JP3258677B2 - 1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.5〕デカン化合物の製造方法 - Google Patents

1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.5〕デカン化合物の製造方法

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JP3258677B2
JP3258677B2 JP19031491A JP19031491A JP3258677B2 JP 3258677 B2 JP3258677 B2 JP 3258677B2 JP 19031491 A JP19031491 A JP 19031491A JP 19031491 A JP19031491 A JP 19031491A JP 3258677 B2 JP3258677 B2 JP 3258677B2
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クラリアント・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D498/00Heterocyclic compounds containing in the condensed system at least one hetero ring having nitrogen and oxygen atoms as the only ring hetero atoms
    • C07D498/02Heterocyclic compounds containing in the condensed system at least one hetero ring having nitrogen and oxygen atoms as the only ring hetero atoms in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D498/10Spiro-condensed systems

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリマーの光安定化剤
としてまたはプラスチック添加剤の製造における中間体
として使用できる1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オ
キソスピロ〔4.5〕デカン化合物の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】式
【0003】
【化11】 の化合物は公知である(ドイツ特許第3,149,45
3号明細書を参照のこと)。
【0004】しかしながら、ドイツ特許第3,149,
453号明細書に記載の上記化合物の製造法は、反応媒
体を反応の際に数回代えなければならず、従って付加的
な抽出および蒸留を必要とするので、複雑である。
【0005】ドイツ特許第3,524,543号明細書
は、室温で液体の芳香族炭化水素中でそして塩基性触媒
に加えて、相間移動触媒を使用して合成を行う上記化合
物の改良された製造法を記載している。
【0006】ドイツ特許第3,524,543号明細書
に記載された相間移動触媒の添加により、より速やかで
かつより完全な転化となるということは真実であるが、
反応混合物を処理した際に相間移動触媒が排水に混入す
るので公害を引き起こしやすいという不都合な副次効果
がある。相間移動触媒の使用は、好都合の場合には−ポ
リエチレングリコールジアルキルエーテルを使用する場
合−、排水中の有機負荷物の増加、従って公害の増加を
意味する。ドイツ特許第3,524,543号明細書に
特に有効であるとして記載された第4アンモニウムまた
はホスホニウムハライドを相間移動触媒として使用する
場合、これは、排水中の有機負荷物を増加するだけでな
く、第4アンモニウムまたはホスホニウムハライドが殺
菌効果を有しておりそして生物学的処理プラント内で処
理できないので、排水を生物学的処理プラント内に導入
できなくする。従って、排水は、複雑な方法で特別の廃
棄処理しなければならない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、非常に短時間でかつ非常に高い収量で非常に低い環
境適用性およびそれにともなう複雑な廃棄処理という従
来技術の欠点を有していない冒頭に記載した化合物を提
供する方法を見出すことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、本発明に
よると溶剤として室温で液体の芳香族炭化水素および触
媒として式X
【0009】
【化12】 だけを、上記化合物を製造する際に使用することによっ
て達成される。
【0010】従って、本発明は、式I
【0011】
【化13】 〔式中、nは1ないし4の整数であり、Rは水素原
子、C〜C−アルキル基、ベンジル基、アリル基、
〜C −アルカノイル基、C〜C20−アルケ
ノイル基、C〜C11−アロイル基、C〜C14
アリールアルカノイル基またはC〜C20−アルキル
アリール基であり、Rは水素原子またはC〜C
アルキル基であり、Rは水素原子;C〜C18−ア
ルキル基;C〜C12−シクロアルキル基;塩素原子
またはC〜C−アルキル基で置換されてもよいフェ
ニル基またはナフチル基;または非置換またはC〜C
−アルキル基で置換されたC〜C12−フェニルア
ルキル基であり、Rは水素原子;C〜C−アルキ
ル基;C〜C12−シクロアルキル基;−COOH、
カルボ−C〜C−アルコキシ基またはカルバモイル
基で置換されたC〜C−アルケニル基;C〜C
−アルコキシ基またはC〜C−アルキル基で置換さ
れてもよいフェニル基、ナフチル基またはピリジル基;
あるいはC〜C−アルキル基で置換されてもよいC
〜C12−フェニルアルキル基であり、あるいはR
とRはこれらと結合している炭素原子と一緒になっ
て、1ないし4個のC〜C−アルキル基で置換され
てもよいシクロアルキル基または式II
【0012】
【化14】 (式中、RおよびRは上記の意義を有している)の
残基であり、Rは水素原予、メチル基、フェニル基ま
たはカルボ−C〜C21−アルコキシ 基であり、R
は水素原子またはメチル基でありRは、nが1であ
る場合、水素原子;C〜C21−アルキル基;C
−アルケニル基;C〜C18−フェニルアルキ
ル基;C〜C12−シクロアルキル基;フェニル基;
ナフチル基;C〜C18−アルキルフェニル基;式
【0013】
【化15】 (式中、RおよびRは上記の意義を有している)の
残基;−O−または
【0014】
【化16】 により遮断および/または式III
【0015】
【化17】 の残基によりあるいはC〜C21−アルキルカルボキ
シ基により置換されたC〜C22−アルキル基(式
中、R、R、R、R、RおよびRは上記の
意義を有しており、そしてRは水素原子またはC
10−アルキル基である)であり、Rは、nが2で
ある場合、直鎖または枝分かれ鎖状のC〜C30−ア
ルキレン基、C〜C30−アルケニレン基、フェニル
ジアルキレン基であり、かゝる残基は−O−または
【0016】
【化18】 により遮断されることも可能である(式中、Rは上記
の意義を有している)、Rは、nが3または4である
場合、式IV、V、VIまたはVII
【0017】
【化19】 の残基である〕 の1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ
〔4.5〕デカン化合物を、式VIII
【0018】
【化20】 の化合物を式IX
【0019】
【化21】 の化合物(式中、n、R、R、R、R、R
およびRは上記の意義を有している)と、不活性
溶剤中で30〜150℃の温度で触媒の存在下に反応さ
せることにより製造する方法であって、反応を、式VI
IIに対して1ないし10モル%の式(X)
【0020】
【化22】 (式中、R、R、RおよびRは上記の意義を有
しており、そしてMはアルカリ金属である)の触媒の存
在下に、室温で液体の芳香族炭化水素中で行うことから
なる方法に関する。
【0021】Rは、水素原子、C〜C−アルキル
基、C〜C18−アルカノイル基であることが好まし
く、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ラウロ
イル基、ステアロイル基、特に好ましくは水素原子また
は上記の酸残基のうちの一つである。Rは、特に水素
原子である。
【0022】Rは、水素原子またはC〜C−アル
キル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基または
ブチル基であることが好ましい。Rは、特に水素原子
である。
【0023】RおよびRは、互いに別個に、C
18−アルキル基、C〜C12−シクロアルキル基
またはフェニル基であり、例えばエチル基、ブチル基、
オクチル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシ
ル基、シクロデシル基、特に好ましくはC〜C−ア
ルキル基である。RおよびRは、特にC〜C
アルキル基、例えばメチル基である。
【0024】RとRは、これらと結合している炭素
原子と一緒になって、好ましくは、C〜C12−シク
ロアルキレン基、特に好ましくはC−またはC12
シクロアルキレン基、特にシクロドデシレン基である。
【0025】Rは、水素原子、メチル基またはフェニ
ル基であることが好ましく、特に好ましくは水素原子で
ある。
【0026】Rは、水素原子またはメチル基であるこ
とが好ましい。Rは、特に水素原子である。
【0027】Rは、C〜C21−アルキル基、直鎖
または枝分かれ鎖状のC〜C30−アルキレン基であ
ることが好ましく、例えばメチル基、エチル基、ブチル
基、オクチル基、ラウリル基、ステアリル基、エチレン
基、ブチレン基、ヘキシレン基、特に好ましくはC
15−アルキル基である。Rは、特にC12〜C
14−アルキル基、例えばラウリル基である。
【0028】式VIIIおよびIXの出発化合物は、公
知であり、そしてこれらの製造法は、文献に記載されて
いる(例えば、ドイツ特許第3,149,453号明細
書およびドイツ特許第2,606,026号明細書を参
照のこと)。
【0029】式VIIIの好適な化合物の例として、 2−ブチル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキ
サ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.5〕デカ
ン 2−イソブチル−7,7,9,9−テトラメチル−1−
オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.5〕
デカン 2−ペンチル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オ
キサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.5〕デ
カン 2−イソペンチル−7,7,9,9−テトラメチル−1
−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.
5〕デカン 2−ヘキシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オ
キサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.5〕デ
カン 2−ヘプチル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オ
キサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.5〕デ
カン 2−イソヘプチル−7,7,9,9−テトラメチル−1
−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.
5〕デカン 2−ノニル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキ
サ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.5〕デカ
ン 2−イソノニル−7,7,9,9−テトラメチル−1−
オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.5〕
デカン 2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−
オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.5〕
デカン 2−フェニル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オ
キサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.5〕デ
カン 2−(4−クロロフェニル)−7,7,9,9−テトラ
メチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピ
ロ〔4.5〕デカン 2−エチル−2,7,7,9,9−ペンタメチル−1−
オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.5〕
デカン 2−プロピル−2,7,7,9,9−ペンタメチル−1
−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.
5〕デカン 2−イソプロピル−2,7,7,9,9−ペンタメチル
−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ
〔4.5〕デカン 2−ブチル−2,7,7,9,9−ペンタメチル−1−
オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.5〕
デカン 2−イソブチル−2,7,7,9,9−ペンタメチル−
1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.
5〕デカン 2−ペンチル−2,7,7,9,9−ペンタメチル−1
−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.
5〕デカン 2−ヘキシル−2,7,7,9,9−ペンタメチル−1
−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.
5〕デカン 2−ノニル−2,7,7,9,9−ペンタメチル−1−
オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.5〕
デカン 2,2,7,7,9,9−ヘキサメチル−1−オキサ−
3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.5〕デカン 2,2,7,7,8,9,9−ヘプタメチル−1−オキ
サ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.5〕デカ
ン 2,2−ジエチル−7,7,9,9−テトラメチル−1
−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.
5〕デカン 2,2−ジプロピル−7,7,9,9−テトラメチル−
1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.
5〕デカン 2,2−ジブチル−7,7,9,9−テトラメチル−1
−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.
5〕デカン 2−エチル−2−ペンチル−7,7,9,9−テトラメ
チル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ
〔4.5〕デカン 2,2−ジベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−
1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.
5〕デカン 2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,13
−ジアザ−14−オキソジスピロ〔5.1.4.2〕テ
トラデカン 2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,14
−ジアザ−15−オキソジスピロ〔5.1.5.2〕ペ
ンタデカン 2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20
−ジアザ−21−オキソジスピロ〔5.1.11.2〕
ヘンエイコサン 2,2,7,7,9,9−ヘキサメチル−1−オキサ−
3,8−ジアザ−4−オキソ−8−アセチルスピロ
〔4.5〕デカン 2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,14
−ジアザ−15−オキソ−3−アセチルージスピロ
〔5.1.5.2〕ペンタデカン 2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20
−ジアザ−21−オキソ−3−アセチル−ジスピロ
〔5.1.11.2〕ヘンエイコサンが挙げられる。
【0030】好適な式IXの化合物の例として、 メチル アクリレート エチル アクリレート n−ブチル アクリレート イソブチル アクリレート tert−ブチル アクリレート 2−エチルヘキシル アクリレート オクチル アクリレート ラウリル アクリレート ミリスチル アクリレート 2−ジエチルアミノエチル アクリレート メチル メタクリレート エチル メタクリレート n−ブチル メタクリレート イソブチル メタクリレート tert−ブチル メタクリレート ラウリル メタクリレート シクロヘキシル メタクリレート アリル メタクリレート 2−エトキシエチル メタクリレート 2−ジメチルアミノエチル メタクリレート メチル クロトネート エチル クロトネート 1,4−ブタンジオール ジアクリレート 1,6−ヘキサンジオール ジアクリレート 2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパン
ジオール トリアクリレート ジエチレングリコール ジアクリレート ペンタエリスリトール トリアクリレート ペンタエリスリトール テトラアクリレート エチレングリコール ジメタクリレート 1,4−ブタンジオール ジメタクリレート 1,6−ヘキサンジオール ジメタクリレート ジエチレングリコール ジメタクリレート トリエチレングリコール ジメタクリレート トリプロピレングリコール ジアクリレート トリメチロールプロパン トリメタクリレート 2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−(4) ア
クリレート 2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−(4) ク
ロトネート 2,2,6,6−テトラメチルピペリジル−(4) メ
タクリレート が挙げられる。
【0031】VIIIの化合物のうち2,2,4,4−
テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−21−
オキソジスピロ〔5.1.11.2〕ヘンエイコサンが
特に好ましく、そして式IXの化合物のうちラウリルア
クリレートが特に好ましい。
【0032】室温で液体である芳香族炭化水素、例えば
トルエン、キシレンまたはメシチレンを、本発明による
方法の溶剤として使用する。キシレン類(o−、m−お
よびp−)およびトルエン、特にo−キシレンが好まし
い。また、これらの芳香族炭化水素類の混合物も使用で
きる。
【0033】式Xの触媒を、式VIIIの化合物に対し
て1ないし10モル%の量で、好ましくは1ないし5モ
ル%の量で、特に好ましくは2ないし4モル%の量で使
用する。式Xの触媒は、化合物VIIIのアルカリ金属
塩、好ましくはそのリチウム塩、ナトリウム塩またはカ
リウム塩、特にナトリウム塩である。
【0034】この触媒は、公知の方法で化合物VIII
を不活性溶剤、好ましくはトルエンまたはキシレンの存
在下にアルカリ金属と反応させることによって製造され
る。触媒は、溶剤を分離した後に、単離固形分として
か、あるいは溶剤を分離することなしに懸濁液または溶
液の形態で使用できる。
【0035】「その場で製造した」触媒を使用するのが
特に有利である。この目的のために、アルカリ金属を、
溶剤および式VIIIの化合物だけからなる反応混合物
に、化合物VIIIに対して1ないし10モル%の量で
添加し、そして化合物VIIIを反応させると、式Xに
従う触媒が得られる。アルカリ金属が完全に反応した後
にだけ、式IXの化合物を第2の反応成分として添加す
る。添加されたアルカリ金属と最初に導入された化合物
VIIIとの完全な反応は、式Iの所望とされる反応生
成物の高い収量のためにこの場合非常に重要である。ア
ルカリ金属の完全な転化は、還流温度で、バッチサイズ
に依存する(実施例7および8を参照のこと)一定量の
時間、溶剤、化合物VIIIおよびアルカリ金属からな
る混合物を加熱することによって確実にするのが有利で
ある。次いで、この混合物を、実際の反応温度にまで冷
却し、そして式IXの化合物を添加する。
【0036】従って、収率の損失なしにそして従来技術
と比較してより長い反応時間を用いることなく、本発明
による方法で反応混合物の処理における不利益を有する
補助触媒(相間移動触媒)を排除することが可能であ
る。
【0037】化合物IXは、1モルの化合物VIIIに
対して1/nないし10/nモル、好ましくは1/nな
いし3/nモル、特に1/nないし1.5/nモルの量
で使用される。ここで、nは上記の意義を有する。
【0038】反応温度は、30ないし150℃、好まし
くは50ないし120℃、特に70ないし120℃であ
る。
【0039】本発明に従って製造された式(I)の化合
物は、特に、例えばポリオレフィン類、特にポリエチレ
ンおよびポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリ
マー類、ポリブチレン、およびポリスチレン、塩素化ポ
リエチレン、およびポリビニルクロライド、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート類、
ポリフェニレンオキサイド類、ポリアミド類、ポリウレ
タン類、ポリプロピレンオキサイド、ポリアセタール
類、フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹
脂、ポリアクリロニトリルおよび相当するコポリマー類
並びにABSターポリマー類等の光安定化剤として使用
される。本発明により製造された化合物は、ポリプロピ
レン、低分子量および高分子量ポリエチレン、エチレン
/プロピレンコポリマー類、ポリビニルクロライド、ポ
リエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリロ
ニトリル、ABS、アクリル酸エステルとスチレン及び
アクリロニトリルとのターポリマー、スチレンとアクリ
ロニトリルとのコポリマーまたはスチレンとブタジエン
とのコポリマーの安定化に、特にポリプロピレン、ポリ
エチレン、エチレン/プロピレンコポリマー類またはA
BSの安定化に使用するのが好ましい。
【0040】また、本発明に従って製造された化合物
は、天然の物質、例えばゴムを安定化するのにも、そし
て潤滑油、塗料等を安定するのにも使用できる。
【0041】好適な塗料は、工業的塗装に使用されるあ
らゆる種類のもの、好ましくは例えばドイツ特許第3,
149,453号明細書に列挙されているような焼付け
エナメルである。
【0042】本発明に従って製造された化合物は、それ
自体公知の方法によって保護するべき材料に導入される
が、これらの安定化剤をモノマーまたはプレポリマーあ
るいは予備縮合生成物に導入することも可能である。
【0043】式(I)の化合物とは別に、更に安定化剤
をプラスチックに添加してもよい。この種の別の化合物
として、例えば立体障害フェノールを基材とする抗酸化
剤、または含硫黄−または含燐−補助安定化剤あるいは
適当に立体障害されたフェノールと含硫黄−及び/また
は含燐−化合物との混合物が挙げられる。この種の化合
物の例として、2−ベンゾフラノンおよび/または2−
インドリノン化合物、立体障害フェノール類、例えばス
テアリル β−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブ
チルフェニル)プロピオネート、テトラキス〔メチレン
−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオノイル〕メタン、1,3,3−トリ
ス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェ
ニル)ブタン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−
3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,
3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5
H)トリオン、ビス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ
−2,6−ジメチルベンジル)ジチオールテレフタレー
ト、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)イソシアヌレート、β−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸と1,
3,4−トリス(2−ヒドロキシエチル)−1,3,5
−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリ
オンのトリエステル、グリコール ビス〔3,3−ビス
(4’−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブタノ
エート〕、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリ
ス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−
6−t−ブチルフェニル)テレフタレート、4,4−メ
チレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、
4,4’−ブチリデンビス(t−ブチル−メタ−クレゾ
ール)、4,4’−チオビス(2−t−ブチル−5−メ
チルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチ
ル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。抗酸
化剤として作用する補助安定化剤、例えば含硫黄化合
物、例えばジステアリル チオジプロピオネート、ジラ
ウリル チオジプロピオネート、テトラキス(メチレン
−3−ヘキシルチオプロピオノイル)メタン、テトラキ
ス(メチレン−3−ドデシルチオプロピオノイル)メタ
ンおよびジオタタデシルジスルフィットまたは含燐−化
合物、例えばトリス(ノニルフェニル)ホスフィット;
4,9−ジステアリル−3,5,8,10−テトラオキ
サジホスファスピロウンデカン、トリス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)ホスフィットまたはテトラキス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフ
ェニレンジホスホニット等も、添加することができる。
【0044】また、式Iの化合物およびこれらの上記の
混合物も、更に別の添加剤の存在下に使用することもで
きる。これらの添加剤は、それ自体公知であり、そして
例えばアミノアクリル系化合物、UV吸収剤および光安
定化剤、例えば2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベン
ゾトリアゾール類、2−ヒドロキシベンゾフェノン類、
1,3−ビス(2’−ヒドロキシベンゾイル)ベンゼン
類、サリチル酸エステル類、桂皮酸エステル類、非置換
または置換安息香酸類のエステル、立体障害アミン類、
オキサールアミン類の群に属している。
【0045】式Iの本発明により製造された化合物の使
用量は、プラスチックの場合は0.01〜5重量%であ
り、安定化剤濃厚物の場合は20〜80重量%であり、
そして塗料の場合には0.02〜5重量%である。
【0046】
【実施例】以下の実施例は、本発明を説明するためのも
のである。
【0047】比較例A (ドイツ特許第3,524,543号明細書の方法によ
る) 100mlのトルエン中の91.1g(0.25モル)
の2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,2
0−ジアザジスピロ〔5.1.11.2〕ヘンエイコサ
ン−21−オンを80℃に加熱した。次いで、0.30
g(0.013モル)のナトリウム、1.5gのトリエ
チルベンジルアンモニウムクロライドおよび76.5g
(0.30モル)のラウリル アクリレート(約55な
いし58%のC12エステルと約37ないし40%のC
14エステルの工業混合物)を添加し、そしてこの混合
物を、80℃で4時間攪拌した。次いで、このバッチ
を、各々100mlの水を用いて3回攪拌し、そして溶
剤を有機相から留去すると、0.7重量%(GCによ
る)の残留2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ
−3,20−ジアザジスピロ〔5.1.11.2〕ヘン
エイコサン−21−オン含有率を有している168gの
生成物(若干黄色がかった非常に粘稠な液体)が得られ
た。
【0048】比較例B 1.5gのテトラブチルホスホニウムクロライドを(ト
リエチルベンジルアンモニウムクロライドの代わりに)
使用した以外は、比較例Aと同様とした。
【0049】これにより、1.1重量%の残留2,2,
4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ
ジスピロ〔5.1.11.2〕ヘンエイコサン−21−
オン含有率を有している167gの生成物(若干黄色が
かった非常に粘稠な液体)が得られた。
【0050】実施例1 100mlのトルエン中の91.1g(0.25モル)
の2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,2
0−ジアザジスピロ〔5.1.11.2〕ヘンエイコサ
ン−21−オンを80℃に加熱した。次いで、3.0g
(0.008モル)の2,2,4,4−テトラメチル−
7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5.1.1
1.2〕ヘンエイコサン−21−オンのナトリウム塩
(「ナトリウムアミド」)および76.5g(0.30
モル)のラウリルアクリレートを添加し、このバッチ
を、各々100mlの水を用いて3回攪拌し、そしてこ
の溶剤を、有機相から留去した。
【0051】これにより、0.9重量%の残留2,2,
4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ
ジスピロ〔5.1.11.2〕ヘンエイコサン−21−
オン含有率を有している171gの生成物(無色の非常
に粘稠な液体)が得られた。
【0052】実施例2 5.0g(0.013モル)の2,2,4,4−テトラ
メチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5.
1.11.2〕ヘンエイコサン−21−オンのナトリウ
ム塩を触媒として添加し、そしてこのバッチを80℃で
ほんの2時間攪拌した以外は、実施例1と同様にした。
【0053】これにより、0.9重量%の残留2,2,
4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ
ジスピロ〔5.1.11.2〕ヘンエイコサン−21−
オン含有率を有している171gの生成物(無色の非常
に粘稠な液体)が得られた。
【0054】実施例3 1.0g(0.003モル)の2,2,4,4−テトラ
メチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ〔5.
1.11.2〕ヘンエイコサン−21−オンのナトリウ
ム塩を触媒として添加し、そしてこのバッチを120℃
で1.5時間攪拌した以外は、実施例1と同様にした。
【0055】これにより、1.3重量%の残留2,2,
4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ
ジスピロ〔5.1.11.2〕ヘンエイコサン−21−
オン含有率を有している166gの生成物(無色の非常
に粘稠な液体)が得られた。
【0056】実施例4〜6 溶剤としてトルエンの代わりにo−キシレンを使用した
以外は、実施例1と同様にした。
【0057】 実施例7 (この実施例は、「その場で製造された」触媒の使用を
示すものである。) 0.18g(0.008モル)のナトリウムを100m
lのo−キシレン中の91.1g(0.25モル)の
2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20
−ジアザジスピロ〔5.1.11.2〕ヘンエイコサン
−21−オンに添加し、そしてこの混合物を、ナトリウ
ムが完全に転化されるまで(約1時間)還流下に加熱し
た。次いで、この反応混合物を80℃に冷却し、76.
5g(0.30モル)のラウリルアクリレートを添加
し、そしてこのバッチを80℃で4時間攪拌した。次い
で、この混合物を、各々100mlの水を用いて3回攪
拌し、そして溶剤を有機相から留去した。
【0058】これにより、0.4重量%の残留2,2,
4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ
ジスピロ〔5.1.11.2〕ヘンエイコサン−21−
オン含有率を有している168gの生成物が得られた。
【0059】実施例8 (触媒(ナトリウム塩)の合成) 145.6g(0.40モル)の2,2,4,4−テト
ラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ
〔5.1.11.2〕ヘンエイコサン−21−オンおよ
び9.2g(0.40モル)のナトリウムを、還流温度
で24時間トルエン500ml中で攪拌した。次いで、
このバッチを熱時濾過し、そしてこの溶剤を濾液から蒸
発させると、235℃の融点の白色固体としての触媒1
50.9g(理論量の98%)が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 498/10 C07D 519/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式I 【化1】 〔式中、 nは1ないし4の整数であり、 Rは水素原子、C〜C−アルキル基、ベンジル
    基、アリル基、C〜C −アルカノイル基、C
    20−アルケノイル基、C〜C11−アロイル基、
    〜C14−アリールアルカノイル基またはC〜C
    20−アルキルアリール基であり、 Rは水素原子またはC〜C−アルキル基であり、 Rは水素原子;C〜C18−アルキル基;C〜C
    12−シクロアルキル基;塩素原子またはC〜C
    アルキル基で置換されてもよいフェニル基またはナフチ
    ル基;または非置換またはC〜C−アルキル基で置
    換されたC〜C12−フェニルアルキル基であり、 Rは水素原子;C〜C−アルキル基;C−C
    12−シクロアルキル基;−COOH、カルボ−C
    −アルコキシ基またはカルバモイル基で置換された
    〜C−アルケニル基;C〜C−アルコキシ基
    またはC〜C−アルキル基で置換されてもよいフェ
    ニル基、ナフチル基またはピリジル基;あるいはC
    −アルキル基で置換されてもよいC〜C12−フ
    ェニルアルキル基であり、あるいはRとRはこれら
    と結合している炭素原子と一緒になって、1ないし4個
    のC〜C−アルキル基で置換されてもよいシクロア
    ルキル基または式II 【化2】 (式中、RおよびRは上記の意義を有している)の
    残基であり、 Rは水素原子、メチル基、フェニル基またはカルボ−
    〜C21−アルコキシ基であり、 Rは水素原子またはメチル基でありRは、nが1で
    ある場合、水素原子、C〜C21−アルキル基、C
    〜C −アルケニル基、C〜C18−フェニルアル
    キル基、C〜C12−シクロアルキル基、フェニル
    基、ナフチル基、C〜C18−アルキルフェニル基、
    式 【化3】 (式中、RおよびRは上記の意義を有している)の
    残基;−O−または 【化4】 により遮断および/または式III 【化5】 の残基によりあるいはC〜C21−アルキルカルボキ
    シ基により置換されたC〜C22−アルキル基(式
    中、R、R、R、R、RおよびRは上記の
    意義を有しており、そしてRは水素原子またはC
    10−アルキル基である)であり、 Rは、nが2である場合、直鎖または枝分かれ鎖状の
    〜C30−アルキレン基、C−C30−アルケニ
    レン基、フェニルジアルキレン基であり、かゝる残基は
    −O−または 【化6】 により遮断されることも可能である(式中、Rは上記
    の意義を有している)、 Rは、nが3または4である場合、式IV、V、VI
    またはVII 【化7】 の残基である〕 の1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ
    〔4.5〕デカン化合物を、 式VIII 【化8】 の化合物と式IX 【化9】 の化合物(式中、n、R、R、R、R、R
    およびRは上記の意義を有している)とを、不活
    性溶剤中で30〜150℃の温度で触媒の存在下に反応
    させることにより製造する方法であって、 反応を、式VIIIに対して1ないし10モル%の式
    (X) 【化10】 (式中、R、R、RおよびRは上記の意義を有
    しており、そしてMはアルカリ金属である)の触媒の存
    在下に、室温で液体の芳香族炭化水素中で行うことから
    なる方法。
  2. 【請求項2】 芳香族炭化水素がトルエンまたはキシレ
    ンである請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 使用される触媒が式VIIIの化合物の
    リチウム塩、ナトリウム塩またはカリウム塩である請求
    項1の方法。
  4. 【請求項4】 使用される触媒が式VIIIの化合物の
    ナトリウム塩である請求項1の方法。
  5. 【請求項5】 式IXの化合物を添加する前に、触媒を
    反応混合物中その場で製造する請求項1の方法。
  6. 【請求項6】 式VIIIの化合物が2,2,4,4−
    テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−21−
    オキソジスピロ〔5.1.11.2〕ヘンエイコサンで
    ある請求項1の方法。
  7. 【請求項7】 式IXの化合物がラウリルアクリレート
    である請求項1の方法。
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