JPH07251477A - 発泡金属構造体及びその製造方法 - Google Patents

発泡金属構造体及びその製造方法

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JPH07251477A
JPH07251477A JP6072584A JP7258494A JPH07251477A JP H07251477 A JPH07251477 A JP H07251477A JP 6072584 A JP6072584 A JP 6072584A JP 7258494 A JP7258494 A JP 7258494A JP H07251477 A JPH07251477 A JP H07251477A
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resin
epoxy resin
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JP6072584A
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Noboru Hino
昇 日野
Masanori Yada
誠規 矢田
Mizuyoshi Fujiike
瑞芳 藤池
Koichi Ito
紘一 伊藤
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Nikkei Techno Research Co Ltd
Zeon Corp
Nippon Light Metal Co Ltd
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Nikkei Techno Research Co Ltd
Nippon Light Metal Co Ltd
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】金属発泡体表面に、熱硬化性樹脂層を介して表
面材シートを被覆した層状構造体であり、かつ該樹脂層
が、エポキシ樹脂と粉末状熱可塑性樹脂と硬化剤と可塑
剤と発泡剤とを必須成分として含有して成る樹脂組成物
の発泡体であることを特徴とする発泡金属構造体。 【効果】本発明の発泡金属構造体は、極めて軽量で取扱
い性が良好であり、かつ電磁シールド性、防音性、剛
性、断熱性、耐腐食性などに優れ、特に高精度のフラッ
トネスを有する建材として好適に用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な発泡金属構造体及
びその製造方法に関するものである。さらに詳しくいえ
ば、本発明は、極めて軽量で取扱い性が良好であり、か
つ電磁シールド性、防音性、剛性、断熱性などに優れる
上、表面材シートと金属発泡体とが、熱硬化性樹脂発泡
層を介して完全に密着して各構成層が一体化され、高精
度のフラットネスを有する建材として好適に用いられる
発泡金属構造体、及びこのものを効率よく製造する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、板状に仕上げられたアルミニウム
やスチール等の金属発泡体は軽量であって、電磁シール
ド性や遮音性を有することから、防音室の壁用部材とし
て多用されている。また、その不燃性や耐熱性により防
火室の壁材として、あるいは耐湿性や断熱性により保冷
庫用資材として、より広範な部材及び構造材の用途が期
待されている。ところで、建材においては、構造材とし
ての高い強度を有するためには、金属発泡体と表面材シ
ートとが接合面全体にわたり、接着されていることが必
要である。従来、アルミニウム発泡体と表面材シートと
の接着方法としては、通常の接着剤を用いて接着する方
法(特開平1−127451号公報)や、表面材シート
が金属製である場合には、ろう付けによる方法(特開昭
63−76758号公報)などが知られている。また、
ホットメルトフイルムや両面粘着シートなどのシート状
接着剤、あるいはウレタン発泡のような発泡性樹脂を使
用する方法なども考えられる。しかしながら、金属発泡
体は被着面が凹凸形状でかつ空隙を有しているために、
通常の接着剤を用いる接着方法においては、有効な接着
力を得るためには、多量の接着剤の塗布が必要であって
経済的でない上、接着剤の塗布量が一定でなく、かつ養
生時間がかかり、しかも構造体全体の厚さ精度が不十分
であるなどの欠点があった。また、ホットメルトフイル
ムや両面粘着シートなどのシート状接着剤を用いる接着
方法は、点接着又は線接着にすぎず、有効な接着強度が
得られにくいという欠点を有していた。さらに、ウレタ
ン発泡による接着方法では、硬化がすぐ始まるので迅速
な接着作業を要し、特に金属発泡体が粗いセルで表面起
伏が大きい場合はムラなく塗布することが困難である。
一方、ろう付けによる接着方法では、500℃以上の高
温を要する問題がある他金属発泡体の表面の凹凸や空隙
が増大するに伴い、ろう充填性を確保するための使用量
が増大し、経済的でない上、ろう付け部のクレアランス
設定が難しくなるなどの問題があった。殊に芯材が発泡
倍率の高い、従ってより軽量な場合は発泡体をスライス
して形成される表面の起伏が大きくかつ複雑であるた
め、表面材シートを接着する際の上記の欠点は一層大き
いものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、軽量で取扱い性が良好であり、かつ電磁
シールド性、防音性、剛性、断熱性などに優れる上、表
面材シートと金属発泡体とが、熱硬化性樹脂発泡層を介
して完全に密着して各構成層が一体化され、高精度のフ
ラットネスを有する建材として好適に用いられる発泡金
属構造体を提供することを目的としてなされたものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する発泡金属構造体を開発すべく鋭意研
究を重ねた結果、金属発泡体と表面材シートとを接合す
るための接着剤として、粉末状熱可塑性樹脂及び発泡剤
を含有するエポキシ樹脂系発泡性樹脂組成物を用い、金
属発泡体及び表面材シートそれぞれとエポキシ樹脂発泡
層とを一体的に接着させることにより、その目的を達成
しうることを見い出した。本発明は、かかる知見に基づ
いて完成したものである。すなわち、本発明は、金属発
泡体表面に、熱硬化性樹脂発泡層を介して表面材シート
を被覆して成る層状構造体であって、該熱硬化性樹脂発
泡層が、(a)エポキシ樹脂と(b)このエポキシ樹脂
に室温で不溶であって、発泡剤の分解ガス発生温度以下
の温度において該エポキシ樹脂と混和分散しうる粉末状
の熱可塑性樹脂と(c)エポキシ樹脂用硬化剤と(d)
可塑剤と(e)発泡剤とを必須成分として含有して成る
樹脂組成物の発泡体であることを特徴とする発泡金属構
造体を提供するものである。前記発泡金属構造体の製造
方法としては様々な方法があるが、特に本発明に従え
ば、金属発泡体と表面材シートとの間に、(a)エポキ
シ樹脂と(b)このエポキシ樹脂に室温で不溶であっ
て、発泡剤の分解ガス発生温度以下の温度において該エ
ポキシ樹脂と混和分散しうる粉末状の熱可塑性樹脂と
(c)エポキシ樹脂用硬化剤と(d)可塑剤と(e)発
泡剤とを必須成分として含有する樹脂組成物を前記発泡
剤の分解ガス発生温度未満で加熱することにより得られ
た擬似硬化シートを介在させて積層体を形成したのち、
発泡剤の分解ガス発生温度以上に加熱処理して該擬似硬
化シートを発泡させることにより、金属発泡体及び表面
材シートそれぞれと熱硬化性樹脂発泡層とを一体的に接
着させる方法を用いることにより、有利に製造すること
ができる。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
発泡金属構造体は、金属発泡体表面に、熱硬化性樹脂発
泡層を介して表面材シートを被覆して成る層状構造体で
あって、該金属発泡体は、本発明構造体の特徴である軽
量、電磁シールド性、防音性、剛性、耐熱性などの性質
の大部分を決定する。発泡により気泡を包含することに
より防音性や断熱性が良く、かつ軽量の材料となる。発
泡倍率は、発泡していない当該金属の常温における密度
の、発泡体の常温における密度に対する比の値として求
めることができる。本発明における金属発泡体の発泡倍
率は5〜50で、好ましくは10〜40である。発泡倍
率が5未満であれば防音、断熱の性能が不十分でかつ極
めて軽量の建築材料としての本発明の特徴が活かし難
い。また、50を超える発泡倍率であると強度が脆弱な
材料となる。このような金属発泡体の製造方法について
は特に制限はないが、例えば特表平5−500391号
公報記載の方法を好ましく用いることができる。すなわ
ち、金属と平均粒子径が0.1〜100μm程度のセラ
ミックス、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素などの固
体安定化微粒子とから成る複合体を加熱して溶融状態に
し、この溶融複合体内に空気、水、二酸化炭素、不活性
ガスなどの気体により気泡を形成させたのち、冷却する
ことにより複数の閉じたセル(独立気泡)を有する固体
金属発泡体が得られる。電磁シールドや断熱の目的には
閉じたセル(独立気泡)を有するものが有効であるが、
防音の目的には連通したセル(連続気泡)を有するもの
が有利である。上述の閉じたセルを有する金属発泡体か
ら、部分的に連通したセルを有する金属発泡体を得るに
は、通常2〜70kg/cm2程度の圧力を加えてセル壁を
破る方法を採用することができる。上記の金属としては
発泡可能な総ての金属を用いることができ、アルミニウ
ム、スチール、亜鉛、鉛、ニッケル、マグネシウム、銅
及びそれらの合金等が含まれる。特にアルミニウム及び
スチールが入手の容易さから好ましい。
【0006】一方、本発明構造体において用いられる表
面材シートは、該構造体にその変形を拘束することによ
り高い剛性を付与する機能を有するとともに、該構造体
の表面性状を決定するものである。このような表面材シ
ートに用いられる材料としては、接着剤として用いられ
る熱硬化性樹脂発泡層との密着性を有し、かつ使用する
用途の機能を損なわない弾性率の高い材料が望ましい。
また、発泡性樹脂組成物の発泡温度(100〜200
℃)において変形や熱分解を起こすようなものであって
はならない。該表面材シートとしては、このような性質
を満たすものであればよく特に制限はない。具体的には
金属、木、プラスチック、セラミックス、タイル、石
材、ガラス、ダンボール紙などの材料を用いることがで
きるが、例えば建材として強い剛性を要する場合の表面
材シートとしては、金属シートが最適であり、特にスチ
ールシートやアルミニウムシートが入手の容易さの点か
ら好ましい。該金属シートの厚さは、金属の種類による
弾性率の相異や用途により左右されるが、スチールシー
トやアルミニウムシートの場合、通常0.1〜3.0mmの
範囲であればよい。このような表面材の金属シートは、
構造体の剛性をさらに向上させる目的で、あるいは装飾
性や構造体間の接合性を容易にする目的などにより、ビ
ード状の凹凸、エンボス模様、曲面などが設けられてい
てもよい。これらの凹凸形状の凹部でも、該構造体の作
成時における発泡性樹脂組成物層の加熱により生成する
発泡体が充満されるので全面的に接着することができ
る。
【0007】本発明構造体において、前記の金属発泡体
と表面材シート間に設けられる熱硬化性樹脂発泡層は、
本発明構造体の作成時における加熱処理により高発泡
し、接着剤層として該構造体に剛性や断熱性などの性能
を付与するものである。このような発泡性樹脂組成物と
しての好ましい性状としては、軽量で剛性が高く、かつ
該構造体の作成時に加熱処理して発泡させる際、金属発
泡体及び表面材シートに密着し、強固に一体的に融着す
ることが挙げられる。殊に、軽量で断熱性の良い積層体
である本発明の目的に適合する高発泡倍率の金属発泡体
は、セルサイズが大きく、かつセル壁が薄いので表面は
空孔もあって凹凸が大きいので、発泡性樹脂組成物を接
着空間にゆきわたらせることが極めて重要である。本発
明の発泡金属構造体は、前記金属発泡体の表面材シート
を接合しようとする面に、(a)エポキシ樹脂と(b)
このエポキシ樹脂に室温で不溶であって、発泡剤の分解
ガス発生温度以下の温度において該エポキシ樹脂と混和
分散しうる粉末状の熱可塑性樹脂と(c)エポキシ樹脂
用硬化剤と(d)可塑剤と(e)発泡剤とを必須成分と
し、また所望に応じ気泡調整剤、充填剤、界面活性剤、
熱安定剤、顔料、粘度調整剤などを含有する発泡性樹脂
組成物を塗布し、その上に前記表面材シートを重ねたの
ち、発泡剤の分解温度以上の温度に加熱処理して該発泡
性樹脂組成物を高発泡させるとともに、エポキシ樹脂の
架橋反応により硬化させて、熱硬化性樹脂発泡層を形成
させることにより、製造することができる。あるいは、
該発泡性樹脂組成物を表面材シートに塗布し、その上に
金属発泡体を重ねたのち、前記と同様の加熱処理を施
し、熱硬化性樹脂発泡層を形成させてもよい。
【0008】本発明においては、より作業性のよい構造
体の製造方法として、該発泡性樹脂組成物を予め離型紙
などの上に塗布し、発泡剤の分解温度以下で加熱して、
エポキシ樹脂や可塑剤などの液状成分を熱可塑性樹脂粒
子に吸収させることによりゲルの状態に擬似硬化したシ
ートを作成し、このシートを熱硬化性樹脂発泡層の形成
に用いる方法が推奨される。該擬似硬化シートは、元の
懸濁状の発泡性樹脂組成物が有する貯蔵中に経時により
増粘する現象や、塗布時に塗布面からタレ落ちる不都合
に対する配慮が不要となるので、取扱いが容易である。
また、この擬似硬化シートは、微粘着性を有しているの
で、表面材シート又は金属発泡体表面に指圧により仮固
定させることができ、安定した生産が可能となる。液状
又は擬似硬化シートから成る発泡性樹脂組成物を発泡さ
せるに際しては、該組成物の発泡空間が一定のクレアラ
ンスをもつようにスペーサー又は固定治具で面間隔を固
定するのがよい。該発泡性樹脂組成物は、発泡剤の分解
温度以上での加熱による発泡によって金属発泡体の表面
の凹凸にゆきわたり、空隙を充填するとともに、同時に
硬化剤の作用で硬化して当初スペーサー等で設定したク
レアランスを保持しつつ金属発泡体と表面材シートとを
強固に接着することができる。こうして構造用壁材とし
て要求される100μm以下のフラットネスを実現する
ことができる。また、発泡性樹脂組成物は、上下いずれ
の方向にも発泡を行わしめることが可能であるので、金
属発泡体の上下両面に同時に表面材シートを接着させる
ことが可能である。該発泡性樹脂組成物において、
(a)成分として用いられるエポキシ樹脂は、常温で液
状又はペースト状のエポキシ樹脂であり、例えばビスフ
ェノールA、ビスフェノールF又はレゾルシンをベース
にするグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂
又はクレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテ
ル、水素化ビスフェノールAのグリシジルエーテル、グ
リシジルアミン、線状脂肪族エポキシドなどが挙げられ
るが、これらの中でビスフェノールA又はビスフェノー
ルFにエピクロルヒドリン等のエポキシ基含有化合物を
反応させて得られる初期縮合物が好適である。またエポ
キシ当量は100〜300の範囲にあるものが好適であ
る。これらのエポキシ樹脂は1種用いてもよいし、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。
【0009】また(b)成分として用いられる粉末状の
熱可塑性樹脂は、前記エポキシ樹脂に室温で不溶であっ
て、発泡剤の分解ガス発生温度以下の温度において該エ
ポキシ樹脂と混和分散しうるものである。この熱可塑性
樹脂は、後で述べる発泡剤の分解温度以下で加熱される
ことにより、前記エポキシ樹脂及び可塑剤の浸透をうけ
ゲル化を開始して、擬似硬化状態となりシート形状を保
持させる機能を有するものである。したがって、該熱可
塑性樹脂は、室温での混合、保存時にエポキシ樹脂に不
溶で粒子として、分散状態にあり、かつ発泡剤分解温度
以上の加熱により相溶して混和分散しうるものであれば
よく、その種類については特に制限はない。このような
熱可塑性樹脂としては、例えば塩化ビニル系樹脂、アク
リル系樹脂、メタクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、メチル
メタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体などが
挙げられるが、利用できる可塑剤の種類、入手の容易さ
とともに、擬似硬化シートへの成形容易性などを考慮す
ると、特に塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂及びメタ
クリル系樹脂が好適である。ここで、塩化ビニル系樹脂
としては、塩化ビニル単独重合体や、塩化ビニルと酢酸
ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル
やエチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチ
ルやエチルなどのメタクリル酸エステル、マレイン酸、
フマル酸、塩化ビニリデン、ビニルエーテルなどとの共
重合体を挙げることができる。
【0010】一方、アクリル系樹脂やメタクリル系樹脂
としては、メチルアクリレート又はメチルメタクリレー
ト(以後両者を単にメチル(メタ)アクリレートと記す
ことがある)の単独重合体や、メチル(メタ)アクリレ
ートを主成分とするメチル(メタ)アクリレートとエチ
ル(メタ)アクリレートやアクリロニトリル又はメタク
リロニトリルなどの共重合可能な単量体との共重合体を
挙げることができる。また、このアクリル系樹脂やメタ
クリル系樹脂の場合も擬似硬化の容易さや発泡時の気泡
構造などの点から、乳化重合などにより製造したペース
ト用のものが好適である。該(b)成分の粉末状の熱可
塑性樹脂は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
て用いてもよく、また、その配合量は、前記(a)成分
のエポキシ樹脂100重量部に対して、20〜500重
量部、好ましくは50〜200重量部の範囲で選ぶこと
が必要である。この量が20重量部未満では硬化反応時
の発熱が大きくなり、該熱可塑性樹脂の分解を招いた
り、発泡剤の発泡ガスによる膨張を制御することが難し
くなるため、高倍率の均質な発泡体が得られにくいし、
500重量部を超えると可塑剤や他の添加剤との関係も
あるが、本発明の目的とする機能を発揮するにたる十分
な弾性を保持する発泡体が得られにくい。該熱可塑性樹
脂は、樹脂組成物中にできるだけ均一に分散させる必要
があるため、その形状は粉末であることが必要であり、
平均粒子径としては、通常0.1〜300μm、好まし
くは1〜100μmの範囲である。この平均粒子径が
0.1μm未満では該組成物の粘度が高くなり加工しに
くくなるし、300μmを超えると樹脂組成物中におけ
る均一分散性が悪くなる。製造方法としては、乳化重合
や懸濁重合などの公知の重合方法によればよく、特にペ
ースト用の乳化重合又は微細懸濁重合により製造したも
のは、擬似硬化の容易さや発泡時の気泡構造などの点か
ら好適である。
【0011】また、構造体が衝撃を受けた際にも剥離し
にくいより強い接着強度を得たい場合には、前記熱可塑
性樹脂粒子としてコア/シェル構造を有するものを用い
るのが望ましい。このようなコア/シェル構造を有する
樹脂粒子としては、例えば特開平5−65391号公報
記載の2次転移点−30℃以下の(メタ)アクリレート
重合体のコア20〜80重量%と、2次転移点70℃以
上の(メタ)アクリレート重合体のシェル80〜20重
量%とから成る粒子を挙げることができる。該発泡性樹
脂組成物において(c)成分として用いられるエポキシ
樹脂用硬化剤は、熱活性型のものである。エポキシ樹脂
との組合せで発熱ピーク温度が100〜200℃の範囲
にあるものが好ましく、このようなものとしては、例え
ばジシアンジアミド、4,4'−ジアミノジフェニルスル
フォン、2−n−ヘプタデシルイミダゾールなどのイミ
ダゾール誘導体、イソフタル酸ジヒドラジド、N,N'−
ジアルキルチオ尿素誘導体、テトラヒドロ無水フタル酸
などの酸無水物、イソホロンジアミン、N−アミノエチ
ルピペラジン、三フッ化ホウ素錯化合物などが挙げられ
る。これらの硬化剤は1種用いてもよいし、2種以上を
組み合わせて用いてもよく、またその配合量は、前記
(a)成分のエポキシ樹脂100重量部に対して、通常
0.5〜20重量部、好ましくは1〜15重量部の範囲
で選ばれる。この量が0.5重量部未満ではエポキシ樹
脂の硬化反応が不十分となるおそれがあり、この場合接
着剤層(熱硬化性樹脂発泡層)の弾性率が向上せず、所
望の剛性を有する構造体が得られにくいし、20重量部
を超えるとその量の割には該接着剤層の弾性率の向上が
みられないので構造体の剛性に変化が現れない。
【0012】該発泡性樹脂組成物において(d)成分と
して用いられる可塑剤は、熱可塑性樹脂をエポキシ樹脂
中に安定に混和分散するとともに、樹脂組成物の溶融粘
度を調整する役割をもつものであって、その種類につい
ては特に制限はなく、使用する熱可塑性樹脂と相溶する
ものが用いられる。したがって、その種類は、使用する
熱可塑性樹脂の種類により異なるが、一般的には、ジオ
クチルフタレート、ジブチルフタレートなどのフタル酸
エステル類;トリクレジルフォスフェートなどのリン酸
エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケ
ートなどの脂肪酸エステル類;アジピン酸とエチレング
リコールとの縮合体などのポリエステル類;塩素化パラ
フィン;アルキルベンゼン;アロマチックプロセスオイ
ルなどの公知の可塑剤を単独又は2種以上を混合して使
用することができる。その配合量については、特に制限
はないが、(b)成分の熱可塑性樹脂100重量部に対
して10〜100重量部、好ましくは20〜80重量部
の割合で用いる。この量が10重量部未満ではその他の
配合成分の種類や量にもよるが発泡倍率が十分に向上し
ないし、100重量部を超えると接着剤層の弾性率が低
下し、得られる構造体の剛性を向上させる効果が低減す
る。該発泡性樹脂組成物においては、(e)成分として
発泡剤が用いられる。この発泡剤としては、高温分解型
の有機又は無機発泡剤、高温膨張型マイクロカプセルな
どが挙げられるが、加熱発泡工程での容易さの点から、
ガス発生温度が100〜200℃の範囲にあるものが好
適である。このガス発生温度が100℃未満のもので
は、シートの擬似硬化時に発泡が始まったり、加熱発泡
工程で樹脂の溶融が不十分な状態で発泡が始まったりす
るため、発泡ガスが樹脂中から抜け出ることにより発泡
倍率が十分に高くならないおそれがあるし、200℃を
超えるものでは該組成物の加工温度より高くなりすぎ、
エポキシ樹脂の硬化反応温度領域では発泡不十分で金属
発泡体の表面の空隙部に充填して行かないので所望の接
着強度が得られない。
【0013】前記有機発泡剤としては、例えばアゾジカ
ルボンアミド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、ジ
ニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4'−オキシビ
スベンゼンスルホニルヒドラジドなどが挙げられる。こ
れらの有機発泡剤の分解温度は尿素、亜鉛化合物、鉛化
合物などを添加することにより、任意に調整することが
できる。また、無機発泡剤としては、例えば炭酸水素ナ
トリウム、水酸化ホウ素ナトリウムなどが、高温膨張型
マイクロカプセルとしては、例えば塩化ビニリデン樹脂
で低沸点炭化水素をカプセル化したものなどが挙げられ
る。これらの発泡剤の中で、発泡倍率や経済性などの点
から有機発泡剤が好適である。これらの発泡剤は1種用
いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、
またその配合量は所望の発泡倍率などにより決定される
が、該(b)成分の熱可塑性樹脂100重量部に対し
て、通常0.5〜15重量部、好ましくは1〜10重量
部の範囲で選ばれる。この量が0.5重量部未満では発
泡倍率が低く、金属発泡体表面の凹凸や空隙に充填する
ことができず、構造体に十分な強度をもたせにくいし、
15重量部を超えるとその量の割には発泡倍率は向上せ
ず、経済的にむしろ不利となる。さらに、均一な気泡径
を得るためには、これらの発泡剤の粒子径は小さい方が
有利であり、該発泡剤の平均粒子径は通常20μm以
下、好ましくは1μm以下であって粒子径分布の均一な
ものが好ましい。該樹脂組成物には、初期の混合分散を
容易にしたり、充填剤などの添加量を増加させるなどの
目的で、必要に応じてエポキシ樹脂用希釈剤を添加して
もよい。この希釈剤としては、例えばブチルグリシジル
エーテル、アリルグリシジルエーテル、クレジルグリシ
ジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルなどの反応
性希釈剤や、ジブチルフタレート、トリクレジルフォス
フェート、ブチルベンジルフタレート、アセチルトリブ
チルクエン酸エステル、アロマティックプロセスオイ
ル、パインオイルなどの非反応性希釈剤を挙げることが
できる。これらの希釈剤の配合量は、通常(a)成分の
エポキシ樹脂100重量部に対して、10〜100重量
部の範囲で選ばれる。さらに、該樹脂組成物には、加工
性及び粘性などの塗布特性の調整やコスト低減の目的
で、必要に応じてチクソトロープ剤や充填剤、顔料など
を配合してもよい。該チクソトロープ剤としては、例え
ば無水ケイ酸や含水ケイ酸などのケイ酸類、有機ベント
ナイトなどのベントナイト類などが挙げられる。また、
充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、タルク、クレ
ー、アスベスト、シリカ、グラファイトなどが挙げられ
る。本発明構造体における熱硬化性樹脂発泡層の発泡倍
率は、(e)成分の発泡剤の分解温度や添加量、(a)
成分のエポキシ樹脂の硬化温度、発泡性樹脂組成物の溶
融粘度などによって、通常2〜30倍の範囲で任意の倍
率に設定することができる。この発泡倍率は、金属発泡
体表面の凹凸や空隙の程度、金属発泡体と表面材シート
のクレアランスに応じて適宜調整すればよいが、一般に
5〜20倍の範囲が望ましい。発泡倍率が30倍を超え
ると均一な気泡構造が得られにくく、また2倍より小さ
いと金属発泡体の凹部や空隙部に充満し切れないので、
いずれも接着強度が低下する。このようにして得られた
本発明の発泡金属構造体は、表面材シートと金属発泡体
とが、十分な発泡により接着空間に行きわたった熱硬化
性樹脂発泡層を介して完全に密着して各構成層が一体化
されており、軽量で取扱い性が良好であって、電磁シー
ルド性、防音性、剛性、断熱性、耐腐食性などに優れ、
特に高精度のフラットネスを有する建材として好適に用
いられる。
【0014】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。 実施例1 アルミニウム発泡体300mm×300mm×厚さ75mm及
び50mm×50mm×厚さ75mm、密度:0.088g/c
m3従って発泡倍率30.7、平均セルサイズ:16mm、
平均セル壁厚さ:70μm[アルキャン・インターナシ
ョナル・リミテッド社製]の各々の片側の主表面に表面
材のアルミニウム板300mm×300mm×厚さ0.8mm
及び50mm×50mm×厚さ5mmを各々次に記す発泡性樹
脂組成物を用いて接着して構造体を作成し、平滑性及び
接着強度を測定した。結果を第2表に示す。 [発泡性樹脂組成物]第1表に示すA〜Eの各配合につ
き表記の割合で各成分を秤量し、ホバートミキサーにて
20分間混合した後、離型紙上に厚さ500μmに広
げ、120℃の電気炉で2分間加熱して擬似硬化シート
を得た。A〜Eの各々につき擬似硬化シートから300
mm×300mm及び50mm×50mmのシートを切出し、そ
れらを同面積の主面の表面材アルミニウム板に押し当て
て貼りつけてから同面積の主面のアルミニウム発泡体を
乗せ、固定治具で押さえて150℃の電気炉で30分間
加熱して硬化、接着した。配合F及びGについてはホバ
ートミキサーで20分間混合後表面材のアルミニウム板
に厚さ1.0mmに塗布して対応するアルミニウム発泡体
を重ね、固定治具で押さえて150℃の電気炉で30分
間加熱して硬化、接着して構造体を作成した。また比較
のため発泡性樹脂組成物としてポリウレタン系接着剤を
用いて構造体(H)を作成した。すなわち、アルミニウ
ム発泡体とアルミニウム表面材とを5mmの面間隔をもた
せて治具で固定しておき、ウレタン樹脂[商品名:ニッ
ポラン3022、日本ポリウレタン工業(株)製]とポリ
オールポリイソシアネートを3000rpmのアジテータ
ーで5秒間混合してから注入し、一昼夜置いた。ただ
し、均一な注入が行えず、接着剤の付かない箇所が散見
された。
【0015】
【表1】
【0016】[注] 1)商品名、油化シェルエポキシ(株)製、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂 2)酢酸ビニル単量体単位10wt%の塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、平均重合度1000、平均粒径1.0
μm 3)商品名、日本ゼオン(株)製、メチルメタクリレート
ホモ重合体、重量平均分子量400万、平均粒径1.0
μm [接着強度試験法]主面50mm×50mmの方の試料の表
面材の中央に4mmφの穴をあけ、メネジを切り、予め作
成しておいたT字型金具の支柱である4mmφのオネジを
ねじ込んで取りつける。試料のアルミニウム発泡体部分
を万能引張試験機の下側の万力に固定し、前記T字金具
の横棒部分を同試験機の上側のチャックで挟む。引張速
度10nm/minで引張試験を行い、その最大強度を接着
強度とする。 [発泡性樹脂組成物充填度]主表面300mm×300mm
の方の試料を3次元測定器の台上に置き、図1に示す9
点に順次載荷をして試料の底面から載荷物の上面までの
距離を測定し、9点の標準偏差を平滑性の指標とした。
0に近いほど平滑であり、発泡性樹脂組成物が全面に均
一に充填されている。載荷物は直径20mm、高さ20mm
のアルミニウム製円柱とその上に乗せた直径40mm、高
さ50mmの鉄製の円柱である。
【0017】
【表2】
【0018】比較例E〜Gのように発泡性樹脂組成物と
してエポキシ樹脂及び硬化剤を含んでいても発泡剤又は
/及び熱可塑性樹脂を欠くものは接着強度及び発泡性樹
脂組成物が著しく劣る。本願発明例はいずれも接着強度
及び発泡性樹脂組成物充填性に優れる。また、発泡性樹
脂組成物としてポリウレタン系接着剤を用いると接着剤
を均一に注入できず、接着強度も落ちる。 実施例2 軽量の構造用建材として下記の試料につき、圧縮応力及
びフラットネス及び電磁シールド性を測定した。結果を
第3表に示す。 [試料] (1)アルミニウム発泡体150mm×150mm×厚さ7
5mm、密度0.088g/cm3従って発泡倍率30.7、
平均セルサイズ16mm、平均セル壁厚さ70μm[アル
キャン・インターナショナル・リミテッド社製]に、厚
さ0.8mmのアルミニウム板(実施例1で用いたものと
同じ)を表面材としてエポキシ樹脂系発泡性樹脂組成物
(実施例1のAと同じ)を用い、実施例1のAと同様に
して接着した構造体。 (2)表面材として厚さ0.8mmの硬質塩化ビニル樹脂
板を用いた以外は上記(1)と同様にして得た構造体。 (3)アルミニウム発泡体として150mm×150mm×
厚さ15mm、密度0.33、従って発泡倍率8.2、平均
セルサイズ5mm、平均セル壁厚さ75μm[アルキャン
・インターナショナル・リミテッド社製]を用いた以外
は上記(1)と同様に作成した厚さの薄い構造体。 (4)上記(1)と同様のアルミニウム発泡体と表面材
を用い、ホットメルトフイルム[商品名:クランベター
A−1540、クラボウ(株)製]を表面材アルミニウム
板に家庭用アイロン(130℃)にて熱融着させてか
ら、アルミニウム発泡体をフィルム面に乗せ、治具で押
さえて150℃の電気炉で加熱して接着して得た構造
体。 (5)上記(1)と同様のアルミニウム発泡体と表面材
を、フルオロアルミニウム酸カリウム系フラックスを用
いて窒素ガス雰囲気下で590〜610℃にてろう付け
した構造体。 (6)上記(1)と同様のアルミニウム発泡体のみから
なる試料 [圧縮応力試験法]島津製作所(株)製の万能試験機アム
スラーを用いて測定した。 [フラットネス試験法]定盤の上に試料を置き、その上
から定尺の基準となる形材を当て、形材と試料の表面材
との間隙にテーパーゲージを挿入してうねりの間隙の寸
法を測定する。10箇所測定して平均する。 [熱伝導率試験法]英弘精機産業(株)製熱伝導率測定装
置を使用し、ASTMC518(熱流法)に準じて測定
した。低温部は5℃、高温部は45℃として行った。
【0019】
【表3】
【0020】発明例の(1)〜(3)は十分の圧縮応力
とフラットネスを示す。しかし(3)の熱伝導率はやや
大きく、断熱性はやや劣った。接着剤としてホットメル
トフイルムを用いるものやろう付けする従来の接着方法
では接着強度が小さく、またフラットネスが悪いことが
判る。また、アルミニウム発泡体のみではこれら両性質
が不足する。ただし発泡金属を用いる材料はいずれも電
磁シールドは良い。
【0021】本発明の好ましい態様を下記に示す。 (1)金属発泡体表面に、熱硬化性樹脂発泡層を介して表
面材シートを被覆して成る層状構造体であって、該熱硬
化性樹脂発泡層が、(a)エポキシ樹脂と(b)このエ
ポキシ樹脂に室温で不溶であって、発泡剤の分解ガス発
生温度以下の温度において該エポキシ樹脂と混和分散し
うる粉末状の熱可塑性樹脂と(c)エポキシ樹脂用硬化
剤と(d)可塑剤と(e)発泡剤とを必須成分とし、該
粉末状の熱可塑性樹脂の含有量が前記エポキシ樹脂10
0重量部に対して20〜500重量部である発泡性樹脂
組成物を加熱処理して発泡させるとともに、金属発泡体
及び表面材シートをれぞれの接着面を一体的に融着させ
たものであることを特徴とする発泡アルミニウム構造
体。 (2)金属発泡体が、発泡倍率5〜50のものであるか、
又はこれを圧縮して部分的に連通したセルを形成させた
ものである上記(1)の発泡金属構造体。 (3)粉末状の熱可塑性樹脂が、塩化ビニル系樹脂粉末、
アクリル系樹脂粉末及びメタクリル系樹脂粉末の中から
選ばれた少なくとも1種であり、かつその平均粒子径が
0.1〜300μmのものである上記(1)又は(2)の発
泡金属構造体。 (4)粉末状の熱可塑性樹脂が、2次転移点−30℃以下
の(メタ)アクリレート重合体のコア20〜80重量%
と、2次転移点70℃以上の(メタ)アクリレート重合
体のシェル80〜20重量%とから成るものである上記
(1)又は(2)の発泡金属構造体。 (5)金属発泡体が、金属と固定安定化粒子とから成る複
合体の溶融物内に気泡を形成させたのち、冷却すること
により形成された複数の閉じたセルを有する固体金属発
泡体である上記(1)〜(4)のいずれかの発泡金属構造
体。 (6)金属発泡体と表面材シートとの間に、(a)エポキ
シ樹脂と(b)このエポキシ樹脂に室温で不溶であっ
て、発泡剤の分解ガス発生温度以下の温度において該エ
ポキシ樹脂と混和分散しうる粉末状の熱可塑性樹脂と
(c)エポキシ樹脂用硬化剤と(d)可塑剤と(e)発
泡剤とを必須成分とし、該粉末状の熱可塑性樹脂の含有
量が前記エポキシ樹脂100重量部に対して20〜50
0重量部である発泡性樹脂組成物を前記発泡剤の分解ガ
ス発生温度以下で加熱することにより得られた擬似硬化
シートを介在させて積層体を形成したのち、これを加熱
処理して該擬似硬化シートを発泡させるとともに、金属
発泡体及び表面材シートそれぞれの接着面を一体的に接
着させることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかの
発泡金属構造体の製造方法。 (7)金属発泡体が、金属と固定安定化粒子とから成る複
合体の溶融物内に気泡を形成させたのち、冷却すること
により形成された複数の閉じたセルを有する固体金属発
泡体である上記(6)の発泡金属構造体の製造方法。 (8)粉末状の熱可塑性樹脂が、塩化ビニル系樹脂粉末、
アクリル系樹脂粉末及びメタクリル系樹脂粉末の中から
選ばれた少なくとも1種であり、かつその平均粒子径が
0.1〜300μmのものである上記(6)又は(7)の発
泡金属構造体の製造方法。 (9)金属発泡体が、発泡倍率5〜50のものであるか、
又はこれを圧縮して部分的に連通したセルを形成させた
ものである上記(6)〜(8)のいずれかの発泡金属構造体
の製造方法。
【0022】
【発明の効果】本発明の発泡金属構造体は、金属発泡体
表面に、熱硬化性樹脂発泡層を介して表面材シートを被
覆して成る層状構造体であって、極めて軽量で取扱い性
が良好であり、かつ電磁シールド性、防音性、剛性、断
熱性、耐腐食性などに優れ、特に高精度のフラットネス
を有する建材として好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、発泡金属構造体における発泡性樹脂組
成物の充填度を求めるための説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢田 誠規 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社研究開発センター内 (72)発明者 藤池 瑞芳 静岡県庵原郡蒲原町蒲原一丁目34番1号 株式会社日軽技研内 (72)発明者 伊藤 紘一 東京都港区三田三丁目13番12号 日本軽金 属株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属発泡体表面に、熱硬化性樹脂層を介し
    て表面材シートを被覆して成る層状構造体であって、該
    熱硬化性樹脂層が、(a)エポキシ樹脂と(b)このエ
    ポキシ樹脂に室温で不溶であって、発泡剤の分解ガス発
    生温度以下の温度において該エポキシ樹脂と混和分散し
    うる粉末状の熱可塑性樹脂と(c)エポキシ樹脂用硬化
    剤と(d)可塑剤と(e)発泡剤とを必須成分として含
    有して成る樹脂組成物の発泡体であることを特徴とする
    発泡金属構造体。
  2. 【請求項2】金属発泡体が、発泡倍率5〜50のもので
    あるか、又はこれを圧縮して部分的に連通したセルを形
    成させたものである請求項1記載の発泡金属構造体。
  3. 【請求項3】金属発泡体と表面材シートとの間に、
    (a)エポキシ樹脂と(b)このエポキシ樹脂に室温で
    不溶であって、発泡剤の分解ガス発生温度以下の温度に
    おいて該エポキシ樹脂と混和分散しうる粉末状の熱可塑
    性樹脂と(c)エポキシ樹脂用硬化剤と(d)可塑剤と
    (e)発泡剤とを必須成分として含有する樹脂組成物を
    前記発泡剤の分解ガス発生温度未満で加熱することによ
    り得られた擬似硬化シートを介在させて積層体を形成し
    たのち、発泡剤の分解ガス発生温度以上に加熱処理して
    該擬似硬化シートを発泡させることにより、金属発泡体
    及び表面材シートそれぞれと熱硬化性樹脂発泡層とを一
    体的に接着させることを特徴とする請求項1又は2記載
    の発泡金属構造体の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008133400A (ja) * 2006-11-29 2008-06-12 Yokohama Rubber Co Ltd:The エポキシ接着剤組成物
JP2008133404A (ja) * 2006-11-29 2008-06-12 Yokohama Rubber Co Ltd:The 接着剤組成物
JP2009298114A (ja) * 2008-06-17 2009-12-24 Kobe Steel Ltd プレコートメタル

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008133400A (ja) * 2006-11-29 2008-06-12 Yokohama Rubber Co Ltd:The エポキシ接着剤組成物
JP2008133404A (ja) * 2006-11-29 2008-06-12 Yokohama Rubber Co Ltd:The 接着剤組成物
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