JPH07256808A - 制振性構造体及び制振構造体 - Google Patents

制振性構造体及び制振構造体

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JPH07256808A
JPH07256808A JP7793694A JP7793694A JPH07256808A JP H07256808 A JPH07256808 A JP H07256808A JP 7793694 A JP7793694 A JP 7793694A JP 7793694 A JP7793694 A JP 7793694A JP H07256808 A JPH07256808 A JP H07256808A
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JP
Japan
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vibration
damping
epoxy resin
sheet
damping structure
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JP7793694A
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English (en)
Inventor
Masanori Yada
誠規 矢田
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Zeon Kasei Co Ltd
Original Assignee
Zeon Kasei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】車両等の振動基板に高い制振性と剛性を付与す
るとともに、軽量で必要に応じて車両等の振動基板の凸
凹形状にも追従する制振構造体を提供する。 【構成】振動基板上に積層される発泡性熱硬化樹脂シー
トよりなるスペーサー層と、該スペーサー層上に積層さ
れる制振材シート層および制振材シート層上に積層され
る拘束材シート層より構成される制振構造体において、
前記スペーサー層となる発泡性熱硬化性樹脂シートがエ
ポキシ樹脂、エポキシ樹脂用硬化剤、可塑剤、発泡剤お
よび室温で前記エポキシ樹脂に不溶で、かつ80〜20
0℃の温度において前記エポキシ樹脂と混和分散しうる
粉末状熱可塑性樹脂を必須成分とし、予備加熱すること
によりセミゲル化されたシートであり、かつ、制振材シ
ート層に接触するスペーサー層の面積が制振材シート層
の面積に対して25〜75%の範囲にあることを特徴と
する制振性構造体を、振動基板上で加熱硬化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両等のフロアパネ
ル、ダッシュパネル、ホイールハウス等の振動し易い基
板上に熱融着により一体化される制振性構造体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両等のフロアパネル、ダッ
シュパネル、ホイールハウス等の振動基板面にはアスフ
ァルトを主成分とする熱融着型制振材が多用されてい
る。近年では、これらのアスファルト系制振材の上面に
拘束材としてスチールシートやアルミニウムシート等の
金属シート、あるいはエポキシ樹脂やジアリルフタレー
ト樹脂等の熱硬化性樹脂を積層し、いわゆる拘束型制振
構造にすることにより制振性能の向上を図り、振動や騒
音を低減する手法が利用されている。さらに最近では、
アスファルトを主成分とする制振材シートを発泡させる
手法を取り入れることにより、特に制振性能の向上を図
る試みもなされている。
【0003】しかしながら、これらの制振構造には以下
の問題点がある。すなわち、アスファルトを主成分とす
る熱融着型制振材のみで車両等の振動基板の制振を図
る、いわゆるダブルレイヤー型制振構造では、その制振
性能を向上させるためには、その厚さを増大させる必要
があり、これは車両重量等を増大させることになる。ま
た、このような構造では振動を低減させるもうひとつの
手法である剛性の向上は殆ど期待できない。また、アス
ファルトを主成分とする制振材を発泡性のものとし、前
記重量の増加を抑制する技術も最近多く利用され始めて
いるが、実際の発泡倍率は1.2〜1.5倍程度であ
り、実用的重量範囲での制振性能の向上幅は、必ずしも
大きなものではない。
【0004】さらに、このアスファルトを主成分とする
制振材の上に金属シートあるいは熱硬化性樹脂シートを
拘束材として積層し、加熱により熱硬化性樹脂を硬化さ
せるとともに両者を一体化することにより、いわゆるサ
ンドイッチ型制振構造とする場合は、前記ダブルレイヤ
ー型制振構造よりも制振性、剛性は向上するものの、そ
の性能を大幅に向上させるためには、制振材、拘束材と
もにかなりの板厚を必要とするために、この場合におい
ても車両重量をかなり増大させることになる。従って、
実用的な厚さの範囲においては、ダブルレイヤー型制振
構造よりも効果的な振動、騒音の低減効果は得られる
が、それでも最近の車両室内の騒音低減の要求から考え
れば、性能に不足をきたしているのが現状である。
【0005】また、車両等の振動基板においては、その
剛性を向上させるために、プレスで凸凹を付与したもの
がフロアパネル、ダッシュパネル、ホイールハウス等に
用いられることが多く、拘束材に金属シートを使用した
サンドイッチ型制振構造では、加熱融着時にこの凸凹部
分に追従、一体化しないため、事前に振動基板面の凸凹
形状と同一の凸凹形状を付与しておかなければならない
という問題もあり、金属シートを拘束材として利用する
ことは、大幅な剛性向上が期待できるとわかりつつも、
その使用範囲は限定されたものであった。
【0006】このような問題を解決するため、本発明者
は既に、拘束材シート層、制振材シート及びスペーサー
層の三層構造より形成される制振構造体の提案を行って
いる。かかる制振構造体は軽量かつ、制振性及び剛性に
優れており、従来の制振構造体にない卓越した性能を有
している。しかし、現状の車両用を始めとする制振材料
は高いレベルの制振性能を保ちつつ、燃費の低減や排気
ガスの低減などのためにさらなる軽量化が要望されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る要望に基づき、従来の車両等の振動基板に高い制振性
と剛性を付与するとともに、軽量で必要に応じて車両等
の振動基板の凸凹形状にも追従する制振構造体を提供す
るものである。
【0008】
【課題を解決する為の手段】かかる本発明の目的は、振
動基板上に積層される発泡性熱硬化樹脂シートよりなる
スペーサー層と、該スペーサー層上に積層される制振材
シート層および制振材シート層上に積層される拘束材シ
ート層より構成される制振構造体において、前記スペー
サー層となる発泡性熱硬化性樹脂シートがエポキシ樹
脂、エポキシ樹脂用硬化剤、可塑剤、発泡剤および室温
で前記エポキシ樹脂に不溶で、かつ80〜200℃の温
度において前記エポキシ樹脂と混和分散しうる粉末状熱
可塑性樹脂を必須成分とし、予備加熱することによりセ
ミゲル化されたシートであり、かつ、制振材シート層に
接触するスペーサー層の面積が制振材シート層の面積に
対して25〜75%の範囲にあることを特徴とする制振
性構造体を、振動基板上で加熱硬化させて得られる制振
構造体により提供されるものである。
【0009】本発明のスペーサー層は発泡性熱硬化樹脂
シートよりなり、制振構造体におけるスペーサーとして
の機能を付与するものである。車両用等の制振構造体に
おけるスペーサーとしての好ましい性能は、軽量で剛性
が高く、かつ塗装乾燥工程等の加熱工程で振動基板に密
着、固定され、しかもこの工程で高倍率の発泡作用があ
ることである。本発明に供する発泡性熱硬化性樹脂シー
トは、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂用硬化剤、可塑剤、
発泡剤および室温で前記エポキシ樹脂に不溶で、かつ8
0〜200℃の温度において前記エポキシ樹脂と混和分
散しうる粉末状熱可塑性樹脂を必須成分とし、予備加熱
することによりセミゲル化されたシートである。
【0010】本発明に使用されるエポキシ樹脂は、例え
ば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂などのジグリシジルエーテル型エポキ
シ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾ
ールノボラツク型エポキシ樹脂などのノボラック型エポ
キシ樹脂;グリシジルエステル型エポキシ樹脂;グリシ
ジルアミン型エポキシ樹脂;線状脂肪族型エポキシ樹
脂;複素環型エポキシ樹脂;ハロゲン化エポキシ樹脂な
どが挙げられる。かかるエポキシ樹脂の好ましいエポキ
シ当量は100〜300である。これらのエポキシ樹脂
は、所望する発泡体の物性に応じて単独または組み合わ
せて使用することができる。かかるエポキシ樹脂の添加
量は後記粉末状熱可塑性樹脂100重量部に対して20
〜500重量部、好ましくは50〜200重量部の範囲
である。添加量が20重量部未満では、可塑剤や他の添
加剤との関係もあるが、本発明の目的とする機能を発揮
するに足りる充分な弾性を保持する発泡体が得難く、5
00重量部を越えると硬化反応時の発熱が大きくなり、
粉末状熱可塑性樹脂の分解を招いたり、発泡剤の発生ガ
スによる膨張を制御することが難しくなるため、高倍率
の均質な発泡体を得難くなるなどの不都合が生じる。
【0011】本発明で用いられるエポキシ樹脂用硬化剤
はエポキシ樹脂との組み合わせで発熱ピーク温度が10
0〜200℃の間にあるものが好ましく、例えば、ジシ
アンジアミド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォ
ン、2−n−ヘプタデシルイミダゾール、イソフタル酸
ジヒドラジド、N,N’−ジアルキルチオ尿素誘導体、
テトラヒドロ無水フタル酸、イソホロンジアミン、N−
アミノエチルピペラジン、三フッ化ホウ酸錯化合物など
が挙げられる。これらのエポキシ樹脂用硬化剤は1種類
で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いても
かまわない。かかるエポキシ樹脂用硬化剤の添加量は、
一般には前記エポキシ樹脂100重量部に対し0.5〜
20重量部である。添加量が0.5重量部未満ではエポ
キシ樹脂の硬化反応が不充分なときがあり、その場合は
心材の弾性率が向上せず、本発明の制振構造体は所望す
る剛性が得られない。また、20重量部を越える量を添
加しても、その添加量のわりには発泡体の弾性率が向上
せず、技術的意味がなくなる。
【0012】本発明で用いられる可塑剤は使用する粉末
状熱可塑性樹脂と相溶するものであれば、その種類は特
に限定されない。例えば、ジオクチルフタレート、ジブ
チルフタレート等のフタル酸エステル類;トリクレジル
フォスフェート等のリン酸エステル類;ジオクチルアジ
ペート、ジオクチルセバテートなどの脂肪酸エステル
類;アジピン酸とエチレングリコールとの縮合体のよう
なポリエステル類;塩素化パラフィン、アルキルベンゼ
ン、アロマチックなどの公知の可塑剤を単独または混合
して使用することができる。可塑剤の添加量は特に限定
するものではないが、粉末状熱可塑性樹脂100重量部
に対し、10〜100重量部の範囲で使用するのが好ま
しい。添加量が10重量部未満ではその他の添加剤の種
類や量にもよるが、発泡倍率が向上しない。また、10
0重量部を越えると、弾性率が低くなり、本発明の制振
構造体のスペーサーとしての機能が低減する。
【0013】本発明で用いられる発泡剤としては高温分
解型の有機または無機の発泡剤、高温膨張型マイクロカ
プセルなどが用いられる。発泡剤の好ましいガス発生温
度は、加熱発泡工程での容易性を考慮すれば100〜2
00℃である。ガス発生温度が100℃より低い場合
は、シートのセミゲル化時に発泡が始まったり、加熱発
泡工程で樹脂の溶解が不充分な状態で発泡が始まったり
するため、発生ガスが樹脂中から抜け出ることにより発
泡倍率が向上しない場合が生じる。また、200℃を越
えると、該組成物の加工温度が高くなりすぎ、樹脂の分
解が生じたりして、良好な品質の発泡体が得難くなる。
このような有機の発泡剤としては、例えば、アゾジカル
ボンアミド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、ジニ
トロソペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキシビ
スベンゼンスルホニルヒドラジドなどが挙げられる。こ
れらの有機発泡剤のガス発生温度は、尿素、亜鉛化合
物、鉛化合物などを添加することにより調整することが
できる。また、無機の発泡剤としては、例えば、炭酸水
素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウムなどが挙げられ
る。高温膨張型マイクロカプセルとしては、例えば、塩
化ビニリデン樹脂で低沸点炭化水素をカプセル化したも
のなどが挙げられる。これらの発泡剤のなかでは発泡倍
率や経済性などの観点から有機発泡剤が好ましい。ま
た、これらの発泡剤は1種で用いてもかまわないし、2
種以上を組み合わせて用いても良い。発泡剤の添加量は
目的とする発泡倍率などにより決定されるが、粉末状熱
可塑性樹脂100重量部に対して0.5〜15重量部の
範囲で添加するのが好ましい。添加量が0.5重量部未
満では発泡倍率が低く、15重量部を越えるとその添加
量のわりには発泡倍率が向上せず、経済的に不利となる
からである。また、均一な気泡径を得るためには、これ
らの発泡剤の粒子径は小さいほうが有利であり、発泡剤
の粒子径は20μm以下、好ましくは1μm以下の粒子
径分布の均一なものが好ましい。
【0014】本発明で用いられる粉末状熱可塑性樹脂は
室温で前記エポキシ樹脂に不溶で、かつ80〜200℃
の温度において前記エポキシ樹脂と混和分散し得るもの
である。かかる粉末状熱可塑性樹脂は前記発泡剤の分解
ガス発生温度以下の温度で加熱されることにより、前記
可塑剤の浸透をうけゲル化を開始しセミゲル化状態とな
りシート形状を保持させる機能を付与するものである。
本発明でいうセミゲル化状態にあるとは、熱硬化性樹脂
の硬化反応は無視しうる程度であり、粉末状熱可塑性樹
脂のみが可塑剤等の浸透により、ゲル化が始まっている
状態を指称するものである。従って、本発明に用いられ
る粉末状熱可塑性樹脂は、室温での混合、保持時にエポ
キシ樹脂に不溶、分散状態にあり加熱により混和分散し
うるものであれば、その種類は限定されるものではな
く、1種類または2種類以上を組み合わせて用いてもか
まわない。このような粉末状熱可塑性樹脂としては、例
えば、塩化ビニル系樹脂、メタアクリル系樹脂、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレ
ン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン共重合樹脂、メチルメタアクリレート−ブタジエン−
スチレン共重合樹脂などの各種の熱可塑性樹脂を粉末に
調製したものが挙げられる。熱可塑性樹脂を粉末に調製
する理由は前記エポキシ樹脂などと混合し、できるだけ
均一に分散させる必要があるためである。粉末状熱可塑
性樹脂の平均粒子径としては300μm以下、好ましく
は100〜1μmである。平均粒子径が300μmを越
えると、他の組成物との均一分散性が悪くなり好ましく
ない。前記熱可塑性樹脂のなかでも、利用できる可塑剤
の種類、入手の容易性などとともに、本発明の趣旨であ
るセミゲル化シートへの成形容易性などを考慮すると、
特に塩化ビニル系樹脂およびメタアクリル系樹脂が好ま
しい。塩化ビニル系樹脂としては、例えば、塩化ビニル
単独重合体のみならず、酢酸ビニル、アクリル酸、メタ
アクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エス
テル、マレイン酸、フマル酸、塩化ビニリデン、ビニル
エーテルなどとの共重合体も含まれている。かかる塩化
ビニル系樹脂は乳化重合や懸濁重合などの公知の重合方
法で製造したものが使われるが、セミゲル化の容易さや
発泡時の気泡構造などの観点から、ペースト用の乳化重
合またはマイクロ懸濁重合などの重合方法で製造したも
のが好ましい。またメタアクリル系樹脂としては、例え
ば、メチルメタアクリレート単独重合体あるいはメチル
メタアクリレートを優位量としたメチルメタアクリレー
トとエチルアクリレートやアクリロニトリルなどの共重
合可能な単量体との共重合樹脂を意味するものである。
さらに、メタアクリル系樹脂の場合も、セミゲル化の容
易さや発泡時の気泡構造などの観点から、乳化重合等に
より製造したペースト用のものが好ましい。
【0015】本発明においては初期の混合分散を容易に
したり、充填剤などの添加量を増加させるなどの目的
で、所望によりエポキシ樹脂用希釈剤を添加してもかま
わない。希釈剤は反応性希釈剤や非反応性希釈剤が用い
られ、反応性希釈剤としては、例えば、ブチルグリシジ
ルエーテル、アリルグリシジルエーテル、クレジルグリ
シジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルなどが挙
げられる。非反応性希釈剤としては、例えば、ジブチル
フタレート、トリクレジルフォスフェート、ブチルベン
ジルフタレート、アセチルトリブチルクエン酸エステ
ル、アロマティックプロセスオイル、パインオイルなど
が挙げられる。希釈剤の添加量は、エポキシ樹脂100
重量部に対し、通常、10〜100重量部の範囲で選択
される。
【0016】本発明においては、加工性や粘性などの塗
布特性の調整やコスト低減などの目的で、所望によりチ
クソトロープ剤や充填剤、顔料などを添加してもよい。
チクソトロープ剤としては、例えば、無水ケイ酸や含水
ケイ酸などのケイ酸類;有機ベントナイトなどのベント
ナイト類などが挙げられる。充填剤としては、例えば、
炭酸カルシウム、タルク、クレー、アスベスト、シリ
カ、グラファイトなどが挙げられる。さらに本発明では
気泡調整剤、界面活性剤、熱安定剤、粘度調整剤等を所
望により添加することができる。
【0017】発泡性熱硬化性樹脂シートは以上の成分を
含む組成物を予備加熱することによセミゲル化したもの
である。加熱温度は発泡剤の分解ガス発生温度以下の温
度である。セミゲル化することにより、シート形状が保
持され取扱が容易になる。本発明においては前記組成物
を予め発泡剤の分解ガス発生温度以下の温度でセミゲル
化シート状に成形加工性し、次の加熱工程において発泡
剤の分解ガス発生温度以上の温度でエポキシ樹脂を架橋
により硬化させることにより、発泡性熱硬化性樹脂シー
トからなるスペーサー層が形成される。発泡剤の分解ガ
ス発生温度以下の温度とは、通常、100〜150℃の
温度範囲であり、発泡剤の分解ガス発生温度以上の温度
とは、通常、120〜200℃の温度範囲をいう。
【0018】スペーサー層を構成する発泡性熱硬化性樹
脂シートの発泡倍率は2〜30倍、好ましくは5〜10
倍である。発泡倍率が2倍未満のものは、勿論スペーサ
ー層としての機能は果たしうるが、軽量性の観点から本
発明の主旨とするところではない。また、発泡倍率が3
0倍を越えると発泡体の気泡強度が不足し、車両の使用
部位によっては耐久性に問題が生じる可能性がある。発
泡性熱硬化樹脂シートの発泡前の厚さは、適用する振動
基板の凹凸の有無および凸凹の深さと発泡倍率あるいは
組み合わせて使用する制振材、拘束材の種類により一概
には限定されない。例えば、振動基板に凸凹が無い場合
は、通常、0.2〜10mm、好ましくは0.5〜5m
mである。0.2mm未満の場合はスペーサーとしての
有効な機能を果たし得ず、10mmを越える場合は、そ
の発泡倍率にもよるが、本発明の目的である車両用途に
おいては車内空間が狭くなり実用的でなくなるとともに
塗装乾燥工程を利用する場合には均質な発泡体が得られ
なくなる。また、振動基板に凹凸がある場合は、通常、
1.0〜10mm、好ましくは1.5〜5mmである。
凹凸の深さや発泡倍率にもよるが、1.0mm未満の厚
さでは発泡後の発泡体が振動基板の凹凸に完全に充填せ
ず部分的発泡体と振動基板との間に空隙が残り、有効な
振動減哀効果が得られない場合が生じる。また、10m
mを越える場合の不都合は、振動基板に凹凸がある場合
と同じである。
【0019】発泡性熱硬化樹脂シートの発泡硬化後の厚
さは1〜100mm、好ましくは5〜30mmである。
発泡硬化後の厚さが1mm未満の場合は、剛性が不足す
ることにより本発明の制振構造体のスペーサーとしての
機能が効果的に発現しなくなるため本発明の目的とする
ところではない。一方、100mmを越える場合は均質
な発泡セルを得るのが難しく、強度や剛性が不均一とな
る。
【0020】本発明においては制振材シート層に接触す
るスペーサー層の面積が、制振材シート層の面積に対し
て25〜75%の範囲にあることが重要である。一般的
に、金属板等が伝達を受け、これにより騒音を放射する
場合、その放射騒音は金属板等の平面振動および捩じり
振動の共振に基づくものが主要な成分となっている。制
振材の主たる機能は、この共振を抑制することにより放
射騒音の低減を図るものであるから、その共振の腹部分
に制振処理することにより、騒音放射を低減できること
になる。しかし、このような振動を受ける金属板には多
くの共振が同時に発現しているため、単純に一つの共振
の腹部分を制振処理することにより騒音放射を低減でき
るものではない。このため、本発明に係わるような、い
わゆるスペーサー付拘束型制振構造においては、スペー
サー層、制振材シート層および拘束材シート層とも同一
面積とし、振動面のできるだけ多くの面積に対して処理
するのが一般的かつ確実な処理方法である。しかしなが
ら、車両等においては放射騒音の低減を効果的に維持
し、かつ経済的に少しでも重量の低減を図る必要があ
り、前記方法においては重量低減および経済性において
必ずしも満足のいく方法ではなかった。このような背景
に基づき、本発明者はスペーサー付拘束型制振構造にお
けるスペーサー層の効果的な敷設面積を検討した結果、
制振材シート層に接触するスペーサー層の面積は制振材
シート層の面積に対して25〜75%、好ましくは30
〜70%の範囲であることを見出した。スペーサー層の
敷設面積が25%未満の場合は、その振動基板の共振状
態にもよるが、スペーサーを付与した効果が大幅に低下
する。一方、75%を越える場合も振動基板の共振状態
に影響を受けるが、ほぼ振動低減効果は一定となる。か
かるスペーサー層の敷設部位と形態は特に限定されるも
のではなく、例えば、後記図1の1〜5に示すように振
動基板の中央部位に四角形や円形に敷設する、振動基板
に格子状、市松模様状、蝶状に敷設するなど各種の敷設
部位と形態が挙げられる。
【0021】本発明の制振構造体に供せられる制振材シ
ートは、本構造において基板の振動を受けるとともに拘
束材による拘束を受けて剪断変形を生じることにより、
大きな制振機能を付与するものである。この制振材シー
トは、必要とされる構造体の制振性能や重量および振動
基板の形状や材質等により最適のものを選択することに
なるが、本発明の趣旨である高制振性、軽量性、経済性
などを考慮すると、ブチルゴム、アスファルト及びガラ
ス転移温度が−20℃以下に調整されたポリアクリル酸
エステルを主成分とする材質のものが好ましく使用され
る。ここで、ブチルゴム、アスファルト及びポリアクリ
ル酸エステルを主成分とするという意味は、拘束材シー
ト層とスペーサー層とのバインダーとして充分なタック
力の発現、接着強度の改良、耐熱性の改良あるいは制振
機能の改良等の目的のためにブチルゴム、アスファルト
及びポリアクリル酸エステルを他材料と共重合したりブ
レンドしたりする場合、ブチルゴム、アスファルト及び
ポリアクリル酸エステルの成分が他の構成材料より優位
量含まれていることを意味する。
【0022】ポリアクリル酸エステルのガラス転移温度
は−20℃以下に調整されることが必要であり、このガ
ラス転移温度が−20℃を越える場合はポリアクリル酸
エステルのタック力やずり接着強度などが不十分であ
り、拘束材シート層とスペーサー層間のバインダーとし
ての機能が不足することなり、別に接着処理などが必要
となる。なお、ガラス転移温度の下限は、特に限定する
ものではないが、実用的なポリアクリル酸エステルの構
造からみて−100℃程度である。このようなポリアク
リル酸エステルとしては、例えば、ポリアクリル酸エチ
ル、ポリアクリル酸2−エチルヘキシル、ポリアクリル
酸n−オクチルなどのポリアクリレート類;ポリメタア
クリル酸n−ブチル、ポリメタアクリル酸n−テトラデ
シルなどのポリメタアクリレート類などが挙げられる。
このような−20℃以下のガラス転移温度に調整された
アクリル酸エステルを使用する制振材シートの厚みは特
に限定するものではないが、本発明の目的とする実用的
な耐久性、制振性、製造方法等を考慮すると1.0mm
以下、好ましくは0.05〜0.5mmである。本制振
材シートは比較的弾性率が低いため、1.0mmを越え
る厚みでは、撓みに対する抵抗性が不足する場合が生じ
ることがあるとともに、厚さの割には効果的な制振性も
得られない。ただし、制振性能を効果的に発現させるた
めには、少なくとも0.05mm以上、望ましくは0.
1mm以上の厚さが必要である。
【0023】本発明の制振材シートの組成においては、
前記組成物の他に制振材としての機能を損なわず、本制
振構造体成形時あるいは使用時に支障が無いかぎり、接
着強度、耐久性、制振性等の向上の目的で軟化剤、タッ
キファイヤーを始め炭酸カルシウム、タルク、クレー等
の無機充填剤;ハロゲン化合物、酸化アンチモン、ホウ
酸亜鉛水和物等の難燃剤;熱安定剤;紫外線防止剤;酸
化防止剤;架橋剤等を添加することも可能である。本発
明に供せられる制振材シートとしては、先にも述べたと
おり特にその種類を限定するものではないが、前記ポリ
アクリル酸エステル樹脂の他に、スペーサー層や振動基
板への密着性、凸凹のある振動基板への追従性、要求制
振性能あるいはコスト的な観点において、ブチルゴムま
たはアスファルトを主成分とする制振材シートが好適で
ある。ブチルゴムを主成分とする制振材シートの厚さは
特に限定されないが、その要求性能から0.1〜3mm
の範囲であることが望ましい。0.1mm未満では実用
的な損失係数が得られず、3mmを越えると撓みに対す
る抵抗性が不足することがあるとともに厚さの割には効
果的な制振性も得られない。また、アスファルトを主成
分とする制振材シートの厚さも特に限定されないが、そ
の要求性能と実用的観点から0.5〜5mmの範囲であ
ることが望ましい。0.5mm未満では実用的な制振性
能が得られず、5mmを越えると厚さの割には効果的に
制振性能が発現しないとともに重量が極めて大きくな
り、本発明の趣旨に反することになる。
【0024】本発明に適用される拘束材シート層は、制
振材シート層の振動による変動を拘束し、制振材シート
に剪断変形を作用させることにより本発明の制振構造体
に高い制振性能を付与する機能を持つものである。この
ような、拘束材シートに供する材料は制振材シートと密
着性があり、出来るだけ弾性率が高いもので、車両等へ
の適用対象に適した材料から選択される。これは、例え
ば、車両などには車体剛性を付与するために、振動基板
面には凹凸が賦形されている部位があり、このような振
動基板への加熱による密着性が必要とされたり、曲面部
へ貼る場合にも、その追従性が必要とされるからであ
る。適用部位が特に複雑な形状を付与されておらず、平
板あるいは曲率半径の比較的大きな曲面である場合は、
鋼板あるいはアルミニウムシート等の金属シートが適用
可能であるし、凹凸部等への追従性が要求される場合に
は、例えば、本発明者が既に提案しているような粘着付
与剤樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂シート(特開平2
−197468号公報参照)あるいは合成ゴムを主成分
とする熱硬化性可塑物シート等の樹脂製シートが最適で
ある。本発明において拘束材シート層の厚さは特に限定
されるものではなく、適用される材料の特性と制振処理
をうける振動基板の形状や特性等から適宜選択すればよ
い。例えば、車両等の各種パネル上に形成される制振構
造としては、金属シートの場合には0.1〜1mm、樹
脂製シートの場合は0.5〜3mm程度の厚み範囲で充
分である。金属シートの場合、0.1mm未満では拘束
材シートとしての機能を果たし得ず、1mm以上を越え
ると本発明の目的の一つである制振処理による重量増加
をできるだけ抑制するという観点から外れるとともに、
制振処理時の取扱性も悪くなる。また、樹脂製シートの
場合、0.5mm未満では拘束材シートとしての有効な
機能を果たし得ず、3mmを越えると本発明の目的の一
つである制振処理による重量増加をできるだけ抑制する
という観点から外れてしまう。また、樹脂製拘束材シー
トを適用する目的のひとつとして、凹凸等のある複雑な
振動基板へも加熱により追従させるということがある
が、3mmを越える厚さの場合、振動基板の形状の複雑
さの度合いにもよるが、加熱によるその追従密着性が悪
くなる場合も生ずる。
【0025】本発明の制振性構造体のスペーサー層、制
振材シート層および拘束材シート層の各々の層の製造方
法あるいはこれらの層を積層して制振性構造体に製造す
る方法は特に限定されるものではない。本発明の制振構
造体は、車両や機械類等の振動するパネル等の振動基板
上に載置し、加熱硬化させスペーサー層のエポキシ樹脂
を架橋させることにより得られる。加熱温度は発泡剤の
分解ガス発生温度以上の温度で適宜設定される。制振性
構造体のスペーサー層はセミゲル化されているため振動
基板に載置した場合、振動基板との密着性に優れてお
り、加熱処理により強固に密着し一体化させることがで
きる。
【0026】以下に本発明の制振性構造体及び制振構造
体の好ましい態様を示す。 (1)発泡性熱硬化性樹脂シートの成分であるエポキシ
樹脂がジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノー
ルノボラック型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹
脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルア
ミン型エポキシ樹脂、線状脂肪族型エポキシ樹脂、複素
環型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂である本発
明の制振性構造体。 (2)発泡性熱硬化性樹脂シートの成分であるエポキシ
樹脂のエポキシ当量が100〜300である本発明の制
振性構造体。 (3)発泡性熱硬化性樹脂シートの成分であるエポキシ
樹脂の添加量が粉末状熱可塑性樹脂100重量部に対し
て20〜500重量部である本発明の制振性構造体。 (4)発泡性熱硬化性樹脂シートの成分であるエポキシ
樹脂用硬化剤がエポキシ樹脂との組み合わせで発熱ピー
ク温度が100〜200℃の間にあるものである本発明
の制振性構造体。 (5)発泡性熱硬化性樹脂シートの成分であるエポキシ
樹脂用硬化剤の添加量がエポキシ樹脂100重量部に対
し0.5〜20重量部である本発明の制振性構造体。 (6)発泡性熱硬化性樹脂シートの成分である可塑剤が
フタル酸エステル類、リン酸エステル類、脂肪酸エステ
ル類、ポリエステル類、塩素化パラフィン、アルキルベ
ンゼン、アロマチックである本発明の制振性構造体。 (7)発泡性熱硬化性樹脂シートの成分である可塑剤の
添加量が粉末状熱可塑性樹脂100重量部に対し10〜
100重量部である本発明の制振性構造体。 (8)発泡性熱硬化性樹脂シートの成分である発泡剤は
高温分解型の有機または無機の発泡剤、高温膨張型マイ
クロカプセルである本発明の制振性構造体。 (9)発泡性熱硬化性樹脂シートの成分である発泡剤の
ガス発生温度が100〜200℃である本発明の制振性
構造体。 (10)発泡性熱硬化性樹脂シートの成分である発泡剤
が有機の発泡剤である本発明の制振性構造体。 (11)発泡性熱硬化性樹脂シートの成分である発泡剤
の添加量が粉末状熱可塑性樹脂100重量部に対して
0.5〜15重量部である本発明の制振性構造体。 (12)発泡性熱硬化性樹脂シートの成分である発泡剤
の粒子径が20μm以下である本発明の制振性構造体。 (13)発泡性熱硬化性樹脂シートの成分である粉末状
熱可塑性樹脂が塩化ビニル系樹脂、メタアクリル系樹
脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリロニトリ
ル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合樹脂、メチルメタアクリレート−ブ
タジエン−スチレン共重合樹脂である本発明の制振性構
造体。 (14)発泡性熱硬化性樹脂シートの成分である粉末状
熱可塑性樹脂が塩化ビニル系樹脂またはメタアクリル系
樹脂である本発明の制振性構造体。 (15)発泡性熱硬化性樹脂シートの成分である粉末状
熱可塑性樹脂の平均粒子径が300μm以下である本発
明の制振性構造体。 (16)エポキシ樹脂、エポキシ樹脂用硬化剤、可塑
剤、発泡剤および室温で前記エポキシ樹脂に不溶で、か
つ80〜200℃の温度において前記エポキシ樹脂と混
和分散しうる粉末状熱可塑性樹脂を必須成分として含む
組成物を予め発泡剤の分解ガス発生温度以下の温度でセ
ミゲル化シート状に成形加工性し、次の加熱工程におい
て発泡剤の分解ガス発生温度以上の温度でエポキシ樹脂
を架橋により硬化させることにより発泡性熱硬化性樹脂
シートからなるスペーサー層を形成する本発明の制振構
造体。 (17)発泡剤の分解ガス発生温度が100〜150℃
である本発明の制振性構造体。 (18)発泡性熱硬化性樹脂シートの発泡倍率が2〜3
0倍である本発明の制振性構造体。 (19)振動基板に凸凹が無い場合、発泡性熱硬化樹脂
シートの発泡前の厚さが0.2〜10mmである本発明
の制振性構造体。 (20)振動基板に凸凹がある場合、発泡性熱硬化樹脂
シートの発泡前の厚さが1.0〜10mmである本発明
の制振性構造体。 (21)発泡性熱硬化樹脂シートの発泡硬化後の厚さが
1〜100mmである本発明の制振性構造体。 (22)制振材シート層に接触するスペーサー層の面積
が制振材シート層の面積に対して30〜70%である本
発明の制振性構造体。 (23)制振材シートがブチルゴム、アスファルト及び
ガラス転移温度が−20℃以下に調整されたポリアクリ
ル酸エステルを主成分とする材質のものである本発明の
制振性構造体。 (24)ガラス転移温度が−20℃以下に調整されたポ
リアクリル酸エステルを主成分とする制振材シートの厚
みが1.0mm以下である本発明の制振性構造体。 (25)ブチルゴムを主成分とする制振材シートの厚さ
が0.1〜3mmである本発明の制振性構造体。 (26)拘束材シート層が金属シートまたは樹脂製シー
トである本発明の制振性構造体。 (27)前記樹脂製シートが粘着付与剤樹脂を主成分と
する熱可塑性樹脂シートあるいは合成ゴムを主成分とす
る熱硬化性可塑物シートである本発明の制振性構造体。 (28)金属シートで形成される拘束材シート層の厚み
が0.1〜1mmである本発明の制振性構造体。 (29)樹脂製シートで形成される拘束材シート層の厚
みが0.5〜3mmである本発明の制振性構造体。
【0027】
【発明の効果】かくして得られる制振構造体は、効果的
なスペーサー層の配置を受けたスペーサー付拘束型制振
構造であるため、軽量でも広い温度範囲にわたって優れ
た制振性能を発揮するため良好な振動、騒音低減機能を
発揮する。
【0028】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例、比較例中の部および%は特
に断わりのない限り重量基準である。また、試験に供し
た材料および試験法は次の通りである。 (1)試験材料 ・発泡性熱硬化性樹脂シート(スペーサー層) 表1に示す組成の発泡性熱硬化性樹脂組成物をホバート
ミキサーで20分間混合して作製した後、剥離紙上に
2.0mmの厚さに塗布した。これを120℃で100
秒間加熱し、セミゲル化シートを作製した。
【0029】
【表1】
【0030】・制振材シート 表2に示す組成のポリアクリル酸エステル系組成物をト
ルエンに溶かして50%溶液とした後、これを剥離紙上
に0.15mmの厚さで塗布し、乾燥することにより作
製した。
【0031】
【表2】
【0032】・拘束材シート 拘束材シートとして厚さ0.2mmのアルミニウムシー
トを使用した。
【0033】・振動基板 振動基板として2.0mm厚さの200×300mmの
スチールプレートを使用した。
【0034】(2)制振構造体の製造方法 前記(1)で成形した未発泡のセミゲル化シート(スペ
ーサー層)、制振材シート及び拘束材シートを振動基板
であるスチールプレート上に載置し、表3で示す構成の
制振性構造体を作成した後、これを140℃の雰囲気で
30分間加熱して各々のシート間の接着、固定を行うと
共に、発泡性熱硬化樹脂の発泡を併せて行い制振構造体
を得た。制振材シート層に接触するスペーサー層の制振
材シート層に対する面積率は表3の所定の値になるよう
にした。また、スペーサー層は図1の1〜5に示す部位
と形態になるよう振動基板に敷設した。但し、面積率は
図1の1〜5には限定されない。
【0035】(3)試験方法 ・制振構造体の損失係数、剛性比及び綿密度 上記(2)で製造した制振構造体を用いて20℃、40
℃及び60℃の雰囲気中の損失係数と剛性比を測定し
た。損失係数は、機械インピーダンスの共振周波数にお
ける半値幅から算出し、内挿法により200Hzの損失
係数として求めた。なお、測定周波数範囲は1〜100
0Hzである。剛性比の算出は下記計算式により算出し
た。 剛性比=(f/f02{(m1+m2)/m1} 上記計算式中、f0は鋼板単体の共振周波数(Hz)、
fは複合構造としたときの共振周波数(Hz)、m1
鋼板単体のときの面密度(kg/m2)、m2は複合構造
としたときの面密度(kg/m2)を示す。以上の試験
結果を表6に示す。
【0036】
【表3】 また、比較のため表4で示す構成の制振性構造体を上記
(2)と同様に操作して作成した後、加熱処理して制振
構造体を得た。各制振構造体を上記(3)と同様にして
試験し、損失係数、剛性比及び面密度を求めた。以上の
試験結果を表4に示す。
【0037】
【表4】
【0038】表3から、本発明例(No.1〜7)の制
振構造体は損失係数が高く制振性が優れている、剛性比
が高く剛性が優れている、さらに面密度が小さく軽量で
あることが判る。一方、表4の比較例(No.8〜1
3)の制振構造体からは以下のことが判る。スペーサー
層の敷設面積率が100%である制振構造体(No.
8)は制振性及び剛性は優れているが、綿密度が大きく
なってしまう。スペーサー層の敷設面積率が20%であ
る制振構造体(No.9)は綿密度は小さいが、制振性
及び剛性が劣ってしまう。スペーサー層の敷設面積率が
85%である制振構造体(No.10)は制振性及び剛
性は優れているが、綿密度が大きくなってしまう。スペ
ーサー層のない制振構造体(No.11)は綿密度は小
さいが、制振性及び剛性が劣ってしまう。制振材シート
層のない制振構造体(No.12)は綿密度は小さい
が、制振性が劣ってしまう。拘束材シート層のない制振
構造体(No.13)は綿密度は小さいが、剛性が劣っ
てしまう。
【図面の簡単な説明】
【図1】振動基盤に積層するスペーサー層の敷設部位と
形態を示した図である。図1の1〜5の波線部分はスペ
ーサー層を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動基板上に積層される発泡性熱硬化樹
    脂シートよりなるスペーサー層と、該スペーサー層上に
    積層される制振材シート層および制振材シート層上に積
    層される拘束材シート層より構成される制振構造体にお
    いて、前記スペーサー層となる発泡性熱硬化性樹脂シー
    トがエポキシ樹脂、エポキシ樹脂用硬化剤、可塑剤、発
    泡剤および室温で前記エポキシ樹脂に不溶で、かつ80
    〜200℃の温度において前記エポキシ樹脂と混和分散
    しうる粉末状熱可塑性樹脂を必須成分とし、予備加熱す
    ることによりセミゲル化されたシートであり、かつ、制
    振材シート層に接触するスペーサー層の面積が制振材シ
    ート層の面積に対して25〜75%の範囲にあることを
    特徴とする制振性構造体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の制振性構造体を振動基板
    上で加熱硬化させて得られる制振構造体。
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