JP2733390B2 - ケイ素化合物とガラスとからなる接合体及び接合方法 - Google Patents

ケイ素化合物とガラスとからなる接合体及び接合方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ケイ素化合物とガラス
とを備えたX線マスク、X線マスクメンブレン、X線マ
スクブランク、マイクロセンター、マイクロマシン等に
有用なケイ素化合物とガラスとの接合体、及びケイ素化
合物とガラスとを静電力密着により接合する前記接合体
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】X線マスク(X線マスクメンブレン、X
線マスクブランクを含む)、マイクロセンサー、マイク
ロマシン等は、耐久性、耐熱性、耐薬品性、耐放射線性
等の要求から、これらの材料として、一般に、窒化ケイ
素、炭化ケイ素等のケイ素化合物が用いられている。こ
れらの材料は一般に脆性が低く、材料の強度の補強及び
作業性の向上のためにガラスと接合することが行われて
いる。そして、この材料とガラスとの接合部にも上記し
た材料の特性以外にもいろいろな特性が要求される。
【0003】例えば、X線マスクにおいては、X線マス
クをステッパーへ装着する際、X線マスクの破損の危険
性を減少させるために、X線マスク基板にガラス支持体
を接合する方法がとられている。この場合、X線マスク
はその作製過程でいくつかの熱処理工程を経るためX線
マスク基板とガラス支持体との接合部には耐熱性が要求
される。また、露光用電磁波として高強度のX線をマス
クに照射することにより微細パターンの転写を行うた
め、X線マスク基板とガラスとの接合部には耐放射線性
も要求される。
【0004】一方、X線マスクのX線透過膜としては、
X線の透過率、上記要求される特性等から、窒化ケイ素
及び炭化ケイ素等のケイ素化合物が用いられている。そ
して、このケイ素化合物をシリコンウェハー(基体)上
に形成する方法としては、作業効率の向上及び量産性か
ら、反応炉内にシリコンウェハーを立て、反応炉内で原
料ガスを反応させる方法CVD法が用いられている(例
えば、特開平2−262324号参照)。
【0005】この方法によれば、シリコンウェハーX線
透過膜となるケイ素化合物膜が形成される場合がある。
そして、この方法によって得られたケイ素化合物膜とガ
ラスとを接合する方法としては、有機高分子系の接着剤
で接合する方法が用いられてきた。
【0006】また、マイクロセンサーとしては、圧力や
加速度を測定するためのセンサーがあり、このセンサー
のセンサー部には、ケイ素化合物とガラスとを接合した
ものが用いられる。例えば、このマイクロセンサーを自
動車等の圧力及び加速度のセンサーに使用した場合、セ
ンサー部は常に排気ガスなどの腐食性ガスに曝されるた
めその接合部には、耐薬品性が要求される。さらに、上
記いずれの場合でも接合状態及び接合強度の長期安定性
も要求されている。
【0007】このような窒化ケイ素、炭化ケイ素等のケ
イ素化合物とガラスとの接合には、簡便な方法として、
エポキシ樹脂等の有機高分子系の接着剤をガラス基板等
に塗布し、この接着剤を介して上記ケイ素化合物をガラ
ス基板と接合する方法が用いられてきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記有
機高分子系の接着剤によりケイ素化合物とガラス基板を
接合する方法では、接着剤を均一に塗布することが非常
に難しく、均一に塗布するためには特殊な装置が必要で
あった。さらには、接合面の接着剤の厚みのコントロー
ルが難しいため接着剤の厚みにバラツキが生じ、接着剤
の厚みを極めて薄くする必要がある場合には使用できな
いという欠点があった。また、接着剤の厚みむらを少な
くするために専用の塗布装置を使用することが多いが、
この場合、接合される材料の形状が著しく制限されてし
まうという欠点もあった。
【0009】さらに、接合工程を厳密に制御したとして
も、接着剤のほとんどが有機高分子化合物によって構成
されているため、耐久性、耐熱性、耐薬品性に優れてい
るとは言い難いものであり、低温下あるいは高温下にお
ける接着強度の著しい劣化、有機溶剤への溶解、接合強
度の経時変化、その接着特性において、信頼性に欠ける
という問題もあった。
【0010】したがって、本発明の目的は、上記欠点を
解決するために成されたものであり、窒化ケイ素、炭化
ケイ素等のケイ素化合物とガラスとを接合する際に、接
着剤等用いずにこれらを直接的に接合することで、耐久
性、耐熱性、耐薬品性等に優れた接合体及びその製造方
法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであり、窒素又は炭素の少な
くとも一方を含有するケイ素化合物とガラスとが接合さ
れている接合体において、前記接合が前記ケイ素化合物
とガラスとの静電力密着によるものであることを特徴と
する本発明の接合体の作製方法であって、前記ケイ素化
合物とガラスとを接触させ、前記ケイ素化合物及びガラ
スのいずれか一方を正極とし、他方を負極として、前記
ケイ素化合物とガラスとの接触面に荷重を加えながら、
直流電圧を印加することにより前記ケイ素化合物と前記
ガラスとを静電力密着により接合させることを特徴とす
るケイ素化合物とガラスとの接合方法に関する。
【0012】さらに本発明は、窒素又は炭素の少なくと
も一方を含有するケイ素化合物とガラスとが接合されて
いる接合体において、前記接合が前記ケイ素化合物とガ
ラスとの静電力密着によるものであることを特徴とする
接合体に関する。上記接合体は、例えば、窒素又は炭素
の少なくとも一方を含有するケイ素化合物が膜であり、
ガラスが支持体であり、前記ケイ素化合物膜と前記ガラ
ス支持体とが接合されているものであることができる。
上記接合体において、接合が有する引っ張り試験強度
は、好ましくは50〜100kg/cm2 の範囲であ
る。また、ケイ素化合物は窒化ケイ素または炭化ケイ素
であることができ、ケイ素化合物が酸素を含有すること
もできる。
【0013】
【作用】 本発明において、窒素又は炭素の少なくとも
一方を含有するケイ素化合物を正極とし、ガラスを負極
として直流電圧を印加することにより、ガラス中の電荷
移動可能なイオン、例えば、ガラス中の正負イオンが各
電極側に移動することにより発生する静電力により接合
界面を互いに密着する。尚、ガラスを正極とし、窒素又
は炭素の少なくとも一方を含有するケイ素化合物を負極
とする場合も同様である。
【0014】本発明に使用できるガラスとしては、ケイ
酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラス、ア
ルミノケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、フツリン酸塩
ガラス等ガラス中に電荷移動可能なイオンが含まれてい
るものであれば良い。
【0015】ケイ素化合物を正極とし、ガラスを負極と
する方法は、例えば、これらを2枚の電極板の間に挟み
込むことにより達成できる。このとき、接合する両者は
接触面で静電的に吸着するような平面度を持つことが望
ましい。次に、大気中、真空中あるいは不活性ガスのよ
うに接合されるケイ素化合物とガラスに対して化学変化
などの影響を及ぼさない任意の雰囲気中において直流電
圧印加および加熱を行うことで、前記ケイ素化合物とガ
ラスとを接合させることができる。このときの加熱はイ
オンが電荷移動し易くし、さらに接合を強固にするため
に行われるものである。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに説明
する。 (実施例1)図1はマイクロマシン等に用いることがで
きる母材の窒化ケイ素膜とホウケイ酸塩ガラスとを接合
する場合の接合法を示す工程図(断面図)である。
【0017】図1(A)は、直径7.5mm、厚さ0.
5mmの大きさを有するシリコンウェハー(基体)1a
の全面に厚さ10μmの窒化ケイ素膜1bが形成された
基板1を示すものである。なお、シリコンウェハー1a
としては結晶方位(110)のシリコン結晶を用いた。
また、窒化ケイ素膜1bは、CVD法により成膜された
ものである。
【0018】図1(A)に示す基板1を図1(B)に示
すように、基板1とほぼ同様の大きさを有するホウケイ
酸塩ガラス(例えば、コーニング社製の商品名パイレッ
クスガラス)2とをそれぞれ一方の主表面で、接触(重
合わせ)させる。
【0019】次に、図1(C)に示すように、前記窒化
ケイ素膜1bのホウケイ酸塩ガラス2と接触していない
もう一方の主表面及びホウケイ酸塩ガラス2の窒化ケイ
素膜と接触していないもう一方の主表面の各々を電極3
a、3bで当接し挟みこむ。
【0020】さらに、図1(D)に示すように、電極3
bを絶縁用の石英板4を介してヒーター5の上に置き、
電極3aを正極、電極3bを負極として、直流電圧を印
加しながら、基板1、ホウケイ酸塩ガラス2及び電極3
a、3bを加熱する。このとき接合時間を短縮し、接合
強度を高める目的で荷重6を用いて電極3aの上から加
圧し、窒化ケイ素膜1bとホウケイ酸塩ガラス2とを接
合した。なお、装置は保温用カバー7の中で精密に温度
コントロールされた。
【0021】このときの印加電圧としては、例えば、5
00〜1500Vとすることができる。また、接合温度
としては、例えば、250〜400℃とすることがで
き、接合時間としては、0.5〜5時間とすることがで
きる。さらに、電極3aの上に荷重を加える。加える荷
重としては、例えば、35〜350g/cmとするこ
とができる。しかし、これらの印加電圧、接合温度、接
合時間、荷重等はこれらに限定されない。このようにし
て得られる接合体は、マイクロセンサーやマイクロマシ
ーン等の母材として使用できる。
【0022】上記条件で接合した窒化ケイ素膜1bとホ
ウケイ酸塩ガラス2の接合強度は従来のエポキシ系接着
剤による接合よりも接合強度に優れ、引っ張り試験強度
において50〜100kg/cm2 の値を示す十分な接
合強度を達成することができた。また、接合部には接着
剤を用いていないので、厚みのばらつきの問題もなかっ
た。
【0023】さらに、基板1とホウケイ酸塩ガラス2の
接合体をアルコール、アセトン等の有機溶媒中で洗浄し
ても接合界面に劣化は認められず、大気中から真空中に
至る急激な圧力変化、高温から低温に至る熱変化に対し
ても安定した接合状態を保っていた。
【0024】この結果から、窒化ケイ素膜とガラスとが
強固に固定され、結果的にその上部のシリコンウェハー
及び窒化ケイ素膜も一体化されるので、周知のリソグラ
フィー法等により窒化ケイ素膜を正確にパタ−ニングす
ることが可能となりマイクロマシンの母材が容易に作製
できる。
【0025】(実施例2)実施例1の窒化ケイ素の換わ
りに炭化ケイ素を用いた他は実施例1と同様にして、ホ
ウケイ酸塩ガラスと接合した。その結果、炭化ケイ素膜
とホウケイ酸ガラスの接合強度は従来のエポキシ系接着
剤による接合よりも接合強度に優れ、引っ張り試験強度
において50〜100kg/cm2の値を示す十分な接
合強度を達成することができた。また、接合部には接着
剤を用いていないので、厚みのばらつきの問題もなかっ
た。
【0026】さらに、基板1とホウケイ酸塩ガラス2の
接合体をアルコール、アセトン等の有機溶媒中で洗浄し
ても接合界面に劣化は認められず、大気中から真空中に
至る急激な圧力変化、高温から低温に至る熱変化に対し
ても安定した接合状態を保っていた。
【0027】上記実施例1及び2では、シリコンウェハ
ー1の全面に窒化ケイ素膜又は炭化ケイ素膜を施した
が、ガラスと接合される側の窒化ケイ素又は炭化ケイ素
以外は必ずしも必要ではなく、窒化ケイ素膜又は炭化ケ
イ素膜の強度が十分な場合はシリコンウェハーがなくて
も良い。また、シリコンウェハー等を除去して窒化ケイ
素膜又は炭化ケイ素膜のみを自立させても良い。
【0028】(実施例3) 図2はX線マスクの製造工程における、窒化ケイ素膜と
ホウケイ酸塩ガラス支持枠とを接合する場合の接合法を
示す工程図(断面図)である。
【0029】図2(A)は、直径7.5mm、厚さ0.
5mmの大きさを有するシリコンウェハー(基体)11
aの全面にX線透過膜となる厚さ10μmの窒化ケイ素
膜11bが形成された基板11のうち前記基板11の下
部(ガラスと接合される側の窒化ケイ素膜およびシリコ
ンウェハー)の中央部分を公知の方法で除去し、X線透
過膜を自立させたX線マスクメンブレンを示す図であ
る。
【0030】上記中央部分は例えば、一方の窒化ケイ素
膜をフッ素系ガスと酸素系ガスとの混合ガスを用いる反
応性イオエッチングによって中央部をエッチング除去
し、次に、得られたリング状の窒化ケイ素膜をマスクと
して、NaOH水溶液を用いるエッチング処理によっ
て、シリコンウェハーの中央部を除去することによって
得られる。なお、シリコンウェハー11aとしては結晶
方位(110)のシリコン結晶を用いた。また、窒化ケ
イ素膜11bは、CVD法により成膜されたものであ
る。
【0031】図2(B)に示すように、中央部がぬき穴
になっているホウケイ酸塩から成るガラス支持枠(例え
ば、コーニング社製の商品名パイレックスガラス)12
を中央部が除去された基板11に接触(重合わせ)させ
た。
【0032】次に、図2(C)に示すように、前記窒化
ケイ素膜11bのホウケイ酸塩ガラス支持枠12と接触
していない面及びホウケイ酸塩ガラス支持枠12の窒化
ケイ素膜11aと接触していない面の各々を電極13
a、13bで挟み込む。このとき、電極13aは自立し
た窒化ケイ素膜11aを傷つけないようにするため、中
央に凹部を設けておいた。
【0033】さらに、図2(D)に示すように、電極1
3bを絶縁用の石英板14を介してヒーター15の上に
置き、電極13aを正極、電極13bを負極にして、直
流電圧を印加しながら、基板11、ホウケイ酸塩ガラス
支持枠12及び電極13a、13bを加熱する。このと
き接合時間を短縮し、接合強度を高める目的で荷重16
を用いて電極13aの上から加圧した。なお、装置は保
温用カバー17の中で精密に温度コントロールされた。
【0034】このときの印加電圧としては、例えば、5
00〜1500Vとすることができる。また、接合温度
としては、例えば、250〜400℃とすることがで
き、接合時間としては、0.5〜5時間とすることがで
きる。さらに、電極13aの上に荷重を加える。加える
荷重としては、例えば、35〜350g/cmとする
ことができる。しかし、これらの印加電圧、接合温度、
接合時間、荷重等はこれらに限定されない。この後、X
線吸収膜を形成し、そのX線吸収膜をパターニングする
ことによりX線マスクを作製できる。
【0035】上記条件で接合した窒化ケイ素膜11bと
ホウケイ酸塩ガラス支持枠12の接合強度は従来のエポ
キシ系接着剤による接合よりも接合強度に優れ、引っ張
り試験強度において50〜100kg/cm2 の値を示
す十分な接合強度を達成することができた。また、接合
部には接着剤を用いていないので、厚みのばらつきの問
題も生じず、耐放射線にも優れたものとなる。
【0036】さらに、基板11とホウケイ酸塩ガラス支
持枠12の接合体をアルコール、アセトン等の有機溶媒
中で洗浄しても接合界面に劣化は認められず、大気中か
ら真空中に至る急激な圧力変化、高温から低温に至る熱
変化に対しても安定した接合状態を保っていた。
【0037】本実施例における接合法以外の工程とし
て、X線透過膜を自立させる工程を、基板11とガラス
支持枠12を接合する前に行ったが、基板11とガラス
支持枠12を接合した後にX線透過膜を自立させる工程
を行い、X線マスクを完成させても良い。さらに、X線
吸収膜をX線透過膜の上に施す工程、X線吸収膜をパタ
ーニングする工程も基板11とガラス支持枠12を接合
する工程の前後どちらで行っても構わない。したがっ
て、本発明の接合方法を利用した本実施例によれば、ガ
ラス支持枠に接合する部分の窒化ケイ素膜を除去してい
ないので、X線マスクを製造する場合にその基板の表裏
に生ずる応力差を低減できる。さらに、窒化ケイ素膜を
除去する必要がないので、製造プロセスが簡略化され、
品質及び生産性の向上、コストの低減が図れる。
【0038】(実施例4)実施例1〜3のホウケイ酸ガ
ラスに換えて、アルミノケイ酸塩ガラスをもちいて、実
施例1〜3と同様にしてガラスの接合をおこなったとこ
ろ、何れも従来のエポキシ系接着剤を用いた場合より優
れていた。
【0039】(実施例5)実施例1及び3の窒化ケイ素
に換えて、酸素を含有する窒化ケイ素をもちいて、実施
例1及び3と同様にしてガラスの接合をおこなったとこ
ろ、何れも従来のエポキシ系接着剤を用いた場合より優
れていた。
【0040】(実施例6)実施例2の炭化ケイ素に換え
て、酸素を含有する炭化ケイ素をもちいて、実施例2と
同様にしてガラスの接合をおこなったところ、何れも従
来のエポキシ系接着剤を用いた場合より優れていた。
【0041】
【発明の効果】本発明のケイ素化合物とガラスとの接合
方法によれば、ケイ素化合物とガラスとの間に接着剤を
介在させないので、接合厚のばらつきの問題も解消さ
れ、接着剤の厚みを極めて薄くする必要のあるものにも
好ましく用いることができる。また、接着剤の厚みを考
慮する必要もなく、接合される材料の大きさ、形状には
特に制限を受けず、均一な接合が可能となる。
【0042】したがって、本発明の接合方法によれば、
静電力密着により接合強度が高く、耐久性、耐熱性、耐
環境性、耐薬品性に優れ、長期間に渡り安定な接合を維
持でき、X線マスク、X線マスクメンブレン、X線マス
クブランク、マイクロセンサー、マイクロマシン等の作
製に好ましく用いることができる。さらに、ケイ素化合
物及びガラスの組成を変えることで、熱膨張係数を容易
に変化させることができ、この熱膨張係数の選択、接合
条件を適宜選択することにより、接合体に加わる応力を
コントロールすることもできる。また、本発明の接合方
法によりケイ素化合物とガラス支持体を静電力密着によ
り接合したものをX線マスクの製造に応用すると、ケイ
素化合物からなるX線マスクの表裏に生ずる応力差を低
減でき、製造プロセスが簡略化され、品質及び生産性の
向上、コストの低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例1の窒化ケイ素とガラスとの接合法を
示す工程図。
【図2】本実施例3のX線マスクにおける窒化ケイ素と
ガラスとの接合法を示す工程図。
【符号の説明】
1a シリコンウェハー 1b 窒化ケイ素 1 基板 2 ホウケイ酸塩ガラス 11a シリコンウェハー 11b 窒化ケイ素 11 基板 12 ホウケイ酸塩ガラス支持体

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素又は炭素の少なくとも一方を含有す
    るケイ素化合物とガラスとが接合されている接合体にお
    いて、前記接合が前記ケイ素化合物とガラスとの静電力
    密着によるものであることを特徴とする接合体。
  2. 【請求項2】 前記接合が50kg/cm2 以上の引っ
    張り試験強度を有することを特徴とする請求項1に記載
    の接合体。
  3. 【請求項3】 窒素又は炭素の少なくとも一方を含有す
    るケイ素化合物が膜であり、ガラスが支持体であり、前
    記ケイ素化合物膜と前記ガラス支持体とが接合されてい
    る、請求項1または2に記載の接合体。
  4. 【請求項4】 ケイ素化合物が窒化ケイ素または炭化ケ
    イ素である請求項1〜3のいずれか1項に記載の接合
    体。
  5. 【請求項5】 ケイ素化合物が酸素を含有する請求項1
    〜4のいずれか1項に記載の接合体。
  6. 【請求項6】 マイクロセンサーまたはマイクロマシン
    用である請求項1〜5のいずれか1項に記載の接合体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の接
    合体の製造方法であって、窒素又は炭素の少なくとも一
    方を含有するケイ素化合物とガラスとを接触させ、前記
    ケイ素化合物及びガラスのいずれか一方を正極とし、他
    方を負極として、前記ケイ素化合物とガラスとの接触面
    に荷重を加えながら、直流電圧を印加することにより前
    記ケイ素化合物と前記ガラスとを静電力密着により接合
    させることを特徴とするケイ素化合物とガラスとの接合
    方法。
  8. 【請求項8】 前記ケイ素化合物を正極とし、ガラスを
    負極とする請求項7に記載の接合方法。
  9. 【請求項9】 ケイ素化合物とガラスとの接触面に加え
    る荷重が35〜350g/cm2 の範囲である請求項7
    または8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 印加する直流電圧が500〜1500
    Vの範囲であり、接合温度が250〜400℃の範囲で
    ある請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法。
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