JP2002373581A - 画像形成装置の製造方法 - Google Patents

画像形成装置の製造方法

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JP2002373581A
JP2002373581A JP2001181593A JP2001181593A JP2002373581A JP 2002373581 A JP2002373581 A JP 2002373581A JP 2001181593 A JP2001181593 A JP 2001181593A JP 2001181593 A JP2001181593 A JP 2001181593A JP 2002373581 A JP2002373581 A JP 2002373581A
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rear plate
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image forming
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JP2001181593A
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Shinya Koyama
信也 小山
Masahiro Tagawa
昌宏 多川
Osamu Takamatsu
修 高松
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成装置の基板の破損を回避し、両基板
間の間隔を一定に保つ。 【解決手段】 間隔規定治具7に枠2をセットし、その
枠2の上にリアプレート1を置く。リアプレート1と枠
2を位置合わせした後、クリップ13で固定し加圧しな
がら加熱して、フリットガラス6を固化させて枠2とリ
アプレート1を固定する。リアプレート1を間隔規定治
具2から引き離し、リアプレート1に接合された枠2
に、フェイスプレートを、低融点金属であるInを用い
て接合する。間隔規定治具7により枠2の高さが正確に
規定された状態で、フェイスプレートが接合されるた
め、リアプレートとフェイスプレートとの間隔が精度よ
く規定される。間隔規定治具7および枠2の上にリアプ
レート1を置いた状態で加圧されるため、間隔規定治具
7の重量がリアプレート1に加わることはなく、リアプ
レート1の破損が防げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像形成装置の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、多数の電子放出素子を平面基板上
に配置した電子源を用いた装置、たとえば、画像表示装
置や画像記録装置などの画像形成装置等の研究開発が進
められている。なかでも、奥行きの薄い平面型画像表示
装置は、省スペースかつ軽量という利点を有しているの
で、ブラウン管型の表示装置に置き換わるものとして注
目されている。
【0003】図19は、特開平9−82245号公報に
示されている従来の平面型の画像表示装置100の概略
図である。この画像表示装置100は、電子放出素子を
マトリクス状に配置した電子源101を有するリアプレ
ート102と、蛍光体層103を有するフェイスプレー
ト104とを、枠105を介して互いに対向するように
配置して気密容器を形成したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような画像形成装
置100を製造する上で、1対の基板102,104お
よび枠105をすべて同時に接合する方法と、いずれか
一方の基板と枠105を先に接合し、その後で他方の基
板を接合する方法とがある。各基板102,104と枠
105との接合方法が異なる場合、後者の2段階の工程
による製造方法の方が好ましい場合がある。例えば、1
つの基板にゲッタ材が設けられている場合、あまり高温
に加熱するとゲッタ材が効力を失うので、接合材として
低融点金属等を用いて低温で接合工程を行うことが好ま
しい。一方、もう1つの基板にはゲッタ材が設けられて
いなければ、接合材としてフリットガラス等を用いて高
温に加熱しながら接合工程を行うことが好ましい。この
ように、接合条件の異なる2種類の接合工程を行う場
合、1対の基板はそれぞれ別工程にて枠と接合される。
上述のような構成の従来の画像表示装置100におい
て、所望の画像を精度良く形成するためには、1対の基
板102,104と枠105により囲まれる密閉空間が
正確に形成されること、特に、両基板102,104間
の間隔が正確に設定されることが重要である。このため
には、枠105および1対の基板102,104の形状
に歪みがないこと、また枠105と各基板102,10
4とを接合するための接合材が接合部分において均一な
厚さに保たれること等が要求される。しかし、画像表示
装置100の大型化が進む程、これらの要求を全て満た
すのは困難となり、その解決策が求められている。そこ
で、所望の両基板102,104間の間隔と同じ高さを
有する治具(間隔規定治具)106を用いることによ
り、両基板102,104間の間隔を規定することが考
えられている。
【0005】図20は、一方の基板(リアプレート)1
02に枠105を接合する際に、前記したような間隔規
定治具106を基板102上に置き、加圧部材107に
より加圧して枠105の高さを均一に揃えながら基板1
02と枠105とを接合する組み立て方法を示す断面図
である。これは、接合後の枠105の上端面の高さをそ
ろえることを目的として、接合後の枠105の上端面の
所望の高さh(図21参照)と同等の高さを有する間隔
規定治具106を基板102上に置いた状態で、加圧し
ながら枠105の接合を行なうものである。図21は基
板102上に枠105が置かれた状態の断面図であり、
枠105の上端面の高さhが示されている。なお、一対
の基板102,104および枠105を完全に接合した
後で間隔規定治具106を取り外せるような構成にする
ことは困難であるが、図20,21に示す方法では、一
方の基板102と枠105を接合する際に間隔規定治具
106を用い、他方の基板104と枠105を接合する
前に間隔規定治具106を取り外すことができる。
【0006】しかしこの方法の場合、基板102上に置
かれる間隔規定治具106と、間隔規定治具106上に
置かれる加圧部材107の自重が大きいため、基板10
2を傷めることがある。特に、両基板102,104間
にスペーサ等の部材が設けられていない場合には、枠1
05の組み立て時に、間隔規定治具106および加圧部
材107の全荷重が、枠105および枠105が当接す
る基板102の一部(A部)のみに集中するため、この
部分に破損が生じやすい。また、平面型画像表示装置1
00をさらに軽量化するために、基板102の厚みを薄
くすると、間隔規定治具106および加圧部材107の
自重による基板102の破損がより一層生じやすい。こ
の基板102が、電子放出素子をマトリクス状に配置し
た電子源基板(リアプレート)であると、基板102と
ともに電子放出素子が破損したり、基板102の破損が
電子放出素子に悪影響を与えたりして、所望の画像形成
が不可能になるおそれが大きい。このため、枠105と
基板102との接合の際に、このような破損を招くこと
のない組み立て方法が切望されている。
【0007】そこで本願発明の目的は、画像形成装置の
密閉空間を構成するための枠と基板との接合に際し、基
板の破損等を回避しつつ、接合後の枠の高さを所望の高
さに規定して両基板間の間隔を一定に保つ、画像形成装
置の製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、1対の
基板を枠を介して互いに対向させ、1対の基板および前
記枠により囲まれた密閉空間を有する画像形成装置の製
造方法において、1対の基板間の間隔を規定する間隔規
定治具と枠とを配置し、間隔規定治具および枠の上に一
方の基板を置き、一方の基板を加圧しながら枠に接合す
る工程と、枠が接合された一方の基板から間隔規定治具
を取り外し、他方の基板を、一方の基板と枠を介して対
向するように枠に接合する工程とを含むところにある。
間隔規定治具は、枠の、一方の基板との接合状態におけ
る高さを規定する。これによると、一対の基板間に位置
する枠の高さを一定にして、基板間の所望の間隔を保つ
ことができるとともに、間隔規定治具や間隔規定治具の
自重による基板の破損が防止できる。
【0009】一方の基板と枠との接合方法と、他方の基
板と枠との接合方法とが異なっていてもよい。一方の基
板と枠とを、フリットガラスにより接合してもよい。こ
の場合、間隔規定治具には、枠と一方の基板とを接合す
るフリットガラスを逃がすことができる隙間が設けられ
ていることが好ましい。また、他方の基板と枠とを、低
融点金属により接合してもよい。さらに、他方の基板に
ゲッタ材を設けてもよい。
【0010】この場合、組み立て時におけるゲッタ材の
不要な活性化を回避するために、他方の基板と枠とは低
温処理により接合されることが好ましい。したがって、
前記した通り、他方の基板と枠との接合材として低融点
金属を用いる場合がある。基板と枠との接合に、フリッ
トガラスが接合材として用いられる場合には、フリット
ガラスの流動性により、基板または枠の寸法が多少不均
一であってもフリットガラスがその不均一を補償するよ
うにに分布する。すなわち、接合すべき基板と枠との間
隔が広くなっているところには多量のフリットガラスが
浸入して厚く形成され、逆に、接合すべき基板と枠との
間隔が狭くなっているところには少量のフリットガラス
が浸入して薄く形成される。これにより、基板または枠
に多少寸法が不均一なところがあっても、枠上に設けら
れたフリットガラスを含めると高さの総計が一定に保た
れる。フリットガラスはこのような緩衝機能を奏する。
これに対し低融点金属は、フリットガラスのような緩衝
機能は有していない。そのため、低融点金属により他方
の基板と接合される前に、間隔規定治具を用いて枠の高
さを所定の高さに均一に保っておくことが特に効果的で
ある。
【0011】さらに、枠の、他方の基板と接合される端
面に、低融点金属との接合性のよい金属シートを設ける
ことが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0013】(第1の実施形態)図1は、本実施形態に
おいて製造される画像形成装置の概略断面図である。一
方の基板であるリアプレート1が、枠2を介して、他方
の基板であるフェイスプレート3と対向しており、リア
プレート1、枠2、フェイスプレート3によって囲まれ
た密閉空間4が構成されている。リアプレート1は、複
数の表面伝導型電子放出素子がマトリクス状に配置され
た電子源5を有する電子源基板である。一方、フェイス
プレート3は、電子放出素子と対向する蛍光体(図示せ
ず)を有している。枠2とリアプレート1とはフリット
ガラス6を用いて接合されており、枠2とフェイスプレ
ート3は低融点金属21を用いて接合されている。
【0014】この画像形成装置の製造方法について、図
2のフローチャートおよび図3〜17の説明図に沿って
説明する。本実施形態では、先にリアプレート1に枠2
を接合し、その後、リアプレート1および枠2にフェイ
スプレート3を接合する。
【0015】[フリットガラス形成工程]図3に示すよ
うに、予め電子放出素子(表面伝導型電子放出素子)お
よびそれに付随する電極および配線パターン等が形成さ
れた電子源5を有する、ガラス基板などからなるリアプ
レート1の枠接着位置に、ディスペンサー20により流
体状のフリットガラス6を適量塗布する(ステップS
1)。続いて、120℃の温度で10分間加熱して乾燥
した後、360℃の温度で10分間加熱して仮焼成を行
う。
【0016】なお、電子放出素子の作成方法としては、
例えば特開平9−82245号公報に記載されている方
法など、公知の様々な方法が採用される。
【0017】塗布したフリットガラス6は、フリットガ
ラス粉末とビヒクル(有機溶剤と樹脂粉末を混合したも
の)とを攪拌混合して形成されたペースト状のものであ
る。フリットガラスは、後工程の熱処理温度の異なる結
晶性フリットガラスと非晶質性フリットガラスの2つに
大別される。両者のいずれかに限定されるものではない
が、本実施形態では、フリットガラス粉末として結晶性
フリットガラスである旭テクノグラス社製CL23(商
品名)が用いられている。一方、ビヒクルとしては、有
機溶剤であるテルピネオールに樹脂粉末であるデュポン
社製エルバサイト(商品名)を、100:1(重量比)
で混合したものが用いられている。そして、このフリッ
トガラス粉末とビヒクルとが10:1(重量比)で混合
攪拌されてペースト化されたフリットガラス6が用いら
れている。なお、上記した樹脂粉末(エルバサイト)は
ペーストの塗布性を向上するためのものであり、これと
ビヒクルとの混合比や、フリットガラス粉末とビヒクル
の混合比は、本例に限定されるものではなく、適宜に選
択される。
【0018】このペースト状のフリットガラス6が、塗
布され、乾燥された後、仮焼成されている。この仮焼成
は、ペースト形成時に用いられたビヒクル成分を分離除
去するための熱処理であり、この処理によりフリットガ
ラス粉末は軟化温度において一時的に溶融し、この処理
の終了後(常温に戻された後)は固形物となる。
【0019】[間隔規定治具配置工程]前記したリアプ
レート1へのフリットガラス6の形成工程と並行して、
図4に示す間隔規定治具7が用意される。
【0020】図4に示すように、本実施形態の間隔規定
治具7は、リアプレート1とほぼ同じ大きさの平板状部
8と、平板状部8から突出する枠高さ規定部9とからな
る。平板状部から突出する枠高さ規定部9の高さは、枠
2のリアプレート1に接合された状態における高さと、
後述する金属シート10(図5参照)の厚さとを加算し
た高さである。本実施形態では、枠つけ後の高さ(リア
プレート1に接合された状態における枠2の上端面の高
さ)を1.35mmとし、これに後述する金属シートの
厚み0.15mmを加算した1.5mmの規定部高さをも
つ規定治具を用意した。なお、この間隔規定治具7は、
リアプレート1と同程度の熱膨張係数をもつ材料からな
ることが好ましく、本実施形態では、リアプレート1と
同じ材料であるガラスにより形成されている。ただし、
枠高さ規定部9と加圧のための平板状部8とを別部材と
して形成し、これらを接合することにより間隔規定治具
7を構成してもよい。
【0021】ここでは、間隔規定治具7は、枠高さ規定
部9が上方を向くように、平板状部8を下にして置かれ
る(ステップS2)。
【0022】なお、本実施形態では、枠高さ規定部9
が、枠2の配置される部分の内側と外側とに形成されて
いる。内側および外側の枠高さ規定部9は、枠2が配置
された時に枠2の端部との間にそれぞれ2〜3mm程度
の間隔が空くように設けられており、フリットガラス6
の溶融時のはみだしを逃がせる構成になっている。これ
によって、フリットガラス6が間隔規定治具7に付着し
て間隔規定治具7が枠2やリアプレート1に固着される
ことを避けている(図7(b)参照)。ただし、このよ
うな構成に限定されるわけではない。
【0023】図5に示すように、間隔規定治具7の、前
記した内側の枠高さ規定部9と外側の枠高さ規定部9と
の間に、金属シート10が配置される(ステップS
3)。この金属シート10は、後述する枠2の銀厚膜1
1(図7(b)参照)を保護するとともに、銀厚膜11
がガラス製の間隔規定治具7に癒着するのを防ぐための
ものである。金属シート10は、間隔規定治具7、枠
2、およびリアプレート1と同程度の熱膨張を有する、
ガラス以外の材料からなることが好ましい。本実施形態
では、前記の通り厚さが0.15mmである、426合
金(Fe−42%Ni−6%Cr合金)からなり、枠2
と実質的に同じ平面形状の金属シート10が用いられて
いる。
【0024】[枠配置工程]図6に示すように、間隔規
定治具7に配置された金属シート10の上に、枠2が置
かれる(ステップS4)。
【0025】本実施形態では、リアプレート1と同じガ
ラス製の枠2の端面(図6下側端面)に、銀ペーストが
印刷されて銀厚膜11が形成されている。この銀厚膜1
1は、後工程で枠2がフェイスプレート3に接合される
際に用いられる低融点金属21(図1参照)であるIn
との接合性を高めるための下地処理面である。この銀厚
膜11は、高温、加圧条件下でガラスと癒着しやすい
が、前記した通り、ガラス製の間隔規定治具7には金属
シート10が設けられているので、銀厚膜11が間隔規
定治具7に癒着することは防止され、癒着に起因して枠
2に傷が入ることが防止される。
【0026】[リアプレート配置工程]次に、図7に示
すように、間隔規定治具7上に配置された枠2上に、リ
アプレート1が重ねられる。このとき、リアプレート1
に設けられたフリットガラス6が、リアプレート1と枠
2との間に介在する(ステップS5)。
【0027】[位置合わせ工程]前工程において配置さ
れたリアプレート1は、間隔規定治具7に重ねられてい
るものの、枠2に対しては、この時点では必ずしも位置
精度がよくない。そこで、図8,9に示すように、位置
決め治具12を用いて、リアプレート1と枠2および間
隔規定治具7とを位置合わせする(ステップS6)。す
なわち、間隔規定治具7の外側の枠高さ規定部9に形成
されている切欠部9aから位置決め治具12を挿入させ
て、位置決め治具12を枠2に当接させる。間隔規定治
具7の四方から位置決め治具12を挿入することによ
り、枠2の位置が規定され、これによって、枠2とリア
プレート1が位置決めされる。なお、位置決め治具12
の材料は特に限定されるものではなく、本実施形態では
Al製の位置決め治具12を用いた。またこの位置決め
治具7の挿入位置は、前記した例に限定されるものでは
ない。
【0028】[クリップ固定工程]前記の通り組み立て
られた、間隔規定治具7、枠2、リアプレート1、およ
び位置決め治具12を、図10に示すように、クリップ
13で固定する(ステップS7)。クリップ13は、枠
2全体に均一な圧力を加えるように、4辺にそれぞれ均
等に配置されている(図11参照)。
【0029】クリップ13は、後述する加熱工程中に枠
2の位置を固定するとともにフリットガラス6を加圧す
るためのものであるため、耐熱性および所望のバネ力を
有するものであり、この条件を満たすものであれば、材
料は特に限定されるものではない。一般的には、インコ
ネル等の耐熱性金属バネ材料からなるクリップ13が用
いられる。本実施形態では、三菱マテリアル製のメタル
クリップ(材質:MA750(商品名)、バネ加圧部
幅:30mm、バネ力:7mmの押し広げ量の時にバネ
力が約3kg)を20個用い、総荷重30Kgにした。
総荷重は、フリットガラス6の溶融時の粘性等に応じて
決定されるものであり、フリットガラス6の種類に応じ
て適宜調整される。本実施形態では、リアプレート1
に、間隔規定治具7および従来の加圧部材107(図2
0参照)のような大きな重量が加わることはなく、クリ
ップ13のバネ力のみが加わるため、破損するおそれが
ない。さらに、クリップ13の数やバネ力を調整するこ
とによって、フリットガラス6に加わる加圧力を容易に
精度よく設定できる。
【0030】クリップ13による固定が完了したら、図
11,12に示すように、位置決め治具12を取り外す
(ステップS8)。
【0031】[加熱および加圧工程]前記の通りクリッ
プ13により固定された間隔規定治具7、枠2、および
リアプレート1を、図13に示すように電気炉14に投
入する。そして電気炉14内の温度を上昇させ、本実施
形態では425℃で30分間保持する。この加熱によっ
てフリットガラス6は軟化し、軟化状態でクリップ13
の加圧力により、図14に示すように枠高さ規定部9が
リアプレート1に当接するまでフリットガラス6は押圧
される。このように、フリットガラス6がリアプレート
1と枠2とに密着した状態で、間隔規定治具7により金
属シート10および枠2およびフリットガラス6の積層
状態の総厚さが規定される。それから冷却されて、フリ
ットガラス6は結晶化して固化し、枠2とリアプレート
1を固定する(ステップS9)。
【0032】電気炉14は、熱風循環式の炉が一般的で
あるが、温度分布のばらつきが生じると、リアプレート
1の各部の温度差に伴う膨張および収縮の差によって破
損が生じるおそれがある。そのため、リアプレート1お
よび枠2の全体に万遍なく熱風が行き渡り、均等な加熱
が可能な構造の電気炉14が用いられる。また、電気炉
14を用いることにより、図13に示すように、一度に
多数の部材(場合によっては10枚〜20枚程度)のバ
ッチ処理が可能である。なお、図13に示すようにリア
プレート1を水平に置く構造に限られず、縦(垂直方
向)に置く構造であってもよい。
【0033】なお、電気炉14内における昇温レートお
よび降温レートは、原則としてリアプレート1の温度分
布のばらつきによる破損や、熱歪の残留応力低減を考慮
して決定される。本実施形態では、昇温レートを10℃
/min、降温レートを2℃/min程度に制御した。
【0034】[間隔規定治具取り外し工程]電気炉14
内が50℃以下に冷却された後、クリップ13により固
定された間隔規定治具7と枠2とリアプレート1を、電
気炉14内から搬出する。そして、図15に示すよう
に、クリップ13を取り外す。この時点では既に、リア
プレート1と枠2はフリットガラス6により固定されて
いる。なお、クリップ13を取り外す際には、リアプレ
ート1に偏った圧力が加わって破損することがないよう
に、対称位置にある複数のクリップ13を同時に取り外
すことが好ましい。
【0035】それから、図16に示すように、枠2が接
合されたリアプレート1をバキュームチャック15によ
り吸着して、間隔規定治具7から引き離す(ステップS
10)。
【0036】こうして、図17に示すように、リアプレ
ート1と枠2との接合工程が完了する。この枠2は、間
隔規定治具7によって上端面の高さが正確に所望の高さ
になるように形成されている。この後、詳述しないが、
電子源5のフォーミングおよび活性化が行われる。
【0037】[フェイスプレート接合工程]以上のよう
にリアプレート1に接合された枠2に、ゲッタ材(本実
施形態ではBa)が設けられたフェイスプレート3が接
合される。
【0038】まず、枠2のフェイスプレート3との当接
面、すなわちリアプレート1との接合面と反対側の端面
に(正確にはAg膜上に)、接合材として用いられる低
融点金属21であるIn(図1参照)を塗布する(ステ
ップS11)。そして、リアプレート1に、大気圧支持
構造であるスペーサ(図示せず)を取り付ける(ステッ
プS12)。そして、フェイスプレート3を枠2のIn
21塗布面に重ね、真空封着装置によりベークして、I
n21によりフェイスプレート3と枠2とを固定する
(ステップS13)。こうして、図1に示すように、リ
アプレート1とフェイスプレート3とが枠2を介して対
向状態に固定され、密閉空間を形成したパネル状の真空
容器が完成する。その後、詳述しないが、この真空容器
が各種電気部品等に組み込まれて、画像形成装置が形成
される。
【0039】以上説明した製造方法によると、間隔規定
治具7を用いることによりリアプレート1とフェイスプ
レート3との間隔を精度よく規定することができる。特
に、フェイスプレート3にはゲッタ材が設けられてお
り、このゲッタ材を製造工程中に活性化させないため
に、緩衝機能を有するフリットガラスではなく低温で処
理できる薄く緩衝機能の乏しい低融点金属21を用いて
接合するため、枠2の(図17上側端面の)高さを正確
に形成することは非常に有効である。これによって、極
めて良好な画像形成装置が製造できる。なお、本発明
は、画像表示装置に限らず、真空容器を有する、画像記
録装置等のあらゆる画像形成装置に応用可能である。
【0040】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態について説明する。第1の実施形態と同様の部
分については説明を省略する。
【0041】本実施形態では、図18に示すように、間
隔規定治具17の枠高さ規定部19に隙間18が設けら
れている。これにより、リアプレート1と枠2とを接合
するためのフリットガラス6の過剰な部分、すなわちリ
アプレート1と枠2との間からはみ出した部分を隙間1
8に逃がすことができる。フリットガラス6が間隔規定
治具17に付着して、加熱および加圧工程において間隔
規定治具17が枠2やリアプレート1に固着されてしま
うことがないため、枠高さ規定部19の端部と枠2との
間に図7(b)に示されているような間隔を空ける必要
がなく、枠高さ規定部19を、枠2と接する位置まで形
成することができる。すなわち、内側と外側の枠高さ規
定部9の間隔を、枠2の幅と実質的に同じ大きさにする
ことができる。したがって、第1の実施形態のように位
置決め治具12を用いなくても、枠2を位置精度よく配
置することができ、工程数を減らし、画像形成装置の製
造工程を簡単にし、製造時間を短縮し、製造コストを低
減することができる。それ以外の工程は、第1の実施形
態と同様に行われる。
【0042】なお、はみ出したフリットガラス6を逃が
す隙間18は、図18に示すようなテーパを有する構造
に限られず、枠高さ規定部19とリアプレート1との接
合部の周囲に広がる隙間であればどのような形態でもよ
く、様々な形状に形成することが可能である。
【0043】
【発明の効果】本発明によると、間隔規定治具を用いる
ことにより、枠を介して対向する1対の基板の間隔を精
度よく形成することができ、さらに、各基板および枠を
それぞれ適切な接合材を用いて接合することができる。
特にゲッタ材が設けられている基板など高温処理に適し
ない基板の接合を低融点金属で行う場合などには、接合
する相手となる枠の高さが高精度であることが必要とさ
れるため、本発明の方法を用いて枠の高さを規定するこ
とが極めて有効である。さらに、比較的重い間隔規定治
具の自重が基板に加わることがないため、基板の破損が
防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の画像形成装置の製造
方法により製造された画像形成装置の断面図である。
【図2】第1の実施形態の画像形成装置の製造方法を示
すフローチャートである。
【図3】第1の実施形態のフリットガラス形成工程を示
す断面図である。
【図4】(a)は第1の実施形態の間隔規定治具の平面
図、(b)はその断面図である。
【図5】第1の実施形態の金属シート配置工程を示す断
面図である。
【図6】第1の実施形態の枠配置工程を示す断面図であ
る。
【図7】第1の実施形態のリアプレート配置工程を示す
断面図である。
【図8】第1の実施形態の位置合わせ工程を示す断面図
である。
【図9】第1の実施形態の位置合わせ工程を示す、リア
プレートを省略した平面図である。
【図10】第1の実施形態のクリップ固定工程を示す断
面図である。
【図11】第1の実施形態において、クリップ固定後に
位置決め治具を取り外した状態を示す斜視図である。
【図12】第1の実施形態において、クリップ固定後に
位置決め治具を取り外した状態を示す断面図である。
【図13】第1の実施形態の、電気炉への装着状態を示
す斜視図である。
【図14】第1の実施形態の加熱および加圧工程を示す
断面図である。
【図15】(a)は第1の実施形態において、リアプレ
ートと枠とが接合され、間隔規定治具を取り外す前の状
態を示す断面図、(b)はその要部拡大図である。
【図16】第1の実施形態の間隔規定治具取り外し工程
を示す断面図である。
【図17】第1の実施形態において、リアプレートと枠
とが接合された状態を示す断面図である。
【図18】本発明の第2の実施形態において、リアプレ
ートと枠とが接合された状態を示す要部拡大図である。
【図19】従来の画像表示装置の一例の斜視図である。
【図20】従来の画像形成装置の製造方法において、間
隔規定治具と加圧部材を用いて基板に枠を接合する工程
を示す断面図である。
【図21】基板上の枠の高さを示す説明図である。
【符号の説明】
1 リアプレート(一方の基板) 2 枠 3 フェイスプレート(他方の基板) 4 密閉空間 5 電子源 6 フリットガラス 7 間隔規定治具 8 平板状部 9 枠高さ規定部 9a 切欠部 10 金属シート 11 銀厚膜 12 位置決め治具 13 クリップ(加圧部材) 14 電気炉 15 バキュームチャック 17 間隔規定治具 18 隙間 19 枠高さ規定部 20 ディスペンサー 21 低融点金属(In)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高松 修 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 5C012 AA05 AA09

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1対の基板を枠を介して互いに対向さ
    せ、前記1対の基板および前記枠により囲まれた密閉空
    間を有する画像形成装置の製造方法であって、 前記1対の基板間の間隔を規定する間隔規定治具と前記
    枠とを配置し、前記間隔規定治具および前記枠の上に一
    方の前記基板を置き、前記一方の基板を加圧しながら前
    記枠に接合する工程と、 前記枠が接合された前記一方の基板から前記間隔規定治
    具を取り外し、他方の前記基板を前記一方の基板と前記
    枠を介して対向するように前記枠に接合する工程とを含
    む、画像形成装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記間隔規定治具が、前記枠の、前記一
    方の基板との接合状態における高さを規定する請求項1
    に記載の画像形成装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記一方の基板と前記枠との接合方法
    と、前記他方の基板と前記枠との接合方法とが異なる、
    請求項1または2に記載の画像形成装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記一方の基板と前記枠とを、フリット
    ガラスにより接合する、請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の画像形成装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記間隔規定治具には、前記枠と前記一
    方の基板とを接合する前記フリットガラスを逃がすこと
    ができる隙間が設けられている、請求項4に記載の画像
    形成装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記他方の基板と前記枠とを、低融点金
    属により接合する、請求項1〜5のいずれか1項に記載
    の画像形成装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記他方の基板にゲッタ材を設ける、請
    求項6に記載の画像形成装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記枠の、前記他方の基板と接合される
    端面に、前記低融点金属との接合性のよい金属シートを
    設ける、請求項6または7に記載の画像形成装置の製造
    方法。
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Cited By (3)

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