JP3255372B2 - X線マスク材料およびその製造方法 - Google Patents
X線マスク材料およびその製造方法Info
- Publication number
- JP3255372B2 JP3255372B2 JP26146792A JP26146792A JP3255372B2 JP 3255372 B2 JP3255372 B2 JP 3255372B2 JP 26146792 A JP26146792 A JP 26146792A JP 26146792 A JP26146792 A JP 26146792A JP 3255372 B2 JP3255372 B2 JP 3255372B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ray
- glass
- silicon substrate
- silicon
- ray mask
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
- Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はX線リソグラフィに用い
られるX線マスク材料およびその製造方法に関し、詳し
くはパターンシフトに影響を及ぼすX線マスクメンブレ
ン内の歪(以下面内歪ということがある)を制御したX
線マスク材料およびその製造方法に関する。
られるX線マスク材料およびその製造方法に関し、詳し
くはパターンシフトに影響を及ぼすX線マスクメンブレ
ン内の歪(以下面内歪ということがある)を制御したX
線マスク材料およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体産業において、シリコン基
板等に微細パターンからなる集積回路を形成する技術に
は、露光用電磁波として、可視光や紫外光を用いて微細
パターンを転写するフォトリソグラフィ法が用いられて
きた。しかし近年、半導体技術の進歩とともに、超LS
Iなどの半導体装置の高集積化が著しく進み、このよう
な背景に伴い、従来のフォトリソグラフィ法に用いてき
た可視光や紫外光での転写限界を越えた高精度の微細パ
ターンの転写技術が要求されるに至った。このような微
細パターンを転写させるために、より波長の短いX線を
露光用電磁波として用いるX線リソグラフィ法が試みら
れている。
板等に微細パターンからなる集積回路を形成する技術に
は、露光用電磁波として、可視光や紫外光を用いて微細
パターンを転写するフォトリソグラフィ法が用いられて
きた。しかし近年、半導体技術の進歩とともに、超LS
Iなどの半導体装置の高集積化が著しく進み、このよう
な背景に伴い、従来のフォトリソグラフィ法に用いてき
た可視光や紫外光での転写限界を越えた高精度の微細パ
ターンの転写技術が要求されるに至った。このような微
細パターンを転写させるために、より波長の短いX線を
露光用電磁波として用いるX線リソグラフィ法が試みら
れている。
【0003】X線リソグラフィ用X線マスクはX線透過
膜とX線吸収パターンとを有し、さらにこれらはシリコ
ンウエハで支持されている。またX線リソグラフィ法に
おいて、X線マスクは従来のフォトリソグラフィ法にお
けるフォトマスクと同様に、ステッパーへの装着などの
さまざまな取扱いを受ける。
膜とX線吸収パターンとを有し、さらにこれらはシリコ
ンウエハで支持されている。またX線リソグラフィ法に
おいて、X線マスクは従来のフォトリソグラフィ法にお
けるフォトマスクと同様に、ステッパーへの装着などの
さまざまな取扱いを受ける。
【0004】このような取扱いの際のマスク破損の危険
性を減少させ、取扱い上の安全性を付与することを考慮
して、通常前記シリコン基板はガラス支持枠(支持体)
に固定されている。このような支持枠の接着を接着剤に
よって行うと、X線マスクはX線透過膜の引っ張り応力
が支配的となるために凹面構造となる。
性を減少させ、取扱い上の安全性を付与することを考慮
して、通常前記シリコン基板はガラス支持枠(支持体)
に固定されている。このような支持枠の接着を接着剤に
よって行うと、X線マスクはX線透過膜の引っ張り応力
が支配的となるために凹面構造となる。
【0005】一般にX線リソグラフィ法におけるX線マ
スクは、感光面に対して10〜50μmの微小な間隔で
バターン露光する近接露光法で使用されるため、X線透
過膜上で高い平面度が必要とされている。このような高
平面度を実現するために、比較的厚いシリコンウエハや
厚いガラス支持枠が用いられている。
スクは、感光面に対して10〜50μmの微小な間隔で
バターン露光する近接露光法で使用されるため、X線透
過膜上で高い平面度が必要とされている。このような高
平面度を実現するために、比較的厚いシリコンウエハや
厚いガラス支持枠が用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図7は、上記した従来
例による凹面構造のX線マスクと被露光体との関係を示
す。図7において、X線マスク27は、X線透過膜21
と、X線吸収パターンを刻んだX線吸収膜22と、X線
透過孔23を有するシリコン基板24と、X線透過孔2
5を有するガラス支持枠26とを備えている。被露光体
30は、半導体ウエハ28上にX線レジスト膜29を塗
布した構造になっている。
例による凹面構造のX線マスクと被露光体との関係を示
す。図7において、X線マスク27は、X線透過膜21
と、X線吸収パターンを刻んだX線吸収膜22と、X線
透過孔23を有するシリコン基板24と、X線透過孔2
5を有するガラス支持枠26とを備えている。被露光体
30は、半導体ウエハ28上にX線レジスト膜29を塗
布した構造になっている。
【0007】図7に示したように、X線透過領域におけ
るX線マスク27と被露光体30の間隔が10〜50μ
mと狭隘であるため、図7のような凹面構造のマスクを
用いると、間隔調整時にマスク周辺部が被露光体30表
面に接触するなどの事故を起こしやすい。
るX線マスク27と被露光体30の間隔が10〜50μ
mと狭隘であるため、図7のような凹面構造のマスクを
用いると、間隔調整時にマスク周辺部が被露光体30表
面に接触するなどの事故を起こしやすい。
【0008】又、陽極接合法により、シリコン基板とガ
ラス支持枠とを固定させる方法がある。この方法は、接
着剤の厚みのばらつきや接着剤の耐熱性、耐久性などの
経時劣化の問題も解決できる利点を有する。しかし、ガ
ラス支持枠の材料や接合条件によって発生する熱歪の大
きさが変化し、従来よく用いられていたパイレックスガ
ラスなどでは歪の大きさを精密に制御することが困難で
あった。
ラス支持枠とを固定させる方法がある。この方法は、接
着剤の厚みのばらつきや接着剤の耐熱性、耐久性などの
経時劣化の問題も解決できる利点を有する。しかし、ガ
ラス支持枠の材料や接合条件によって発生する熱歪の大
きさが変化し、従来よく用いられていたパイレックスガ
ラスなどでは歪の大きさを精密に制御することが困難で
あった。
【0009】本発明の第1の目的は、X線透過膜のX線
透過領域の平坦性を保持しつつ、周辺部が被露光体と接
触の危険のないX線マスクを得ることが可能なX線マス
ク材料およびその製造方法を提供することにある。また
本発明の第2の目的は、前記X線マスク材料を用いてX
線マスクを提供することにある。
透過領域の平坦性を保持しつつ、周辺部が被露光体と接
触の危険のないX線マスクを得ることが可能なX線マス
ク材料およびその製造方法を提供することにある。また
本発明の第2の目的は、前記X線マスク材料を用いてX
線マスクを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のX線マスク材料は、中央部に透過領域を有するX線
透過膜と、前記透過領域の周辺部を一方の面上で支持す
る枠状のシリコン基板と、該シリコン基板の他方の面の
シリコンの一部又は全部と陽極接合して、前記シリコン
基板を支持するガラス支持枠とを有するX線マスク材料
であって、前記ガラス支持枠のガラスが、シリコンに対
し、室温から400℃の各温度領域で、ガラスの熱膨張
による伸び率α1とシリコンの熱膨張による伸び率α2
との差(α1−α2)の符号が正になり、α1とα2の
比率(α1/α2)が室温から400℃で1.0より大
きく、1.2以下である関係を有し、前記X線透過膜
が、その周辺部に対して突出していることを特徴とす
る。
明のX線マスク材料は、中央部に透過領域を有するX線
透過膜と、前記透過領域の周辺部を一方の面上で支持す
る枠状のシリコン基板と、該シリコン基板の他方の面の
シリコンの一部又は全部と陽極接合して、前記シリコン
基板を支持するガラス支持枠とを有するX線マスク材料
であって、前記ガラス支持枠のガラスが、シリコンに対
し、室温から400℃の各温度領域で、ガラスの熱膨張
による伸び率α1とシリコンの熱膨張による伸び率α2
との差(α1−α2)の符号が正になり、α1とα2の
比率(α1/α2)が室温から400℃で1.0より大
きく、1.2以下である関係を有し、前記X線透過膜
が、その周辺部に対して突出していることを特徴とす
る。
【0011】また上記目的を達成するX線マスク材料の
製造方法は、中央部に透過領域を有するX線透過膜と、
前記透過領域の周辺部を一方の面上で支持する枠状のシ
リコン基板と、シリコンに対し、室温から400℃の各
温度領域で、ガラスの熱膨張による伸び率α1とシリコ
ンの熱膨張による伸び率α2との差(α1−α2)の符
号が正になり、α1とα2の比率(α1/α2)が室温
から400℃で1.0より大きく、1.2以下である関
係を有するガラス支持枠を用意し、前記シリコン基板の
他方の面のシリコンの一部又は全部とガラス支持枠と
を、加熱しながらこれらの間に電圧を印加して陽極接合
を行い、次に、陽極接合したシリコン基板とガラス支持
枠を室温まで冷却することを特徴とする。
製造方法は、中央部に透過領域を有するX線透過膜と、
前記透過領域の周辺部を一方の面上で支持する枠状のシ
リコン基板と、シリコンに対し、室温から400℃の各
温度領域で、ガラスの熱膨張による伸び率α1とシリコ
ンの熱膨張による伸び率α2との差(α1−α2)の符
号が正になり、α1とα2の比率(α1/α2)が室温
から400℃で1.0より大きく、1.2以下である関
係を有するガラス支持枠を用意し、前記シリコン基板の
他方の面のシリコンの一部又は全部とガラス支持枠と
を、加熱しながらこれらの間に電圧を印加して陽極接合
を行い、次に、陽極接合したシリコン基板とガラス支持
枠を室温まで冷却することを特徴とする。
【0012】上記X線マスク材料の製造方法において、
シリコン基板とガラス支持枠との接合温度は170℃以
上であるのが好ましい。また本発明は、上記X線マスク
材料を用いて得られるX線マスクをも提供するものであ
る。
シリコン基板とガラス支持枠との接合温度は170℃以
上であるのが好ましい。また本発明は、上記X線マスク
材料を用いて得られるX線マスクをも提供するものであ
る。
【0013】
【作用】本発明においては、ガラス支持枠を形成するガ
ラスの熱膨張による伸び率α1とシリコン基板を形成す
るシリコンの熱膨張による伸び率α2との差(α1−α
2)の符号が正となり、α1とα2の比率(α1/α
2)が室温から400℃で1.0より大きく、1.2以
下であるように設定し、シリコン基板よりも所定の割合
だけ大きな熱膨張による伸び率を有するガラス支持枠
を、所定の高温(例えば170℃以上)で陽極接合法に
よりシリコン基板と接合し、室温まで冷却すると、冷却
の過程で伸び率の差によって発生する圧縮応力によっ
て、X線透過膜がガラス支持枠に対して凸状であるX線
マスク材料が再現性よく得られる。
ラスの熱膨張による伸び率α1とシリコン基板を形成す
るシリコンの熱膨張による伸び率α2との差(α1−α
2)の符号が正となり、α1とα2の比率(α1/α
2)が室温から400℃で1.0より大きく、1.2以
下であるように設定し、シリコン基板よりも所定の割合
だけ大きな熱膨張による伸び率を有するガラス支持枠
を、所定の高温(例えば170℃以上)で陽極接合法に
よりシリコン基板と接合し、室温まで冷却すると、冷却
の過程で伸び率の差によって発生する圧縮応力によっ
て、X線透過膜がガラス支持枠に対して凸状であるX線
マスク材料が再現性よく得られる。
【0014】ガラスの熱膨張による伸び率α1とシリコ
ンの熱膨張による伸び率α2との比率(α1/α2)が
室温から400℃の温度域で1.0より大きく1.2以
下とする理由は、1.0以下では、圧縮応力によりX線
マスクを凸状にすることができず、1.2をこえるとX
線マスクの凸状が大きすぎるので好ましくないからであ
る。
ンの熱膨張による伸び率α2との比率(α1/α2)が
室温から400℃の温度域で1.0より大きく1.2以
下とする理由は、1.0以下では、圧縮応力によりX線
マスクを凸状にすることができず、1.2をこえるとX
線マスクの凸状が大きすぎるので好ましくないからであ
る。
【0015】また接合温度を170℃以上とするのが好
ましい理由は、170℃未満では接合が起り難いからで
ある。接合温度を400℃を超える温度にすることは、
実用的ではないので、好ましい接合温度は170〜40
0℃である。
ましい理由は、170℃未満では接合が起り難いからで
ある。接合温度を400℃を超える温度にすることは、
実用的ではないので、好ましい接合温度は170〜40
0℃である。
【0016】
【実施例】以下本発明を、実施例に基づきより詳しく説
明する。 実施例1 (i)図1(A)は、シリコン(Si)基板1aの片面
上にX線透過膜1bとして炭化ケイ素または窒化ケイ素
の膜を成膜して作成したX線マスクメンブレン1を示す
ものである。なお、シリコン基板1aとしては結晶方位
(110)のシリコン基板を用いた。またX線透過膜1
bとしての炭化ケイ素膜は、ジクロロシランとアセチレ
ンを用いてCVD法により成膜されたものであり、また
窒化ケイ素膜は、使用するガスを変えた以外は炭化ケイ
素膜の場合と同様に成膜されたものである。
明する。 実施例1 (i)図1(A)は、シリコン(Si)基板1aの片面
上にX線透過膜1bとして炭化ケイ素または窒化ケイ素
の膜を成膜して作成したX線マスクメンブレン1を示す
ものである。なお、シリコン基板1aとしては結晶方位
(110)のシリコン基板を用いた。またX線透過膜1
bとしての炭化ケイ素膜は、ジクロロシランとアセチレ
ンを用いてCVD法により成膜されたものであり、また
窒化ケイ素膜は、使用するガスを変えた以外は炭化ケイ
素膜の場合と同様に成膜されたものである。
【0017】(ii)図1(A)に示すX線マスクメンブ
レン1においてX線透過膜1bが成膜されていない面は
シリコン基板1aのシリコン面であるが、本実施例にお
いては、ガラス支持枠との接合前にシリコン基板1aの
中央部を除去してX線透過膜1bを図1(B)に示すよ
うに自立させた。なお、このシリコン基板1aの中央部
を除去する方法としては、例えば、シリコン基板1aの
表面をリング状に耐エッチング物質を塗布し、80〜1
00℃に加熱した10〜50wt%NaOH水溶液に浸
清する方法が用いられた。
レン1においてX線透過膜1bが成膜されていない面は
シリコン基板1aのシリコン面であるが、本実施例にお
いては、ガラス支持枠との接合前にシリコン基板1aの
中央部を除去してX線透過膜1bを図1(B)に示すよ
うに自立させた。なお、このシリコン基板1aの中央部
を除去する方法としては、例えば、シリコン基板1aの
表面をリング状に耐エッチング物質を塗布し、80〜1
00℃に加熱した10〜50wt%NaOH水溶液に浸
清する方法が用いられた。
【0018】(iii)本実施例においては、ガラス支持枠
を構成するガラスとして、SiO2 が58.8wt%、
Al2 O3 が22.0wt%、Na2 Oが2.8wt
%、MgOが4.9wt%、ZnOが10.0wt%で
あり、SiO2 とAl2 O3 とNa2 OとMgOとZn
Oとの合量が98.5wt%であり、他の酸化物として
B2 O3 を1.5wt%、AS2 O3 を0.3%含有す
るSD−3ガラスを用いた。そして図1(C)に示すよ
うに中央部がぬき穴になっているガラス支持枠2を、中
央部が除去されたシリコン基板1aとX線透過膜1bと
からなるX線マスクメンブレン1に重ね合せた。支持枠
を構成するSD−3ガラスと基板を構成するシリコン
(Si)の、室温から500℃における伸び率の変化直
線を図2に示す。図2よりガラスの伸び率(α1)とシ
リコンの伸び率(α2)との差(α1−α2)は各温度
でほぼ一定で正の値となっている。
を構成するガラスとして、SiO2 が58.8wt%、
Al2 O3 が22.0wt%、Na2 Oが2.8wt
%、MgOが4.9wt%、ZnOが10.0wt%で
あり、SiO2 とAl2 O3 とNa2 OとMgOとZn
Oとの合量が98.5wt%であり、他の酸化物として
B2 O3 を1.5wt%、AS2 O3 を0.3%含有す
るSD−3ガラスを用いた。そして図1(C)に示すよ
うに中央部がぬき穴になっているガラス支持枠2を、中
央部が除去されたシリコン基板1aとX線透過膜1bと
からなるX線マスクメンブレン1に重ね合せた。支持枠
を構成するSD−3ガラスと基板を構成するシリコン
(Si)の、室温から500℃における伸び率の変化直
線を図2に示す。図2よりガラスの伸び率(α1)とシ
リコンの伸び率(α2)との差(α1−α2)は各温度
でほぼ一定で正の値となっている。
【0019】(iv)次に重ね合せたX線マスクメンブレ
ン1とガラス支持枠2を図1(D)に示すように電極板
3aおよび3bで挟み込んだ。なお電極板3aはX線透
過膜1bの自立した部分を保護するために中央に凹部を
設けたものを用いた。
ン1とガラス支持枠2を図1(D)に示すように電極板
3aおよび3bで挟み込んだ。なお電極板3aはX線透
過膜1bの自立した部分を保護するために中央に凹部を
設けたものを用いた。
【0020】(v)次に図1(E)に示すようにまず加
熱用ヒータ5により絶縁用石英板4を介して加熱し、ま
た荷重6を用いて加圧した。なお、装置は保温カバー7
の中で精密に温度コントロールされた。そして電極板3
aを正極(X線マスクメンブレン側)に、電極板3bを
負極(ガラス支持枠側)になるように配線して直流電圧
を印加した。このときの印加電圧としては、例えば、5
00〜1500Vとすることができる。また、接合温度
としては、例えば、170〜400℃とすることがで
き、接合時間としては、1分〜2時間とすることがてき
る。さらに、電極3bの上に加える荷重としては、例え
ば、35〜500g/cm2 の荷重を加えることができ
る。しかし、これらの印加電圧、接合温度、接合時間、
荷重等はこれらに限定されるものではない。
熱用ヒータ5により絶縁用石英板4を介して加熱し、ま
た荷重6を用いて加圧した。なお、装置は保温カバー7
の中で精密に温度コントロールされた。そして電極板3
aを正極(X線マスクメンブレン側)に、電極板3bを
負極(ガラス支持枠側)になるように配線して直流電圧
を印加した。このときの印加電圧としては、例えば、5
00〜1500Vとすることができる。また、接合温度
としては、例えば、170〜400℃とすることがで
き、接合時間としては、1分〜2時間とすることがてき
る。さらに、電極3bの上に加える荷重としては、例え
ば、35〜500g/cm2 の荷重を加えることができ
る。しかし、これらの印加電圧、接合温度、接合時間、
荷重等はこれらに限定されるものではない。
【0021】本実施例で作製したX線マスク材料の平面
度を、フィゾー干渉測定法により評価してみると、均一
な凸面の構造をもち、平面度は5μm以下(周辺と中央
部の高さの差)であることを確認した。さらに、X線透
過膜のX線透過領域の面内歪みをレーザー測長器(光波
3I)にて測定し、十分な面精度が得られていることを
確認した。
度を、フィゾー干渉測定法により評価してみると、均一
な凸面の構造をもち、平面度は5μm以下(周辺と中央
部の高さの差)であることを確認した。さらに、X線透
過膜のX線透過領域の面内歪みをレーザー測長器(光波
3I)にて測定し、十分な面精度が得られていることを
確認した。
【0022】実施例2 X線マスクメンブレンとして、シリコン基板の両面にX
線透過膜を成膜したものを用い、一方のX線透過膜を、
CF4 等のフッ素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用い
る反応性イオンエッチングによってその中心部をエッチ
ング除去した。次に、得られたリング状X線透過膜をマ
スクとして、実施例1と同様にNaOH水溶液を用いる
エッチング処理によって、シリコン基板の中央部を除去
して、図3(A)に示すような断面形状を有する、シリ
コン基板1aとX線透過膜1bとからなるX線マスクメ
ンブレン1を得た。
線透過膜を成膜したものを用い、一方のX線透過膜を、
CF4 等のフッ素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用い
る反応性イオンエッチングによってその中心部をエッチ
ング除去した。次に、得られたリング状X線透過膜をマ
スクとして、実施例1と同様にNaOH水溶液を用いる
エッチング処理によって、シリコン基板の中央部を除去
して、図3(A)に示すような断面形状を有する、シリ
コン基板1aとX線透過膜1bとからなるX線マスクメ
ンブレン1を得た。
【0023】次にX線透過膜1bのガラス支持枠2と接
合する部分を、上述と同様の反応性イオンエッチングに
よって除去し、図3(B)に示すような断面形状を有す
るX線マスクメンブレン1を得た。次に、このX線マス
クメンブレン1とガラス支持枠2とを、図3(C)に示
すように重ね合せた。なお、支持枠を構成するガラスと
しては、実施例1と同様の組成のものを用いた。次に重
ね合せたX線マスクメンブレン1とガラス支持枠2と
を、実施例1と同様の条件で陽極接合法により接合し
た。
合する部分を、上述と同様の反応性イオンエッチングに
よって除去し、図3(B)に示すような断面形状を有す
るX線マスクメンブレン1を得た。次に、このX線マス
クメンブレン1とガラス支持枠2とを、図3(C)に示
すように重ね合せた。なお、支持枠を構成するガラスと
しては、実施例1と同様の組成のものを用いた。次に重
ね合せたX線マスクメンブレン1とガラス支持枠2と
を、実施例1と同様の条件で陽極接合法により接合し
た。
【0024】本実施例で作製したX線マスク材料の平面
度を、フィゾー干渉測定法により評価してみると、均一
な凸面の構造をもち、平面度は5μm以下であることを
確認した。さらに、X線透過膜のX線透過領域の面内歪
みをレーザー測長器(光波3I)にて測定し、十分な面
精度が得られていることを確認した。
度を、フィゾー干渉測定法により評価してみると、均一
な凸面の構造をもち、平面度は5μm以下であることを
確認した。さらに、X線透過膜のX線透過領域の面内歪
みをレーザー測長器(光波3I)にて測定し、十分な面
精度が得られていることを確認した。
【0025】実施例3 実施例1で得られたX線マスク材料のX線透過膜上にX
線吸収膜であるタンタル膜をRFマグネトロン・スパッ
タ法によって形成した。X線吸収膜の膜厚は0.8μm
であった。なお、このスパッタ法においては、スパッタ
・ターゲットとして、タンタルターゲットを用い、スパ
ッタガスはアルゴンガスを使用した。この場合の雰囲気
条件は、アルゴンガスの流量を標準状態で25cc/分、
成膜中のガス圧力を0.5Pa,RFパワーを8.64w
/cm2 に選定した。この成膜条件で形成したX線吸収膜
は、内部応力が0〜1×108 dyn /cm2という弱い引
っ張り応力を保有していた。次に、良好な膜特性を有す
るX線吸収膜にレジストパターンをマスクとして、塩素
ガスを用いた反応性イオンビーム・エッチングを行なっ
て、X線吸収膜によるパターンを形成し、X線マスクを
得た。
線吸収膜であるタンタル膜をRFマグネトロン・スパッ
タ法によって形成した。X線吸収膜の膜厚は0.8μm
であった。なお、このスパッタ法においては、スパッタ
・ターゲットとして、タンタルターゲットを用い、スパ
ッタガスはアルゴンガスを使用した。この場合の雰囲気
条件は、アルゴンガスの流量を標準状態で25cc/分、
成膜中のガス圧力を0.5Pa,RFパワーを8.64w
/cm2 に選定した。この成膜条件で形成したX線吸収膜
は、内部応力が0〜1×108 dyn /cm2という弱い引
っ張り応力を保有していた。次に、良好な膜特性を有す
るX線吸収膜にレジストパターンをマスクとして、塩素
ガスを用いた反応性イオンビーム・エッチングを行なっ
て、X線吸収膜によるパターンを形成し、X線マスクを
得た。
【0026】このようにして得られたX線マスクの模式
的断面形状を図6に示す。図6において、X線マスク2
7は、図7の従来のX線マスクと同様にX線透過膜21
と、X線吸収パターンを刻んだX線吸収膜22と、X線
透過孔23を有するシリコン基板24と、X線透過孔2
5を有するガラス支持枠26とを備えている。そして図
6に示す本発明のX線マスクが図7に示す従来のX線マ
スクと相違する点は、X線透過膜21がガラス支持枠2
6に対して凸状となっている点である。そしてこのよう
な凸状構造により、マスク中央部(X線透過領域)で被
露光体30と位置合せしてもマスク周辺部が被露光体3
0と衝突する危険性がないという利点が得られた。
的断面形状を図6に示す。図6において、X線マスク2
7は、図7の従来のX線マスクと同様にX線透過膜21
と、X線吸収パターンを刻んだX線吸収膜22と、X線
透過孔23を有するシリコン基板24と、X線透過孔2
5を有するガラス支持枠26とを備えている。そして図
6に示す本発明のX線マスクが図7に示す従来のX線マ
スクと相違する点は、X線透過膜21がガラス支持枠2
6に対して凸状となっている点である。そしてこのよう
な凸状構造により、マスク中央部(X線透過領域)で被
露光体30と位置合せしてもマスク周辺部が被露光体3
0と衝突する危険性がないという利点が得られた。
【0027】次に本発明の変形例を示す。本発明は図4
(A)および図5(A)に示すように、X線透過膜1b
上にX線吸収膜8aが設けられたX線マスクブランクお
よび図4(B)および図5(B)に示すように、X線透
過膜1b上にX線吸収膜パターン8bが設けられたX線
マスクについて適用可能であり、これらのX線マスクブ
ランクおよびX線マスクに陽極接合法により支持枠を接
合することができる。
(A)および図5(A)に示すように、X線透過膜1b
上にX線吸収膜8aが設けられたX線マスクブランクお
よび図4(B)および図5(B)に示すように、X線透
過膜1b上にX線吸収膜パターン8bが設けられたX線
マスクについて適用可能であり、これらのX線マスクブ
ランクおよびX線マスクに陽極接合法により支持枠を接
合することができる。
【0028】また、本実施例ではX線透過膜を自立させ
る方法としてNaOHによるシリコンのエッチングを行
ったが、エッチングはこの方法に限るものではなく、フ
ッ硝酸(HFとHNO3 の混合液)等も用いることがで
きる。
る方法としてNaOHによるシリコンのエッチングを行
ったが、エッチングはこの方法に限るものではなく、フ
ッ硝酸(HFとHNO3 の混合液)等も用いることがで
きる。
【0029】 上述の実施例ではアルミノケイ酸塩ガラ
スを用いたが、これ以外にもガラス支持枠用材料として
様々な組成のガラスを用いることが可能である。一般に
好適なガラスとしては、アルミノケイ酸塩ガラス、ケイ
酸塩ガラス、硼ケイ酸塩ガラス、硼酸塩ガラス、リン酸
塩ガラスが挙げられる。
スを用いたが、これ以外にもガラス支持枠用材料として
様々な組成のガラスを用いることが可能である。一般に
好適なガラスとしては、アルミノケイ酸塩ガラス、ケイ
酸塩ガラス、硼ケイ酸塩ガラス、硼酸塩ガラス、リン酸
塩ガラスが挙げられる。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、シ
リコン基板とガラス支持枠との熱膨張による伸び率を規
定することにより、X線透過膜のX線透過領域の平坦性
を保持しつつ、ガラス支持枠に対して凸面構造を精密に
制御できるX線マスク材料およびその製造方法が提供さ
れた。またこのX線マスク材料を用いてX線マスクが提
供された。
リコン基板とガラス支持枠との熱膨張による伸び率を規
定することにより、X線透過膜のX線透過領域の平坦性
を保持しつつ、ガラス支持枠に対して凸面構造を精密に
制御できるX線マスク材料およびその製造方法が提供さ
れた。またこのX線マスク材料を用いてX線マスクが提
供された。
【0031】さらに、本発明のX線マスク材料及びX線
マスクによれば、X線マスクの周辺部と被露光体とが接
触することを考慮しないですむので、X線マスクと被露
光体との間隔を容易に制御することができる。
マスクによれば、X線マスクの周辺部と被露光体とが接
触することを考慮しないですむので、X線マスクと被露
光体との間隔を容易に制御することができる。
【図1】実施例1におけるX線マスク材料の製造工程
図。
図。
【図2】実施例1において用いた支持枠用ガラスと基板
用シリコンとの熱膨張による伸び率の温度変化図。
用シリコンとの熱膨張による伸び率の温度変化図。
【図3】実施例2におけるX線マスク材料の製造工程
図。
図。
【図4】本発明が適用されるX線マスクブランクおよび
X線マスクの概略図。
X線マスクの概略図。
【図5】本発明が適用されるX線マスクブランクおよび
X線マスク概略図。
X線マスク概略図。
【図6】実施例3で得られたX線マスクの概略図。
【図7】従来例のX線マスクの概略図。
1a シリコン基板 1b X線透過膜 1 X線マスクメンブレン 2 ガラス支持枠 8a X線吸収膜 8b X線吸収膜パターン 21 X線透過膜 22 X線吸収膜パターン 24 シリコン基板 26 ガラス支持枠 27 X線マスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−129910(JP,A) 特開 平1−265515(JP,A) 特開 平1−191422(JP,A) 特開 昭60−186840(JP,A) 特開 平4−280840(JP,A) 特開 平4−330711(JP,A) 特開 平5−206012(JP,A) 特開 平5−217863(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027
Claims (4)
- 【請求項1】 中央部に透過領域を有するX線透過膜
と、前記透過領域の周辺部を一方の面上で支持する枠状
のシリコン基板と、該シリコン基板の他方の面のシリコ
ンの一部又は全部と陽極接合して、前記シリコン基板を
支持するガラス支持枠とを有するX線マスク材料であっ
て、 前記ガラス支持枠のガラスが、シリコンに対し、室温か
ら400℃の各温度域で、ガラスの熱膨張による伸び率
α1とシリコンの熱膨張による伸び率α2との差(α1
−α2)の符号が正になり、α1とα2の比率(α1/
α2)が室温から400℃で1.0より大きく、1.2
以下である関係を有し、 前記X線透過膜が、その周辺部に対して突出しているこ
とを特徴とするX線マスク材料。 - 【請求項2】 室温から400℃の各温度域で、ガラス
の熱膨張による伸び率α1とシリコンの熱膨張による伸
び率α2との差(α1−α2)の符号が正となり、α1
とα2の比率(α1/α2)が室温から400℃で1.
0より大きく、1.2以下である関係を有するガラス支
持枠とシリコン基板とを用いて、 少なくともX線透過膜を有する前記シリコン基板のシリ
コン部のシリコン表面の一部又は全部とガラス支持枠と
を前記シリコン基板とガラス支持枠とを加熱しながら、
これらの間に電圧を印加して陽極接合を行い、 次に、陽極接合されたシリコン基板とガラス支持枠を室
温まで冷却することにより、前記X線透過膜がガラス支
持枠に対して凸状となるようにしたことを特徴とするX
線マスク材料の製造方法。 - 【請求項3】 シリコン基板とガラス支持枠との接合温
度が170℃以上であることを特徴とする請求項2記載
のX線マスク材料の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1記載のX線マスク材料を用いた
X線マスク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26146792A JP3255372B2 (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | X線マスク材料およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26146792A JP3255372B2 (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | X線マスク材料およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06112107A JPH06112107A (ja) | 1994-04-22 |
JP3255372B2 true JP3255372B2 (ja) | 2002-02-12 |
Family
ID=17362312
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26146792A Expired - Fee Related JP3255372B2 (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | X線マスク材料およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3255372B2 (ja) |
-
1992
- 1992-09-30 JP JP26146792A patent/JP3255372B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06112107A (ja) | 1994-04-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4468799A (en) | Radiation lithography mask and method of manufacturing same | |
JP3388453B2 (ja) | X線マスク又はx線マスク材料の支持体用ガラス、x線マスク材料及びx線マスク | |
JPH04107810A (ja) | X線マスクとその製造方法 | |
JP3255372B2 (ja) | X線マスク材料およびその製造方法 | |
JP2531858B2 (ja) | X線マスク材料 | |
JPH05217863A (ja) | 支持体付きx線マスク材料および支持体付きx線マスク | |
JPH11307442A (ja) | X線マスク及びx線マスクブランク並びにそれらの製造方法 | |
JP2768595B2 (ja) | X線マスク構造体の製造方法 | |
JPH0345526B2 (ja) | ||
KR19980015311A (ko) | X-선 마스크 | |
JP2000150364A (ja) | X線マスクブランク及びその製造方法、並びにx線マスク及びその製造方法 | |
JP2655543B2 (ja) | X線マスクブランクス及びx線マスク構造体 | |
JPH07240359A (ja) | X線マスク及びx線マスクブランクス並びにそれらの製造方法 | |
JP3253774B2 (ja) | X線露光用マスクおよびそれに用いるマスクブランク | |
JPH08273999A (ja) | X線マスク及びx線マスクブランクス並びにこれらの製造方法 | |
JPH06267804A (ja) | 貼り合わせ半導体基板及びその製造方法 | |
JP2962049B2 (ja) | X線マスク | |
JP3451431B2 (ja) | X線露光用マスク及びその製造方法 | |
JPS59129851A (ja) | X線露光用マスクの製造方法 | |
JP3219619B2 (ja) | X線マスクと該マスクの製造方法、ならびに該マスクを用いたデバイス生産方法 | |
JPS58207047A (ja) | マスクの製造方法 | |
JP2824247B2 (ja) | X線マスク及びその製造方法 | |
JPH1083951A (ja) | X線マスクブランク及びx線マスク並びにパターン転写方法 | |
JPH1073505A (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JP2000340483A (ja) | X線露光用マスクの製造方法およびx線露光用マスク |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20011115 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |