JPH0788997A - 剛性断熱構造体 - Google Patents

剛性断熱構造体

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JPH0788997A
JPH0788997A JP26439593A JP26439593A JPH0788997A JP H0788997 A JPH0788997 A JP H0788997A JP 26439593 A JP26439593 A JP 26439593A JP 26439593 A JP26439593 A JP 26439593A JP H0788997 A JPH0788997 A JP H0788997A
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JP
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resin
epoxy resin
temperature
sheet
semi
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JP26439593A
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English (en)
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Masanori Yada
誠規 矢田
Noboru Hino
昇 日野
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】2枚の金属シートから成る表面材シートと該表
面材シート間に設けられた発泡性熱硬化樹脂層とから構
成され、かつ該樹脂層が、エポキシ樹脂と粉末状熱可塑
性樹脂と硬化剤と可塑剤と発泡剤とを必須成分とする樹
脂組成物をセミゲル化したシートである積層体を、加熱
処理して該熱硬化樹脂層を発泡させるとともに、各シー
トの接着面を一体的に融着させて成る剛性断熱構造体。 【効果】製作作業性がよく、軽量で取扱性が良好であ
り、剛性、断熱性、耐腐食性などに優れる上、凹凸のあ
る表面材シートにコア材の発泡体が完全に密着して各構
成層が一体化されており、パネル材として建材や保冷庫
などに好適に用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な剛性断熱構造体、
さらに詳しくは、製作作業性がよく、軽量で取扱性が良
好であり、かつ広い温度範囲において剛性、断熱性、耐
腐食性などに優れる上、凹凸のある表面材シートであっ
てもコア材の発泡体が完全に密着して各構成層が一体化
され、パネル材として建材や保冷庫壁材などに好適に用
いられる多層構造の剛性断熱構造体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、建材などとして用いられるパネル
類は、耐変形性、堅牢性、断熱性の向上や、振動の抑制
などの観点から、その剛性の向上が望まれ、さらには取
扱性を向上させるための軽量化や耐腐食性(耐水性)の
向上が要望されている。このような要望にこたえるため
に、これまで種々の方法が試みられている。例えばパネ
ルの剛性を向上させ、軽量化を図る手段として、ペーパ
ーハニカムやペーパーロールなどをコア材として使用
し、サンドイッチ構造体としたり、あるいはパネル構造
体の耐水性や耐腐食性を改良するために、コア材として
プラスチックハニカムやアルミニウムハニカムを利用す
る方法が試みられている。これらの方法は軽量で剛性の
高いパネル構造体を得る方法である。しかしながら、こ
のようなコア材を使用する方法においては、そのパネル
構造体を作成する段階で、コア材の展伸工程、接着剤の
塗布工程、プレス工程など、極めて人手の多い作業工程
が多く、生産性が低いという問題があった。また、この
ようなハニカムコアやロールコアをコア材に用いた場
合、得られるパネルの剛性は向上するものの、断熱性が
十分ではない上、表面材に凹凸や絞(しぼ)などのプレ
ス模様あるいは曲面があると、その接着面にすき間が生
じ、実用に適さないため、表面材の選択が限定されるの
を免れないなどの問題があった。そこで、このような問
題を解決するために、最近ハニカムコア中に発泡フェノ
ール樹脂を充填した構造のパネルが提案されている。し
かしながら、このようなパネルは剛性、断熱性、軽量性
などに優れた特徴を有するものの、製作生産性がさらに
低下するという欠点を有している。また、断熱性と剛性
を付与する別の方法として、ポリウレタン樹脂を表面材
シート間に注入発泡させたり、発泡性フェノール樹脂を
表面材シート間に充填し、加熱プレスにて発泡硬化させ
て、断熱パネルを形成する方法も提案されている。しか
しながら、これらの方法で得られるパネルは高い断熱性
は得られるものの、ハニカムコアなどのコア材を利用す
るパネルほどの剛性は得られず、衝撃強度が低く、かつ
十分な曲げ強度が得られないなどの欠点を有している。
このため、簡易保冷庫などに用いられるパネルにおいて
は、曲げ強度や衝撃強度の必要な部位は、軽量性や断熱
性、あるいは耐腐食性などを犠牲にして、コア材として
合板などを使用したサンドイッチパネルが利用されるこ
とが多かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情のもとで、製作の作業性及び生産性がよく、軽量で取
扱性が良好であり、かつ広い温度範囲において剛性、曲
げ強度、耐衝撃性、断熱性、耐腐食性などに優れる上、
凹凸のある表面材シートにコア材の発泡体が完全に密着
して各構成層が一体化された多層構造の剛性断熱構造体
を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の好ま
しい性質を有する剛性断熱構造体を開発すべく鋭意研究
を重ねた結果、2枚の金属シートから成る表面材シート
と該表面材シート間に設けられた特定のセミゲル化され
たシートから成る発泡性熱硬化樹脂層とから構成された
三層構造の積層体を、加熱処理して該セミゲル化された
シートを発泡させるとともに、各シートの接着面を一体
的に融着させた構造体により、その目的を達成しうるこ
とを見い出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成
したものである。すなわち、本発明は、2枚の金属シー
トから成る表面材シートと該表面材シート間に設けられ
た発泡性熱硬化樹脂層とから構成された三層構造を有
し、かつ該発泡性熱硬化樹脂層が、(a)エポキシ樹脂
と(b)このエポキシ樹脂に室温で不溶であって、80
〜200℃の温度において該エポキシ樹脂と混和分散し
うる粉末状の熱可塑性樹脂と(c)エポキシ樹脂用硬化
剤と(d)可塑剤と(e)発泡剤とを必須成分とし、該
粉末状の熱可塑性樹脂の含有量が前記エポキシ樹脂10
0重量部に対して20〜500重量部である樹脂組成物
を、前記発泡剤の分解ガス発生温度以下で加熱すること
により得られたセミゲル化されたシートである積層体
を、加熱処理して該熱硬化樹脂層を発泡させるととも
に、各シートの接着面を一体的に融着させたことを特徴
とする剛性断熱構造体を提供するものである。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明構
造体において用いられる表面材シートは、該構造体にそ
の変形を拘束することにより高い剛性を付与する機能を
有するとともに、該構造体の表面性状を決定するもので
ある。このような表面材シートに用いられる材料として
は、発泡性熱硬化樹脂層との密着性を有し、かつ使用す
る用途の機能を損なわない弾性率の高い材料が望まし
い。このような条件を満たす材料としては、金属シート
が最適であり、特にスチールシートやアルミニウムシー
トが入手の容易さの点から好適である。該金属シートの
厚さは、金属の種類による弾性率の相異や用途により左
右されるが、通常スチールシートやアルミニウムシート
の場合、0.1〜3.0mmの範囲で十分である。この厚さ
が0.1mm未満では得られる構造体の剛性が低くなると
ともに強度上の問題が生じるし、3.0mmを超えると重
量が増加し、本発明の目的である軽量性及び取扱性が低
下する。このような表面材の金属シートは、構造体の剛
性をさらに向上させる目的で、あるいは装飾性や構造体
間の接合性を容易にする目的などにより、ビード状の凹
凸、エンボス模様、曲面などが設けられていてもよい。
これらの凹凸形状などは、該構造体の作成時における発
泡性熱硬化樹脂層の加熱による発泡で、発泡体により十
分に充填される。また、このような表面材シートとして
用いられる2枚の金属シートは、該構造体の使用目的に
より、それぞれ厚みが異なっていてもよいし、金属の種
類が異なっていてもよい。
【0006】前記2枚の金属シートから成る表面材シー
ト間に設けられる発泡性熱硬化樹脂層は、本発明構造体
の作成時における加熱処理により高発泡し、コア材とし
て該構造体に剛性や断熱性などの性能を付与するもので
ある。このようなコア材としての好ましい性状として
は、軽量で剛性が高く、かつ該構造体の作成時に加熱処
理して発泡させる際、表面材シートに密着し、強固に一
体的に融着することが挙げられる。本発明において用い
られる前記発泡性熱硬化樹脂層は、(a)エポキシ樹脂
と(b)このエポキシ樹脂に室温で不溶であって、80
〜200℃の温度において該エポキシ樹脂と混和分散し
うる粉末状の熱可塑性樹脂と(c)エポキシ樹脂用硬化
剤と(d)可塑剤と(e)発泡剤とを必須成分とし、ま
た所望に応じ気泡調整剤、充填剤、界面活性剤、熱安定
剤、顔料、粘度調整剤などを含有する樹脂組成物を、予
め前記発泡剤の分解ガス発生温度以下で加熱することに
より得られたセミゲル化されたシートであって、次工程
の該発泡剤の分解温度より高い温度での加熱処理により
高発泡し、エポキシ樹脂の架橋反応により硬化しうるも
のである。前記樹脂組成物がセミゲル化された状態にあ
るとは、(a)成分のエポキシ樹脂が(d)成分の可塑
剤と共に、(b)成分の熱可塑性樹脂に浸透し、ゲル状
になっている状態を示す。このように、セミゲル化され
た状態にすることにより、シート形状が保持され、取り
扱いが容易になる。該樹脂組成物において、(a)成分
として用いられるエポキシ樹脂としては、例えばビスフ
ェノールA、ビスフェノールF又はレゾルシンをベース
にするグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂
又はクレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテ
ル、水素化ビスフェノールAのグリシジルエーテル、グ
リシジルアミン、線状脂肪族エポキシドなどが挙げられ
るが、これらの中でエポキシ当量が100〜300の範
囲にあるものが好適である。これらのエポキシ樹脂は1
種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0007】また(b)成分として用いられる粉末状の
熱可塑性樹脂は、前記エポキシ樹脂に室温で不溶であっ
て、80〜200℃の温度において該エポキシ樹脂と混
和分散しうるものである。この熱可塑性樹脂は、後で述
べる発泡剤の分解温度以下で加熱されることにより、前
記エポキシ樹脂及び可塑剤の浸透をうけゲル化を開始す
ることにより、セミゲル状態となりシート形状を保持さ
せる機能を有するものである。したがって、該熱可塑性
樹脂は、室温での混合、保存時にエポキシ樹脂に不溶、
分散状態にあり、かつ加熱により混和分散しうるもので
あればよく、その種類については特に制限はない。この
ような熱可塑性樹脂としては、例えば塩化ビニル系樹
脂、メタクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレン共重合体、メチルメタク
リレート−ブタジエン−スチレン共重合体などが挙げら
れるが、利用できる可塑剤の種類、入手の容易さととも
に、セミゲル化シートへの成形容易性などを考慮する
と、特に塩化ビニル系樹脂及びメタクリル系樹脂が好適
である。ここで、塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニ
ル単独重合体や、塩化ビニルと酢酸ビニル、アクリル
酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸
エステル、マレイン酸、フマル酸、塩化ビニリデン、ビ
ニルエーテルなどとの共重合体を挙げることができる。
この塩化ビニル系樹脂は、乳化重合や懸濁重合などの公
知の重合方法により製造したものを使用することができ
るが、特にペースト用の乳化重合又は微細懸濁重合によ
り製造したものは、セミゲル化の容易さや発泡時の気泡
構造などの点から好適である。一方、メタクリル系樹脂
としては、メチルメタクリレート単独重合体や、メチル
メタクリレートを主成分とするメチルメタクリレートと
エチルアクリレートやアクリロニトリルなどの共重合可
能な単量体との共重合体を挙げることができる。また、
このメタクリレート系樹脂の場合もセミゲル化の容易さ
や発泡時の気泡構造などの点から、乳化重合などにより
製造したペースト用のものが好適である。
【0008】該(b)成分の粉末状の熱可塑性樹脂は1
種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
く、また、その配合量は、前記(a)成分のエポキシ樹
脂100重量部に対して、20〜500重量部、好まし
くは50〜200重量部の範囲で選ぶことが必要であ
る。この量が20重量部未満では硬化反応時の発熱が大
きくなり、該熱可塑性樹脂の分解を招いたり、発泡剤の
発泡ガスによる膨張を制御することが難しくなるため、
高倍率の均質な発泡体が得られにくいし、500重量部
を超えると可塑剤や他の添加剤との関係もあるが、本発
明の目的とする機能を発揮するにたる十分な弾性を保持
する発泡体が得られにくい。該熱可塑性樹脂は、樹脂組
成物中にできるだけ均一に分散させる必要があるため、
その形状は粉末であることが必要であり、平均粒子径と
しては、通常300μm以下、好ましくは1〜100μ
mの範囲である。この平均粒子径が300μmを超える
と樹脂組成物中における均一分散性が悪くなり、好まし
くない。該樹脂組成物において(c)成分として用いら
れるエポキシ樹脂用硬化剤は、エポキシ樹脂との組合せ
で発熱ピーク温度が100〜200℃の範囲にあるもの
が好ましく、このようなものとしては、例えばジシアン
ジアミド、4,4'−ジアミノジフェニルスルフォン、2
−n−ヘプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール誘
導体、イソフタル酸ジヒドラジド、N,N'−ジアルキル
チオ尿素誘導体、テトラヒドロ無水フタル酸などの酸無
水物、イソホロンジアミン、N−アミノエチルピペラジ
ン、三フッ化ホウ素錯化合物などが挙げられる。これら
の硬化剤は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
て用いてもよく、またその配合量は、前記(a)成分の
エポキシ樹脂100重量部に対して、通常0.5〜20
重量部の範囲で選ばれる。この量が0.5重量部未満で
はエポキシ樹脂の硬化反応が不十分となるおそれがあ
り、この場合コア材の弾性率が向上せず、所望の剛性を
有する構造体が得られにくいし、20重量部を超えると
その量の割にはコア材の弾性率の向上がみられない。
【0009】該樹脂組成物において(d)成分として用
いられる可塑剤は、熱可塑性樹脂をエポキシ樹脂中に安
定に混和分散するとともに、樹脂組性物の溶融粘度を調
整する役割をもつものであって、その種類については特
に制限はなく、使用する熱可塑性樹脂と相溶するものが
用いられる。したがって、その種類は、使用する熱可塑
性樹脂の種類により異なるが、一般的には、ジオクチル
フタレート、ジブチルフタレートなどのフタル酸エステ
ル類、トリクレジルフォスフェートなどのリン酸エステ
ル類、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケートな
どの脂肪酸エステル類、アジピン酸とエチレングリコー
ルとの縮合体などのポリエステル類、塩素化パラフィ
ン、アルキルベンゼン、アロマチックプロセスオイルな
どの公知の可塑剤を単独又は2種以上を混合して使用す
ることができる。その配合量については、特に制限はな
いが、(b)成分の熱可塑性樹脂100重量部に対して
10〜100重量部の割合で用いるのが好ましい。この
量が10重量部未満ではその他の配合成分の種類や量に
もよるが発泡倍率が十分に向上しないし、100重量部
を超えるとコア材の弾性率が低下し、得られる構造体の
剛性を向上させる効果が低減する。
【0010】該樹脂組成物においては、(e)成分とし
て発泡剤が用いられる。この発泡剤としては、高温分解
型の有機又は無機発泡剤、高温膨張型マイクロカプセル
などが挙げられるが、加熱発泡工程での容易さの点か
ら、ガス発生温度が100〜200℃の範囲にあるもの
が好適である。このガス発生温度が100℃未満のもの
では、シートのセミゲル化時に発泡が始まったり、加熱
発泡工程で樹脂の溶融が不十分な状態で発泡が始まった
りするため、発泡ガスが樹脂中から抜け出ることにより
発泡倍率が十分に高くならないおそれがあるし、200
℃を超えるものでは該組成物の加工温度が高くなりす
ぎ、樹脂の分解が生じたりして、良好な品質の発泡体が
得られにくい。前記有機発泡剤としては、例えばアゾジ
カルボンアミド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、
ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4'−オキシ
ビスベンゼンスルホニルヒドラジドなどが挙げられる。
これらの有機発泡剤の分解温度は尿素、亜鉛化合物、鉛
化合物などを添加することにより、任意に調整すること
ができる。また、無機発泡剤としては、例えば炭酸水素
ナトリウム、水酸化ホウ素ナトリウムなどが、高温膨張
型マイクロカプセルとしては、例えば塩化ビニリデン樹
脂で低沸点炭化水素をカプセル化したものなどが挙げら
れる。これらの発泡剤の中で、発泡倍率や経済性などの
点から有機発泡剤が好適である。これらの発泡剤は1種
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
く、またその配合量は所望の発泡倍率などにより決定さ
れるが、該(b)成分の熱可塑性樹脂100重量部に対
して、通常0.5〜15重量部の範囲で選ばれる。この
量が0.5重量部未満では発泡倍率が低いし、15重量
部を超えるとその量の割には発泡倍率は向上せず、経済
的にむしろ不利となる。さらに、均一な気泡径を得るた
めには、これらの発泡剤の粒子径は小さい方が有利であ
り、該発泡剤の平均粒子径は通常20μm以下、好まし
くは1μm以下であって粒子径分布の均一なものが好ま
しい。該樹脂組成物には、初期の混合分散を容易にした
り、充填剤などの添加量を増加させるなどの目的で、必
要に応じてエポキシ樹脂用希釈剤を添加してもよい。こ
の希釈剤としては、例えばブチルグリシジルエーテル、
アリルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテ
ル、フェニルグリシジルエーテルなどの反応性希釈剤
や、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェー
ト、ブチルベンジルフタレート、アセチルトリブチルク
エン酸エステル、アロマティックプロセスオイル、パイ
ンオイルなどの非反応性希釈剤を挙げることができる。
これらの希釈剤の配合量は、通常(a)成分のエポキシ
樹脂100重量部に対して、10〜100重量部の範囲
で選ばれる。
【0011】さらに、該樹脂組成物には、加工性及び粘
性などの塗布特性の調整やコスト低減の目的で、必要に
応じてチクソトロープ剤や充填剤、顔料などを配合して
もよい。該チクソトロープ剤としては、例えば無水ケイ
酸や含水ケイ酸などのケイ酸類、有機ベントナイトなど
のベントナイト類などが挙げられる。また、充填剤とし
ては、例えば炭酸カルシウム、タルク、クレー、アスベ
スト、シリカ、グラファイトなどが挙げられる。本発明
においては、このようにして得られた樹脂組成物を、予
め発泡剤の分解温度以下、通常100〜150℃の比較
的低温にて、セミゲル化シート状に成形加工したのち、
これを表面材シートとなる2枚の金属シート間に挿入し
て積層体を形成し、次いでこの積層体を発泡剤の分解温
度以上、通常120〜200℃の範囲の温度で加熱処理
することにより、該セミゲル化シートを発泡させるとと
もに、各シートの接着面を一体的に融着させることによ
り、所望の構造体が得られる。ここで、該樹脂組成物を
セミゲル化して使用するのは保存などの取扱性や成形性
を大幅に向上させるためである。取扱性の点でいえば、
例えば該樹脂組成物を離型紙上に所定厚みになるように
コーティングし、これをセミゲル化したものは、巻物状
にして保管することが可能であり、このようなセミゲル
化シートを、二層、三層と重ねて金属シート間に挿入し
て成形することが可能になる。また、これにより得られ
る剛性断熱構造体の厚さや性能を任意に設計することが
できる。
【0012】一方、成形性の点からは、次に示すように
大幅な利点を得ることが可能である。すなわち、本発明
の剛性断熱構造体は一般に大面積であり、液状樹脂組成
物を用いて成形する場合、下(片)側金属シートの周囲に
堰を設けて、ここに液状樹脂組成物を定量注入した上
で、これを完全に水平に保ったまま、次の加熱プレス工
程や加熱炉中に供給する必要がある。堰がなければ余程
の高粘度組成物でないかぎり、表面材シート外に流出し
たり、また完全に水平に保持しない場合は、得られる構
造体の発泡層の厚みが不均一になり、均質な厚みの構造
体が得られなくなる。さらに、セミゲル化された発泡性
シートを構造体の作成に使用する利点は、以下の点につ
いて顕著である。すなわち、表面材シートとして、構造
体の剛性を向上させるために凹凸を設けた金属シート
や、装飾性を向上させるために深い絞模様などを設けた
金属シートを利用できることにあり、さらには、曲面や
波板状に賦形された金属シートも表面材シートとして利
用可能である。このように賦形された金属シートは、周
囲に堰を設けた上、液状の樹脂組成物を注入しても、金
属シートの凹部に該組成物が流入してしまうため、極め
て浅い凹凸部を有する賦形金属シートしか表面材シート
として使用できないが、セミゲル化したものを使用する
場合、発泡倍率に若干の不均質さを生じるものの、実用
上支障のない範囲で深い凹凸模様に賦形された金属シー
トを表面材シートとして利用することが可能となる。さ
らにまた、該樹脂組成物は、そのセミゲル化の条件によ
り、粘着性のある状態から、ほとんど粘着性のない状態
にまで容易に調整が可能である。このような粘着性のあ
る状態で構造体の作成に供すると水平状態に保ったまま
加熱する必要はなく、適度な傾きあるいは垂直状態にお
いても加熱処理することが可能となる。このような特徴
は、湾曲部などを有する不定形金属シートを表面材シー
トとして使用する場合に特に有効である。
【0013】従来、このように賦形された表面材シート
を使用し、発泡体をサンドイッチした構造体の作成にお
いては、発泡ポリウレタンなどの注入発泡成形しか利用
できなかったため、高い剛性、衝撃強度、曲げ強度など
の特性をもつ構造体を一体的に作成することができなか
ったが、前記したようなセミゲル化された発泡性樹脂組
成物を用いることにより、それが可能となる。本発明に
おいて、2枚の金属シート間に挿入されるセミゲル化シ
ートから成る発泡性熱硬化樹脂層の発泡倍率は3〜30
倍、好ましくは5〜20倍程度が望ましい。この発泡倍
率が3倍未満のものは、軽量性や断熱性などの点から本
発明の目的とするものではないし、30倍を超えると発
泡セルの強度が不足するとともに、発泡セルに均質性が
なくなり、耐圧縮強度や剛性が低下し、実用に耐えられ
なくなる可能性がある。また、該発泡性熱硬化樹脂層の
発泡硬化後の厚さは1〜100mm、好ましくは5〜30
mm程度が望ましい。この発泡硬化後の厚さが1mm未満で
は剛性や断熱性などが不足するし、100mmを超えると
均質な発泡セルが得られにくく、強度や剛性が不均一と
なる。本発明構造体の作成は、所定の厚みとなるように
スペーサーなどを介して2枚の金属シートを固定し、そ
の間にセミゲル化された発泡性熱硬化樹脂シートを挿入
した積層体を、加熱炉や加熱プレスなどにより加熱処理
することによって容易に行うことができる。このように
して得られた本発明構造体は、中間層(コア材)に高い
発泡倍率の均質なセル構造の発泡体を有するものであっ
て、剛性や断熱性などに優れる性能を有し、建築用や保
冷用などのパネル材として好適である。
【0014】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、構造体の物性、発泡セル形状及
び凹凸充填性は次に示す要領で求めた。 (1)構造体の物性 (イ)剛性 構造体を加振した際の機械インピーダンスを求め、その
共振点を測定することにより、表面材の剛性に対する
比、すなわち剛性比を次式により計算で求めた。 剛性比=(f/f0)2・[(m1+m2)/m1] ただし、f0:表面材単体のときの共振周波数(Hz) f:構造体の共振周波数(Hz) m1:表面材単体の面密度(kg/m2) m2:構造体の面密度(kg/m2) (ロ)曲げ強度 構造体を30×250mmの寸法に調整し、3点曲げによ
る試験を行い曲げ強度を求めた。なお、支点間距離は2
00mmである。 (ハ)熱伝導率 英弘精機産業製HC−071H型熱伝導率測定器により
測定した。
【0015】(2)発泡セル形状、凹凸充填性 片側の表面材である金属シートとして、図1に示す凹凸
形状をもつ厚さ1mmのスチールシートを使用し、その上
に未発泡セミゲル化シート及び厚さ1mmのスチールシー
ト(平板)を順に戴置し、150℃で30分間加熱して
発泡、硬化と各シート間の融着を行い、発泡層のセル形
状及び凹部への充填性を求めた。評価は次の判定基準に
従って行った。なお、凹凸形状の波の高さは8mmであ
り、試験体寸法は25×250mmである。 ◎:セルは均一でち密、発泡体は凹部に完全に充填。 ○:セルは比較的均一でち密、発泡体は凹部に完全に充
填。 △:セルに一部不均一な部分が含まれ、発泡体は凹部に
隙間が観察されるが、実用上支障がない。 ×:セルは不均一で荒く、発泡体は凹部に充填していな
い部分がある。 ××:セルは不均一で荒く、発泡体は凹部にほとんど充
填していない。 製造例1 未発泡セミゲル化シートの製造 第1表に示す配合比で、各成分をホバートミキサーで2
0分間混合し、発泡性熱硬化樹脂組成物を調製したの
ち、剥離紙上に所定の厚さで塗布した。これを120℃
で100秒間加熱し、未発泡セミゲル化シートを製造し
た。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】実施例1〜12、比較例1〜3 周囲を所定の厚さを得るためのスペーサで固定した表面
材(アルミニウムシート又はスチールシート)の間に、
製造例1で得られた未発泡セミゲル化シートを挿入した
のち、150℃のホットプレスで20〜30分間、加熱
プレスを行い、構造体を作成した。構造体の構成を第2
表に示す。なお、構造体の寸法は約210×300mmで
ある。このようにして得られた構造体の物性を求めた。
また、別に同じセミゲル化シートを用いて、発泡セル形
状、凹凸充填性を求めた。これらの結果を第3表に示
す。 比較例4、5 未発泡セミゲル化シートを用いずに、コア材としてラワ
ン合板(比較例4)、ペーパーハニカム(比較例5)を
用い、第2表に示す構成の構造体を作成し、物性を求め
た。その結果を第3表に示す。
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】なお、比較例2、比較例3はセミゲル化シ
ートが熱分解を始めていた。また、発泡セル形状、凹凸
充填性を求める試験において、セミゲル化しない組成物
を用い、堰を設けて構造体を作成した場合、ほとんど全
量の組成物が凹部に流入したため、凸部にもう一方の金
属シート(平板)がほとんど密着した状態の成形品しか
得ることができなかった。
【0022】
【発明の効果】本発明の剛性断熱構造体は、製作作業性
がよく、軽量で取扱性が良好であり、かつ広い温度範囲
において剛性、曲げ強度、耐衝撃性、断熱性、耐腐食性
などに優れる上、凹凸のある表面材シートにコア材の発
泡体が完全に密着して各構成層が一体化された多層構造
のものであって、パネル材として建材や保冷庫などに好
適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、発泡セル形状、凹凸充填性を求める試
験において用いた金属シートの平面図(a)及び側面図
(b)である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2枚の金属シートから成る表面材シートと
    該表面材シート間に設けられた発泡性熱硬化樹脂層とか
    ら構成された三層構造を有し、かつ該発泡性熱硬化樹脂
    層が、(a)エポキシ樹脂と(b)このエポキシ樹脂に
    室温で不溶であって、80〜200℃の温度において該
    エポキシ樹脂と混和分散しうる粉末状の熱可塑性樹脂と
    (c)エポキシ樹脂用硬化剤と(d)可塑剤と(e)発
    泡剤とを必須成分とし、該粉末状の熱可塑性樹脂の含有
    量が前記エポキシ樹脂100重量部に対して20〜50
    0重量部である樹脂組成物を、前記発泡剤の分解ガス発
    生温度以下で加熱することにより得られたセミゲル化さ
    れたシートである積層体を、加熱処理して該熱硬化樹脂
    層を発泡させるとともに、各シートの接着面を一体的に
    融着させたことを特徴とする剛性断熱構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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