JPH07240359A - X線マスク及びx線マスクブランクス並びにそれらの製造方法 - Google Patents

X線マスク及びx線マスクブランクス並びにそれらの製造方法

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JPH07240359A
JPH07240359A JP3015694A JP3015694A JPH07240359A JP H07240359 A JPH07240359 A JP H07240359A JP 3015694 A JP3015694 A JP 3015694A JP 3015694 A JP3015694 A JP 3015694A JP H07240359 A JPH07240359 A JP H07240359A
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mask
ray
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film
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JP3015694A
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Tsutomu Shiyouki
勉 笑喜
Akira Okubo
亮 大久保
Yoichi Yamaguchi
洋一 山口
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Publication date
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 X線透過膜の面精度を良好に維持できるX線
マスク材料を提供する。 【構成】 マスク支持体1のガラス支持枠6に対する固
定部を、マスク支持体1とガラス支持枠6との互いに対
向する表面のうちの一部であって、ガラス支持枠6にマ
スク支持体1を保持できる強度を確保可能な大きさを有
する領域に導電性膜4を形成してこの部部のみを接合領
域にして陽極接合した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はX線リソグラフィー法に
用いられるX線マスク及びその素材たるX線マスクブラ
ンクス並びにそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、大規模集積回路(LSI)等を製
造する工程において、シリコン基板等に微細パターンを
転写する方法として、露光用の光として可視光や紫外光
を用いたフォトリソグラフィー法が用いられるのが一般
的である。しかし、近年、半導体技術の進歩とともに、
超LSI等の半導体装置の高集積化が著しく進み、この
ような背景にともない、フォトリソグラフィー法に用い
てきた可視光や紫外光での転写限界を越えた高精度の微
細パターンの転写技術が要請され、これに対応可能な方
法として、より波長の短いX線を露光用電磁波として用
いるX線リソグラフィー法が提案されている。このX線
リソグラフィー法を実施するためにパターン転写のマス
クとしていわゆるX線マスクが用いられる。
【0003】このX線マスクは、基本的考え方としてみ
ると、露光用光がX線になっただけで従来のフォトリソ
グラフィー法に用いるフォトマスクと同じであって、要
するに、露光用電磁波たるX線を通過させる部分と遮断
する部分とで構成される微細パターンを設けたものとい
うことができる。しかしながら、光(可視光、紫外光)
とX線とは、特に、物質に対する吸収・透過特性が著し
く異なるために、フォトマスクに比較してそのマスク材
料の選定等が著しく困難であるという問題を有してい
る。すなわち、例えば、フォトマスクであれば、十分に
光を透過しかつ十分な機械的強度を備えたガラス基板に
光を遮断する薄膜パターンを形成させればよいが、X線
マスクでは、フォトマスクにおける場合のガラス基板に
相当する部材を担う適当な材料がない。すなわち、十分
な機械的強度を保持できる厚さを備えつつ十分にX線を
透過させる材料がない。勿論、波長の短いX線を用いれ
ばほとんどの材料が透明となるが、そうすると今度はX
線を遮断することが不可能になる。このような事情か
ら、現在提案されているX線マスクは、シリコンウエハ
等を枠状に形成したマスク支持体に薄膜状のX線透過膜
を張り渡すようにして支持し、このX線透過膜の上にパ
ターン化されたX線吸収膜を形成した構成を基本とした
ものが採用されている。
【0004】図3はX線リソグラフィー用X線マスクの
平面図、図4はX線リソグラフィー用X線マスクのII
IーIII線断面図である。
【0005】これらの図において、X線マスク10は、
シリコンウエハを枠状に形成したマスク支持体1と、該
マスク支持体1に張り渡すようにして支持されたX線透
過膜2と、このX線透過膜2の上に形成されたX線吸収
膜パターン3とを有したものであり、さらに、このX線
マスク10は、通常、ガラス支持枠6に固定される。す
なわち、マスク支持体1とガラス支持枠6との接着部1
6に接着剤が塗布されて接着固定される。
【0006】ここで、X線マスク10をガラス支持枠6
に固定するのは次の理由による。
【0007】すなわち、X線マスクにおいても、フォト
リソグラフィー法におけるフォトマスクと同様に、ステ
ッパーへの装着などの様々な取扱いをうけるが、シリコ
ンウエハからなるマスク支持体1は、このような取扱に
十分に耐えるだけの機械的強度をもっていない。それゆ
え、このような取扱いの際のマスク破損の危険性を減少
させ、取扱い上の安全性を確保するために、マスク支持
体1をガラス支持枠6に固定して保護することがなされ
るものである。
【0008】なお、通常、X線マスクとしての完成品
は、マスク支持体に支持されたX線透過膜と、このX線
透過膜の上に形成されたX線吸収膜パターンと、ガラス
支持枠6とを備えたものであるが、X線吸収膜パターン
が形成されていない非完成品、あるいは、X線吸収膜は
形成されているがそれがパターン化されていない非完成
品も、X線マスクを製造するための部品(材料、ブラン
クス)として取り引きの対象となっている。このような
非完成品は、通常、「X線マスクブランクス」、あるい
は、「X線マスク材料」と称されているが、本願では、
「X線マスクブランクス」と称することにする。
【0009】ところで、X線リソグラフィー法における
X線マスクは、感光面に対して10〜50μmの微少な
間隔でパターン露光する近接露光法で使用されるため、
X線透過膜2上で高い平面度(面精度)が必要とされて
いる。ところが、マスク支持体1をガラス支持枠6に固
定する方法として、通常の接着剤を用いる方法による
と、どうしても接着剤の厚みばらつきが生じてしまうた
めにマスク支持体を歪ませてX透過膜の面の均一性を損
なうおそれがあると共に、生産のロット間の再現性を確
保することも困難であるという問題があった。しかも、
接着剤は、耐熱性、耐久性などの経時劣化があるという
欠点も有する。
【0010】このような問題を解決する方法として、陽
極接合法を用いて、マスク支持体1をガラス支持枠6に
固定する試みがなされている。陽極接合法は、加熱固着
の1種であって、接合部を接触させ、かつ、所定の温度
に維持し、接合部間に所定の電圧を印加することによっ
て接合部間で大きな静電引力が働くようにして界面で化
学的結合を行なわせて両者を接合するものである。この
陽極接合は、接着剤層が存在せず接着剤の厚みばらつき
のような問題がないためにX線透過膜の面の均一性を維
持できると共に、再現性に優れ、経時的にも安定である
という利点がある。一方、この陽極接合では、接合時の
熱プロセスによりマスク支持体(例えばシリコンウエ
ハ)とガラス支持枠との熱膨張率の差が大きいと、これ
による歪み(熱歪み)が生じてマスク支持体を変形させ
るおそれがあるが、ガラス支持枠としてマスク支持体
(シリコン)と比較的熱膨張係数の近いガラスを用いる
ことにより、接合時に生じる熱歪みを抑えることが可能
である。したがって、このような事情を総合すると、理
論的にはX線透過膜上で3μm程度の高い平面度を得る
ことも可能であると考えられる。このようなマスク支持
体とガラス支持枠との陽極接合としては、例えば、特公
平4−66096号公報に開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特公平4−
66096号公報に記載の方法によって多数のX線マス
クを製造し、そのX線透過膜の面精度を調査したとこ
ろ、必ずしも上記理論的に予想した面精度が得られない
場合が少なからずあることが判明した。
【0012】この原因を究明する過程において、各工程
が手筈どうりに行われている否かを厳重に吟味したが、
そのなかで、陽極接合が完全になされているか否かのチ
ェックも当然行った。このチェックにおいては、所定の
面精度が得られていないものの多くが、陽極接合につい
ては完全になされているものがほとんどあった。したが
って、当初は、面精度が得られない原因が他の工程によ
るものとの想定で原因を究明したがその原因を解明する
ことはできなかった。そこで、面精度が得られているも
のと得られていないものとの間で、各工程で比較できる
ものをリストアップして可能な限り両者の相違点を洗い
出す作業を行った。
【0013】その結果、有意に判別できる相違点とし
て、面精度が得られているもののなかに、上記陽極接合
がむしろ完全でないものが多く含まれていることが判明
した。そこで、この点に着目し、逆に積極的に陽極接合
を一部分にのみ施したものを製造して面精度を調べたと
ころ、極めて良好な結果が得られることが判明した。
【0014】本発明は上述の解明結果に基いてなされた
ものであり、X線透過膜の面精度を良好に維持できるX
線マスク及びX線マスクブランクス並びにそれらの製造
方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明にかかるX線マスクは、(構成1) 枠状
に形成されたマスク支持体と、このマスク支持体に張り
渡すようにして支持されたX線透過膜と、このX線透過
膜の上に形成されたX線吸収膜パターンと、前記マスク
支持体が固定されたガラス支持枠とを有し、前記マスク
支持体のガラス支持枠に対する固定部は、前記マスク支
持体とガラス支持枠との互いに対向する表面のうちの一
部であって、前記ガラス支持枠にマスク支持体を保持で
きる強度を確保可能な大きさを有する領域のみを接合領
域にして加熱固着したものであることを特徴とした構成
とし、この構成1の態様として、(構成2) 構成1の
X線マスクにおいて、前記マスク支持体のガラス支持枠
に対する固定部は、前記マスク支持体又はガラス支持枠
の接合領域となる領域のいずれか一方又は双方を凸部に
形成して加熱固着したものであることを特徴とした構成
とし、上記構成1又は2の態様として、(構成3) 構
成1又は2のX線マスクにおいて、前記加熱固着は、陽
極接合によるものであることを特徴とした構成とし、こ
の構成3の態様として、(構成4) 構成3のX線マス
クにおいて、前記マスク支持体のガラス支持枠に対する
固定部は、前記マスク支持体の接合領域となる領域に導
電性薄膜を形成して陽極接合したものであることを特徴
とした構成とし、また、本発明にかかるX線マスクブラ
ンクスは、(構成5) X線マスクの素材として用いら
れるX線マスクブランクスであって、枠状に形成された
マスク支持体と、このマスク支持体に張り渡すようにし
て支持されたX線透過膜と、前記マスク支持体が固定さ
れたガラス支持枠とを有し、前記マスク支持体のガラス
支持枠に対する固定部は、前記マスク支持体とガラス支
持枠との互いに対向する表面うちの一部であって、前記
ガラス支持枠にマスク支持体を保持できる強度を確保可
能な大きさを有する領域のみを加熱固着したものである
ことを特徴とした構成とし、この構成5の態様として、
(構成6) 構成5のX線マスクブランクスにおいて、
前記マスク支持体のガラス支持枠に対する固定部は、前
記マスク支持体又はガラス支持枠の接合領域となる領域
のいずれか一方又は双方を凸部に形成して加熱固着した
ものであることを特徴とした構成とし、上記構成5及び
6の態様として、(構成7) 構成5又は6のX線マス
クブランクスにおいて、前記加熱固着は、陽極接合によ
るものであることを特徴とした構成とし、さらに、本発
明にかかるX線マスクの製造方法は、(構成8) 基板
部材表面にX線透過膜を形成する工程と、前記基板部材
における前記X線透過膜を形成した面側と反対側の面か
ら該基板部材の周辺部を残して中央部を除去することに
よって基板部材を枠状のマスク支持体に形成する工程
と、前記X線透過膜上にX線吸収膜を形成する工程と、
前記X線吸収膜にパターンを形成する工程と、前記マス
ク支持体をガラス支持枠に固定する接合工程とを有し、
前記接合工程は、前記マスク支持体とガラス支持枠との
互いに対向する表面のうちの一部であって、前記ガラス
支持枠にマスク支持体を保持できる強度を確保可能な大
きさを有する領域のみを接合領域にして加熱固着するも
のであることを特徴とした構成とし、,この構成8の態
様として、(構成9) 構成8のX線マスクの製造方法
において、前記加熱固着が、陽極接合によるものである
ことを特徴とした構成とし、そして、本発明にかかるX
線マスクブランクスの製造方法は、(構成10) 基板
部材表面にX線透過膜を形成する工程と、前記基板部材
における前記X線透過膜を形成した面側と反対側の面か
ら該基板部材の周辺部を残して中央部を除去することに
よって基板部材を枠状のマスク支持体に形成する工程
と、前記マスク支持体をガラス支持枠に固定する接合工
程とを有し、前記接合工程は、前記マスク支持体とガラ
ス支持枠との互いに対向する表面のうちの一部であっ
て、前記ガラス支持枠にマスク支持体を保持できる強度
を確保可能な大きさを有する領域のみを接合領域にして
加熱固着するものであることを特徴とした構成とし、こ
の構成10の態様として、(構成11) 構成10のX
線マスクブランクスの製造方法において、前記加熱固着
が、陽極接合によるものであることを特徴とした構成と
したものである。
【0016】
【作用】上述の構成1によれば、マスク支持体のガラス
支持枠に対する固定部を、前記マスク支持体とガラス支
持枠との互いに対向する表面のうちの一部であって、前
記ガラス支持枠にマスク支持体を保持できる強度を確保
可能な大きさを有する領域のみを接合領域にして加熱固
着したものとすることによって、強固な固定を確保しつ
つX線透過膜の面精度をより良好な状態に維持すること
が可能になった。これは、接合領域を小さくすることに
よって、接合領域(面積)が大きい場合に比較して接合
の際の熱歪等の不自然な力がX線透過膜に作用する度合
いが著しく軽減されるためであると推定される。すなわ
ち、接合による熱歪みは、接合された領域の長さの2乗
に比例すると考えられるため、例えば、従来の3インチ
ウエハ(直径3インチのマスク支持体)全面での接合
(76mm)に対して、接合領域を1/10(7.6m
m)にすることにより、歪みは1/100に大幅に低減
できることになると考えられる。なお、好ましい接合領
域の面積の範囲は、3インチφサイズのシリコンのマス
ク支持体と4インチ角サイズ(穴径55mmφ)のガラ
ス支持枠を用いた場合では、0.7〜200mm2 で、
望ましくは7〜64mm2 であると考えられる。
【0017】また、構成2及び4によれば、比較的簡単
に接合領域を小さくすることができ、構成3によれば、
加熱を最小に押さえつつ強固な固定が可能となり、本発
明の特徴をより生かすことが可能となる。
【0018】構成5ないし7によれば、構成1ないし4
のX線マスク製造の際の素材としてのX線マスクブラン
クスを得ることができる。
【0019】さらに構成8及び9によれば、構成1ない
し4のX線マスクを製造することができ、構成10及び
11によれば、構成5ないし7のX線マスクブランクス
を製造することができる。
【0020】
【実施例】実施例1 図1は本発明の実施例1にかかかるX線マスクの製造工
程説明図である。以下、図1を参照にしながら実施例1
のX線マスクの製造方法を説明する。なお、実施例1に
かかるX線マスク及びX線マスクブランクス並びにX線
マスクブランクスの製造方法は、実施例1のX線マスク
の製造方法と共通する部分が多いのでX線マスクの製造
方法の説明と併せて説明する。
【0021】まず、シリコン(Si)基板1aの両面に
X線透過膜2及び21aとして炭化ケイ素膜をそれぞれ
成膜する(図2(A)参照)。なお、シリコン基板1a
としては、直径が3インチφ、厚さが2mmで、結晶方
位(100)のシリコン基板を用いた。またX線透過膜
としての炭化ケイ素は、ジクロロシランとアセチレンを
用いてCVD法により1μmの厚みに成膜されたもので
ある。
【0022】次に、X線透過膜2の上にX線吸収膜3a
を構成するTa膜をRFマグネトロンスパッタ法によっ
て0.8μmの厚さに形成する(図2(B))。
【0023】次に、X線吸収膜3aの上に電子線レジス
トを塗布して電子線により線幅0.25μm以下のレジ
ストパターンを形成し、このレジストパターンをマスク
にして反応性イオンビームエッチングを施し、X線吸収
膜パターン3を形成する(図2(C))。
【0024】次に、基板1aのもう一方の側(裏面)に
形成されたX線透過膜21aをCF4 等のフッ素系ガス
と酸素ガスとの混合ガスを用いる反応性イオンエッチン
グによりその中央部の25mm角の領域をエッチング除
去し、次に、裏面に残ったX線透過膜21をマスクとし
て、80−100℃に加熱した10−50wt%NaO
H水溶液に浸せきすることにより中央部のシリコンを除
去し、25mm角の自立したX線透過膜2(メンブレ
ン)を有するマスク支持体1を形成する(図2
(D))。
【0025】次に、マスク支持体1の裏面に形成されて
いるシリコン基板1a上のX線透過膜21の円周方向の
ある特定の部分に7mmφの面積でTa(タンタル)膜
をRFマグネトロンスパッタ法により1.5μmの厚み
に形成して導電性膜4を形成する(図2(E))。この
導電性膜4は、マスク支持体1の裏面に形成された凸部
と見ることもできる。
【0026】次に、大きさ100mm角で厚さ4mmで
中心に直径55mmの孔径をもつアルミノケイ酸塩ガラ
スの支持枠6に、上記マスク支持体1を重ね合わせ、図
示しないが上下(正負)電極で挾みこみ、さらに、全体
を均一に加熱する。その場合、マスク支持体1側の電極
板を正極に、ガラス支持枠6側の電極が負極になるよう
に配線して直流電圧を印加して陽極接合を行って、X線
マスク10を得る。このときの印加電圧としては、例え
ば、500〜1500Vとすることが出来る。また、接
合温度としては、例えば、100〜400℃とすること
ができ、接合時間としては、1分〜2時間とすることが
できる。しかし、これらの印加電圧、接合温度、接合時
間等はこれらに限定されるものではない。これにより重
ね合わせ時に接触している7mmφのTa膜である導電
性膜4とガラス支持枠6の部分のみが接合される(図2
(F))。
【0027】なお、X線マスクブランクス及びその製造
方法は、上記X線マスクにおけるX線吸収膜3a、ある
いは、X線吸収膜パターン3がないものである。
【0028】ここで、部分接合のためにマスク支持体に
形成する導電性膜4は、Taに限定されるものではな
く、陽極接合可能な導電性を有する金属及び半導体の膜
であればよい。例えば、W,Al,Ni,Ti,Fe,
Cu,Cr,Si,SiC,GaAs等が使用できる。
またマスク支持体の部分段差は、膜形成以外にエッチン
グにより作製してもよい。
【0029】またタンタル膜からなる導電性膜4の形状
は、円形でなくても四角形や長方形でもよい。また膜の
面積は、使用する接合体の形状により異なる。本実施例
の材料では、好ましい面積は、0.7〜200mm2 で
望ましくは、7〜64mm2である。
【0030】またタンタルからなる導電性膜4の膜厚
は、シリコン支持体1の他の部位が接合されない程度厚
ければよく、望ましくは1μm以上がよい。
【0031】本実施例で作製したX線マスク材料の平面
度を、フィゾー干渉計により評価してみると、接合前後
で測定精度以下(0.31μm)の平面度変化に抑えら
れていることが確認された。さらに、X線透過膜2のX
線透過領域の面内歪みをレーザ測長機(光波3i)にて
測定し、十分な面内歪みを保っていることを確認した。
なお、実施例1にかかるX線マスク及びX線マスクブ
ランクス並びにX線マスクブランクスの製造方法は、実
施例1のX線マスクの製造方法と共通する部分が多いの
でX線マスクの製造方法の説明と併せて説明する。
【0032】実施例2 図2は本発明の実施例2にかかかるX線マスクの製造工
程説明図である。以下、図2を参照にしながら実施例2
のX線マスクの製造方法を説明する。なお、この実施例
は、上記実施例1における導電性膜4の代わりに、ガラ
ス支持枠6に凸部5を形成した外は実施例1と同じであ
る。したがって、以下では、同一の部分の説明を省略
し、主としてこの実施例に特有の部分を中心に説明す
る。
【0033】まず、図3(A)に示す両面が高精度に研
磨されたガラス支持枠6に対して、片面(マスク支持体
1を接合させる面)の一部分に7mmφの石英製のエッ
チングマスクをのせ、CF4 等のフッ素系ガスと酸素ガ
スとの混合ガスを用いる反応性イオンエッチングにより
設置したマスク以外の全面部を1.5μmの深さにエッ
チング除去し、7mmφの凸部5を形成する(図3
(B))。
【0034】次に、このガラス支持枠6を、実施例1に
示した工程により作製したマスク支持体1に重ね合わ
せ、実施例1と同様な方法で陽極接合することによりマ
スク支持体1がガラス支持枠6の一部である7mmφの
凸部5に接合される。
【0035】なおガラス支持枠6への凸部5の形成のた
めの加工は、ドライエッチングに限定されるものではな
く、ウエットエッチングや機械加工により行ってもよ
い。また、加工形状は、円形でなくても四角形や長方形
でもよい。さらに、ガラスへのエッチング深さは、1.
5μmに限定されず凸部以外の部分(エッチング面)に
接合されなければよく、望ましくは1μm以上であれば
よい。
【0036】本実施例で作製したX線マスク材料の平面
度を、フイゾー干渉計により評価してみると、接合前後
で測定精度以下(0.31μm)の平面度変化に抑えら
れていることを確認した。さらに、X線透過膜のX線等
化領域の面内歪みをレーザ測長機(光波3i)にて測定
し、十分な面内歪みを保っていることを確認した。
【0037】実施例3 この実施例は、実施例1で得られたマスク支持体1と実
施例2で得られたガラス支持枠6とを用いて、前記マス
ク支持体1の一部分に形成されたタンタル金属膜の導電
性膜4と前記ガラス支持枠に形成した凸部5の部分を重
ね合わせて、実施例1と同様な方法で陽極接合すること
により、マスク支持体とガラス支持枠とを部分接合した
例である。
【0038】本実施例で作製したX線マスク材料の平面
度を、フイゾー干渉計により評価してみると、接合前後
で測定精度以下(0.31μm)の平面度変化に抑えら
れていることが確認された。さらに、X線透過膜のX線
等化領域の面内歪みをレーザ測長機(光波3i)にて測
定したところ、十分な面内歪みを保っていることが確認
された。
【0039】以上の実施例ではガラス支持枠を構成する
ガラスとして、Na2 Oを含有したアルミノシリケート
ガラスを用いたが、これに限定されるものではなく、陽
極接合が可能な様々な組成をもつガラス材料を用いるこ
とが可能である。一般に好適なガラスとしては、ホウケ
イ酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、ケイ
酸塩ガラスが上げられる。そして望ましくは、ガラスの
熱膨張係数がシリコンに近いものがよい。
【0040】また、本実施例ではX線透過膜を自立させ
る方法としてNaOHによるシリコンのエッチングを行
ったが、エッチングの方法はこの方法に限るものではな
く、フッ硝酸(HFとHNO3 の混合液)等も用いるこ
とができる。
【0041】シリコン基板は、面方位(100)で大き
さ3インチφ、厚み2mmのものを用いたが、これに限
定されず、面方位は(111)等でもよく、一般に好適
な大きさは3インチφと4インチφが厚みは0.38〜
2mmが挙げられる。またガラス支持枠の大きさ、厚み
についても限定されるものではない。
【0042】また、X線透過膜としては、タンタルを用
いたが、タングステン、金などやこれらを含んだ合金で
もよい。
【0043】さらに、加熱固着の方法としては、陽極接
合の外に、マスク支持体(Siウエハ)とガラス支持枠
(ガラス板)の各接触面を精度研磨した上で重ね合わせ
て加熱する熱融着でもよい。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
マスク支持体のガラス支持枠に対する固定部を、前記マ
スク支持体とガラス支持枠との互いに対向する表面のう
ちの一部であって、前記ガラス支持枠にマスク支持体を
保持できる強度を確保可能な大きさを有する領域のみを
接合領域にして陽極接合したものにしたことにより、強
固な固定を確保しつつX線透過膜の面精度をより良好な
状態に維持できるとともに、耐環境性(経時的安定性)
に優れかつロット間の再現性に優れたX線マスク及びX
線マスクブランクス並びにそれらの製造方法を得ている
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1にかかかるX線マスクの製造
工程説明図である。
【図2】本発明の実施例2にかかかるX線マスクの製造
工程説明図である。
【図3】従来のX線マスクの平面図である。
【図4】従来のX線マスクのIIIーIII線断面図で
ある。
【符号の説明】
1…マスク支持体、2…X線透過膜、3…X線吸収膜、
4…導電性膜、5…凸部、6…ガラス支持枠。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 枠状に形成されたマスク支持体と、この
    マスク支持体に張り渡すようにして支持されたX線透過
    膜と、このX線透過膜の上に形成されたX線吸収膜パタ
    ーンと、前記マスク支持体が固定されたガラス支持枠と
    を有し、 前記マスク支持体のガラス支持枠に対する固定部は、前
    記マスク支持体とガラス支持枠との互いに対向する表面
    のうちの一部であって、前記ガラス支持枠にマスク支持
    体を保持できる強度を確保可能な大きさを有する領域の
    みを接合領域にして加熱固着したものであることを特徴
    としたX線マスク。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のX線マスクにおいて、 前記マスク支持体のガラス支持枠に対する固定部は、前
    記マスク支持体又はガラス支持枠の接合領域となる領域
    のいずれか一方又は双方を凸部に形成して加熱固着した
    ものであることを特徴としたX線マスク。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のX線マスクにお
    いて、 前記加熱固着は、陽極接合によるものであることを特徴
    としたX線マスク。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のX線マスクにおいて、 前記マスク支持体のガラス支持枠に対する固定部は、前
    記マスク支持体の接合領域となる領域に導電性薄膜を形
    成して陽極接合したものであることを特徴としたX線マ
    スク。
  5. 【請求項5】 X線マスクの素材として用いられるX線
    マスクブランクスであって、 枠状に形成されたマスク支持体と、このマスク支持体に
    張り渡すようにして支持されたX線透過膜と、前記マス
    ク支持体が固定されたガラス支持枠とを有し、 前記マスク支持体のガラス支持枠に対する固定部は、前
    記マスク支持体とガラス支持枠との互いに対向する表面
    うちの一部であって、前記ガラス支持枠にマスク支持体
    を保持できる強度を確保可能な大きさを有する領域のみ
    を加熱固着したものであることを特徴としたX線マスク
    ブランクス。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のX線マスクブランクス
    において、 前記マスク支持体のガラス支持枠に対する固定部は、前
    記マスク支持体又はガラス支持枠の接合領域となる領域
    のいずれか一方又は双方を凸部に形成して加熱固着した
    ものであることを特徴としたX線マスクブランクス。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6に記載のX線マスクブラ
    ンクスにおいて、 前記加熱固着は、陽極接合によるものであるあることを
    特徴としたX線マスクブランクス。
  8. 【請求項8】 基板部材表面にX線透過膜を形成する工
    程と、 前記基板部材における前記X線透過膜を形成した面側と
    反対側の面から該基板部材の周辺部を残して中央部を除
    去することによって基板部材を枠状のマスク支持体に形
    成する工程と、 前記X線透過膜上にX線吸収膜を形成する工程と、 前記X線吸収膜にパターンを形成する工程と、 前記マスク支持体をガラス支持枠に固定する接合工程と
    を有し、 前記接合工程は、前記マスク支持体とガラス支持枠との
    互いに対向する表面のうちの一部であって、前記ガラス
    支持枠にマスク支持体を保持できる強度を確保可能な大
    きさを有する領域のみを接合領域にして加熱固着するも
    のであることを特徴としたX線マスクの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のX線マスクの製造方法
    において、 前記加熱固着が、陽極接合によるものであることを特徴
    としたX線マスクの製造方法。
  10. 【請求項10】 基板部材表面にX線透過膜を形成する
    工程と、 前記基板部材における前記X線透過膜を形成した面側と
    反対側の面から該基板部材の周辺部を残して中央部を除
    去することによって基板部材を枠状のマスク支持体に形
    成する工程と、 前記マスク支持体をガラス支持枠に固定する接合工程と
    を有し、 前記接合工程は、前記マスク支持体とガラス支持枠との
    互いに対向する表面のうちの一部であって、前記ガラス
    支持枠にマスク支持体を保持できる強度を確保可能な大
    きさを有する領域のみを接合領域にして加熱固着するも
    のであることを特徴としたX線マスクブランクスの製造
    方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のX線マスクブラン
    クスの製造方法において、 前記加熱固着が、陽極接合によるものであることを特徴
    としたX線マスクブランクスの製造方法。
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