JP2001329135A - アクリルゾル - Google Patents

アクリルゾル

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JP2001329135A
JP2001329135A JP2000151381A JP2000151381A JP2001329135A JP 2001329135 A JP2001329135 A JP 2001329135A JP 2000151381 A JP2000151381 A JP 2000151381A JP 2000151381 A JP2000151381 A JP 2000151381A JP 2001329135 A JP2001329135 A JP 2001329135A
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JP
Japan
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acrylic
sol
urethane resin
fine particles
acrylic sol
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JP2000151381A
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English (en)
Inventor
Akira Nonoyama
昭 野々山
Yutaka Torii
裕 鳥居
Kazunori Ito
和則 伊藤
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Aisin Chemical Co Ltd
Original Assignee
Aisin Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼却時に塩化水素ガスやダイオキシンを発生
させることがなく、貯蔵安定性に優れ、比較的低温にお
いても硬化することができ、さらに塗膜の基材に対する
接着性、塗膜の耐寒性、および塗膜強度に優れるアクリ
ルゾルを提供する。 【解決手段】 本発明のアクリルゾルは、アクリル重合
体微粒子、ブロック型ウレタン樹脂、固形のヒドラジン
系硬化剤、可塑剤、および充填剤を含むことを特徴とす
る。アクリル重合体微粒子が主構成単位となっているた
め、焼却時に塩化水素ガスやダイオキシンを発生させる
ことはない。また、固形のヒドラジン系硬化剤を含むた
め貯蔵安定性に優れ、比較的低温においても硬化するこ
とができる。さらに、このアクリルゾルから得られる塗
膜は、網目構造を有しているため基材との接着性、耐寒
性および塗膜強度に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアクリルゾルに関
し、詳しくは、焼却時に塩化水素ガスやダイオキシンを
発生することがなく、比較的低い温度でも硬化すること
ができ、また塗膜の基材に対する接着性や、塗膜の耐寒
性、および塗膜強度に優れるアクリルゾルに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、工業的に広く用いられているプラ
スチゾルは、特別に調整された粒径と粒度分布を有する
重合体粒子を、充填剤とともに可塑剤中に均質に分散さ
せてなる、液状又は糊状の粘稠な組成物である。そし
て、基材へ塗布し、適切な加工温度を加えることによ
り、強靱な塗膜を形成するものである。
【0003】上記重合体粒子としては、通常、塩化ビニ
ル単独重合体や、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体
等のポリ塩化ビニル系のものが多用されている。このよ
うなポリ塩化ビニル系プラスチゾルは、室温における長
期貯蔵安定性が良好で、塗膜も柔軟で耐久性に優れてい
るため、例えば鋼板被覆、建材、日用品、雑貨、自動車
部品等の分野において幅広く用いられている。
【0004】しかしながら、ポリ塩化ビニル系プラスチ
ゾルは、焼却時に塩化水素ガスを発生するため、それが
オゾン層の破壊原因物質のもととなり、さらには酸性雨
の原因となり、また、焼却時にダイオキシンも発生する
という問題を有し、安全衛生面や環境汚染の面で好まし
いものではない。このため、このポリ塩化ビニル系プラ
スチゾルに代わるプラスチゾルの出現が待たれている。
【0005】ポリ塩化ビニル系プラスチゾルに代わるプ
ラスチゾルとしては、特開平6−145454号公報
に、アルキル基の炭素数が特定の範囲にある(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル単位と、ジエン系単量体単
位、およびカルボキシル基を有する特定の炭素数のラジ
カル重合性不飽和カルボン酸とを、主構成単位として特
定の割合で含有する共重合体に、1価または2価の金属
カチオンを付加して、この共重合単位のカルボキシル基
をイオン架橋したイオン架橋物からなる粒子、および可
塑剤を含有してなる、アクリル酸エステル系共重合体プ
ラスチゾルが開示されている。
【0006】また特開平7−233299号公報には、
アクリル重合体微粒子の粒子構造を、コア部とシェル部
からなる、少なくとも2層以上の複層構造とするアクリ
ルプラスチゾルが開示されている。
【0007】さらに、特公昭63−66861号公報に
は、メチルメタクリレート重合体または共重合体、可塑
剤、充填剤、ブロック化ポリイソシアナート、およびポ
リアミンを含有してなるポリ塩化ビニルを含まないプラ
スチゾルが開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平6−1
45454号公報や、特開平7−233299号公報に
開示されたプラスチゾルは、前記したようなポリ塩化ビ
ニル系プラスチゾルが有する問題を解決し、貯蔵安定性
を向上させ、塗膜のブリード発生を抑制するものとなっ
ている。しかし、塗膜の基材への接着性や、塗膜の耐寒
性、および塗膜強度が充分なものとはいえない。
【0009】また、特公昭63−66861号公報に開
示されたプラスチゾルは、同様にポリ塩化ビニル系プラ
スチゾルが有する問題を解決し、また、薄板への接着性
や低温における弾性を良好なものとしている。しかし、
塗膜の加工温度が比較的低温の場合には、ウレタン樹脂
の硬化反応が進行しないため、得られる塗膜の性能が充
分なものではない。
【0010】本発明は、上記実状に鑑みてなされたもの
であり、焼却時に塩化水素ガスやダイオキシンを発生す
ることがなく、貯蔵安定性に優れ、かつ比較的低温にお
いても硬化することができ、また塗膜の基材に対する接
着性や、塗膜の耐寒性、および塗膜強度に優れたアクリ
ルゾルを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明のアクリルゾルは、アクリル重合体微粒子、ブ
ロック型ウレタン樹脂、固形のヒドラジン系硬化剤、可
塑剤および充填剤を含むことを特徴とするものである。
【0012】すなわち、本発明のアクリルゾルは、アク
リル重合体微粒子が主構成単位となっているため、焼却
時に塩化水素ガスやダイオキシンを発生することがな
く、またブロック型ウレタン樹脂と固形のヒドラジン系
硬化剤を含むことにより、塗膜の基材に対する接着性
や、塗膜の耐寒性、および塗膜強度に優れ、ポリ塩化ビ
ニル系プラスチゾルと同等の性能を有するアクリルゾル
となる。
【0013】また、本発明のアクリルゾルは、固形のヒ
ドラジン系硬化剤を硬化剤として使用するため、加工温
度が比較的低い場合においても充分に硬化反応が進行
し、形成された塗膜が優れた性能を発揮し得るアクリル
ゾルとなる。一般に、比較的低い温度で硬化するような
組成物は、常温においても除々に硬化反応が進行するた
め、その組成物の貯蔵安定性は悪くなる。しかし、固形
のヒドラジン系硬化剤は、アクリルゾルを貯蔵する温度
条件において液状のウレタン樹脂中に分散しており、か
つ融点が高い硬化剤であるため、本発明のアクリルゾル
は、貯蔵中の増粘が抑制され、貯蔵安定性の優れたアク
リルゾルとなる。
【0014】なお、アクリル重合体微粒子とブロック型
ウレタン樹脂の重量比が90/10〜15/85である
場合には、塗膜の基材に対する接着性や、塗膜の耐寒
性、および塗膜強度がより向上し、かつ施工作業性の良
好なアクリルゾルとなる。
【0015】また、ブロック型ウレタン樹脂が、オキシ
ムおよびアミンブロック剤の少なくともいずれか1つに
よりブロックされたものである場合には、貯蔵安定性が
より向上し、またより低い加工温度においても充分に硬
化反応が進行するアクリルゾルとなる。
【0016】さらに、アクリル重合体微粒子がコア−シ
ェル型である場合には、調製されたアクリルゾルの貯蔵
安定性がより向上し、塗布時の粘度上昇や、加熱硬化後
のブリード発生もより抑制することができるアクリルゾ
ルとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のアクリルゾルは、アクリ
ル重合体微粒子、ブロック型ウレタン樹脂、固形のヒド
ラジン系硬化剤、可塑剤、および充填剤を含む。以下
に、本発明のアクリルゾルと、そのアクリルゾルの調製
方法、および塗装方法について説明する。
【0018】本発明のアクリルゾルを構成する上記アク
リル重合体微粒子としては、通常、アクリルゾルの組成
物として用いられている重合体を使用することができ
る。例えば、アクリル酸アルキルエステルや、メタクリ
ル酸アルキルエステル等から選ばれるモノマーの単一重
合体や共重合体を使用することができる。これらのモノ
マーとして、具体的には、メチルアクリレート、エチル
アクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルア
クリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリ
レート等が挙げられる。
【0019】アクリル重合体微粒子は、コア部およびシ
ェル部から構成されているコア−シェル型微粒子である
ことが好ましい。コア−シェル型のアクリル重合体微粒
子を用いてアクリルゾルを調製した場合には、そのアク
リルゾルの貯蔵安定性がより向上し、塗布した際の粘度
上昇や、加熱硬化後のブリード発生をより抑制するとい
う利点がある。
【0020】さらに、アクリル重合体微粒子をコア−シ
ェル型とした場合には、コア部を可塑剤親和性ポリマー
にて構成し、シェル部を可塑剤非親和性ポリマーで構成
することが好ましい。可塑剤と相溶性の乏しいシェル部
のポリマーが、相溶性のあるコア部を被覆することによ
り、貯蔵中のアクリルゾルの粘度上昇を抑制し、貯蔵安
定性がより向上する。また、このシェル部のポリマー
は、適当な温度に加熱することによって、可塑剤との相
溶性を有するため、加熱硬化後にブリードを発生するこ
とはない。
【0021】コア部の成分は、n−ブチルメタクリレー
ト、イソブチルメタクリレート、エチルメタクリレート
等から選ばれる、少なくとも一種のメタクリレート、ま
たはそれらの共重合体を、50重量%以上含有した重合
体で構成することが好ましい。このように、コア成分を
可塑剤と相溶性の高いものにすることで、加熱硬化後に
おけるブリードの発生を抑制することができる。特に、
塗膜に柔軟性を付与するという観点から、コア部の成分
はブチルメタクリレートとイソブチルメタクリレートの
共重合体を主体とすることが好ましい。
【0022】また、シェル部の成分は、メチルメタクリ
レート、ベンジルメタクリレート、スチレン等から選ば
れる、少なくとも一種のメタクリレート、またはそれら
の共重合体を、50重量%以上含有した重合体で構成す
ることが好ましい。このように、シェル成分を可塑剤と
相溶性の低いものとすることで、貯蔵中のアクリルゾル
の粘度上昇を抑制し、貯蔵安定性がより向上する。特
に、この貯蔵安定性をより向上させるという観点から、
シェル部の成分はメチルメタクリレートを主体とするこ
とが好ましい。
【0023】さらに、コア部とシェル部のポリマー比
は、重量比で25/75〜70/30とするものがよ
い。コア成分が、その重量比として25/75より少な
い場合には、上記望ましい範囲のものと比較して、加熱
硬化後にブリードが発生する可能性が高くなる。また、
シェル成分がその重量比として70/30より少ない場
合では、上記望ましい範囲のものと比較して、シェル成
分のコア部への被覆が不充分となることがあり、貯蔵安
定性に影響するからである。
【0024】アクリル重合体微粒子の分子量は、塗膜強
度、貯蔵安定性等の観点より、重量平均分子量で10万
〜数100万であるものが好ましく、平均粒子径は、可
塑剤への拡散性や貯蔵安定性の観点より、0.1〜10
μmの範囲のものを用いることが好ましい。
【0025】本発明のアクリルゾルを構成する上記ブロ
ック型ウレタン樹脂としては、ポリエーテルポリオール
やポリエステルポリオール等のαポリオールと、ジフェ
ニルメタンジイソシアナート(MDI)、トリレンジイ
ソシアナート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアナ
ート(HDI)等のイソシアナートとを反応させて得ら
れるウレタン樹脂を、オキシムやアミン等のブロック剤
を用いてブロックしたウレタン樹脂を使用することがで
きる。ウレタン樹脂としては、特に、汎用であるという
理由から、ポリプロピレングリコール(PPG)とトリ
レンジイソシアナート(TDI)から合成されたウレタ
ン樹脂を用いることが好ましい。
【0026】ブロック剤は、ウレタン樹脂のイソシアナ
ート基と結合して常温では安定で、ある温度以上に加熱
されると解離する活性水素化合物であり、例えば、フェ
ノール類、ラクタム類、オキシム類、アミン類等の化合
物を用いることができる。
【0027】これらブロック剤の解離温度はそれぞれ異
なっているため、調製されたアクリルゾルを塗布し加熱
硬化する際の温度、すなわち加工温度を考慮して、ブロ
ック剤を選択することが望ましい。特に、その加工温度
を高い温度とすることができない場合、また、機械部品
等の内側や自動車の床裏部等、加熱装置に対する位置に
よっては高い温度にまで加熱されにくい部分に塗布する
場合等には、その加熱可能な温度でブロック剤が解離
し、後に説明する硬化剤との反応を促進させることが必
要となる。この場合には、解離温度が低いという観点か
ら、オキシム類やアミン類の化合物を使用することが好
ましい。例えば、メチルエチルケトンオキシムや3,5
−ジメチルピラゾール等が挙げられる。特に、より低温
で解離するという観点から、3,5−ジメチルピラゾー
ルを用いることが好ましい。
【0028】なお、ブロック型ウレタン樹脂の配合量
は、アクリル重合体微粒子とブロック型ウレタン樹脂の
重量比において90/10〜15/85であることが好
ましい。ブロック型ウレタン樹脂の配合量が、アクリル
重合体微粒子とブロック型ウレタン樹脂の重量比におい
て90/10以下の場合は、上記望ましい範囲のものと
比較して、塗膜の基材への接着性や、塗膜の耐寒性、お
よび塗膜強度が不充分となる。またこの配合量が15/
85以上の場合は、上記望ましい範囲のものと比較し
て、調製されたアクリルゾルの粘度が高くなり、塗布す
る際の作業性に影響を与える。
【0029】本発明のアクリルゾルを構成する上記固形
のヒドラジン系硬化剤としては、例えば、アジピン酸ジ
ヒドラジド(ADH)、セバシン酸ジヒドラジド(SD
H)等のヒドラジド化合物を使用することができる。
【0030】すなわち、これらのヒドラジド化合物は、
その硬化温度が比較的低温であるため、上述した場合、
すなわち塗布後に高い温度にまで加熱されない場合であ
っても、ブロック型ウレタン樹脂に結合しているブロッ
ク剤の解離を促進し、そのウレタン樹脂と反応する。こ
の硬化反応の結果、ヒドラジド化合物はウレタン樹脂と
尿素結合を形成し、この尿素結合により、アクリルゾル
塗膜の基材との接着性や、塗膜の耐寒性、および塗膜強
度が向上する。
【0031】一般に、比較的低い温度で硬化するような
組成物は、常温においても除々に硬化反応が進行してし
まうため、その組成物の貯蔵安定性が悪くなる。しか
し、これら固形のヒドラジン系硬化剤は、アクリルゾル
を貯蔵する温度条件において液状のウレタン樹脂中に分
散しており、かつ融点が高いものである。このため、貯
蔵中にアクリルゾルが増粘することがなく、液状の硬化
剤を用いた場合と比較してアクリルゾルの貯蔵安定性が
格段に向上する。
【0032】なお、特に、汎用なヒドラジド化合物であ
るという理由から、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)
を用いることが好ましい。また、固形のヒドラジン系硬
化剤は、ウレタン樹脂を硬化させるために必要な量とし
て、ヒドラジド化合物の活性水素当量がそのウレタン樹
脂のイソシアナート当量と同量となる量を添加すること
が好ましい。
【0033】本発明のアクリルゾルを構成する上記可塑
剤としては、従来からポリ塩化ビニル系のプラスチゾル
に用いられている可塑剤を用いることができる。例え
ば、ジイソノニルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシ
ル)フタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベン
ジルフタレート等のフタル酸系可塑剤、ジ−(2−エチ
ルヘキシル)アジペート、ジ−n−デシルアジペート、
ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジブチルセバ
ケート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケート等の脂
肪酸エステル系可塑剤、トリブチルホスフェート、トリ
−(2−エチルヘキシル)ホスフェート、2−エチルヘ
キシルジフェニルホスフェート等のリン酸エステル系可
塑剤、エポキシ化大豆油等のエポキシ系可塑剤、その他
ポリエステル系可塑剤、安息香酸系可塑剤等を使用する
ことができる。これらの可塑剤は、そのいずれか1種を
単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いて
もよい。特に、安価で入手しやすいという観点から、ジ
イソノニルフタレートを用いることが好ましい。また可
塑剤は、塗膜強度、施工作業性等の観点から、アクリル
重合体微粒子100重量部当たり、可塑剤50〜500
重量部の割合で配合されることが好ましい。
【0034】本発明のアクリルゾルを構成する上記充填
剤としては、通常用いられているものを使用することが
でき、例えば炭酸カルシウム、マイカ、タルク、カオリ
ンクレー、シリカ、硫酸バリウム等の他、ガラス繊維、
ワラストナイト、アルミナ繊維、セラミック繊維、各種
ホイスカー等の繊維状充填剤を使用することができる。
特に、安価であるという理由から炭酸カルシウムを用い
ることが好ましい。なお、充填剤は、塗膜強度、コスト
等の観点から、アクリル重合体微粒子100重量部当た
り、充填剤50〜800重量部の割合で配合されること
が好ましい。
【0035】なお、本発明のアクリルゾルには、従来よ
り公知の他の添加剤、例えば、着色剤、酸化防止剤、発
泡剤、希釈剤、紫外線吸収剤等を配合することができ
る。着色剤としては、例えば二酸化チタン、カーボンブ
ラック等の無機顔料、アゾ系、フタロシアニン系等の有
機顔料等を使用することができる。酸化防止剤として
は、例えばフェノール系やアミン系等の酸化防止剤を使
用することができる。発泡剤としては、加熱によりガス
を発生するタイプの発泡剤を使用することができ、例え
ば、アゾジカルボンアミド、アゾビスホルムアミド等の
アゾ系発泡剤が使用できる。希釈剤としては、例えば、
キシレン、ミネラルターペン等の溶剤等を、紫外線吸収
剤としては、ベンゾトリアゾール系等を使用することが
できる。
【0036】〈アクリルゾルの調製方法〉本発明のアク
リルゾルの調製方法については、特に制限はなく、従来
からのプラスチゾルの調製に慣用されている方法を用い
ることができる。例えば、前記アクリル重合体微粒子、
ブロック型ウレタン樹脂、固形のヒドラジン系硬化剤、
可塑剤、充填剤、また他の添加剤を、公知の混合機を用
いて、充分に混合撹拌することにより、本発明のアクリ
ルゾルを調製することができる。混合機としては、プラ
ネタリーミキサー、ニーダー、グレンミル、ロール等が
使用できる。
【0037】〈アクリルゾルの塗装方法〉本発明のアク
リルゾルは、従来公知の塗装方法、すなわち、刷毛塗
り、ローラー塗装、エアスプレー塗装、エアレススプレ
ー塗装等により、塗布することが可能である。そして、
アクリルゾルを塗布した後加熱し、塗膜を形成する。加
熱方法も通常の方法に従えばよく、例えば熱風循環乾燥
炉等を用いて行うことができる。
【0038】
【実施例】以下、本発明のアクリルゾルを実施例を用い
て具体的に説明する。以下に示す各成分を、表1に示す
割合で配合し、ニーダーにより混合分散して各実施例お
よび比較例のアクリルゾルを得た。
【0039】
【表1】
【0040】アクリル重合体微粒子:コア部はブチルメ
タクリレートとイソブチルメタクリレートの共重合体を
主体とし、シェル部はメチルメタクリレート重合体を主
体とする、コア−シェル型アクリル樹脂粉末 ブロック型ウレタン樹脂:トリレンジイソシアナート
(TDI)とポリプロピレングリコール(PPG)とを
反応させて得られたウレタン樹脂を、アミン系ブロック
剤である3,5−ジメチルピラゾールでブロックしたブ
ロック型ウレタン樹脂 固形のヒドラジン系硬化剤:アジピン酸ジヒドラジド 可塑剤:ジイソノニルフタレート 充填剤:炭酸カルシウム 希釈剤:高沸点脂肪族溶剤 〈実施例1〉アクリル重合体微粒子を90重量部、ブロ
ック型ウレタン樹脂を10重量部、固形ヒドラジン系硬
化剤を0.8重量部、可塑剤を150重量部、充填剤を
180重量部、希釈剤を40重量部配合し、本実施例1
のアクリルゾルを得た。
【0041】〈実施例2〉アクリル重合体微粒子の配合
量を70重量部、ブロック型ウレタン樹脂の配合量を3
0重量部、硬化剤の配合量を1.6重量部、希釈剤の配
合量を35重量部とすること以外は、上記実施例1と同
様にして、本実施例2のアクリルゾルを得た。
【0042】〈実施例3〉アクリル重合体微粒子の配合
量を30重量部、ブロック型ウレタン樹脂の配合量を7
0重量部、硬化剤の配合量を3.7重量部、希釈剤の配
合量を30重量部とすること以外は、上記実施例1と同
様にして、本実施例3のアクリルゾルを得た。
【0043】〈実施例4〉アクリル重合体微粒子の配合
量を15重量部、ブロック型ウレタン樹脂の配合量を8
5重量部、硬化剤の配合量を4.5重量部、希釈剤の配
合量を25重量部とすること以外は、上記実施例1と同
様にして、本実施例4のアクリルゾルを得た。
【0044】〈比較例1〉アクリル重合体微粒子の配合
量を95重量部、ブロック型ウレタン樹脂の配合量を5
重量部、硬化剤の配合量を0.5重量部、希釈剤の配合
量を45重量部とすること以外は、上記実施例1と同様
にして、本比較例1のアクリルゾルを得た。
【0045】〈比較例2〉アクリル重合体微粒子の配合
量を10重量部、ブロック型ウレタン樹脂の配合量を9
0重量部、硬化剤の配合量を4.8重量部、希釈剤の配
合量を25重量部とすること以外は、上記実施例1と同
様にして、本比較例2のアクリルゾルを得た。
【0046】〈評価方法および結果〉上記実施例1〜4
および比較例1、2のアクリルゾルについて、粘度安定
性、施工作業性、接着性、塗膜強度、および耐寒性の評
価を、それぞれ以下の方法で評価した。その結果を表2
に示す。
【0047】(1)粘度安定性 B型回転粘度計を用い、温度20℃において、アクリル
ゾルの初期粘度を測定した。その後、アクリルゾルを密
封容器に入れ、温度35℃の下で10日間保持した後、
20℃に冷却し、同様に粘度を測定し、初期からの粘度
変化率で評価した。 ○:粘度変化率50%以内 ×:粘度変化率50%以上 (2)施工作業性 日本グレイ社製エアレスポンプ(キングタイプ)を使用
し、圧力9MPa、ノズルチップ#643にてアクリル
ゾルを塗布した場合に、良好なパターン幅が得られるか
どうか評価した。 ○:良好なパターン幅 ×:パターン幅が広がらない (3)接着性 100×25×1.0mmの電着塗装鋼板の端部にアク
リルゾルを塗布し、接着部の厚さが3mmとなるように
スペーサーを挟み圧着した。この状態で、130℃で2
0分間焼き付けを行った後、スペーサーを取り除き、引
っ張り速度50mm/minでせん断方向に引っ張り、
破壊状態を評価した。 ○:凝集破壊 ×:界面破壊 (4)塗膜強度 アクリルゾルを離型可能な板の上に2mmの厚さに塗布
し、130℃で20分間焼き付けた後、ダンベル2号型
で打ちぬいた。このダンベルを20℃下にて引っ張り速
度50mm/minで引っ張り、破断時の強度(MP
a)を測定した。
【0048】(5)耐寒性 アクリルゾルを離型可能な板の上に2mmの厚さに塗布
し、130℃で20分間焼き付けた後、ダンベル2号型
で打ちぬいた。このダンベルを−30℃下にて引っ張り
速度50mm/minで引っ張り、その伸び率を測定し
た。 ○:伸び率50%以上 ×:伸び率50%以下
【0049】
【表2】
【0050】表2から明らかなように、配合するアクリ
ル重合体微粒子とブロック型ウレタン樹脂の重量比が9
0/10〜15/85である実施例1〜4のアクリルゾ
ルは、貯蔵時の粘度上昇も見られず、施工作業性も良好
であった。したがって、これらのアクリルゾルは貯蔵安
定性が良好であることが確認できた。また、接着性、塗
膜強度、耐寒性も良好であり、総合評価において満足い
くアクリルゾルとなっている。したがって、焼き付け温
度が130℃という比較的低い温度であっても、ウレタ
ン樹脂と固形のヒドラジン系硬化剤との硬化反応が充分
進行し、その結果ウレタン樹脂を配合したことによる効
果が確認できた。
【0051】また、アクリル重合体微粒子とブロック型
ウレタン樹脂の重量比が、90/10〜15/85の範
囲内である実施例1〜4のアクリルゾルは、それが上記
の範囲外である比較例1、2のアクリルゾルと比較し
て、塗膜強度、耐寒性、施工作業性が向上することが確
かめられた。すなわち、実施例1〜4のアクリルゾル
は、ブロック型ウレタン樹脂が、上記アクリル重合体微
粒子との重量比において90/10以下である比較例1
のアクリルゾルと比較して、塗膜強度、耐寒性が向上し
た。一方、ブロック型ウレタン樹脂が、上記アクリル重
合体微粒子との重量比において15/85以上である比
較例2のアクリルゾルと比較して、施工作業性が向上し
た。このことから、ブロック型ウレタン樹脂の配合量
は、アクリル重合体微粒子とブロック型ウレタン樹脂の
重量比において90/10〜15/85であることが好
ましいことが確かめられた。
【0052】さらに、実施例1〜4のアクリルゾルにお
いて、ブロック型ウレタン樹脂の配合量が上記範囲内で
あれば、そのブロック型ウレタン樹脂の配合量が増加す
るとともに、塗膜強度がより向上することが確認でき
た。
【0053】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明のアクリ
ルゾルは、焼却時に塩化水素ガスやダイオキシンを発生
させることがなく、貯蔵安定性に優れ、かつ比較的低温
においても硬化することができ、さらに塗膜の基材に対
する接着性や、塗膜の耐寒性、および塗膜強度に優れ、
シーリング材、コーティング材、日用品等の幅広い分野
で有用なアクリルゾルとなる。
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 和則 愛知県西加茂郡藤岡町大字飯野字大川ケ原 1141番地1 アイシン化工株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BN121 CD163 CK032 CK042 DE148 DE238 DG058 DJ008 DJ018 DJ038 DJ048 DJ058 DL008 DM008 EH097 EH147 EQ026 EW047 FA048 FD018 FD023 FD027 FD090 FD146 GH00 4J034 BA02 BA03 CA11 CE03 DC50 DG04 HA01 HC02 HC12 HC22 HC46 HC52 HC61 HC64 HC67 HC71 HD07 HD12 JA42 MA22 QC05 RA07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル重合体微粒子、ブロック型ウレ
    タン樹脂、固形のヒドラジン系硬化剤、可塑剤、および
    充填剤を含むことを特徴とするアクリルゾル。
  2. 【請求項2】 前記アクリル重合体微粒子と前記ブロッ
    ク型ウレタン樹脂の重量比が90/10〜15/85で
    ある請求項1記載のアクリルゾル。
  3. 【請求項3】 前記ブロック型ウレタン樹脂が、オキシ
    ムおよびアミンブロック剤の少なくともいずれか1つに
    よりブロックされたものである請求項1または請求項2
    に記載のアクリルゾル。
  4. 【請求項4】 前記アクリル重合体微粒子が、コア部お
    よびシェル部とから構成されるコア−シェル型である請
    求項1から請求項3のいずれかに記載のアクリルゾル。
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