JP2004132492A - ロータリダンパ - Google Patents

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Tatsuo Uno
宇野 達夫
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Abstract

【課題】弾性体の介装構造若しくは質量体の周方向の質量分布を工夫することにより、大型化を伴うことなく回転軸の振動を効果的に減衰させる。
【解決手段】回転軸としてのクランクシャフト12の軸線22に整合してクランクシャフトに固定されるハブ部材14と、該ハブ部材に嵌合する環状の質量体としてのプーリ部材16と、ハブ部材とプーリ部材との間に介装されるゴム状弾性材18とを有し、クランクシャフト12の振動を減衰させるロータリダンパとしてのダンパプーリであって、ハブ部材14の外面30及びプーリ部材16の内面32は周方向に互いに隔置された大径部26A、16A及び小径部26B、16Bを有し、ハブ部材14の外面30及びプーリ部材の内面32は大径部と小径部の間に互いに対向する凹部34及び36を有し、ゴム状弾性材18は凹部34、36に介装され、実質的に剪断応力を受けない。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動を減衰させるダンパに係り、更に詳細には回転軸の振動を減衰させるロータリダンパに係る。
【0002】
【従来の技術】
回転軸に固定され回転軸の回転振動を減衰させるロータリダンパの一つとして、例えば下記の特許文献1に記載されている如く、回転軸に固定されるハブと、該ハブを囲繞し環状の質量体として機能する環状のプーリ部材と、ハブとプーリ部材との間に介装されたゴムの如き弾性体とを有するダンパプーリが従来より知られている。
【0003】
かかるダンパプーリによれば、回転軸に回転振動が発生すると、ハブとプーリ部材とが相対回転変位しようとするが、それらの間に介装された弾性体が弾性変形し、その弾性変形による復元力によりハブ及びプーリ部材の相対回転を抑制するトルクが発生されるので、通常のプーリの場合に比して回転軸の回転振動の発生を低減することができる。
【特許文献1】
特開平5−302658号公報
【特許文献2】
実公平5−44600号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上述の如き従来のダンパプーリに於いては、回転軸の回転振動に伴うハブ及びプーリ部材の相対回転により弾性体は繰り返し剪断力を受けるため、回転軸の回転振動を効果的に減衰させるべくプーリ部材(質量体)の質量が大きく設定されると、弾性体の体積も大きく設定されなければならず、そのためダンパプーリの小型化と高性能化との両立を図ることができないという問題がある。
【0005】
また例えば内燃機関のクランクシャフトの如く回転軸が回転する際にその軸線が特定の径方向に曲げ振動するものがあるが、プーリ部材の質量及び弾性体の厚さが全周に亘り一定であるため、回転軸の回転振動を減衰させることはできても回転軸の曲げ振動を減衰させることができないという問題がある。
【0006】
本発明は、回転軸に固定されるハブと、該ハブを囲繞し環状の質量体として機能する環状のプーリ部材と、ハブとプーリ部材との間に介装された弾性体とを有する従来のダンパプーリに於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、弾性体の介装構造若しくは質量体の周方向の質量分布を工夫することにより、大型化を伴うことなく回転軸の振動を効果的に減衰させることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の主要な課題は、本発明によれば、回転軸の軸線に整合して回転軸に固定されるハブ部材と、前記ハブ部材に嵌合する環状の質量体と、前記ハブ部材と前記質量体との間に介装されるゴム状弾性材とを有し、回転軸の振動を減衰させるロータリダンパにして、前記ハブ部材の外面及び前記質量体の内面は周方向に互いに隔置された複数の大径部及び小径部を有し、前記ハブ部材の外面及び前記質量体の内面は大径部と小径部との間に互いに対向する凹部を有し、前記ゴム状弾性材は前記凹部に介装されていることを特徴とするロータリダンパ(請求項1の構成)、回転軸の軸線に整合して回転軸に固定されるハブ部材と、前記ハブ部材に嵌合する環状の質量体と、前記ハブ部材と前記質量体との間に介装されるゴム状弾性材とを有し、回転軸の振動を減衰させるロータリダンパにして、前記ハブ部材の外面及び前記質量体の内面は周方向に互いに隔置された複数の大径部及び小径部を有し、前記ゴム状弾性材は前記ハブ部材の大径部と前記質量体の小径部との間にて前記ハブ部材の小径部と前記質量体の大径部との間に介装されていることを特徴とするロータリダンパ(請求項2の構成)、回転軸の軸線に整合して回転軸に固定されるハブ部材と、前記ハブ部材に嵌合する環状の質量体と、前記ハブ部材と前記質量体との間に介装されるゴム状弾性材とを有し、回転軸の振動を減衰させるロータリダンパにして、前記質量体は前記軸線に対し特定の径方向の質量が前記特定の径方向に垂直な方向の質量に比して小さく設定されていることを特徴とするロータリダンパ(請求項3の構成)によって達成される。
【0008】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項3の構成に於いて、前記ハブ部材の外面及び前記質量体の内面は真円であり、前記質量体の外面の少なくとも一部は前記特定の径方向を短径とする楕円であるよう構成される(請求項4の構成)。
【0009】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項3の構成に於いて、前記ハブ部材の外面及び前記質量体の内面は前記特定の径方向を長径とする楕円であるよう構成される(請求項5の構成)。
【0010】
【発明の作用及び効果】
上記請求項1の構成によれば、ハブ部材の外面及び質量体の内面は周方向に互いに隔置された複数の大径部及び小径部を有し、ハブ部材の外面及び質量体の内面は大径部と小径部との間に互いに対向する凹部を有し、ゴム状弾性材は凹部に介装されており、また上記請求項2の構成によれば、ハブ部材の外面及び質量体の内面は周方向に互いに隔置された複数の大径部及び小径部を有し、ゴム状弾性材はハブ部材の大径部と質量体の小径部との間にてハブ部材の小径部と質量体の大径部との間に介装されている。
【0011】
従って回転軸に回転振動が生じ、ハブ部材が質量体に対し軸線の周りに相対回転すると、ゴム状弾性材がハブ部材の大径部と質量体の小径部との間にて圧縮応力又は引張り応力を受け、これらの応力により質量体に対するハブ部材の相対回転が効果的に抑制されるので、回転軸の回転振動を効果的に減衰させることができる。
【0012】
またハブ部材が質量体に対し相対回転しても、ゴム状弾性材は殆ど剪断応力を受けないので、ゴム状弾性材がハブ部材と質量体との間に円筒状に全周に亘り配設された従来のロータリダンパの場合に比して、質量体の質量を大きくして回転軸に対する制振効果を向上させることができ、またゴム状弾性材の耐久性を向上させることができ、更には質量体の質量を大きくしてもゴム状弾性材の厚さ(径方向の寸法)を大きくする必要がないので、ロータリダンパの大型化を回避することができる。
【0013】
特に上記請求項2の構成によれば、上述の請求項1の構成の場合よりも更に一層ゴム状弾性材が剪断応力を受ける虞れを低減することができ、またハブ部材の外面及び質量体の内面に大径部と小径部との間に互いに対向する凹部を設ける必要がないので、上述の請求項1の構成の場合に比して、ロータリダンパを能率よく低廉に製造することができる。
【0014】
また上記請求項3の構成によれば、質量体は回転軸の軸線に対し特定の径方向の質量が特定の径方向に垂直な方向の質量に比して小さく設定されているので、ロータリダンパが固定された回転軸の特定の径方向に沿う方向の慣性モーメントを低減することができ、これにより回転軸の特定の径方向に沿う方向の加振力を受ける場合にもその加振力に起因する回転軸の曲げ振動を効果的に低減することができる。
【0015】
また上記請求項4の構成によれば、ハブ部材の外面及び質量体の内面は真円であり、質量体の外面の少なくとも一部は特定の径方向を短径とする楕円であるので、上記請求項5の構成の如くハブ部材の外面及び質量体の内面が特定の径方向を長径とする楕円である場合に比して、ハブ部材及び質量体の加工を容易に行うことができ、これによりロータリダンパを容易に且つ低廉に製造することができる。
【0016】
また上記請求項5の構成によれば、ハブ部材の外面及び質量体の内面は特定の径方向を長径とする楕円であるので、質量体の外径が制約を受けず、従ってロータリダンパが質量体の外周にベルト溝を有するダンパプーリとして構成される場合に、ベルト溝に制約が加えられることを確実に回避することができる。
【0017】
【課題解決手段の好ましい態様】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至5の構成に於いて、質量体は外周にベルト溝を有するプーリ部材であり、これによりロータリダンパはダンパプーリであるよう構成される(好ましい態様1)。
【0018】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至5の構成に於いて、ハブ部材の外面及び質量体の内面は径方向に互いに隔置されているよう構成される(好ましい態様2)。
【0019】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、質量体は軸線に対し特定の径方向の質量が特定の径方向に垂直な方向の質量に比して小さく設定されているよう構成される(好ましい態様3)。
【0020】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様3の構成に於いて、ハブ部材の外面及び前記質量体の内面は真円であり、前記質量体の外面の少なくとも一部は前記特定の径方向を短径とする楕円であるよう構成される(好ましい態様4)。
【0021】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様3の構成に於いて、ハブ部材の外面及び前記質量体の内面は前記特定の径方向を長径とする楕円であるよう構成される(好ましい態様5)。
【0022】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2の構成に於いて、質量体は軸線に対し特定の径方向の質量が特定の径方向に垂直な方向の質量に比して小さく設定されているよう構成される(好ましい態様6)。
【0023】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様6の構成に於いて、ハブ部材の外面及び前記質量体の内面は真円であり、前記質量体の外面の少なくとも一部は前記特定の径方向を短径とする楕円であるよう構成される(好ましい態様7)。
【0024】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様6の構成に於いて、ハブ部材の外面及び前記質量体の内面は前記特定の径方向を長径とする楕円であるよう構成される(好ましい態様8)。
【0025】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は3の構成に於いて、ハブ部材の大径部の外面と質量体の大径部の内面との間及びハブ部材の小径部の外面と質量体の小径部の内面との間にはゴム状弾性材は介装されていないよう構成される(好ましい態様9)。
【0026】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項3の構成に於いて、回転軸は内燃機関のクランクシャフトであり、特定の径方向はロータリダンパに最も近い気筒に於けるピストンの往復動方向であるよう構成される(好ましい態様10)。
【0027】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項3の構成に於いて、ゴム状弾性材は全周に亘りハブ部材と質量体との間に介装されるよう構成される(好ましい態様11)。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態(以下単に実施形態という)について詳細に説明する。
【0029】
第一の実施形態
図1は内燃機関のクランクシャフト用ダンパプーリとして構成された本発明によるロータリダンパの第一の実施形態を示す正面図である。
【0030】
図1に於いて、ダンパプーリ10は図には示されていない内燃機関のクランクシャフト12と共に回転するようボルトの如き固定手段によりクランクシャフト12に固定されるハブ部材14と、ハブ部材14に嵌合する環状の質量体としてのプーリ部材16と、ハブ部材14とプーリ部材16との間に介装されゴム、樹脂等よりなる複数個のゴム状弾性材18とを有している。
【0031】
プーリ部材16はその外周に軸線22を中心として円弧状に延在するベルト溝20を有し、ベルト溝20にて図には示されていないベルトを巻き掛け状態にて受けるようになっている。またプーリ部材16の外形は楕円形をなし、ダンパプーリ10は、図には示されていない内燃機関の第一の気筒、即ちダンパプーリ10に最も近い気筒のピストンが上死点又は下死点にあるときにプーリ部材16の楕円形の短径方向がピストンの往復動方向(図1に於いて上下方向)になるよう、クランクシャフト12に固定されている。
【0032】
ハブ部材14はクランクシャフト12の軸線22に整合してクランクシャフト12に固定される円筒状のボス部24と、ボス部24より径方向外方へ隔置された位置にて軸線16に整合して環状に延在する円筒状のリム部26と、径方向に延在しボス部24とリム部26とを一体に接続する四つのアーム部28とを有している。尚アーム部28の数は任意の数であってよく、また軸線22に垂直に延在する円板状をなしていてもよい。
【0033】
特に図示の第一の実施形態に於いては、ハブ部材14のリム部26の外面30は周方向に互いに均等に隔置された八つの大径部26Aと八つの小径部26Bとを有し、大径部26A及び小径部26Bはそれぞれ同一の角度範囲に亘り軸線22を中心とする円弧状に延在している。同様にプーリ部材16の内面32は周方向に互いに均等に隔置された八つの大径部16Aと八つの小径部16Bとを有し、大径部16A及び小径部16Bはそれぞれ同一の角度範囲に亘り軸線22を中心とする円弧状に延在している。
【0034】
リム部26の大径部26A及びプーリ部材16の大径部16Aは互いに径方向に隔置され、リム部26の小径部26B及びプーリ部材16の小径部16Bは互いに径方向に隔置されており、これによりクランクシャフト12の振動に起因してハブ部材14及びプーリ部材16が軸線22に垂直な方向へ相対的に微小変位してもそれらが互いに衝当しないようになっている。リム部26の大径部26A及びプーリ部材16の小径部16Bは互いに他に対し周方向に均等に隔置され、それぞれ径方向に延在する側面を有している。
【0035】
リム部26の外面30及びプーリ部材16の内面32はリム部26の大径部26Aとプーリ部材16の小径部16Bとの間に互いに径方向に対向する凹部34及び36を有し、凹部34及び36の側面はリム部26の大径部26Aの側面及びプーリ部材16の小径部16Bの側面に径方向に整合している。ゴム状弾性材18は凹部34及び36に介装され、リム部26の大径部26Aの側面、プーリ部材16の小径部16Bの側面、凹部34及び36の壁面に加硫接着により接合されている。
【0036】
第二の実施形態
図2は内燃機関のクランクシャフト用ダンパプーリとして構成された本発明によるロータリダンパの第二の実施形態を示す正面図である。尚図2に於いて図1に示された部材と同一の部材には図1に於いて付された符号と同一の符号が付されている。
【0037】
この第二の実施形態に於いては、プーリ部材16の大径部16Aはリム部26の大径部26Aよりも大きい角度範囲に亘り円弧状に延在し、リム部26の小径部26Bはプーリ部材16の小径部16Bよりも大きい角度範囲に亘り円弧状に延在している。上述の第一の実施形態に於ける凹部34及び36に相当する凹部は設けられておらず、ゴム状弾性材18はリム部26の大径部26Aとプーリ部材16の小径部16Bとの間にてリム部26の小径部26Bとプーリ部材16の大径部16Aとの間に介装され、リム部26の大径部26Aの側面、プーリ部材16の小径部16Bの側面、リム部26の小径部26Bの外面、プーリ部材16の大径部16Aの内面に加硫接着により接合されている。尚この第二の実施形態の他の点は上述の第一の実施形態と同様に構成されている。
【0038】
第三の実施形態
図3は内燃機関のクランクシャフト用ダンパプーリとして構成された本発明によるロータリダンパの第三の実施形態を示す正面図である。尚図3に於いて図1に示された部材と同一の部材には図1に於いて付された符号と同一の符号が付されている。
【0039】
この第三の実施形態に於いては、プーリ部材16の外径はベルト溝20と同様軸線22を中心として円弧状に延在しているが、リム部26の内面、リム部26の大径部26A及び小径部26Bの外面、プーリ部材16の大径部16A及び小径部16Bの内面、凹部34の外面、凹部36の内面はそれぞれ図3の上下方向を長径とする楕円形をなしている。尚この第三の実施形態の他の点は上述の第一の実施形態と同様に構成されている。
【0040】
第四の実施形態
図4は内燃機関のクランクシャフト用ダンパプーリとして構成された本発明によるロータリダンパの第四の実施形態を示す正面図である。尚図4に於いて図1に示された部材と同一の部材には図1に於いて付された符号と同一の符号が付されている。
【0041】
この第四の実施形態に於いては、上述の第一及び第三の実施形態に於ける凹部34及び36に相当する凹部は設けられておらず、プーリ部材16の大径部16Aはリム部26の大径部26Aよりも大きい角度範囲に亘り円弧状に延在し、リム部26の小径部26Bはプーリ部材16の小径部16Bよりも大きい角度範囲に亘り円弧状に延在している。
【0042】
また上述の第二の実施形態と同様、ゴム状弾性材18はリム部26の大径部26Aとプーリ部材16の小径部16Bとの間にてリム部26の小径部26Bとプーリ部材16の大径部16Aとの間に介装され、リム部26の大径部26Aの側面、プーリ部材16の小径部16Bの側面、リム部26の小径部26Bの外面、プーリ部材16の大径部16Aの内面に加硫接着により接合されている。尚この第四の実施形態の他の点は上述の第三の実施形態と同様に構成されている。
【0043】
以上の如く構成された図示の各実施形態に於いて、回転軸としてのクランクシャフト12に回転振動が生じ、ハブ部材14がプーリ部材16に対し軸線22の周りに微小な角度範囲に亘り相対回転すると、各ゴム状弾性材18がリム部26の大径部26Aとプーリ部材16の小径部16Bとの間にて周方向に圧縮応力又は引張り応力を受け、これらの応力によりプーリ部材16に対するハブ部材14の相対回転が抑制されるので、クランクシャフト12の回転振動を効果的に減衰させることができる。
【0044】
また各図示の実施形態によれば、ハブ部材14がプーリ部材16に対し相対回転しても、各ゴム状弾性材18には実質的に剪断応力が作用しないので、ゴム状弾性材がハブ部材とプーリ部材との間に円筒状に全周に亘り配設された従来のダンパプーリの場合に比して、プーリ部材16の質量を大きくしてクランクシャフト12に対する制振効果を向上させることができ、またゴム状弾性材の耐久性を向上させることができ、更にはプーリ部材の質量を大きくしてもゴム状弾性材の厚さ(径方向の寸法)を大きくする必要がないので、ダンパプーリの大型化を回避することができる。
【0045】
また一般に、内燃機関のクランクシャフトに於いては、ピストンの往復運動に起因する曲げ振動が生じ易い。図5は内燃機関に於いてクランクシャフトに曲げ振動が発生するメカニズムを示している。図5に於いて、クランクシャフト100は軸線102に沿う複数の位置に於いてシリンダブロック104により回転可能に支持され、ダンパプーリ106はシリンダブロック104外にてクランクシャフト100の前端に取り付けられている。
【0046】
従ってダンパプーリ106に最も近い気筒(No.1気筒)の爆発行程に於いてピストン108が受けた下向きの力がコネクティングロッド110を介してクランクシャフト100のピン部に作用し、そのためクランクシャフト100が図5(B)に誇張して示されている如く弾性変形し、クランクシャフト100の前端部の軸線102は上下に揺動振動する。
【0047】
上述の第一及び第二の実施形態によれば、プーリ部材16の外形が楕円形をなすことにより、また上述の第三及び第四の実施形態によれば、リム部26の外面30及びがプーリ部材16の内面32が楕円形をなすことにより、プーリ部材16は特定の径方向の質量が最も小さく且つこれに垂直な径方向の質量が最も大きいよう構成されており、ダンパプーリ10は上記特定の径方向がダンパプーリに最も近いピストンの往復動方向になるようクランクシャフト12に取り付けられている。
【0048】
従ってダンパプーリ10に最も近い気筒の爆発行程に於いてピストンによりコネクティングロッドを介してクランクシャフト12が受ける応力に起因する曲げ振動の方向の慣性モーメントを小さくすることができ、これによりプーリ部材の質量がその全周に亘り一定である従来の一般的なダンパプーリの場合に比して、クランクシャフトの曲げ振動及びこれに起因するシリンダブロックの軸受に対する加振力を低減することができる。
【0049】
また図示の実施形態によれば、クランクシャフト12の振動に起因してハブ部材14及びプーリ部材16が軸線22に垂直な方向へ相対的に微小変位してもそれらが互いに衝当しないよう、リム部26の小径部26Bの外面及びプーリ部材16の小径部16Bの内面は互いに他に対し径方向に隔置され、リム部26の大径部26Aの外面及びプーリ部材16の大径部16Aの内面は互いに他に対し径方向に隔置されているので、これらの外面及び内面に高い寸法精度が要求されることを確実に回避することができる。
【0050】
また図示の第一及び第三の実施形態によれば、リム部26の大径部26A、小径部26Bの外面及びプーリ部材16の大径部16A、小径部16Bの内面は円弧状をなしているので、上述の第二及び第四の実施例の場合に比してダンパプーリを容易に且つ低廉に製造することができ、逆に上述の第二及び第四の実施形態によれば、リム部26の外面及びプーリ部材16の内面は特定の径方向を長径とする楕円形をなしているので、プーリ部材16のベルト溝20に対し制約を加えることなく特定の径方向の質量を最も小さくし且つそれに垂直な方向の質量を最も大きくすることができる。
【0051】
また図示の第二及び第四の実施形態によれば、凹部34及び36に相当する凹部は設けられておらず、ゴム状弾性材18はリム部26の大径部26Aとプーリ部材16の小径部16Bとの間にてリム部26の小径部26Bとプーリ部材16の大径部16Aとの間に介装されているので、第一及び第三の実施形態の場合に比して、ダンパプーリの構造を簡単にし、これによりダンパプーリの製造コストを低減することができる。
【0052】
以上に於いては本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0053】
例えば上述の各実施形態に於いては、リム部26の小径部26Bの外面とプーリ部材16の小径部16Bの内面との間及びリム部26の大径部26Aの外面とプーリ部材16の大径部16Aの内面との間にはゴム状弾性材は介装されていないが、これらの面の間にもゴム状弾性材が介装されてよく、その場合それらのゴム状弾性材はゴム状弾性材18と一体をなしていてよい。
【0054】
上述の第一及び第二の実施形態に於いては、プーリ部材16の外形が楕円形をなすことにより、また上述の第三及び第四の実施形態に於いては、リム部26の外面30及びがプーリ部材16の内面32が楕円形をなすことにより、プーリ部材16は特定の径方向の質量が最も小さく且つこれに垂直な径方向の質量が最も大きいよう構成されているが、プーリ部材16の外形が楕円形をなすと共にリム部26の外面30及びがプーリ部材16の内面32が楕円形をなすよう構成され、これによりプーリ部材16の外形の大径と小径との差を大きくすることなく特定の径方向の質量とこれに垂直な径方向の質量との差が大きくなるよう修正されてもよい。
【0055】
また上述の第一及び第三の実施形態に於いては、プーリ部材16の外形が楕円形をなすことによりプーリ部材16は特定の径方向の質量が最も小さく且つこれに垂直な径方向の質量が最も大きいよう構成されているが、プーリ部材16の外形が真円に構成され、これによりプーリ部材16の周方向の質量が一定であるよう修正されてもよい。
【0056】
また上述の各実施形態に於いては、ゴム状弾性材18は周方向に互いに隔置された状態にて配設されているが、特定の径方向の質量が最も小さく且つこれに垂直な径方向の質量が最も大きいようプーリ部材16が構成されると共に、ゴム状弾性材18がハブ部材14の外周とプーリ部材16の内周との間に全周に亘り一定の厚さにて介装される構成に修正されてもよい。
【0057】
更に上述の各実施形態に於いては、ロータリダンパはプーリ部材16の外周にベルト溝20が設けられたクランクシャフト用ダンパプーリとして構成されているが、本発明のロータリダンパはクランクシャフト以外の回転軸に適用されてもよく、また質量体がベルト溝を有しないよう構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関のクランクシャフト用ダンパプーリとして構成された本発明によるロータリダンパの第一の実施形態を示す正面図である。
【図2】内燃機関のクランクシャフト用ダンパプーリとして構成された本発明によるロータリダンパの第二の実施形態を示す正面図である。
【図3】内燃機関のクランクシャフト用ダンパプーリとして構成された本発明によるロータリダンパの第三の実施形態を示す正面図である。
【図4】内燃機関のクランクシャフト用ダンパプーリとして構成された本発明によるロータリダンパの第四の実施形態を示す正面図である。
【図5】内燃機関のクランクシャフトに曲げ振動が発生するメカニズムを示す説明図である。
【符号の説明】
10…ダンパプーリ
12…クランクシャフト
14…ハブ部材
16…プーリ部材
16A…大径部
16B…小径部
18…ゴム状弾性材
26…リム部
26A…大径部
26B…小径部
34、36…凹部

Claims (5)

  1. 回転軸の軸線に整合して回転軸に固定されるハブ部材と、前記ハブ部材に嵌合する環状の質量体と、前記ハブ部材と前記質量体との間に介装されるゴム状弾性材とを有し、回転軸の振動を減衰させるロータリダンパにして、前記ハブ部材の外面及び前記質量体の内面は周方向に互いに隔置された複数の大径部及び小径部を有し、前記ハブ部材の外面及び前記質量体の内面は大径部と小径部との間に互いに対向する凹部を有し、前記ゴム状弾性材は前記凹部に介装されていることを特徴とするロータリダンパ。
  2. 回転軸の軸線に整合して回転軸に固定されるハブ部材と、前記ハブ部材に嵌合する環状の質量体と、前記ハブ部材と前記質量体との間に介装されるゴム状弾性材とを有し、回転軸の振動を減衰させるロータリダンパにして、前記ハブ部材の外面及び前記質量体の内面は周方向に互いに隔置された複数の大径部及び小径部を有し、前記ゴム状弾性材は前記ハブ部材の大径部と前記質量体の小径部との間にて前記ハブ部材の小径部と前記質量体の大径部との間に介装されていることを特徴とするロータリダンパ。
  3. 回転軸の軸線に整合して回転軸に固定されるハブ部材と、前記ハブ部材に嵌合する環状の質量体と、前記ハブ部材と前記質量体との間に介装されるゴム状弾性材とを有し、回転軸の振動を減衰させるロータリダンパにして、前記質量体は前記軸線に対し特定の径方向の質量が前記特定の径方向に垂直な方向の質量に比して小さく設定されていることを特徴とするロータリダンパ。
  4. 前記ハブ部材の外面及び前記質量体の内面は真円であり、前記質量体の外面の少なくとも一部は前記特定の径方向を短径とする楕円であることを特徴とする請求項3に記載のロータリダンパ。
  5. 前記ハブ部材の外面及び前記質量体の内面は前記特定の径方向を長径とする楕円であることを特徴とする請求項3に記載のロータリダンパ。
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