JP2962049B2 - X線マスク - Google Patents

X線マスク

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健二 丸本
素子 橋本
秀毅 矢部
淳 綾
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばX線リソグラ
フィーなどに使用されるX線マスクに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図3は、例えば文献(月刊Semico
nductor World 1991.5,第107
頁〜第111頁)に記載された従来のX線マスクを示す
断面図である。図において、1はシリコンウエハ、2は
例えば軽元素からなる厚さ数μmのX線透過性基板(以
下メンブレン薄膜という)、3は例えば重元素からなる
X線吸収体の回路パタン、4は例えばガラスやセラミク
スからなる支持枠、5は接着層で、シリコンウエハ1を
支持枠4に接合している。X線マスクは、メンブレン薄
膜2の上に、X線吸収体の回路パタン3が形成された構
成となっている。これらは通常シリコンウエハ1上に作
られ、このシリコンウエハ1は支持枠4に接着層5で接
合されている。支持枠4は、シリコンウエハ1のみでは
不十分なX線マスクの強度を補う。
【0003】ところでX線リソグラフィーにおいて、X
線マスクと被露光体であるシリコンウエハの間隔は、1
0から数十μm程度に設定される。また露光時、シリコ
ンウエハ上の多数のチップを露光するために、X線マス
クとシリコンウエハは相対的に移動させる必要がある。
この相対移動の際にX線マスクとシリコンウエハが接触
するのを避けなければならない。これに加え、より高精
度で再現性のよい露光を行うためには、X線マスクのパ
タン面とシリコンウエハの平行度が優れていることが必
要となる。
【0004】この条件を満足するためには、X線露光機
内のマスクステージとシリコンウエハステージの平行度
に加え、X線マスク自体としても、支持枠4と吸収体パ
タン3の面が十分に平行であることが必須である。
【0005】図3に示すように、シリコンウエハ1と支
持枠4の接合は、通常、接着剤で接着層5を構成してな
される。その際、支持枠4とメンブレン薄膜2を支持す
るシリコンウエハ1の平行度が確保されるように接着す
る必要がある。ところが、この従来例では、支持枠4と
メンブレン薄膜2を界面で接着しており、接着層の厚さ
むらによって、シリコンウエハ1と支持枠4の平行度が
損なわれる。
【0006】この問題点を解消するX線マスクとして、
特開平2ー94428号公報に示されたものがある。図
4はその従来例によるX線マスクを示す断面図である。
図において、1はシリコンウエハ、2はメンブレン薄
膜、2’はシリコンウエハ1をリング状に残してエッチ
ングする時に用いた保護膜、3はX線吸収体パタン、4
は支持枠、5は接着剤である。
【0007】このX線マスクでは、シリコンウエハ1の
下面と支持枠4の上面との界面以外の部分で接着剤5に
よって接着している。このため、界面で接着した場合に
生じる接着層の厚さむらによって、シリコンウエハ1と
支持枠4の平行度が損なわれるのを避けることができ
る。
【0008】ところが上記のようなX線マスクでは、シ
リコンウエハ1の下面と支持枠4の上面との界面以外の
部分で接着するようにしているため、接着面積が小さ
く、十分な接合強度が得られないという問題点があっ
た。また、シリコンウエハ1と支持枠4の界面には何も
充填されていない。このため、接合の後にバックエッチ
ングを行う工程の場合には、バックエッチング時にシリ
コンウエハ1のエッチング液が界面にしみこみ、支持枠
4を侵すという心配もあった。例えば、支持枠4がガラ
スで構成され、エッチング液としてフッ酸や水酸化カリ
ウムを用いた場合、ガラスが溶解してしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
X線マスクでは、支持枠4と吸収体パタン3の面の平行
度が十分でないという問題点があった。また、シリコン
ウエハ1と支持枠4との十分な接合強度が得られないと
いう問題点があった。
【0010】この発明は、かかる問題点を解決するため
になされたもので、シリコンウエハと支持枠が十分な強
度をもって接合され、かつ平行度に優れたX線マスクを
得ることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明に係るX線マス
クは、支持枠に接着層によって接合されるシリコンウエ
ハ、このシリコンウエハに形成されるX線透過性基板、
このX線透過性基板に形成されるX線吸収体パタン、及
び接着層中に保持される大きさの揃ったスペーサを備え
たものである。
【0012】
【作用】上記のように構成されたX線マスクでは、シリ
コンウエハと支持枠が、大きさの揃ったスペーサを保持
した接着層によって接合されているので、十分な強度が
あり、接合の後でバックエッチングを行う工程が採用で
き、また支持枠とX線吸収体パタン面の平行度の確保も
容易である。
【0013】
【実施例】
実施例1.図1はこの発明の一実施例によるX線マスク
を示す断面図である。図において1〜5は従来装置と同
様のものである。また、接着層5は例えばエポキシ接着
剤であり、6は接着層5の中に保持されるスペ−サで、
例えばシリカスペーサである。
【0014】この実施例のX線マスクについて説明す
る。1は厚さ約0.4mmのシリコンウエハで、この上
にX線透過性基板としてメンブレン薄膜2が成膜されて
いる。このシリコンウエハ1と支持枠4の接合は、直径
7μmのシリカ球をスペ−サ6として混入したエポキシ
接着剤5によって行っている。このシリカ球の粒径は非
常に均一であるため、支持枠4であるサポートリングの
上面とシリコンウエハ1の下面の平行度は非常によい。
サポートリング4の加工時に平行度及び平面度を確保す
れば、結局サポートリング4の下面とX線吸収体パタン
3の面との間に十分な平行度が得られる。
【0015】次に、この実施例のX線マスクの製造方法
の一例を、図2により説明する。図2はこの実施例に係
るX線マスクの製造方法を工程順に示す断面図である。
まず(a)で、シリコンウエハ1の上にジクロールシラ
ンとアセチレンを原料ガスとして、化学気相蒸着法(C
VD法)によって、メンブレン薄膜2の材料である炭化
珪素(SiC)を両面に成膜する。続いて(b)で、片
面のメンブレン薄膜2の中央部をエッチングにより除去
する。この窓枠はバックエッチング時のマスクとして機
能する。
【0016】(c)では、シリコンウエハ1を支持枠4
に接着層5により接合する。接着層5の接着剤として
は、例えばエポキシ系のものを用い、中に大きさの揃っ
たスペ−サとして、例えば粒径の揃ったシリカパウダー
を数%混入した。このシリカ球は、真球形状でその直径
は7±0.2μmである。更に(d)で、(b)であけ
た窓をマスクとしてシリコンをエッチングする。エッチ
ング液は、フッ酸と硝酸の混合水溶液を用いた。エッチ
ングは、液組成、濃度にもよるが、およそ5〜20分で
完了した。最後に(e)において、メンブレン薄膜2上
にタングステンでX線吸収体パタン3を形成する。ここ
では、タングステンのスパッタリング、アニーリング、
レジスト塗布、電子ビーム露光、現像、タングステンの
ドライエッチングが含まれるが、図では省略した。
【0017】なお、上記の製造方法は、接合→バックエ
ッチング→パタン形成の順になっているが、上記工程順
に限定されることなく、この発明はシリコンウエハ1と
支持枠4を接合する全てのX線マスクに適用できる。
【0018】上記実施例のようにX線マスクを構成すれ
ば、スペーサ6の大きさが均一であり、接着層5の積層
幅が均一になるので、支持枠4であるサポートリングの
上面とシリコンウエハ1の下面の平行度は非常によくな
る。また、シリコンウエハ1の下面と支持枠4の上面と
の界面で接合するので、充分な強度を有する。さらに
は、接着よりバックエッチングが後に行われる製造方法
に対しても適用可能である。
【0019】また、上記実施例のスペ−サ6は球のもの
を示したが、これに限るものではなく、ファイバ−状の
スペ−サや、箔状のものなど、大きさが揃ったものであ
れば用いることができる。
【0020】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、支持
枠に接着層によって接合されるシリコンウエハ、このシ
リコンウエハに形成されるX線透過性基板、このX線透
過性基板に形成されるX線吸収体パタン、及び接着層中
に保持される大きさの揃ったスペーサを備えたことによ
り、十分な強度を有し、しかもシリコンウエハと支持枠
の平行度も十分確保されるX線マスクが得られる効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1によるX線マスクを示す断
面図である。
【図2】実施例1に係るX線マスクの製造方法を工程順
に示す断面図である。
【図3】従来のX線マスクの一例を示す断面図である。
【図4】従来のX線マスクの他の例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 シリコンウエハ 2 X線透過性基板 3 X線吸収体パタン 4 支持枠 5 接着層 6 スペ−サ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 綾 淳 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内 (72)発明者 松井 安次 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 平4−130621(JP,A) 特開 平3−293716(JP,A) 特開 平2−94423(JP,A) 特開 昭63−104421(JP,A) 特開 昭53−98783(JP,A) 特開 平4−31311(JP,A) 実開 昭62−91441(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/027 G03F 1/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持枠に接着層によって接合されるシリ
    コンウエハ、このシリコンウエハに形成されるX線透過
    性基板、このX線透過性基板に形成されるX線吸収体パ
    タン、及び上記接着層中に保持される大きさの揃ったス
    ペーサを備えたX線マスク。
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