JP2008120962A - 手袋用アクリル系プラスチゾル組成物 - Google Patents

手袋用アクリル系プラスチゾル組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 手袋用アクリル系プラスチゾル組成物と、同組成物からディップ成形によってえられた手袋の提供。
【解決手段】 本手袋用アクリル系プラスチゾル組成物は、ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂、ブロックウレタン、ブロックウレタン硬化剤、可塑剤、及び希釈剤、必要に応じてその他の添加剤よりなる。
本手袋は、この組成物からディップ成形によって製造されたものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、粘度安定性に優れたアクリル系プラスチゾル組成物と、同組成物を用いてディップ成形を行って得られる手袋に関する。
従来、工業的に広く用いられているプラスチゾルはペースト用ポリ塩化ビニル樹脂、可塑剤、安定剤、充填剤、その他を配合して製造されている。このようなプラスチゾルはスラッシュ成形、回転成形、ディップ成形、コーティング、注型などの成形法に適しており、玩具、手袋、壁紙や床材などの住宅内装材、アンダーコーティングやシーラントなどの自動車関係部材などとして広範囲に使用されている。
手袋、電機電子部品、自動車部品などの製造に採用されている成形法にはディップ成形法がある。ディップ成形法には、ホットディップ(モウルディング、コーティング)、コールドディップ(モウルディング、コーティング)があり、手袋の製造には、主にコールドディップモウルディングが採用されている。以下それぞれについて説明する。
ホットディップ(モウルディング、コーティング)は、型材をあらかじめ100〜200℃になるように予熱し、予熱した型材を所定の厚みになるまでプラスチゾルに浸漬し、プラスチゾル槽から引き上げた後、160〜400℃のオーブンで充分にゲル化するまで加熱し、水冷または自然冷却して成形品を得る方法である。この際、型材の浸漬により槽内のプラスチゾルの温度は通常30〜50℃に上昇することになる。しかしながら、このディッピング操作を継続して行うためには、槽内のプラスチゾルの過度の温度上昇を防止することと、槽内のプラスチゾルの粘度が安定したものであることが求められるのである。従来これらのプラスチゾルとしてはペースト用ポリ塩化ビニル樹脂と可塑剤とからなるプラスチゾルが用いられている。
コールドディップ(モウルディング、コーティング)は、まず初めに常温〜70℃の型材をプラスチゾルに浸漬する。厚みの調整は、プラスチゾルの粘度で調整する。プラスチゾル槽から引き上げた後、160〜400℃のオーブンで充分にゲル化するまで加熱し、水冷または自然冷却して成形品を得る方法である。この際、型材の浸漬により槽内のプラスチゾルの温度は通常、常温〜50℃に上昇する。しかしながら、このディッピング操作を継続して行うためには、槽内のプラスチゾルの過度の温度上昇を防止することと、槽内のプラスチゾルの粘度が安定したものであることが求められるのである。
近年、これらの成形品の廃棄における環境問題や環境付加物質の問題から非ポリ塩化ビニル化が求められるようになり、非ポリ塩化ビニル製品であるアクリル系プラスチゾルが開発され報告されている。
アクリル系プラスチゾルに使用されているペースト用アクリル樹脂はペースト用ポリ塩化ビニル樹脂の代替として開発されたもので、アクリル系プラスチゾルは主にコーティングや接着剤といった分野に使用されている。この樹脂の特徴は、塩素を含まないため、焼却時に塩化水素ガス、ダイオキシン類の発生がなく、環境に優しい点にある。
アクリル系プラスチゾルは、ペースト用アクリル樹脂、可塑剤、充填剤、その他の添加剤を含んだ組成物で構成されており、粘度安定性が悪いといった問題がある。成形品は、ペースト用ポリ塩化ビニル樹脂を使用した物と比較して強度が弱く、変形回復が悪いといった問題もある。アクリル系プラスチゾルは、強度が弱く、変形回復が悪いため、ディップ成形法、特にディップモウルディングでは、成形品の離形時に製品の破断や製品の伸びが発生するため、手袋の製造用には不向きである。
近年、アクリル系プラスチゾルで様々な提案がなされている。例えば特許文献1(アクリル系樹脂手袋)では、樹脂成分としてのペースト用アクリル樹脂に、安息香酸エステル、アルキルスルホン酸エステルの可塑剤を添加することで粘度安定性に優れたアクリル系プラスチゾル組成物とするものである。
また特許文献2(放射性汚染防護用手袋)では、ペースト用アクリル樹脂にブロックイソシアネート、硬化剤を添加する事で成形品の強度を一定以上に保つ事ができるアクリル系プラスチゾルが提案されている。
しかしながら、これらの先行技術におけるアクリル系プラスチゾルからディップ成形により得られた成形品は、手袋用としては低温での柔軟性の点で不十分であり、変形回復が悪く、製品同士のブロッキングが起こりやすい。また、このプラスチゾルは、均一構造のペースト用アクリル樹脂を使用しているため粘度安定性と可塑剤保持性の両立が難しい。即ち、一方でプラスチゾルの粘度安定性を重視すると、他方でペースト用アクリル樹脂と相溶性の低い可塑剤を多く使用する事になるため、製品からのブリードが発生しやすくなり、ペースト用アクリル樹脂の可塑剤保持性を重視すると、ペースト用アクリル樹脂と相溶性の良い可塑剤を多く使用することになるため、プラスチゾルの粘度安定性に悪影響を及ぼす。このため、工業的に実用化するためには、これらの問題点をさらに改良する必要がある。
これらの事から、プラスチゾルの粘度安定性に優れ、ポリ塩化ビニル系プラスチゾルの成形品と同程度の変形回復があり、低温においても柔軟性があり、ブロッキングが少ない手袋用のアクリル系プラスチゾルの開発が望まれている。
特許第3265394号 特許第3493557号
本発明は、ディップ成形時におけるプラスチゾル槽内のプラスチゾルのように反復してディッピング操作が行われても、プラスチゾルの粘度安定性に優れているため、粘度上昇が少なく、成形品は手袋用として十分な強度があり、またポリ塩化ビニル系プラスチゾルの成形品と同程度の変形回復があり、低温においても柔軟でブロッキングが少ないアクリル系プラスチゾル組成物を提供することを目的とする。
本発明の目的を達成するために鋭意研究を行った結果、ペースト用アクリル樹脂とブロックウレタンを組み合わせて用い、これに可塑剤、ブロックウレタン硬化剤、及び希釈剤、必要に応じてその他の添加剤を配合してなる組成物は、ディップ成形におけるアクリル系プラスチゾル槽でのディッピング操作の反復をアクリル系プラスチゾル組成物の粘度増加なしに行う事ができ、得られた手袋は低温での柔軟性や変形回復に優れ、製品同士のブロッキングが少ないことを見いだして、本発明を完成したのである。
上記した目的は、さらに好ましくはペースト用アクリル樹脂として、コアシェル構造のアクリル樹脂を用いることによって達成されること、すなわち、樹脂としてコアシェル構造のペースト用アクリル樹脂とブロックウレタンを組み合わせて用い、これにブロックウレタン硬化剤としてジカルボン酸ジヒドラジド化合物、その他水酸基またはアミノ基含有化合物を用い、可塑剤、及び希釈剤、必要に応じてその他の添加剤を含んでなるアクリル系プラスチゾル組成物は、手袋用のアクリル系プラスチゾルとして極めて好ましいものであることを見いだしたのである。
すなわち本発明は、ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂、ブロックウレタン、ブロックウレタン硬化剤、可塑剤、及び希釈剤、必要に応じてその他の添加剤を含む手袋用のアクリル系プラスチゾル組成物に関する。
本発明は更にまた、上記したアクリル系プラスチゾル組成物からディップ成形によって成形された手袋に関する。
本発明のアクリル系プラスチゾル組成物は、ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂20〜80重量部とブロックウレタン80〜20重量部からなる樹脂混合物に、ブロックウレタン硬化剤を、ブロックウレタンのブロック化されているイソシアネート基の1当量に対して、硬化剤の官能基(アミノ基又は水酸基)が0.5〜1.5当量に相当する量、可塑剤を30〜100重量部、及び希釈剤を5〜40重量部、必要に応じてその他の添加剤を含んでなるものである。ここでブロックウレタン硬化剤がジカルボン酸ジヒドラジドの場合は2個の反応性の官能基であるアミノ基が存在するものとして硬化剤の量が規定されるものとする。
特に好ましくはペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂40〜60、ブロックウレタン60〜40重量部とからなる樹脂混合物に、ブロックウレタン硬化剤を、ブロックウレタンのブロック化されているイソシアネート基の1当量に対して、硬化剤の官能基(アミノ基又は水酸基)が0.8〜1.2当量に相当する量、可塑剤を30〜60重量部、及び希釈剤5〜25重量部、必要に応じてその他の添加剤を含んでなるものである。
また、本発明のアクリル系プラスチゾル組成物は、ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂とブロックウレタンからなる樹脂混合物100重量部に対して、可塑剤の2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート5〜23重量部を含んでなるもの、特に好ましくは5〜15重量部含んでなるものである。
上記した組成の本発明のアクリル系プラスチゾル組成物で成形された手袋は、低温での柔軟性や変形回復に優れているため、冬場でも使用しやすく、また製品同士のブロッキングも少なく、ディップ成形におけるプラスチゾル槽でのディッピング操作の反復をアクリル系プラスチゾルの粘度増加なしに行う事ができ、手袋の成形に極めて好適である。
本発明では、ペースト用アクリル樹脂として、樹脂粒子がコア部と呼ばれる芯部分及びシェル部と呼ばれる外殻部分から構成されているコアシェル構造を有するアクリル樹脂を用いる事が好ましい。本発明でいうコアシェル構造とは、コアおよびその外周を取り巻くシェルの少なくとも2層以上の複層構造を有するものをいう。
コアシェル構造を有するペースト用アクリル樹脂を用いることが好ましい理由は、均一構造のペースト用アクリル樹脂では、粘度安定性と可塑剤保持性が両立できないためである。すなわちアクリル系プラスチゾル中の均一構造のペースト用アクリル樹脂では、これと相溶性の高い可塑剤は容易に樹脂分子間に侵入して可塑化すなわちゲル化を引き起こし、粘度安定性が不良となる。この粘度安定性を高めるためには樹脂と可塑剤との相溶性を低くする必要があるが、均一構造のアクリル樹脂で可塑剤との相溶性を低くすると時間の経過とともに成形品からのブリードが発生する問題が起きてしまう。
つまり、ペースト用アクリル樹脂の場合、粘度安定性と可塑剤保持性の関係は相反するものであって、均一構造のペースト用アクリル樹脂の場合、両者を同時に満足することは難しい。ところが、コアシェル構造を有するペースト用アクリル樹脂では両者を同時に満足させることの可能となることが見出されたのである。
すなわちペースト用アクリル樹脂をコアシェル構造とする場合に、コア部を可塑剤に対して相溶性の高い組成とし、シェル部を可塑剤に対して相溶性の低い組成とすれば、貯蔵時には重合体の周囲を取り囲んでいるシェル部が可塑剤による膨潤、溶解が少ないために貯蔵安定性が良好となり、そして成形処理時には、成形のための加熱による活発な分子運動によりコアシェル構造が壊れ、樹脂のゲル化が進行し、コア部が持つ可塑剤との高い相溶性により可塑剤保持性が良好となり、成形品のブリードの問題が解消されるのである。
ペースト用アクリル樹脂は、コア部とシェル部のポリマー比が、重量比で30/70〜70/30であるものが好ましい。コア部の比率が30重量%より低い場合、すなわちシェル部の比率が70重量%より高い場合には、可塑剤を保持する成分であるコア部が少なすぎるため、加熱してゲル化物を得た場合に可塑剤保持力が不足し、可塑剤が経時的にブリードアウトするという弊害が生じる。コア部の比率が70重量%より高い場合、すなわちシェル部の比率が30重量%より低い場合には、貯蔵安定性を付与する成分であるシェル部が少なすぎるため、室温においても重合体が可塑剤によって膨潤又は溶解され、プラスチゾルが増粘又はゲル化しまうという弊害を生じる。
本発明のアクリル系プラスチゾルに用いられるペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂のコア部及びシェル部は、アクリル酸アルキルエステルおよびメタアクリル酸アルキルエステルから選ばれるモノマーの単一重合体や共重合体からなるもので構成することができる。これらのモノマーとして、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。その他の共重合可能なモノマーとしては、カルボニル基含有(メタ)アクリレート類、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート類、エポキシ基含有(メタ)アクリレート類、アミノ基含有(メタ)アクリレート類、ウレタン変性アクリレート類、エポキシ変性アクリレート類、シリコーン変性アクリレート類等を挙げる事ができ、これらの共重合体は用途に応じて随時使用される。そしてここで用いた(メタ)アクリレートの表現はアクリレートとメタアクリレートのいずれか、又は両者を指すものとする。
そして、このコアシェル構造を有するペースト用アクリル樹脂としては、市場で入手しうる製品を使用する事ができ、例えばダイヤナールLP−3106(三菱レイヨン(株)製)、ダイヤナールLP−3201(三菱レイヨン(株)製)が挙げられる。
本発明によれば、ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂をブロックウレタンと一緒にして用いてアクリル系プラスチゾルを製造することによって、ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂のみを用いてアクリル系プラスチゾルを製造した場合に比べて、強度及び変形回復に優れ、低温での柔軟性に優れた成形品が得られたのである。
本発明のアクリル系プラスチゾル組成物中において、ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂は、上記したとおり20〜80重量部の割合で、またブロックウレタンは80〜20重量部の割合で用いられる。ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂の割合が20重量部未満の場合には、手袋の成形に適した粘度調整に多量の可塑剤及び希釈剤を配合する必要があり、それによって強度が低下し、またブリードが発生するといった不都合があり、またこのペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂の割合が80重量部を超える場合には、手袋の強度及び変形回復が不足し、ディップ成形において、手袋を型から離形する際に破断や伸びが発生するといった不具合が伴う。また、低温での柔軟性も不足し、冬場、特に寒冷地で使用しにくいといった不都合がある。
本発明のアクリル系プラスチゾルに用いられるブロックウレタンは、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等のイソシアネートとポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール等とを反応させて得られるウレタンプレポリマーの遊離イソシアネート基を、オキシムやアミン等のブロック剤を用いてブロック化したブロックウレタンであって、特に手袋用としては、光劣化が少ないヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)から合成されたブロックウレタンを用いることが好ましい。
上記したウレタンプレポリマーを製造する際に用いる、ポリエーテルポリオールの具体例としては、ポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4' −ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4' −ジヒドロキシフェニルメタン等の2価アルコール;グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等の多価アルコール;エチレンジアミン、芳香族ジアミン等のジアミン類;またはソルビトール等の糖類の1種または2種以上に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの1種または2種以上を付加して得られるポリオール等を挙げることができる。
ポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、もしくはその他の低分子ポリオールの1種または2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、もしくはその他の低分子カルボン酸やオリゴマー酸の1種または2種以上との末端水酸基を有する縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロラクトン等の開環重合体等を挙げることができる。
その他のポリオールとしては、主鎖が炭素−炭素結合よりなるポリオール、例えば、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、水素添加されたポリブタジエンポリオール等;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の低分子ポリオールを好適に挙げることができる。
ブロックウレタンは、本発明のアクリル系プラスチゾル組成物中において、上記したとおり80〜20重量部の割合で用いられる。ブロックウレタンの割合が20重量部未満の場合には、低温での柔軟性が不足し、製品同士がブロッキングしやすくなるといった不都合があり、またこのブロックウレタンの割合が80重量部を超える場合には、手袋の成形に適した粘度調整に多量の可塑剤及び希釈剤を配合する必要があり、それによって強度が低下し、またブリードが発生するといった不都合がある。
ウレタンプレポリマーの遊離のイシシアネート基をブロックするためのブロック剤は、遊離のイソシアネートと結合して常温では安定で、イソシアネート基の反応性をブロックするが、ある温度以上に加熱されると解離する活性水素化合物の、例えばフェノール系ブロック剤、ラクタム系ブロック剤、オキシム系ブロック剤、アミン系ブロック剤、アルコール系ブロック剤等のブロック剤を用いることができる。
このブロック剤の具体例には、フェノール系ブロック化剤としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール等を;ラクタム系ブロック化剤としては、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、β−ブチロラクタム、β−プロピオラクタム等を;オキシム系ブロック化剤としては、ホルムアミドオキシム、アセトアミドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム等をアミン系ブロック剤としては、ジシクロヘキシルアミン等を、アルコール系ブロック化剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等を挙げることができる。
そして、このようにしてブロックされたブロックウレタンとしては、市場で入手しうる製品を使用することもでき、これらの製品としては例えばB−7010S、B−7075、B−5010(三井化学ポリウレタン(株)製)が挙げられる。
本発明のアクリル系プラスチゾルに用いられるブロックウレタン硬化剤には、ヒドラジド系硬化剤がある。ヒドラジド系硬化剤としては、サリチル酸ヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、デカン二酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、ポリアクリル酸ヒドラジドが挙げられる。これらのブロックウレタン硬化剤の中で、特に好ましいのはアジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジドが挙げられる。
また、ポリアミン類、変性ポリアミン類や、ポリオールエーテルポリオール、ポリエステルポリオールなどのアミノ基又は水酸基含有化合物もブロックウレタンの硬化剤として使用する事ができる。
硬化剤は、ブロックウレタンのブロック化されているイソシアネート基1の当量に対して、硬化剤の官能基(アミノ基、水酸基)が0.5〜1.5当量、好ましくは0.8〜1.2当量の割合になるように配合して使用される。0.5当量より少ない場合は、低温柔軟性が悪くなり、また、未反応のブロックウレタンによりベタツキが発生する。1.5当量を超えて配合されると残存する硬化剤成分が物性を低下させてしまうため好ましくない。
本発明のアクリル系プラスチゾルに用いられる可塑剤には、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、ポリエーテルエステル系可塑剤、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレートを使用する事ができる。
また、これ以外にも公知の可塑剤を使用することができる。例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソデシルなどのフタル酸誘導体、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリ−n−オクチル等のトリメリット酸誘導体、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソノニル等のアジピン酸誘導体、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−n−オクチル、ヘキサヒドロフタル酸ジイソノニルなどのエポキシヘキサヒドロフタル酸及びヘキサヒドロフタル酸誘導体、リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリキシレニル等のリン酸誘導体、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート等の安息香酸誘導体、アセチルクエン酸トリブチルやポリエステル系可塑剤、アクリル酸エステル系モノマーなどが挙げられる。これらは単独または2種類以上で組み合わせて使用する事ができる。可塑剤は、特にアクリル樹脂との相溶性を考慮して可塑剤の種類を選択しなければならない。
上記の可塑剤中で、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレートは、プラスチゾルの粘度を低下させ、離形性を向上し、手袋表面のベタツキを抑え、そして手袋に耐寒性を付与する可塑剤として好ましい。その添加量としては、ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂とブロックウレタンからなる樹脂混合物100重量部に対して、5〜23重量部の範囲で使用する事が好ましく、5〜15重量部の範囲で使用することが特に好ましい。5重量部未満では、離形性、耐寒性が悪くなり、23重量部を超えると、強度が著しく低下し、ブリードも発生しやすくなる。そして上記添加量に加えて、合計で可塑剤が30〜100重量部となる量で2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート以外の他の上記した可塑剤を混合して使用することも可能である。
可塑剤量は、ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂とブロックウレタンからなる樹脂混合物100重量部に対して、30〜100重量部の範囲で使用する事が好ましく、30〜60重量部の範囲で使用する事が特に好ましい。30重量部未満では、成形可能なアクリル系プラスチゾルを得る事が出来ず、また100重量部を超えると強度が低下し、ブリードも発生しやすくなる。
本発明では、プラスチゾルの粘度を低くする目的で希釈剤を配合する。コールドディップ(コーディング、モウルディング)において、製品の厚みはプラスチゾルの粘度に影響され、特に手袋においては、300μm以下の薄い物が多く、プラスチゾルの粘度が2000mPa・s以下が好ましい。
アクリル系プラスチゾルに用いられる希釈剤は、公知の希釈剤を使用する事ができる。例えば、脂肪族系炭化水素、芳香族系炭化水素などが挙げられる。また、これらの希釈剤はチキソ性を下げることなく粘度を下げることができる。
希釈剤としては市場で入手しうる製品を使用する事ができ、例えばアルケンL(新日本石油化学(株)製)、エクソノールD40(エクソンモービル有限会社製)、ノルマルパラフィン(新日本石油化学(株)製)が挙げられる。
希釈剤は、5〜40重量部の範囲で使用する事が好ましく、5〜25重量部の範囲で使用することが特に好ましい。5重量部未満では、減粘効果がほとんどなく、40重量部を超えると、手袋の成形で完全に揮発させる事ができず、成形品中に希釈剤が残存し、ブリードが発生しやすくなる。
本発明のアクリル系プラスチゾル組成物中に、従来公知の添加剤、充填剤、着色剤、酸化防止剤、減粘剤、光安定剤、紫外線吸収剤などの添加剤を必要によって任意に添加することができる。
本発明のアクリル系プラスチゾル組成物は、ディップ成形におけるアクリル系プラスチゾル槽でのディッピング操作の反復をアクリル系プラスチゾルの粘度増加なしに行う事ができ、得られた手袋は強度及び変形回復に優れ、製品同士のブロッキングも少なく、また低温での柔軟性にも優れている。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、これらは本発明を単に説明するためのもので、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて解されるべきものとし、以下の実施例に限定されるものではない。
下記の実施例及び比較例の記載において、使用したアクリル樹脂、ブロックウレタン、ウレタン硬化剤、可塑剤、チキソ剤、希釈剤については、冗長を避ける目的で、単にアクリル樹脂A、B、C、ブロックウレタン、ウレタン硬化剤、可塑剤A、B、C、D、チキソ剤、希釈剤とのみ表示したが、その具体的な内容は次の通りである。
アクリル樹脂A:ダイヤナールLP−3201(コアシェル型)−三菱レイヨン社製
アクリル樹脂B:ダイヤナールLP−3106(コアシェル型)−三菱レイヨン社製
アクリル樹脂C:F−303(均一構造型)−ゼオン化成社製
ブロックウレタン:IPDI系−三井化学ポリウレタン
ウレタン硬化剤:ドデカン二酸ジヒドラジド
可塑剤A:W−150(エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル)−大日本インキ社製
可塑剤B:AS−100(ポリエーテルエステル系)−大日本インキ社製
可塑剤C:PN−6120(安息香酸エステル)−アデカ社製
可塑剤D:2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート
チキソ剤:QS−30−トクヤマ社製
希釈剤:ノルマルパラフィンM−新日本石油化学社製
実施例1
ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂A 40重量部、ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂B 20重量部、可塑剤A 40重量部、ブロックウレタン40重量部、ブロックウレタン硬化剤3.68重量部、チキソ剤0.5重量部をライカイ機に投入し、常温常圧で混練を開始し、約5分で均一に分散された分散体が得られた。混練を継続しながら、可塑剤D 10重量部を少量ずつ投入し、続いて希釈剤20重量部を投入し、約5分ほど混練し、液状の均一分散体を得た。ライカイ機での混練を終了させ、分散体を容器に移し換え、真空脱泡装置で20分間減圧撹拌脱泡を行い、混練時の混入気泡および水分を除去した。
実施例2
ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂A 40重量部、ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂B 20重量部、可塑剤A 40重量部、ブロックウレタン30重量部、ブロックウレタン硬化剤2.76重量部、チキソ剤0.5重量部をライカイ機に投入し、常温常圧で混練を開始し、約5分で均一に分散された分散体が得られた。混練を継続しながら、可塑剤D 10重量部を少量ずつ投入し、続いて希釈剤20重量部を投入し、約5分ほど混練し、液状の均一分散体を得た。ライカイ機での混練を終了させ、分散体を容器に移し換え、真空脱泡装置で20分間減圧撹拌脱泡を行い、混練時の混入気泡および水分を除去した。
実施例3
ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂A 、55重量部、ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂B 20重量部、可塑剤B 40重量部、ブロックウレタン25重量部、ブロックウレタン硬化剤2.30重量部、チキソ剤0.5重量部をライカイ機に投入し、常温常圧で混練を開始し、約5分で均一に分散された分散体が得られた。混練を継続しながら、可塑剤D 10重量部を少量ずつ投入し、続いて希釈剤20重量部を投入し、約5分ほど混練し、液状の均一分散体を得た。ライカイ機での混練を終了させ、分散体を容器に移し換え、真空脱泡装置で20分間減圧撹拌脱泡を行い、混練時の混入気泡および水分を除去した。
比較例1
ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂A 80重量部、ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂B 20重量部、可塑剤A 40重量部、チキソ剤0.5重量部をライカイ機に投入し、常温常圧で混練を開始し、約5分で均一に分散された分散体が得られた。混練を継続しながら、可塑剤D 10重量部を少量ずつ投入し、続いて希釈剤20重量部を投入し、約5分ほど混練し、液状の均一分散体を得た。ライカイ機での混練を終了させ、分散体を容器に移し換え、真空脱泡装置で20分間減圧撹拌脱泡を行い、混練時の混入気泡および水分を除去した。
比較例2
ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂A 65重量部、ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂B 20重量部、可塑剤A 40重量部、ブロックウレタン15重量部、ブロックウレタン硬化剤1.38重量部、チキソ剤0.5重量部をライカイ機に投入し、常温常圧で混練を開始し、約5分で均一に分散された分散体が得られた。混練を継続しながら、可塑剤D 10重量部を少量ずつ投入し、続いて希釈剤20重量部を投入し、約5分ほど混練し、液状の均一分散体を得た。ライカイ機での混練を終了させ、分散体を容器に移し換え、真空脱泡装置で20分間減圧撹拌脱泡を行い、混練時の混入気泡および水分を除去した。
比較例3
ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂B 15重量部、可塑剤A 100重量部、ブロックウレタン85重量部、ブロックウレタン硬化剤7.82重量部、チキソ剤0.5重量部をライカイ機に投入し、常温常圧で混練を開始し、約5分で均一に分散された分散体が得られた。混練を継続しながら、可塑剤D 10重量部を少量ずつ投入し、続いて希釈剤40重量部を投入し、約5分ほど混練し、液状の均一分散体を得た。ライカイ機での混練を終了させ、分散体を容器に移し換え、真空脱泡装置で20分間減圧撹拌脱泡を行い、混練時の混入気泡および水分を除去した。
比較例4
ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂A 40重量部、ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂B 20重量部、可塑剤A 100重量部、ブロックウレタン40重量部、ブロックウレタン硬化剤3.68重量部、チキソ剤0.5重量部をライカイ機に投入し、常温常圧で混練を開始し、約5分で均一に分散された分散体が得られた。混練を継続しながら、可塑剤D 10重量部を少量ずつ投入し、続いて希釈剤20重量部を投入し、約5分ほど混練し、液状の均一分散体を得た。ライカイ機での混練を終了させ、分散体を容器に移し換え、真空脱泡装置で20分間減圧撹拌脱泡を行い、混練時の混入気泡および水分を除去した。
比較例5
ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂A 40重量部、ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂B 20重量部、可塑剤A 18重量部、ブロックウレタン40重量部、ブロックウレタン硬化剤3.68重量部、チキソ剤0.5重量部をライカイ機に投入し、常温常圧で混練を開始し、約5分で均一に分散された分散体が得られた。混練を継続しながら、可塑剤D 10重量部を少量ずつ投入し、続いて希釈剤45重量部を投入し、約5分ほど混練し、液状の均一分散体を得た。ライカイ機での混練を終了させ、分散体を容器に移し換え、真空脱泡装置で20分間減圧撹拌脱泡を行い、混練時の混入気泡および水分を除去した。
比較例6
均一構造のペースト用アクリル樹脂C 100重量部、可塑剤C 50重量部をライカイ機に投入し、常温常圧で混練を開始し、約5分で均一に分散された分散体が得られた。混練を継続しながら、可塑剤D 29.5重量部を少量ずつ投入し、約5分ほど混練し、液状の均一分散体を得た。ライカイ機での混練を終了させ、分散体を容器に移し換え、真空脱泡装置で20分間減圧撹拌脱泡を行い、混練時の混入気泡および水分を除去した。
上記のようにして得られた分散体の初期粘度、粘度安定性、およびこの分散体から試験シートを作成しその物性、変形回復率、低温脆化、ブリード、ブロッキングについて試験を実施した。また、ディップ成形を行い成形品のブリードの有無について確認した。
Figure 2008120962
Figure 2008120962
表2中の物性測定は以下の方法による
1)粘度測定法
トキメック製、BM型粘度計(3号ロータ)を使用し、30℃における粘度を測定した。
2)粘度安定性
プラスチゾルを密閉容器に入れ、温度35℃の下で7日間保持した後、温度30℃に冷却し、粘度を測定し、初期からの粘度変化率で評価した。
○:変化率 2.0未満
×:変化率 2.0以上
3)物性試験
JIS K6251引張強さ・伸び率に準拠し測定した。
・引張強さ
○:7.5MPa以上
×:7.5MPa未満
4)変形回復率
シートを200%伸ばした後、1分後に回復率を測定した。
○:50%以上
×:50%未満
5)低温脆化試験
JIS K6261に準拠し測定した(A形試験片)。
○:−5℃以下
×:−5℃以上
6)ブリード試験
温度60℃の雰囲気に60時間保持した後、表面のブリード状態を確認する。
○:ブリードなし
×:ブリードあり
7)ブロッキング試験
シートを貼り合わせ、温度60℃の雰囲気に60時間保持した後、ブロッキングについて確認する。
○:ブロッキングなし(容易に剥離)
×:ブロッキングあり(剥離が困難)
8)ディップ成形試験(コールドディップ)
ディップ成形を行い、ブリードについて確認する。ブリードについては60℃の雰囲気に60時間保持した後に確認する。
・ディップ条件:ディップ→ゲル化:170℃×15分(熱風炉)→冷却→脱型
○:ブリードなし
×:ブリードあり
これらの表にまとめられた結果から、実施例1〜3では、プラスチゾルの粘度安定性が良く、製品のブリード及びブロッキングがなく、変形回復率、強度、低温柔軟性に優れている事が確認できた。これに対して、比較例1及び2は、ブロックウレタンが20重量部未満で、低温柔軟性及び変形回復率が不十分で製品どうしのブロッキングもあり、比較例3及び4は、粘度を低下させるため可塑剤が100重量部を超えて配合されているため、成形品の強度が弱く、ブリードの発生が見られた。比較例5は、粘度を低下させるために希釈剤が40重量部を超えて配合されており、製品からのブリードが見られ、比較例6は、プラスチゾルの粘度安定性が悪く、製品においては低温での柔軟性、変形回復が悪く、ブロッキング現象が見られた。
本発明のアクリル系プラスチゾル組成物は、温度の変化に対する粘度安定性が良好で、ディップ成形のように繰り返し金型や陶器型が浸漬されるプラスチゾル槽において粘度上昇が少なく、得られた手袋は、強度に及び変形回復に優れ、製品同士のブロッキングも少なく、また低温での柔軟性に優れているものになる。

Claims (10)

  1. ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂、ブロックウレタン、ブロックウレタン硬化剤、可塑剤、及び希釈剤、必要に応じてその他の添加剤を含む手袋用アクリル系プラスチゾル組成物。
  2. ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂20〜80重量部、ブロックウレタン80〜20重量部からなる樹脂混合物に、ブロックウレタン硬化剤を、ブロックウレタンのブロック化されているイソシアネート基の1当量に対して、硬化剤の官能基が0.5〜1.5当量に相当する量、可塑剤を30〜100重量部、及び希釈剤を5〜40重量部、必要に応じてその他の添加剤を含む請求項1に記載のアクリル系プラスチゾル組成物。
  3. ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂40〜60重量部、ブロックウレタン60〜40重量部からなる樹脂混合物に、ブロックウレタン硬化剤を、ブロックウレタンのブロック化されているイソシアネート基の1当量に対して、硬化剤の官能基が0.8〜1.2当量に相当する量、可塑剤を30〜60重量部、及び希釈剤5〜25重量部、必要に応じてその他の添加剤を含む請求項1に記載のアクリル系プラスチゾル組成物。
  4. ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂は、コア部とシェル部のポリマー比が、重量比で30/70〜70/30の範囲のものである請求項1〜3のいずれか一項に記載のアクリル系プラスチゾル組成物。
  5. ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂とブロックウレタンからなる樹脂混合物の合計100重量部に対して、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレートを可塑剤として5〜23重量部の量で含む請求項1〜4のいずれか一項に記載のアクリル系プラスチゾル組成物。
  6. ペースト用コアシェル構造のアクリル樹脂とブロックウレタンからなる樹脂混合物の合計100重量部に対して、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレートを可塑剤として5〜15重量部の量で含む請求項5に記載のアクリル系プラスチゾル組成物。
  7. ブロックウレタンが、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)のいずれか一つ、又はこれらの二つ以上の混合物であるイソシアネートと、ポリエーテルポリオール及び/又はポリエステルポリオールとを反応させて得られるポリウレタンプレポリマーの遊離イソシアネート基をブロック剤でブロックしたブロック体である請求項1〜3のいずれか一項に記載のアクリル系プラスチゾル組成物。
  8. ブロックウレタン硬化剤が、サリチル酸ヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、デカン二酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、ポリアクリル酸ヒドラジドの群から選ばれる一つ又は複数のヒドラジド系硬化剤である請求項1〜3のいずれか一項に記載のアクリル系プラスチゾル組成物。
  9. ブロックウレタン硬化剤が、アジピン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドの群から選ばれる一つ又は複数のヒドラジド系硬化剤である請求項8に記載のアクリル系プラスチゾル組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のアクリル系プラスチゾル組成物から、ディップ成形によって得られた手袋。
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