JP3254224B2 - ダンパ装置 - Google Patents
ダンパ装置Info
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- JP3254224B2 JP3254224B2 JP08908091A JP8908091A JP3254224B2 JP 3254224 B2 JP3254224 B2 JP 3254224B2 JP 08908091 A JP08908091 A JP 08908091A JP 8908091 A JP8908091 A JP 8908091A JP 3254224 B2 JP3254224 B2 JP 3254224B2
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- Japan
- Prior art keywords
- damper
- bending
- vibration
- crankshaft
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- Vibration Prevention Devices (AREA)
- Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばエンジンの
クランク軸といった曲げ振動を伴う回転軸の振動を低減
するダンパ装置に関する。
クランク軸といった曲げ振動を伴う回転軸の振動を低減
するダンパ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンあるいはガソリンエ
ンジンといったレシプロ式の内燃エンジンは、燃焼によ
って発生するピストンの大きな力を回転しながらクラン
ク軸(回転軸)に伝達している。このため、クランク軸
には、上下方向(ラジアル方向)の曲げ振動が発生す
る。この曲げ振動は、クランク軸を支えるベアリングを
叩いたり、クランク軸の軸端のプーリが振れ出したりす
る。またこれら曲げ振動に伴って音が発生する。
ンジンといったレシプロ式の内燃エンジンは、燃焼によ
って発生するピストンの大きな力を回転しながらクラン
ク軸(回転軸)に伝達している。このため、クランク軸
には、上下方向(ラジアル方向)の曲げ振動が発生す
る。この曲げ振動は、クランク軸を支えるベアリングを
叩いたり、クランク軸の軸端のプーリが振れ出したりす
る。またこれら曲げ振動に伴って音が発生する。
【0003】そこで、こうした曲げ振動、音を低減させ
るために、従来より、図5に示されるようにクランク軸
1の先端部にダンパ2を設けることが行われている。な
お、7はフライホイールを示す。
るために、従来より、図5に示されるようにクランク軸
1の先端部にダンパ2を設けることが行われている。な
お、7はフライホイールを示す。
【0004】このようなダンパ2には、例えば図6に示
されるようなクランク軸1に取着する筒状の軸取付部3
の外周部に、環状のゴム部材4を介して環状の慣性体5
(ここでは、プーリを兼ねる)を取着したりする構造が
用いられている。
されるようなクランク軸1に取着する筒状の軸取付部3
の外周部に、環状のゴム部材4を介して環状の慣性体5
(ここでは、プーリを兼ねる)を取着したりする構造が
用いられている。
【0005】そして、このダンパ2をクランク軸1の上
下の曲げモードにマッチングさせて、曲げ振動のピーク
を避けている。
下の曲げモードにマッチングさせて、曲げ振動のピーク
を避けている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、クランク軸
1の曲げモードには、ダンパ2のゴム部材4が変位し
て、ダンパ2がクランク軸端で首を振ることがわかっ
た。つまり、クランク軸1が上下に曲げ振動する上下曲
げモードfd1以外に、図5および図6の二点鎖線で示
すようなゴム部材4自身の変位から、クランク軸1の先
端においてダンパ2が首をふるような曲げが発生するこ
とがわかった。これは、首ふりモード(こじりモード)
fdbという。ところが、従来のダンパ2は、このゴム
部材4の変位がもたらす首ふりモードfdbに対して全
く考慮されていなかった。このため、ダンパ2は、クラ
ンク軸1の曲げ振動に対しては高い効果があるものの、
ゴム部材4が変位してダンパ2が首をふる曲げにはマッ
チングしていないため、この首をふる曲げを原因とした
曲げ振動、騒音の発生はかなりあった。
1の曲げモードには、ダンパ2のゴム部材4が変位し
て、ダンパ2がクランク軸端で首を振ることがわかっ
た。つまり、クランク軸1が上下に曲げ振動する上下曲
げモードfd1以外に、図5および図6の二点鎖線で示
すようなゴム部材4自身の変位から、クランク軸1の先
端においてダンパ2が首をふるような曲げが発生するこ
とがわかった。これは、首ふりモード(こじりモード)
fdbという。ところが、従来のダンパ2は、このゴム
部材4の変位がもたらす首ふりモードfdbに対して全
く考慮されていなかった。このため、ダンパ2は、クラ
ンク軸1の曲げ振動に対しては高い効果があるものの、
ゴム部材4が変位してダンパ2が首をふる曲げにはマッ
チングしていないため、この首をふる曲げを原因とした
曲げ振動、騒音の発生はかなりあった。
【0007】この発明は、このような事情に着目してな
されたもので、その目的とするところは、ゴム部材の変
位でダンパが軸端で首をふりながら回転軸が曲げ振動す
る首ふり曲げモードを考慮したダンパ装置を提供するこ
とにある。
されたもので、その目的とするところは、ゴム部材の変
位でダンパが軸端で首をふりながら回転軸が曲げ振動す
る首ふり曲げモードを考慮したダンパ装置を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にこの発明のダンパ装置は、ゴム部材の変位により回転
軸の端部でダンパが首をふりつつ回転軸が曲げ振動する
首ふり曲げモードにおけるダンパの固有振動数値を、回
転軸が曲げ振動するときの曲げモードの固有振動数値に
対し、0.7〜1.0としたことにある。
にこの発明のダンパ装置は、ゴム部材の変位により回転
軸の端部でダンパが首をふりつつ回転軸が曲げ振動する
首ふり曲げモードにおけるダンパの固有振動数値を、回
転軸が曲げ振動するときの曲げモードの固有振動数値に
対し、0.7〜1.0としたことにある。
【0009】
【作用】この発明のダンパ装置によると、実験した結
果、上記数値範囲にダンパの固有振動数値を設定する
と、ゴム部材が変位して軸端で首をふるモードと、曲げ
振動がもたらす曲げモードとのマッチングがとれて、最
も低いレベルの曲げ振動にすることができた。
果、上記数値範囲にダンパの固有振動数値を設定する
と、ゴム部材が変位して軸端で首をふるモードと、曲げ
振動がもたらす曲げモードとのマッチングがとれて、最
も低いレベルの曲げ振動にすることができた。
【0010】これにより、曲げ振動に伴う回転軸の振動
及び騒音を大幅に低減することができる。
及び騒音を大幅に低減することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明を図1および図3に示す一実施
例にもとづいて説明する。なお、図面において、先の
「従来の技術」の項で述べた構成部分と同じ部分には同
一符号を付してその説明を省略し、この項では異なる部
分について説明することにする。
例にもとづいて説明する。なお、図面において、先の
「従来の技術」の項で述べた構成部分と同じ部分には同
一符号を付してその説明を省略し、この項では異なる部
分について説明することにする。
【0012】すなわち、本実施例は、ダンパ2を、ゴム
部材4の変位によりダンパ2自身が軸端で首をふりなが
らクランク軸1が曲げ振動するという首ふり曲げモード
にマッチングさせたことにある。
部材4の変位によりダンパ2自身が軸端で首をふりなが
らクランク軸1が曲げ振動するという首ふり曲げモード
にマッチングさせたことにある。
【0013】すなわち、fdbをゴム部材4の変位でダ
ンパ2が軸端で首をふりつつクランク軸1が曲げ振動す
るときのダンパの首ふりモードの固有振動数とし、fe
を該クランク軸1の曲げ振動がもたらす曲げモードの固
有振動数としたとき、 fdb=(0.7〜1.0)fe の関係となるようにしてある。
ンパ2が軸端で首をふりつつクランク軸1が曲げ振動す
るときのダンパの首ふりモードの固有振動数とし、fe
を該クランク軸1の曲げ振動がもたらす曲げモードの固
有振動数としたとき、 fdb=(0.7〜1.0)fe の関係となるようにしてある。
【0014】実験によれば、この数値範囲にダンパ2の
固有振動数を定めれば、曲げ振動を低くすることができ
ることがわかった。
固有振動数を定めれば、曲げ振動を低くすることができ
ることがわかった。
【0015】すなわち、従来のクランク軸1が上下に曲
げ振動する曲げモードfd1によると、ゴム部材4の変
位でダンパ2が軸端で首をふるときの首ふり曲げモード
fdbとには、 fdb=(0.4〜0.5)fd1 なる関係がある。そこで、上記(0.7〜1.0)を代
入して、首ふりモードを見ると、 fdb=(0.4〜0.5)X(0.7〜1.0)fe =(0.3〜0.5)fe で表わされる。
げ振動する曲げモードfd1によると、ゴム部材4の変
位でダンパ2が軸端で首をふるときの首ふり曲げモード
fdbとには、 fdb=(0.4〜0.5)fd1 なる関係がある。そこで、上記(0.7〜1.0)を代
入して、首ふりモードを見ると、 fdb=(0.4〜0.5)X(0.7〜1.0)fe =(0.3〜0.5)fe で表わされる。
【0016】しかるに、実験で「fdb/fe」に対す
る曲げ振動を調べると、図2に示されるように従来の上
下の曲げモードのダンパ2は固有振動数が低すぎて、ダ
ンパ2がゴム部材4の変位で軸端で首をふりつつクラン
ク軸1が曲げ振動する首ふり曲げモードにはマッチング
しないものの、この発明のダンパ2によると、該首ふり
曲げモードを考慮した曲げモードにマッチングしている
ことが確認され、最も低いレベルの曲げ振動にすること
ができた。なお、図3はダンパ2の上記首ふり曲げモー
ドのときの固有振動値を、クランク軸系の曲げ固有振動
数値に対し、「0.7」、「0.85」、「1.0」に
したときの曲げ振動のピークを示す。
る曲げ振動を調べると、図2に示されるように従来の上
下の曲げモードのダンパ2は固有振動数が低すぎて、ダ
ンパ2がゴム部材4の変位で軸端で首をふりつつクラン
ク軸1が曲げ振動する首ふり曲げモードにはマッチング
しないものの、この発明のダンパ2によると、該首ふり
曲げモードを考慮した曲げモードにマッチングしている
ことが確認され、最も低いレベルの曲げ振動にすること
ができた。なお、図3はダンパ2の上記首ふり曲げモー
ドのときの固有振動値を、クランク軸系の曲げ固有振動
数値に対し、「0.7」、「0.85」、「1.0」に
したときの曲げ振動のピークを示す。
【0017】したがって、曲げ振動を伴うクランク軸1
の振動および騒音を大幅に低減することができる。
の振動および騒音を大幅に低減することができる。
【0018】なお、一実施例ではプーリが着いたダンパ
2を用いたが、ダンパ2は形状、構造に左右されるもの
ではなく、例えば図4の(a),(b),(c)で示さ
れるような各種構造のダンパ2でもよいことはいうまで
もない。
2を用いたが、ダンパ2は形状、構造に左右されるもの
ではなく、例えば図4の(a),(b),(c)で示さ
れるような各種構造のダンパ2でもよいことはいうまで
もない。
【0019】また一実施例ではこの発明をエンジンのク
ランク軸のダンパに適用したが、これに限らず、曲げ振
動を伴う回転軸の端部にダンパを設けたものにも適用で
きることはいうまでもない。
ランク軸のダンパに適用したが、これに限らず、曲げ振
動を伴う回転軸の端部にダンパを設けたものにも適用で
きることはいうまでもない。
【0020】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
ゴム部材の変位でダンパが軸端で首をふる首ふり曲げモ
ードが考慮され、最も低いレベルの曲げ振動にすること
ができる。
ゴム部材の変位でダンパが軸端で首をふる首ふり曲げモ
ードが考慮され、最も低いレベルの曲げ振動にすること
ができる。
【0021】したがって、曲げ振動を伴う回転軸の振動
および騒音を大幅に低減することができる。
および騒音を大幅に低減することができる。
【図1】この発明の一実施例のダンパ装置が装着された
エンジンのクランク軸系を示す図。
エンジンのクランク軸系を示す図。
【図2】fdb/feに対する曲げ振動を示す線図。
【図3】図2の曲げ振動のピークを示す図。
【図4】(a),(b),(c)は、異なるダンパを示
す断面図。
す断面図。
【図5】エンジンのクランク軸において、首ふりモード
が発生することを説明するための図。
が発生することを説明するための図。
【図6】図5のダンパを示す断面図。
1…クランク軸(回転軸)、2…ダンパ、6…フライホ
イール。
イール。
フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭59−85443(JP,U) 実開 昭62−96141(JP,U) 実開 昭60−18347(JP,U) 実開 昭61−181143(JP,U) 実公 平3−5698(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 15/126
Claims (1)
- 【請求項1】 曲げ振動を伴う回転軸の端部に、該回転
軸の曲げ振動を低減するべく、ゴム部材を有するダンパ
を設けて構成されるダンパ装置において、前記ゴム部材
の変位により前記回転軸の端部で前記ダンパが首をふり
つつ前記回転軸が曲げ振動する首ふり曲げモードにおけ
る前記ダンパの固有振動数値を、前記回転軸が曲げ振動
する曲げモードの固有振動数値に対し、0.7〜1.0
としたことを特徴とするダンパ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08908091A JP3254224B2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | ダンパ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08908091A JP3254224B2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | ダンパ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04302741A JPH04302741A (ja) | 1992-10-26 |
JP3254224B2 true JP3254224B2 (ja) | 2002-02-04 |
Family
ID=13960885
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08908091A Expired - Fee Related JP3254224B2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | ダンパ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3254224B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7124684B2 (ja) * | 2018-12-14 | 2022-08-24 | トヨタ自動車株式会社 | クランクシャフト装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61181143U (ja) * | 1985-05-02 | 1986-11-12 |
-
1991
- 1991-03-29 JP JP08908091A patent/JP3254224B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04302741A (ja) | 1992-10-26 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19990622 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees | ||
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R371 | Transfer withdrawn |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371 |