JPH11129368A - 箱型構造部材およびその製造方法ならびに車体の補強構造 - Google Patents

箱型構造部材およびその製造方法ならびに車体の補強構造

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JPH11129368A
JPH11129368A JP29910597A JP29910597A JPH11129368A JP H11129368 A JPH11129368 A JP H11129368A JP 29910597 A JP29910597 A JP 29910597A JP 29910597 A JP29910597 A JP 29910597A JP H11129368 A JPH11129368 A JP H11129368A
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box
shaped structural
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reinforcing material
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JP29910597A
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Inventor
Satoshi Ichikawa
川 聡 市
Takayuki Fukui
井 孝 之 福
Motoi Komatsu
松 基 小
Katsuhiko Suzuki
木 克 彦 鈴
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 車体等としての適正なエネルギー吸収特性
を最小の重量増でかつ生産性高く得ることができる閉断
面箱型構造部材を提供する。 【解決手段】 閉断面構造を形成する箱型構造用基材1
2,13への補強材16の固定に擬似硬化性を有する接
着剤19を用い、中空部に樹脂性発泡体17を充填する
ことにより車体等を軽量にして補強する箱型構造部材1
1であって、樹脂性発泡体として、強靭性と擬似硬化性
を付加するための改質剤を配合したエポキシ樹脂系組成
物を用い、箱型構造用基材に塗布したのち加熱すること
により擬似硬化させ車体電着塗装時の焼き付け工程等、
で発泡・充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車体のフ
ロントサイドメンバー、フードリッチレインフォース,
ボディーサイドシル、クロスメンバー、フロアメンバ
ー、ピラー、ルーフレール、ルーフサイドレール等に使
用される箱型構造部材およびその製造方法ならびに車体
の補強構造に関し、更に詳しくは、閉断面構造を有する
箱型構造部材への補強材の固定に擬似硬化性を有する接
着剤を用い、かつ、補強材を固定していない箱型構造用
基材の内面と補強材の内面とで形成される中空部に樹脂
性発泡体を充填することにより車体等を軽量にして補強
する補強構造に関し、上記樹脂性発泡体に、より好まし
くは、強靭性と擬似硬化性を付加するための改質剤を配
合したエポキシ樹脂系組成物を用い、例えば、流動状の
エポキシ樹脂系組成物を予め成形された箱型構造用基材
に塗布したのち加熱することにより擬似硬化させて液だ
れを防止しつつ箱型構造部材の骨格に組み上げたあと車
体電着塗装時の焼き付け工程等で発泡・充填するか、も
しくは、エポキシ樹脂系組成物を加熱することにより擬
似硬化させてシート化して車体形状にトリミングした後
粘着剤やクリップ等の掛かり止めを介して予め成形され
た箱型構造用基材に仮固定して脱落・流出を防止しつつ
箱型構造部材の骨格に組み上げたあと車体電着塗装時の
焼き付け工程等で発泡・充填して車体剛性を向上するよ
うにした車体の補強構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車の車体構造は、乗り心地
改善、騒音・振動低減等の観点から車体各部の骨格が強
固につくりあげられている。従来の車体骨格は、箱型の
閉断面構造で、種々の断面形状に作製されているが、化
石燃料の枯渇や大気汚染防止の観点から燃費向上という
社会的要請により、車体重量を軽減する必要があるた
め、いずれも板厚が薄い構造となり、その分の強度/剛
性の低下を補うため必要な部位に部分的に金属製の補強
材をスポット溶接して固定することが一般的である。
【0003】また、一方では、閉断面の内部に硬質ウレ
タン発泡体を均一に充填することにより車体骨格を補強
する自動車の車体構造が特開昭48−2631号公報に
提案されている。このような発泡体の充填は、壁面座屈
の抑制効果が高く、箱型構造部材の強度/剛性を著しく
向上するため、金属製補強材による車体の補強構造と比
較して、車体重量を大幅に増大させることなく、剛性の
向上が図れる場合がある。
【0004】さらには、金属製補強材をスポット溶接し
て固定することと併用して、補強材と箱型構造用基材と
の隙間を樹脂性発泡体で充填する場合もある。この場
合、樹脂発泡タイプの充填材としては、ウレタン系の他
に、オレフィン系樹脂発泡充填材(日本シーカ社製、シ
ーカラストマー240)やエポキシ系樹脂発泡充填材
(イイダ産業製、OROTEX815)等があり、いず
れも、車体塗装工程において発泡/充填するタイプのも
のである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、補強材
の設置位置・形状がこれをスポット溶接して固定するこ
とを前提に設計してあるため、車体としてのエネルギー
吸収特性の適正化を必ずしも最小重量増で達成しておら
ず、車体の軽量化に逆行してしまう懸念があった。逆
に、適切な位置に補強材を設置するには、スポット溶接
などの組立工程が煩雑になり、生産性が悪くなるという
不具合を生じる場合もあった。
【0006】さらに、車体の補強に用いる樹脂性発泡体
についても、例えば、ウレタン樹脂による強化方法で
は、施工における箱型閉断面構造部材へのウレタン原液
注入/発泡時に箱型構造部材の小穴および閉断面箱型構
造部材の合わせ目からのウレタン材の漏洩が少なからず
発生するため、これを防止する手段を講じなければなら
ず、自動車の生産ラインの生産性はかなり悪化する。ま
た、作業環境改善の観点から、近年では、フロンを用い
た発泡法から、水を用いた発泡法へと置き換わっている
が、水を用いた発泡法では、フロンを用いた発泡法に比
べて発泡の均一性が達成しにくいという問題がある。
【0007】また、オレフィン系樹脂発泡材では、ベー
スとなるオレフィン樹脂に、低分子量のポリエチレンワ
ックス等が用いられるため、材料の剛性/強度が十分で
なく、箱型構造部材に充填した場合でも箱型構造部材の
強度/剛性向上効果は十分ではない。
【0008】一方、エポキシ樹脂系発泡材では、まず、
エポキシ樹脂の耐衝撃性が不十分であるという欠点を補
わなければならない。すなわち、車体への荷重の入力は
すべて静的とは限らず、走行中に路面の凹凸等により衝
撃荷重が車体に作用する場合もあり、車体補強材におい
ても、こういった衝撃荷重に耐えうるだけの耐衝撃性や
靭性が要求される。
【0009】この耐衝撃性を改良する方法は、エポキシ
樹脂の化学構造自体を改良する方法と、別途調整した耐
衝撃性改良剤をエポキシ樹脂に添加する方法に大別され
るが、前者の方法だけでは耐衝撃性を十分に満足させう
るエポキシ樹脂は得られない。一方、後者の方法では、
未硬化エポキシ樹脂に(1)可溶性エラストマー単量体
を添加し、両者を同時に重合する方法、(2)相溶性の
あるエラストマー重合体を添加する方法、(3)微粒子
状の耐衝撃性改良用重合体を分散させる方法などが知ら
れている。
【0010】これらのうち、(1)については相互貫通
網目構造:IPN(Inter−Penetratin
g Network)として知られているが、この方法
では一般に生成物の軟化点が低下するとともに機械的強
度がばらつく等の欠点を有している。また、(2)の方
法については、カルボキシル基やアミノ基を末端に有す
るブタジエン−アクリロニトリル共重合ゴム(CTBN
もしくはATBN)などのエラストマー成分を添加して
ゴム変性する例が種々提案され、その一部は実用化され
ているが、この方法で得られたものは、車体剛性の補強
に用いるためには、耐衝撃性や靭性の点で十分に満足し
うるとはいえない。さらに、(3)の方法では、ポリア
ミド系樹脂をはじめとして多くの耐衝撃性改良剤が提案
されているが、これらはいずれも擬似硬化性が不十分で
あるという欠点を有している。
【0011】ここでいう擬似硬化性とは、液状およびペ
ースト状のエポキシ樹脂系組成物が熱硬化するよりも低
い温度で、非粘着または粘着状態に固化する性質を指
し、次のような利点を有している。すなわち、従来の発
泡充填材では、車体鋼板に未硬化材を配設する場合、専
用のクリップや粘着剤を使用する必要があるが、予め成
形された車体鋼板に設置する際に、クリップ穴の設定や
粘着剤不良による脱落などの問題を引き起こす可能性が
ある。これに対して、鋼板に塗布した後、短時間で加熱
を行い、擬似硬化物とすることにより、脱落や塗装前処
理液の汚染等も防止することができる。
【0012】一般に、プラスチックの耐衝撃性改良剤と
してガラス転移温度(Tg)が−30℃以下のゴム成分
を添加すると、外部からの応力を緩和する働きをして耐
衝撃性が大幅に改良されることが知られているが、この
ようなゴム成分の多くは、液状エポキシを母材とした場
合、その分散性が混合条件に影響されやすく、かつ、得
られた組成物は貯蔵性が不安定であり、長期の安定性が
要求される自動車生産の用途には実用的でない。
【0013】また、発泡温度域で樹脂の粘度が急激に低
下すると、発泡剤から発生したガスを樹脂中に保持する
ことが困難であり、破泡して発泡体を形成することが困
難となる。発泡体中に発泡セルが安定して存在するため
には、発泡温度域における樹脂粘度の温度依存性を制御
しなければならない。このためには、エポキシ樹脂と相
溶性の高いエラストマー等を添加して、粘度の温度依存
性を制御するか、もしくは、物理的架橋により粘度の温
度依存性を制御する必要がある。しかし、エラストマー
の添加による粘度の制御方法ではエポキシ組成物が本来
有する剛性が低下してしまうという欠点があり、また、
化学反応を伴う架橋により粘度の制御を行う場合、架橋
密度が反応条件に左右され、厳密に制御できないため、
粘度が高すぎて発泡が不十分となり、自動車の箱型構造
部材中に十分に充填されない可能性がある。
【0014】
【発明の目的】本発明は、上述した従来の課題にかんが
みてなされたものであって、樹脂性発泡充填材と接着剤
を併用し、車体等としての適正なエネルギー吸収特性を
最小の重量増でかつ生産性高く得ることができる閉断面
を有する箱型構造部材およびこれを用いた車体の補強構
造を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる箱型構造
部材は、請求項1に記載しているように、中空部を形成
する箱型構造用基材の内面の少なくとも一部に擬似硬化
性を有する接着剤を介して補強材を固定すると共に、箱
型構造用基材の補強材を固定しない内面と補強材の内面
とで形成される中空部内に擬似硬化性を有する樹脂性発
泡体を充填して剛性を向上してなる構成としたことを特
徴としている。
【0016】そして、本発明に係わる箱型構造部材の実
施態様においては、請求項2に記載しているように、中
空部を形成する箱型構造用基材は、凹形状をなす一方側
および他方側の箱型構造用基材により形成され(もしく
は、凹形状をなす一方側および平板形状をなす他方側の
箱型構造用基材により形成され、もしくは、平板形状を
なす一方側および凹形状をなす他方側の箱型構造用基材
により形成され)、一方側の箱型構造用基材の内面の少
なくとも一部に擬似硬化性を有する接着剤を介して補強
材を固定すると共に、一方側および他方側の箱型構造用
基材の補強材を固定しない内面と補強材の内面とで形成
される中空部内に擬似硬化性を有する樹脂性発泡体を充
填して剛性を向上してなる構成のものとすることができ
る。
【0017】同じく、本発明に係わる箱型構造部材の実
施態様においては、請求項3に記載しているように、樹
脂製発泡体として、(A)ビスフェノールAおよび/ま
たはビスフェノールFから誘導されたエポキシ樹脂10
0重量部に対し、(B)アクリレートもしくはメタクリ
レート重合体10〜100重量部と、(C)エポキシ樹
脂用熱活性型硬化剤3〜30重量部と、(D)有機系熱
分解型発泡剤0.5〜100重量部と、(E)無機系充
填剤3〜150重量部と、を少なくとも含むものを用い
るようになすことができる。
【0018】同じく、本発明に係わる箱型構造部材の実
施態様においては、請求項4に記載しているように、
(B)アクリレートもしくはメタクリレート重合体は、
(a)ガラス転移温度が−30℃以下のアクリレートま
たはメタクリレート系重合体からなるコア成分と、
(b)(イ)アクリレートまたはメタクリレート系重合
体と、(ロ)カルボキシル基を有する炭素数3〜8のラ
ジカル重合性不飽和カルボン酸単量体と、(ハ)架橋性
単量体と、から少なくとも成るガラス転移温度が70℃
以上の共重合体からなるシェル成分と、を少なくとも含
んで構成され、かつ、コア成分/シェル成分の重量比が
10/1〜1/4の範囲にある共重合体樹脂粒子に一価
または二価の金属カチオンを付加してイオン架橋させた
樹脂粉末粒子であるものとすることができる。
【0019】同じく、本発明に係わる箱型構造部材の実
施態様においては、請求項5に記載しているように、
(B)アクリレートもしくはメタクリレート重合体は、
エポキシ基を0.2重量%以上含有する樹脂粉末粒子で
あるものとすることができる。
【0020】本発明に係わる箱型構造部材の製造方法
は、請求項6に記載しているように、中空部を形成する
箱型構造用基材の内面の少なくとも一部に擬似硬化性を
有する接着剤を介して補強材を仮固定すると共に、箱型
構造用基材の補強材を仮固定しない内面と補強材の内面
のうち少なくとも一部に擬似硬化性を有する流動状樹脂
性発泡素材を塗布したのち加熱して擬似硬化させ、塗装
時の焼付工程で樹脂性発泡素材を発泡させて箱型構造用
基材の補強材を固定しない内面と補強材の内面とで形成
される中空部内に樹脂性発泡体を充填して剛性を向上す
るようにしたことを特徴としている。
【0021】そして、上記発明に係わる箱型構造部材の
製造方法の実施態様においては、請求項7に記載してい
るように、中空部を形成する箱型構造用基材は、凹形状
をなす一方側および他方側の箱型構造用基材により形成
され(もしくは、凹形状をなす一方側および平板形状を
なす他方側の箱型構造用基材により形成され、もしく
は、平板形状をなす一方側および凹形状をなす他方側の
箱型構造用基材により形成され)、一方側の箱型構造用
基材の内面の少なくとも一部に擬似硬化性を有する接着
剤を介して補強材を固定すると共に、一方側および他方
側の箱型構造用基材の補強材を固定しない内面と補強材
の内面のうち少なくとも一部に擬似硬化性を有する流動
状樹脂性発泡素材を塗布したのち加熱して擬似硬化さ
せ、塗装時の焼付工程で樹脂性発泡素材を発泡させて一
方側および他方側の箱型構造用基材の補強材を固定しな
い内面と補強材の内面とで形成される中空部内に樹脂性
発泡体を充填して剛性を向上するようになすことができ
る。
【0022】また、他の本発明による箱型構造部材の製
造方法は、請求項8に記載しているように、中空部を形
成する箱型構造用基材の内面の少なくとも一部に擬似硬
化性を有する接着剤を介して補強材を仮固定すると共
に、箱型構造用基材の補強材を固定しない内面と補強材
の内面のうち少なくとも一部に加熱により擬似硬化して
いるシート状樹脂性発泡素材を所定形状にトリミングし
て仮固定し、塗装時の焼付工程で樹脂性発泡素材を発泡
させて箱型構造用基材の補強材を固定しない内面と補強
材の内面とで形成される中空部内に樹脂性発泡体を充填
して剛性を向上するようにしたことを特徴としている。
【0023】そして、上記発明に係わる箱型構造部材の
製造方法の実施態様においては、請求項9に記載してい
るように、中空部を形成する箱型構造用基材は、凹形状
をなす一方側および他方側の箱型構造用基材により形成
され(もしくは、凹形状をなす一方側および平板形状を
なす他方側の箱型構造用基材により形成され、もしく
は、平板形状をなす一方側および凹形状をなす他方側の
箱型構造用基材により形成され)、一方側の箱型構造用
基材の少なくとも一部に擬似硬化性を有する接着剤を介
して補強材を仮固定すると共に、一方側および他方側の
箱型構造用基材の補強材を固定しない内面と補強材の内
面のうち少なくとも一部に加熱により擬似硬化している
シート状樹脂性発泡素材を所定形状にトリミングして仮
固定し、塗装時の焼付工程で樹脂性発泡素材を発泡させ
て一方側および他方側の箱型構造用基材の補強材を固定
しない内面と補強材の内面とで形成される中空部内に樹
脂性発泡体を充填して剛性を向上するようになすことが
できる。
【0024】本発明による車体の補強構造は、請求項1
0に記載しているように、請求項1ないし5のいずれか
に記載の箱型構造部材を用い、補強材を固定した部分を
車体の室外側に向けて取り付ける構成としたことを特徴
としている。
【0025】
【発明の作用】本発明による箱型構造部材およびその製
造方法ならびに車体の補強構造は、上述した構成を有す
るものであり、補強材を閉断面構造を有する箱型構造用
基材の内側に設置し、補強材の接合・固定に際しては加
熱等による擬似硬化性を有する接着剤を用い、補強材と
閉断面構造を形成する予め成形された箱型構造用基材と
からなる閉断面空間に樹脂性発泡体を充填した接合箱型
構造部材とすることにより、車体等としての適正なエネ
ルギー吸収特性を最小の重量増でかつ生産性高く提供す
ることが可能となった。
【0026】そして、樹脂性発泡体についても、下記に
示す組成物を用いることが好適である。
【0027】(1)熱による可逆的な架橋であるイオン
架橋構造に注目し、コアシェル型のアクリレートもしく
はメタクリレート系共重合樹脂粒子をイオン架橋するこ
とによって、粒子によるエポキシ樹脂母材の膨潤現象を
防止するとともに、耐衝撃性を備えたエポキシ樹脂組成
物 (2)アクリレートもしくはメタクリレート系共重合樹
脂粒子にエポキシ基を導入することにより、耐衝撃性を
備えたエポキシ樹脂組成物 上記したエポキシ系発泡充填剤の充填方法としては、予
め成形された箱型構造用基材の内面や補強材の内面に塗
布したあと、熱処理により擬似硬化させて液だれを防止
し、補強材を固定した箱型構造用基材を用いて箱型構造
部材の骨格に組み上げた後、車体塗装時の焼き付け工程
で発泡・充填するか、もしくは、エポキシ系発泡充填材
を加熱することにより擬似硬化させてシート化して車体
形状にトリミングした後粘着剤やクリップ等の係り止め
を介して予め成形された箱型構造用基材に接着して脱落
・流出を防止し、補強材を固定した箱型構造用基材を用
いて箱型構造部材の骨格に組み上げた後、車体塗装時の
焼き付け工程で発泡・充填して、車体骨格を軽量にして
補強することが可能であることを見いだし、本発明を達
成するに至った。
【0028】具体的には、より好ましい樹脂性発泡体と
して、(A)ビスフェノールAおよび/またはビスフェ
ノールFから誘導されたエポキシ樹脂100重量部に対
し、(B)アクリレートもしくはメタクリレート重合体
10〜100重量部と、(C)エポキシ樹脂用熱活性型
硬化剤3〜30重量部と、(D)有機系熱分解型発泡剤
0.5〜100重量部と、(E)無機系充填剤3〜15
0重量部とを少なくとも含む車体補強用エポキシ樹脂系
組成物を用いることができる。
【0029】さらに詳しくは、より好ましい実施形態に
おいては、(B)アクリレートもしくはメタクリレート
重合体が(a)ガラス転移温度が−30℃以下のアクリ
レートまたはメタクリレート系重合体からなるコア成分
と、(b)(イ)アクリレートまたはメタクリレート系
重合体と、(ロ)カルボキシル基を有する炭素数3〜8
のラジカル重合性不飽和カルボン酸単量体と、(ハ)架
橋性単量体と、から得られたガラス転移温度が70℃以
上の共重合体からなるシェル成分と、を少なくとも含ん
で構成され、かつ、コア成分/シェル成分の重量比が1
0/1〜1/4の範囲にある共重合体樹脂粒子に一価ま
たは二価の金属カチオンを付加してイオン架橋させた樹
脂粉末粒子である車体補強用エポキシ樹脂系組成物を用
いることができる。
【0030】あるいはまた、他の好ましい実施形態にお
いては、(B)アクリレートもしくはメタクリレート重
合体は、エポキシ基を0.2重量%以上含有する平均粒
径が1〜100μmの樹脂粉末粒子である車体補強用エ
ポキシ樹脂系組成物を用いることもできる。
【0031】本発明による箱型構造部材の製造方法で
は、あらかじめ成形された箱型構造用基材を用い、例え
ば、閉断面箱型構造用基材の内側から閉断面箱型構造用
基材を形成する一方側の箱型構造用基材の内側形状に沿
った形状にあらかじめ成形された補強材を設置した接合
箱型構造部材とする場合において、その補強材の一方側
の箱型構造用基材との接合に擬似硬化性を有する(車体
用)接着剤を用いて擬似硬化させて接合・仮固定した後
に、上記の流動状とした車体補強用エポキシ樹脂系組成
物をあらかじめ成形された箱型構造用基材の内面に塗布
し、熱処理により擬似硬化させて液だれを防止しつつ箱
型構造用基材を用いて箱型構造部材の骨格に組み上げた
後、車体(電着)塗装時の焼き付け工程で発泡・充填す
るか、もしくは、流動状とした車体補強用エポキシ樹脂
系組成物を加熱することにより擬似硬化させてシート化
してこれを車体形状にトリミングした後、補強材と閉断
面構造を形成するあらかじめ成形された一方側の箱型構
造用基材以外の箱型構造用基材に粘着剤やクリップ等の
掛かり止めを介して接着して脱落・流出を防止しつつ箱
型構造用基材を用いて箱型構造部材の骨格に組み上げた
後、車体(電着)塗装時の焼き付け工程で発泡・充填す
ることによって、車体骨格を軽量に補強しうる接合箱型
構造部材を生産性高く提供するものである。
【0032】以下、さらに詳細に説明すると、接合箱型
構造部材に曲げ方向の衝撃荷重が加わると、その接合箱
型構造部材は、その断面形状を荷重の入力方向には幅が
狭くなり、入力方向と垂直方向には幅が広くなるように
変化させながら曲げ変形する。そして、荷重の入力側の
部材内側より補強材をスポット溶接により設置すると、
部材の曲げ反力、曲げ剛性を増加させることが出来る。
ここで、スポット溶接に接着を併用すると曲げ反力がさ
らに向上するが、作業性を考慮し、スポット溶接を廃止
して補強材の固定を接着のみにより行うものとすると、
部材の変形が進むにつれて、補強材が接着層から剥離
し、急激に反力が低下する。また、接着剤には、接着剤
が硬化し始める迄に、補強材の位置ずれを防止するた
め、擬似硬化性を有する接着剤を用いた。
【0033】本発明のように、補強材と箱型接合構造用
基材とで形成される閉断面に発泡体を充填すると、接着
剤のみで補強材を固定した接合部材としたときでも、補
強材が接着層から剥離しないため、反力の向上が認めら
れた。
【0034】本発明の実施態様におけるエポキシ樹脂系
組成物において(A)成分として用いられるビスフェノ
ールAから誘導されるエポキシ樹脂の例としては、一般
式(1)で表わされるものを挙げることができる。ま
た、ビスフェノールFから誘導されるエポキシ樹脂の例
としては、一般式(2)で表わされるものを挙げること
ができる。
【0035】
【化1】
【0036】
【化2】
【0037】この一般式(1)および一般式(2)にお
けるnは0以上の数であるが、平均値として1未満のも
のが常温で液状であり好適である。上記、一般式(1)
および一般式(2)の樹脂を混合して用いることができ
るほかに、一般式(1)および一般式(2)のビスフェ
ノール連鎖部分としてビスフェノールA単位とビスフェ
ノールF単位とが混合した連鎖のものも好適に使用する
ことができる。
【0038】本発明の実施態様におけるエポキシ樹脂系
組成物において(B)成分として用いられるコアシェル
型樹脂粒子は、コアシェル型のアクリレートまたはメタ
クリレート系共重合体樹脂粒子に一価もしくは二価の金
属カチオンを付加してイオン架橋させたものとすること
ができる。
【0039】この(B)成分の樹脂粉末粒子製造におい
ては、まず、(a)コア成分であるガラス転移温度(T
g)が−30℃以下のアクリレートまたはメタクリレー
ト系重合体からなるゴム状のシートポリマーを調整す
る。ガラス転移温度(Tg)が−30℃以下の重合体を
与える(メタ)アクリレート系単量体としては、n−プ
ロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート、n−デシルメタクリルレー
トなどが挙げられ、これらは1種用いてもよいし、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。
【0040】また、前記の(メタ)アクリレート系単量
体に、所望により架橋性単量体を添加して、ゴム性状を
増強してもよい。このための架橋性単量体としては、反
応性が実質上等しい2個以上の二重結合を有するもの、
例えば、エチレングリコール、ジアクリレート、エチレ
ングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジ
アクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、
トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパン
トリメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレー
ト、ヘキサンジオールメタクリレート、オリゴエチレン
ジアクリレート、オリゴエチレンジメタクリレート、さ
らにはジビニルベンゼンなどの芳香族ジビニルベンゼン
誘導体、トリメリット酸トリアリル、トリアリルイソシ
アヌレートなどを用いることができる。これらの架橋性
単量体は、得られる重合体のガラス転移温度(Tg)が
−30℃以下となる範囲で単独で用いても良いし、2種
以上を組み合わせて用いても良く、その使用量として
は、単量体全重量につき0.01〜5重量%の範囲で選
ぶのが良い。
【0041】さらに、前記(メタ)アクリレート系単量
体および架橋性単量体とともに、所望に応じて共重合可
能な他の単量体を用いることも可能である。共重合可能
な他の単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトル
エン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化
ビニル系化合物、さらには、シアン化ビニリデン、2−
ヒドロキシルエチルアクリレート、2−ヒドロキシルエ
チルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルフマレート、ヒドロキシブチ
ルビニルエーテル、モノブチルマレエート、グリシジル
メタクリレート、ブトキシエチルメタクリレートなどが
挙げられる。これらは1種用いても良いし、2種以上を
組み合わせて用いても良く、その使用量は、得られる重
合体のガラス転移温度(Tg)が−30℃以下となる範
囲で選ぶのが良いが、通常、単量体全重量に対し50重
量%以下の範囲で選ぶのが良い。
【0042】次に、このようにして得られた(メタ)ア
クリレート系重合体粒子をコアとして、(イ)(メタ)
アクリレート系重量体と、(ロ)カルボキシル基を有す
る炭素数3〜8のラジカル重合性不飽和カルボン酸単量
体と、(ハ)架橋性単量体と、をグラフト重合させて
(b)ガラス転移温度(Tg)が70℃以上の共重合体
からなるシェルを形成させる2段目の乳化重合を行う。
【0043】この際用いられる(イ)原料成分の(メ
タ)アクリレート系単量体としては、例えば、エチルア
クリレート、n−ブチルアクリレート、メチルメタクリ
レート、ブチルメタクリレートなどのアルキル基の炭素
数が1〜4の(メタ)アクリレートが挙げられ、これは
1種用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても
良いが、これらの中で特にメチルメタクリレートが好適
である。
【0044】また、(ロ)原料成分として用いられるカ
ルボキシル基を有する炭素数3〜8のラジカル重合性不
飽和カルボン酸単量体としては、例えば、アクリル酸、
メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸な
どの不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸、
フマル酸、シトラコン酸、クロロマレイン酸などの不飽
和ジカルボン酸やその無水物、マレイン酸メチル、マレ
イン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モ
ノメチル、フマル酸モノエチル、イタコン酸モノメチ
ル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノブチルなど
の不飽和ジカルボン酸のモノエステルやその誘導体が挙
げられる。これは1種用いても良いし、2種以上を組み
合わせて用いても良いが、これらの中で特にアクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸および
フマル酸が好適である。
【0045】一方、(ハ)原料成分の架橋性単量体とし
ては、前記コアを形成する(メタ)アクリレート系重合
体の説明において例示したものの中から1種用いても良
いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。この架橋
性単量体の使用量は、単量体全重量に基づき、通常、
0.01〜10重量%の範囲で選ぶのが良い。
【0046】さらに、前記(イ)、(ロ)および(ハ)
成分と共に、共重合可能な他の単量体を用いることがで
きる。この共重合可能な他の単量体としては、例えば、
スチレン、ビニルトルエン、αーメチルスチレンなどの
芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリルなどのシアン化ビニル系化合物、さらには、シア
ン化ビニリデン、2−ヒドロキシルエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート、3−ヒド
ロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルフマ
レート、ヒドロキシブチルビニルエーテル、モノブチル
マレエート、グリシジルメタクリレート、ブトキシエチ
ルメタクリレートなどが挙げられる。これらは1種用い
ても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。そ
の使用量は単量体全重量に基づき、通常50重量%以下
の範囲で選ぶのが良い。
【0047】このようにして得られた樹脂粒子は少なく
ともシェル部にカルボキシル基を含有する共重合体が存
在し、この共重合体はカルボキシル基を含む単量体単位
が共重合体1分子当たり、平均して1個以上結合し、か
つ、この共重合体100重量部当たり0.01〜20重
量部の割合でカルボキシル基を有する単量体単位を含有
するものが望ましい。この単量体単位の含有量が0.0
1重量部未満ではイオン架橋による粒子表面の改質効果
があまり発揮されない傾向となり、20重量部を超えて
も粒子表面の改質効果の向上が大きくは認められず、む
しろ基体樹脂本来の機械的特性が低下する傾向となる。
【0048】前記シェルを有する(メタ)アクリレート
系共重合体のガラス転移温度(Tg)は70℃以上であ
ることが望ましく、70℃未満ではエポキシ樹脂と混合
した場合、貯蔵安定性が不十分となる傾向となる。
【0049】このようにして得られたコアシェル型樹脂
粒子のシェル部重量は(イ)成分の(メタ)アクリレー
ト系単量体、(ロ)成分のカルボキシル基を有するラジ
カル重合性不飽和カルボン酸単量体、(ハ)成分の架橋
性単量体、および所望に応じて用いられる他の共重合可
能な単量体とをグラフト共重合させた間に生成した共重
合体の重量で表わされ、本発明においてはコア成分/シ
ェル成分の重量比は10/1〜1/4の範囲にあるもの
とすることが望ましい。そして、重量比がこの範囲を逸
脱すると本発明の目的が十分に達せられない傾向とな
る。
【0050】前記コアシェル型樹脂粒子に一価または二
価の金属カチオンを付加してイオン架橋させるが、この
一価または二価の金属カチオンとしては、例えば、カリ
ウム、ナトリウム、リチウム、セシウムなどの一価の金
属イオン、カルシウム、亜鉛、スズ、クロム、鉛などの
二価の金属イオン、特に周期律表I〜III族に属する
金属の一価または二価のイオンが好ましい。カチオンの
供給体としては、前記金属の一価または二価の金属イオ
ンの酸化物、水酸化物、リン酸塩、炭酸塩、硝酸塩、硫
酸塩、塩化物、亜硝酸塩、亜硫酸塩、さらには、オクチ
ル酸、ステアリン酸、オレイン酸、カプリン酸、ギ酸、
コハク酸、エルシン酸、リノレン酸、パルチミチン酸、
プロピオン酸、酢酸、アジピン酸、酪酸、ナフテン酸、
チオカルボン酸などの有機酸の塩、アセチルアセトン
塩、エトキシドやメトキシドなどのアルコラートなどが
挙げられる。そして、酸塩の場合は、酸の解離定数pK
aが4以上のものが望ましい。また、これらのカチオン
供給体の中で、特に一価の金属の水酸化物およびカルボ
ン酸塩がイオン架橋の反応効率や加熱成形品の機械的強
度の点から有効である。
【0051】一価または二価のカチオン供給体は、三価
以上のカチオン供給体のように架橋反応を行う場合に比
較的長い時間の加熱などを必要としないため、溶液中に
おいては、室温で数分以内での架橋反応が可能であると
いう特徴と有する。
【0052】また、本発明の実施態様におけるエポキシ
樹脂系組成物において(B)成分としては、エポキシ基
を含有するアクリレートもしくはメタクリレート樹脂粒
子を用いることもできる。このエポキシ基を含有するア
クリレートもしくはメタクリレート樹脂粒子としては、
エポキシ基を含有した単量体または重合体を(メタ)ア
クリレート単量体または重合体に対し、共重合、グラフ
ト重合、混合、後処理などの公知の方法により得ること
が可能である。
【0053】エポキシ基を導入するためのエポキシ基含
有単量体または重合体としては、アリルグリシジルエー
テル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレ
ート、グリシジル−p−ビニルベンゾエート、メチルグ
リシジルイタコネート、グリシジルエチルマレート、グ
リシジルビニルスクホネート、グリシジル(メタ)アリ
ルスルホネートなどの不飽和酸のグリシジルエステル
類、ブタジエンモノオキサイド、ビニルシクロヘキセン
モノオキサイド、2−メチル−5,6−エポキシヘキセ
ンなどのエポキシオレフィン類などの単量体またはそれ
らを重合してなる重合体が挙げられ、これらは1種用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリレート重合体を構成する単量としては、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ステア
リルメタクリレートなどのアルキルメタクリレート類、
メチルアクリレート、ブチルアクリレートなどのアルキ
ルアクリレート類、ブトキシエチル(メタ)アクリレー
トなどのアルキルグリコール(メタ)アクリレート、ア
ルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙
げられ、これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
【0054】このようにして得られた樹脂粒子は少なく
ともエポキシ基を0.2重量%以上含むものが望まし
い。この単量体単位のエポキシ基含有量が0.2重量%
未満では、エポキシ樹脂3次元架橋構造への(メタ)ア
クリレート樹脂の界面結合および接着が弱くなる傾向と
なり、剛性の向上や十分な衝撃強度を得ることができな
い場合がある。さらに、この重合体は粒径が微細である
ことが必要であり、平均粒径が1〜100μmの範囲に
あることが望ましい。そして、平均粒径が1μmよりも
小さい場合、粒子相互の吸着力によりエポキシ樹脂中へ
の分散が悪くなる傾向となるため、生産、混合時に支障
をきたすことがある。また、平均粒径が100μmより
大きい場合には、組成物となした場合、擬似硬化性が劣
ると共に耐衝撃性が低下する傾向となる。
【0055】本発明の実施態様におけるエポキシ樹脂系
組成物において(C)成分として用いられるエポキシ樹
脂用熱活性型硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミ
ド、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、2−n−
ヘプタデシルイミダゾールのようなイミダゾール誘導
体、イソフタル酸ジヒドラジド、N,N−ジアルキル尿
素誘導体、N,N−ジアルキルチオ尿素誘導体、テトラ
ヒドロ無水フタル酸のような酸無水物、イソホロンジア
ミン、m−フェニレンジアミン、N−アミノエチルピペ
ラジン、メラミン、グアナミン、三フッ化ホウ素錯化合
物、トリスジメチルアミノメチルフェノール等が挙げら
れ、これらは1種用いても良いし、2種以上を組み合わ
せて用いても良いが、これらの中で、特にジシアンジア
ミドが好適である。この場合、十分な発泡を行うには、
電着塗装の焼き付け温度を140〜210℃の範囲とす
ることが望ましく、焼き付け時間は、10〜30分の範
囲が好適である。
【0056】この(C)成分の熱活性型硬化剤の配合量
は、特に限定されるものではないが、通常、(A)成分
のエポキシ樹脂100重量部に対して3〜30重量部が
好適である。そして、この量が3重量部未満では、十分
に硬化せず、剛性/強度が著しく低下する原因となるこ
とがあり、また、30重量部を超えると硬化時に過剰な
発熱反応を伴い部分的な分解や熱劣化を引き起こし、組
成物の機械的強度を著しく損なう原因となることがあ
る。
【0057】本発明の実施態様におけるエポキシ樹脂系
組成物において(D)成分として用いられる有機系熱分
解型発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、
アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ化合物、ジニ
トロソペンタメチレンテトラミンのようなニトロソ化合
物、p−トルエンスルホニルヒドラジド、4,4´−オ
キシベンゼンスルホニルヒドラジドのようなスルホヒド
ラジド化合物等の有機系熱分解型発泡剤が挙げられ、こ
れらは、1種用いても良いし、2種以上を組み合わせて
用いても良いが、これらの中で、特にアゾジカルボンア
ミドが好適である。
【0058】なお、有機系熱分解型発泡剤を用いる場合
には、通常、発泡適正温度を制御するために発泡助剤と
して、亜鉛華、硝酸亜鉛、フタル酸鉛、炭酸鉛、三塩基
性リン酸鉛、三塩基性硫酸鉛等の無機塩、亜鉛脂肪酸石
けん、鉛脂肪酸石けん、カドミウム脂肪酸石けん等の金
属石けん、ホウ酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸等
の酸類、尿素、ビウレア、エタノールアミン、グリコー
ル、グリセリン等の内から1種類以上のものを混合して
使用することができる。
【0059】この(D)成分の熱分解型発泡剤の配合量
は、特に限定されるものではないが、通常、(A)成分
のエポキシ樹脂100重量部に対して0.5〜100重
量部の範囲が好適である。この場合、この量が0.5重
量部未満では、発泡が不十分となる傾向となり、また、
100重量部を超えると発泡セルが大きくなりすぎ、安
定した機械特性が得られない傾向となる。
【0060】本発明の実施態様におけるエポキシ樹脂系
組成物において(E)成分として用いられる無機系充填
剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、クレ
ー、マイカ、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、シラ
スバルーンなどが挙げられ、これらは、1種用いても良
いし、2種以上を組み合わせて用いても良いが、これら
の中で、特に炭酸カルシウムが好適である。
【0061】この(E)成分として用いられる無機系充
填剤の配合量は、特に限定されるものではないが、通
常、(A)成分のエポキシ樹脂100重量部に対して3
〜150重量部である。そして、この量が3重量部未満
では、十分に補強効果が得られないことがあり、また、
150重量部を超えると粘度が著しく増加して塗布する
ことが困難となるとともに、組成物が脆くなり機械的強
度を著しく損なう原因となることがある。
【0062】本発明の実施態様において用いることがで
きるエポキシ樹脂系組成物は、(A)成分のエポキシ樹
脂に、(B)成分のアクリレートもしくはメタクリレー
ト樹脂粉末粒子、(C)成分の熱活性型硬化剤、(D)
成分の熱分解型発泡剤、(E)成分の無機系充填剤、お
よび所望に応じて用いられる添加成分を配合し、均一に
混合することにより調整することができる。そして、こ
の組成物に配合される添加成分としては、例えば、可塑
剤、希釈剤、安定剤、乳化剤、強化剤、着色剤、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、滑剤などが挙げられる。
【0063】
【発明の効果】本発明による箱型構造部材では、請求項
1に記載しているように、中空部を形成する箱型構造用
基材の内面の少なくとも一部に擬似硬化性を有する接着
剤を介して補強材を固定すると共に、箱型構造用基材の
補強材を固定しない内面と補強材の内面とで形成される
中空部内に擬似硬化性を有する樹脂性発泡体を充填して
剛性を向上してなる構成としたから、例えば、この箱型
構造部材を車体等の補強部材として適用した場合に、車
体等としての適正なエネルギー吸収特性を最小の重量増
でかつ生産性高く得ることが可能であり、今日の社会的
要請により車体等の軽量化を実現する場合に有効な補強
部材を提供することが可能であるという著しく優れた効
果がもたらされる。
【0064】そして、請求項2に記載しているように、
中空部を形成する箱型構造用基材は、少なくともいずれ
かが凹形状をなす一方側および他方側の箱型構造用基材
により形成され、一方側の箱型構造用基材の内面の少な
くとも一部に擬似硬化性を有する接着剤を介して補強材
を固定すると共に、一方側および他方側の箱型構造用基
材の補強材を固定しない内面と補強材の内面とで形成さ
れる中空部内に擬似硬化性を有する樹脂性発泡体を充填
して剛性を向上してなるものとすることによって、箱型
構造用基材の内面での補強材の固定や、箱型構造用基材
の内面や補強材の内面への流動状樹脂性発泡素材の塗布
やシート状樹脂性発泡素材の配設を著しく容易に行うこ
とが可能であり、剛性が高くかつ生産性のよい箱型構造
部材とすることが可能であるという著しく優れた効果が
もたらされる。
【0065】また、請求項3に記載しているように、樹
脂製発泡体として、(A)ビスフェノールAおよび/ま
たはビスフェノールFから誘導されたエポキシ樹脂10
0重量部に対し、(B)アクリレートもしくはメタクリ
レート重合体10〜100重量部と、(C)エポキシ樹
脂用熱活性型硬化剤3〜30重量部と、(D)有機系熱
分解型発泡剤0.5〜100重量部と、(E)無機系充
填剤3〜150重量部と、を少なくとも含むものを用い
るようになすことによって、エポキシ樹脂がもつ優れた
強靭性を活用することができ、車体等としての適正なエ
ネルギー吸収特性を最小の重量増でかつ生産性高く得る
ことが可能であるという著しく優れた効果がもたらされ
る。
【0066】さらに、請求項4に記載しているように、
(B)アクリレートもしくはメタクリレート重合体は、
(a)ガラス転移温度が−30℃以下のアクリレートま
たはメタクリレート系重合体からなるコア成分と、
(b)(イ)アクリレートまたはメタクリレート系重合
体と、(ロ)カルボキシル基を有する炭素数3〜8のラ
ジカル重合性不飽和カルボン酸単量体と、(ハ)架橋性
単量体と、から少なくとも成るガラス転移温度が70℃
以上の共重合体からなるシェル成分と、を少なくとも含
んで構成され、かつ、コア成分/シェル成分の重量比が
10/1〜1/4の範囲にある共重合体樹脂粒子に一価
または二価の金属カチオンを付加してイオン架橋させた
樹脂粉末粒子であるものとすることによって、熱による
可逆的な架橋であるイオン架橋構造を活用することがで
き、コアシェル型のアクリレートもしくはメタクリレー
ト系共重合樹脂粒子をイオン架橋することによって、粒
子によるエポキシ樹脂母材の膨潤現象を防止すると共
に、耐衝撃性を備えたエポキシ樹脂組成物とすることが
可能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0067】あるいまた、請求項5に記載しているよう
に、(B)アクリレートもしくはメタクリレート重合体
は、エポキシ基を0.2重量%以上含有する樹脂粉末粒
子であるものとすることによって、耐衝撃性を備えたエ
ポキシ樹脂組成物とすることが可能であるという著しく
優れた効果がもたらされる。
【0068】本発明による箱型構造部材の製造方法で
は、請求項6に記載しているように、中空部を形成する
箱型構造用基材の内面の少なくとも一部に擬似硬化性を
有する接着剤を介して補強材を仮固定すると共に、箱型
構造用基材の補強材を仮固定しない内面と補強材の内面
のうち少なくとも一部に擬似硬化性を有する流動状樹脂
性発泡素材を塗布したのち加熱して擬似硬化させ、塗装
時の焼付工程で樹脂性発泡素材を発泡させて箱型構造用
基材の補強材を固定しない内面と補強材の内面とで形成
される中空部内に樹脂性発泡体を充填して剛性を向上す
るようにしたから、塗布した樹脂性発泡素材が加熱によ
り擬似硬化したものとすることによって液垂れなどとい
った不具合が発生するのを防止することができ、車体等
としての適正なエネルギー吸収特性をもつ箱型構造部材
を最小の重量増で生産性高く製造することが可能である
という著しく優れた効果がもたらされる。
【0069】そして、請求項7に記載しているように、
中空部を形成する箱型構造用基材は、少なくともいずれ
かが凹形状をなす一方側および他方側の箱型構造用基材
により形成され、一方側の箱型構造用基材の内面の少な
くとも一部に擬似硬化性を有する接着剤を介して補強材
を固定すると共に、一方側および他方側の箱型構造用基
材の補強材を固定しない内面と補強材の内面のうち少な
くとも一部に擬似硬化性を有する流動状樹脂性発泡素材
を塗布したのち加熱して擬似硬化させ、塗装時の焼付工
程で樹脂性発泡素材を発泡させて一方側および他方側の
箱型構造用基材の補強材を固定しない内面と補強材の内
面とで形成される中空部内に樹脂性発泡体を充填して剛
性を向上するようになすことによって、箱型構造用基材
の内面での補強材の固定や、箱型構造用基材の内面や補
強材内面への流動状樹脂性発泡素材の塗布を著しく容易
に行うことが可能であると共に、擬似硬化させたものと
することによって液垂れなどの不具合の発生を防止する
ことが可能であり、良好なエネルギー吸収特性をそなえ
た軽量な箱型構造部材を製造することが可能であるとい
う著しく優れた効果がもたらされる。
【0070】本発明による他の箱型構造部材の製造方法
では、請求項8に記載しているように、中空部を形成す
る箱型構造用基材の内面の少なくとも一部に擬似硬化性
を有する接着剤を介して補強材を仮固定すると共に、箱
型構造用基材の補強材を固定しない内面と補強材の内面
のうち少なくとも一部に加熱により擬似硬化しているシ
ート状樹脂性発泡素材を所定形状にトリミングして仮固
定し、塗装時の焼付工程で樹脂性発泡素材を発泡させて
箱型構造用基材の補強材を固定しない内面と補強材の内
面とで形成される中空部内に樹脂性発泡体を充填して剛
性を向上するようにしたから、加熱により擬似硬化して
いるシート状樹脂性発泡素材を仮固定することによって
脱落や流出などといった不具合が発生するのを防止する
ことができ、車体等としての適正なエネルギー吸収特性
をもつ箱型構造部材を最小の重量増で生産性高く製造す
ることが可能であるという著しく優れた効果がもたらさ
れる。
【0071】そして、請求項9に記載しているように、
中空部を形成する箱型構造用基材は、少なくともいずれ
かが凹形状をなす一方側および他方側の箱型構造用基材
により形成され、一方側の箱型構造用基材の少なくとも
一部に擬似硬化性を有する接着剤を介して補強材を仮固
定すると共に、一方側および他方側の箱型構造用基材の
補強材を固定しない内面と補強材の内面のうち少なくと
も一部に加熱により擬似硬化しているシート状樹脂性発
泡素材を所定形状にトリミングして仮固定し、塗装時の
焼付工程で樹脂性発泡素材を発泡させて一方側および他
方側の箱型構造用基材の補強材を固定しない内面と補強
材の内面とで形成される中空部内に樹脂性発泡体を充填
して剛性を向上するようになすことによって、箱型構造
用基材の内面での補強材の固定や、箱型構造用基材の内
面や補強材の内面でのシート状樹脂性発泡素材の固定を
著しく容易に行うことが可能であると共に、加熱により
擬似硬化しているシート状のものとすることによって脱
落や流出などといった不具合の発生を防止することが可
能であり、良好なエネルギー吸収特性をそなえた軽量な
箱型構造部材を製造することが可能であるという著しく
優れた効果がもたらされる。
【0072】本発明による車体の補強構造では、請求項
10に記載しているように、請求項1ないし5のいずれ
かに記載の箱型構造部材を用い、補強材を固定した部分
を車体の室外側に向けて取り付けるようにしたから、車
体として必要なエネルギー吸収特性の適正化を最小の重
量増で実現することが可能であるという著しく優れた効
果がもたらされる。
【0073】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によりさ
らに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実
施例によって限定されるものではない。そして、本発明
の実施例において組成物の物性については、次に示す方
法により評価した。
【0074】(1)擬似硬化性 未処理の冷延鋼板(SPCC)に塗布ガンを用いて擬似
硬化性を有する流動状エポキシ樹脂系組成物の塗布を行
い、110℃でかつ20秒の熱風で擬似硬化させた後、
160℃の熱風型乾燥炉に20分間放置してエポキシ樹
脂系組成物を発泡させ、次の判定基準に従って評価し
た。
【0075】 ○:ゲル化した組成物が脱落せず、十分に発泡している
もの △:ゲル化した組成物が脱落するか、または発泡が不十
分なもの ×:ゲル化しないもの (2)衝撃試験(耐衝撃性) あらかじめ断面寸法が50mm×25mmとなるように
プレス成形された長さ700mmの凹形状をなす一方側
の箱型構造用基材である冷延鋼板(SPCC)に、長さ
700mmにわたり塗布ガンを用いて擬似硬化性を有す
る流動状エポキシ樹脂系組成物の塗布を行い、110℃
でかつ20秒の熱風で擬似硬化させるか、もしくは、あ
らかじめ加熱して擬似硬化させて成形したシート状エポ
キシ樹脂系組成物を700mm×50mmの大きさに切
断し、粘着剤を介して貼り付ける。そして、この凹形状
をなす一方側の箱型構造用基材である鋼板に同じく凹形
状をなす他方側の箱型構造用基材である冷延鋼板(SP
CC)をスポット溶接により一体化して断面形状が50
mm×50mmの箱型構造部材の骨格となし、これを温
度が160℃の熱風型乾燥炉に20分間放置してエポキ
シ樹脂系組成物を発泡・充填させることによって箱型構
造部材とする。
【0076】このようにして組み上げた箱型構造部材を
用いて、落下式衝撃試験機により、下記(3)に示す曲
げ試験に供したものと同一の試験片を用い、重量5kg
fの半球型落下子を7m/secの速度で衝突させ、発
泡体の破壊の有無を次の判定基準に従って評価した。
【0077】 ○:発泡体の破壊がみられないもの △:発泡体の一部が破壊するもの ×:発泡体が完全に破壊するもの (3)曲げ試験(部材剛性) 上記(2)で用いたのと同様の箱型構造部材を用い、図
6に示すように、間隔をおいて並べた二つの支持体6
1,62の上に載せた箱型構造部材11の中央部分で圧
子63により加圧する曲げ試験を行い、エポキシ樹脂系
組成物の発泡体を充填していない箱型構造部材と比較
し、剛性を次の判定基準に従って評価した。また、必要
に応じて、凹形状をなす箱型構造用基材である冷延鋼板
の内側に補強材をスポット溶接のみにより固定したも
の、スポット溶接+接着により固定したもの、接着のみ
で固定したものの評価をも行った。そして、荷重は、車
体への箱型構造部材の取り付けに際して、補強材を固定
した側を室外側に向けて取り付けることを考慮して補強
材を固定した側から加えた。
【0078】 ○:反力が顕著に向上したもの △:反力は向上するが満足のいくレベルではないもの ×:反力の向上がみられないもの (従来例1)従来例1の車体補強用箱型構造部材を図2
に示す。この図2に示す車体補強用箱型構造部材21
は、あらかじめ断面寸法が50mm×25mmとなるよ
うにプレス成形された長さ700mmの凹形状をなす一
方側および他方側の箱型構造用基材であるSPCC鋼板
22,23を用いてスポット溶接部24,25を介して
一体化した箱型断面構造部材である。
【0079】(従来例2)従来例2の車体補強用箱型構
造部材を図3に示す。この図3に示す車体補強用箱型構
造部材31は、図2に示したと同じ凹形状をなす一方側
の箱型構造用基材であるSPCC鋼板32の内側に、凹
形状をなす補強材36をスポット溶接部37,38を介
して接合し、図2に示したと同様に凹形状をなす他方側
の箱型構造用基材であるSPCC鋼板33とスポット溶
接部34,35を介して一体化した箱型断面構造部材で
ある。
【0080】(比較例1)比較例1の車体補強用箱型構
造部材を図4に示す。この図4に示す車体補強用箱型構
造部材41は、図2に示したと同じ凹形状をなす一方側
の箱型構造用基材であるSPCC鋼板42の内側に、凹
形状をなす補強材46を接着剤49により接合し、図2
に示したと同様に凹形状をなす他方側の箱型構造用基材
であるSPCC鋼板43とスポット溶接部44,45を
介して一体化した箱型断面構造部材である。
【0081】(比較例2)比較例2の車体補強用箱型構
造部材を図5に示す。この図5に示す車体補強用箱型構
造部材51は、図2に示したと同じ凹形状をなす一方側
の箱型構造用基材であるSPCC鋼板52の内側に、凹
形状をなす補強材56をスポット溶接部57,58と接
着剤59により接合し、図2に示したと同様に凹形状を
なす他方側の箱型構造用基材であるSPCC鋼板53と
スポット溶接部54,55を介して一体化した箱型断面
構造部材である。
【0082】(実施例1)実施例1の車体補強用箱型構
造部材を図1に示す。この図1に示す車体補強用箱型構
造部材11は、あらかじめ断面寸法が50mm×25m
mとなるようにプレス成形された長さ700mmの凹形
状をなす一方の箱型構造用基材であるSPCC鋼板12
の内側に、凹形状をなす補強材6を擬似硬化性を有する
接着剤19によって接合されているものを用いる。
【0083】他方、下記に示す組成の未硬化の擬似硬化
性を有するエポキシ樹脂系発泡素材を110℃に設定さ
れた押出機を使用して擬似硬化した厚さ15mmのシー
トを作製し、このシートを50mm×700mmの大き
さに切り出した後、ブチル系粘着剤を介して、あらかじ
め断面寸法が50mm×25mmとなるようにプレス成
形された長さ700mmの凹形状をなす他方側の箱型構
造用基材であるSPCC鋼板13に接着し、この鋼板1
3と補強材16を接着・固定した鋼板12とをスポット
溶接部14,15を介して一体化することによって、箱
型構造部材の骨格に組み上げた。
【0084】このようにして組み上げた箱型構造部材の
骨格を用いて温度が160℃の熱風型乾燥炉に20分間
放置してエポキシ樹脂系組成物を発泡・充填させること
によって本発明実施例1の箱型構造部材11を得た。
【0085】次で、ここで得た箱型構造部材11に対し
て図6に示した要領で曲げ試験を行い、エポキシ樹脂系
組成物を充填していない箱型構造部材と比較して、剛性
および強度の向上を確認した。
【0086】本実施例で用いたエポキシ樹脂系発泡素材
は、表1の実施例1の欄に示すように、n−ブチルアク
リレート47重量部を炭素数12〜18のソジウムアル
キルフェート1.0重量部を乳化剤として、過硫酸カリ
ウム触媒0.1重量部を添加し、水150重量部中で重
合温度70℃にて180分間攪拌して乳化重合を行い、
ポリn−ブチルアクリレートのコア部微粒子分散重合液
を製造し、続いて、この重合液にメチルメタクリレート
47重量部を180分間かけて連続的に添加してコア部
粒子表面にシェル部を形成するコア/シェル乳化重合を
行った。この重合において、前記メチルメタクリレート
の重合が50%に達した時点で、メタクリル酸5重量部
および架橋剤としてテトラエチレングリコールジメタク
リレート(TEGDMA)1重量部を連続的に添加し
て、共重合を完成させた。
【0087】重合後のラテックスに水酸化カリウム1重
量%水溶液で室温にて2重量部添加し、30分間攪拌し
た。次いでこれを150℃の熱風を用いて噴霧乾燥して
平均粒径が0.2〜0.3μmの補強剤樹脂粒子を得
た。
【0088】このようにして得られた補強剤樹脂粒子、
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、硬化剤ジシアン
ジアミド、有機系発泡剤アゾジカルボンアミドおよび無
機系充填剤炭酸カルシウムを同じく表1の実施例1の欄
に示す割合でプラネタリーミキサーを用いて室温で混合
することによりエポキシ樹脂系組成物を調整し、その
後、前記したように箱型構造部材に組み上げて擬似硬化
性、耐衝撃性、部材剛性について評価を行った。その結
果を同じく表1の実施例1の欄に示す。
【0089】(比較例3)この比較例3では、表1の比
較例3の欄に示すように、実施例1と同様の重合を行
い、得られた共重合ラテックスに水酸化カリウムを添加
せず、以下、実施例1と同様に乾燥および混合してエポ
キシ樹脂系組成物を調整し、実施例1と同様の部材評価
を行った。その結果を同じく表1の比較例3の欄に示
す。
【0090】(実施例2,3)この実施例2,3では、
表1の実施例2,3の欄に示すように、実施例1とまっ
たく同様の重合を行い、得られた共重合ラテックスに二
価のカチオン供給体として、実施例2では酢酸カルシウ
ムを用い、実施例3では酢酸亜鉛を用いてそれぞれ1重
量%水溶液で2重量部添加し、以下、実施例1と同様に
乾燥および混合してエポキシ樹脂系組成物を調整し、実
施例1と同様の部材評価を行った。その結果を同じく表
1の実施例2,3の欄に示す。
【0091】(比較例4)この比較例4では、表1の比
較例4の欄に示すように、実施例1とまったく同様の重
合を行い、得られた共重合ラテックスに三価のカチオン
供給体として、水酸化アルミニウムを1重量%水溶液で
2重量部添加し、以下、実施例1と同様に乾燥および混
合してエポキシ樹脂系組成物を調整し、実施例1と同様
の部材評価を行った。その結果を同じく表1の比較例4
の欄に示す。
【0092】(比較例5)この比較例5では、表2の比
較例5の欄に示すように、実施例1とまったく同様の重
合を行い、得られた共重合ラテックスに一価の非金属系
カチオン供給体として、水酸化アンモニウムを1重量%
水溶液で2重量部添加し、以下、実施例1と同様に乾燥
および混合してエポキシ樹脂系組成物を調整し、実施例
1と同様の部材評価を行った。その結果を同じく表2の
比較例5の欄に示す。
【0093】(実施例4,5)この実施例4,5では、
表2の実施例4,5の欄に示すように、実施例1とまっ
たく同様にコア部の重合を行い、シェル部の重合を行う
際に、メチルメタクリレートの添加量が50%に達した
時点で、実施例4ではマレイン酸を、実施例5ではアク
リル酸をそれぞれ5重量部およびテトラエチレングリコ
ールジメタクリレート(TEGDMA)1重量部を連続
的に添加して、実施例1と同様の条件で重合して、実施
例1とはカルボン酸単量体の種類が異なる共重合体を完
成させた。
【0094】そして、重合後のラテックスに水酸化カリ
ウム1重量%水溶液で室温にて2重量部添加し、実施例
1と同様の操作により補強剤樹脂粒子を得た。
【0095】このようにして得られた補強剤樹脂粒子、
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、硬化剤ジシアン
ジアミド、有機系発泡剤アゾジカルボンアミドおよび無
機系充填剤炭酸カルシウムを同じく表2の実施例4,5
の欄に示す割合でプラネタリーミキサーを用いて室温で
混合することによりエポキシ樹脂系組成物を調整した。
【0096】次いで、このエポキシ樹脂系組成物をあら
かじめ断面寸法が50mm×50mmとなるように実施
例1の場合よりも深くプレス成形された長さ700mm
の凹形状をなす箱型構造用基材であるSPCC鋼板に長
さ700mmにわたり塗布ガンを用いて塗布を行い、1
10℃でかつ20秒の熱風で擬似硬化させた。次に、こ
の凹形状をなす鋼板部材に平板形状をなす箱型構造用基
材であるクロージングプレートをスポット溶接により一
体化して箱型構造部材の骨格となし、これを温度が16
0℃の熱風型乾燥炉に20分間放置してエポキシ樹脂系
組成物を発泡・充填させることによって本発明実施例
4,5の箱型構造部材を得た。
【0097】次いで、このようにして組み上げた箱型構
造部材を用いて実施例1と同様の部材評価を行った。そ
の結果を同じく表2の実施例4,5の欄に示す。
【0098】(比較例6)この比較例6では、表2の比
較例6の欄に示すように、n−ブチルアクリレート4
9.5重量部を炭素数12〜18のソジウムアルキルフ
ェート1.0重量部を乳化剤として、実施例1と同様の
重合条件の乳化重合法により重合を行い、ポリn−ブチ
ルアクリレートのコア部微粒子分散重合液を製造し、続
いて、この重合液にメチルメタクリレート49.5重量
部を180分間かけて連続的に添加してコア部粒子表面
にシェル部を形成するコア/シェル乳化重合を行った。
この重合において、前記メチルメタクリレートの添加量
が50%に達した時点で、テトラエチレングリコールジ
メタクリレート(TEGDMA)1重量部を連続的に添
加して、共重合を完成させた。
【0099】重合後のラテックスに水酸化カリウム1重
量%水溶液で室温にて2重量部添加し、30分間攪拌し
た。次いでこれを150℃の熱風を用いて噴霧乾燥して
補強剤樹脂粒子を得た。
【0100】このようにして得られた補強剤樹脂粒子、
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、硬化剤ジシアン
ジアミド、有機系発泡剤アゾジカルボンアミドおよび無
機系充填剤炭酸カルシウムを同じく表2の比較例6の欄
に示す割合でプラネタリーミキサーを用いて室温で混合
することによりエポキシ樹脂系組成物を調整した。
【0101】次に、このエポキシ樹脂系組成物を用いて
組み上げた箱型構造部材について実施例1と同様の部材
評価を行った。その結果を同じく表2の比較例6の欄に
示す。
【0102】(比較例7)この比較例7では、表2の比
較例7の欄に示すように、実施例1において、架橋成分
を用いなかったこと以外は、実施例1と全く同様にして
実施した。その結果を同じく表2の比較例7の欄に示
す。
【0103】(実施例6,7)この実施例6,7では、
表3の実施例6,7の欄に示すように、実施例1とまっ
たく同様にコア部の重合を行い、シェル部の重合を行う
際に、メチルメタクリレートの添加量が50%に達した
時点で、実施例6ではトリアリルトリメテートを、実施
例7ではトリメチロールプロパントリメタクリレート
(TMPT)を架橋剤としてそれぞれ0.5重量部およ
び1重量部併用して実施例1とは架橋剤の種類が異なる
共重合体を完成させた。
【0104】そして、重合後のラテックスに水酸化カリ
ウム1重量%水溶液で室温にて2重量部添加し、実施例
1と同様の操作により補強剤樹脂粒子を得た。
【0105】このようにして得られた補強剤樹脂粒子、
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、硬化剤ジシアン
ジアミド、有機系発泡剤アゾジカルボンアミドおよび無
機系充填剤炭酸カルシウムを同じく表3の実施例6,7
の欄に示す割合でプラネタリーミキサーを用いて室温で
混合することによりエポキシ樹脂系組成物を調整した。
【0106】次いで、このエポキシ樹脂系組成物をあら
かじめ断面寸法が50mm×50mmとなるように実施
例1の場合よりも深くプレス成形された長さ700mm
の凹形状をなす箱型構造用基材であるSPCC鋼板に長
さ700mmにわたり塗布ガンを用いて塗布を行い、1
10℃でかつ20秒の熱風で擬似硬化させた。次に、こ
の凹形状をなす鋼板部材に平板形状をなす箱型構造用基
材であるクロージングプレートをスポット溶接により一
体化して箱型構造部材の骨格となし、これを温度が16
0℃の熱風型乾燥炉に20分間放置してエポキシ樹脂系
組成物を発泡・充填させることによって本発明実施例
6,7の箱型構造部材を得た。
【0107】次いで、このようにして組み上げた箱型構
造部材を用いて実施例1と同様の部材評価を行った。そ
の結果を同じく表3の実施例6,7の欄に示す。
【0108】(実施例8)この実施例8では、表3の実
施例8の欄に示すように、実施例1において、コア部の
重合に用いたn−ブチルアクリレートの代わりに、2−
エチルヘキシルアクリレートを用いた以外は、実施例1
と同様にして実施した。その結果を同じく表3の実施例
8の欄に示す。
【0109】(比較例8,9)この比較例8,9におい
て、表3の比較例8,9の欄に示すように、比較例8で
は実施例1に示すようなコア部の重合を行わず、直接シ
ェル部の重合をメチルメタクリレートとメタクリル酸と
TEGDAMを用いて乳化重合を行った。また、表3の
比較例9の欄に示すように、比較例9では逆にシェル部
の重合を行わず、n−ブチルアクリレートと、メタクリ
ル酸と、TEGDAMの共重合体ラテックスを作製し、
その後は実施例1と同様な操作によりエポキシ樹脂系組
成物の調整を行ったが、擬似硬化が見られなかったため
箱型構造部材での評価は行わなかった。
【0110】(比較例10)この比較例10では、表4
の比較例10の欄に示すように、実施例1において、シ
ェル部の重合用単量体としてメチルメタクリレートの代
わりに、n−ブチルメタクリレートを使用した以外は、
実施例1と全く同様にして実施した。その結果を同じく
表4の比較例10の欄に示す。
【0111】(実施例9,10)この実施例9,10で
は、表4の実施例9,10の欄に示すように、アクリル
系コア/シェル型補強剤樹脂粒子の重合については実施
例1と全く同様に行った。また、得られた重合体ラテッ
クスへのカチオン供給体添加と噴霧乾燥についても実施
例1と同様に行った。そして、この後に接着性組成物を
調整する段階で使用するエポキシ樹脂の配合に際し、実
施例9においては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と
ビスフェノールF型エポキシ樹脂を7:3で混合したも
のを用い、実施例10においては、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂を完全にビスフェノールF型エポキシ樹脂
に置換して用いた。その後の性能評価についても実施例
1と同様に行った。その結果を同じく表4の実施例9,
10の欄に示す。
【0112】(実施例11,12)この実施例11,1
2では、表4の実施例11,12の欄に示すように、実
施例1において、無機系充填剤の種類を炭酸カルシウム
からタルクに置換したものが実施例11であり、シリカ
に置換したものが実施例12である。そして、性能評価
についても実施例1と同様に行った。その結果を同じく
表4の実施例11,12の欄に示す。
【0113】(比較例11,12)この比較例11,1
2では、表5の比較例11,12の欄に示すように、ア
クリル系コア/シェル型補強剤樹脂粒子を作製する際の
コアとシェルの各単量体の添加比を変えたもので、実施
例1のコア/シェル=47/47重量部に対して、コア
/シェル=90/4重量部としたものが比較例11であ
り、コア/シェル=14/80重量部としたものが比較
例12である。そして、メタクリル酸やTEGDMAや
カチオン供給体の添加量は実施例1と同様にし、噴霧乾
燥、接着組成物の調整についても実施例1と全く同様に
して行った。その結果を同じく表5の比較例11,12
の欄に示す。
【0114】(実施例13,14)この実施例13,1
4では、表5の実施例13,14の欄に示すように、ア
クリル系コア/シェル型補強剤樹脂粒子の重合について
は実施例1と同様に行ったが、エポキシ樹脂との混合時
に、アクリル系コア/シェル型補強材樹脂粒子の配合量
がエポキシ樹脂200重量部に対して20重量部となる
ようにしたものが実施例13であり、アクリル系コア/
シェル型補強剤樹脂粒子の配合量がエポキシ樹脂200
重量部に対して約200重量部となるようにしたものが
実施例14である。そして、その他については実施例1
と同様にして行った。その結果を同じく表5の実施例1
3,14の欄に示す。
【0115】(比較例13,14)この比較例13,1
4では、表5,6の比較例13,14の欄に示すよう
に、アクリル系コア/シェル型補強剤樹脂粒子の重合に
ついては実施例1と同様に行ったが、エポキシ樹脂との
混合時に、アクリル系コア/シェル型補強材樹脂粒子の
配合量がエポキシ樹脂200重量部に対して10重量部
となるようにしたものが比較例13であり、アクリル系
コア/シェル型補強剤樹脂粒子の配合量がエポキシ樹脂
200重量部に対して220重量部となるようにしたも
のが比較例14である。そして、その他については実施
例1と同様にして行った。その結果を同じく表5,6の
比較例13,14の欄に示す。
【0116】(実施例15,16)この実施例15,1
6では、表6の実施例15,16の欄に示すように、ア
クリル系コア/シェル型補強剤樹脂粒子の重合について
は実施例1と同様にして行ない、また、組成物となすと
きにエポキシ樹脂およびアクリル系コア/シェル型補強
剤樹脂粒子の配合量についても実施例1と同様にして行
ったが、エポキシ樹脂200重量部に対して硬化剤であ
るジシアンジアミドの配合量が10重量部となるように
したものが実施例15であり、エポキシ樹脂200重量
部に対して硬化剤であるジシアンジアミドの配合量が5
0重量部となるようにしたものが実施例16である。そ
して、その他については実施例1と同様にして行った。
その結果を同じく表6の実施例15,16の欄に示す。
【0117】(比較例15,16)この比較例15,1
6では、表6の比較例15,16の欄に示すように、ア
クリル系コア/シェル型補強剤樹脂粒子の重合について
は実施例1と同様にして行ない、また、組成物となすと
きにエポキシ樹脂およびアクリル系コア/シェル型補強
剤樹脂粒子の配合量についても実施例1と同様にして行
ったが、エポキシ樹脂200重量部に対して硬化剤であ
るジシアンジアミドの配合量が4重量部となるようにし
たものが比較例15であり、エポキシ樹脂200重量部
に対して硬化剤であるジシアンジアミドの配合量が70
重量部となるようにしたものが比較例16である。そし
て、その他については実施例1と同様にして行った。そ
の結果を同じく表6の比較例15,16の欄に示す。
【0118】(実施例17,18)この実施例17,1
8では、表7の実施例17,18の欄に示すように、ア
クリル系コア/シェル型補強剤樹脂粒子の重合について
は実施例1と同様にして行ない、また、組成物となすと
きにエポキシ樹脂およびアクリル系コア/シェル型補強
剤樹脂粒子の配合量についても実施例1と同様にして行
ったが、エポキシ樹脂200重量部に対して発泡剤であ
るアゾジカルボンアミドの配合量が2重量部となるよう
にしたものが実施例17であり、エポキシ樹脂200重
量部に対して発泡剤であるアゾジカルボンアミドの配合
量が160重量部となるようにしたものが実施例18で
ある。そして、その他については実施例1と同様にして
行った。その結果を同じく表7の実施例17,18の欄
に示す。
【0119】(比較例17,18)この比較例17,1
8では、表7の比較例17,18の欄に示すように、ア
クリル系コア/シェル型補強剤樹脂粒子の重合について
は実施例1と同様にして行ない、また、組成物となすと
きにエポキシ樹脂およびアクリル系コア/シェル型補強
剤樹脂粒子の配合量についても実施例1と同様にして行
ったが、エポキシ樹脂200重量部に対して発泡剤であ
るアゾジカルボンアミドの配合量が0.2重量部となる
ようにしたものが比較例17である。そして、比較例1
7においては、組成物の発泡が不十分であり、箱型構造
部材への充填が不十分であった。また、比較例18もエ
ポキシ樹脂に対するアクリル系コア/シェル型補強剤樹
脂粒子の配合量は実施例1と同じであるが、エポキシ樹
脂200重量部に対して発泡剤であるアゾジカルボンア
ミドの配合量が200重量部となるように調整したもの
である。この比較例18においては箱型構造部材の両端
開放面から組成物があふれだしたため、これを取り除い
て評価を行った。
【0120】(実施例19,20)この実施例19,2
0では、表7,8の実施例19,20の欄に示すよう
に、アクリル系コア/シェル型補強剤樹脂粒子の重合に
ついては実施例1と同様にして行ない、また、組成物と
なすときにエポキシ樹脂およびアクリル系コア/シェル
型補強剤樹脂粒子の配合量についても実施例1と同様に
して行ったが、エポキシ樹脂200重量部に対して充填
剤である炭酸カルシウムの配合量が10重量部となるよ
うにしたものが実施例19であり、エポキシ樹脂200
重量部に対して充填剤である炭酸カルシウムの配合量が
300重量部となるようにしたものが実施例20であ
る。そして、その他については実施例1と同様にして行
った。その結果を同じく表7,8の実施例19,20の
欄に示す。
【0121】(比較例19,20)この比較例19,2
0では、表8の比較例19,20の欄に示すように、ア
クリル系コア/シェル型補強剤樹脂粒子の重合について
は実施例1と同様にして行ない、また、組成物となすと
きにエポキシ樹脂およびアクリル系コア/シェル型補強
剤樹脂粒子の配合量についても実施例1と同様にして行
ったが、エポキシ樹脂200重量部に対して充填剤であ
る炭酸カルシウムの配合量が2重量部となるようにした
ものが比較例19であり、エポキシ樹脂200重量部に
対して充填剤である炭酸カルシウムの配合量が400重
量部となるようにしたものが比較例20である。そし
て、その他については実施例1と同様にして行った。そ
の結果を同じく表8の比較例19,20の欄に示す。
【0122】(実施例21)この実施例21では、表8
の実施例21の欄に示すように、実施例1と全く同様の
重合を行うことによって補強剤樹脂粒子を得た。そし
て、このようにして得られた補強剤樹脂粒子、液状ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、硬化剤ジシアンジアミ
ド、有機系発泡剤アゾジカルボンアミドおよび無機系充
填剤炭酸カルシウムを同じく表8の実施例21の欄に示
す割合でプラネタリーミキサーを用いて室温で混合する
ことによりエポキシ樹脂系組成物を調整した。
【0123】次いで、このエポキシ樹脂系組成物をあら
かじめ断面寸法が50mm×25mmとなるようにプレ
ス成形された長さ700mmの凹形状をなす他方側の箱
型構造用基材である冷延鋼板に長さ700mmにわたり
塗布ガンを用いて塗布を行い、110℃でかつ20秒の
熱風で擬似硬化させた。次に、この凹形状をなす他方側
の箱型構造用基材である鋼板部材に補強材を接着剤によ
り接合した断面寸法が50mm×25mmの凹形状をな
す一方側の箱型構造用基材である冷延鋼板をスポット溶
接により一体化して断面寸法が50mm×50mmの箱
型構造部材の骨格となし、これを温度が160℃の熱風
型乾燥炉に20分間放置してエポキシ樹脂系組成物を発
泡・充填させることによって本発明実施例21の箱型構
造部材を得た。
【0124】次いで、このようにして組み上げた箱型構
造部材を用いて実施例1と同様の評価を行った。その結
果を同じく表8の実施例21の欄に示す。
【0125】(実施例22)あらかじめ断面寸法が50
mm×25mmとなるようにプレス成形された長さ70
0mmの凹形状をなす一方側の箱型構造用基材であるS
PCC鋼板の内側に、凹形状をなす補強材を擬似硬化性
の接着剤によって接合した。一方、下記に示す組成の擬
似硬化性を有する未硬化のエポキシ樹脂系発泡素材を1
10℃に設定された押出機を用いて押出すことにより擬
似硬化した厚さ15mmのシートを作製し、これを50
mm×700mmの大きさに切り出した後、ブチル系粘
着剤を介して、あらかじめ断面寸法が50mm×25m
mとなるようにプレス成形された長さ700mmの凹形
状をなす他方側の箱型構造用基材であるSPCC鋼板に
接着し、この他方側の鋼板と補強材を接着した一方側の
鋼板とを用いてスポット溶接により接合して実施例22
の箱型構造部材に組み上げた。
【0126】このようにして組み上げた箱型構造部材を
用いて、図6に示したような曲げ試験を行い、エポキシ
樹脂系組成物を充填していない箱型構造部材と比較し、
剛性および強度の向上を確認した。
【0127】本実施例で用いたエポキシ樹脂系発泡素材
は、グリシジルメタクリレート5重量部に対してメチル
メタクリレート95重量部を乳化重合し、これを噴霧乾
燥により微粒化して、表9の実施例22の欄に示すよう
に、平均粒径3μm、エポキシ基含有量2.6重量%の
補強剤樹脂粒子を得た。次いで、このようにして得られ
た補強剤樹脂粒子30重量部に対して、同じく表9の実
施例22の欄に示すように液状ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製 「エピコート
828」)200重量部、硬化剤ジシアンジアミド16
重量部、有機系発泡剤アゾジカルボンアミド16重量部
および無機系充填剤炭酸カルシウム60重量部をプラネ
タリーミキサーを用いて室温で混合することによりエポ
キシ樹脂系組成物を調整した。
【0128】次いで、このエポキシ樹脂系組成物を用い
て組み上げた箱型断面構造部材について実施例1と同様
の部材評価を行った。その結果を同じく表9の実施例2
2の欄に示す。
【0129】(実施例23)この実施例23では、表9
の実施例23の欄に示すように、前記実施例22におい
てメタクリレート樹脂粒子の配合量をビスフェノールA
型エポキシ樹脂200重量部に対して180重量部とし
たこと以外はすべて実施例22と同じにした。その結果
を同じく表9の実施例23の欄に示す。
【0130】(比較例21,22)表9の比較例21,
22の欄に示すように、比較例21では、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂200重量部に対してメタクリレー
ト樹脂が15重量部となるように配合を行い、比較例2
2では、ビスフェノールA型エポキシ樹脂200重量部
に対してメタクリレート樹脂が220重量部となるよう
に配合を行ったこと以外はすべて実施例22と同じにし
た。その結果を同じく表9の比較例21,22の欄に示
す。
【0131】(実施例24,25)表9の実施例24,
25の欄に示すように、実施例24では、グリシジルメ
タクリレート5重量部に対してメチルメタクリレート9
5重量部を乳化重合し、これを噴霧乾燥により微粒化し
て、平均粒径3μm、エポキシ基含有量2.6重量%の
補強剤樹脂粒子を得た。また、実施例25では、グリシ
ジルメタクリレート5重量部に対してメチルメタクリレ
ート95重量部を懸濁重合し、これを噴霧乾燥により微
粒化して、平均粒径80μm、エポキシ基含有量2.6
重量%の補強剤樹脂粒子を得た。
【0132】次いで、このようにして得られた補強剤樹
脂粒子60重量部に対して、同じく表9の実施例24,
25の欄に示すように、液状ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂200重量部、硬化剤ジシアンジアミド16重量
部、有機系発泡剤アゾジカルボンアミド16重量部およ
び無機系充填剤炭酸カルシウム60重量部をプラネタリ
ーミキサーを用いて室温で混合することによりエポキシ
樹脂系組成物を調整した。
【0133】次いで、このエポキシ樹脂系組成物を用い
て組み上げた箱型断面構造部材について実施例1と同様
の部材評価を行った。その結果を同じく表9の実施例2
4,25の欄に示す。
【0134】(比較例23,24)表9,10の比較例
23,24の欄に示すように、比較例23では、グリシ
ジルメタクリレート5重量部に対してメチルメタクリレ
ート95重量部を乳化重合し、これを噴霧乾燥により微
粒化して、平均粒径0.5μm、エポキシ基含有量2.
6重量%の補強剤樹脂粒子を得た。また、比較例24で
は、グリシジルメタクリレート5重量部に対してメチル
メタクリレート95重量部を懸濁重合し、これを噴霧乾
燥により微粒化して、平均粒径120μm、エポキシ基
含有量2.6重量%の補強剤樹脂粒子を得た。
【0135】そして、その他はすべて実施例24,25
と同じにした。その結果を同じく表9,10の比較例2
3,24の欄に示す。
【0136】(実施例26,27)表10の実施例2
6,27の欄に示すように、グリシジルメタクリレート
5重量部に対してメチルメタクリレート95重量部を乳
化重合し、これを噴霧乾燥により微粒化して、平均粒径
3μm、エポキシ基含有量2.6重量%の補強剤樹脂粒
子を得た。
【0137】次いで、このようにして得られた補強剤樹
脂粒子60重量部、液状ビスフェノールA型エポキシ樹
脂200重量部、有機系発泡剤アゾジカルボンアミド1
6重量部および無機系充填剤炭酸カルシウム60重量部
からなる混合物に対して、硬化剤ジシアンジアミドを実
施例26では10重量部、実施例27では50重量部添
加してプラネタリーミキサーを用いて室温で混合するこ
とによりエポキシ樹脂系組成物を調整した。そして、そ
の他はすべて実施例22と同じにした。その結果を同じ
く表10の実施例26,27の欄に示す。
【0138】(比較例25,26)表10の比較例2
5,26の欄に示すように、実施例26,27におい
て、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂200重量部
に対する硬化剤ジシアンジアミドの配合量を比較例25
では4重量部とし、比較例26では70重量部とした以
外はすべて実施例26,27と同じにした。その結果を
同じく表10の比較例25,26の欄に示す。
【0139】(実施例28,29)表10の実施例2
8,29の欄に示すように、グリシジルメタクリレート
5重量部に対してメチルメタクリレート95重量部を乳
化重合し、これを噴霧乾燥により微粒化して、平均粒径
3μm、エポキシ基含有量2.6重量%の補強剤樹脂粒
子を得た。
【0140】次いで、このようにして得られた補強剤樹
脂粒子60重量部、液状ビスフェノールA型エポキシ樹
脂200重量部、硬化剤ジシアンジアミド16重量部、
および無機系充填剤炭酸カルシウム60重量部からなる
混合物に対して、有機系発泡剤アゾジカルボンアミドを
実施例28では2重量部、実施例29では30重量部添
加してプラネタリーミキサーを用いて室温で混合するこ
とによりエポキシ樹脂系組成物を調整した。そして、そ
の他はすべて実施例22と同じにした。その結果を同じ
く表10の実施例28,29の欄に示す。
【0141】(比較例27,28)表11の比較例2
7,28の欄に示すように、実施例28,29におい
て、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂200重量部
に対する有機系発泡剤アゾジカルボンアミドの配合量を
比較例27では0.2重量部、比較例28では40重量
部とした以外はすべて実施例28,29と同じにした。
その結果を同じく表11の比較例27,28の欄に示
す。
【0142】(実施例30,31)表11の実施例3
0,31の欄に示すように、グリシジルメタクリレート
5重量部に対してメチルメタクリレート95重量部を乳
化重合し、これを噴霧乾燥により微粒化して、平均粒径
3μm、エポキシ基含有量2.6重量%の補強剤樹脂粒
子を得た。
【0143】次いで、このようにして得られた補強剤樹
脂粒子60重量部、液状ビスフェノールA型エポキシ樹
脂200重量部、有機系発泡剤アゾジカルボンアミド1
6重量部、硬化剤ジシアンジアミド16重量部からなる
混合物に対して、無機系充填剤炭酸カルシウムを実施例
30では10重量部、実施例31では300重量部添加
してプラネタリーミキサーを用いて室温で混合すること
によりエポキシ樹脂系組成物を調整した。そして、その
他はすべて実施例22と同じにした。その結果を同じく
表11の実施例30,31の欄に示す。
【0144】(比較例29,30)表11の比較例2
9,30の欄に示すように、実施例30,31におい
て、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂200重量部
に対する無機系充填剤炭酸カルシウムの配合量を比較例
29では2重量部、比較例30では400重量部とした
以外はすべて実施例30,31と同じにした。その結果
を同じく表11の比較例29,30の欄に示す。
【0145】(実施例32)表11の実施例32の欄に
示すように、グリシジルメタクリレート4重量部に対し
てメチルメタクリレート1000重量部を乳化重合し、
これを噴霧乾燥により微粒化して、平均粒径3μm、エ
ポキシ基含有量0.2重量%の補強剤樹脂粒子を得た。
【0146】次いで、このようにして得られた補強剤樹
脂粒子60重量部、液状ビスフェノールA型エポキシ樹
脂200重量部、有機系発泡剤アゾジカルボンアミド1
6重量部、硬化剤ジシアンジアミド16重量部、無機系
充填剤炭酸カルシウム60重量部をプラネタリーミキサ
ーを用いて室温で混合することによりエポキシ樹脂系組
成物を調整した。そして、その他はすべて実施例22と
同じにした。その結果を同じく表11の実施例32の欄
に示す。
【0147】(比較例31)表12の比較例31の欄に
示すように、グリシジルメタクリレート2重量部に対し
てメチルメタクリレート1000重量部を乳化重合し、
これを噴霧乾燥により微粒化して、平均粒径3μm、エ
ポキシ基含有量0.1重量%の補強剤樹脂粒子を得た。
そして、その他はすべて実施例32と同じにした。その
結果を同じく表12の比較例31の欄に示す。
【0148】(実施例33,34)表12の実施例3
3,34の欄に示すように、グリシジルメタクリレート
5重量部に対してメチルメタクリレート95重量部を乳
化重合し、これを噴霧乾燥により微粒化して、平均粒径
3μm、エポキシ基含有量2.6重量%の補強剤樹脂粒
子を得た。
【0149】次いで、このようにして得られた補強剤樹
脂粒子60重量部、液状ビスフェノールA型エポキシ樹
脂200重量部、有機系発泡剤アゾジカルボンアミド1
6重量部、硬化剤ジシアンジアミド16重量部からなる
混合物に対して、実施例33では無機系充填剤としてタ
ルク60重量部、実施例34ではシリカ60重量部を添
加してプラネタリーミキサーを用いて室温で混合するこ
とによりエポキシ樹脂系組成物を調整した。そして、そ
の他はすべて実施例22と同じにした。その結果を同じ
く表12の実施例33,34の欄に示す。
【0150】(実施例35)表12の実施例35の欄に
示すように、グリシジルメタクリレート5重量部に対し
てメチルメタクリレート95重量部を乳化重合し、これ
を噴霧乾燥により微粒化して、平均粒径3μm、エポキ
シ基含有量2.6重量%の補強剤樹脂粒子を得た。
【0151】次いで、このようにして得られた補強剤樹
脂粒子60重量部、液状ビスフェノールA型エポキシ樹
脂200重量部、硬化剤ジシアンジアミド16重量部、
有機系発泡剤アゾジカルボンアミド16重量部および無
機系充填剤炭酸カルシウム60重量部をプラネタリーミ
キサーを用いて室温で混合することによりエポキシ樹脂
系組成物を調整した。そして、その他はすべて実施例2
2と同じにした。その結果を同じく表12の実施例35
の欄に示す。
【0152】(実施例36,37)表12の実施例3
6,37の欄に示すように、グリシジルメタクリレート
5重量部に対してメチルメタクリレート95重量部を乳
化重合し、これを噴霧乾燥により微粒化して、平均粒径
3μm、エポキシ基含有量2.6重量%の補強剤樹脂粒
子を得た。
【0153】次いで、このようにして得られた補強剤樹
脂粒子60重量部、硬化剤ジシアンジアミド16重量
部、有機系発泡剤アゾジカルボンアミド16重量部およ
び無機系充填剤炭酸カルシウム60重量部からなる混合
物に実施例36ではビスフェノールA型エポキシ樹脂1
00重量部とビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化
成(株)製 「YDF−170」)100重量部を添加
し、実施例37ではビスフェノールF型エポキシ樹脂2
00重量部を添加してプラネタリーミキサーを用いて室
温で混合することによりエポキシ樹脂系組成物を調整し
た。そして、その他はすべて実施例22と同じにした。
その結果を同じく表12の実施例36,37の欄に示
す。
【0154】(実施例38)表12の実施例38の欄に
示すように、グリシジルメタクリレート5重量部に対し
てメチルメタクリレート95重量部を乳化重合し、これ
を噴霧乾燥により微粒化して、平均粒径3μm、エポキ
シ基含有量2.6重量%の補強剤樹脂粒子を得た。
【0155】次いで、このようにして得られた補強剤樹
脂粒子30重量部に対して、実施例22と同一の配合で
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂200重量部、硬
化剤ジシアンジアミド16重量部、有機系発泡剤アゾジ
カルボンアミド16重量部および無機系充填剤炭酸カル
シウム60重量部をプラネタリーミキサーを用いて室温
で混合することによりエポキシ樹脂系組成物を調整し
た。
【0156】次いで、このエポキシ樹脂系組成物をあら
かじめ断面寸法が50mm×25mmとなるようにプレ
ス成形された長さ700mmの凹形状をなす他方側の箱
型構造用基材である冷延鋼板に長さ700mmにわたり
塗布ガンを用いて塗布を行い、110℃でかつ20秒の
熱風で擬似硬化させた。次に、この凹形状をなす他方側
の箱型構造用基材である鋼板部材に補強材を接着剤によ
り接合した断面寸法が50mm×25mmの凹形状をな
す一方側の箱型構造用基材である冷延鋼板をスポット溶
接により一体化して断面寸法が50mm×50mmの箱
型構造部材の骨格となし、これを温度が160℃の熱風
型乾燥炉に20分間放置してエポキシ樹脂系組成物を発
泡・充填させることによって本発明実施例38の箱型構
造部材を得た。
【0157】次いで、このようにして組み上げた箱型構
造部材を用いて実施例1と同様の評価を行った。その結
果を同じく表12の実施例39の欄に示す。
【0158】(評価結果)図7には、従来例1,2、比
較例1,2、実施例1,18、および実施例1,18に
おいて補強材の板厚を変えたものについて、最大曲げ反
力の相対値を調べた結果を示す。
【0159】図7より明らかであるように、本発明実施
例によれば、従来例および比較例に対し、軽量にして曲
げ反力を向上できることが認められ、少ない重量増で車
体等としてのエネルギー吸収特性の適正化を達成するこ
とが可能であった。
【0160】
【表1】
【0161】
【表2】
【0162】
【表3】
【0163】
【表4】
【0164】
【表5】
【0165】
【表6】
【0166】
【表7】
【0167】
【表8】
【0168】
【表9】
【0169】
【表10】
【0170】
【表11】
【0171】
【表12】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例1の閉断面箱型構造部材(補強材
あり)の断面説明図である。
【図2】従来例1の閉断面箱型構造部材(補強材なし)
の断面説明図である。
【図3】従来例2の閉断面箱型構造部材(補強材あり)
の断面説明図である。
【図4】本発明比較例1の閉断面箱型構造部材(補強材
あり)の断面説明図である。
【図5】本発明比較例2の閉断面箱型構造部材(補強材
あり)の断面説明図である。
【図6】本発明実施例で用いた曲げ試験の要領を示す模
式的説明図である。
【図7】本発明実施例,比較例および従来例において曲
げ反力の向上効果を調べた結果を示すグラフである。
【符号の説明】
11,21,31,41,51 箱型構造部材 12,13,22,23,32,33,42,43,5
2,53 箱型構造用基材 14,15,24,25,34,35,44,45,5
4,55 スポット溶接部 16,36,46,56 補強材 17 樹脂性発泡体 19,49,59 接着剤 37,38,57,58 スポット溶接部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 63/00 C08L 63/00 A C //(C08L 63/00 33:06) (72)発明者 鈴 木 克 彦 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空部を形成する箱型構造用基材の内面
    の少なくとも一部に擬似硬化性を有する接着剤を介して
    補強材を固定すると共に、箱型構造用基材の補強材を固
    定しない内面と補強材の内面とで形成される中空部内に
    擬似硬化性を有する樹脂性発泡体を充填して剛性を向上
    してなることを特徴とする箱型構造部材。
  2. 【請求項2】 中空部を形成する箱型構造用基材は、少
    なくともいずれかが凹形状をなす一方側および他方側の
    箱型構造用基材により形成され、一方側の箱型構造用基
    材の内面の少なくとも一部に擬似硬化性を有する接着剤
    を介して補強材を固定すると共に、一方側および他方側
    の箱型構造用基材の補強材を固定しない内面と補強材の
    内面とで形成される中空部内に擬似硬化性を有する樹脂
    性発泡体を充填して剛性を向上してなる請求項1に記載
    の箱型構造部材。
  3. 【請求項3】 樹脂製発泡体として、 (A)ビスフェノールAおよび/またはビスフェノール
    Fから誘導されたエポキシ樹脂100重量部に対し、 (B)アクリレートもしくはメタクリレート重合体10
    〜100重量部と、 (C)エポキシ樹脂用熱活性型硬化剤3〜30重量部
    と、 (D)有機系熱分解型発泡剤0.5〜100重量部と、 (E)無機系充填剤3〜150重量部と、を少なくとも
    含むものを用いる請求項1または2記載の箱型構造部
    材。
  4. 【請求項4】 (B)アクリレートもしくはメタクリレ
    ート重合体は、 (a)ガラス転移温度が−30℃以下のアクリレートま
    たはメタクリレート系重合体からなるコア成分と、 (b)(イ)アクリレートまたはメタクリレート系重合
    体と、 (ロ)カルボキシル基を有する炭素数3〜8のラジカル
    重合性不飽和カルボン酸単量体と、 (ハ)架橋性単量体と、から少なくとも成るガラス転移
    温度が70℃以上の共重合体からなるシェル成分と、を
    少なくとも含んで構成され、かつ、コア成分/シェル成
    分の重量比が10/1〜1/4の範囲にある共重合体樹
    脂粒子に一価または二価の金属カチオンを付加してイオ
    ン架橋させた樹脂粉末粒子である請求項3に記載の箱型
    構造部材。
  5. 【請求項5】 (B)アクリレートもしくはメタクリレ
    ート重合体は、エポキシ基を0.2重量%以上含有する
    樹脂粉末粒子である請求項3に記載の箱型構造部材。
  6. 【請求項6】 中空部を形成する箱型構造用基材の内面
    の少なくとも一部に擬似硬化性を有する接着剤を介して
    補強材を仮固定すると共に、箱型構造用基材の補強材を
    仮固定しない内面と補強材の内面のうち少なくとも一部
    に擬似硬化性を有する流動状樹脂性発泡素材を塗布した
    のち加熱して擬似硬化させ、塗装時の焼付工程で樹脂性
    発泡素材を発泡させて箱型構造用基材の補強材を固定し
    ない内面と補強材の内面とで形成される中空部内に樹脂
    性発泡体を充填して剛性を向上することを特徴とする箱
    型構造部材の製造方法。
  7. 【請求項7】 中空部を形成する箱型構造用基材は、少
    なくともいずれかが凹形状をなす一方側および他方側の
    箱型構造用基材により形成され、一方側の箱型構造用基
    材の内面の少なくとも一部に擬似硬化性を有する接着剤
    を介して補強材を固定すると共に、一方側および他方側
    の箱型構造用基材の補強材を固定しない内面と補強材の
    内面のうち少なくとも一部に擬似硬化性を有する流動状
    樹脂性発泡素材を塗布したのち加熱して擬似硬化させ、
    塗装時の焼付工程で樹脂性発泡素材を発泡させて一方側
    および他方側の箱型構造用基材の補強材を固定しない内
    面と補強材の内面とで形成される中空部内に樹脂性発泡
    体を充填して剛性を向上する請求項6に記載の箱型構造
    部材の製造方法。
  8. 【請求項8】 中空部を形成する箱型構造用基材の内面
    の少なくとも一部に擬似硬化性を有する接着剤を介して
    補強材を仮固定すると共に、箱型構造用基材の補強材を
    固定しない内面と補強材の内面のうち少なくとも一部に
    加熱により擬似硬化しているシート状樹脂性発泡素材を
    所定形状にトリミングして仮固定し、塗装時の焼付工程
    で樹脂性発泡素材を発泡させて箱型構造用基材の補強材
    を固定しない内面と補強材の内面とで形成される中空部
    内に樹脂性発泡体を充填して剛性を向上することを特徴
    とする箱型構造部材の製造方法。
  9. 【請求項9】 中空部を形成する箱型構造用基材は、少
    なくともいずれかが凹形状をなす一方側および他方側の
    箱型構造用基材により形成され、一方側の箱型構造用基
    材の少なくとも一部に擬似硬化性を有する接着剤を介し
    て補強材を仮固定すると共に、一方側および他方側の箱
    型構造用基材の補強材を固定しない内面と補強材の内面
    のうち少なくとも一部に加熱により擬似硬化しているシ
    ート状樹脂性発泡素材を所定形状にトリミングして仮固
    定し、塗装時の焼付工程で樹脂性発泡素材を発泡させて
    一方側および他方側の箱型構造用基材の補強材を固定し
    ない内面と補強材の内面とで形成される中空部内に樹脂
    性発泡体を充填して剛性を向上する請求項8に記載の箱
    型構造部材の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし5のいずれかに記載の
    箱型構造部材を用い、補強材を固定した部分を車体の室
    外側に向けて取り付けることを特徴とする車体の補強構
    造。
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