JPH08267665A - 薄板補強用接着シート - Google Patents

薄板補強用接着シート

Info

Publication number
JPH08267665A
JPH08267665A JP7315795A JP7315795A JPH08267665A JP H08267665 A JPH08267665 A JP H08267665A JP 7315795 A JP7315795 A JP 7315795A JP 7315795 A JP7315795 A JP 7315795A JP H08267665 A JPH08267665 A JP H08267665A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reinforcing
sheet
base material
thermosetting resin
composition layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7315795A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshitake Nakagawa
壽壯 中川
Yukio Nishiyama
幸夫 西山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP7315795A priority Critical patent/JPH08267665A/ja
Publication of JPH08267665A publication Critical patent/JPH08267665A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Body Structure For Vehicles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】補強部分との界面に浮きや剥離、また基材に皺
等が生じず、曲面に対しても良好に追従して貼付可能な
薄板補強用接着シートを提供する。 【構成】熱硬化性樹脂未硬化組成物層2の片面に、下記
に示すガラス繊維製シート状補強基材(A)1が積層さ
れた2層構造の薄板補強用接着シートである。 (A)合成樹脂を用いて含浸処理が施され、硬軟度が7
〜10の範囲に設定されたガラス繊維製シート状補強基
材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業状の利用分野】この発明は、自動車の外板鋼板
(ボディパネル)や、薄板鋼板を外板として使用する家
電製品等の鋼板の剛性および強度を向上させるための薄
板補強用接着シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車や家電製品等におい
て、薄板鋼板が使用されている箇所には種々の補強材が
設けられている。例えば、自動車のドア把持部,ルー
フ,リアフェンダー,トランク等のように、広くて比較
的平坦な形状でありながら鋼板の厚みが薄い外板に対し
て、その構造上外力に対して適度な剛性を具備させる必
要性から、金属製補強部材からなる内板を、その補強部
分にスポット溶接や接着剤により貼付することが行われ
ている。しかし、この金属製補強部材は重量が重いた
め、車両等の軽量化を阻害するという問題を有してい
る。また、上記スポット溶接は、取付け工程が複雑化す
る等の問題とともに、コストが高いという問題を有して
いる。
【0003】そこで、上記金属製補強部材に代わるもの
として熱硬化性樹脂製補強材を用いた補強方法が提案さ
れ一部で実施されている。この方法は、例えば、補強部
分の薄板部材の片面に、熱硬化性樹脂製補強材を用いて
補強層を形成するという方法である。さらに、一層の補
強性向上を目的に、熱硬化性樹脂組成物層に、SUS製
の薄板、アルミニウム箔が積層された補強用シートが提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
自動車の外観形状として、曲線デザインを有する傾向に
あり、補強部分は三次元曲面、すなわち、三次元に湾曲
した曲面である場合がある。そのため、上記接着剤を用
いた金属製補強部材である内板の補強部分に対する貼付
時には、内板が平板単独では外板と平板との間に隙間が
生じて接着剤が流出する傾向がある。一方、熱硬化性樹
脂組成物層に、SUS製の薄板が積層された補強用シー
トでは、基材となるSUS製の薄板が硬いため、自動車
の塗装硬化工程(一般に、電着塗装で180℃、中塗り
および上塗りで140℃)で硬化させる際、この硬化工
程で樹脂の粘度が軟化して基材の剛性による反発力(平
板に戻ろうとする力)から、補強部分の面と補強用シー
トとの間に浮きが生じたり、熱硬化性樹脂組成物層で充
分な粘着力が得られず、基材が剥離して脱落するという
問題が生じる。
【0005】また、逆に、基材がアルミニウム箔等のよ
うな柔らかい基材を用いた場合は、基材それ自身が軟弱
であるため、上記のような浮きや脱落等の問題は生じな
いが、硬化後、塗装ラインを経て常温に戻る際、樹脂の
熱収縮により、基材であるアルミニウム箔自身に皺が形
成されて所望の補強性を得ることができないという問題
が生じる。
【0006】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、曲面に対して良好に追従して貼付可能であ
り、しかも、補強部分との界面に浮きや剥離、また基材
に皺等が生じない薄板補強用接着シートの提供をその目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の薄板補強用接着シートは、熱硬化性樹脂
未硬化組成物層の層面に、下記に示すガラス繊維製シー
ト状補強基材(A)が積層配設されているという構成を
とる。 (A)合成樹脂を用いて含浸処理が施され、硬軟度が7
〜10の範囲に設定されたガラス繊維製シート状補強基
材。
【0008】
【作用】本発明者らは、常温および低温時において曲面
の補強部分に対しても良好に追従して貼付でき、加熱硬
化時には、補強用接着シートと補強部分との界面に浮き
や剥離が生じず、また、硬化後に皺等が形成されない補
強用接着シートを得るために、接着シート自身の特性を
中心に研究を重ねた。その研究の過程で、上記従来のよ
うな問題が生じるのは、補強部分に直接接着する熱硬化
性樹脂組成物未硬化層に積層されるシート状補強基材の
硬さに起因するのではないかと着想し、特にその硬さに
着目した。そして、上記種々の問題が生起しないシート
状補強基材における最適な硬さ、および、その最適な硬
さに設定可能な材料を求めてさらに研究を重ねた。その
結果、熱硬化性樹脂未硬化組成物層の層面に、合成樹脂
を用いて含浸処理を施して硬軟度が7〜10の範囲に設
定されたガラス繊維製シート状補強基材(A)を積層配
設した補強用接着シートを開発した。すなわち、ガラス
繊維製シート状補強基材(A)の硬さを表す硬軟度を上
記範囲(硬軟度7〜10)に設定すると、補強部分であ
る曲面に対して良好に貼付可能となり、加熱硬化時には
上記のような浮きや剥離が生じず、しかも、硬化後に常
温に戻る際に、熱硬化性樹脂の熱収縮により補強基材
(A)に皺が形成されず、補強部分に対する充分な補強
がなされることを見出しこの発明に到達した。また、上
記熱硬化性樹脂未硬化組成物層に粘着性を付与すること
により、補強部材からのずれや脱落の防止効果が向上し
好ましいことを突き止めた。さらに、上記熱硬化性樹脂
未硬化組成物層に、加熱分解発泡性の発泡剤を配合する
と、加熱硬化により樹脂組成物層が多孔質となり収縮応
力が緩和され特にこの発明において好ましいことを突き
止めた。
【0009】つぎに、この発明を詳しく説明する。
【0010】この発明の薄板補強用接着シートは、熱硬
化性樹脂未硬化組成物層の層面に、特定のガラス繊維製
シート状補強基材が積層配設されたシートである。
【0011】上記熱硬化性樹脂未硬化組成物層の形成に
使用される熱硬化性樹脂としては、例えば、グリシジル
エーテル型、グリシジルエステル型、グリシジルアミン
型、線状脂肪族エポキサイド型、脂肪族エポキサイド型
等の各種エポキシ樹脂およびその変性エポキシ樹脂があ
げられる。これらは、金属への接着性が良好であるため
好適である。また、この他に、メラミン系、ポリエステ
ル系、フェノール系、尿素系等の樹脂を使用することも
可能である。これらは単独でもしくは2種以上併せて使
用される。
【0012】上記熱硬化性樹脂には、通常、加熱活性硬
化剤が配合される。この加熱活性硬化剤としては、特に
制限されるものではなく、80〜200℃の範囲で活性
があるものであれば充分使用することができる。具体的
には、例えば、エポキシ樹脂の主硬化剤としては、ジシ
アンジアミド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホ
ン、フェノール樹脂、各種の酸および酸無水物、ポリア
ミドアミン等があげられる。この熱硬化剤の配合割合
は、熱硬化性樹脂100重量部(以下「部」と略す)に
対して、通常、3〜30部、好ましくは4〜20部の範
囲である。
【0013】さらに、上記熱硬化性樹脂には、硬化促進
剤、充填剤、熱分解性発泡剤、発泡助剤、チクソ性付与
剤等の各種添加剤を必要に応じて適宜配合することがで
きる。
【0014】上記硬化促進剤としては、2−n−ヘプタ
デシルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、イソフタ
ル酸、アジピン酸、アジピン酸ジヒドラジド、グアニジ
ン系、N,N−ジアルキルチオ尿素誘導体等を使用する
ことが可能である。そして、この硬化促進剤の配合割合
は、通常、熱硬化性樹脂100部に対して10部以下、
好ましくは0.3〜5部の範囲である。
【0015】上記充填剤としては、炭酸カルシウム、タ
ルク、シリカ、アルミナ、酸化チタン等があげられる。
この配合割合は、熱硬化性樹脂100部に対して150
部を超えないように配合する必要がある。好ましくは3
0〜120部の範囲である。すなわち、充填剤の配合割
合が、150部を超えると補強用接着シートの接着性が
低下する傾向がみられるからである。
【0016】そして、この発明の薄板補強用接着シート
においては、熱硬化性樹脂未硬化組成物層に加熱により
分解発泡する発泡剤を添加することが好ましい。このよ
うな発泡剤を使用することにより、接着性シートを加熱
したときに熱硬化性未硬化樹脂組成物層が硬化して多孔
質となり、収縮応力の吸収が一層増大するようになる。
また、硬化後の熱硬化性樹脂組成物層の厚みも厚くなる
ため、補強性や制振性も向上するようになる。この熱分
解性発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾビス
イソブチロニトリルのようなアゾ系化合物、ジニトロペ
ンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、パラトル
エンスルホニルヒドラジッド、4,4′−オキシベンゼ
ンスルホニルヒドラジド等のヒドラジド系化合物等を使
用することができる。これらは単独でもしくは2種以上
併せて用いることができる。また、薄板補強用接着シー
トの保存安定性の見地から発泡剤の分解温度として10
0℃以上のものを使用することが好ましい。そして、こ
の配合割合は、熱硬化性樹脂100部に対して0.5〜
10部の範囲に設定することが好ましい。特に好ましく
は2〜8部の範囲である。すなわち、0.5部未満では
補強性等を充分に向上させることができず、また10部
を超えると発泡過剰となって、逆に補強性等が低下する
傾向がみられるからである。
【0017】さらに、上記熱分解性発泡剤と併せて発泡
助剤を使用することもできる。この発泡助剤としては、
亜鉛華等の無機物、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸、尿
素化合物等があげられる。この配合割合は、熱硬化性樹
脂100部に対して0.2〜7部の範囲に設定すること
が好ましい。特に好ましくは0.5〜5部の範囲であ
る。すなわち、0.2部未満では、発泡助剤としての充
分な効果を得ることが困難で、また、7部を超えると逆
に補強用接着シートの補強性を低下させる傾向がみられ
るからである。
【0018】そして、上記熱分解性発泡剤とともにチク
ソ性付与剤を使用することが好ましい。このチクソ性付
与剤の使用により、加熱により形成される熱硬化性樹脂
組成物層中の発泡セルが微小で均一なものとなり、発泡
後の樹脂強度および樹脂層の厚みが均一となる。また、
このチクソ性付与剤は、硬化中の熱硬化性樹脂組成物層
の流動性を抑制するという作用も奏する。すなわち、薄
板補強用接着シートの取付け作業において、熱硬化性樹
脂組成物層の流動によるシートの薄板部材からのずれや
脱落が起こるおそれがある。そこで、このチクソ性付与
剤を使用することにより熱硬化性樹脂未硬化組成物層に
チクソ性を付与し、上記流動を抑制してシートの脱落等
が防止される。
【0019】このようなチクソ性付与剤としては、アエ
ロジル、アスベスト繊維等があげられ、このなかでも有
機ベントナイトを使用することが好ましい。また、この
配合割合は、熱硬化性樹脂100部に対して3〜30部
の範囲に設定することが好ましい。特に好ましくは5〜
15部の範囲である。すなわち、3部未満であると、発
泡剤による樹脂の発泡やチクソ性の付与が不充分とな
り、薄板部材からのシートのずれや脱落が起こる傾向が
みられるからである。逆に、30部を超えると、熱硬化
性樹脂未硬化組成物層の初期粘着力が低下する傾向がみ
られるからである。
【0020】さらに、この発明の薄板補強用接着シート
の薄板部材からのずれや脱落を効果的に防止するため、
熱硬化性樹脂未硬化組成物層に粘着性を付与することが
好ましい。この粘着性を付与する方法としては、例え
ば、粘着剤を配合する方法があげられる。この粘着剤と
しては、液状イソプレンゴム、ニトリルゴム系、ポリブ
テン等があげられる。この粘着剤の配合割合は、熱硬化
性樹脂100部に対して5〜30部、好ましくは10〜
20部の範囲である。
【0021】上記熱硬化性樹脂未硬化組成物層の層面に
配設積層されるガラス繊維製シート状補強基材は、下記
に示す特定のものである。 (A)合成樹脂を用いて含浸処理が施され、硬軟度が7
〜10の範囲に設定されたガラス繊維製シート状補強基
材。
【0022】上記ガラス繊維製シート状補強基材(A)
の主体となる基材としては、特にガラス繊維からなるガ
ラスクロスを用いることが好ましい。そして、このガラ
ス繊維製シート状補強基材(A)は、例えば、ガラス繊
維からなるガラスクロスを、上記のように合成樹脂を用
いて含浸処理することにより得られる。上記合成樹脂と
しては、各種の熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂のいず
れであってもよい。例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹
脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が
あげられる。また、エチレン−酢酸ビニルコポリマー
(EVA)、塩化ビニル樹脂、EVA−塩化ビニル共重
合樹脂等の熱可塑性樹脂があげられる。
【0023】上記合成樹脂を用いての含浸処理は、つぎ
のようにして行われる。すなわち、上記樹脂系を溶剤等
で希釈された溶液や、エマルジョン化した溶液をガラス
クロスに塗布する。その後、加熱し溶媒を除去する。こ
の含浸用の樹脂液の粘度が低ければ、無溶剤タイプでも
使用可能である。
【0024】そして、このような処理を経て得られるガ
ラス繊維製シート状補強基材(A)は、その硬軟度が7
〜10に設定されたものでなければならない。この硬軟
度はガラス繊維製シート状補強基材(A)の硬さを表す
指標である。すなわち、硬軟度が7未満では、曲面追従
性は良好であるが、補強基材(A)が硬過ぎるため、加
熱硬化時に補強基材(A)の剛性による反発力(平面に
戻ろうとする力)から、接着シートと補強部材との間に
浮きが発生する。また、硬軟度が10を超えると、逆
に、補強基材(A)が軟らか過ぎるため、加熱硬化後、
常温に冷却する際に、樹脂の熱収縮により補強基材
(A)に皺が発生して、充分な補強性が得られないから
である。したがって、この補強基材(A)を上記のよう
な硬軟度の範囲に設定することにより、この発明の薄板
補強用接着シートは、常温時および低温時の曲面追従性
を損なうことなく、しかも加熱工程時におけるガラス繊
維製シート状補強基材(A)の反発力を低減し、室温に
冷却する際の樹脂の収縮力による上記基材(A)の皺の
発生を防止することができる。なお、上記ガラス繊維製
シート状補強基材(A)の硬軟度は、実際には、つぎの
ように測定し設定される値である。すなわち、幅25m
m×長さ150mmに切断したガラス繊維製シート状補
強基材(A)を、支点間距離100mmの中央部に荷重
1gを載荷する。そのときの、荷重をかけた前後の変化
である撓み量を硬軟度とする。
【0025】つぎに、この発明の薄板補強用接着シート
は、上記材料を使用して、例えば、以下に示すようにし
て作製することができる。
【0026】すなわち、まず、熱硬化性樹脂未硬化組成
物層を形成する。これは、前記熱硬化性樹脂および必要
に応じて粘着性付与剤を配合して混合釜にして溶解混合
する。そして、この熱硬化性樹脂組成物に、硬化剤、硬
化促進剤、充填剤、チクソ性付与剤、熱分解性発泡剤、
発泡助剤を必要に応じて配合し、ついでこれを通常のミ
キシングロール等を用いて混練する。そして、得られた
樹脂塊を熱プレスにて厚み0.4〜2mm、好ましくは
0.6〜1.5mmのシート状に成形することにより熱
硬化性樹脂未硬化組成物層を形成する。
【0027】一方、前記方法に従い、合成樹脂を用いて
含浸処理されたガラス繊維製シート状補強基材(A)を
作製する。このガラス繊維製シート状補強基材(A)
は、厚み0.05〜0.4mm、好ましくは0.10〜
0.25mmとなるよう作製する。つぎに、このガラス
繊維製シート状補強基材(A)を、上記熱硬化性樹脂未
硬化組成物層の層面に積層配設する。この配設方法は、
上記両者をプレス等により貼着することにより行うこと
ができる。このようにして、図1に示すように、ガラス
繊維製シート状補強基材(A)1と熱硬化性樹脂未硬化
組成物層2の2層構造からなる薄板補強用接着シートを
製造することができる。得られる薄板補強用接着シート
全体の総厚みは、通常、0.5〜2.5mmに設定さ
れ、好ましくは0.6〜2.0mmに設定される。
【0028】
【発明の効果】以上のように、この発明の薄板補強用接
着シートは、熱硬化性樹脂未硬化組成物層の層面に、合
成樹脂を用いて含浸処理を施した硬軟度が7〜10のガ
ラス繊維製シート状補強基材(A)が積層配設されたシ
ートである。このため、曲面を有する補強部分への曲面
追従性が向上して、隙間無く貼付できる。しかも、加熱
硬化時には、ガラス繊維製シート状補強基材(A)の反
発力が減少して組成物層との界面、または接着シート全
体と補強部分との界面に浮きや剥離が生じない。そし
て、加熱硬化後、常温程度に戻る際には、樹脂組成物層
の収縮応力が低減されて熱収縮による皺等の発生もなく
充分な補強がなされる。また、上記熱硬化性樹脂未硬化
組成物層に粘着性を付与することにより、補強部材から
のずれや脱落の防止効果が一層向上する。さらに、上記
熱硬化性樹脂未硬化組成物層に熱分解性発泡剤を配合す
ることにより、熱硬化性樹脂組成物層が多孔質に形成さ
れて収縮応力の緩和および補強性等が一層向上するよう
になり好ましい。このように、この発明の薄板補強用接
着シートは、近年の曲線デザインを有する傾向にある自
動車の外板鋼板や、曲面を有する家電製品の薄板鋼板等
の鋼板の内側に、簡単に取付けることができ、しかも曲
面に沿って良好に貼付され充分な補強効果が得られる。
【0029】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0030】
【実施例1】まず、最初に、熱硬化性樹脂未硬化組成物
層を形成した。すなわち、変性エポキシ樹脂100部、
充填材50部、顔料1部、チクソ性付与剤15部を混合
釜を用いて溶融混合した。この混合物に、さらに、硬化
剤6部,硬化促進剤0.6部,発泡剤3部を配合し、ミ
キシングロールを用いて混練した。そして、得られた樹
脂塊を温度60℃×1分の条件で熱プレスした。このよ
うにして、厚み0.8mm、幅250mmのシート状の
熱硬化性樹脂未硬化組成物層を作製した。
【0031】一方、ガラス繊維(エポキシ樹脂処理品)
からなるガラスクロスを準備し、これに含浸処理を施し
た。この処理は、エポキシ樹脂組成物のエマルジョンを
クロスに含浸処理した後、乾燥炉で焼付け処理した。こ
のようにして硬軟度8で厚み0.2mmのガラス繊維製
シート状補強基材を作製した。そして、上記熱硬化性樹
脂未硬化組成物層とこのガラス繊維製シート状補強基材
とを重ね、プレス(条件:60〜80℃×30秒)する
ことにより貼着し、全体厚み1mm×幅60mm×長さ
220mmの薄板補強用接着シートを得た。
【0032】
【実施例2〜3、比較例1〜2】合成樹脂の種類および
含浸処理条件を下記の表1に示すように変えて硬軟度が
異なる厚み0.2mmのガラス繊維製シート状補強基材
を作製した。それ以外は実施例1と同様にして全体厚み
1mm×幅60mm×長さ220mmの薄板補強用接着
シートを得た。
【0033】
【表1】
【0034】
【従来例】ガラス繊維製シート状補強基材に代えてSU
S製の金属箔(厚み0.05mm、硬軟度2)を用い
た。そして、前記熱硬化性樹脂未硬化組成物層を用い、
プレス(条件:60〜80℃×30秒)することにより
貼着し、全体厚み1mmの薄板補強用接着シートを得
た。
【0035】このようにして得られた実施例品、比較例
品および従来例品の各薄板補強用接着シートを用い、曲
面追従性、加熱硬化時における状態を評価した。この結
果を下記の表2に示す。
【0036】〔曲面追従性(曲面試験1)〕自動車の防
錆油が塗布されたリアドア三次元曲面部に、幅60mm
×長さ220mmの各薄板補強用接着シートを、低温雰
囲気下(0℃、5℃、10℃、15℃)で貼付した。そ
して、48時間放置した後の状態を目視により観察し
た。
【0037】〔加熱硬化時における状態〕自動車の防錆
油が塗布されたリアドア三次元曲面部に、幅60mm×
長さ220mmの各薄板補強用接着シートを貼付した
(条件:0℃、5℃、10℃、15℃×30分間放
置)。そして、180℃に加温された乾燥機に30分間
放置した。
【0038】〔曲面試験2〕つぎに、各薄板補強用接着
シート(幅50mm×長さ100mm)を用い、上記と
は異なる曲面追従性の評価を行った。これは、図2に示
すように、所定の角度θ(30°、50°、70°)に
それぞれ折り曲げた鋼板3のコーナー(屈曲)部分に薄
板補強用接着シート4を貼付した。そして、加熱硬化
(180℃×30分間)させて鋼板3と薄板補強用接着
シート4の接着状態を目視により観察し評価した。下記
の表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】上記表2の結果から、実施例品は加熱硬化
時に剥がれ、浮き等の発生もなく、曲面追従性において
も良好な結果が得られた。これに対して比較例1品は、
加熱硬化時に、中央部に浮きが発生した。また、従来例
品は、曲面追従性試験において、剥離が発生し、しかも
加熱硬化時に浮きや剥がれが発生した。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の薄板補強用接着シートの一例を示す
斜視図である。
【図2】曲面追従性の測定方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ガラス繊維製シート状補強基材(A) 2 熱硬化性樹脂未硬化組成物層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂未硬化組成物層の層面に、
    下記に示すガラス繊維製シート状補強基材(A)が積層
    配設されていることを特徴とする薄板補強用接着シー
    ト。 (A)合成樹脂を用いて含浸処理が施され、硬軟度が7
    〜10の範囲に設定されたガラス繊維製シート状補強基
    材。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂未硬化組成物層が粘着性を
    有する請求項1記載の薄板補強用接着シート。
  3. 【請求項3】 熱硬化性樹脂未硬化組成物層が、加熱分
    解発泡性の発泡剤を含有する請求項1または2記載の薄
    板補強用接着シート。
JP7315795A 1995-03-30 1995-03-30 薄板補強用接着シート Pending JPH08267665A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7315795A JPH08267665A (ja) 1995-03-30 1995-03-30 薄板補強用接着シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7315795A JPH08267665A (ja) 1995-03-30 1995-03-30 薄板補強用接着シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08267665A true JPH08267665A (ja) 1996-10-15

Family

ID=13510069

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7315795A Pending JPH08267665A (ja) 1995-03-30 1995-03-30 薄板補強用接着シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08267665A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002283526A (ja) * 2001-03-27 2002-10-03 Nitto Denko Corp 加熱硬化型薄鋼板補強用接着シート
JP2005349703A (ja) * 2004-06-10 2005-12-22 Nitto Denko Corp 鋼板補強シート
JP2007160917A (ja) * 2005-11-17 2007-06-28 Nitto Denko Corp 鋼板補強シート
JP2010069795A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Anan Denki Kk 部材の補修用シートと部材の補修方法
US8092906B2 (en) 2003-08-08 2012-01-10 Nitto Denko Corporation Adhesive sheet for steel plate
JP2016070389A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 積水化成品工業株式会社 制振構造体及び制振材
JP2018517838A (ja) * 2015-03-31 2018-07-05 アルセロールミタル 局所的に補強された被覆鋼板を含む車両用パネル
US10328660B2 (en) * 2014-03-13 2019-06-25 Aisin Takaoka Co., Ltd. Composite structure and manufacturing method thereof

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002283526A (ja) * 2001-03-27 2002-10-03 Nitto Denko Corp 加熱硬化型薄鋼板補強用接着シート
US8092906B2 (en) 2003-08-08 2012-01-10 Nitto Denko Corporation Adhesive sheet for steel plate
JP2005349703A (ja) * 2004-06-10 2005-12-22 Nitto Denko Corp 鋼板補強シート
JP4657634B2 (ja) * 2004-06-10 2011-03-23 日東電工株式会社 鋼板補強シート
JP2007160917A (ja) * 2005-11-17 2007-06-28 Nitto Denko Corp 鋼板補強シート
JP2010069795A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Anan Denki Kk 部材の補修用シートと部材の補修方法
US10328660B2 (en) * 2014-03-13 2019-06-25 Aisin Takaoka Co., Ltd. Composite structure and manufacturing method thereof
JP2016070389A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 積水化成品工業株式会社 制振構造体及び制振材
JP2018517838A (ja) * 2015-03-31 2018-07-05 アルセロールミタル 局所的に補強された被覆鋼板を含む車両用パネル
US11312212B2 (en) 2015-03-31 2022-04-26 Arcelormittal Panel for vehicle comprising a coated steel sheet locally reinforced

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3689418B2 (ja) 鋼板補強用樹脂組成物、鋼板補強シートおよび鋼板の補強方法
US5151327A (en) Adhesive sheet for reinforcing thin rigid plates
US5964979A (en) Sealing method and article
JP5415698B2 (ja) 制振補強シート、および薄板の制振補強方法
JPS6115821B2 (ja)
JP2001105519A (ja) 自動車のパネル外板用発泡性補強材
JPH08267665A (ja) 薄板補強用接着シート
JP3087393B2 (ja) パネル補強用シート材料およびそれを用いた車輛外板パネル構造体
JPS63284281A (ja) 薄板補強用の接着性シ−ト
JP2940718B2 (ja) 車両パネル用剛性構造体
JP2002283526A (ja) 加熱硬化型薄鋼板補強用接着シート
JPS58136435A (ja) 積層補強材
JPH07256808A (ja) 制振性構造体及び制振構造体
JPH07137208A (ja) 薄板補強用接着性シート
JPS59204537A (ja) 金属板補強用の接着性シ−ト
JPH01221236A (ja) 薄板補強用の接着性シート
JPS6129259B2 (ja)
JPH0782534A (ja) 薄板補強用接着シート
JPS608947B2 (ja) 金属板補強用接着性シ−ト
JPH1122898A (ja) 薄板補強用接着シートおよびそれを用いた補強体
JP3067172B2 (ja) 車輌用制振構造体
JP2510882B2 (ja) 薄板補強用の接着性シ―ト
JPH09226061A (ja) 薄板鋼板補強用樹脂接着シート
JPS58118878A (ja) 金属板補強用の接着性シ−ト
JPS62214949A (ja) 拘束型制振材