JP7147285B2 - 熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物、熱可塑性ポリエステルエラストマー発泡成形体およびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物、熱可塑性ポリエステルエラストマー発泡成形体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、柔軟性が高く機械的特性に優れた熱可塑性ポリエステルエラストマー発泡成形体およびその製造方法、ならびに当該発泡成形体を得るための熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物に関するものである。さらに詳しくは、本発明の発泡成形体は、軽量かつ心地よいクッション性と高い反発弾性率を有する。本発明の製造方法によれば、容易な成型方法で良質の発泡成形体の提供が可能である。
熱可塑性ポリエステルエラストマーは、射出成形性、押出成形性に優れ、機械的強度が高く、弾性回復性、耐衝撃性、柔軟性などのゴム的性質、耐寒性に優れる材料として、自動車部品、電気・電子部品、繊維、フィルム、スポーツ部品などの用途に使用されている。
熱可塑性ポリエステルエラストマーは、耐熱老化性、耐光性、耐摩耗性に優れていることから、自動車部品、特に高温環境下で使用される部品や自動車内装部品に採用されている。さらに近年、樹脂部品の軽量化が進められており、その目的を達成する手段の一つとして発泡成形品の適用を挙げることができる。
しかしながら、一般に溶融重縮合法で製造されたポリエステルエラストマーは、溶融粘度が比較的低いため、発泡成形、ブロー成形、押し出し成形等の高溶融粘度が必要とされる成形方法に適用した場合に、成形性が確保できないという問題がある。そのため溶融重縮合法で製造した重合体に、架橋剤や増粘剤を配合することによって、ブロー成形や押し出し成形に適用可能な溶融粘度まで引き上げることが行われている(例えば、特許文献1~3)。
上記方法によれば、溶融粘度の高いポリエステルエラストマーを得ることができるが、得られるポリエステルエラストマーは反応が充分に制御されていないため溶融粘度の滞留時間依存性が大きい。特に発泡成形体を作製する場合、上記の方法により得られた組成物は、条件によってはゲル化し易く、充分な溶融張力を得るとゲル化して安定した流動性が得難く、均一な厚さの成形品を得難い。さらに、いずれの特許文献も増粘による効果については言及しているが、発泡成形品を効率よく生産するための方法や、発泡成型品の作製に適した熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物について、詳細は言及していない。
一方、特許文献4では、ポリエステルエラストマー組成物の溶融張力を制御し、かつゲルを抑制することにより、高品質な発泡成形体の製造方法が提案されている。しかし、発泡成形体の密度が高く、軽量化のために満足できるほどの低密度発泡体の製造には至っていない。さらに、発泡成形品として要求されるクッション性や反発性に関しては、全く考慮されていない。
ところで、自動車部品に好適に使用されるクッション材としては、クッション性のために硬度が低く、ヒステリシスロスが高いことに加えて、近年、薄肉化のために反発弾性率に優れる素材が求められている。特許文献5では、ヒステリシスロスと反発弾性を両立した軟質ウレタンフォームの製造方法が提案されているが、その製造方法は、簡便とは言い難い。また、ウレタンフォームは、燃焼時にシアン化ガス等が発生するため、環境汚染の課題がある。
特開平11-323110号公報 特開平5-302022号公報 特開2009-29895号公報 特開2012-140532号公報 特開2006-008774号公報
本発明は、上記従来技術の現状に鑑みなされたものであり、軽量かつ心地良いクッション性を有し、反発弾性率に優れた熱可塑性ポリエステルエラストマー発泡成形体およびその製造方法、ならびに当該発泡成形体を得るための熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するため、熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物の組成、及び熱可塑性ポリエステルエラストマー発泡成形体の発泡構造について鋭意検討した。その結果、熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物に特定量の増粘剤及び可塑剤を配合し、当該組成物の流動性と溶融張力を調整することにより、良好な発泡成形性が得られることを見出した。そして、当該熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物を用いて発泡成形することにより、軽量で優れたクッション性と高い反発弾性率を有する熱可塑性ポリエステルエラストマー発泡成形体が得られることを見出した。また、射出成形によって金型に熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物を充填し、その後、金型のコアバックによってキャビティ拡張するプロセスを適用することで、良質な熱可塑性ポリエステルエラストマー発泡成形体を容易に製造できることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
(1)
芳香族ジカルボン酸と脂肪族及び/又は脂環族ジオールとを構成成分とするポリエステルにより形成されたハードセグメントと、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル、及び脂肪族ポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種のソフトセグメントとが結合した熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)、増粘剤(B)、及び可塑剤(C)を含有する熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物であって、
前記増粘剤(B)の含有量は、前記熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)100質量部に対して0.05~4.5質量部であり、
前記可塑剤(C)の含有量は、前記熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)100質量部に対して0.1~30質量部である、熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物。
(2)
熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)のソフトセグメントの含有量が45~95質量%である(1)に記載の熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物。
(3)
増粘剤(B)は、ビニル芳香族モノマー(X)20~99質量%、及びグリシジル(メタ)アクリレート(Y)1~80質量%を含むモノマー組成物から得られる、グリシジル基を1分子あたり2つ以上有する重量平均分子量4000~25000の共重合体である(1)又は(2)に記載の熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物。
(4)
230℃におけるメルトフローレートが10~50g/10minである(1)~(3)のいずれかに記載の熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物。
(5)
前記組成物の融点+10℃の温度で測定した時の溶融張力が50~200mNである(1)~(4)のいずれかに記載の熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物。
(6)
(1)~(5)のいずれかに記載の熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物から得られ、密度が0.01~0.35g/cmであり、ヒステリシスロス荷重が4~10Nであり、反発弾性率が40~70%であり、かつ硬度が10~30Cである、熱可塑性ポリエステルエラストマー発泡成形体。
(7)
前記発泡成形体は、発泡層の両面に、厚み100~800μmの非発泡スキン層を有するサンドイッチ構造を持ち、
前記発泡層は、平均セル径が10~500μmの発泡セルを有しており、
前記発泡セルは、平均直径が5~200μmの貫通孔を少なくとも1つ有しており、
前記発泡セルの平均断面積(Sa)と、前記発泡セルの断面における平均総貫通孔面積(Sb)との比(Sb/Sa)が0.1~0.4である(6)に記載の熱可塑性ポリエステルエラストマー発泡成形体。
(8)
型締めされた複数の金型で形成されるキャビティ内に、溶融状態の前記熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物を、化学発泡剤および/または超臨界状態の不活性ガスとともに射出、充填し、厚み100~800μmの非発泡スキン層が形成された段階で少なくとも一つの金型を型開き方向へ移動してキャビティの容積を拡大させることを特徴とする(6)又は(7)に記載の熱可塑性ポリエステルエラストマー発泡成形体の製造方法。
(9)
前記不活性ガスが、窒素である(8)に記載の熱可塑性ポリエステルエラストマー発泡成形体の製造方法。
本発明の熱可塑性ポリエステルエラストマー発泡成形体は、軽量性に優れるのみならず、心地良いクッション性と高い反発弾性率を有する。さらに、本発明の熱可塑性ポリエステルエラストマー発泡成形体は、高い発泡倍率にもかかわらず均一な発泡状態と、高い耐熱性、耐水性、成形安定性を持つため、高い信頼性が要求される部品にも適用できる。
本発明の発泡成形体の製造方法の一例を説明するための概略構成図である。 Aは、実施例2の断面写真であり、Bは、比較例3の断面写真である。
以下、本発明の熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物、及び当該組成物から得られる熱可塑性ポリエステルエラストマー発泡成形体について詳述する。
本発明の熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物は、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)、増粘剤(B)、及び可塑剤(C)を含有する。
[熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)]
本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)は、ハードセグメントとソフトセグメントが結合したものである。ハードセグメントは、ポリエステルにより形成される。ハードセグメントのポリエステルを構成する芳香族ジカルボン酸としては、通常の芳香族ジカルボン酸が広く用いられ、特に限定されないが、主たる芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸及び/又はナフタレンジカルボン酸(異性体の中では2,6-ナフタレンジカルボン酸が好ましい)が好ましい。これらの芳香族ジカルボン酸の含有量は、ハードセグメントのポリエステルを構成する全ジカルボン酸中、70モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましい。その他のジカルボン酸としては、例えば、ジフェニルジカルボン酸、イソフタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ無水フタル酸などの脂環族ジカルボン酸;コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。これらは1種用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、これらは、ポリエステルエラストマーの融点を大きく低下させない範囲で用いることができ、その量は全ジカルボン酸の30モル%以下、好ましくは20モル%以下である。
また、本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)において、ハードセグメントのポリエステルを構成する脂肪族及び/又は脂環族ジオールとしては、一般の脂肪族又は脂環族ジオールが広く用いられ、特に限定されないが、主として炭素数2~8のアルキレングリコール類が好ましい。具体的には、エチレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。これらは1種用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、エチレングリコール及び/又は1,4-ブタンジオールが好ましい。
ハードセグメントのポリエステルを構成する単位としては、ブチレンテレフタレート単位(テレフタル酸と1,4-ブタンジオールからなる単位)及び/又はブチレンナフタレート単位(2,6-ナフタレンジカルボン酸と1,4-ブタンジオールからなる単位)が、物性、成形性、コストパフォーマンスの観点から好ましい。
ハードセグメントを構成するポリエステルとして芳香族ポリエステルを事前に製造し、その後ソフトセグメントと共重合させる場合、前記芳香族ポリエステルは、通常のポリエステルの製造法に従って容易に得ることができる。また、前記ポリエステルの数平均分子量は、10000~40000であることが好ましい。
本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)のソフトセグメントは、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル、及び脂肪族ポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種である。
脂肪族ポリエーテルとしては、例えば、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、ポリ(トリメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体などが挙げられる。これらは1種用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、弾性特性の観点から、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール及び/又はポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物が好ましい。
脂肪族ポリエステルとしては、例えば、ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリエナントラクトン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペートなどが挙げられる。これらは1種用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、弾性特性の観点から、ポリ(ε-カプロラクトン)及び/又はポリブチレンアジペートが好ましい。
脂肪族ポリカーボネートは、主として炭素数2~12の脂肪族ジオール残基からなるものであることが好ましい。これらの脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、1,9-ノナンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオールなどが挙げられる。これらは1種用いてもよく、2種以上を併用してもよい。得られる熱可塑性ポリエステルエラストマーの柔軟性や低温特性の観点から、炭素数5~12の脂肪族ジオールが好ましい。
ソフトセグメントを構成する、低温特性が良好な脂肪族ポリカーボネートジオールとしては、融点が低く(例えば、70℃以下)かつ、ガラス転移温度が低いものが好ましい。熱可塑性ポリエステルエラストマーのソフトセグメントを形成するために用いられる、1,6-ヘキサンジオールを用いた脂肪族ポリカーボネートジオールは、ガラス転移温度が-60℃程度と低く、融点も50℃程度であるため、当該脂肪族ポリカーボネートジオールを用いた熱可塑性ポリエステルエラストマーは、低温特性が良好である。その他、上記脂肪族ポリカーボネートジオールに、例えば、3-メチル-1,5-ペンタンジオールを共重合して得られる脂肪族ポリカーボネートジオールは、元の脂肪族ポリカーボネートジオールに対してガラス転移点が若干高くなるものの、融点が低下もしくは非晶性となるため、低温特性が良好な脂肪族ポリカーボネートジオールに相当する。また、例えば、1,9-ノナンジオールと2-メチル-1,8-オクタンジオールを用いた脂肪族ポリカーボネートジオールは、融点が30℃程度、ガラス転移温度が-70℃程度と十分に低いため、低温特性が良好な脂肪族ポリカーボネートジオールに相当する。
本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)のソフトセグメントとしては、本発明の効果をより向上させる観点から、脂肪族ポリエーテルが好ましい。
本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)は、テレフタル酸、1,4-ブタンジオール、及びポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを主たる成分とする共重合体であることが好ましい。熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)を構成するジカルボン酸成分中、テレフタル酸は40モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることがさらに好ましく、90モル%以上であることが特に好ましい。熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)を構成するグリコール成分中、1,4-ブタンジオールとポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールの合計が40モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることがさらに好ましく、90モル%以上であることが特に好ましい。
前記ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールの数平均分子量は、500~4000であることが好ましい。数平均分子量が500未満であると、エラストマー特性が発現しにくい場合がある。一方、数平均分子量が4000を超えると、ハードセグメントとの相溶性が低下し、ブロック状に共重合することが難しくなる場合がある。ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールの数平均分子量は、800~3000であることがより好ましく、1000~2500であることがさらに好ましい。
本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)において、ソフトセグメントの含有量は、45~95質量%が好ましく、より好ましくは55~90質量%、さらに好ましくは60~90質量%である。ソフトセグメントの含有量が45質量%よりも低いと、結晶性が高すぎるため、反発弾性に劣り、95質量%を超えると、結晶性が低下しすぎるため、発泡成形性に劣る傾向にある。
本発明で使用する熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)は、公知の方法で製造することができ、例えば、ジカルボン酸の低級アルコールジエステル、過剰量の低分子量グリコール、及びソフトセグメントを触媒の存在下でエステル交換反応させ、得られた反応生成物を重縮合する方法、ジカルボン酸と過剰量のグリコールとソフトセグメントを触媒の存在下でエステル化反応させ、得られた反応生成物を重縮合する方法、予めハードセグメントのポリエステルを作っておき、これにソフトセグメントを添加してエステル交換反応によりランダム化させる方法、ハードセグメントとソフトセグメントを鎖連結剤でつなぐ方法、さらに、ポリ(ε-カプロラクトン)をソフトセグメントに用いる場合は、ハードセグメントにε-カプロラクトンモノマーを付加反応させる方法などが挙げられる。
[増粘剤(B)]
増粘剤(B)は、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)の持つヒドロキシル基あるいはカルボキシル基と反応し得る官能基を有する反応性化合物(以下、単に反応性化合物と称することがある)である。前記官能基は、エポキシ基(グリシジル基)、酸無水物基、カルボジイミド基、及びイソシアネート基から選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、より好ましくはエポキシ基(グリシジル基)である。前記反応性化合物は、前記官能基を1分子あたり2つ以上有することが好ましい。
増粘剤(B)としては、例えば、2つ以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物が挙げられる。前記多官能エポキシ化合物としては、例えば、1,6-ジハイドロキシナフタレンジグリシジルエーテル、及び1,3-ビス(オキシラニルメトキシ)ベンゼンなどの2つのエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物;1,3,5-トリス(2,3-エポキシプロピル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、及びジグリセロールトリグリシジルエーテルなどの3つのエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物;1-クロロ-2,3-エポキシプロパン・ホルムアルデヒド・2,7-ナフタレンジオール重縮合物、及びペンタエリスリトールポリグリシジルエーテルなどの4つのエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物などが挙げられる。これらは1種用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、耐熱性を保有する骨格を有する多官能エポキシ化合物であることが好ましい。特に、ナフタレン構造を骨格にもつ2官能又は4官能の多官能エポキシ化合物、及びトリアジン構造を骨格にもつ3官能の多官能エポキシ化合物が好ましい。また、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)の溶液粘度上昇の程度、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)の酸価を効率良く低下させることができる効果、及びエポキシ自身の凝集・固化によるゲル化の発生程度を考慮すると、2官能又は3官能の多官能エポキシ化合物が好ましい。
また、増粘剤(B)は、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)との相溶性が良く、分子量分布がより広くなる観点から、ビニル芳香族モノマー(X)20~99質量%、及びグリシジル(メタ)アクリレート(Y)1~80質量%を含むモノマー組成物から得られる、グリシジル基を1分子あたり2つ以上有する重量平均分子量4000~25000の共重合体であることが好ましい。ビニル芳香族モノマー(X)の含有量は、25~90質量%であることが好ましく、より好ましくは50~90質量%である。グリシジル(メタ)アクリレート(Y)の含有量は、10~75質量%であることが好ましく、より好ましくは10~50質量%である。また、前記モノマー組成物は、エポキシ基を有さないビニル基含有モノマー(Z)を79質量%以下で含有してもよく、好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは35質量%以下である。モノマーの組成比は、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)との反応に寄与する官能基濃度に影響するため、前記範囲に適切に制御することが好ましい。
ビニル芳香族モノマー(X)としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン等が挙げられる。これらは1種用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
グリシジル(メタ)アクリレート(Y)としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、シクロヘキセンオキシド構造を有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは1種用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、反応性が高い観点から、(メタ)アクリル酸グリシジルが好ましい。
エポキシ基を有さないビニル基含有モノマー(Z)としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル等の炭素数が1~22のアルキル基(アルキル基は直鎖、分岐鎖でもよい)を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、(メタ)アクリル酸フェノキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸イソボルニルエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシシリルアルキルエステル等が挙げられる。また、前記モノマー(Z)としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルジアルキルアミド、酢酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルエーテル類、(メタ)アリルエーテル類等の芳香族系ビニル系単量体、エチレン、プロピレン等のα-オレフィンモノマーなどが挙げられる。これらは1種用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記共重合体の重量平均分子量は、4000~25000であることが好ましく、より好ましくは5000~15000であり、さらに好ましくは8000~10000である。重量平均分子量が4000未満であると、未反応の共重合体が成形工程で揮発したり、発泡成形体表面にブリードアウトして、発泡成形体表面の汚染を引き起こすおそれがある。一方、重量平均分子量が25000を超えると、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)との反応が遅くなって分子量増大効果が不十分になるだけでなく、共重合体と熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)との相溶性が悪くなるため、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)が本来持つ耐熱性などの特性が低下する可能性が大きくなる。
前記共重合体のエポキシ価は、400~2500当量/1×10gであることが好ましく、より好ましくは500~1500当量/1×10gであり、さらに好ましくは600~1000当量/1×10gである。エポキシ価が400当量/1×10g未満であると、増粘の効果が十分に発現しないことがあり、一方、2500当量/1×10gを超えると、増粘効果が過剰となり成形性に悪影響を与えることがある。
増粘剤(B)が、カルボジイミド基を有する反応性化合物である場合、前記反応性化合物としては、例えば、ポリカルボジイミド化合物が挙げられる。ポリカルボジイミド化合物は、効率良く酸価を低減させる点で有利である。
ポリカルボジイミド化合物は、1分子内にカルボジイミド基(-N=C=N-の構造)を2つ以上有するポリカルボジイミドであればよく、例えば、脂肪族ポリカルボジイミド、脂環族ポリカルボジイミド、芳香族ポリカルボジイミド、これらの共重合体などが挙げられる。これらは1種用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、脂肪族ポリカルボジイミド及び/又は脂環族ポリカルボジイミドが好ましい。
ポリカルボジイミド化合物は、例えば、ジイソシアネート化合物の脱二酸化炭素反応により得ることができる。前記ジイソシアネート化合物としては、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3,5-トリイソプロピルフェニレン-2,4-ジイソシアネートなどが挙げられる。これらは1種用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、分岐構造を導入したり、カルボジイミド基やイソシアネート基以外の官能基を共重合により導入してもよい。さらに、末端イソシアネートはそのままでもよいが、末端イソシアネートを反応させることにより重合度を制御してもよいし、末端イソシアネートの一部を封鎖してもよい。
ポリカルボジイミド化合物としては、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどに由来する脂環族ポリカルボジイミドが好ましく、より好ましくはジシクロヘキシルメタンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネートに由来する脂環族ポリカルボジイミドである。
ポリカルボジイミド化合物は、安定性と取り扱い性の観点から、1分子あたり2~50個のカルボジイミド基を有することが好ましく、より好ましくは5~30個である。ポリカルボジイミド分子中のカルボジイミドの個数(すなわち、カルボジイミド基数)は、ジイソシアネート化合物から得られたポリカルボジイミドであれば、重合度に相当する。例えば、21個のジイソシアネート化合物が鎖状につながって得られたポリカルボジイミドの重合度は20であり、分子鎖中のカルボジイミド基数は20である。通常、ポリカルボジイミド化合物は、種々の長さの分子の混合物であり、カルボジイミド基数は、平均値で表される。前記範囲のカルボジイミド基数を有し、室温付近で固形であるポリカルボジイミド化合物は、粉末化できるので、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)との混合時の作業性や相溶性に優れており、均一反応性、耐ブリードアウト性の点でも好ましい。なお、カルボジイミド基数は、例えば、常法(アミンで溶解して塩酸で逆滴定を行う方法)にて測定できる。
ポリカルボジイミド化合物は、安定性と取り扱い性の観点から、末端にイソシアネート基を有しており、イソシアネート基含有率が0.5~4質量%であることが好ましく、より好ましくは1~3質量%である。特に、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネートに由来するポリカルボジイミドであって、前記範囲のイソシアネート基含有率を有するものが好ましい。なお、イソシアネート基含有率は、例えば、常法(アミンで溶解して塩酸で逆滴定を行う方法)にて測定できる。
増粘剤(B)が、イソシアネート基を有する反応性化合物である場合、前記反応性化合物としては、例えば、上記したイソシアネート基を有するポリカルボジイミド化合物や、上記したポリカルボジイミド化合物の原料となるイソシアネート化合物などが挙げられる。
増粘剤(B)が、酸無水物基を有する反応性化合物である場合、安定性と取り扱い性の観点から、1分子あたり2~4個の無水物基を有する化合物であることが好ましい。このような化合物としては、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物などが挙げられる。
増粘剤(B)の含有量は、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)100質量部に対して0.05~4.5質量部であり、好ましくは0.1~4質量部であり、より好ましくは0.1~3質量部であり、さらに好ましくは0.1~2質量部である。増粘剤(B)の含有量が0.05質量部未満である場合には、目的とする分子鎖延長効果が不十分になり、4.5質量部を超えると、増粘効果が過剰となって成形性に悪影響を与えたり、発泡成形体の機械的特性に影響を与える傾向がある。また、増粘剤(B)がエポキシ化合物である場合には、増粘剤(B)の含有量が4.5質量部を超えると、エポキシ化合物の凝集硬化によって発泡成形体表面に凸凹が生じることがある。増粘剤(B)がカルボジイミド化合物である場合、増粘剤(B)の含有量が4.5質量部を超えると、ポリカルボジイミド化合物の塩基性によって熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)の加水分解が生じ機械的特性に影響を与える傾向がある。
[可塑剤(C)]
可塑剤(C)は、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)の可塑化を促進させることにより、熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物に柔軟性と流動性を付与する化合物であれば特に限定されない。可塑剤(C)としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジ-2-エチルヘキシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジイソノニルフタレートなどのフタル酸エステル系可塑剤;トリクレジルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ-2-エチルヘキシルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリス-ジクロロプロピルホスフェートなどのリン酸エステル系可塑剤;トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ2-エチルヘキシルなどのトリメリット酸エステル系可塑剤;ジペンタエリスリトールエステル系可塑剤;ジオクチルアジペート、ジ-2-エチルヘキシルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジブチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジブチルジグリコールアジペート、ジ-2-エチルヘキシルアゼレート、ジオクチルセバケート、メチルアセチルリシノレートなどの脂肪酸エステル系可塑剤;ピロメリット酸オクチルエステルなどのピロメリット酸エステル系可塑剤;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化脂肪酸アルキルエステルなどのエポキシ化可塑剤;アジピン酸エーテルエステル、ポリエーテルエステル、ポリエーテルなどのポリエーテル系可塑剤;ジエチレングリコールジベンゾエート、ポリプロピレングリコールジベンゾエート、トリプロピレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、プロピレングリコールジベンゾエート、ジブチレングリコールジベンゾエート、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、グリセリルトリベンゾエート、ペンタエリスリトールテトラベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ポリエチレングリコールジベンゾエート、トリメチロールエタントリベンゾエートなどのベンゾエート系可塑剤などが挙げられる。これらは1種用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、トリメリット酸エステル系可塑剤及び/又はピロメリット酸エステル系可塑剤が好ましい。
熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)と増粘剤(B)を含有する熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物は、発泡成形性に適した溶融張力に調整されているため、流動性が劣ったり、射出圧が高くなりすぎて発泡核が消失したりして、発泡成形性が劣る場合がある。前記組成物に可塑剤(C)を配合することにより、熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物の従来からの課題である流動性を向上できることに加えて、発泡成形性を向上させることができる。さらに、クッションとして適した硬度とヒステリシスロスの調整によって底付き感が発生し得るところ、可塑剤(C)の配合によって柔軟性と高反発弾性率を両立した発泡成形体を得ることができる。
可塑剤(C)の含有量は、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)100質量部に対して0.1~30質量部であり、好ましくは1~25質量部であり、より好ましくは5~20質量部であり、さらに好ましくは5~15質量部であり、特に好ましくは5~10質量部である。可塑剤(C)の含有量が0.1質量部未満の場合、目的とする流動性や柔軟化の効果が得られず、30質量部を超える場合、可塑剤が発泡成形体の表面にブリードアウトし、外観を損なうばかりか、発泡成形品としての特性を損なう傾向にある。
本発明の熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて架橋剤を含有してもよい。架橋剤としては、熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)が持つ水酸基やカルボキシル基と反応する架橋剤であれば特に限定されず、例えば、エポキシ系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、酸無水物系架橋剤、シラノール系架橋剤、メラミン樹脂系架橋剤、金属塩系架橋剤、金属キレート系架橋剤、及びアミノ樹脂系架橋剤などが挙げられる。なお、架橋剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、本発明の熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物は、増粘剤(B)や可塑剤(C)以外にも、目的に応じて種々の添加剤を含有してもよい。添加剤の種類は特に限定されず、発泡成形に通常使用される各種添加剤を用いることができる。添加剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、硫黄系、燐系、及びアミン系などの酸化防止剤、ヒンダードアミン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、トリアゾール系、ニッケル系、及びサリチル系などの光安定剤、滑剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、離型剤、帯電防止剤、過酸化物などの分子調整剤、金属不活性剤、有機および無機系の核剤、中和剤、制酸剤、防菌剤、蛍光増白剤、有機および無機系の顔料、難燃性付与や熱安定性付与の目的で使用される有機および無機系の燐化合物などが挙げられる。添加剤の添加量は、気泡の形成等を損なわない範囲で適宜選択することができ、通常の熱可塑性樹脂の成形に用いられる添加量を採用することができる。
本発明の熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物は、当該組成物の融点+10℃の温度で測定した時の溶融張力が、50~200mNであることが好ましい。溶融張力がこの範囲であることにより、熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物を発泡成形する際に、均一かつ所定サイズの発泡セルが形成され、さらに、発泡セルの構造を維持したまま、気泡壁の破壊が生じるため、発泡セルの表面に貫通孔が形成されること、つまり連続発泡セルの形成が容易になる。このような連続発泡構造により、後述する適切なヒステリシスロス荷重による心地良いクッション性と、高い反発弾性による底つき感のない好適なクッション性を有する発泡成形体を提供することが可能となる。前記観点から、溶融張力は、80~180mNであることが好ましく、より好ましくは100~150mNである。なお、溶融張力が50mNより低いと均一な発泡セルを形成することが出来ず、発泡体としての性能がばらつく傾向にあり、200mNよりも高いと発泡セルの気泡壁の破壊が生じにくくなり、反発弾性率が高くなり過ぎるため、ヒステリシスロス荷重が小さくなり、クッションとしての柔軟性に劣る傾向にある。
本発明の熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物は、230℃におけるメルトフローレート(MFR)が10~50g/10minであることが好ましい。メルトフローレートがこの範囲であることにより、発泡成形における流動性を確保し、均一な発泡状態となる。前記観点から、メルトフローレートは、より好ましくは12~40g/10minであり、さらに好ましくは14~30g/10minである。なお、メルトフローレートが10g/10min未満の場合には流動性が劣るため、薄肉成形が困難となり、50g/10minを超える場合には発泡成形時に、発泡剤が分離するため、ボイドが生じる傾向にある。
[熱可塑性ポリエステルエラストマー発泡成形体]
本発明の熱可塑性ポリエステルエラストマー発泡成形体(以下、「発泡成形体」ともいう。)は、前記熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物を用いて得られるものである。本発明の発泡成形体は、表層に存在する非発泡スキン層と内層に存在する発泡層を備えている。前記発泡層は、均一で微細な発泡セルを有する構造体である。前記発泡セルは、表面に貫通孔を少なくとも1つ有している。
本発明の発泡成形体は、通常、発泡層の両面に非発泡スキン層を有するサンドイッチ構造(換言すれば、発泡層が両面から非発泡スキン層で挟まれた構造)を持つ。発泡成形体のサイズは特に制限されないが、サンドイッチ構造の厚みは、1~30mm程度である。
発泡層は、エラストマー連続相と発泡セルから構成される。エラストマー連続相とは、硬化した熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物で形成される、空洞をもたない部分を意味する。発泡セルは、均一でばらつきがない限り、セル径によって特性が異なる。高反発弾性を発現させるには、セル径が小さい方が有利であり、具体的には、平均セル径は10~500μmであることが好ましい。平均セル径が10μm未満である場合、発泡成形体の内圧が低くなり、非発泡スキン層形成時の圧力が不足し、ヒケ等により外観が悪くなる傾向にある。一方、平均セル径が500μmを超える場合、耐荷重性が低く、反発弾性率が低くなる傾向にある。また、セル径が小さくても密度が高ければ反発弾性に劣るため、後述する密度0.01~0.35g/cmである発泡成形体で高反発弾性を発現しようとすると、平均セル径はより好ましくは100~400μmであり、さらに好ましくは200~400μmである。非発泡スキン層に成形体内部より適当な圧力を与えることにより、平均セル径が前記範囲である発泡成形体を得ることができる。
前記発泡セルの表面に存在する貫通孔の平均直径が5~200μmである場合、発泡成形体は心地良いクッション性を有する。クッション性の指標としては、例えば、発泡成形体を圧縮した際のヒステリシスロス荷重を用いることができる。ヒステリシスロス荷重が4~10Nである発泡成形体は、特に心地良いクッション性を有する。貫通孔の平均直径が200μmを超える場合は、発泡成形体を圧縮した際のヒステリシスロス荷重が大きくなりすぎるため、へたりやすい傾向にある。一方、貫通孔の平均直径が5μm未満の場合は、発泡成形体を圧縮した際のヒステリシスロス荷重が小さくなりすぎるため、反発力を感じやすく、柔軟性に劣る傾向にある。貫通孔の平均直径は、好ましくは20~150μmであり、より好ましくは50~120μmであり、さらに好ましくは80~100μmである。
ここで、前記発泡セルの平均断面積(Sa)と、前記発泡セルの断面における平均総貫通孔面積(Sb)との比(Sb/Sa)は、発泡セルの表面積に対する貫通孔の総面積の割合を示す指標となる。なお、平均総貫通孔面積(Sb)は、貫通孔の平均面積と前記発泡セルの断面に見られる貫通孔の平均個数との積で表される。Sb/Saが大きい場合は、発泡セルの表面積に対する貫通孔の総面積の割合(以下、「貫通孔率」ともいう。)が大きいことを示し、Sb/Saが小さい場合は、貫通孔率が小さいことを示す。貫通孔率が大きくなると、圧縮した際に発泡セル内圧が拡散するため、ヒステリシスロス荷重が大きくなり、貫通孔率が小さくなると、発泡セル内圧が加わりやすく、反発弾性率が向上するものと思われる。
本発明の発泡成形体において、Sb/Saは0.1~0.4であることが好ましい。それにより、適切なヒステリシスロス荷重と高い反発弾性率を両立することができ、優れた発泡成形体となる。Sb/Saが0.4よりも大きい場合は、高いヒステリシスロス荷重を得ることが出来るが、へたりが大きくなったり、反発弾性率が小さくなるため、高荷重を加えた際に底つき感が発生したり、発泡成形体を薄肉化した際に底つき感が発生するおそれがある。一方、Sb/Saが0.1未満の場合は、高い反発弾性率を得ることが出来るが、ヒステリシスロス荷重が小さくなるため、クッションとしての柔軟性が得られない。Sb/Saは、より好ましくは0.1~0.3であり、さらに好ましくは0.1~0.2である。
非発泡スキン層は、発泡層に積層されている。非発泡スキン層の厚みは100~800μmであることが好ましい。非発泡スキン層の厚みが100μm未満である場合には、良好な外観が得られない傾向があり、一方、800μmを超えると、発泡層の比重が低くなりすぎるため、後述する密度0.01~0.35g/cmである発泡成形体を均一なセル構造で得られない傾向がある。非発泡スキン層の厚みは、より好ましくは200~600μmであり、さらに好ましくは300~400μmである。
本発明の発泡成形体を圧縮した際のヒステリシスロス荷重は、4~10Nであることが好ましい。ヒステリシスロス荷重が4N未満の場合は、反発力が強すぎるため、クッションとしての柔軟性が得られにくい傾向があり、一方、10Nを超える場合は、発泡成形体がへたりやすくなる傾向がある。ヒステリシスロス荷重は、より好ましくは4~9Nであり、さらに好ましくは4~8Nであり、よりさらに好ましくは4~7Nであり、特に好ましくは4~6Nである。
本発明の発泡成形体の反発弾性率は、40~70%であることが好ましい。反発弾性率が40%未満の場合は、発泡成形体に高荷重を加えた際に底つき感が発生したり、発泡成形体を薄肉化した際に底つき感が発生するおそれがあり、一方、70%を越える場合は、反発力が強すぎるために、クッションとしての柔軟性が得られにくい。発泡成形体の反発弾性率は、より好ましくは45~65%であり、さらに好ましくは50~65%であり、特に好ましくは55~65%である。
本発明の発泡成形体の密度は、0.01~0.35g/cmであることが好ましい。一般的なポリエステルエラストマーの密度は1.0~1.4g/cm程度であるから、本発明の発泡成形体は十分に軽量化されていると言える。発泡成形体の密度が0.01g/cm未満であると、十分な強度が得られず、機械的特性に劣る傾向にあり、0.35g/cmを超えると、十分な柔軟性が得られず、反発弾性に劣る傾向にある。優れた強度と高反発弾性率を両立させるために、発泡成形体の密度は、より好ましくは0.01~0.25g/cmであり、さらに好ましくは0.1~0.25g/cmであり、特に好ましくは0.2~0.25g/cmである。
本発明の発泡成形体の硬度は、10~30Cであることが好ましい。発泡成形体の硬度が10C未満の場合は、発泡成形体に高荷重を加えた際に底つき感が発生したり、発泡成形体を薄肉化した際に底つき感が発生するおそれがあり、一方、30Cを越える場合は、クッションとしての柔軟性が得られにくい。発泡成形体の硬度は、より好ましくは15~25Cであり、さらに好ましくは20~25Cであり、特に好ましくは20~23Cである。
本発明の発泡成形体の製造方法は特に限定されないが、熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物に高圧ガスを含浸させた後、減圧する(圧力を解放する)発泡方法が好ましい。なかでも、成形サイクル性やコストに優れ、均質な発泡成形体が得られる製造方法として、発泡剤と熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物を溶融混合して射出成形する際に、キャビティの容積を拡張させて発泡成形体を得る方法が好ましい。具体的には、図1に示すように、型締めされた複数の金型1、2で形成されるキャビティ3内に、溶融状態の熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物を化学発泡剤および/または超臨界状態の不活性ガス(以下、まとめて「発泡剤」と称することもある。)とともに射出、充填し、表層に厚み100~800μmの非発泡スキン層が形成された段階で少なくとも一つの金型2を型開き方向へ移動してキャビティ3の容積を拡大させることにより、発泡成形体を得る方法である。詳しくは、熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物と発泡剤とをキャビティ3内に充填後、所定の温度で冷却することにより、キャビティ3内に充填された熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物の表層に非発泡スキン層が形成される。この非発泡スキン層が所定の厚み(例えば、100~800μm)になった段階で、金型2を型開き方向へ移動してキャビティ3の容積を拡大させる。なお、熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物と発泡剤は、キャビティ3内に充填する前に、射出成形機4の可塑化領域4aで混合しておくことができる。上記のように発泡成形をする際に、発泡剤の添加量、成形温度、冷却時間、組成物が充填されてからコアバックするまでの時間(コアバック遅延時間)、及びコアバックし始めから完了までの時間(コアバック移行時間)を材料に応じて適宜調整することで、目的の非発泡スキン層、発泡セルサイズ、及びセル表面の貫通孔を有する発泡成形体を得ることが出来る。発泡剤の添加量が少ない場合には、溶融時の加圧状態から射出成形時の減圧過程において、減圧効果が少なく、発泡セルが拡大し易い傾向にある。一方、発泡剤の添加量が多い場合には、発泡セルの内圧が高くなるため、気泡壁が破壊されやすい傾向にあるが、エラストマーの溶融張力が低い場合、粗大発泡セルが発生したり、均一な発泡セルが形成されにくい。
前記化学発泡剤は、発泡核となるガス成分であり、もしくはその発生源として成形機の溶融ゾーンで溶融している組成物に添加するものである。化学発泡剤としては、例えば、炭酸アンモニウム、及び重炭素酸ソーダ等の無機化合物;アゾ化合物、スルホヒドラジド化合物、ニトロソ化合物、及びアジド化合物等の有機化合物が使用できる。上記アゾ化合物としては、ジアゾカルボンアミド(ADCA)、2,2-アゾイソブチロニトリル、アゾヘキサヒドロベンゾニトリル、及びジアゾアミノベンゼン等が例示でき、これらの中で、ADCAが好ましく用いられる。上記スルホヒドラジド化合物としては、ベンゼンスルホヒドラジド、ベンゼン1,3-ジスルホヒドラジド、ジフェニルスルホン-3,3-ジスルホヒドラジド、及びジフェニルオキシド-4,4-ジスルホヒドラジド等が例示できる。上記ニトロソ化合物としては、N,N-ジニトロソペンタエチレンテトラミン(DNPT)等が例示できる。上記アジド化合物としては、テレフタルアジド、及びP-第三ブチルベンズアジド等が例示できる。
発泡剤として化学発泡剤を用いる場合、化学発泡剤は、熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物に均一に分散させるために、当該化学発泡剤の分解温度よりも融点が低い熱可塑性樹脂をベース材とした発泡剤マスターバッチとして使用することもできる。ベース材となる熱可塑性樹脂は、化学発泡剤の分解温度より低い融点であれば特に制限なく、例えば、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が挙げられる。この場合、化学発泡剤と熱可塑性樹脂の配合比率は、熱可塑性樹脂100質量部に対して化学発泡剤が10~100質量部であるのが好ましい。化学発泡剤が10質量部未満の場合は、熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物に対するするマスターバッチの量が多くなりすぎて、発泡成形体の物性低下が起こる可能性がある。化学発泡剤が100質量部を超えると、化学発泡剤の分散性の問題によりマスターバッチ化が困難になる。
発泡剤として超臨界状態の不活性ガスを用いる場合、不活性ガスとしては、二酸化炭素および/または窒素が使用可能である。発泡剤として超臨界状態の窒素を使用する場合、窒素の添加量は、熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物100質量部に対して0.4~1.0質量部であることが好ましく、より好ましくは0.4~0.8質量部であり、さらに好ましくは0.5~0.7質量部である。上記条件にて発泡成形することで、適切なヒステリシスロス荷重と高い反発弾性率を両立する発泡成形体を得ることが出来る。
なお、発泡剤として用いられる超臨界状態の二酸化炭素または窒素は単独で使用できるが、二酸化炭素と窒素を混合して使用してもよい。熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物に対して、窒素はより微細な発泡セルを形成するのに適している傾向があり、二酸化炭素はガスの注入量をより多くすることができるため、より高い発泡倍率を得るのに適している。二酸化炭素と窒素の混合比率は、モル比で1:9~9:1の範囲であることが好ましい。
本発明で使用する発泡剤としては、均一な発泡セルを形成し、かつ発泡セルの表面に貫通孔を形成するという観点から、超臨界状態の窒素がより好ましい。
溶融状態の熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物を発泡剤とともにキャビティ3内に射出するには、射出成形機4の可塑化領域4a内で溶融状態の熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物と発泡剤とを混合すればよい。発泡剤として超臨界状態の二酸化炭素および/または窒素を用いる場合には、例えば、図1に示すように、ガスボンベ5から気体状態の二酸化炭素および/または窒素を直接あるいは昇圧ポンプ6で加圧して射出成形機4内に注入する方法等が採用できる。二酸化炭素および/または窒素は、溶融状態の熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物中への溶解性、浸透性、及び拡散性の観点から、射出成形機の内部で超臨界状態となっている必要がある。
ここで、超臨界状態とは、気相と液相とを生じている物質の温度および圧力を上昇させる際に、ある温度域および圧力域で前記気相と液相との区別をなくし得る状態のことをいい、この時の温度、圧力を臨界温度、臨界圧力という。すなわち、超臨界状態において、物質は気体と液体の両方の特性を併せ持つので、この状態で生じる流体を臨界流体という。このような臨界流体は、気体に比べて密度が高く、液体に比べて粘性が小さいため、物質中をきわめて拡散しやすいという特性を有する。
本発明の効果を実証するために以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例、比較例においては下記の原料を用いた。
[熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)]
(ポリエステルエラストマーA-1)
特開平9-59491号公報に記載の方法に準じて、ジメチルテレフタレート、1,4-ブタンジオール、及び数平均分子量2000のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを原料として、ソフトセグメント含有量が78質量%のポリエステルエラストマーA-1を製造した。
(ポリエステルエラストマーA-2)
特開平9-59491号公報に記載の方法に準じて、ジメチルテレフタレート、1,4-ブタンジオール、及び数平均分子量2000のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを原料として、ソフトセグメント含有量が72質量%のポリエステルエラストマーA-2を製造した。
(ポリエステルエラストマーA―3)
特開平9-59491号公報に記載の方法に準じて、ジメチルテレフタレート、1,4-ブタンジオール、及び数平均分子量1000のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを原料として、ソフトセグメント含有量が59質量%のポリエステルエラストマーA-3を製造した。
[増粘剤(B)]
(スチレン系共重合体B-1)
オイルジャケットを備えた容量1リットルの加圧式撹拌槽型反応器のオイルジャケット温度を、200℃に保った。一方、スチレン(St)89質量部、グリシジルメタクリレート(GMA)11質量部、キシレン(Xy)15質量部、及び重合開始剤としてジターシャリーブチルパーオキサイド(DTBP)0.5質量部を含む単量体混合液を原料タンクに仕込んだ。単量体混合液を一定の供給速度(48g/分、滞留時間:12分)で原料タンクから反応器に連続供給し、反応器の内容液質量が約580gで一定になるように反応液を反応器の出口から連続的に抜き出した。その時、反応器内温を約210℃に保った。反応器内部の温度が安定してから36分経過後から、抜き出した反応液を減圧度30kPa、温度250℃に保った薄膜蒸発機に導き、連続的に揮発成分を除去して、スチレン系共重合体B-1を得た。得られたスチレン系共重合体B-1は、GPC分析(装置:HLC-8320GPC(東ソー社製)、測定条件:クロロホルム溶媒、RI検出器、ポリスチレン換算値)によると、重量平均分子量8500、数平均分子量3300であった。また、下記の測定方法によれば、スチレン系共重合体B-1は、エポキシ価670当量/1×10g、エポキシ価数(1分子当りの平均エポキシ基の数)2.2であり、グリシジル基を1分子中に2つ以上有するものである。
(スチレン系共重合体B―2)
スチレン77質量部、グリシジルメタクリレート23質量部、キシレン15質量部、ジターシャリーブチルパーオキサイド0.3質量部を含む単量体混合液を用いた以外は、上記と同様の方法でスチレン系共重合体B―2を得た。得られたスチレン系共重合体B―2は、GPC分析(装置:HLC-8320GPC(東ソー社製)、測定条件:クロロホルム溶媒、RI検出器、ポリスチレン換算値)によると重量平均分子量9700、数平均分子量3300であった。また、下記の測定方法によれば、スチレン系共重合体B-2は、エポキシ価1400当量/1×10g、エポキシ価数(1分子当りの平均エポキシ基の数)4.6であり、グリシジル基を1分子中に2つ以上有するものである。
(ポリカルボジイミドB-3)
市販のポリカルボジイミド(日清紡社製、「LA-1」)を用意した。
(エポキシ化合物B-4)
市販のエポキシ化合物(日産化学社製、「TEPIC-S」)を用意した。
[エポキシ価の測定方法]
100mlのエチレンマイヤーフラスコにサンプルを秤量し、10~15mlのメチレンクロライドを加えて、マグネチックスターラーにて撹拌溶解した。10mlのテトラエチレンアンモニウムブロマイド試薬を加え、さらに6~8滴のクリスタルバイオレット指示薬を加え、0.1規定パークロリック酸で中和した。終点は、青から緑に変色して2分間安定な点とした。滴定に要したパークロリック酸の量(ml)をA、サンプル質量をW(g)、パーロリック酸試薬の規定度をNとして、下記式に基づきエポキシ価を算出した。
エポキシ価(当量/1×10g)=(N×A×1000)/W
[可塑剤(C)]
C-1:トリメリット酸エステル系可塑剤(アデカサイザーC-8、ADEKA社製)
C-2:ピロメリット酸エステル系可塑剤(アデカサイザーUL-100、ADEKA社製)
[その他の添加剤]
離型剤:リコルブWE40(クラリアント社製)
ヒンダードフェノール系酸化防止剤:Irganox1010(BASF社製)
リン系酸化防止剤:アデカスタブPEP36(ADEKA社製)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:チヌビン234(BASF社製)
ヒンダードアミン系光安定剤:キマソーブ944FD(BASF社製)
[熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物]
表1に記載の原料を表1に記載の配合で配合し、シリンダー温度200℃、滞留時間90秒にて溶融混練した後、ペレット化して熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物1~13を得た。
[溶融張力]
作製した熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物1~13の溶融張力は、株式会社東洋精機製作所製の「キャピログラフ1D」を使用して測定した。具体的には、直径1mm、長さ10mmのキャピラリーより、10mm/minの一定速度で押し出された前記組成物を引き取り速度0~200m/minまで増速率1minで引き取り、破断した際の最大張力を測定した。なお、測定温度は、前記組成物の融点+10℃にて実施した。
[MFR]
作製した熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物1~13のMFR(メルトフローレート)は、ASTM D1238に記載されている測定法に準じて、荷重2,160g、測定温度230℃にて測定した。
[融点]
作製した熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物1~13の融点は、セイコー電子工業株式会社製の示差走査熱量分析計「DSC220型」を使用して測定した。具体的には、測定試料5mgをアルミパンに入れ、蓋を押さえて密封し、窒素中にて250℃で2分間溶融した後、降温速度20℃/分で50℃まで降温し、さらに50℃から250℃まで20℃/分で昇温し、サーモグラム曲線を測定した。得られたサーモグラム曲線から、融解による吸熱ピークを求め、これを融点とした。
[実施例1~9、比較例1~4]
作製した熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物1~13を用いて上述した金型拡張法にて発泡成形体を作製した。金型としては、型締めすると幅100mm、長さ100mm、厚み1.5mmのキャビティを形成することができ、型開き方向へコアバックさせると同幅、同長さで厚みが1.5mm+コアバック量(mm)であるキャビティを形成することができる固定用金型および稼働用金型からなる平板作製用金型を用いた。具体的には、金型の型締め力が1800kN、スクリュー径40mm、スクリューストローク180mmのスクリューを持つ電動射出成形機の可塑化領域に、原料と超臨界状態の窒素を0.6質量部注入し、シリンダー温度230℃、表面温度50℃に温調された金型に射出充填後、射出外圧と内部からの発泡圧力によって100~800μmの非発泡スキン層が形成された段階で、稼働用金型を型開き方向へ、コアバック量6.5mm移動させて、キャビティの容積を拡大させて、発泡成形体を作製した。
作製した発泡成形体について、下記の評価を行った。結果を表1に示す。
[ヒステリシスロス荷重]
長さ100mm、幅100mmの発泡成形体(上記で得られた発泡成形体)の中央をφ20mmの加圧板により、23℃下、1mm/分の圧縮速度にて30Nの荷重を加えた後に、同じ速度で加圧板を戻し、力-たわみ曲線を作図した。たわみ時における荷重を加える際にかかる荷重と、荷重を取り除く際にかかる荷重との差のうち、最大値をヒステリシスロス荷重とした。
[反発弾性率]
JIS K 6400に記載されている方法にて測定を実施した。手動計測試験機を用い、規定高さから試験片に鋼球を落下させ、跳ね返った最大高さを読み取った。1分間以内に3回の測定を行い、その中央値を求め、反発弾性率を算出した。
[硬度]
長さ100mm、幅100mmの発泡成形体(上記で得られた発泡成形体)の中央をJIS K 7312:1996に準拠し、C型硬度計(高分子計器(株)、アスカーゴム硬度計C型)を用いて測定した。
[密度(見かけ密度)]
発泡成形体の寸法をノギスで測定し、その質量を電子天秤にて測定し、次式により算出した。
密度(g/cm)=試験片の質量/試験片の体積
[発泡セルの平均セル径及び平均断面積(Sa)、貫通孔の平均個数、平均直径、及び平均面積、発泡セルの断面における平均総貫通孔面積(Sb)]
発泡成形体の発泡層の断面を日立ハイテクノロジーズ製の走査電子顕微鏡SU1510で撮影した。得られた発泡層の断面写真を画像処理し、発泡層の断面中央領域(厚み方向の中心部の領域)における任意の箇所において、100個の発泡セルの円相当径をノギスで測定し、その平均値を求めた。任意の3箇所において上記測定を行い、3箇所における各平均値をさらに平均した値を発泡セルの平均セル径とした。そして、得られた平均セル径から発泡セルの平均断面積(Sa)を求めた。
一方、上記で観察した発泡セル300個の断面に見られる全ての貫通孔の数をカウントし、発泡セル1つ当たりの断面に見られる貫通孔の平均個数を算出した。また、前記発泡セル300個の断面に見られる全ての貫通孔の円相当径をノギスで測定し、その平均値を貫通孔の平均直径とした。得られた平均直径から貫通孔の平均面積を求めた。そして、下記式により、発泡セルの断面における平均総貫通孔面積(Sb)を求めた。
平均総貫通孔面積(Sb)=(貫通孔の平均面積)×(発泡セルの断面に見られる貫通孔の平均個数)
[非発泡スキン層の厚み]
発泡成形体の断面を日立ハイテクノロジーズ製の走査電子顕微鏡SU1510で撮影した。得られた発泡成形体の断面写真を画像処理し、表層部にみられる一体化した非発泡層の厚みを測定し、得られた測定値を非発泡スキン層の厚みとした。
Figure 0007147285000001
表1から明らかなように、本発明の範囲内である実施例1~9はいずれも、軽量、柔軟性かつヒステリシスロス荷重に優れ、また高い反発弾性を示す。増粘剤(B)の含有量が少ない比較例1は、ヒステリシスロス荷重が大きすぎるため、へたりやすい。増粘剤(B)の含有量が多い比較例2は、溶融張力が高過ぎるため、コアバック量に対して厚みが追従しておらず、発泡成形体の密度が高く、ヒステリシスロス荷重が小さく、ゲルが発生している。可塑剤の含有量が少ない比較例3は、ヒステリシスロス荷重が小さいだけでなく、反発弾性率が高過ぎるためにクッション性に劣る。可塑剤の含有量が多い比較例4は、溶融張力が低過ぎるため発泡セルが不均一であり、ブリードアウトが発生し、ヒステリシスロス荷重が高過ぎる及び反発弾性率が低過ぎるため底付き感が発生し、クッションとしての性能を満足出来ない。
また、実施例2及び比較例3より得られた発泡成形体を切断し、断面を走査型電子顕微鏡により観察した。実施例2の発泡成形体(発泡層)の断面写真(40倍)を図2Aに示し、比較例3の発泡成形体(発泡層)の断面写真(40倍)を図2Bに示す。図2A及びBより、実施例2では、均一な発泡セルの表面に均一かつ多数の貫通孔が形成されているのに対し、比較例3では、発泡セルの表面に貫通孔がほとんどないことが分かる。
本発明の熱可塑性ポリエステルエラストマー発泡成形体は、軽量性に優れるのみならず、心地よいクッション性と優れた反発弾性率を有する。さらに、本発明の熱可塑性ポリエステルエラストマー発泡成形体は、高い発泡倍率にもかかわらず均一な発泡構造と、高い耐熱性、耐水性、成型安定性を持つため、高い信頼性が必要な部品、例えば、自動車部品、電気・電子部品、及びスポーツ部品などに好適に用いられる。
1 金型(固定用)
2 金型(稼働用)
3 キャビティ
4 射出成形機
4a 可塑化領域
5 ガスボンベ
6 昇圧ポンプ
7 圧力制御バルブ

Claims (9)

  1. 芳香族ジカルボン酸と脂肪族及び/又は脂環族ジオールとを構成成分とするポリエステルにより形成されたハードセグメントと、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル、及び脂肪族ポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種のソフトセグメントとが結合した熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)、増粘剤(B)、及び可塑剤(C)を含有する熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物であって、
    前記増粘剤(B)は、エポキシ基、グリシジル基、酸無水物基、カルボジイミド基、及びイソシアネート基から選ばれる少なくとも一種の官能基を、1分子あたり2つ以上有する反応性化合物であり、
    前記可塑剤(C)は、トリメリット酸エステル系可塑剤及び/又はピロメリット酸エステル系可塑剤であり、
    前記増粘剤(B)の含有量は、前記熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)100質量部に対して0.05~4.5質量部であり、
    前記可塑剤(C)の含有量は、前記熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)100質量部に対して0.1~30質量部である、熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物。
  2. 熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)のソフトセグメントの含有量が45~95質量%である請求項1に記載の熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物。
  3. 増粘剤(B)は、ビニル芳香族モノマー(X)20~99質量%、及びグリシジル(メタ)アクリレート(Y)1~80質量%を含むモノマー組成物から得られる、グリシジル基を1分子あたり2つ以上有する重量平均分子量4000~25000の共重合体である請求項1又は2に記載の熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物。
  4. 230℃におけるメルトフローレートが10~50g/10minである請求項1~3のいずれかに記載の熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物。
  5. 前記組成物の融点+10℃の温度で測定した時の溶融張力が50~200mNである請求項1~4のいずれかに記載の熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載の熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物から得られ、密度が0.01~0.35g/cmであり、ヒステリシスロス荷重が4~10Nであり、反発弾性率が40~70%であり、かつ硬度が10~30Cである、熱可塑性ポリエステルエラストマー発泡成形体。
  7. 前記発泡成形体は、発泡層の両面に、厚み100~800μmの非発泡スキン層を有するサンドイッチ構造を持ち、
    前記発泡層は、平均セル径が10~500μmの発泡セルを有しており、
    前記発泡セルは、平均直径が5~200μmの貫通孔を少なくとも1つ有しており、
    前記発泡セルの平均断面積(Sa)と、前記発泡セルの断面における平均総貫通孔面積(Sb)との比(Sb/Sa)が0.1~0.4である請求項6に記載の熱可塑性ポリエステルエラストマー発泡成形体。
  8. 型締めされた複数の金型で形成されるキャビティ内に、溶融状態の前記熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物を、化学発泡剤および/または超臨界状態の不活性ガスとともに射出、充填し、厚み100~800μmの非発泡スキン層が形成された段階で少なくとも一つの金型を型開き方向へ移動してキャビティの容積を拡大させることを特徴とする請求項6又は7に記載の熱可塑性ポリエステルエラストマー発泡成形体の製造方法。
  9. 前記不活性ガスが、窒素である請求項8に記載の熱可塑性ポリエステルエラストマー発泡成形体の製造方法。
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