JPH11325186A - 内燃機関の振動低減装置 - Google Patents

内燃機関の振動低減装置

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JPH11325186A
JPH11325186A JP13717298A JP13717298A JPH11325186A JP H11325186 A JPH11325186 A JP H11325186A JP 13717298 A JP13717298 A JP 13717298A JP 13717298 A JP13717298 A JP 13717298A JP H11325186 A JPH11325186 A JP H11325186A
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vibration
internal combustion
combustion engine
inertial mass
crankshaft
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Yasuyuki Asahara
原 康 之 浅
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンのロール振動を低減する装置におい
て、所望のエンジン運転領域でロール振動が大幅に低減
されるようにする。 【解決手段】 クランクシャフト12の回転駆動力を伝
える駆動力伝達機構13,14b,17と、駆動力伝達
機構により回転させられて慣性力を生じる副フライホイ
ール18とを備えて、クランクシャフト12の回転に伴
なう内燃機関のロール振動を低減するようにした内燃機
関の振動低減装置において、駆動力伝達機構から副フラ
イホイール18までの回転振動系の振動モードとクラン
クシャフト12の回転に伴なうロール振動系の振動モー
ドとの重ね合わせによって発生する反共振の周波数が、
クランクシャフト12の所定回転速度における回転周波
数を(自然数/2)倍した周波数のうちのいずれかの周
波数と略一致するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の燃焼圧
力の変動等に起因して生じる内燃機関自体の振動を低減
する振動低減装置に関し、特に、クランクシャフトに対
して順方向あるいは逆方向に回転する慣性質量体を用い
て内燃機関自体のロール振動を低減する内燃機関の振動
低減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の環境問題に対応した自動車の燃費
向上への関心の高まりから、自動車に搭載される内燃機
関(エンジン)として、燃料を直接筒内に噴射する直噴
ガソリンエンジンや直噴ディーゼルエンジンが脚光を浴
びつつあるが、これらのエンジンは、従来のエンジンに
比べ燃焼加振力が大きいためトルク変動に伴うロール振
動も大きくなっており、このロール振動に起因するアイ
ドリング時の車内のこもり音や車体のフロア振動が悪化
するという問題を抱えている。
【0003】このような問題を解決する一手法として、
例えば、特開平6−33990号公報に示される振動低
減装置がある。この振動低減装置は、図12(a),
(b)に示すように、エンジン1のクランクシャフト2
の後端に直接結合された主フライホイール3の他に、ク
ランクシャフト2の前端に直接結合されたクランクプー
リ4により例えばベルト5を介して逆方向に回転させる
副フライホイール6を設け、トルク発生の反作用として
エンジン本体に作用するモーメントと逆方向のモーメン
トを発生させ、エンジン本体のロール振動を打ち消すも
のである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
振動低減装置において、エンジンのロール振動を完全に
打ち消すためには、主フライホール3等のエンジン本体
における回転体の慣性モーメントをI、副フライホイ
ール6の慣性モーメントをI、増速比をρとすると
き、理論的にはI=ρ・Iの条件を満たすことが要
求され、又、この条件の近傍においてロール振動の低減
効果が得られるものである。
【0005】ここで、上述の条件を満たすには、上記主
フライホイール3の慣性モーメントIが本来的に大き
いことから、副フライホイール6の慣性モーメントI
を大きくするか、あるいは、増速比ρを大きくする必要
がある。
【0006】しかしながら、副フライホイール6の慣性
モーメントIを大きくすると、それに伴なって装置と
しての重量増加を招き、また、増速比ρを大きくする
と、副フライホイール6が高速で回転することになり、
その軸受部の耐久性の低下を招くことになる。従って、
現実的にはエンジンのロール振動を完全に打ち消すこと
はできず、その低減効果は限られたものになるという問
題があった。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に鑑みて成さ
れたものであり、その目的とするところは、ロール振動
の低減を特に必要とする内燃機関の特定の運転領域にお
いて、ロール振動の大幅な低減を図ることのできる内燃
機関の振動低減装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
内燃機関の振動低減装置は、クランクシャフトの回転駆
動力を伝える駆動力伝達機構と、前記駆動力伝達機構に
より回転させられて慣性力を生じる慣性質量体とを備え
て、クランクシャフトの回転に伴なう内燃機関のロール
振動を低減するようにした内燃機関の振動低減装置であ
って、前記駆動力伝達機構から慣性質量体までの回転振
動系の振動モードと前記クランクシャフトの回転に伴う
ロール振動系の振動モードとの重ね合わせによって発生
する反共振の周波数が、前記クランクシャフトの所定回
転速度における回転周波数を(自然数/2)倍した周波
数のうちのいずれかの周波数と略一致するように形成さ
れた、構成となっている。
【0009】本発明の請求項2に係る内燃機関の振動低
減装置は、請求項1に係る内燃機関の振動低減装置にお
いて、前記反共振の周波数が、前記クランクシャフトの
所定回転速度における回転周波数を(気筒数/2)倍し
た周波数と略一致するように形成された、構成となって
いる。
【0010】本発明の請求項3に係る内燃機関の振動低
減装置は、請求項1及び2に係る内燃機関の振動低減装
置において、前記クランクシャフトの所定回転速度は、
内燃機関がアイドル運転状態にある際の回転速度であ
る、構成となっている。
【0011】本発明の請求項4に係る内燃機関の振動低
減装置は、請求項1ないし3に係る内燃機関の振動低減
装置において、前記駆動力伝達機構が、前記クランクシ
ャフトに結合されて一体的に回転するクランクプーリ
と、前記慣性質量体と同軸上にて一体的に回転する従動
プーリと、前記クランクプーリと従動プーリとを連動さ
せる駆動用弾性ベルトとを含む、構成となっている。
【0012】本発明の請求項5に係る内燃機関の振動低
減装置は、請求項4に係る内燃機関の振動低減装置にお
いて、前記慣性質量体及び従動プーリは、補機の回転軸
と一体的に回転するように取り付けられた、構成となっ
ている。
【0013】本発明の請求項6に係る内燃機関の振動低
減装置は、請求項4及び5に係る内燃機関の振動低減装
置において、前記従動プーリと前記慣性質量体とは、弾
性体を介して一体的に回転するように結合された、構成
となっている。
【0014】本発明の請求項7に係る内燃機関の振動低
減装置は、請求項5及び6に係る内燃機関の振動低減装
置において、前記慣性質量体は弾性体を介して前記回転
軸に結合され、前記従動プーリは前記回転軸に直接結合
された、構成となっている。
【0015】本発明の請求項8に係る内燃機関の振動低
減装置は、請求項5及び6に係る内燃機関の振動低減装
置において、前記慣性質量体は前記回転軸に直接結合さ
れ、前記従動プーリは弾性体を介して前記慣性質量体に
結合された、構成となっている。
【0016】本発明の請求項9に係る内燃機関の振動低
減装置は、請求項4ないし8に係る内燃機関の振動低減
装置において、前記クランクプーリが、前記クランクシ
ャフトに直接結合される結合フランジ部と、前記駆動用
弾性ベルトを巻き掛ける巻掛部と、前記結合フランジ部
と巻掛部との間に介在して両者を結合する弾性体とから
なる、構成となっている。
【0017】本発明の請求項10に係る内燃機関の振動
低減装置は、請求項9に係る内燃機関の振動低減装置に
おいて、前記クランクプーリに、前記クランクシャフト
の振動を吸収する動吸振器を設けた、構成となってい
る。
【0018】本発明の請求項11に係る内燃機関の振動
低減装置は、請求項10に係る内燃機関の振動低減装置
において、前記動吸振器が、前記弾性体と前記結合フラ
ンジ部との間に介在させられた前記弾性体に結合される
質量体及び前記質量体と前記結合フランジ部に結合され
る第2弾性体からなる、構成となっている。
【0019】本発明の請求項12に係る内燃機関の振動
低減装置は、請求項1ないし3に係る内燃機関の振動低
減装置において、前記駆動力伝達機構が、前記クランク
シャフトに結合されて一体的に回転する駆動スプロケッ
トと、前記慣性質量体と同軸上にて一体的に回転する従
動スプロケットと、前記駆動スプロケットと従動スプロ
ケットとを連動させる駆動用チェーンと、前記従動スプ
ロケットと前記慣性質量体との間に介在させられて前記
従動スプロケットの回転力を前記慣性質量体に伝える弾
性体とを含む、構成となっている。
【0020】本発明の請求項13に係る内燃機関の振動
低減装置は、請求項1ないし3に係る内燃機関の振動低
減装置において、前記駆動力伝達機構が、前記クランク
シャフトの回転力により駆動されて前記慣性質量体と同
軸上にて回転する従動歯車を備える歯車機構と、前記従
動歯車と前記慣性質量体との間に介在させられて前記従
動歯車の回転力を前記慣性質量体に伝える弾性体とを含
む、構成となっている。
【0021】本発明の請求項14に係る内燃機関の振動
低減装置は、請求項12及び13に係る内燃機関の振動
低減装置において、前記慣性質量体が、補機の回転軸と
一体的に回転するように取り付けられた、構成となって
いる。
【0022】本発明の請求項15に係る内燃機器案の振
動低減装置は、請求項12ないし14に係る内燃機関の
振動低減装置において、前記弾性体が金属製スプリング
からなる、構成となっている。
【0023】本発明の請求項16に係る内燃機関の振動
低減装置は、請求項1ないし15に係る内燃機関の振動
低減装置において、前記慣性質量体が、前記クランクシ
ャフトの回転方向と反対の方向に回転するように形成さ
れている、構成となっている。
【0024】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る内燃機関の振動
低減装置によれば、慣性質量体に回転力を伝える回転振
動系の振動モードとロール振動系の振動モードとの重ね
合わせによって、お互いの振動モードが逆相となる領域
でお互いの振動を打ち消し合う方向に作用し、振動レベ
ルが極端に小さくあるいは零になる状態、すなわち反共
振を生じる領域が存在する。
【0025】この際、上記反共振が生じる点での反共振
周波数が、クランクシャフト(内燃機関)の所定回転速
度における回転周波数を(自然数/2)倍した周波数の
うちのいずれかの周波数と略一致するように上記振動系
が構成されていることから、所定回転速度で運転される
内燃機関において、この内燃機関の気筒数に応じた種々
の回転次数成分、例えば、4気筒の場合2次,4次,6
次・・・、6気筒の場合3次,6次,9次・・・、8気
筒の場合4次,8次,12次・・・、等の回転次数成分
の周波数、あるいは、気筒間の燃焼ばらつき等により生
じる0.5次,1次,1.5次・・・等の回転次数成分
の周波数に起因するロール振動を大幅に低減することが
できる。
【0026】本発明の請求項2に係る内燃機関の振動低
減装置によれば、上記反共振が生じる点での反共振周波
数が、クランクシャフト(内燃機関)の所定回転速度に
おける回転周波数を(気筒数/2)倍した周波数と略一
致するように上記振動系が構成されていることから、所
定回転速度で運転される内燃機関において、支配的な回
転基本次数成分の周波数、例えば、4気筒の場合2次、
6気筒の場合3次、8気筒の場合4次等の回転基本次数
成分の大きい周波数に起因するロール振動を効率良く大
幅に低減することができる。
【0027】本発明の請求項3に係る内燃機関の振動低
減装置によれば、内燃機関がアイドル運転状態にあると
きの上記回転次数成分に起因するロール振動を低減する
ことができる。
【0028】本発明の請求項4に係る内燃機関の振動低
減装置によれば、慣性質量体に回転駆動力を伝える駆動
力伝達機構が、クランクプーリ、従動プーリ、駆動用弾
性ベルト等により構成されていることから、この駆動用
弾性ベルトを回転振動系のばね成分として用いて、この
ばね特性を調整することにより、上述反共振周波数を所
望の周波数に設定することができる。
【0029】本発明の請求項5に係る内燃機関の振動低
減装置によれば、慣性質量体及び従動プーリの回転軸を
別個に設ける必要がなく、又、補機の配置場所を兼用す
ることで、装置全体としてのコンパクト化を行なうこと
ができる。
【0030】本発明の請求項6及び7に係る内燃機関の
振動低減装置によれば、従動プーリと慣性質量体との間
に介在する弾性体を回転振動系のばね成分として用いる
ことで、反共振周波数の設定を容易に行なうことができ
る。すなわち、駆動用弾性ベルトは本来的に補機を駆動
する必要があるため、そのばね定数をあまり小さくでき
ず、従って、この駆動用弾性ベルトを回転振動系のばね
成分として用いる場合は、そのばね定数の設定範囲が限
られる場合がある。そこで、上記弾性体を採用すること
で、ばね定数の設定自由度が大きくなり、上述反共振周
波数を所望の周波数に容易に設定することができる。
【0031】本発明の請求項8に係る内燃機関の振動低
減装置によれば、慣性質量体が補機の回転軸に直接結合
すなわち補機のロータ部等と一体的に回転するように結
合され、又、従動プーリが弾性体を介して慣性質量体
(及び補機のロータ部)を回転させるように形成されて
いることから、この弾性体を回転振動系のばね成分とし
て用いることができると共に、補機のロータ部をも慣性
質量体として作用させることができるため、本来的に設
けるべき慣性質量体を小さくすることができ、その分だ
け軽量化を行なうことができる。
【0032】本発明の請求項9に係る内燃機関の振動低
減装置によれば、クランクプーリの結合フランジ部と巻
掛部との間に設けられた弾性体を回転振動系のばね成分
として用いることで、駆動用弾性ベルトのばね定数の設
定範囲が限られる場合であっても、上述反共振周波数を
所望の周波数に容易に設定することができる。
【0033】本発明の請求項10に係る内燃機関の振動
低減装置によれば、動吸振器によりクランクシャフトの
ねじり等の振動が抑制されると共に、このクランクシャ
フトの振動の影響を受けることなく、所望の反共振現象
を実現させることができ、これにより、ロール振動を大
幅に低減することができる。
【0034】本発明の請求項11に係る内燃機関の振動
低減装置によれば、クランクシャフトのねじり等の振動
を吸収する動吸振器が、クランクプーリを形成する結合
フランジ部、弾性体、及び巻掛部のうち、結合フランジ
部と弾性体との間に介在する質量体及び第2弾性体によ
り構成されることから、例えば、これら結合フランジ
部、第2弾性体、質量体、弾性体、巻掛部の順で径方向
外側に向かって順次積層した構造を採用することがで
き、クランクプーリとしての構造の複雑化あるいは回転
軸線方向における幅厚化を防止することができる。
【0035】本発明の請求項12に係る内燃機関の振動
低減装置によれば、慣性質量体に回転駆動力を伝える駆
動力伝達機構が、駆動スプロケット、従動スプロケッ
ト、駆動用スプロケット、従動スプロケットと慣性質量
体との間に介在する弾性体等により構成されていること
から、この弾性体を回転振動系のばね成分として用い
て、このばね特性を調整することにより、上述反共振周
波数を所望の周波数に設定することができる。
【0036】本発明の請求項13に係る内燃機関の振動
低減装置によれば、慣性質量体に回転駆動力を伝える駆
動力伝達機構が、クランクシャフトの回転力により駆動
されて慣性質量体と同軸上にて回転する従動歯車を備え
る歯車機構、従動歯車と慣性質量体との間に介在する弾
性体等により構成されていることから、この弾性体を回
転振動系のばね成分として用いて、このばね特性を調整
することにより、上述反共振周波数を所望の周波数に設
定することができる。
【0037】本発明の請求項14に係る内燃機関の振動
低減装置によれば、慣性質量体の回転軸を別個に設ける
必要がなく、又、補機の配置場所を兼用することで、装
置全体としてのコンパクト化を行なうことができる。
【0038】本発明の請求項15に係る内燃機関の振動
低減装置によれば、潤滑油等が供給される雰囲気下にお
いても、ゴムのような劣化を生じることなく、ばねとし
ての機能を長期に亘って確保することができ、機能上の
信頼性を向上させることができる。
【0039】本発明の請求項16に係る内燃機関の振動
低減装置によれば、慣性質量体がクランクシャフトと同
一方向に回転する場合に比べてより一層ロール振動を低
減することができ、又、反共振周波数と回転振動系の共
振周波数との隔たりが大きくなるため、低減効果が得ら
れる周波数帯域も広くなり、反共振周波数の設定を容易
に行なうことができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を添付図面
に基づいて説明する。
【0041】図1は、本発明に係る振動低減装置を備え
たエンジンの第1実施例を示すものであり、このエンジ
ン10では、図1(a)に示すように、エンジン本体1
1の駆動力を発生するクランクシャフト12の前端部に
クランクプーリ13が固着されており、又、補機として
のオルタネータ14が、アイドラプーリ15及び他の補
機としてのパワステポンプ16のプーリ16bを介し
て、その回転軸14aに固着されたオルタネータプーリ
14bとクランクプーリ13との間に巻き掛けられた駆
動用弾性ベルトとしての補機駆動ベルト17により回転
駆動されるようになっている。
【0042】さらに、上記オルタネータ14の回転軸1
4aには、図1(b)に示すように、慣性質量体として
の副フライホイール18が一体的に回転するように固着
されており、又、オルタネータプーリ14bと副フライ
ホイール18ともお互いに一体的に回転するように固着
されている。
【0043】上記オルタネータプーリ14bは、副フラ
イホイール18を回転させるための従動プーリの役割を
成し、又、このオルタネータプーリ14b、クランクプ
ーリ13、補機駆動ベルト17等により、慣性質量体に
クランクシャフト12の回転駆動力を伝える駆動力伝達
機構が構成されている。
【0044】上記構成においては、補機駆動ベルト17
が弾性体であることから、この補機駆動ベルト17をば
ね成分とし、又、副フライホイール18及びオルタネー
タ14のロータ部,エンジン本体11の回転部分(クラ
ンクプーリ13,クランクシャフト12,主フライホイ
ール(不図示)等)を質量成分とする補機回転振動系に
おいて、所定の共振周波数が存在し、又、エンジン本体
11のロール振動系においても所定の共振周波数が存在
する。
【0045】上記補機回転振動系の振動とロール振動系
の振動とは相互に影響を及ぼし合い、両者の振動モード
が逆相となってお互いの振動を打ち消し合う現象、すな
わち、反共振現象が生じる領域がある。
【0046】そこで、上記振動系の構成においては、エ
ンジンが所定回転速度で頻繁に使用されかつロール振動
が問題となるような運転領域に、上記反共振現象が現わ
れるように設定されている。
【0047】以下に、反共振現象が所望の運転領域に現
れるように設定する際の手法について説明する。先ず、
図1(a)に示すエンジンの振動系は、図2(a)に示
すような振動モデルで近似することができる。ここで、
エンジン本体11のロール軸回わりの慣性モーメントを
I、ロール変位角をφ、エンジン本体11の回転系(ク
ランクプーリ13,クランクシャフト12,主フライホ
イール(不図示)等)の慣性モーメントをI、クラン
クプーリ13の変位角をθ、副フライホイール18の
(あるいはオルタネータ14のロータ部も含めた)慣性
モーメントをI、副フライホイール18の変位角をθ
、クランクプーリ13の駆動半径をr、副フライホ
イール18の駆動半径(従動プーリの駆動半径)を
、エンジン本体11のロールばね定数をke、補機
駆動ベルト17の伸び側のばね定数,ベルト反力を
,f及び縮み側のばね定数,ベルト反力をk
、入力トルクをTとすると、図2(a)に示す振動
モデルの運動方程式は次式(1)で表わすことができ
る。
【0048】 上記(1)式から、I>>I,I、φ=0等の条件
の下、反共振現象が現われる点の反共振周波数fを求め
ると、次式(2)となる。
【0049】 上記(2)式で表わされる反共振周波数fは、図2
(b)に示すように、ロール振動のモード1と補機回転
振動のモード2とが逆相となり、お互いの振動を打ち消
し合う点の周波数として表わされる。
【0050】そこで、この反共振周波数fが、エンジン
(クランクシャフト12)の所定回転速度N(rpm)
における回転周波数fn(=N/60)を(自然数/
2)倍、すなわち、0.5倍,1倍,1.5倍,2倍.
2.5倍、3倍,・・・した周波数のうちのいずれかの
周波数と略一致するように、副フライホイール18の慣
性モーメントI、増速比ρ等を設定する。具体的に
は、エンジンの燃焼圧力の変動により、4気筒エンジン
の場合は、回転速度の2次,4次,6次,・・・、6気
筒エンゾンの場合は、回転速度の3次,6次,・・・、
8気筒エンジンの場合は、回転速度の4次,8次,・・
・等の周波数成分に起因するロール振動が大きくなるた
め、上記反共振周波数fをこれらの次数の周波数のいず
れかの周波数と略一致するように設定することで、エン
ジンのロール振動を低減することができる。
【0051】また、気筒間の燃焼にばらつきがあった場
合には、回転速度の0.5次,1次、1.5次・・・等
の周波数成分に起因するロール振動も発生するため、上
記反共振周波数fをこれらの次数の周波数のいずれかの
周波数と略一致するように設定することで、同様にエン
ジンのロール振動を低減することができる。
【0052】さらに、上記のような種々の次数の周波数
成分の中でも、特に(気筒数/2)倍の次数、すなわ
ち、4気筒エンジンの場合2次、6気筒エンジンの場合
3次、8気筒エンジンの場合4次の周波数が最も大きく
なるため、上記反共振周波数fがこれらの回転基本次数
の周波数と略一致するように設定することで、エンジン
のロール振動を一層低減することができる。
【0053】また、通常の自動車用エンジンの場合ロー
ル振動が問題となる運転条件としては、アイドル運転状
態が挙げられる。エンジンの所定回転速度として、アイ
ドル運転状態における回転速度を適用し、この運転領域
で上記反共振周波数fの設定を行なうことにより、より
一層のロール振動低減結果を得ることができる。
【0054】ここで、一例として、4気筒ガソリンエン
ジンでアイドル回転数(回転速度)Nが750rpmの
場合において、反共振周波数fが、回転速度の2次すな
わち25Hz((750/60)×2)と一致するよう
に設定した結果を図3に示す。図3から理解されるよう
に、アイドル運転状態の回転2次周波数25Hzのとこ
ろでロール振動が大幅に低減されている。また、補機回
転振動系の共振周波数である28Hz近傍ではロール振
動の悪化がみられるものの、アイドル運転時以外の通常
の運転条件では、回転速度Nが約1200rpm以上、
すなわち、回転2次の周波数は40Hz((1200/
60)×2)以上となり、上記28Hz近傍のロール振
動の悪化が問題となることはない。
【0055】図4は、上記振動低減装置を備えたエンジ
ン10をシリーズ型のハイブリッド車21に搭載した例
を示すものである。このシリーズ型のハイブリッド車2
1においては、エンジン10はオルタネータ14を駆動
して発電するための発電機駆動源としてのみ用いられ、
このオルタネータ14により発電された電力がバッテリ
22を経由して電動モータ23に供給され、この電動モ
ータ23が変速機24を介して車輪25を回転駆動する
ようになっている。従って、エンジン10は、車輪25
を直接駆動する必要がないため、最も効率の良い運転条
件の下ほぼ一定の回転速度で運転されることになる。
【0056】例えば、この回転速度が3000rpmの
場合には、4気筒エンジンのロール振動は、その回転速
度の2次の周波数すなわち100Hz((3000/6
0)×2)において最も大きくなる。従って、反共振周
波数fが100Hz近傍となるように、副フライホイー
ル18等の慣性モーメントI,増速比ρ等を調整する
ことで、ロール振動を大幅に低減することができる。
【0057】図5は、本発明に係る振動低減装置を備え
たエンジンの第2実施例を示すものであり、このエンジ
ン30では、図5(a)に示すように、クランクシャフ
ト12に固着されたクランクプーリ13と、オルタネー
タ14のオルタネータプーリ14bと、アイドラプーリ
15とに補機駆動ベルト17が巻き掛けられ、又、この
補機駆動ベルト17の背面が補機としてのパワステポン
プ16のパワステポンププーリ16bに巻き掛けられて
いる。
【0058】さらに、上記パワステポンプ16の回転軸
16aには、図5(b)に示すように、慣性質量体とし
ての副フライホイール18が一体的に回転するように固
着されており、又、パワステポンププーリ16bと副フ
ライホイール18ともお互いに一体的に回転するように
固着されている。上記パワステポンププーリ16bは、
副フライホイール18を回転させるための従動プーリの
役割を成している。本実施例においては、図1に示す前
述の実施例に比べて、副フライホイール18がクランク
シャフト12の回転方向と反対の方向に回転するように
なっている。
【0059】上記構成における反共振周波数fは、パワ
ステポンププーリ16bの駆動半径をrとすると、次
式(3)で表わすことができる。
【0060】 ここで、この反共振周波数fが、前述実施例と同様に、
4気筒エンジンにおける回転速度750rpmのアイド
ル運転状態で問題となる回転2次の周波数25Hzとな
るように、副フライホイール18の慣性モーメント
、増速比ρ等を設定すると、そのときの振動伝達特
性は図6に示すようになる。
【0061】図6から理解されるように、副フライホイ
ール18がクランクシャフト12と逆方向に回転する本
実施例では、同方向に回転する前述の実施例に比べて、
ロール振動の低減幅は大きくなり、又、補機回転振動系
の共振周波数と反共振周波数との隔たりも大きくなる。
従って、ロール振動の低減効果が得られる周波数帯域も
広くなり、反共振周波数の設定も容易になる。
【0062】図7は、本発明に係る振動低減装置を備え
たエンジの第3実施例を示すものであり、このエンジン
40では、図7(b),(c)に示すように、副フライ
ホイール41とパワステポンププーリ16bとが弾性体
を介して結合され一体的に回転するようになっている以
外は、前述第2実施例とほぼ同様の構成となっている。
【0063】すなわち、パワステポンププーリ16bは
回転軸16aに直接固着されているものの、副フライホ
イール41は、回転軸16aに外嵌固着される円筒状ハ
ブ部42との間に弾性体としての環状ゴム43を介在さ
せた状態で、回転軸16aに結合されている。従って、
補機回転振動系において、この環状ゴム43をばね成分
として用いることで、補機駆動ベルト17をばね成分と
して用いる場合に比べて、ばね定数の設定自由度が大き
くなる。また、補機駆動ベルト17のばね定数は、補機
駆動という本来の目的のために要求される大きさに設定
することが可能となる。
【0064】上記構成における反共振周波数fは、補機
駆動ベルト17をばね成分として用いる場合の式(1)
におけるk,k,f,f等に代えて、環状ゴム
43の回転ばね定数kを用いることで、次式(4)で表
わすことができる。
【0065】 ここで、この反共振周波数fが、前述実施例と同様に、
4気筒エンジンにおける回転速度750rpmのアイド
ル運転状態で問題となる回転2次の周波数25Hzとな
るように、副フライホイール18の慣性モーメント
、増速比ρ、回転ばね定数k等を設定することによ
り、ロール振動を低減することができる。
【0066】図8は、本発明に係る振動低減装置を備え
たエンジンの第4実施例を示すものであり、このエンジ
ン50では、図8(b),(c)に示すように、副フラ
イホイール51とパワステポンププーリ兼用の従動プー
リ52とが弾性体を介して結合され、かつ、副フライホ
イール51が回転軸16aに直接固着されている以外
は、前述第2及び第3実施例とほぼ同様の構成となって
いる。
【0067】すなわち、大径部51aと小径部51bの
2段構成からなる副フライホイール51は、パワステポ
ンプ16の回転軸16aに直接固着されており、一方、
従動プーリ52は、環状ゴム53を介して副フライホイ
ール51の小径部51b外周面に結合されている。
【0068】上記構成においては、副フライホイール5
1だけでなく、補機としてのパワステポンプ16が元々
持っている回転部も慣性質量体として作用することか
ら、付加される副フライホイール51そのものの慣性モ
ーメントすなわち質量を小さくすることができ、その分
の軽量化が可能である。また、環状ゴム53の回転ばね
定数kを十分小さくすることができれば、新たに慣性質
量を付加せずとも、パワステポンプ16の慣性質量のみ
でロール振動を低減することも可能である。この場合、
補機としても、慣性質量の大きいものを適用するのが好
ましい。
【0069】本実施例においても、反共振周波数fは、
前述式(4)のように表わすことができ、この反共振周
波数fを前述同様例えばアイドル運転状態で問題となる
25Hz近傍に設定することにより、ロール振動を大幅
に低減することができる。
【0070】図9は、本発明に係る振動低減装置を備え
たエンジンの第5実施例を示すものであり、このエンジ
ン60では、図9(a)に示すように、エンジン本体1
1のクランクシャフト12に駆動スプロケット61が固
着されており、この駆動スプロケット61と、動弁系の
カムシャフトを駆動するカムシャフト用スプロケット6
2と、アイドラスプロケット63とに駆動用チェン67
が巻き掛けられ、さらに、補機64及び副フライホイー
ル65を回転駆動する従動スプロケット66に、駆動用
チェーン67の背面側が巻き掛けられている。
【0071】上記副フライホイール65は、図9(b)
に示すように、補機64の回転軸64aに直接固着され
ており、一方、従動スプロケット66は、回転軸64a
に対して回動自在に取り付けられている。また、副フラ
イホイール65は、大径部65aと小径部65bの2段
構成に形成され、この小径部65bの外周面に従動スプ
ロケット66が回動自在に外嵌されると共に、図9
(c)に示すように、小径部65bに形成された周方向
に長尺な切り欠き部65cと従動スプロケット66の嵌
合部内周面から突出した突出片66aとの間に、弾性体
としての金属製スプリング68が配置されており、この
金属製スプリング68を介して、従動スプロケット66
の回転力が副フライホイール65に、さらには補機64
に伝わるようになっている。
【0072】上記駆動スプロケット61、従動スプロケ
ット65、金属製スプリング68、駆動用チェーン67
等により、慣性質量体にクランクシャフト12の回転駆
動力を伝える駆動力伝達機構が構成されている。
【0073】本実施例においては、副フライホイール6
5は、クランクシャフト12の回転方向と反対の方向に
回転し、又、金属製スプリング68が、補機回転振動系
のばね成分としての役割を成すようになっている。さら
に、副フライホイール65と補機64の回転部とが、慣
性質量体として作用するため、付加する副フライホイー
ル65そのものの質量を小さくすることができる。ま
た、補機回転振動系のばね成分として金属製スプリング
68を採用することから、上記駆動力伝達機構に潤滑油
が供給されて潤滑作用が行なわれる場合でも、弾性体と
してゴムを用いる場合に生じる劣化等の問題はなく、長
期に亘る機能上の信頼性(耐久性)を確保することがで
きる。
【0074】上記構成における反共振周波数fは、金属
製スプリング68の回転ばね定数をk、増速比ρ(=r
/r;rは駆動スプロケット61の駆動半径、r
は従動スプロケット66の駆動半径)とすることで、
前述式(4)と同様に表わすことができ、この反共振周
波数fを前述同様例えばアイドル運転状態で問題となる
25Hz近傍に設定することにより、ロール振動を大幅
に低減することができる。
【0075】図10は、本発明に係る振動低減装置を備
えたエンジンの第6実施例を示すものであり、このエン
ジン70は、図10(a)に示すように、エンジン本体
11のクランクシャフト12に駆動スプロケット71が
固着されており、この駆動スプロケット71と、スプロ
ケット兼歯車72のスプロケット部72aとの間に駆動
用チェーン73が巻き掛けられている。そして、スプロ
ケット兼歯車72の歯車部72bは、補機75の回転軸
75aに回動自在に取り付けられた従動歯車74に噛合
しており、この従動歯車74の回転力は、前述第5実施
例と同様に配置された金属製スプリング76を介して、
回転軸75aに直接固着された副フライホイール77に
伝わり、さらには補機75の回転部に伝わるようになっ
ている。
【0076】尚、上記金属製スプリング76は、副フラ
イホイール77の小径部77bに形成された切り欠き部
77cと従動歯車74の嵌合部内周面から突出した突出
片74aとの間に配置されて、上述のように従動歯車7
4の回転力を副フライホイール77に伝えるようになっ
ている。
【0077】上記駆動スプロケット71、駆動用チェー
ン73、スプロケット兼歯車72及び従動歯車74から
なる歯車機構、弾性体としての金属製スプリング76等
により、慣性質量体にクランクシャフト12の回転駆動
力を伝える駆動力伝達機構が構成されている。
【0078】本実施例においては、副フライホイール7
7は、クランクシャフト12の回転方向と反対の方向に
回転し、又、金属製スプリング76が、補機回転振動系
のばね成分としての役割を成すようになっている。さら
に、副フライホイール77と補機75の回転部とが、慣
性質量体として作用するため、付加する副フライホイー
ル77そのものの質量を小さくすることができる。ま
た、補機回転振動系のばね成分として金属製スプリング
76を採用することから、上記駆動力伝達機構に潤滑油
が供給されて潤滑作用が行なわれる場合でも、弾性体と
してゴムを用いる場合に生じる劣化等の問題はなく、長
期に亘る機能上の信頼性(耐久性)を確保することがで
きる。
【0079】上記構成における反共振周波数fは、金属
製スプリング76の回転ばね定数をk、増速比ρ(=r
/r;rは駆動スプロケット71の駆動半径、r
は従動歯車74のピッチ円半径)とすることで、前述
式(4)と同様に表わすことができ、この反共振周波数
fを前述同様例えばアイドル運転状態で問題となる25
Hz近傍に設定することにより、ロール振動を大幅に低
減することができる。
【0080】図11は、本発明に係る振動低減装置を備
えたエンジンの第7実施例を示すものであり、このエン
ジン80は、クランクプーリ81に対して、補機回転振
動系のばね成分及びクランクシャフト12の振動を吸収
する動吸振器を設けた以外は、図5に示す第2実施例と
同様の構成となっている。
【0081】すなわち、クランクシャフト12に固着さ
れたクランクプーリ81と、オルタネータ14のオルタ
ネータプーリ14bと、アイドラプーリ15とに補機駆
動ベルト17が巻き掛けられ、又、この補機駆動ベルト
17の背面が補機82及び副フライホイール83を回転
させる従動プーリ84に巻き掛けられている。上記副フ
ライホイール83は、大径部83aと小径部83bから
なる2段構成に形成されると共に、補機82の回転軸8
2aに直接固着されており、上記従動プーリ84は、副
フライホイール83の小径部83b外周面に外嵌固着さ
れている。従って、補機駆動ベルト17により、クラン
クシャフト12の回転方向と反対の方向に従動プーリ8
4が回転すると、副フライホイール83及び補機82の
回転部も一体的に反対の方向に回転するようになってい
る。
【0082】上記クランクプーリ81は、図11(c)
に示すように、クランクシャフト12に直接固着される
結合フランジ部81aと、この結合フランジ部81aの
外周面に結合された第2弾性体としての内側環状ゴム8
1bと、この内側環状ゴム81bの外周面に結合された
質量体としての環状質量部81cと、この環状質量部8
1cの外周面に結合された弾性体としての外側環状ゴム
81dと、この外側環状ゴム81dの外周面に結合され
た巻掛部81eとにより、径方向に積層された積層構造
として形成される。
【0083】上記クランクプーリ81において、内側環
状ゴム81b及び環状質量部81cは、クランクシャフ
ト12の振動、主としてねじり共振振動を吸収する動吸
振器(ダイナミックダンパ)を構成している。一方、外
側環状ゴム81dは、補機駆動ベルト17により回転さ
れる補機回転振動系のばね成分の役割を成すものであ
る。
【0084】上記構成における反共振周波数fは、外側
環状ゴム81dの回転ばね定数をkとすることで、前述
式(4)と同様に表わすことができ、この反共振周波数
fを前述同様例えばアイドル運転状態で問題となる25
Hz近傍に設定することにより、ロール振動を大幅に低
減することができる。
【0085】また、上記構成においては、クランクシャ
フト12の例えばねじり共振周波数は通常数百Hzであ
ることから、動吸振器として作用する内側環状ゴム81
bのばね定数は、補機回転振動系のばね成分として作用
する外側環状ゴム81dのばね定数kよりもかなり大き
く設定される。
【0086】従って、周波数の低い補機回転振動系の共
振周波数付近では、内側環状ゴム81bはほぼ剛体とし
て作用し、環状質量部81cはクランクシャフト12に
固着された結合フランジ部81aと共に一体的に回転す
ることになる。一方、クランクシャフト12のねじり共
振周波数付近では、外側環状ゴム81dのばね定数kが
十分小さいことから、巻掛部81eを含めた補機回転振
動系はクランクシャフト12の振動から絶縁され、内側
環状ゴム81b及び環状質量部81cが動吸振器として
作用して、クランクシャフト12の特にねじり共振振動
を抑制することになる。このように、本実施例において
は、クランクシャフト12の共振振動とエンジンの例え
ばアイドル運転時におけるロール振動とを共に低減する
ことができる。尚、上記動吸振器は、クランクシャフト
12のねじり振動だけでなく、曲げ振動を吸収するもの
として構成されてもよい。
【0087】以上述べた第2ないし第7実施例において
は、慣性質量体としての副フライホイール18,41,
51,65,77,83をクランクシャフト12の回転
方向と反対の方向に回転(逆回転)させる場合について
示したが、これに限らずクランクシャフト12の回転方
向と同じ方向に回転(順回転)させる構成を採用するこ
とも可能であり、この場合の反共振周波数fは、次式
(5)で表わすことができる。
【0088】 そして、この(5)式により導かれる反共振周波数f
が、エンジンのロール振動が問題となる運転条件で振動
の誘発に起因する周波数と略一致するように設定される
ことにより、前述同様にロール振動を低減することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る内燃機関の振動低減装置の第1
実施例を示すものであり、(a)は概略構成図、(b)
は補機及び副フライホイール相互の結合関係を示す一部
拡大構成図である。
【図2】 本発明に係る内燃機関の振動低減装置の作用
を説明するための図であり、(a)は振動モデルを示す
概略図、(b)は周波数応答特性を示す図である。
【図3】 図1に示す振動低減装置における振動伝達特
性を示す図である。
【図4】 図1に示す振動低減装置を備えた内燃機関を
シリーズ型ハイブリッド車に搭載した状態を示す概略構
成図である。
【図5】 本発明に係る内燃機関の振動低減装置の第2
実施例を示すものであり、(a)は概略構成図、(b)
は補機及び副フライホイール相互の結合関係を示す一部
拡大構成図である。
【図6】 図5に示す振動低減装置における振動伝達特
性を示す図である。
【図7】 本発明に係る内燃機関の振動低減装置の第3
実施例を示すものであり、(a)は概略構成図、(b)
及び(c)は補機及び副フライホイール相互の結合関係
を示す一部拡大構成図である。
【図8】 本発明に係る内燃機関の振動低減装置の第4
実施例を示すものであり、(a)は概略構成図、(b)
及び(c)は補機及び副フライホイール相互の結合関係
を示す一部拡大構成図である。
【図9】 本発明に係る内燃機関の振動低減装置の第5
実施例を示すものであり、(a)は概略構成図、(b)
及び(c)は補機及び副フライホイール相互の結合関係
を示す一部拡大構成図である。
【図10】 本発明に係る内燃機関の振動低減装置の第
6実施例を示すものであり、(a)は概略構成図、
(b)及び(c)は補機及び副フライホイール相互の結
合関係を示す一部拡大構成図である。
【図11】 本発明に係る内燃機関の振動低減装置の第
7実施例を示すものであり、(a)は概略構成図、
(b)及び(c)は補機及び副フライホイール相互の結
合関係を示す一部拡大構成図である。
【図12】 従来の振動低減装置を示すものであり、
(a)は概略構成正面図、(b)は概略構成側面図であ
る。
【符号の説明】
11 エンジン本体 12 クランクシャフト 13 クランクプーリ 14 オルタネータ(補機) 14a 回転軸 14b オルタネータプーリ(従動プーリ) 15 アイドラプーリ 16 パワステポンプ 16a 回転軸 16b パワステポンププーリ(従動プーリ) 17 補機駆動ベルト(駆動用弾性ベルト) 18 副フライホイール(慣性質量体) 21 ハイブリッド車 22 バッテリ 23 電動モータ 24 変速機 25 車輪 41 副フライホイール(慣性質量体) 42 円筒状ハブ部 43 環状ゴム(弾性体) 51 副フライホイール(慣性質量体) 51a 大径部 51a 小径部 52 従動プーリ 53 環状ゴム(弾性体) 61 駆動スプロケット 62 カムシャフト用スプロケット 63 アイドラスプロケット 64 補機 64a 回転軸 65 副フライホイール(慣性質量体) 65a 大径部 65b 小径部 65c 切り欠き部 66 従動スプロケット 66a 突出片 67 駆動用チェーン 68 金属製スプリング(弾性体) 71 駆動スプロケット 72 スプロケット兼歯車 72a スプロケット部 72b 歯車部 73 駆動用チェーン 74 従動歯車 74a 突出片 75 補機 75a 回転軸 76 金属製スプリング(弾性体) 77 副フライホイール(慣性質量体) 77b 小径部 77c 切り欠き部 81 クランクプーリ 81a 結合フランジ部 81b 内側環状ゴム(第2弾性体) 81c 環状質量部(質量体) 81d 外側環状ゴム(弾性体) 81e 巻掛部 82 補機 82a 回転軸 83 副フライホイール(慣性質量体) 83a 大径部 83b 小径部 84 従動プーリ

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクシャフトの回転駆動力を伝える
    駆動力伝達機構と、前記駆動力伝達機構により回転させ
    られて慣性力を生じる慣性質量体とを備えて、クランク
    シャフトの回転に伴なう内燃機関のロール振動を低減す
    るようにした内燃機関の振動低減装置であって、 前記駆動力伝達機構から慣性質量体までの回転振動系の
    振動モードと前記クランクシャフトの回転に伴うロール
    振動系の振動モードとの重ね合わせによって発生する反
    共振の周波数が、前記クランクシャフトの所定回転速度
    における回転周波数を(自然数/2)倍した周波数のう
    ちのいずれかの周波数と略一致するように形成されてい
    る、 ことを特徴とする内燃機関の振動低減装置。
  2. 【請求項2】 前記反共振の周波数が、前記クランクシ
    ャフトの所定回転速度における回転周波数を(気筒数/
    2)倍した周波数と略一致するように形成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の振動低減装
    置。
  3. 【請求項3】 前記クランクシャフトの所定回転速度
    は、内燃機関がアイドル運転状態にある際の回転速度で
    ある、ことを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関
    の振動低減装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動力伝達機構は、前記クランクシ
    ャフトに結合されて一体的に回転するクランクプーリ
    と、前記慣性質量体と同軸上にて一体的に回転する従動
    プーリと、前記クランクプーリと従動プーリとを連動さ
    せる駆動用弾性ベルトとを含む、 ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか1つに記載
    の内燃機関の振動低減装置。
  5. 【請求項5】 前記慣性質量体及び従動プーリは、補機
    の回転軸と一体的に回転するように取り付けられてい
    る、ことを特徴とする請求項4記載の内燃機関の振動低
    減装置。
  6. 【請求項6】 前記従動プーリと前記慣性質量体とは、
    弾性体を介して一体的に回転するように結合されてい
    る、ことを特徴とする請求項4又は5記載の内燃機関の
    振動低減装置。
  7. 【請求項7】 前記慣性質量体は弾性体を介して前記回
    転軸に結合され、前記従動プーリは前記回転軸に直接結
    合されている、ことを特徴とする請求項5又は6記載の
    内燃機関の振動低減装置。
  8. 【請求項8】 前記慣性質量体は前記回転軸に直接結合
    され、前記従動プーリは弾性体を介して前記慣性質量体
    に結合されている、ことを特徴とする請求項5又は6記
    載の内燃機関の振動低減装置。
  9. 【請求項9】 前記クランクプーリは、前記クランクシ
    ャフトに直接結合される結合フランジ部と、前記駆動用
    弾性ベルトを巻き掛ける巻掛部と、前記結合フランジ部
    と巻掛部との間に介在して両者を結合する弾性体とから
    なる、ことを特徴とする請求項4ないし8いずれか1つ
    に記載の内燃機関の振動低減装置。
  10. 【請求項10】 前記クランクプーリには、前記クラン
    クシャフトの振動を吸収する動吸振器が設けられてい
    る、ことを特徴とする請求項9記載の内燃機関の振動低
    減装置。
  11. 【請求項11】 前記動吸振器は、前記弾性体と前記結
    合フランジ部との間に介在させられた前記弾性体に結合
    される質量体及び前記質量体と前記結合フランジ部に結
    合される第2弾性体からなる、ことを特徴とする請求項
    10記載の内燃機関の振動低減装置。
  12. 【請求項12】 前記駆動力伝達機構は、前記クランク
    シャフトに結合されて一体的に回転する駆動スプロケッ
    トと、前記慣性質量体と同軸上にて一体的に回転する従
    動スプロケットと、前記駆動スプロケットと従動スプロ
    ケットとを連動させる駆動用チェーンと、前記従動スプ
    ロケットと前記慣性質量体との間に介在させられて前記
    従動スプロケットの回転力を前記慣性質量体に伝える弾
    性体とを含む、ことを特徴とする請求項1ないし3いず
    れか1つに記載の内燃機関の振動低減装置。
  13. 【請求項13】 前記駆動力伝達機構は、前記クランク
    シャフトの回転力により駆動されて前記慣性質量体と同
    軸上にて一体的に回転する従動歯車を備える歯車機構
    と、前記従動歯車と前記慣性質量体との間に介在させら
    れて前記従動歯車の回転力を前記慣性質量体に伝える弾
    性体とを含む、 ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか1つに記載
    の内燃機関の振動低減装置。
  14. 【請求項14】 前記慣性質量体は、補機の回転軸と一
    体的に回転するように取り付けられてる、ことを特徴と
    する請求項12又は13記載の内燃機関の振動低減装
    置。
  15. 【請求項15】 前記弾性体が金属製スプリングからな
    る、ことを特徴とする請求項12ないし14いずれか1
    つに記載の内燃機関の振動低減装置。
  16. 【請求項16】 前記慣性質量体は、前記クランクシャ
    フトの回転方向と反対の方向に回転するように形成され
    ている、ことを特徴とする請求項1ないし15いずれか
    1つに記載の内燃機関の振動低減装置。
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US7048670B2 (en) * 2001-08-10 2006-05-23 Kabushiki Kaisha Moric Engine control method and device for a vehicle
JP2012140864A (ja) * 2010-12-28 2012-07-26 Daihatsu Motor Co Ltd アイドルストップ車の制御装置
JP2014080129A (ja) * 2012-10-17 2014-05-08 Toyota Motor Corp ハイブリッド車両の制御装置

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