや過硫酸アンモニウムなどが挙げられる。水溶
性還元剤の例としては、水に可溶な通常のラジカル酸化
還元重合触媒成分として用いられる還元剤、例えばエチ
レンジアミン四酢酸又はそのナトリウム塩やカリウム
塩、あるいはこれらと鉄、銅、クロムなどの重金属との
錯化合物、スルフィン酸又はそのナトリウム塩やカリウ
ム塩、L−アスコルビン酸又はそのナトリウム塩、カリ
ウム塩、カルシウム塩、ピロリン酸第一鉄、硫酸第一
鉄、硫酸第一鉄アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、酸性
亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナ
トリウム、還元糖類などが挙げられる。これらは1種の
み用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよく、そ
の使用量は、使用する単量体100重量部当たり、通常
0.0001〜5重量部の範囲で選ばれる。有機過酸化
物は、微細懸濁重合におけるヒドロペルオキシド系のラ
ジカル開始剤と同じものが用いられる。これらは1種の
み用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよく、そ
の使用量は、使用する単量体100重量部当たり、通常
0.001〜5重量部の範囲で選ばれる。
【0032】なお、この乳化重合においては、使用され
る乳化剤や重合触媒の作用を助長するために、高級脂肪
酸、高級アルコール、無機塩類、水溶性高分子化合物な
どを併用してもよい。
る乳化剤や重合触媒の作用を助長するために、高級脂肪
酸、高級アルコール、無機塩類、水溶性高分子化合物な
どを併用してもよい。
【0033】この乳化重合においては、通常30〜80
℃の範囲の温度において重合が行われ、粒子径が0.0
3〜0.7μm程度の共重合体微粒子が均一に分散した
ラテックスが得られる。このラテックスは、通常塩析又
は噴霧乾燥などの公知の処理が施され、共重合体は固形
物として取り出される。該共重合体の分子量は、目的に
応じて反応温度や分子量調節剤により適宜調節される。
℃の範囲の温度において重合が行われ、粒子径が0.0
3〜0.7μm程度の共重合体微粒子が均一に分散した
ラテックスが得られる。このラテックスは、通常塩析又
は噴霧乾燥などの公知の処理が施され、共重合体は固形
物として取り出される。該共重合体の分子量は、目的に
応じて反応温度や分子量調節剤により適宜調節される。
【0034】播種乳化重合法は、前記の乳化重合法によ
り調製された樹脂粒子を核として、前記の乳化重合法と
同一の乳化剤及び重合開始剤を用い、水性媒体中で粒子
の肥大化重合反応を行わせる方法である。核粒子の径
は、通常平均0.03〜0.7μmの範囲にあり、その使
用量は、使用する単量体100重量部当たり通常1〜5
0重量部の範囲で選ばれる。乳化剤及び重合開始剤の種
類及び使用量は、乳化重合法の場合と同様である。ま
た、乳化重合の場合と同じく、使用される乳化剤や重合
触媒の作用を助長するために、高級脂肪酸、高級アルコ
ール、無機塩類、水溶性高分子化合物などを併用しても
よい。
り調製された樹脂粒子を核として、前記の乳化重合法と
同一の乳化剤及び重合開始剤を用い、水性媒体中で粒子
の肥大化重合反応を行わせる方法である。核粒子の径
は、通常平均0.03〜0.7μmの範囲にあり、その使
用量は、使用する単量体100重量部当たり通常1〜5
0重量部の範囲で選ばれる。乳化剤及び重合開始剤の種
類及び使用量は、乳化重合法の場合と同様である。ま
た、乳化重合の場合と同じく、使用される乳化剤や重合
触媒の作用を助長するために、高級脂肪酸、高級アルコ
ール、無機塩類、水溶性高分子化合物などを併用しても
よい。
【0035】次に、播種乳化重合法の好適な1例につい
て説明する。まず所望の樹脂核粒子の水性エマルジョン
を調製したのち、これに前記水溶性還元剤及び単量体を
仕込み、加温して30〜80℃程度の温度に保持する。
一方、別途に前記乳化剤を用いて有機過酸化物の水性エ
マルジョンと、前記乳化剤水溶液とを調製し、これらを
前記の樹脂核粒子、水溶性還元剤及び単量体を含有する
水性エマルジョンに、通常30〜80℃の範囲の温度を
保持しながら連続的に投入して、重合反応を行い、得ら
れた平均粒径0.3〜2μmの粒子を含有するエマルジ
ョンから、乳化重合の場合と同様にして、該共重合体を
固形物として取り出す。この共重合体の分子量は、目的
に応じて反応温度や分子量調節剤などにより適宜調節さ
れる。
て説明する。まず所望の樹脂核粒子の水性エマルジョン
を調製したのち、これに前記水溶性還元剤及び単量体を
仕込み、加温して30〜80℃程度の温度に保持する。
一方、別途に前記乳化剤を用いて有機過酸化物の水性エ
マルジョンと、前記乳化剤水溶液とを調製し、これらを
前記の樹脂核粒子、水溶性還元剤及び単量体を含有する
水性エマルジョンに、通常30〜80℃の範囲の温度を
保持しながら連続的に投入して、重合反応を行い、得ら
れた平均粒径0.3〜2μmの粒子を含有するエマルジ
ョンから、乳化重合の場合と同様にして、該共重合体を
固形物として取り出す。この共重合体の分子量は、目的
に応じて反応温度や分子量調節剤などにより適宜調節さ
れる。
【0036】本発明において(A)成分の粒子を構成す
るイオン架橋物は、上記共重合体(A-1) に1〜3価の金
属カチオン(A-2) を付加させて、該共重合体中に存在し
ているカルボキシル基をイオン架橋させたものである。
ここで用いられるカチオンは特に制限されず、その例と
しては、カリウムカチオン、ナトリウムカチオン、マグ
ネシウムカチオン、カルシウムカチオン、バリウムカチ
オン、鉄カチオン、ニッケルカチオン、銅カチオン、亜
鉛カチオン、セシウムカチオン、スズカチオン、クロム
カチオン、鉛カチオン、ストロンチウムカチオン、アル
ミニウムカチオンなどが挙げられる。これらは、1種の
み用いても、2種以上を組み合わせて用いても良い。こ
れらの中では、特にカリウムカチオン、亜鉛カチオン、
カルシウムカチオンが好適である。
るイオン架橋物は、上記共重合体(A-1) に1〜3価の金
属カチオン(A-2) を付加させて、該共重合体中に存在し
ているカルボキシル基をイオン架橋させたものである。
ここで用いられるカチオンは特に制限されず、その例と
しては、カリウムカチオン、ナトリウムカチオン、マグ
ネシウムカチオン、カルシウムカチオン、バリウムカチ
オン、鉄カチオン、ニッケルカチオン、銅カチオン、亜
鉛カチオン、セシウムカチオン、スズカチオン、クロム
カチオン、鉛カチオン、ストロンチウムカチオン、アル
ミニウムカチオンなどが挙げられる。これらは、1種の
み用いても、2種以上を組み合わせて用いても良い。こ
れらの中では、特にカリウムカチオン、亜鉛カチオン、
カルシウムカチオンが好適である。
【0037】本発明に係わるイオン架橋物は、硫黄架橋
やパーオキサイド架橋などの共有結合の架橋構造と異な
り、熱可逆的に架橋構造の形成が変化する。そのため、
イオン架橋によって改質された樹脂粒子の表面は、室温
では架橋された構造の性質を、加熱成形の加工条件下で
は架橋が解離した構造での性質を示す。また、粒子の外
殻層には3次元ポリマー構造が形成されるため、プラス
チゾル中の分散媒に起因する樹脂(A)の室温での膨潤
が抑えられる。これにより、プラスチゾルの粘度の経時
変化を、加熱加工物の本来の物性を損なうことなく抑え
ることができ、その結果貯蔵安定性が改善される。故
に、該イオン架橋物を樹脂成分として用いることによ
り、貯蔵安定性、成形加工性を共に兼ね備えたプラスチ
ゾル組成物が得られる。
やパーオキサイド架橋などの共有結合の架橋構造と異な
り、熱可逆的に架橋構造の形成が変化する。そのため、
イオン架橋によって改質された樹脂粒子の表面は、室温
では架橋された構造の性質を、加熱成形の加工条件下で
は架橋が解離した構造での性質を示す。また、粒子の外
殻層には3次元ポリマー構造が形成されるため、プラス
チゾル中の分散媒に起因する樹脂(A)の室温での膨潤
が抑えられる。これにより、プラスチゾルの粘度の経時
変化を、加熱加工物の本来の物性を損なうことなく抑え
ることができ、その結果貯蔵安定性が改善される。故
に、該イオン架橋物を樹脂成分として用いることによ
り、貯蔵安定性、成形加工性を共に兼ね備えたプラスチ
ゾル組成物が得られる。
【0038】本発明に係わるイオン架橋物は、上記共重
合体(A-1) に1〜3価の金属カチオン(A-2) を添加する
ことにより、製造することができる。該金属カチオンの
添加は、それ自体を直接添加しても、水溶液などの溶液
の形態で添加してもよい。添加形態としては、1〜3価
の金属カチオンの酸化物、水酸化物、リン酸塩、
炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、亜硝酸
塩、亜硫酸塩や10オクチル酸、ステアリン酸、オレイ
ン酸、カプリン酸、蟻酸、コハク酸、エルシン酸、リノ
レン酸、パルチミン酸、プロピオン酸、酢酸、アジピン
酸、酪酸、ナフテン酸、チオカルボン酸等の各有機酸の
塩や11アセチルアセトン塩や12エトキシド、メトキシド
のアルコラートなどの形をとることができる。これらの
中では、1価の金属の水酸化物やカルボン酸塩が、架橋
における反応効率、及び加熱成形時の変形のし易さか
ら、好ましく用いられる。
合体(A-1) に1〜3価の金属カチオン(A-2) を添加する
ことにより、製造することができる。該金属カチオンの
添加は、それ自体を直接添加しても、水溶液などの溶液
の形態で添加してもよい。添加形態としては、1〜3価
の金属カチオンの酸化物、水酸化物、リン酸塩、
炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、亜硝酸
塩、亜硫酸塩や10オクチル酸、ステアリン酸、オレイ
ン酸、カプリン酸、蟻酸、コハク酸、エルシン酸、リノ
レン酸、パルチミン酸、プロピオン酸、酢酸、アジピン
酸、酪酸、ナフテン酸、チオカルボン酸等の各有機酸の
塩や11アセチルアセトン塩や12エトキシド、メトキシド
のアルコラートなどの形をとることができる。これらの
中では、1価の金属の水酸化物やカルボン酸塩が、架橋
における反応効率、及び加熱成形時の変形のし易さか
ら、好ましく用いられる。
【0039】本発明に係わるイオン架橋物は、遊離カル
ボキシル基の一部ないし全量がイオン化してカルボキシ
ルアニオンとなり、1〜3価の金属イオンをカウンター
カチオンとしてイオン結合が形成されたものである。そ
のため、イオン架橋率は添加する金属カチオン供給体の
量によって容易に調節することができる。上述のイオン
架橋反応は一般的に定量的に進行するが、理論量よりも
過剰量の1〜3価の金属カチオン又はその金属カチオン
供給体を使用することができる。このイオン架橋の存在
は赤外吸収スペクトルによるカルボキシレート基の吸収
の測定や金属イオンの定量や溶剤への膨潤度を測定する
ことにより容易に分析可能である。イオン架橋の解離性
については示差熱分析で、密度については膨潤度の測定
によりそれぞれ確認することが可能である。
ボキシル基の一部ないし全量がイオン化してカルボキシ
ルアニオンとなり、1〜3価の金属イオンをカウンター
カチオンとしてイオン結合が形成されたものである。そ
のため、イオン架橋率は添加する金属カチオン供給体の
量によって容易に調節することができる。上述のイオン
架橋反応は一般的に定量的に進行するが、理論量よりも
過剰量の1〜3価の金属カチオン又はその金属カチオン
供給体を使用することができる。このイオン架橋の存在
は赤外吸収スペクトルによるカルボキシレート基の吸収
の測定や金属イオンの定量や溶剤への膨潤度を測定する
ことにより容易に分析可能である。イオン架橋の解離性
については示差熱分析で、密度については膨潤度の測定
によりそれぞれ確認することが可能である。
【0040】本発明に係わる共重合体(A−1)の重合
を、水系重合液中でラジカル重合性不飽和カルボン酸を
共重合させて行った場合は、カルボン酸が親水性である
ため、その大部分が微粒子表層に集積されている。従っ
て、水層に金属カチオン供給体を添加する場合は、それ
がイオン間の反応であるために、水層中に解離した金属
カチオンと解離性の高いカルボン酸との遭遇の確率は極
めて高く、短時間にイオン架橋反応を行うことができ
る。また、共重合体微粒子のイオン架橋速度の温度依存
性が少なく、0〜50℃の温度範囲では、イオン架橋し
た後の金属イオンの共重合体中の存在量は不変である。
従ってイオン架橋反応においては、特に温度管理を行う
ことなく、一定のイオン架橋を容易に得ることができ
る。
を、水系重合液中でラジカル重合性不飽和カルボン酸を
共重合させて行った場合は、カルボン酸が親水性である
ため、その大部分が微粒子表層に集積されている。従っ
て、水層に金属カチオン供給体を添加する場合は、それ
がイオン間の反応であるために、水層中に解離した金属
カチオンと解離性の高いカルボン酸との遭遇の確率は極
めて高く、短時間にイオン架橋反応を行うことができ
る。また、共重合体微粒子のイオン架橋速度の温度依存
性が少なく、0〜50℃の温度範囲では、イオン架橋し
た後の金属イオンの共重合体中の存在量は不変である。
従ってイオン架橋反応においては、特に温度管理を行う
ことなく、一定のイオン架橋を容易に得ることができ
る。
【0041】本発明に係るイオン架橋物を効率的に得る
ためには、所望の架橋度に応じて、共重合体中に含有さ
れる遊離のカルボキシル基当たりの1〜3価の金属カチ
オン又はその供給体金属原子の当量比を選択する必要が
ある。該金属カチオン又はその供給体の添加量は、共重
合体中のカルボキシル基量に対して0.02〜2倍当量
が公的範囲であり、特に0.05〜1倍当量が最好適範
囲である。この当量比を選択することにより、本発明の
イオン架橋物を用いて、特に貯蔵安定性及びシート状態
における機械的特性に優れたプラスチゾル組成物が得ら
れる。上記当量比が0.02未満の場合は、遊離のカル
ボキシル基が多く残留するためにイオン架橋が行われに
くい。従って、プラスチゾル組成物の貯蔵安定性が改善
されない。また、該プラスチゾル組成物を用いたシート
は、防錆性が悪く実用に耐えない。一方、2倍当量を越
えた場合は、無機物が多く残留するために、該プラスチ
ゾル組成物を用いたシートの耐水性が悪くなるほか、機
械的特性が悪くなる傾向を示す。また、耐水性の観点か
ら、イオン架橋物の中でイオン架橋に関与していないカ
ルボキシル基の量は、全共重合体重量の1%以下とする
ことが望ましい。
ためには、所望の架橋度に応じて、共重合体中に含有さ
れる遊離のカルボキシル基当たりの1〜3価の金属カチ
オン又はその供給体金属原子の当量比を選択する必要が
ある。該金属カチオン又はその供給体の添加量は、共重
合体中のカルボキシル基量に対して0.02〜2倍当量
が公的範囲であり、特に0.05〜1倍当量が最好適範
囲である。この当量比を選択することにより、本発明の
イオン架橋物を用いて、特に貯蔵安定性及びシート状態
における機械的特性に優れたプラスチゾル組成物が得ら
れる。上記当量比が0.02未満の場合は、遊離のカル
ボキシル基が多く残留するためにイオン架橋が行われに
くい。従って、プラスチゾル組成物の貯蔵安定性が改善
されない。また、該プラスチゾル組成物を用いたシート
は、防錆性が悪く実用に耐えない。一方、2倍当量を越
えた場合は、無機物が多く残留するために、該プラスチ
ゾル組成物を用いたシートの耐水性が悪くなるほか、機
械的特性が悪くなる傾向を示す。また、耐水性の観点か
ら、イオン架橋物の中でイオン架橋に関与していないカ
ルボキシル基の量は、全共重合体重量の1%以下とする
ことが望ましい。
【0042】本発明に係わるイオン架橋物を得る方法の
具体例として、以下の方法が挙げられる。例えば、 共重合体(A-1) を適当な溶媒に溶かして、このポリマ
ー溶液中に前記金属カチオン又は金属カチオン供給体ま
たはその水溶液などの溶液を添加してイオン架橋反応を
起こさせる方法 共重合体(A-1) の重合工程後のラテックスに前記金属
カチオン又は金属カチオン供給体またはその水溶液など
の溶液を添加する方法 分散媒体に共重合体(A-1) の粉体を添加してプラスチ
ゾルを混合調整する過程で前記金属カチオン又は金属カ
チオン供給体を添加する方法 などである。これらの何れの方法も、本発明に係わるイ
オン架橋物を得る方法として利用可能であるが、分散効
率及び取扱い性の観点からみて、のラテックス添加方
法が尤も簡便かつ有用である。
具体例として、以下の方法が挙げられる。例えば、 共重合体(A-1) を適当な溶媒に溶かして、このポリマ
ー溶液中に前記金属カチオン又は金属カチオン供給体ま
たはその水溶液などの溶液を添加してイオン架橋反応を
起こさせる方法 共重合体(A-1) の重合工程後のラテックスに前記金属
カチオン又は金属カチオン供給体またはその水溶液など
の溶液を添加する方法 分散媒体に共重合体(A-1) の粉体を添加してプラスチ
ゾルを混合調整する過程で前記金属カチオン又は金属カ
チオン供給体を添加する方法 などである。これらの何れの方法も、本発明に係わるイ
オン架橋物を得る方法として利用可能であるが、分散効
率及び取扱い性の観点からみて、のラテックス添加方
法が尤も簡便かつ有用である。
【0043】本発明の(A)成分の樹脂としては、遊離
カルボキシル基含有の共重合体で粒子全体をイオン架橋
させたイオン架橋物を用いることも、粒子の外殻層のみ
をイオン架橋させたイオン架橋物を用いることも可能で
ある。
カルボキシル基含有の共重合体で粒子全体をイオン架橋
させたイオン架橋物を用いることも、粒子の外殻層のみ
をイオン架橋させたイオン架橋物を用いることも可能で
ある。
【0044】本発明の(A)成分の樹脂は、イオン架橋
物を粒子化することにより製造することができる。粒子
化は、公知の種々の方法により、例えば共重合によって
得られた上記共重合体分散液に金属カチオン供給体又は
その水溶液を添加してイオン架橋をし、これを噴霧乾燥
方法等により乾燥することなどによって行うことができ
る。その粒径は特に制限されず、平均一次粒径で通常
0.03〜5μmの範囲である。
物を粒子化することにより製造することができる。粒子
化は、公知の種々の方法により、例えば共重合によって
得られた上記共重合体分散液に金属カチオン供給体又は
その水溶液を添加してイオン架橋をし、これを噴霧乾燥
方法等により乾燥することなどによって行うことができ
る。その粒径は特に制限されず、平均一次粒径で通常
0.03〜5μmの範囲である。
【0045】本発明の発泡性プラスチゾル組成物におい
て、(B)成分として用いられるエポキシ樹脂は、分子
中に1個以上のエポキシ基を有するものである。このよ
うなものの例としては、 ビスフェノールA、ビスフェノールF、レゾルシン、
水素化ビスフェノールAなどのジグリシジルエーテル、
フェノールノボラック樹脂やクレゾールノボラック樹脂
のポリグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル型 フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタ
ル酸などのグリシジルエステル型 の他、グリシジルアミン型、線状脂肪族エポキシド型な
どが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、発泡体に必
要な特性に応じて、単独又は組み合わせて使用すること
ができる。
て、(B)成分として用いられるエポキシ樹脂は、分子
中に1個以上のエポキシ基を有するものである。このよ
うなものの例としては、 ビスフェノールA、ビスフェノールF、レゾルシン、
水素化ビスフェノールAなどのジグリシジルエーテル、
フェノールノボラック樹脂やクレゾールノボラック樹脂
のポリグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル型 フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタ
ル酸などのグリシジルエステル型 の他、グリシジルアミン型、線状脂肪族エポキシド型な
どが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、発泡体に必
要な特性に応じて、単独又は組み合わせて使用すること
ができる。
【0046】前記(B)成分のエポキシ樹脂と(A)成
分の樹脂との配合割合については、(A)成分/(B)
成分重量比が0.1〜5、好ましくは0.3〜2の範囲
内にあることが必要である。この重量比が0.1未満で
は、靱性が高く、表面が緻密かつ均一な発泡体を得るこ
とができず、5を越えるとプラスチゾルの粘度が増加
し、シートの製造における高速での塗布加工が困難とな
る。
分の樹脂との配合割合については、(A)成分/(B)
成分重量比が0.1〜5、好ましくは0.3〜2の範囲
内にあることが必要である。この重量比が0.1未満で
は、靱性が高く、表面が緻密かつ均一な発泡体を得るこ
とができず、5を越えるとプラスチゾルの粘度が増加
し、シートの製造における高速での塗布加工が困難とな
る。
【0047】本発明の発泡性プラスチゾル組成物におい
て(C)成分として用いられる可塑剤は、前記(B)成
分のエポキシ樹脂中に(A)成分のアクリル系樹脂を安
定に混和分散させる作用を有するとともに、プラスチゾ
ルの溶融粘度を調整する役割も有している。該可塑剤の
例としては、 2−エチルヘキシルフタレートやジブチルフタレート
などのフタル酸エステル類 トリクレジルホスフェートなどのリン酸エステル類 ジオクチルアジペートやジオクチルセバケートなどの
脂肪酸エステル類 の他、エチレングリコールとアジピン酸との縮合体など
のポリエステル類、トリオクチルトリメリテートなどの
トリメリット酸トリエステル類、塩素化パラフィン、ア
ルキルベンゼン、高分子量アロマチックなど、従来公知
のものが挙げられる。これらは、1種のみ用いても、2
種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、
2−エチルヘキシルフタレートなどのフタル酸エステル
類が好適である。
て(C)成分として用いられる可塑剤は、前記(B)成
分のエポキシ樹脂中に(A)成分のアクリル系樹脂を安
定に混和分散させる作用を有するとともに、プラスチゾ
ルの溶融粘度を調整する役割も有している。該可塑剤の
例としては、 2−エチルヘキシルフタレートやジブチルフタレート
などのフタル酸エステル類 トリクレジルホスフェートなどのリン酸エステル類 ジオクチルアジペートやジオクチルセバケートなどの
脂肪酸エステル類 の他、エチレングリコールとアジピン酸との縮合体など
のポリエステル類、トリオクチルトリメリテートなどの
トリメリット酸トリエステル類、塩素化パラフィン、ア
ルキルベンゼン、高分子量アロマチックなど、従来公知
のものが挙げられる。これらは、1種のみ用いても、2
種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、
2−エチルヘキシルフタレートなどのフタル酸エステル
類が好適である。
【0048】この可塑剤の配合量については特に制限は
ないが、通常該(A)成分100重量部当たり、20〜
150重量部の範囲で選ばれる。20重量部未満では、
靱性が高く、表面が緻密かつ均一な発泡体を得ることが
できず、150重量部を超えると補強材としての剛性が
顕著に低下してくる。
ないが、通常該(A)成分100重量部当たり、20〜
150重量部の範囲で選ばれる。20重量部未満では、
靱性が高く、表面が緻密かつ均一な発泡体を得ることが
できず、150重量部を超えると補強材としての剛性が
顕著に低下してくる。
【0049】本発明の発泡性プラスチゾル組成物におい
て(D)成分として用いられる高温分解型発泡剤として
は、有機発泡剤、無機発泡剤、高温膨張型マイクロカプ
セルなどが挙げられる。有機発泡剤の例としては、例え
ばアゾジカルボンアミド、p−トルエンスルホニルヒド
ラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,
4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドなどが
挙げられる。これらの有機発泡剤の分解温度は、尿素、
亜鉛化合物、鉛化合物などを添加することにより、任意
に調整することができる。また、無機発泡剤の例として
は、例えば炭酸水素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウ
ムなどが、高温膨張型マイクロカプセルの例としては、
例えば塩化ビニリデン樹脂で低沸点炭化水素をカプセル
化したものなどが挙げられる。
て(D)成分として用いられる高温分解型発泡剤として
は、有機発泡剤、無機発泡剤、高温膨張型マイクロカプ
セルなどが挙げられる。有機発泡剤の例としては、例え
ばアゾジカルボンアミド、p−トルエンスルホニルヒド
ラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,
4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドなどが
挙げられる。これらの有機発泡剤の分解温度は、尿素、
亜鉛化合物、鉛化合物などを添加することにより、任意
に調整することができる。また、無機発泡剤の例として
は、例えば炭酸水素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウ
ムなどが、高温膨張型マイクロカプセルの例としては、
例えば塩化ビニリデン樹脂で低沸点炭化水素をカプセル
化したものなどが挙げられる。
【0050】本発明においては、前記の有機発泡剤、無
機発泡剤、高温膨張型マイクロカプセルのいずれも用い
ることができるが、シート化のしやすさ、発泡体の外
観、発泡の均一性や緻密性などの点から、分解温度が1
20℃以上の有機発泡剤が好適である。分解温度が12
0℃未満のものでは、シート化の時点で発泡が始まるこ
とがある。また、加熱炉での発泡時に樹脂の溶融が不十
分でガスが抜ける為に、発泡倍率が上がらなかったり、
均質な発泡体が得られにくくなる。
機発泡剤、高温膨張型マイクロカプセルのいずれも用い
ることができるが、シート化のしやすさ、発泡体の外
観、発泡の均一性や緻密性などの点から、分解温度が1
20℃以上の有機発泡剤が好適である。分解温度が12
0℃未満のものでは、シート化の時点で発泡が始まるこ
とがある。また、加熱炉での発泡時に樹脂の溶融が不十
分でガスが抜ける為に、発泡倍率が上がらなかったり、
均質な発泡体が得られにくくなる。
【0051】この発泡剤の配合量は、(A),(B),(C) 成分
の和を基準とし、100重量部当たり、通常0.1〜1
0重量部の範囲で選ばれる。0.1重量部未満では発泡
倍率が低く、同一面重量での剛性が低下し、熱伝導性も
著しく低下する。一方10重量部を超えると、発泡層の
セルが粗野となり、車両外板パネルの垂直部位や平面部
位に補強用シートとして施工した場合、加熱直後に該パ
ネルからの脱落やずれを起こす。
の和を基準とし、100重量部当たり、通常0.1〜1
0重量部の範囲で選ばれる。0.1重量部未満では発泡
倍率が低く、同一面重量での剛性が低下し、熱伝導性も
著しく低下する。一方10重量部を超えると、発泡層の
セルが粗野となり、車両外板パネルの垂直部位や平面部
位に補強用シートとして施工した場合、加熱直後に該パ
ネルからの脱落やずれを起こす。
【0052】本発明の発泡性プラスチゾル組成物におい
て(E)成分として用いられるエポキシ樹脂用の加熱活
性型硬化剤としては、加熱により硬化作用を発揮する通
常の硬化剤が用いられる。この硬化剤としては、エポキ
シ樹脂との組合わせで硬化温度が120〜200℃の範
囲にあるものが好ましい。その例としては、ジシアンジ
アミド、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、2−n
−ヘプタデシルイミダゾールのようなイミダゾール誘導
体、イソフタル酸ジヒドラジド、N,N−ジアルキル尿
素誘導体、N,N−ジアルキルチオ尿素誘導体、テトラ
ヒドロ無水フタル酸のような酸無水物、イソホロンジア
ミン、m−フェニレンジアミン、N−アミノエチルピペ
ラジン、三フッ化ホウ素錯化合物、トリスジメチルアミ
ノメチルフェノールなどが挙げられる。ここでいう硬化
温度とは、エポキシ樹脂と硬化剤を室温で混合したもの
をオイルバス、ヒーターなどで昇温させたとき、硬化に
よって発生する発熱がピークとなるような媒体の温度を
指す。また加熱条件に応じた好ましいエポキシ樹脂と硬
化剤の組合せ及び量は予め試験することにより容易に決
定することができる。
て(E)成分として用いられるエポキシ樹脂用の加熱活
性型硬化剤としては、加熱により硬化作用を発揮する通
常の硬化剤が用いられる。この硬化剤としては、エポキ
シ樹脂との組合わせで硬化温度が120〜200℃の範
囲にあるものが好ましい。その例としては、ジシアンジ
アミド、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、2−n
−ヘプタデシルイミダゾールのようなイミダゾール誘導
体、イソフタル酸ジヒドラジド、N,N−ジアルキル尿
素誘導体、N,N−ジアルキルチオ尿素誘導体、テトラ
ヒドロ無水フタル酸のような酸無水物、イソホロンジア
ミン、m−フェニレンジアミン、N−アミノエチルピペ
ラジン、三フッ化ホウ素錯化合物、トリスジメチルアミ
ノメチルフェノールなどが挙げられる。ここでいう硬化
温度とは、エポキシ樹脂と硬化剤を室温で混合したもの
をオイルバス、ヒーターなどで昇温させたとき、硬化に
よって発生する発熱がピークとなるような媒体の温度を
指す。また加熱条件に応じた好ましいエポキシ樹脂と硬
化剤の組合せ及び量は予め試験することにより容易に決
定することができる。
【0053】これらの硬化剤は1種のみ用いても、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。その配合量は、エポ
キシ樹脂100重量部当たり、通常3〜30重量部の範
囲で選ばれる。3重量部未満では硬化が不十分であるた
め、発泡体を用いた補強材の剛性が不足する。一方30
重量部を超えると、成形時の過剰な発熱反応に伴い部分
的な分解や熱劣化を起こし、使用量の割に発泡体の剛性
が向上せず、むしろ経済的に不利となる。
以上を組み合わせて用いてもよい。その配合量は、エポ
キシ樹脂100重量部当たり、通常3〜30重量部の範
囲で選ばれる。3重量部未満では硬化が不十分であるた
め、発泡体を用いた補強材の剛性が不足する。一方30
重量部を超えると、成形時の過剰な発熱反応に伴い部分
的な分解や熱劣化を起こし、使用量の割に発泡体の剛性
が向上せず、むしろ経済的に不利となる。
【0054】本発明においては、この(E)成分の硬化
剤とともに、所望に応じ、硬化促進剤として、例えばア
ルコール系、フェノール系、メルカプタン系、ジメチル
ウレア系、脂環族系、さらにはイミダゾール、モヌロ
ン、クロロトルロンなどを用いることができる。
剤とともに、所望に応じ、硬化促進剤として、例えばア
ルコール系、フェノール系、メルカプタン系、ジメチル
ウレア系、脂環族系、さらにはイミダゾール、モヌロ
ン、クロロトルロンなどを用いることができる。
【0055】本発明の発泡性プラスチゾル組成物には、
前記必須成分以外に、所望に応じ、発泡助剤、着色剤の
他、炭酸カルシウム、タルク、クレーなどの充填剤など
を使用することができる。これら成分の配合量について
は、通常(A)成分100重量部当たり、充填剤は5〜
200重量部、発泡助剤は0.1〜4重量部の範囲で選
ばれる。充填剤の配合量が200重量部を超えると、発
泡倍率が上がらなくなるほか、発泡自体の微細性も失わ
れる。また、発泡助剤の配合量を4重量部より多くして
も、量の割には効果の向上が認められない。
前記必須成分以外に、所望に応じ、発泡助剤、着色剤の
他、炭酸カルシウム、タルク、クレーなどの充填剤など
を使用することができる。これら成分の配合量について
は、通常(A)成分100重量部当たり、充填剤は5〜
200重量部、発泡助剤は0.1〜4重量部の範囲で選
ばれる。充填剤の配合量が200重量部を超えると、発
泡倍率が上がらなくなるほか、発泡自体の微細性も失わ
れる。また、発泡助剤の配合量を4重量部より多くして
も、量の割には効果の向上が認められない。
【0056】本発明の発泡性プラスチゾル組成物は、前
記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、
(E)成分及び必要に応じて用いられる各種添加成分を
それぞれ所定量用い、例えばプラネタリーミキサー、ニ
ーダー、ロール、ヘンシェルミキサーなどの公知の混練
機で混練することにより、調製することができる。
記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、
(E)成分及び必要に応じて用いられる各種添加成分を
それぞれ所定量用い、例えばプラネタリーミキサー、ニ
ーダー、ロール、ヘンシェルミキサーなどの公知の混練
機で混練することにより、調製することができる。
【0057】本発明のパネル補強用シート材料は、前記
のようにして調製された発泡性プラスチゾル組成物から
成る第1層と繊維製クロスから成る第2層とが積層され
た2層構造のもの、及び前記第1層と第2層と、さらに
厚さ100μm以下の金属薄膜から成る第3層とが積層
された3層構造のものである。
のようにして調製された発泡性プラスチゾル組成物から
成る第1層と繊維製クロスから成る第2層とが積層され
た2層構造のもの、及び前記第1層と第2層と、さらに
厚さ100μm以下の金属薄膜から成る第3層とが積層
された3層構造のものである。
【0058】本発明のパネル補強用シート材料におい
て、第2層に用いられる繊維製クロスについては、特に
制限はなく、例えば有機又は無機の繊維を織ったもの、
あるいは短繊維をバインダーで結合して成る網状、布
状、膜状、マット状のものなど、いずれも用いることが
できるが、加熱工程に耐用性のある材料を用いることが
望ましい。また、厚さは1mm以下のものが好適である。
加熱工程において変形、収縮するものでは、平滑な表面
が得られにくい。一方、厚さが1mmを超えるとシート全
体の重量や嵩が増し、作業性が低下する。耐熱繊維とし
ては、例えばポリエステル、ナイロン、ポリアミド、炭
素、ガラス、金属などの繊維が挙げられる。その中でも
ガラス繊維が、作業性や性能の面から好ましく用いられ
る。
て、第2層に用いられる繊維製クロスについては、特に
制限はなく、例えば有機又は無機の繊維を織ったもの、
あるいは短繊維をバインダーで結合して成る網状、布
状、膜状、マット状のものなど、いずれも用いることが
できるが、加熱工程に耐用性のある材料を用いることが
望ましい。また、厚さは1mm以下のものが好適である。
加熱工程において変形、収縮するものでは、平滑な表面
が得られにくい。一方、厚さが1mmを超えるとシート全
体の重量や嵩が増し、作業性が低下する。耐熱繊維とし
ては、例えばポリエステル、ナイロン、ポリアミド、炭
素、ガラス、金属などの繊維が挙げられる。その中でも
ガラス繊維が、作業性や性能の面から好ましく用いられ
る。
【0059】本発明のパネル補強用シート材料におい
て、第3層に用いられる金属薄膜は、発泡性プラスチゾ
ル組成物を支持する面状基材である。これは、該組成物
の塗布、運搬、金属パネルへの貼付を容易にするなど、
作業性の改善と同時に、発泡パネルとしたときの表面強
度、遮断性を向上する機能を付与するものであるので、
剛直で伸縮性がなく、しかも、柔軟で軽量であるなどの
特性を有するものが望ましい。このようなものとして
は、厚さ100μm以下の金属箔、例えばアルミニウ
ム、ステンレススチール、亜鉛、スズ、ニッケル、銅、
鉄などの箔が用いられる。これらの中ではアルミニウム
箔が、展延性、軽量性の他、経済性の面でも最も優れて
いる。厚さが100μmを超えると、重量が大きくなる
ばかりでなく、柔軟性が低下するため、曲面のあるパネ
ルに貼付けた際、形状になじまず、均質な肉厚の発泡体
が得られにくくなる。
て、第3層に用いられる金属薄膜は、発泡性プラスチゾ
ル組成物を支持する面状基材である。これは、該組成物
の塗布、運搬、金属パネルへの貼付を容易にするなど、
作業性の改善と同時に、発泡パネルとしたときの表面強
度、遮断性を向上する機能を付与するものであるので、
剛直で伸縮性がなく、しかも、柔軟で軽量であるなどの
特性を有するものが望ましい。このようなものとして
は、厚さ100μm以下の金属箔、例えばアルミニウ
ム、ステンレススチール、亜鉛、スズ、ニッケル、銅、
鉄などの箔が用いられる。これらの中ではアルミニウム
箔が、展延性、軽量性の他、経済性の面でも最も優れて
いる。厚さが100μmを超えると、重量が大きくなる
ばかりでなく、柔軟性が低下するため、曲面のあるパネ
ルに貼付けた際、形状になじまず、均質な肉厚の発泡体
が得られにくくなる。
【0060】本発明のパネル補強用シート材料の製造方
法の例を、以下に示す。 (1)繊維製クロス、又は繊維製クロスと金属薄膜とが
予め積層された膜材のクロス面に該発泡性プラスチゾル
組成物を直接塗布し、発泡剤の分解温度より低い温度で
加熱成形して固化させる方法。 (2)該発泡性プラスチゾル組成物を離型紙やスチール
ベルト上で、連続的に発泡剤の分解温度より低い温度で
加熱成形してシート化しておき、次いでその上に繊維製
クロス、又は繊維製クロスと金属薄膜を積層する方法。 この中では(1)の方法が好ましく、また発泡性組成物
層の表面には、所望により離型紙を設けてもよい。そし
て、上記の方法により得られたパネル補強用シート材料
は、柔軟で弾性に富み、巻取り、切断、運搬も容易であ
る。
法の例を、以下に示す。 (1)繊維製クロス、又は繊維製クロスと金属薄膜とが
予め積層された膜材のクロス面に該発泡性プラスチゾル
組成物を直接塗布し、発泡剤の分解温度より低い温度で
加熱成形して固化させる方法。 (2)該発泡性プラスチゾル組成物を離型紙やスチール
ベルト上で、連続的に発泡剤の分解温度より低い温度で
加熱成形してシート化しておき、次いでその上に繊維製
クロス、又は繊維製クロスと金属薄膜を積層する方法。 この中では(1)の方法が好ましく、また発泡性組成物
層の表面には、所望により離型紙を設けてもよい。そし
て、上記の方法により得られたパネル補強用シート材料
は、柔軟で弾性に富み、巻取り、切断、運搬も容易であ
る。
【0061】本発明のパネル補強用シート材料におい
て、発泡性プラスチゾル組成物層(第1層)面は、自己
粘着性を示し、なんら粘着処理や接着剤を使用すること
なく、外板パネル裏面に押しつけるだけで容易に密着す
る。これは、(B)成分のエポキシ樹脂が、成形シート
化の過程で(A)成分のイオン架橋樹脂に吸収される
が、吸収されきれないエポキシ樹脂がシート中に残留
し、油面に対して粘着性を示すためと考えられる。この
ような現象は当初全く予想されなかったが、シート化条
件探索の過程で偶然に見い出されたものであり、本発明
が実用的に優れており、画期的なものであるということ
ができる。もちろん、より粘着性を高めるために、発泡
性組成物中にエポキシ樹脂以外の粘着付与剤を付加的に
添加することも可能であるし、成形シートの表面又は外
板パネルに接着剤を適用することも可能である。いずれ
にしても、従来、発泡した成形品やフェルトなどの断熱
材を、粘着剤や接着剤を使用して貼付ける方法に比べ、
薄くて柔軟なシートを、圧着するだけで極めて容易に施
工でき、しかも、外板パネル形状に合わせて、均一に全
面貼付することができる。
て、発泡性プラスチゾル組成物層(第1層)面は、自己
粘着性を示し、なんら粘着処理や接着剤を使用すること
なく、外板パネル裏面に押しつけるだけで容易に密着す
る。これは、(B)成分のエポキシ樹脂が、成形シート
化の過程で(A)成分のイオン架橋樹脂に吸収される
が、吸収されきれないエポキシ樹脂がシート中に残留
し、油面に対して粘着性を示すためと考えられる。この
ような現象は当初全く予想されなかったが、シート化条
件探索の過程で偶然に見い出されたものであり、本発明
が実用的に優れており、画期的なものであるということ
ができる。もちろん、より粘着性を高めるために、発泡
性組成物中にエポキシ樹脂以外の粘着付与剤を付加的に
添加することも可能であるし、成形シートの表面又は外
板パネルに接着剤を適用することも可能である。いずれ
にしても、従来、発泡した成形品やフェルトなどの断熱
材を、粘着剤や接着剤を使用して貼付ける方法に比べ、
薄くて柔軟なシートを、圧着するだけで極めて容易に施
工でき、しかも、外板パネル形状に合わせて、均一に全
面貼付することができる。
【0062】本発明のパネル補強用シート材料を加熱加
工したものは、独立気泡率の高い発泡層を形成するが、
特に高度の防錆性を要求される場合には、外板パネルに
直接貼り付ける面に、本発明の発泡性プラスチゾル組成
物のうち(D)成分のみを抜いたプラスチゾル組成物
を、400μm以下の厚みで積層して、薄い非発泡層を
組み合わせることが有効である。
工したものは、独立気泡率の高い発泡層を形成するが、
特に高度の防錆性を要求される場合には、外板パネルに
直接貼り付ける面に、本発明の発泡性プラスチゾル組成
物のうち(D)成分のみを抜いたプラスチゾル組成物
を、400μm以下の厚みで積層して、薄い非発泡層を
組み合わせることが有効である。
【0063】このようにして、外板パネル裏面に発泡性
プラスチゾル組成物層(第1層)が接するように貼付け
られた補強用シート材料は、加熱炉などで180〜22
0℃程度の温度で加熱することにより発泡、硬化し、断
熱性と強度が改善された外板パネル構造体が得られる。
プラスチゾル組成物層(第1層)が接するように貼付け
られた補強用シート材料は、加熱炉などで180〜22
0℃程度の温度で加熱することにより発泡、硬化し、断
熱性と強度が改善された外板パネル構造体が得られる。
【0064】該発泡と硬化の機構については、有機発泡
剤を用いた場合を例にとれば、次のように考えられる。
すなわち、まず加熱により第1層(発泡性プラスチゾル
組成物層)の(A)成分のイオン架橋樹脂が溶融し、次
いで発泡剤が分解してガスを発生する。発生ガスによ
り、系は発泡しセルを形成し、続いて、組成物に含有、
分散しているエポキシ樹脂が、硬化剤の活性化により硬
化反応を起こし発泡体が硬質化する。したがって形成さ
れる発泡体の特性は(A)成分のゲル化速度、発泡剤の
分解速度、そしてエポキシ樹脂の硬化速度に影響される
ので、目標とする発泡密度、硬化度に基づき、材料を選
定する必要がある。
剤を用いた場合を例にとれば、次のように考えられる。
すなわち、まず加熱により第1層(発泡性プラスチゾル
組成物層)の(A)成分のイオン架橋樹脂が溶融し、次
いで発泡剤が分解してガスを発生する。発生ガスによ
り、系は発泡しセルを形成し、続いて、組成物に含有、
分散しているエポキシ樹脂が、硬化剤の活性化により硬
化反応を起こし発泡体が硬質化する。したがって形成さ
れる発泡体の特性は(A)成分のゲル化速度、発泡剤の
分解速度、そしてエポキシ樹脂の硬化速度に影響される
ので、目標とする発泡密度、硬化度に基づき、材料を選
定する必要がある。
【0065】なお、車輌外板パネルの内面に貼付けたの
ち、加熱する際使用する加熱炉としては、既設の電着塗
装炉を流用するのが最も合理的であり、別途焼付炉を設
ける必要はない。
ち、加熱する際使用する加熱炉としては、既設の電着塗
装炉を流用するのが最も合理的であり、別途焼付炉を設
ける必要はない。
【0066】本発明で得られるパネル補強用シート材料
は、油面粘着性に優れる上その発泡硬化シートが良好な
耐熱性、断熱性及び剛性を有するので、特に電着塗装前
の車輌外板パネルの補強用として好適に用いられる。
は、油面粘着性に優れる上その発泡硬化シートが良好な
耐熱性、断熱性及び剛性を有するので、特に電着塗装前
の車輌外板パネルの補強用として好適に用いられる。
【0067】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。なお、プラスチゾルの粘度、未発泡シー
トの油面粘着性及び鋼板・樹脂複合体の各特性は次のよ
うにして評価した。 (1)プラスチゾルの粘度 ブルックフィールド型回転粘度計を用いて温度25℃、
相対湿度60%の条件で測定した。経時変化はプラスチ
ゾルを40℃に保存して7日目に温度25℃、湿度60
%に1時間置いて測定した粘度を初日の粘度で除した指
数の値である。
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。なお、プラスチゾルの粘度、未発泡シー
トの油面粘着性及び鋼板・樹脂複合体の各特性は次のよ
うにして評価した。 (1)プラスチゾルの粘度 ブルックフィールド型回転粘度計を用いて温度25℃、
相対湿度60%の条件で測定した。経時変化はプラスチ
ゾルを40℃に保存して7日目に温度25℃、湿度60
%に1時間置いて測定した粘度を初日の粘度で除した指
数の値である。
【0068】(2)油面粘着性 110℃で3分間加熱後の未発泡粘着性シートを、鋼板
に室温で3kg、10秒間圧着して得たサンプルの180
°剥離強度を求め、油面粘着性を評価した。 (3)1mm変位曲げ剛性 図1に示す方法で、1mm変形させた際の荷重(kgf)を
求めた。なお図1において1は鋼板、2は発泡硬化シー
ト、3はガラスクロスであり、数値の単位はmmである。 (4)最大荷重曲げ変位 図1に示す方法によって、サンプルが荷重により降伏し
た際の曲げ変位(mm)を求めた。 (5)発泡倍率 発泡層断面の厚みを、未発泡段階の発泡性組成物層の厚
みで除した値である。また、使用した鋼板(0.8mm厚)
の1mm変位曲げ剛性は、1.0kgf、最大荷重曲げ変位は
26mmであった。 (6)セル状態 発泡層の表面状態を、目視により観察した。
に室温で3kg、10秒間圧着して得たサンプルの180
°剥離強度を求め、油面粘着性を評価した。 (3)1mm変位曲げ剛性 図1に示す方法で、1mm変形させた際の荷重(kgf)を
求めた。なお図1において1は鋼板、2は発泡硬化シー
ト、3はガラスクロスであり、数値の単位はmmである。 (4)最大荷重曲げ変位 図1に示す方法によって、サンプルが荷重により降伏し
た際の曲げ変位(mm)を求めた。 (5)発泡倍率 発泡層断面の厚みを、未発泡段階の発泡性組成物層の厚
みで除した値である。また、使用した鋼板(0.8mm厚)
の1mm変位曲げ剛性は、1.0kgf、最大荷重曲げ変位は
26mmであった。 (6)セル状態 発泡層の表面状態を、目視により観察した。
【0069】実施例1 下記に示す単量体及び重合薬剤を、二段の撹拌翼を有す
る10リットルのステンレス製予備混合容器中に仕込
み、30℃で1時間混合した。単量体・重合薬剤 重量部 メチルメタクリレート 85 エチルアクリレート 13 メタクリル酸 2 直鎖高級アルコール(炭素数18) 2 アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ 0.5 スチレン 65 ベンゾイルパーオキサイド 0.3 蒸留水 200
る10リットルのステンレス製予備混合容器中に仕込
み、30℃で1時間混合した。単量体・重合薬剤 重量部 メチルメタクリレート 85 エチルアクリレート 13 メタクリル酸 2 直鎖高級アルコール(炭素数18) 2 アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ 0.5 スチレン 65 ベンゾイルパーオキサイド 0.3 蒸留水 200
【0070】混合後、攪拌によって形成された懸濁液
を、1段目及び2段目がそれぞれ1200psiの2段
加圧式ホモジナイザーに1回通過させてから、二段の撹
拌翼を有する10リットルのステンレス製耐圧容器中に
移送して、75℃で微細懸濁重合を行い、重合転化率が
95%に達したところで重合を停止した。
を、1段目及び2段目がそれぞれ1200psiの2段
加圧式ホモジナイザーに1回通過させてから、二段の撹
拌翼を有する10リットルのステンレス製耐圧容器中に
移送して、75℃で微細懸濁重合を行い、重合転化率が
95%に達したところで重合を停止した。
【0071】重合で得られたラテックスに、金属カチオ
ン供給体として水酸化カリウムを0.4部添加して混合
し、23℃で10分間攪拌してラテックスを得た。次い
で、これを170℃の窒素ガス気流中で噴霧乾燥し、平
均一次粒径が1〜2μmのイオン架橋物から成る樹脂粒
子を製造した。
ン供給体として水酸化カリウムを0.4部添加して混合
し、23℃で10分間攪拌してラテックスを得た。次い
で、これを170℃の窒素ガス気流中で噴霧乾燥し、平
均一次粒径が1〜2μmのイオン架橋物から成る樹脂粒
子を製造した。
【0072】次に、同樹脂粒子と下記の薬剤を、真空脱
泡式プラネタリーミキサーに一括投入し、20分間混合
してプラスチゾル組成物を調製した。配合組成 イオン架橋物粒子 100 ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂 200 2−エチルヘキシルフタレート 80 硬化剤1) 20 硬化促進剤2) 4.5 有機発泡剤3) 3 発泡助剤4) 2 充填剤5) 100 注1)ジシアンジアミド(日本カーバイド(株)製) 注2)D.P.ハードナー(丸和バイオケミカル(株)製) 注3)AZ−H(大塚化学(株)製) 注4)FL−23(旭電化工業(株)製) 注5)ホワイトンH(白石工業(株)製)
泡式プラネタリーミキサーに一括投入し、20分間混合
してプラスチゾル組成物を調製した。配合組成 イオン架橋物粒子 100 ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂 200 2−エチルヘキシルフタレート 80 硬化剤1) 20 硬化促進剤2) 4.5 有機発泡剤3) 3 発泡助剤4) 2 充填剤5) 100 注1)ジシアンジアミド(日本カーバイド(株)製) 注2)D.P.ハードナー(丸和バイオケミカル(株)製) 注3)AZ−H(大塚化学(株)製) 注4)FL−23(旭電化工業(株)製) 注5)ホワイトンH(白石工業(株)製)
【0073】このプラスチゾルは、貯蔵安定性が良好で
長期にわたって容易に塗布加工できる粘度を有してい
た。尚、加工性と取扱性を考慮すると7日間のゾル粘度
の経時変化指数は1.5以下であることが好ましい。
長期にわたって容易に塗布加工できる粘度を有してい
た。尚、加工性と取扱性を考慮すると7日間のゾル粘度
の経時変化指数は1.5以下であることが好ましい。
【0074】このようにして得られたプラスチゾルを、
ナイフコーターを用いて厚さ300μmのガラスクロス
上に1.0mmの厚さに塗布し、110℃の熱風循環炉で
3分間加熱することにより、未発泡粘着性シート(パネ
ル補強用シート材料)を作製し、その油面粘着性を求め
た。
ナイフコーターを用いて厚さ300μmのガラスクロス
上に1.0mmの厚さに塗布し、110℃の熱風循環炉で
3分間加熱することにより、未発泡粘着性シート(パネ
ル補強用シート材料)を作製し、その油面粘着性を求め
た。
【0075】次に、この未発泡粘着性シートを厚さ0.
8mmの油面鋼板に、3kgの圧力で10秒間圧着すること
により貼付けたのち、180℃の熱風循環炉で30分間
加熱して、ガラスクロス付き硬質発泡体シートを設けた
鋼板・樹脂複合体サンプルを作製し、その特性を求め
た。なお、鋼板及び未発泡粘着性シートのサイズは、い
ずれも150×25mmである。結果を表1に示す。
8mmの油面鋼板に、3kgの圧力で10秒間圧着すること
により貼付けたのち、180℃の熱風循環炉で30分間
加熱して、ガラスクロス付き硬質発泡体シートを設けた
鋼板・樹脂複合体サンプルを作製し、その特性を求め
た。なお、鋼板及び未発泡粘着性シートのサイズは、い
ずれも150×25mmである。結果を表1に示す。
【0076】実施例2〜6 表1に示す種類の重合単量体成分を用いた以外は、実施
例1と同様にしてイオン架橋樹脂粒子を得、ゾルの調製
以後の操作及び評価も実施例1と同一に行った。結果を
表1に示す。
例1と同様にしてイオン架橋樹脂粒子を得、ゾルの調製
以後の操作及び評価も実施例1と同一に行った。結果を
表1に示す。
【0077】実施例7 金属カチオン供給体として酢酸亜鉛を用いた以外は、実
施例1と同様にしてイオン架橋樹脂粒子を得、ゾルの調
製以後の操作及び評価も実施例1と同一に行った。結果
を表1に示す。
施例1と同様にしてイオン架橋樹脂粒子を得、ゾルの調
製以後の操作及び評価も実施例1と同一に行った。結果
を表1に示す。
【0078】実施例8 表1に示す種類の重合単量体成分、及び金属カチオン供
給体として水酸化アルミニウムを用いた以外は、実施例
1と同様にしてイオン架橋樹脂粒子を得、ゾルの調製以
後の操作及び評価も実施例1と同一に行った。結果を表
1に示す。
給体として水酸化アルミニウムを用いた以外は、実施例
1と同様にしてイオン架橋樹脂粒子を得、ゾルの調製以
後の操作及び評価も実施例1と同一に行った。結果を表
1に示す。
【0079】実施例9 実施例1と全く同じ重合を行った後に、金属カチオン供
給体を添加せずに噴霧乾燥して、平均一次粒径が2μm
の樹脂粒子を得た。この粒子を用いた以外は、実施例1
と同様にして、ゾルの調製以後の操作及び評価を行っ
た。結果を表1に示す。
給体を添加せずに噴霧乾燥して、平均一次粒径が2μm
の樹脂粒子を得た。この粒子を用いた以外は、実施例1
と同様にして、ゾルの調製以後の操作及び評価を行っ
た。結果を表1に示す。
【0080】比較例1 重合単量体成分としてメチルメタクリレートのみを用い
て、実施例1と同一の条件で重合を行った。その後、金
属カチオン供給体を添加せずに噴霧乾燥して、樹脂粒子
を得た。この粒子を用いた以外は、実施例1と同様にし
て、ゾルの調製以後の操作及び評価を行った。但し、未
発泡粘着性シートを油面鋼板に貼付けた後の、熱風循環
炉での加熱は150℃にて行った。結果を表1に示す。
て、実施例1と同一の条件で重合を行った。その後、金
属カチオン供給体を添加せずに噴霧乾燥して、樹脂粒子
を得た。この粒子を用いた以外は、実施例1と同様にし
て、ゾルの調製以後の操作及び評価を行った。但し、未
発泡粘着性シートを油面鋼板に貼付けた後の、熱風循環
炉での加熱は150℃にて行った。結果を表1に示す。
【0081】比較例2〜5 表1に示す種類の重合単量体成分を用いて、実施例1と
同一の条件で重合を行った。その後、金属カチオン供給
体を添加せずに噴霧乾燥して、樹脂粒子を得た。この粒
子を用いた以外は、実施例1と同様にして、ゾルの調製
以後の操作及び評価を行った。結果を表1に示す。
同一の条件で重合を行った。その後、金属カチオン供給
体を添加せずに噴霧乾燥して、樹脂粒子を得た。この粒
子を用いた以外は、実施例1と同様にして、ゾルの調製
以後の操作及び評価を行った。結果を表1に示す。
【0082】
【表1】
【0083】表1から分かるように、本発明の貯蔵安定
性の良好なプラスチゾル組成物より加工して成るパネル
補強用シート材料は、油面粘着性に優れており、また、
得られた鋼板・樹脂複合体は1mm変位曲げ剛性、最大曲
げ変位、熱伝導率、発泡倍率、セル状態のいずれも良好
である。
性の良好なプラスチゾル組成物より加工して成るパネル
補強用シート材料は、油面粘着性に優れており、また、
得られた鋼板・樹脂複合体は1mm変位曲げ剛性、最大曲
げ変位、熱伝導率、発泡倍率、セル状態のいずれも良好
である。
【0084】
【発明の効果】本発明のパネル補強用シート材料は、油
面粘着性に優れ、かつ粘着処理や接着剤を使用しなくて
も外板パネルに容易に密着可能な上、その発泡硬化シー
トは、断熱性及び剛性に優れ、しかも耐熱性にも優れて
いるので、従来の塩化ビニル樹脂をベースとするものと
異なり、特に電着塗装前の車輌外板パネルの補強用とし
て好適に用いられる。また、本発明のパネル補強用シー
ト材料に用いられるプラスチゾル組成物は、貯蔵安定性
にも優れているため、シート材料としての特性を損ねる
ことなく、その生産性を著しく改良することが出来る。
本発明の補強用シート材料を電着塗装前の車輌外板パネ
ルに適用することにより、使用部位が拡大するととも
に、電着塗装時の加熱を利用して発泡硬化させうるので
自動車生産ラインにおける生産性が向上する。前記パネ
ル補強用シート材料を用いて作製された本発明の車輌外
板パネル構造体は、軽量で、かつ断熱性、剛性、耐熱性
に優れるなどの特徴を有している。
面粘着性に優れ、かつ粘着処理や接着剤を使用しなくて
も外板パネルに容易に密着可能な上、その発泡硬化シー
トは、断熱性及び剛性に優れ、しかも耐熱性にも優れて
いるので、従来の塩化ビニル樹脂をベースとするものと
異なり、特に電着塗装前の車輌外板パネルの補強用とし
て好適に用いられる。また、本発明のパネル補強用シー
ト材料に用いられるプラスチゾル組成物は、貯蔵安定性
にも優れているため、シート材料としての特性を損ねる
ことなく、その生産性を著しく改良することが出来る。
本発明の補強用シート材料を電着塗装前の車輌外板パネ
ルに適用することにより、使用部位が拡大するととも
に、電着塗装時の加熱を利用して発泡硬化させうるので
自動車生産ラインにおける生産性が向上する。前記パネ
ル補強用シート材料を用いて作製された本発明の車輌外
板パネル構造体は、軽量で、かつ断熱性、剛性、耐熱性
に優れるなどの特徴を有している。
【0085】
【図1】図1は鋼板・樹脂複合体サンプルの1mm変位曲
げ剛性及び最大荷重曲げ変位を測定する方法を示す説明
図である。
げ剛性及び最大荷重曲げ変位を測定する方法を示す説明
図である。
【0086】
1 鋼板 2 発泡硬化シート 3 ガラスクロス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢田 誠規 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1 号 日本ゼオン株式会社 研究開発セン ター内 審査官 川端 康之 (56)参考文献 特開 昭63−272515(JP,A) 特開 昭63−28475(JP,A) 特開 昭51−71344(JP,A) 特開 昭52−42590(JP,A) 実開 昭55−101659(JP,U) 特公 昭62−3868(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B62D 25/00 - 25/22 C08L 1/00 - 101/00
Claims (4)
- 【請求項1】 (A)(a)アクリル酸アルキルエステ
ル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルと(b)ラ
ジカル重合性不飽和カルボン酸単量体とを共重合してな
り、(a)を主構成単位とするアクリル系共重合体(A
−1)に、1〜3価の金属カチオン(A−2)を付加し
てなる樹脂、(B)エポキシ樹脂、(C)可塑剤、
(D)高温分解型発泡剤及び(E)エポキシ樹脂用加熱
活性型硬化剤を必須成分とするプラスチゾル用組成物か
らなる第1層と、繊維製クロスからなる第2層とが積層
された構造のパネル補強用シート材料。 - 【請求項2】 (A)(a)アクリル酸アルキルエステ
ル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルと(b)ラ
ジカル重合性不飽和カルボン酸単量体とを共重合してな
り、(a)を主構成単位とするアクリル系共重合体(A
−1)に、1〜3価の金属カチオン(A−2)を付加し
てなる樹脂、(B)エポキシ樹脂、(C)可塑剤、
(D)高温分解型発泡剤及び(E)エポキシ樹脂用加熱
活性型硬化剤を必須成分とするプラスチゾル用組成物か
らなる第1層と、繊維製クロスからなる第2層と、厚さ
100mm以下の金属薄膜からなる第3層とが積層され
た構造のパネル補強用シート材料。 - 【請求項3】 更にジエン系駕化合物、芳香族ビニル化
合物及びビニルシアン化合物からなる群から選ばれる少
なくとも1種の単量体(c)をアクリル系共重合後体
(A−1)成分として用いる請求項1又は請求項2記載
のパネル補強用シート材料。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載のパネ
ル補強用シート材料を、車輌外板パネルの裏面上に該シ
ート材料の第1層面が接するように設け、加熱して発
泡、硬化させて成る車輌外板パネル構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35264992A JP3259389B2 (ja) | 1992-12-10 | 1992-12-10 | パネル補強用シート材料及びそれを用いた車輌外板パネル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35264992A JP3259389B2 (ja) | 1992-12-10 | 1992-12-10 | パネル補強用シート材料及びそれを用いた車輌外板パネル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06171001A JPH06171001A (ja) | 1994-06-21 |
JP3259389B2 true JP3259389B2 (ja) | 2002-02-25 |
Family
ID=18425494
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---|---|---|---|
JP35264992A Expired - Fee Related JP3259389B2 (ja) | 1992-12-10 | 1992-12-10 | パネル補強用シート材料及びそれを用いた車輌外板パネル |
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-
1992
- 1992-12-10 JP JP35264992A patent/JP3259389B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH06171001A (ja) | 1994-06-21 |
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