JP5499847B2 - パネル組立体の製造方法 - Google Patents
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Description
(2) 前記パネル部材の中央部に対して、前記パネル部材の各辺の10%以上の幅を有する十字状の領域を加熱昇温することを特徴とする請求項1に記載のパネル組立体の製造方法。
また、本発明は、以下の構成を採用してもよい。
(A)少なくとも中央部に降伏応力の10〜50%の残留応力を有する鋼板からなるパネル部材と、前記残留応力を保ちつつ前記パネル部材の外周部を固定する固定手段と、を具備してなることを特徴とするパネル組立体。
(B)前記固定手段が支持プレートであり、前記パネル部材の外周部にヘミング加工が施されて前記支持プレートに固定されていることを特徴とする(A)に記載のパネル組立体。
(C)前記固定手段が車体の骨格部材であり、前記パネル部材が、パネル部と、前記パネル部の周辺部に接続された高さ30mm以下のたて壁部と、前記たて壁部に接続されたフランジとを有し、前記フランジが前記骨格部材に固定されていることを特徴とする(A)に記載のパネル組立体。
(D)ヘミング加工により支持プレートに固定された鋼板からなるパネル部材であって、少なくとも中央部に、前記鋼板の降伏応力の10〜50%の残留応力を有することを特徴とするパネル部材。
(E)パネル部と、前記パネル部の周辺部に接続された高さ30mm以下のたて壁と、前記たて壁部に接続されたフランジとを有し、前記フランジを介して車体の骨格部材に固定された鋼板からなるパネル部材であって、少なくとも前記パネル部の中央部に、前記鋼板の降伏応力の10〜50%の残留応力を有するパネル部材。
(F)鋼板からなるパネル部材を加熱昇温後、前記パネル部材の外周部を前記固定手段に固定し、その後、降温することを特徴とするパネル組立体の製造方法。
(G)鋼板からなる前記パネル部材を加熱昇温後、前記固定手段である支持プレートに前記パネル部材を重ねてから、前記パネル部材の外周部に設けた折り曲げ部を前記支持プレートの端部で折り返すヘミング加工を施し、その後、降温することを特徴とする(F)に記載のパネル組立体の製造方法。
(H)パネル部と、前記パネル部の周辺部に接続された高さ30mm以下のたて壁部と、前記たて壁部に接続されたフランジとを有する前記パネル部材を加熱後、前記固定手段である車両の骨格部材に前記フランジを接合し、その後、降温することを特徴とする(F)に記載のパネル組立体の製造方法。
(I) 前記パネル部材または前記パネル部の中央部に対して、前記パネル部材または前記パネル部に対する面積比率で10%〜100%の範囲の領域を加熱昇温することを特徴とする(G)または(H)に記載のパネル組立体の製造方法。
(J) 前記パネル部材または前記パネル部の中央部に対して、前記パネル部材または前記パネル部の各辺の10%以上の幅を有する十字状の領域を加熱昇温することを特徴とする(G)または(H)に記載のパネル組立体の製造方法。
本発明の第1の実施形態であるパネル組立体のモデルについて、図面を参照して説明する。図1には、本実施形態のパネル組立体の分解斜視図を示し、図2にはパネル組立体の斜視図を示し、図3にはパネル組立体の部分断面図を示す。
次に、本発明の第2の実施形態であるパネル組立体について、図面を参照して説明する。図6には、本実施形態のパネル組立体の斜視図を示す。
さらに、パネル部材12のたて壁部12cの高さhは30mm以下とすることが好ましい。たて壁部12cの高さが30mmを超えると、パネル部材12が骨格部材13に締結された状態で、たて壁部12cがバネとして働いてしまい、パネル部12bの残留応力を開放してしまう。
また、たて壁部12cの高さhが30mm以下なので、パネル部材12が降温時に収縮する際に、たて壁部12cがバネとして機能することがない。これにより、パネル部12bの残留応力が減少する恐れがない。
次に、図7〜図9を参照して、本発明に係るパネル組立体の作用について、第2実施形態のパネル組立体11を例にして詳細に説明する。図7〜図9は、第2実施形態のパネル部材を荷重解析するためにモデル化したモデル図である。図7〜図9には、図6に記載した符号に対応する符号を付している。
また、たて壁部12cに対応する辺の中央には別のピンp2が設けられており、このピンp2は、回転自由であるが並進運動しないように固定されている。また、フランジ12dに対応する辺の中央には、別のバネk2が配設されている。その他、図中に示される点は、塗りつぶした黒点が回転自由であるが並進運動しないように固定されたピンを示し、白点が回転自由かつ並進運動が自由なピンを示す。
図8に示すように、荷重2Fが加わることで、2つのバネk1にはそれぞれ引っ張り応力が加わり、これにより各バネk1の長さLは、初期のバネ長L0よりも伸び量δだけ長いL0+δになる(L=L0+δ)。また、フランジに対応するバネk2には、圧縮応力が加わる。
パネル部材の残留応力は、加熱温度幅によって調整することが可能である。ここで、第1の実施形態のパネル組立体を用いて、加熱温度幅と残留応力との関係を調べた。支持プレートとして、板厚0.65mmのJAC270C材を用意した。また、パネル部材として、板厚0.7mm、1000mm×1000mmのJAC270D材を用意した。パネル部材全体を10℃〜100℃の温度幅に昇温加熱した。次いで、図1〜3と同様にして、プレス加工した支持プレートに対して、ヘミング加工によりパネル部材を接合させ、その後、室温まで冷却した。パネル部材の形状は平坦形状とした。そして、切断法によりパネル部材の中央部における残留応力を測定した。結果を図12に示す。加熱温度幅をxとし、残留応力をyとしてxyの関係式を求めるとy=0.8917x≒0.9xとなった。中央部の残留応力は、平面応力状態であり、相当応力で、0.9×加熱温度(℃)の残留応力が発生していた。この関係式によって、残留応力を調整することが可能になる。ところで、パネル部材の残留応力は、場所によって急峻に変化することはない。このため、中央部とは厳密な意味での中央点である必要はなく、残留応力の値としては、例えば中央点を含む面積比率で10%程度の範囲内における任意の位置における測定値を考えればよい。
次に、第1の実施形態のパネル組立体を用いて、加熱温度幅を50℃とした場合の荷重に対する押し込み変位量との関係を調べた。実施例1と同様に、支持プレートとして板厚0.65mmのJAC270C材を用意した。また、パネル部材として、板厚0.7mm、1000mm×1000mmのJAC270D材を用意した。パネル部材に対して、全体を0℃〜120℃の温度幅に昇温加熱した。次いで、図1〜3と同様にして、プレス加工した支持プレートに対して、ヘミング加工によりパネル部材を接合させた。パネル部材の形状は平坦形状とした。加熱幅50℃のものについては、その後、室温まで冷却した。このようにして、加熱温度幅が0℃〜120℃のパネル組立体を製造した。
図13には、パネル部材を50℃の加熱温度幅となるように昇温し、ヘミングにより支持プレートに組み付けたパネル組立体の張り剛性を測定した結果である。図13には、加熱温度幅が0℃のパネル組立体の張り剛性を合わせて示している。加熱温度幅が50℃の場合は、加熱昇温によって約42MPaの等二軸引張の残留応力が発生した。また、図13に示すように、加熱昇温したパネル組立体は、加熱昇温していないパネル組立体に対して、張り剛性が向上していることが分かる。尚、この結果は、図11のシミュレーション結果とよく一致した。
第1の実施形態のパネル組立体を用いて、加熱温度幅を50℃とした場合の荷重に対する押し込み変位量との関係を調べた。
支持プレートとして、板厚0.65mmのJAC270C材を用意した。また、パネル部材として、板厚0.7mm、500mm×500mmのJAC270D材を用意した。パネル部材全体を50℃の温度幅に昇温加熱した。次いで、図1〜3と同様にして、プレス加工した支持プレートに対して、ヘミング加工によりパネル部材を接合させた。このとき、パネル部材を楕球面形状にして接合させた。パネル部材の一辺における主曲率半径を1250mmとし、一辺と直交する他辺における従曲率半径を17000mmとした。その後、室温まで冷却してパネル組立体とした。
また、加熱温度幅が0℃であること以外は上記と同様にして、楕球面状のパネル部材を有するパネル組立体を製造した。
次に、第1の実施形態及び第2の実施形態のパネル組立体を用いて、加熱温度幅を15℃〜150℃とした場合の残留応力を測定した。支持プレートとして板厚0.65mmのJAC270C材を用意した。また、パネル部材として、表1に示す各種の鋼板を用意した。板厚はいずれも0.7mmである。また、各鋼板のサイズはいずれも縦1000mm×横1000mmである。次に、パネル部材のうち表1に示す加熱範囲に対して加熱昇温した。次いで、図1〜3または図6と同様にして、プレス加工した支持プレートに対して、ヘミング加工によりパネル部材を接合させるか、骨格部材に対して、プレス加工済みのパネル部材を接合させた。なお、パネル部材のプレス加工は加熱昇温前に実施した。パネル部材を接合した後、パネル部材を室温まで冷却した。このようにして、各種のパネル組立体を製造した。試験例1〜11は図1〜図3に対応するパネル組立体であり、試験例12〜14は図6に対応するパネル組立体である。各試験例について、切断法によりパネル部材の中央部における残留応力を測定した。また、降伏応力に対する残留応力の百分率を求めた。更に、パネル部材またはパネル部の中央部にポンチを押し込んで、その際の反力を測定した。測定した反力について、試験例1を基準として、反力が高くなった場合を張り剛性が向上したと評価し、反力が試験例1と同等な場合を張り剛性の変化が認められないと評価した。また、ポンチの押し込みによって永久ひずみまたは面ひずみが発生した場合は、その旨を表1に表記した。結果を表1に示す。
尚、表1の加熱範囲の比率の欄の値は、試験例10及び11の場合は、パネル部材の辺長に対する十字形の幅の割合であり、その他の試験例の場合は、パネル部材またはパネル部の面積に対する面積率である。
Claims (2)
- 鋼板からなるパネル部材を加熱昇温するにあたり、前記パネル部材に対して、前記パネル部材に対する面積比率で10%〜12.56%の範囲の領域を加熱昇温し、
前記パネル部材の外周部を固定手段である支持プレートに前記パネル部材を重ね、
前記パネル部材の外周部に設けた折り曲げ部を前記支持プレートの端部で折り返すヘミング加工を施し、
降温する、
ことを特徴とするパネル組立体の製造方法。 - 前記パネル部材の中央部に対して、前記パネル部材の各辺の10%以上の幅を有する十字状の領域を加熱昇温することを特徴とする請求項1に記載のパネル組立体の製造方法。
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