JP2000006287A - 制振構造体 - Google Patents

制振構造体

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JP2000006287A
JP2000006287A JP10196681A JP19668198A JP2000006287A JP 2000006287 A JP2000006287 A JP 2000006287A JP 10196681 A JP10196681 A JP 10196681A JP 19668198 A JP19668198 A JP 19668198A JP 2000006287 A JP2000006287 A JP 2000006287A
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sheet
epoxy resin
vibration
temperature
weight
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JP10196681A
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English (en)
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Takamitsu Mikuni
隆光 三国
Yoshiaki Miki
良明 三木
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Zeon Kasei Co Ltd
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Zeon Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制振性能が大きく、また、垂直基板に適用し
ても位置ずれの生じ難い制振構造体を提供すること。 【解決手段】 車輛における振動基板上に積層される
(A)ブチルゴムまたはガラス転移温度が−20℃以下
であるアクリル樹脂からなる制振材シートと、該制振材
シートの上に積層される(B)(b1)エポキシ樹脂1
00重量部、(b2)潜在性硬化剤0.5〜20重量
部、(b3)室温で前記エポキシ樹脂に不溶でかつ80
〜150℃の温度において該エポキシ樹脂に混和分散し
得る平均粒子径が150μm以下の粉末状の熱可塑性樹
脂10〜200重量部および(b4)分解ガス発生温度
が100〜220℃である発泡剤とを含有してなる拘束
材発泡シート並びに該拘束材発泡シートの上に積層され
る(C)プラスチック製被覆シートからなり、(A)、
(B)および(C)の積層厚みが1.0〜4.5mm
で、密度が1.0〜2.6g/cm3 である制振構造
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輛のドアパネ
ル、フロントフェンダ 、フロントパネル等の振動し易
い基板に対して制振性能に優れ、軽量で、垂直基板に対
しても適用可能な制振構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】車輛のフロアパネル、ダッシュパネル、
ホイルハウス等の振動基板面には、従来よりアスファル
トを主成分とする熱融着性制振材が多用されている。ま
た、近年では、これらのアスファルト系制振材の上面に
拘束材としてスチールプレートやアルミニウムプレー
ト、或いはエポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の
熱硬化性ポリマーのシートを積層して、いわゆる拘束型
制振構造体として、制振性能と剛性の向上を図ることに
より振動の低減を図る手法が利用されている。さらに最
近では、アスファルトを主成分とする制振材シートを発
泡させる手法により、制振性能を向上させる試みも行わ
れている(特開平6−128555号公報)。また、軽
量化を追求して、基板にエポキシ樹脂発泡シートを拘束
性のある剛性付与層として密着させ、次いで制振材シー
ト、金属性拘束材シートを重ねた高性能制振構造体が提
案されている(特開平7−24946号公報)。しかし
ながら、これらの制振構造体は水平な基板に対しては制
振効果を発揮することが可能であったが、ドアパネル、
フロントフェンダ 、フロントパネル等の地面に対して
角度70〜110°の垂直基板に適用すると、制振材塗
装部を熱融着、熱硬化、発泡等のために電気炉に通す過
程で位置ずれが生ずる問題があった。そのため垂直基板
に対しても適用できるほどの厚みの小さい高性能制振構
造体の出現が待たれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はかかる
要請に基づき、制振性能が大きく、また、垂直基板に適
用しても位置ずれを生じ難い構造体を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の好ま
しい制振構造体を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、基
体に制振材シートを密着させ、次いでエポキシ樹脂発泡
シートを重ねるという配列を採ることにより垂直面でも
ずれの生じにくい軽量で高性能な制振構造が実現できる
ことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明は、車輛における振動基板上
に積層される(A)ブチルゴムまたはガラス転移温度が
−20℃以下であるアクリル樹脂からなる制振材シート
と、該制振材シートの上に積層される(B)(b1)エ
ポキシ樹脂100重量部、(b2)潜在性硬化剤0.5
〜20重量部、(b3)室温で前記エポキシ樹脂に不溶
でかつ80〜150℃の温度において該エポキシ樹脂に
混和分散し得る平均粒子径が150μm以下の粉末状の
熱可塑性樹脂10〜200重量部および(b4)分解ガ
ス発生温度が100〜200℃である発泡剤とを含有し
てなる拘束材発泡シート並びに該拘束材発泡シートの上
に積層される(C)プラスチック製被覆シートからな
り、(A)、(B)および(C)の積層厚みが0.1〜
3.0mmで、密度が1.0〜2.6g/cm3 である
制振構造体を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において(A)層として使
用される制振材シートは、ブチルゴムまたはガラス転移
温度が−20℃以下であるポリアクリル酸エステルから
なる。本発明におけるブチルゴムシートに用いられるブ
チルゴムは、イソブチレンのカチオン重合によって得る
ことができる。本発明に使用するブチルゴムは、不飽和
度0.5〜2.5モル%であり、100℃におけるムー
ニー粘度が35〜70であることが好ましい。ブチルゴ
ムは、主鎖がメチル基によって囲まれているため主鎖の
回転が困難であり、内部摩擦が大きく制振材料として優
れている。ブチルゴムは、それ自体が粘着性を有するの
で、ジエン系ゴムやポリブテンを添加してさらに粘着性
を強めることにより、基板に強く付着する制振用ゴムシ
ートとすることができる。本発明におけるブチルゴムシ
ートを成形するためのゴム組成物は、ブチルゴム100
重量部に対して、温度20℃における粘度が103 〜1
5 cps、好ましくは5.0×103 〜5.0×10
4 cpsである粘着付与剤を10〜100重量部、好ま
しくは20〜80重量部を少くとも含有するものであ
る。1×103 cpsより小さな粘度の粘着付与剤で
は、その種類および添加量にもよるが、制振材が柔らか
すぎて隣接層から剥離しやすいので好ましくなく、1×
105 cpsより大きな粘度の粘着付与剤では、制振材
が硬くなりすぎて制振性能が落ちるので好ましくない。
このような粘度範囲にある粘着付与剤としては、特に限
定されないが、たとえばポリブデン、重合型ポリエステ
ル、アタクチックポリプロピレン、液状ポリブタジエ
ン、低分子量ブチルゴムなどの石油系炭化水素、水素添
加ロジンのメチルエステル、水素添加ロジンのトリエチ
レングリコールエステルなどのロジン誘導体、テレピン
系粘着付与剤などが例示される。
【0006】また、パラフィン系またはナフテン系のプ
ロセスオイルにアスファルトを溶解して粘度を上記の粘
度範囲に調整したものも粘着付与剤として使用可能であ
る。ブチルゴム100重量部あたりの粘着付与剤の割合
が、10重量部より小さい場合には、制振材が硬くなり
制振性能が低下するので好ましくなく、100重量部よ
りも多い場合には、粘着性が大きくなり成形困難になる
ので好ましくない。また、上記ブチルゴム組成物には成
形性等の改良の目的で他の軟化剤を始めカーボン等の補
強剤、炭酸カルシウム、タルク、クレー、硫酸カルシウ
ム等の無機充填剤、ハロゲン化合物、酸化アンチモン、
ホウ酸亜鉛水和物、水酸化アルミニウム等の難燃剤、熱
安定剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、紫外線防
止剤等を添加することができる。さらに、耐久性を向上
させるために、成形時の振動基板への焼付時に支障が無
い範囲で硫黄等の加硫剤などを添加してもよい。本発明
に係わる制振材シートの成形法は特に限定されないが、
一般的には、バンバリーミキサー等による混練後、カレ
ンダー等によりシート成形を行えばよい。
【0007】本発明において基板に密着して積層される
(A)層として用いられる制振材シートとしては、ブチ
ルゴムシートの他にガラス転移温度が−20℃以下であ
るアクリル樹脂シートが使用可能である。かかるシート
は、構成単量体単位のうちアクリル酸エステルまたはメ
タクリル酸エステルを50重量%以上含有する重合体で
あってそのガラス転移温度が−20℃以下の重合体、ま
たはガラス転移温度が−20℃より高い重合体にトリク
レジルフォスフェート、アセチルトリブトキシサイトレ
ート、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、
ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレートなどの
相溶性のある可塑剤を添加してガラス転移温度を−20
℃以下にした重合体および可塑剤を50重量%以上含
み、必要に応じて粘着付与剤を配合してシート状に成形
したものである。上記粘着付与剤としては、ロジン、天
然樹脂、重合ロジン、部分水添ロジン等の変成ロジン、
ペンタエリスリットエステルロジン等の変成ロジンの誘
導体、β−ピネンの重合体等の合成テルペン樹脂、テル
ペンフェノール等のテルペン変成体、シクロペンタジエ
ン樹脂及び酸変成物、脂肪族系石油樹脂及び酸変成物、
芳香族系石油樹脂、アルキルフェノール−アセチレン樹
脂、キシレン系樹脂、クマロンインデン樹脂、ビニルト
ルエン−αメチルスチレン共重合樹脂等が挙げられる。
本発明における(A)層としての制振材シートの厚みは
0.05〜1.5mm、好ましくは0.05〜1.0m
mである。厚みが2.0mmより大きいと位置ずれを起
こす可能性があり、0.5mmより小さいと成形が困難
になる傾向がある。
【0008】本発明の制振構造体において上記(A)層
の振動による変形を拘束するために(A)層に積層する
(B)層として用いられる拘束材発泡シートは、(b
1)エポキシ樹脂100重量部、(b2)潜在性硬化剤
0.5〜20重量部、(b3)室温で前記エポキシ樹脂
に不溶でかつ80〜150℃の温度において該エポキシ
樹脂に混和分散し得る平均粒子径が150μm以下の粉
末状の熱可塑樹脂10〜200重量部および(b4)分
解ガス発生温度が100〜200℃である発泡剤とを含
有してなるものである。上記(b1)成分のエポキシ樹
脂は、分子中に1個以上のエポキシ基を含有する常温で
液状のものであって、ビスフェノールAまたはビスフェ
ノールFをベースとするグリシジルエーテル型、フェノ
ールノボラック型、グリシジルアミン型などが挙げら
れ、エポキシ当量が100〜300のものが好ましい。
【0009】上記(b2)成分の潜在硬化剤としては、
エポキシ樹脂との組み合わせで発熱ピーク温度が100
〜200℃の範囲にあるものが好ましく、このようなも
のとしては、例えば、ジシアンジアミド、4,4′−ジ
アミノジフェニルスルホン、2−n−ヘプタデシルイミ
ダゾールのようなイミダゾール誘導体、イソフタル酸ジ
ヒドラジド、N,N−ジアルキル尿素誘導体、N,N−
ジアルキルチオ尿素誘導体、テトラヒドロ無水フタル酸
のような酸無水物、イソホロンジアミン、m−フェニレ
ンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、三フッ化ホ
ウ素錯化合物、トリスジメチルアミノメチルフェノール
などが挙げられる。これらの硬化剤は1種用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよく、またその配
合量は、前記(b1)成分のエポキシ樹脂100重量部
当たり、0.5〜20重量部の範囲で選ぶことが必要で
ある。この量が0.5重量部未満では硬化が不十分で発
泡体の剛性が不足するし、20重量部を超えるとその量
の割には発泡体の剛性は向上せず、むしろ経済的に不利
となる。ここでいう硬化温度とは、エポキシ樹脂と硬化
剤を室温で混合したものをオイルバス、ヒーターなどで
昇温させたとき、硬化によって発生する発熱がピークと
なるような媒体の温度を指す。また加熱条件に応じた好
ましいエポキシ樹脂と硬化剤の組合せ及び量は予め試験
することにより容易に決定することができる。本発明に
おいては、この(b2)成分の硬化剤とともに、所望に
応じ、硬化促進剤として、例えばアルコール系、フェノ
ール系、メルカプタン系、ジメチルウレア系、脂環族
系、さらにはイミダゾール、モヌロン、クロロトルロン
などを用いることができる。
【0010】上記(b3)成分の、室温で前記エポキシ
樹脂に不溶でかつ80〜150℃の温度において該エポ
キシ樹脂に混和分散し得る平均粒径が150μm以下の
粉末状の熱可塑樹脂は、150℃以上の温度に加熱され
た際溶融して前記エポキシ樹脂と均質な親和体を形成す
るものが好ましい。このような樹脂としては、ポリ塩化
ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリフェニレ
ンエーテル、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ア
クリロニトリル−スチレン共重合体、ポリアミド、ポリ
ビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリメタク
リル酸メチル、メタクリル酸メチル−メタクリル酸エチ
ル共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
共重合体、ポリスチレン等が挙げられる。(b3)成分
の配合量は前記(b1)成分のエポキシ樹脂100重量
部あたり10〜200重量部、好ましくは50〜150
重量部である。10重量部より少いとエポキシ樹脂の溶
融粘度が低すぎて発泡剤による泡が抜けてしまい良好な
硬質発泡シートが形成できない。逆に、200重量部よ
り多いとエポキシ樹脂の溶融粘度が高すぎて発泡体が形
成されにくく、また発泡体が脆くなる。上記(b4)成
分の、分解ガス発生温度が100〜200℃である発泡
剤としては、有機発泡剤、無機発泡剤、高温膨張型マイ
クロカプセルなどを用いることができる。該分解ガス発
生温度が100℃未満ではシート化する際に発泡が始ま
ったり、加熱炉での発泡時に樹脂の溶融が不十分でガス
が抜け発泡倍率が上がらなかったり、あるいは均質な発
泡体が得られにくいし、200℃を超えると該組成物の
加工温度が高くなり、劣化が生じたりして品質の良好な
発泡体が得られにくい。
【0011】前記有機発泡剤としては、例えばアゾジカ
ルボンアミド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、ジ
ニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4′−オキシ
ビスベンゼンスルホニルヒドラジドなどが挙げられる。
これらの有機発泡剤の分解温度は尿素、亜鉛化合物、鉛
化合物などを添加することにより、任意に調整すること
ができる。また、無機発泡剤としては、例えば炭酸水素
ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウムなどが、高温膨張
型マイクロカプセルとしては、例えば塩化ビニリデン樹
脂で低沸点炭化水素をカプセル化したものなどが挙げら
れる。(b4)成分としては、前記の有機発泡剤、無機
発泡剤、高温膨張型マイクロカプセルのいずれも用いる
ことができるが、発泡倍率や経済性などの点から有機発
泡剤が好適である。これらの発泡剤は1種用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよく、その配合量
は、前記(b1)成分の液状エポキシ樹脂100重量部
当たり、0.5〜15重量部の範囲が選ばれる。この量
が0.5重量部未満では発泡が不十分であるし、15重
量部を超えるとその量の割には発泡倍率は向上せず、む
しろ経済的に不利となる。均一なセル径と剛質なセル膜
厚をもつ緻密な発泡体を得るためには、前記発泡剤粒子
は粒径の小さいものの方が有利であり、例えば0.1〜
0.6mm、好ましくは0.3mm前後の最適気孔径を
有する発泡体を得るには、粒子径が20μm以下、好ま
しくは10μm以下で、かつ均一なものが望ましい。ま
た、前記発泡剤とともに、所望に応じ発泡促進剤を用い
ることができる。この発泡促進剤としては、例えば酸化
亜鉛、ステアリン酸鉛、ステアリン酸カルシウム、ステ
アリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ナトリウムやカ
リウム系化合物、尿素などが挙げられる。
【0012】その他に、エポキシ樹脂(b1)と熱可塑
性樹脂(b3)の相溶性や溶融粘度を調整するために、
エポキシ樹脂組成物中に可塑剤を配合することも有効で
ある。このような可塑剤としては、例えばジオクチルフ
タレート、ジブチルフタレートなどのフタル酸エステル
類、トリクレジルホスフェートなどのリン酸エステル
類、ジオクチルアジペートなどの脂肪酸エステル類、さ
らにはエチレングリコールのアジピン酸縮合体、トリメ
リット酸トリエステル、グリコール酸エステル、塩素化
パラフィン、アルキルベンゼンなど、従来公知のものを
用いることができる。
【0013】本発明における拘束材発泡シートを得るに
は、先ず上記(b1)、(b2)、(b3)および(b
4)成分と、所望に応じて添加されるエポキシ樹脂用希
釈剤、充填剤等をプラネタリーミキサー、ニーダー、ヘ
ンシェルミキサー等の混合機にて混合してエポキシ樹脂
流動性組成物を調製する。次いで該組成物を前記制振材
シート上または離型紙上に塗布して拡げ、120〜20
0℃の範囲の温度で加熱して、発泡剤の分解とエポキシ
樹脂の硬化反応を同時に行って発泡倍率が2〜10、好
ましくは3〜5の硬質発泡シートを形成する。好ましい
手順としては、エポキシ樹脂流動性組成物を離型紙上に
展延してから発泡剤分解温度以下の温度で加熱する一次
成形により粘着性表面を有する未発泡のゲル状シートを
得、次いでこれを所望形状に裁断して目的対象物に粘着
させてから発泡剤分解温度以上の温度で加熱する二次加
工により発泡、硬化および接着を同時に行う。本発明に
おける(B)層としての拘束材発泡シートの厚みは1.
0〜3.0mm、好ましくは1.5〜2.5mmであ
る。厚みが3.0mmより大きいと位置ずれを起こす可
能性があり、1.0mmより小さいと拘束性が不十分に
なる傾向がある。
【0014】本発明の制振構造体において、(B)層の
発泡表面の平滑化と保護のために(C)層としてプラス
チック製被覆シートを(B)層に積層する。(C)層用
プラスチックとしてはポリエステルが、特にポリエチレ
ンテレフタレートが好ましい。(C)層の保護シートの
厚みは20〜130μm、好ましくは40〜80μmで
ある。(C)層の被覆シートは、軽量であってかつ
(B)層の変形や損壊を防護する作用を持つものとして
選定される。本発明の制振構造体は、基板上に(A)層
の制振材シート、(B)層の拘束材発泡シート、次いで
(C)層の被覆シートを積層してなり、(A)層、
(B)層および(C)層の積層厚みが1.0〜4.5m
mで、密度が1.0〜2.6g/cm3 であることを要
する。厚みが1.0mmより小さいと制振効果がなく、
4.5mmより大きいと垂直面で自身の重みで位置づれ
が生ずる傾向がある。(A)層、(B)層および(C)
層からなる積層体の比重が1.0g/cm3より小さい
と剛性が不足して撓み変形が生じやすくなり、2.6g
/cm3 より大きいと重みによる位置づれが起きやすく
なる。上記積層体の制振性能としては、温度0〜50℃
における損失係数が0.1以上であることが好ましい。
また温度0〜50℃における損失係数の最大値がが0.
15以上であることが好ましい。
【0015】本発明の制振構造体の製造は、基板に制振
材シート(A)を貼り合せ、次いで粘着性表面を有する
未発泡のゲル状拘束材シートを、更にその上にプラスチ
ック製保護シートを貼付して加熱炉にて発泡、硬化、接
着を同時に行う方法が好ましい。拘束材発泡シートを予
め作成しておいて、基板上に(A)、(B)、(C)の
順に接着剤で貼り合せても、あるいは別途貼り合せて作
成した(A)、(B)、(C)積層体を基板に接着する
方法を採っても良い。
【0016】本発明の実施の態様を以下に示す。 (1)車輛における振動基板上に積層される(A)ブチ
ルゴムまたはガラス転移温度が−20℃以下であるアク
リル樹脂からなる制振材シートと、該制振材シートの上
に積層される(B)(b1)エポキシ樹脂100重量
部、(b2)潜在性硬化剤0.5〜20重量部、(b
3)室温で前記エポキシ樹脂に不溶でかつ80〜150
℃の温度において該エポキシ樹脂に混和分散し得る平均
粒子径が150μm以下の粉末状の熱可塑性樹脂10〜
200重量部および(b4)分解ガス発生温度が100
〜200℃である発泡剤とを含有してなる拘束材発泡シ
ート並びに該拘束材発泡シートの上に積層される(C)
プラスチック製被覆シートからなり、(A)、(B)お
よび(C)の積層厚みが1.0〜4.5mmで、密度が
1.0〜2.6g/cm3 である制振構造体。 (2)前記制振材シートとしてブチルゴムシートを用い
る(1)記載の制振構造体。 (3)前記制振材シートとしてブチルゴム100重量
部、温度20℃における粘度が103〜105cpsで
ある粘着付与材010〜100重量部を少なくとも含有
するゴム組成物から成形されるブチルゴムシートを用い
る(1)記載の制振構造体。 (4)前記制振材シートとしてアクリル樹脂シートを用
いる(1)記載の制振構造体。 (5)前記制振材シートとしてガラス転移温度が−20
℃以下であるアクリル樹脂を成形してなるシートを用い
る(1)記載の制振構造体。 (6)前記室温でエポキシ樹脂に不溶でかつ80〜15
0℃の温度において該エポキシ樹脂に混和分散し得る平
均粒子径が150μm以下の粉末状の熱可塑性樹脂がポ
リ塩化ビニルである(1)記載の制振構造体。 (7)前記室温でエポキシ樹脂に不溶でかつ80〜15
0℃の温度において該エポキシ樹脂に混和分散し得る平
均粒子径が150μm以下の粉末状の熱可塑性樹脂がポ
リメタクリル酸メチルである(1)記載の制振構造体。 (8)前記発泡剤がアゾジカルボン酸アミドである
(1)記載の制振構造体。 (9)損失係数が温度0〜50℃において0.1以上で
ある(1)記載の制振構造体。 (10)(1)記載の制振構造体を地面に対して角度7
0〜110度の基板に対して適用する垂直基板の制振方
法。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により説
明する。なお、供した材料及び試験方法は次のとおりで
ある。 (1)試験材料 (イ)基板:厚み1.0mmの鋼板
【0018】(ロ)制振材シート ブチルゴムシート ブチルゴム(エクソン化学(株)製エクソンブチル26
8)100重量部、ポリブテン(日本石油化学(株)
製、HV35、20℃の粘度1.2×104 cps)6
0重量部、テレピン系粘着付与剤(20℃の粘度8×1
3 cps)20重量部、カーボン(旭(株)製、旭#
50)25重量部、炭酸カルシウム(竹原化学(株)
製、SL700)75重量部およびステアリン酸2重量
部をニーダー、次いでロールにて混練して得られたシー
トをプレス加工して表2に記載の厚みにした。 アクリル樹脂シート n−ブチルアクリレート−2−エチルヘキシルアクリレ
ート共重合体(モル比60:40、ガラス転移温度−6
5℃)100重量部および合成テルペン樹脂10重量部
を溶剤(トルエン)に溶かし、50%溶液とした。これ
を剥離紙上に塗布したのち乾燥し溶剤を除去して所定の
厚さのシートを得た。 発泡アスファルトシート 日本特殊塗料(株)製、メルシート(厚み1.8mm)
を使用。
【0019】(ハ)拘束材未発泡シート 表1に示す配合比で発泡性熱硬化樹脂組成物をホバート
ミキサーで20分間混合して作製した後、剥離紙上に所
定の厚さを塗布した。これを120℃で100秒間加熱
し、未発泡のゲル状シートを作製した。
【0020】
【表1】
【0021】注 *1 油化シェルエポキシ(株)製、エピコート82
8。 *2 新第一塩ビ(株)製、ZEST P66、平均粒
径1.5μm,平均重合度780。
【0022】(ニ)被覆シート ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚み
0.05mmまたは0.075mm)またはアルミニウ
ム(Al)フィルム(厚み0.15mm)を用いた。
【0023】(2)損失係数試験体の作成 縦300mm、横30mm、厚さ0.8mmの鋼板に、
表2または表3に示す構成で(1)で用意した制振材シ
ートを貼り合せ、その上に順次拘束材未発泡シートおよ
び被覆シートを載置してから、水平状態で温度140℃
で30分加熱する。得られた積層体を電気炉内の台の角
部に鋼板部を水平に対して角度100°にかつ、積層部
が台に触れずに空中にオーバーハングするように設置
し、温度140℃にて30分間加熱する。
【0024】(3)評価項目 (イ)位置ずれ 縦200mm,横150mm,厚み0.8mmの鋼板
に、試料寸法縦150mm,横100mmに切断した表
2または表3に示す構成で(1)で用意した制振シート
を貼り合わせ、その上に順次拘束材未発泡シートおよび
被覆シートを載置して得られた積層体を電気炉内の台の
角部に鋼板部を水平に対して角度100°にかつ、積層
部が台に触れずに空中にオーバーハングするように設置
し、温度140℃にて30分間加熱する。加熱後の試験
体の積層部に重力によるずれが生じたかを測定し、1m
m以上のずれが無ければ「可」、有れば「不」とする。 (ロ)損失係数 温度20℃における機械インピーダンスの共振周波数の
半幅値から算出し、内挿法により200Hzの損失係数
として求めた。なお、測定周波数範囲は1〜1000H
zである。損失係数が0.1未満のものは不合格とす
る。
【0025】実施例1〜4、比較例1〜8 表2に○印で示す制振材シート、拘束材発泡シートおよ
び被覆シートの組み合わせ使用の各種積層体につき位置
ずれ発生の有無と損失係数とを調べた。結果を表2に示
す。
【0026】
【表2】
【0027】本発明の要件を備えた積層構造体は位置ず
れ、損失係数とも評価は良好であった(実施例1〜
4)。しかし拘束材発泡シートを省いた比較例1および
同2は位置ずれ、損失係数とも不合格であった。3層の
各々が実施例1、2と同種の材料を用いても、3層の密
度が2.6g/cm2 を越える積層体であると(比較例
3)、またそれに加えて3層の厚みが4.5mmを越え
るものであると(比較例4)、いずれも損失係数は満足
されるものの、位置ずれが生じてしまう。アルミニウム
の被覆シートを用いると重量による位置ずれが起きる
(比較例2、5、6および8)。制振材シートとして発
泡アスファルトシートを用いてブチルゴム制振材シート
またはアルミニウム被覆シートと組合わせても位置ずれ
が生ずる(比較例7、8)。
【0028】比較例9、10 基板に直ちに拘束材未発泡シートを、次いでその上に制
振材シートを載置して被覆シートを用いなかったほかは
実施例1および同5と同様に行った。結果は共に位置ず
れを起こした。
【0029】
【発明の効果】本発明の制振構造体は、制振性能が大き
く、また、垂直基板に適用しても位置ずれを生じ難い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G10K 11/16 G10K 11/16 J 11/162 A Fターム(参考) 3J048 AC03 BA25 BD01 BD02 BD04 BD08 EA36 4F100 AK01B AK01C AK09A AK15 AK25A AK28A AK42 AK53B AL01A AN02A BA03 BA07 BA10A BA10C CA01B CA02B DE01B DJ01B GB32 JA05A JA13 JA20 JB16B JH02 JL03 YY00 YY00A YY00B 4J002 BB06W BB22W BC03W BC06W BD04W BE03W BE06W BF03W BG06W BG10W BN15W CD05X CD06X CD13X CH07W CL00W DE207 DK007 EL136 EN026 EN036 EN076 EQ017 EQ026 ES007 ET006 ET016 EU116 EU136 EV216 EV287 EY016 FD146 FD327 GF00 GN00 5D061 AA04 AA06 AA07 AA09 AA26 BB11 BB37 DD11 GG01

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輛における振動基板上に積層される
    (A)ブチルゴムまたはガラス転移温度が−20℃以下
    であるアクリル樹脂からなる制振材シートと、該制振材
    シートの上に積層される(B)(b1)エポキシ樹脂1
    00重量部、(b2)潜在性硬化剤0.5〜20重量
    部、(b3)室温で前記エポキシ樹脂に不溶でかつ80
    〜150℃の温度において該エポキシ樹脂に混和分散し
    得る平均粒子径が150μm以下の粉末状の熱可塑性樹
    脂10〜200重量部および(b4)分解ガス発生温度
    が100〜200℃である発泡剤とを含有してなる拘束
    材発泡シート並びに該拘束材発泡シートの上に積層され
    る(C)プラスチック製被覆シートからなり、(A)、
    (B)および(C)の積層厚みが1.0〜4.5mm
    で、密度が1.0〜2.6g/cm3 である制振構造
    体。 【0001】
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