JP7494335B2 - 動吸振器 - Google Patents

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本発明は、回転軸における複数方向への共振現象を抑制する動吸振器に関する。
例えば、自動車の車体に備えられるプロペラシャフト(回転軸)においては、特定の周波数での共振現象を抑制するために、動吸振器(ダイナミックダンパ)が備えられるのが一般的である。図9を参照して、従来例に係る動吸振器について説明する。図9は従来例に係る動吸振器の模式的断面図である。
従来例に係る動吸振器500は、プロペラシャフトに取り付けられるハブ510と、ハブ510の外周面側で、ハブ510と同心的に設けられる振動リング530と、ハブ510と振動リング530とを連結する一対の弾性体ユニット540とを備えている。また、動吸振器500は、一対の弾性体ユニット540の間の位置、かつハブ510の外周面と振動リング530の内周面との間の位置に設けられる環状のすべり軸受520を備えている。
振動リング530は、円筒状部531と、円筒状部531の中央から径方向内側に伸びる環状凸部532とを一体的に備えている。この環状凸部532の両側に、それぞれ弾性体ユニット540が設けられている。弾性体ユニット540は、ハブ510の外周面に嵌合固定される第1円筒状部材541と、振動リング530の円筒状部531の内周面に嵌合固定される第2円筒状部材542と、これらに対してそれぞれ固定されるゴムなどの弾性体からなる弾性体部543とから構成される。そして、すべり軸受520は、ハブ510の外周面に嵌合固定されて、振動リング530の環状凸部532の内周面に対して摺動自在に設けられるか、または、振動リング530の環状凸部532の内周面に嵌合固定されて、ハブ510の外周面に対して摺動自在に設けられる。
以上のように構成される動吸振器500においては、プロペラシャフトが共振する周波数の振動が伝わると、振動リング530が振動することによって、プロペラシャフトの共振を抑制する機能を発揮する。この従来例に係る動吸振器500においては、プロペラシャフトにおける回転方向(捩じれ方向)の振動に対して、プロペラシャフトの共振を抑制するように振動リング530は設計されている。
しかしながら、車速が上がり、プロペラシャフトの回転数が高くなると、振動リング530に作用する遠心力が大きくなり、振動リング530が、ハブ510の中心軸線から離れてしまう挙動が生じ得る。このような挙動は、一般的にアンバランスと呼ばれる。アンバランスが生じると、動吸振器500は、本来の振動抑制機能を十分発揮させることができないだけでなく、弾性体部543の耐久性が損なわれてしまう問題がある。なお、プロペラシャフトに伝わる振動の種類の中には、比較的低い周波数の振動が含まれることがあり、その対策のために、弾性体部543のバネ定数が低く設定されることがある。このような場合には、上記のようなアンバランスの問題が、より顕在化される。そこで、この動吸振器500には、上記の通り、すべり軸受520が設けられることによって、ハブ510に対する振動リング530の径方向への移動が規制されている。
以上のように構成される動吸振器500によれば、プロペラシャフトにおける回転方向の振動を抑制することができ、かつ、振動リング530のアンバランスの発生を抑制することができる。
しかしながら、プロペラシャフトに伝わる振動は回転方向の振動だけではなく、動吸振器500により回転方向への共振を抑制するだけでは、共振への対策として不十分な場合がある。例えば、自動車の発進時から加速する間において、プロペラシャフトは、一旦沈み込むように変形した後に元の状態に戻る過程で、ワインドアップ振動と呼ばれる振動が生じる。この振動は、低周波の振動であって、プロペラシャフトの中心軸線に対して傾く方向(こじり方向)の振動を含んでいる。そのため、動吸振器500によって、当該振動に対する共振についても抑制させるのが望ましい。しかしながら、上記の従来構造においては、振動リング530は、ハブ510に対する移動方向の自由度が制限されており、プロペラシャフトの中心軸線に対して傾く方向については殆ど移動することができない。従って、従来例に係る動吸振器500では、プロペラシャフトの中心軸線に対して傾く方向(こじり方向)の振動については、共振を抑制することができなかった。
実開昭63-171744号公報 国際公開第2018/088103号
本発明の目的は、アンバランスの発生を抑制しつつ、回転軸における回転方向の振動だけでなく、回転軸の中心軸線に対する該回転軸における傾き方向の振動についても共振の抑制を図ることのできる動吸振器を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明の動吸振器は、
回転軸に取り付けられるハブと、
前記ハブの外周面側に、該ハブと同心的に設けられる振動リングと、
前記ハブと前記振動リングとを連結する一対の弾性体ユニットと、
前記ハブの外周面に嵌合され、かつ、前記一対の弾性体ユニットの間の位置で、前記振動リングに対して摺動自在に設けられる環状のすべり軸受と、
を備える動吸振器であって、
前記すべり軸受の外周面側には、該すべり軸受の中心軸線を含む面で該すべり軸受を切断した断面形状が、径方向外側に突出する円弧状の環状突出部を有しており、かつ、前記振動リングの内周面側には、該振動リングの中心軸線を含む面で該振動リングを切断した断面形状が、径方向外側に凹む円弧状の環状凹部を有しており、
前記環状突出部の外周面と、前記環状凹部の内周面が摺動自在に接することで、前記振動リングが前記ハブに対して前記中心軸線に対して傾く方向の移動が許容されていることを特徴とする。
本発明によれば、ハブと振動リングが、一対の弾性体ユニットにより連結される構成が採用されているため、回転軸における回転方向の振動の共振を抑制することができる。そして、ハブの外周面に嵌合され、かつ、振動リングに対して摺動自在に設けられる環状のすべり軸受が設けられているので、ハブに対する振動リングの径方向への移動が規制される。これにより、アンバランスの発生を抑制することができる。また、本発明においては、すべり軸受の外周面側の環状突出部の外周面と、振動リングの内周面側の環状凹部の内周面が摺動自在に接しているため、振動リングは、ハブに対し、その中心軸線に対して傾く方向に移動することが許容されている。従って、本発明の動吸振器によれば、回転軸の中心軸線に対する該回転軸における傾き方向の振動についても共振の抑制を図ることがで
きる。
前記振動リングは、該振動リングの中心軸線方向の両側に分割される2部材により構成されることで、これらの2部材を前記すべり軸受の両側からそれぞれ取り付け可能に構成されているとよい。
以上説明したように、本発明によれば、アンバランスの発生を抑制しつつ、回転軸における回転方向の振動だけでなく、回転軸の中心軸線に対する該回転軸における傾き方向の振動についても共振の抑制を図ることができる。
図1は本発明の実施例1に係る動吸振器の正面図である。 図2は本発明の実施例1に係る動吸振器の模式的断面図である。 図3は本発明の実施例1に係る動吸振器の組み立て手順を説明する図である。 図4は本発明の実施例1に係る動吸振器の動作説明図である。 図5は本発明の参考例1に係る動吸振器の正面図である。 図6は本発明の参考例1に係る動吸振器の模式的断面図である。 図7は本発明の参考例1に係る動吸振器の動作説明図である。 図8は本発明の参考例2に係る動吸振器の模式的断面図である。 図9は従来例に係る動吸振器の模式的断面図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
図1~図4を参照して、本発明の実施例に係る動吸振器(ダイナミックダンパ)について説明する。図1は本発明の実施例1に係る動吸振器の正面図である。図2は本発明の実施例1に係る動吸振器の模式的断面図であり、図1中のAA断面図である。図3は本発明の実施例1に係る動吸振器の組み立て手順を説明する図である。なお、図3においては、各部材を断面図にて示している。図4は本発明の実施例1に係る動吸振器の動作説明図である。なお、図4においては、主要部材について、断面図にて示している。
<動吸振器の適用例>
本実施例に係る動吸振器100は、例えば、自動車の車体に備えられるプロペラシャフト(回転軸)の共振を抑制するために好適に利用することができる。背景技術の中で説明した通り、プロペラシャフトは、回転方向(捩じれ方向)と、プロペラシャフトの中心軸線に対する傾き方向(こじり方向)のそれぞれに対して振動が発生し得る。このプロペラシャフトに、本実施例に係る動吸振器100を取り付けることによって、これらの各方向に対する共振を抑制することができる。なお、本発明に係る動吸振器は、このような用途に限らず、上記のように複数の方向に振動が発生し得る回転軸を備える各種装置に対して、当該回転軸の各方向に対する共振を抑制するために適用することができる。
<動吸振器の構成>
特に、図1及び図2を参照して、本実施例に係る動吸振器100について、より詳細に説明する。本実施例に係る動吸振器100は、プロペラシャフトなどの回転軸に取り付け
られるハブ110と、ハブ110の外周面側に、ハブ110と同心的に設けられる振動リング130と、ハブ110と振動リング130とを連結する一対の弾性体ユニット140とを備えている。また、動吸振器100は、ハブ110の外周面に嵌合され、かつ、一対の弾性体ユニット140の間の位置で、振動リング130に対して摺動自在に設けられる環状のすべり軸受120も備えている。
ハブ110は、金属により構成され、かつ、円筒部111と、円筒部111の一端部に設けられる内向きフランジ部112とを備えている。内向きフランジ部112の先端の内周面112aの内側に、回転軸が挿通される。すべり軸受120は、樹脂製の略円筒状の部材により構成されている。すべり軸受120として、ドライベアリングを好適に用いることができる。このすべり軸受120の内周面は円柱面により構成されており、その内径は、ハブ110における円筒部111の外周面の外径と略同径となるように設計されている。これにより、すべり軸受120を円筒部111の外周面に対して嵌合により固定させることができる。
振動リング130は金属からなる環状部材により構成される。より具体的には、振動リング130は、円筒状部131と、円筒状部131の中央から径方向内側に伸びる環状凸部132とを備えている。従って、振動リング130の中心軸線を含む面で振動リング130を切断した断面形状は、図2に示すように、略T字形状である。また、本実施例に係る振動リング130は、組み立て性の観点から、振動リング130の中心軸線方向の両側に分割される2部材により構成される。なお、説明の便宜上、2部材については、それぞれ第1振動リング部品130A,第2振動リング部品130Bと称する。以上のように構成される振動リング130における環状凸部132の内周面が、すべり軸受120の外周面に対して摺動自在に設けられる。
そして、動吸振器100においては、回転軸が共振する周波数の振動が伝わると、振動リング130が振動することによって、回転軸の共振を抑制する機能を発揮する。本実施例に係る動吸振器100においては、回転軸における回転方向(捩じれ方向)の振動と、回転軸の中心軸線に対する回転軸における傾き方向(こじり方向)の振動のそれぞれの振動に対して、回転軸の共振を抑制するように、振動リング130は設計されている。
また、振動リング130における環状凸部132の両側に、それぞれ弾性体ユニット140が設けられている。弾性体ユニット140は、ハブ110における円筒部111の外周面に嵌合固定される第1円筒状部材141と、振動リング130の円筒状部131の内周面に嵌合固定される第2円筒状部材142と、これらに対してそれぞれ固定されるゴムなどの弾性体からなる弾性体部143とから構成される。第1円筒状部材141と第2円筒状部材142は、いずれも断面L字形状の金属環により構成される。弾性体部143は、加硫成形により得られるものであり、第1円筒状部材141と第2円筒状部材142に対して、それぞれ加硫接着されている。また、弾性体部143は、中央が軸線方向外側に膨らむ形状をなしている。
そして、本実施例に係るすべり軸受120の外周面側には、すべり軸受120の中心軸線を含む面ですべり軸受120を切断した断面形状が、径方向外側に突出する円弧状の環状突出部121を有している。また、振動リング130の内周面側には、振動リング130の中心軸線を含む面で振動リング130を切断した断面形状が、径方向外側に凹む円弧状の環状凹部132aを有している。そして、本実施例に係る動吸振器100においては、環状突出部121の外周面と、環状凹部132aの内周面が摺動自在に接するように構成されている。なお、すべり軸受120の中心軸線を含む面ですべり軸受120を切断した断面形状において、環状突出部121の外形の曲率半径と、振動リング130の中心軸線を含む面で振動リング130を切断した断面形状おいて、径方向外側に凹む円弧状の環
状凹部132aの外形の曲率半径は、等しくなるように設計されている。これにより、環状突出部121の外周面と、環状凹部132aの内周面が摺動自在となっている。
<動吸振器の組み立て方>
図3を参照して、本実施例に係る動吸振器100の組み立て方について説明する。まず、すべり軸受120が、ハブ110の円筒部111の外周面に対して嵌合により固定される。その後、すべり軸受120の両側から、それぞれ第1振動リング部品130Aと第2振動リング部品130Bが取り付けられる(図3中の矢印S1,S2参照)。第1振動リング部品130Aには嵌合凹部130A1が設けられ、第2振動リング部品130Bには嵌合凸部130B1が設けられている。これら嵌合凹部130A1と嵌合凸部130B1との嵌合により、第1振動リング部品130Aと第2振動リング部品130Bは固定されて、振動リング130が得られる。最後に、振動リング130の両側から、それぞれ弾性体ユニット140が取り付けられる(図3中の矢印T1,T2参照)。
<動吸振器の動作>
図4を参照して、本実施例に係る動吸振器100の動作について説明する。なお、図4においては、動作を分かり易くするために主要構成のみを示し、かつ、ハッチング及び奥行き線を適宜省略している。上記の通り、軸受120の外周面側の環状突出部121における外周面と、振動リング130の内周面側の環状凹部132aにおける内周面とは摺動自在に接触している。これにより、振動リング130は、軸受120に対して、これらの中心軸線に対して傾く方向(図4中の矢印X方向)への移動が許容されている。
<本実施例に係る動吸振器の優れた点>
本実施例に係る動吸振器100によれば、ハブ110と振動リング130が、一対の弾性体ユニット140により連結される構成が採用されているため、回転軸における回転方向の振動の共振を抑制することができる。そして、ハブ110の外周面に嵌合され、かつ、振動リング130に対して摺動自在に設けられる環状のすべり軸受120が設けられているので、ハブ110に対する振動リング130の径方向への移動が規制される。これにより、アンバランスの発生を抑制することができる。
また、上記の通り、振動リング130は、ハブ110に対し、その中心軸線に対して傾く方向に移動することが許容されている。従って、本実施例に係る動吸振器100によれば、回転軸の中心軸線に対する回転軸における傾き方向の振動についても共振の抑制を図ることができる。
(参考例1)
図5~図7を参照して、本発明の参考例1に係る動吸振器(ダイナミックダンパ)について説明する。図5は本発明の参考例1に係る動吸振器の正面図である。図6は本発明の参考例1に係る動吸振器の模式的断面図であり、図5中のBB断面図である。図7は本発明の参考例1に係る動吸振器の動作説明図である。なお、図7においては、主要部材について、断面図にて示している。
本実施例に係る動吸振器100Xの適用例については、上記実施例1の場合と同様であるので、その説明は省略する。
<動吸振器の構成>
特に、図5及び図6を参照して、本参考例に係る動吸振器100Xについて、より詳細に説明する。本参考例に係る動吸振器100Xは、プロペラシャフトなどの回転軸に取り付けられるハブ110Xと、ハブ110Xの外周面側に、ハブ110Xと同心的に設けられる振動リング130Xと、ハブ110Xと振動リング130Xとを連結する一対の弾性
体ユニット140Xとを備えている。また、動吸振器100Xは、振動リング130Xの内周面に嵌合され、かつ、一対の弾性体ユニット140Xの間の位置で、ハブ110Xに対して摺動自在に設けられる環状のすべり軸受120Xも備えている。このすべり軸受120Xと弾性体ユニット140Xとの間には、図6に示すように隙間が設けられている。これにより、すべり軸受120Xは、その中心軸線方向への移動が許容されている。
ハブ110Xは、金属により構成される略円筒状の部材により構成されている。この円筒状のハブ110Xの内側に、回転軸が挿通される。すべり軸受120Xは、樹脂製の略円筒状の部材により構成されている。すべり軸受120Xとして、ドライベアリングを好適に用いることができる。このすべり軸受120Xの外周面は円柱面により構成されており、その外径は、振動リング130Xの内周面(環状凸部132Xの内周面)の内径と略同径となるように設計されている。これにより、すべり軸受120Xを振動リング130Xの内周面に対して嵌合により固定させることができる。
振動リング130Xは金属からなる環状部材により構成される。より具体的には、振動リング130Xは、円筒状部131Xと、円筒状部131Xの中央から径方向内側に伸びる環状凸部132Xとを備えている。従って、振動リング130Xの中心軸線を含む面で振動リング130Xを切断した断面形状は、図6に示すように、略T字形状である。
そして、動吸振器100Xにおいては、回転軸が共振する周波数の振動が伝わると、振動リング130Xが振動することによって、回転軸の共振を抑制する機能を発揮する。本参考例に係る動吸振器100Xにおいては、回転軸における回転方向(捩じれ方向)の振動と、回転軸の軸線方向の振動と、回転軸の中心軸線に対する回転軸における傾き方向(こじり方向)の振動のそれぞれの振動に対して、回転軸の共振を抑制するように、振動リング130Xは設計されている。
また、振動リング130Xにおける環状凸部132Xの両側に、それぞれ弾性体ユニット140Xが設けられている。弾性体ユニット140Xは、ハブ110Xの外周面に嵌合固定される第1円筒状部材141Xと、振動リング130Xの円筒状部131Xの内周面に嵌合固定される第2円筒状部材142Xと、これらに対してそれぞれ固定されるゴムなどの弾性体からなる弾性体部143Xとから構成される。第1円筒状部材141Xと第2円筒状部材142Xは、いずれも断面矩形の金属環により構成される。弾性体部143Xは、加硫成形により得られるものであり、第1円筒状部材141Xと第2円筒状部材142Xに対して、それぞれ加硫接着されている。
そして、本参考例に係るハブ110Xの外周面側には、ハブ110Xの中心軸線を含む面でハブ110Xを切断した断面形状が、径方向外側に突出する円弧状の環状突出部111Xを有している。また、すべり軸受120Xの内周面は円柱面で構成されている。そして、本参考例に係る動吸振器100Xにおいては、環状突出部111Xの外周面と、すべり軸受120の内周面が摺動自在に接するように構成されている。
<動吸振器の動作>
図7を参照して、本参考例に係る動吸振器100Xの動作について説明する。なお、図7においては、動作を分かり易くするために主要構成のみを示し、かつ、ハッチング及び奥行き線を適宜省略している。上記の通り、ハブ110Xの外周面側の環状突出部111Xにおける外周面と、すべり軸受120Xの内周面とは摺動自在に接触している。これにより、振動リング130Xは、すべり軸受120Xと一体的に、ハブ110Xに対して、これらの中心軸線に対して傾く方向(図7中の矢印Y方向)への移動が許容されている。
<本参考例に係る動吸振器の優れた点>
本参考例に係る動吸振器100Xによれば、ハブ110Xと振動リング130Xが、一対の弾性体ユニット140Xにより連結される構成が採用されているため、回転軸における回転方向の振動の共振を抑制することができる。そして、振動リング130Xの内周面に嵌合され、かつ、ハブ110Xに対して摺動自在に設けられる環状のすべり軸受120Xが設けられているので、ハブ110Xに対する振動リング130Xの径方向への移動が規制される。これにより、アンバランスの発生を抑制することができる。
また、上記の通り、振動リング130Xは、ハブ110Xに対し、その中心軸線に対して傾く方向に移動することが許容されている。従って、本参考例に係る動吸振器100Xによれば、回転軸の中心軸線に対する回転軸における傾き方向の振動についても共振の抑制を図ることができる。
(参考例2)
図8には、本発明の参考例2が示されている。本参考例においては、上記参考例1における一部の構成を変更した構成について示している。基本的な構成および作用については参考例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図8は本発明の参考例2に係る動吸振器の模式的断面図である。本参考例に係る動吸振器100Yにおいても、上記参考例1の場合と同様に、ハブ110Xと、すべり軸受120Xと、振動リング130Yと、一対の弾性体ユニット140Xとを備えている。ハブ110X、すべり軸受120X、及び一対の弾性体ユニット140Xの構成については、上記実施例1における動吸振器100Xの構成と同一であるので、その説明は省略する。
本参考例に係る振動リング130Yにおいても、金属からなる環状部材により構成される。より具体的には、振動リング130Yは、円筒状部131Yと、円筒状部131Yの中央から径方向内側に伸びる環状凸部132Yとを備えている。従って、振動リング130Yの中心軸線を含む面で振動リング130Yを切断した断面形状は、図8に示すように、略T字形状である。
そして、本参考例に係る動吸振器100Yにおいても、回転軸が共振する周波数の振動が伝わると、振動リング130Yが振動することによって、回転軸の共振を抑制する機能を発揮する。本参考例に係る動吸振器100Yにおいては、回転軸における回転方向(捩じれ方向)の振動と、回転軸の軸線方向の振動と、回転軸の中心軸線に対する回転軸における傾き方向(こじり方向)の振動のそれぞれの振動に対して、回転軸の共振を抑制するように、振動リング130Yは設計されている。
ここで、本参考例に係る振動リング130Yにおける環状凸部132Yの内周面側には、すべり軸受120Xの外周面との間に隙間を形成する環状溝133Yが設けられている。本参考例に係る動吸振器100Yにおいては、この環状溝133Yが設けられている点のみが、上記実施例2に係る動吸振器100Xの構成と異なっている。
以上のように構成される本参考例に係る動吸振器100Yにおいても、上記参考例1に係る動吸振器100Xと同様の効果が得られることは言うまでもない。また、本参考例に係る動吸振器100Yにおいては、振動リング130Yの内周面に、環状溝133Yが設けられているので、すべり軸受120Xは環状溝133Y内に入り込むような変形が許容される。従って、すべり軸受120Xとハブ110Xとの摺動抵抗が高まってしまうことを抑制することができる。
(その他)
本発明の動吸振器に備えられる弾性体ユニットについては、上記実施例及び参考例において示した弾性体ユニット140,140Xの構成に限定されることなく、各種公知技術を採用し得る。従って、実施例1に示す動吸振器100において、弾性体ユニット140の代わりに、参考例1,2に示す弾性体ユニット140Xを適用することもできる。
100,100X,100Y 動吸振器
110,110X ハブ
111 円筒部
111X 環状突出部
112 内向きフランジ部
112a 内周面
120,120X 軸受
121 環状突出部
130,130X,130Y 振動リング
130A 第1振動リング部品
130A1 嵌合凹部
130B 第2振動リング部品
130B1 嵌合凸部
131,131X,131Y 円筒状部
132,132X,132Y 環状凸部
132a 環状凹部
133Y 環状溝
140,140X 弾性体ユニット
141,141X 第1円筒状部材
142,142X 第2円筒状部材
143,143X 弾性体部

Claims (2)

  1. 回転軸に取り付けられるハブと、
    前記ハブの外周面側に、該ハブと同心的に設けられる振動リングと、
    前記ハブと前記振動リングとを連結する一対の弾性体ユニットと、
    前記ハブの外周面に嵌合され、かつ、前記一対の弾性体ユニットの間の位置で、前記振動リングに対して摺動自在に設けられる環状のすべり軸受と、
    を備える動吸振器であって、
    前記すべり軸受の外周面側には、該すべり軸受の中心軸線を含む面で該すべり軸受を切断した断面形状が、径方向外側に突出する円弧状の環状突出部を有しており、かつ、前記振動リングの内周面側には、該振動リングの中心軸線を含む面で該振動リングを切断した断面形状が、径方向外側に凹む円弧状の環状凹部を有しており、
    前記環状突出部の外周面と、前記環状凹部の内周面が摺動自在に接することで、前記振動リングが前記ハブに対して前記中心軸線に対して傾く方向の移動が許容されていることを特徴とする動吸振器。
  2. 前記振動リングは、該振動リングの中心軸線方向の両側に分割される2部材により構成されることで、これらの2部材を前記すべり軸受の両側からそれぞれ取り付け可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の動吸振器。
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