JP2824247B2 - X線マスク及びその製造方法 - Google Patents

X線マスク及びその製造方法

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JP2824247B2 JP2989597A JP2989597A JP2824247B2 JP 2824247 B2 JP2824247 B2 JP 2824247B2 JP 2989597 A JP2989597 A JP 2989597A JP 2989597 A JP2989597 A JP 2989597A JP 2824247 B2 JP2824247 B2 JP 2824247B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケイ素化合物とガ
ラス支持体とを備えたX線マスク及びその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】X線マスク(X線マスクメンブレン、X
線マスクブランクを含む)、マイクロセンサー、マイク
ロマシン等は、耐久性、耐熱性、耐薬品性、耐放射線性
等の要求から、これらの材料として、一般に、窒化ケイ
素、炭化ケイ素等のケイ素化合物が用いられている。こ
れらの材料は一般に脆性が低く、材料の強度の補強及び
作業性の向上のためにガラスと接合することが行われて
いる。そして、この材料とガラスとの接合部にも上記し
た材料の特性以外にもいろいろな特性が要求される。
【0003】例えば、X線マスクにおいては、X線マス
クをステッパーへ装着する際、X線マスクの破損の危険
性を減少させるために、X線マスク基板にガラス支持体
を接合する方法がとられている。この場合、X線マスク
はその作製過程でいくつかの熱処理工程を経るためX線
マスク基板とガラス支持体との接合部には耐熱性が要求
される。また、露光用電磁波として高強度のX線をマス
クに照射することにより微細パターンの転写を行うた
め、X線マスク基板とガラスとの接合部には耐放射線性
も要求される。
【0004】一方、X線マスクのX線透過膜としては、
X線の透過率、上記要求される特性等から、窒化ケイ素
及び炭化ケイ素等のケイ素化合物が用いられている。そ
して、このケイ素化合物をシリコンウェハー(基体)上
に形成する方法としては、作業効率の向上及び量産性か
ら、反応炉内にシリコンウェハーを立て、反応炉内で原
料ガスを反応させる方法CVD法が用いられている(例
えば、特開平2−262324号参照)。
【0005】この方法によれば、シリコンウェハー上に
X線透過膜となるケイ素化合物膜が形成される場合があ
る。そして、この方法によって得られたケイ素化合物膜
とガラスとを接合する方法としては、有機高分子系の接
着剤で接合する方法が用いられてきた。
【0006】このような窒化ケイ素、炭化ケイ素等のケ
イ素化合物とガラスとの接合には、簡便な方法として、
エポキシ樹脂等の有機高分子系の接着剤をガラス基板等
に塗布し、この接着剤を介して上記ケイ素化合物をガラ
ス基板と接合する方法が用いられてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記有
機高分子系の接着剤によりケイ素化合物とガラス基板を
接合する方法では、接着剤を均一に塗布することが非常
に難しく、均一に塗布するためには特殊な装置が必要で
あった。さらには、接合面の接着剤の厚みのコントロー
ルが難しいためバラツキが生じ、接着剤の厚みを極めて
薄くする必要がある場合には使用できないという欠点が
あった。また、接着剤の厚みむらを少なくするために専
用の塗布装置を使用することが多いが、この場合、接合
される材料の形状が著しく制限されてしまうという欠点
もあった。
【0008】さらに、接合工程を厳密に制御したとして
も、接着剤のほとんどが有機化合物によって構成されて
いるため、耐久性、耐熱性、耐薬品性に優れているとは
言い難いものであり、低温下あるいは高温下における接
着強度の著しい劣化、有機溶剤への溶解、接合強度の経
時変化、その接着特性において、信頼性に欠けるという
問題もあった。
【0009】したがって、本発明の目的は、上記欠点を
解決するために成されたものであり、窒化ケイ素、炭化
ケイ素等のケイ素化合物とガラスとを接合する際に、接
着剤等を用いずにこれらを直接的に接合することで、耐
久性、耐熱性、耐薬品性等に優れた接合を有するX線マ
スク及びその製造方法を提供することにある。さらに、
本発明は、ガラスとの接合部分のケイ素化合物を除去す
る工程がなく、X線マスクの応力差が生じ難いX線マス
クの接合方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであり、以下のとおりであ
る。 〔請求項1〕 窒素又は炭素の少なくとも一方を含有す
るケイ素化合物からなるX線透過膜とこのX線透過膜を
支持するガラス支持体とを少なくとも有し、かつ前記X
線透過膜と前記ガラス支持体とが接合されているX線マ
スクにおいて、前記接合が50kg/cm2 以上の引っ
張り試験強度を有することを特徴とするX線マスク。 〔請求項2〕 X線透過膜が基体の少なくとも一方の主
表面に形成された膜であり、このX線透過膜とガラス支
持体とが接合されている請求項1記載のX線マスク。 〔請求項3〕 基体の一方の主表面および他方の主表面
に形成された膜が、窒素又は炭素の少なくとも一方を含
有するケイ素化合物であり、前記一方の主表面に形成さ
れた前記膜がX線透過膜となり、前記他方の主表面に形
成された前記膜の一部または全部がガラス支持体と接合
されているX線マスクにおいて、前記接合が50kg/
cm2 以上の引っ張り試験強度を有することを特徴とす
るX線マスク。 〔請求項4〕 接合が有する引っ張り試験強度が50〜
100kg/cm2 の範囲である請求項1〜3のいずれ
か1項に記載のX線マスク。 〔請求項5〕 ケイ素化合物が窒化ケイ素または炭化ケ
イ素である請求項1〜4のいずれか1項に記載のX線マ
スク。 〔請求項6〕 ケイ素化合物が酸素を含有する請求項1
〜5のいずれか1項に記載のX線マスク。 〔請求項7〕 窒素又は炭素の少なくとも一方を含有す
るケイ素化合物からなるX線透過膜とガラス支持体とを
接触させ、前記X線透過膜に荷重を加えながら、前記X
線透過膜を正極とし、前記ガラス支持体を負極として直
流電圧を印加することにより前記X線透過膜と前記ガラ
ス支持体とを接合させることを特徴とするX線マスクの
製造方法。 〔請求項8〕 X線透過膜が基体の少なくとも一方の主
表面に形成された自立した膜である請求項7記載の製造
方法。 〔請求項9〕 窒素又は炭素の少なくとも一方を含有す
るケイ素化合物からなる膜を両方の主表面に有する基体
を用意し、この基体の一方の膜の中央部及びこの膜の下
の基体を除去して、他方の膜の一部をX線透過膜として
自立させる工程、及び前記一方の膜の残存部分(以下残
存膜という)とガラス支持枠とを接触させ、前記残存膜
に荷重を加えながら、前記残存膜を正極とし、前記ガラ
ス支持枠を負極として直流電圧を印加することにより前
記残存膜と前記ガラス支持枠とを接合させる工程を含む
ことを特徴とするX線マスクの製造方法。 〔請求項10〕 窒素又は炭素の少なくとも一方を含有
するケイ素化合物からなる膜を両方の主表面に有する基
体を用意し、前記膜の一方とガラス支持枠とを接触さ
せ、前記一方の膜に荷重を加えながら、前記一方の膜を
正極とし、前記ガラス支持枠を負極として直流電圧を印
加することにより前記一方の膜と前記ガラス支持枠とを
接合させる工程、及び前記一方の膜の中央部及びこの膜
の下の基体を除去して、他方の膜の一部をX線透過膜と
して自立させる工程を含むことを特徴とするX線マスク
の製造方法。 〔請求項11〕 ケイ素化合物膜に加える荷重が35〜
350g/cm2 の範囲である請求項6〜10のいずれ
か1項に記載の製造方法。 〔請求項12〕 印加する直流電圧が500〜1500
Vの範囲であり、接合温度が250〜400℃の範囲で
ある請求項6〜11のいずれか1項に記載の製造方法。 〔請求項13〕 ケイ素化合物が窒化ケイ素または炭化
ケイ素である請求項6〜12のいずれか1項に記載の製
造方法。 〔請求項14〕 ケイ素化合物が酸素を含有する請求項
6〜13のいずれか1項に記載の製造方法。
【0011】
【作用】本発明において、窒素又は炭素の少なくとも一
方を含有するケイ素化合物を正極とし、ガラスを負極と
して、前記ケイ素化合物に荷重、好ましくは35〜35
0g/cm2 の範囲の荷重を加えながら、直流電圧を印
加することにより、ガラス中の電荷移動可能なイオン、
例えば、ガラス中の正負イオンが、各電極側に移動する
ことにより発生する静電力により接合界面が互いに密着
する。
【0012】本発明に使用できる支持体用のガラスとし
ては、ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、ホウ酸塩
ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、フ
ツリン酸塩ガラス等ガラス中に電荷移動可能なイオンが
含まれているものであれば良い。
【0013】ケイ素化合物を正極とし、ガラスを負極と
する方法は、例えば、これらを2枚の電極板の間に挟み
込むことにより達成できる。このとき、接合する両者は
接触面で静電的に吸着するような平面度を持つことが望
ましい。次に、大気中、真空中あるいは不活性ガスのよ
うに接合されるケイ素化合物とガラスに対して化学変化
などの影響を及ぼさない任意の雰囲気中において直流電
圧印加および加熱を行うことで、前記ケイ素化合物とガ
ラスとを接合させることができる。このときの加熱はイ
オンが電荷移動し易くし、さらに接合界面における脱水
反応と共有結合の形成とを促進させ、接合を強固にする
ために行われるものである。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに説明
する。 実施例1 図1は母材の窒化ケイ素膜とホウケイ酸塩ガラスとを接
合する場合の接合法を示す工程図(断面図)である。
【0015】図1(A)は、直径7.5mm、厚さ0.
5mmの大きさを有するシリコンウェハー(基体)1a
の全面に厚さ10μmの窒化ケイ素膜1bが形成された
基板1を示すものである。なお、シリコンウェハー1a
としては結晶方位(110)のシリコン結晶を用いた。
また、窒化ケイ素膜1bは、CVD法により成膜された
のである。
【0016】図1(A)に示す基板1を図1(B)に示
すように、基板1とほぼ同様の大きさを有するホウケイ
酸塩ガラス(例えば、コーニング社製の商品名パイレッ
クスガラス)2とをそれぞれ一方の主表面で、接触(重
合わせ)させる。次に、図1(C)に示すように、前記
窒化ケイ素膜1bのホウケイ酸塩ガラス2と接触してい
ないもう一方の主表面及びホウケイ酸塩ガラス2の窒化
ケイ素膜と接触していないもう一方の主方面の各々を電
極3a、3bで当接し挟み込む。
【0017】さらに、図1(D)に示すように、電極3
bを絶縁用の石英板4を介してヒーター5の上に置き、
電極3aを正極、電極3bを負極として、直流電圧を印
加しながら、基板1、ホウケイ酸塩ガラス2及び電極3
a、3bを加熱する。このとき接合時間を短縮し、接合
強度を高める目的で荷重6を用いて電極3aの上から加
圧し、窒化ケイ素膜1bとホウケイ酸塩ガラス2とを接
合した。なお、装置は保温用カバー7の中で精密に温度
コントロールされた。
【0018】このときの印加電圧としては、例えば、5
00〜1500Vとすることができる。また、接合温度
としては、例えば、250〜400℃とすることがで
き、接合時間としては、0.5〜5時間とすることがで
きる。さらに、電極3aの上に荷重を加える。加える荷
重としては、例えば、35〜350g/cm2 とするこ
とができる。しかし、これらの印加電圧、接合温度、接
合時間、荷重等はこれらに限定されない。このようにし
て得られる接合体は、X線マスクのマスクブランク用母
材として使用できる。即ち、一方の膜の中央部及びこの
膜の下の基体を除去して、他方の膜の一部を実施例3に
記載のようにX線透過膜として自立させることでX線マ
スク用基板を得ることができる。
【0019】上記条件で接合した窒化ケイ素膜1bとホ
ウケイ酸塩ガラス2の接合強度は従来のエポキシ系接着
剤による接合よりも接合強度に優れ、引っ張り試験強度
において50〜100kg/cm2 の値を示す十分な接
合強度を達成することができた。また、接合部には接着
剤を用いていないので、接合部における厚みのばらつき
の問題もなかった。
【0020】さらに、基板1とホウケイ酸塩ガラス2の
接合体をアルコール、アセトン等の有機溶媒中で洗浄し
ても接合界面に劣化は認められず、大気中から真空中に
至る急激な圧力変化、高温から低温に至る熱変化に対し
ても安定した接合状態を保っていた。この結果から、窒
化ケイ素膜とガラスとが強固に固定され、結果的にその
上部のシリコンウェハー及び窒化ケイ素膜もガラス支持
体と一体化されるので、周知のリソグラフィー法等によ
り窒化ケイ素膜を正確にパターニングすることが可能で
ある。
【0021】実施例2 実施例1の窒化ケイ素の換わりに炭化ケイ素を用いた他
は実施例1と同様にして、ホウケイ酸塩ガラスと接合し
た。その結果、炭化ケイ素膜とホウケイ酸ガラスの接合
強度は従来のエポキシ系接着剤による接合よりも接合強
度に優れ、引っ張り試験強度において50〜100kg
/cm2 の値を示す十分な接合強度を達成することがで
きた。また、接合部には接着剤を用いていないので、厚
みのばらつきの問題もなく、実施例1と同様にX線マス
ク用基板を得ることができる。
【0022】又、基板1とホウケイ酸塩ガラス2の接合
体をアルコール、アセトン等の有機溶媒中で洗浄しても
接合界面に劣化は認められず、大気中から真空中に至る
急激な圧力変化、高温から低温に至る熱変化に対しても
安定した接合状態を保っていた。
【0023】上記実施例1及び2では、シリコンウェハ
ー1の全面に窒化ケイ素膜又は炭化ケイ素膜を施した
が、ガラスと接合される側の窒化ケイ素又は炭化ケイ素
以外は必ずしも必要ではなく、窒化ケイ素膜又は炭化ケ
イ素膜の強度が十分な場合はシリコンウェハーがなくて
も良い。また、シリコンウェハー等を除去して窒化ケイ
素膜又は炭化ケイ素膜のみを自立させてX線マスク用基
板としても良い。
【0024】実施例3 図2はX線マスク材料における窒化ケイ素膜とホウケイ
酸塩ガラス支持枠とを接合する場合の接合法を示す工程
図(断面図)である。
【0025】図2(A)は、直径7.5mm、厚さ0.
5mmの大きさを有するシリコンウェハー(基体)11
aの全面にX線透過膜となる厚さ10μmの窒化ケイ素
膜11bが形成された基板11のうち前記基板11の下
部(ガラスと接合される側の窒化ケイ素膜およびシリコ
ンウェハー)の中央部分を公知の方法で除去し、X線透
過膜を自立させたX線マスクメンブレンを示す図であ
る。
【0026】上記中央部分は例えば、一方の窒化ケイ素
膜をフッ素系ガスと酸素系ガスとの混合ガスを用いる反
応性イオエッチングによって中央部をエッチング除去
し、次に、得られたリング状の窒化ケイ素膜をマスクと
して、NaOH水溶液を用いるエッチング処理によっ
て、シリコンウェハーの中央部を除去することによって
得られる。なお、シリコンウェハー11aとしては結晶
方位(110)のシリコン結晶を用いた。また、窒化ケ
イ素膜11bは、CVD法により成膜されたものであ
る。
【0027】図2(B)に示すように、中央部がぬき穴
になっているホウケイ酸塩から成るガラス支持枠(例え
ば、コーニング社製の商品名パイレックスガラス)12
を中央部が除去された基板11に接触(重合わせ)させ
た。次に、図2(C)に示すように、前記窒化ケイ素膜
11bのホウケイ酸塩ガラス支持枠12と接触していな
い面及びホウケイ酸塩ガラス支持枠12の窒化ケイ素膜
11aと接触していない面の各々を電極13a、13b
で挟み込む。このとき、電極13aは自立した窒化ケイ
素膜11aを傷つけないようにするため、中央に凹部を
設けておいた。
【0028】さらに、図2(D)に示すように、電極1
3bを絶縁用の石英板14を介してヒーター15の上に
置き、電極13aを正極、電極13bを負極にして、直
流電圧を印加しながら、基板11、ホウケイ酸塩ガラス
支持枠12及び電極13a、13bを加熱する。このと
き接合時間を短縮し、接合強度を高める目的で荷重16
を用いて電極13aの上から加圧した。なお、装置は保
温用カバー17の中で精密に温度コントロールされた。
【0029】このときの印加電圧としては、例えば、5
00〜1500Vとすることができる。また、接合温度
としては、例えば、250〜400℃とすることがで
き、接合時間としては、0.5〜5時間とすることがで
きる。さらに、電極13aの上に荷重を加える。加える
荷重としては、例えば、35〜350g/cm2 とする
ことができる。しかし、これらの印加電圧、接合温度、
接合時間、荷重等はこれらに限定されない。この後、X
線吸収膜を形成し、そのX線吸収膜をパターニングする
ことによりX線マスクを作製できる。
【0030】上記条件で接合した窒化ケイ素膜11bと
ホウケイ酸塩ガラス支持枠12の接合強度は従来のエポ
キシ系接着剤による接合よりも接合強度に優れ、引っ張
り試験強度において50〜100kg/cm2 の値を示
す十分な接合強度を達成することができた。また、接合
部には接着剤を用いていないので、厚みのばらつきの問
題も生じず、耐放射線にも優れたものとなる。
【0031】さらに、基板11とホウケイ酸塩がらす支
持枠12の切剛体をアルコール、アセトン等の有機溶媒
中で洗浄しても接合界面に劣化は認められず、大気中か
ら真空中に至る急激な圧力変化、高温から低温に至る熱
変化に対しても安定した接合状態を保っていた。
【0032】本実施例において、X線透過膜を自立させ
る工程は、基板11とガラス支持枠12を接合する前に
行ったが、基板11とガラス支持枠12を接合した後に
行っても良い。さらに、X線吸収膜をX線透過膜の上に
施す工程、X線吸収膜をパターニングする工程も基板1
1とガラス支持枠12を接合する前後どちらで行っても
構わない。したがって、本実施例によれば、ガラス支持
枠に接合する部分の窒化ケイ素膜を除去していないの
で、X線マスクの表裏に生ずる応力差を低減できる。さ
らに、窒化ケイ素膜を除去する必要がないので、製造プ
ロセスが簡略化され、品質及び生産性の向上、コストの
低減が図れる。
【0033】実施例4 実施例1〜3のホウケイ酸ガラスに換えて、アルミノケ
イ酸塩ガラスを用いて、実施例1〜3と同様にしてX線
マスク用基板を得たが、何れも従来のエポキシ系接着剤
を用いた場合より優れた接合を有していた。
【0034】実施例5 実施例1及び3の窒化ケイ素に換えて、酸素を含有する
窒化ケイ素を用いて、実施例1及び3と同様にしてX線
マスク用基板を得たが、何れも従来のエポキシ系接着剤
を用いた場合より優れた接合を有していた。
【0035】実施例6 実施例2の炭化ケイ素に換えて、酸素を含有する炭化ケ
イ素を用いて、実施例2と同様にしてX線マスク用基板
を得たが、何れも従来のエポキシ系接着剤を用いた場合
より優れた接合を有していた。
【0036】
【発明の効果】本発明のケイ素化合物とガラスとの接合
方法によれば、ケイ素化合物とガラスとの間に接着剤を
介在させないので、接合厚のばらつきの問題も解消さ
れ、接着剤の厚みを極めて薄くする費用のあるものにも
好ましく用いることができる。また、接着剤の厚みを考
慮する必要もなく、接合される材料の大きさ、形状には
特に制限を受けず、均一な接合が可能となる。そのた
め、接合強度が高く、耐久性、耐熱性、耐環境性、耐薬
品性に優れ、長期間に渡り安定な接合を維持でき、X線
マスクを得ることができる。さらに、ケイ素化合物及び
ガラスの組成を変えることで、熱膨張係数を容易に変化
させることができ、この熱膨張係数の選択、接合条件を
適宜選択することにより、接合体、即ちX線マスクに加
わる応力をコントロールすることもできる。また、本発
明の接合方法によりX線マスクとガラス支持体を接合し
たものは、X線マスク表裏に生ずる応力差を低減でき、
製造プロセスが簡略化され、品質及び生産性の向上、コ
ストの低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例1の窒化ケイ素とガラスとの接合法
を示す工程図。
【図2】 本実施例3のX線マスクにおける窒化ケイ素
とガラスとの接合法を示す工程図。
【符号の説明】
1a シリコンウェハー 1b 窒化ケイ素 1 基板 2 ホウケイ酸塩ガラス 11a シリコンウェハー 11b 窒化ケイ素 11 基板 12 ホウケイ酸塩ガラス支持体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−162714(JP,A) 特開 平1−266722(JP,A) 特開 平2−199043(JP,A) 特開 昭59−45145(JP,A) 特開 平2−148713(JP,A) 特開 平3−5346(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/027 B32B 17/06 C03C 27/00 G03F 1/16 C04B 37/04

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素又は炭素の少なくとも一方を含有す
    るケイ素化合物からなるX線透過膜とこのX線透過膜を
    支持するガラス支持体とを少なくとも有し、かつ前記X
    線透過膜と前記ガラス支持体とが接合されているX線マ
    スクにおいて、前記接合が50kg/cm2 以上の引っ
    張り試験強度を有することを特徴とするX線マスク。
  2. 【請求項2】 X線透過膜が基体の少なくとも一方の主
    表面に形成された膜であり、このX線透過膜とガラス支
    持体とが接合されている請求項1記載のX線マスク。
  3. 【請求項3】 基体の一方の主表面および他方の主表面
    に形成された膜が、窒素又は炭素の少なくとも一方を含
    有するケイ素化合物であり、前記一方の主表面に形成さ
    れた前記膜がX線透過膜となり、前記他方の主表面に形
    成された前記膜の一部または全部がガラス支持体と接合
    されているX線マスクにおいて、前記接合が50kg/
    cm2 以上の引っ張り試験強度を有することを特徴とす
    るX線マスク。
  4. 【請求項4】 接合が有する引っ張り試験強度が50〜
    100kg/cm2 の範囲である請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載のX線マスク。
  5. 【請求項5】 ケイ素化合物が窒化ケイ素または炭化ケ
    イ素である請求項1〜4のいずれか1項に記載のX線マ
    スク。
  6. 【請求項6】 ケイ素化合物が酸素を含有する請求項1
    〜5のいずれか1項に記載のX線マスク。
  7. 【請求項7】 窒素又は炭素の少なくとも一方を含有す
    るケイ素化合物からなるX線透過膜とガラス支持体とを
    接触させ、前記X線透過膜に荷重を加えながら、前記X
    線透過膜を正極とし、前記ガラス支持体を負極として直
    流電圧を印加することにより前記X線透過膜と前記ガラ
    ス支持体とを接合させることを特徴とするX線マスクの
    製造方法。
  8. 【請求項8】 X線透過膜が基体の少なくとも一方の主
    表面に形成された自立した膜である請求項7記載の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 窒素又は炭素の少なくとも一方を含有す
    るケイ素化合物からなる膜を両方の主表面に有する基体
    を用意し、この基体の一方の膜の中央部及びこの膜の下
    の基体を除去して、他方の膜の一部をX線透過膜として
    自立させる工程、及び前記一方の膜の残存部分(以下残
    存膜という)とガラス支持枠とを接触させ、前記残存膜
    に荷重を加えながら、前記残存膜を正極とし、前記ガラ
    ス支持枠を負極として直流電圧を印加することにより前
    記残存膜と前記ガラス支持枠とを接合させる工程を含む
    ことを特徴とするX線マスクの製造方法。
  10. 【請求項10】 窒素又は炭素の少なくとも一方を含有
    するケイ素化合物からなる膜を両方の主表面に有する基
    体を用意し、前記膜の一方とガラス支持枠とを接触さ
    せ、前記一方の膜に荷重を加えながら、前記一方の膜を
    正極とし、前記ガラス支持枠を負極として直流電圧を印
    加することにより前記一方の膜と前記ガラス支持枠とを
    接合させる工程、及び前記一方の膜の中央部及びこの膜
    の下の基体を除去して、他方の膜の一部をX線透過膜と
    して自立させる工程を含むことを特徴とするX線マスク
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 ケイ素化合物膜に加える荷重が35〜
    350g/cm2 の範囲である請求項6〜10のいずれ
    か1項に記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 印加する直流電圧が500〜1500
    Vの範囲であり、接合温度が250〜400℃の範囲で
    ある請求項6〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 ケイ素化合物が窒化ケイ素または炭化
    ケイ素である請求項6〜12のいずれか1項に記載の製
    造方法。
  14. 【請求項14】 ケイ素化合物が酸素を含有する請求項
    6〜13のいずれか1項に記載の製造方法。
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