JPH1191376A - エンジンのトルク変動抑制装置 - Google Patents

エンジンのトルク変動抑制装置

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JPH1191376A
JPH1191376A JP9255114A JP25511497A JPH1191376A JP H1191376 A JPH1191376 A JP H1191376A JP 9255114 A JP9255114 A JP 9255114A JP 25511497 A JP25511497 A JP 25511497A JP H1191376 A JPH1191376 A JP H1191376A
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JP
Japan
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crankshaft
engine
sub
torque
flywheel
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JP9255114A
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English (en)
Inventor
Masahiko Kindo
雅彦 金堂
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンの回転変動とロール振動を併せて低
減するトルク変動抑制装置において、軽量化や耐久性の
向上をはかる。 【解決手段】 クランクシャフト20に結合されるドラ
イブプレート7と、ドライブプレート7にトーショナル
ダンパ5を介して連結されるトルクコンバータ2と、ク
ランクシャフト20と逆方向に回転するサブフライホイ
ール22と、クランクシャフト20の回転をサブフライ
ホイール22に増速して伝達するチェーン23とを備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼加振力や慣性
力により発生するエンジンのトルク変動ならびに駆動系
への回転変動入力を低減するエンジンのトルク変動抑制
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】内燃
機関は、燃焼によるピストンの往復運動をコンロッドを
介してクランクシャフトの回転力に変換しているので、
クランクシャフトの発生トルクは周期的に変動する。車
両の場合、クランクシャフトのトルク変動は、フライホ
イール、クラッチまたはトルクコンバータを介してパワ
ートレインに伝達される。一方、クランクシャフトに発
生するトルク変動は、反作用としてエンジンブロックに
も加振力として加わる。この結果、エンジンがロ一ル振
動し、エンジンマウントヘの変位加振となって車体へ加
振力が伝達される。これらの現象は、アイドル時にはア
イドル振動としてステアリングや車体のフロア振動を増
大させ、また定常ロックアップ走行時に車室内にこもり
音等を発生させる原因になっている。
【0003】これに対処して、例えば実開昭58−14
4146号公報や特開平7−40750号公報では、ト
ーショナルダンパを介してエンジン出力軸にトルクコン
バータを結合してクランクシャフトのトルク変動を吸収
する構造が開示されている。これにより、クランクシャ
フトのトルク変動がトルクコンバータを介してパワート
レインに伝達されることが抑えられ、ロックアップ走行
時にこもり音等が発生することを抑えられる。
【0004】しかしながら、これらの場合、トルクコン
バータ等の回転変動は抑制できるものの、その反力であ
るトルク変動そのものを低減するものではないので、エ
ンジン振動の低減には効果的でない。
【0005】さらに、トーショナルダンパを設けること
によって、フライホイールの慣性質量を大幅に低減でき
る反面、エンジン側の回転変動は増大して、補機ベルト
の耐久性や回転変動による駆動系への入力遮断効果が減
少する。
【0006】また、特開平8−261291号公報で
は、フライホイールの質量を可変とする構造が開示され
ている。これは、低速時にサブフライホイールがメイン
フライホイールと一体で回転するため回転が円滑化さ
れ、高速時にはサブフライホイールが遠心クラッチによ
って切り離され、メインフライホイールのみが回転する
ため加速時の応答性が向上する。
【0007】しかしながら、この場合、メインフライホ
イールとサブフライホイールの慣性質量だけで回転変動
を抑制するものであるから、大幅な重量増となる。
【0008】また、実開昭61−198747号公報や
特開平6−42591号公報では、サブフライホイール
をメインフライホイールと逆方向に回転駆動することに
よって、エンジンの燃焼加振力によって発生するトルク
反力を打ち消す構造が開示されている。
【0009】この場合、サブフライホイールの慣性モー
メントによりエンジンのロール振動を低減する効果があ
る。このロール振動低減効果はクランクシャフトとメイ
ンフライホイール等で構成される主慣性体の慣性モーメ
ントとサブフライホイール等で構成される副慣性体の慣
性モーメントの比によって決まる。したがって、サブフ
ライホイールの慣性モーメントによるロール振動の低減
効果を高めるためには、メインフライホイールを軽量化
するか、あるいはサブフライホイールを大型化する必要
がある。
【0010】これに対処して、特開平6−50388号
公報ではメインフライホイールをアルミ合金等で形成し
て軽量化する構造が開示されている。
【0011】しかしながら、クラッチ等を構成するメイ
ンフライホイールをアルミ材で形成すると、耐久性を確
保することが難しく、製品のコストアップを招く。
【0012】また、サブフライホイールを大型化する
と、エンジンの重量増大を招き、車載上のレイアウトが
難しい。
【0013】本発明は上記の問題点を鑑みてなされたも
のであり、エンジンの回転変動とロール振動を併せて低
減するトルク変動抑制装置において、軽量化や耐久性の
向上をはかることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のエンジ
ンのトルク変動抑制装置は、エンジンの回転力を取り出
すクランクシャフトと、クランクシャフトを含みクラン
クシャフトと一体となって回転する主慣性体と、主慣性
体に相対回転可能に結合してクランクシャフトの捩り振
動を吸収するトーショナルダンパと、クランクシャフト
と逆方向に回転する副慣性体と、クランクシャフトの回
転を副慣性体に増速して伝達する回転伝達機構とを備え
るものとした。
【0015】請求項2に記載のエンジンのトルク変動抑
制装置は、請求項1に記載の発明において、前記クラン
クシャフトに結合されるドライブプレートと、ドライブ
プレートにトーショナルダンパを介して連結されるトル
クコンバータとを備えるものとした。
【0016】請求項3に記載のエンジンのトルク変動抑
制装置は、請求項1に記載の発明において、前記クラン
クシャフトに結合されるフレキシブルプレートと、フレ
キシブルプレートにトーショナルダンパを介して連結さ
れるフライホイールとを備えるものとした。
【0017】請求項4に記載のエンジンのトルク変動抑
制装置は、請求項1から3のいずれか一つに記載の発明
において、前記回転伝達機構として、クランクシャフト
に結合されるクランクプーリと、副慣性体に結合される
従動プーリと、クランクプーリと従動プーリおよびアイ
ドラプーリに渡って掛け回されるベルトとを備え、ベル
トの両面にクランクプーリと従動プーリのそれぞれに噛
合う歯を形成するものとした。
【0018】請求項5に記載のエンジンのトルク変動抑
制装置は、請求項1から3のいずれか一つに記載の発明
において、前記回転伝達機構として、クランクシャフト
に結合されるクランクスプロケットと、クランクスプロ
ケットからの回転がチェーンを介して伝達される従動ス
プロケットと、従動スプロケットに結合される駆動ギア
と、副慣性体に結合され駆動ギアに噛合う従動ギアとを
備えるものとした。
【0019】
【発明の作用および効果】請求項1に記載のエンジンの
トルク変動抑制装置において、エンジンの運転時、トー
ショナルダンパがクランクシャフトのトルク変動を吸収
することにより、トルクコンバータまたはクラッチ等を
介して車両のパワートレインに伝達されるトルク変動を
十分に抑えられ、車室内にこもり音等が発生することを
防止できる。
【0020】一方、副慣性体を主慣性体と逆方向に増速
して回転駆動することにより、燃焼加振力によって発生
するクランクシャフトのトルク反力を打ち消し、エンジ
ンのロール振動を抑えられる。
【0021】トーショナルダンパを介して主慣性体から
トルクコンバータまたはクラッチ等を切り離し、主慣性
体と副慣性体の慣性モーメント比を大きくすることによ
り、副慣性体によるエンジンのロール振動を低減する効
果を高められる。この結果、燃料をシリンダ内に直接噴
射する火花点火エンジンやディーゼルエンジン等におい
ても、エンジンに発生する振動や騒音を十分に低減する
ことができる。
【0022】また、従来装置のようにフライホイールを
アルミ合金等を用いて軽量化する必要がなく、クラッチ
等の耐久性を損なうことを回避できる。また、副慣性体
を小型化して車載上のレイアウトを容易にすることがで
きる。
【0023】請求項2に記載のエンジンのトルク変動抑
制装置において、エンジンの運転時、トーショナルダン
パがドライブプレートに対してトルクコンバータを相対
回転させてクランクシャフトのトルク変動を吸収するこ
とにより、トルクコンバータを介して車両のパワートレ
インに伝達されるトルク変動を十分に抑えられ、車室内
にこもり音等が発生することを防止できる。
【0024】一方、副慣性体を主慣性体と逆方向に増速
して回転駆動することにより、燃焼加振力によって発生
するクランクシャフトのトルク反力を打ち消し、エンジ
ンのロール振動を抑えられる。
【0025】トーショナルダンパを介して主慣性体のド
ライブプレートからトルクコンバータを切り離し、主慣
性体と副慣性体の慣性モーメント比を大きくすることに
より、副慣性体によるエンジンのロール振動を低減する
効果を高められる。
【0026】この結果、従来装置のようにフライホイー
ルをアルミ合金等を用いて軽量化する必要がなく、クラ
ッチ等の耐久性を損なうことを回避できる。また、副慣
性体を小型化して車載上のレイアウトを容易にすること
ができる。
【0027】請求項3に記載のエンジンのトルク変動抑
制装置において、エンジンの運転時、トーショナルダン
パがフレキシブルプレートに対してフライホイールを相
対回転させてクランクシャフトのトルク変動を吸収する
ことにより、クラッチ等を介して車両のパワートレイン
に伝達されるトルク変動を十分に抑えられ、車室内にこ
もり音等が発生することを防止できる。
【0028】一方、副慣性体を主慣性体と逆方向に増速
して回転駆動することにより、燃焼加振力によって発生
するクランクシャフトのトルク反力を打ち消し、エンジ
ンのロール振動を抑えられる。
【0029】トーショナルダンパを介して主慣性体のフ
レキシブルプレートからフライホイールを切り離し、主
慣性体と副慣性体の慣性モーメント比を大きくすること
により、副慣性体によるエンジンのロール振動を低減す
る効果を高められる。
【0030】この結果、従来装置のようにフライホイー
ルをアルミ合金等を用いて軽量化する必要がなく、クラ
ッチ等の耐久性を損なうことを回避できる。また、副慣
性体を小型化して車載上のレイアウトを容易にすること
ができる。
【0031】請求項4に記載のエンジンのトルク変動抑
制装置において、ベルトはその両面に形成された歯をク
ランクプーリと従動プーリのそれぞれに噛み合わせて循
環することにより、副慣性体を主慣性体と逆方向に増速
して回転駆動する。こうしてベルトと各プーリ間の滑り
を無くすことにより、燃焼加振力によって発生するクラ
ンクシャフトのトルク反力を有効に打ち消し、エンジン
のロール振動を抑えられる。
【0032】請求項5に記載のエンジンのトルク変動抑
制装置において、クランクシャフトの回転がクランクス
プロケット、チェーン、従動スプロケット、駆動ギア、
従動ギアを介して伝えられ、サブフライホイールをクラ
ンクシャフトと逆方向に増速して回転駆動する。
【0033】チェーンはクランクスプロケットに向かう
その張り側部分でしか駆動トルクを伝えられないが、ク
ランクシャフトに発生するトルク変動は、正側でのみ変
化するため、サブフライホイールの慣性モーメントによ
りクランクシャフトのトルク反力を有効に打ち消し、エ
ンジンのロール振動を抑えられる。
【0034】チェーンを介してクランクスプロケットと
従動スプロケットを同方向に回転させる構造により、チ
ェーンが共振することを抑え、ロール振動低減効果を高
めるとともに、チェーンと各スプロケットの噛合い部が
発生する騒音を低減することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。
【0036】図1に示すように、車両に搭載される直列
4気筒エンジン1は、クランクシャフト20の後端にト
ーショナルダンパ5を介してトルクコンバータ2が結合
される。トーショナルダンパ5は、後述するように、ク
ランクシャフト20にトルクコンバータ2を相対回転可
能に結合してクランクシャフト20の捩り振動を吸収す
る。
【0037】図2にエンジン1の出力変動を緩和するダ
ンパ構造の具体的な構成を示すが、これ自体は本出願人
により特開平7−40750号公報として、既に提案さ
れている。
【0038】図2において、2はクランクシャフト20
からの回転を図示しない自動変速機に伝達するトルクコ
ンバータである。トルクコンバータ2は入力要素として
のポンプインペラ2Pと、これに向い合わせに設けた出
力要素としてのタービンランナ2Tと、これらポンプイ
ンペラ2Pおよびタービンランナ2T間に設けた反力要
素としてのステータ2Sとを備え、この3要素を、ポン
プインペラ2Pのアウクシェル2aおよびその開口を塞
ぐコンバータカバー2b間に収納して構成する。ステー
タ2Sはエンジン回転と逆の方向に回転しないよう図示
しないワンウェイクラッチを介して固定軸上に支持され
る。更に、タービンランナ2Tの中心にタービンハブ2
cを連結し、このタービンハブ2cに自動変速機の入力
軸をスプライン嵌合する。
【0039】トルクコンバータ2はロックアップクラッ
チ2Lを内蔵し、このロックアップクラッチ2Lをター
ビンハブ2cの軸方向に摺動自在に嵌合させるとともに
このタービンハブ2cに回転係合させる。ロックアップ
クラッチ2Lは、トルクコンバータの3要素2P,2
T,2Sを収容するコンバータ室2dから区画されたロ
ックアップ室2eを画成している。コンバータ室2dお
よびロックアップ室2e間の圧力差によりロックアップ
クラッチ2Lがコンバータカバー2bに圧接される状態
で、トルクコンバータ2は入出力要素2P,2T間を直
結されたロックアップ状態で動力伝達を行う。一方、ロ
ックアップクラッチ2Lの上記圧接が解かれた状態で、
トルクコンバータ2はポンプインペラ2Pによりステー
タ2Sによる反力下でタービンランナ2Tをトルク増大
しつつ流体駆動するようになっている。
【0040】トルクコンバータ2をクランクシャフト2
0に結合するにあたり、コンバータカバー2bの中心に
心出し突起3を溶接し、クランクシャフト20の端面中
心部に軸受けメタル4を埋設する。そして、心出し突起
3を軸受けメタル4内に摺動自在に嵌合させる。これに
よりトルクコンバータ2のコンバータカバー2bを、ク
ランクシャフト20に相対回転可能に突き合わせる。心
出し突起3が軸受けメタル4内において軸線方向に相対
変位し得るよう、クランクシャフト20および心出し突
起3との間に軸線方向の隙間αを設定する。
【0041】このようにして心出し配置したクランクシ
ャフト20およびトルクコンバータ2間は、周知のトー
ショナルダンパ5を介して駆動結合する。
【0042】図3にも示すように、トーショナルダンパ
5は、ハブプレート6を備え、ハブプレート6の両側に
ドライブプレート7とサイドプレート8を配置する。両
ドライブプレート7とサイドプレート8はその内周部を
ボルト9でクランクシャフト20の軸端に締結され、そ
の外周部をリベット10により一体結合する。また、ハ
ブプレート6はその外周部がボルト11でコンバータカ
バー2bに締結される。
【0043】ハブプレート6には円周方向に等間隔に4
個の窓6aを形成し、これら各窓6aに大小1組のトー
ションスプリング12を2組、円周方向にタンデムに配
して収容する。そして、各窓6a内におけるトーション
スプリング組12間に、イコライザ13を介在させ、こ
れにより全トーションスプリング組12の撓み量を同じ
に保つようにする。また、各窓6a内における全トーシ
ョンスプリング組12を個々に両ドライブプレート7と
サイドプレート8間に抱持して、ハブプレート6とドラ
イブプレート7とをトーションスプリング組12により
両方向相対回転中立位置に弾支し、ドライブプレート7
とサイドプレート8と各イコライザ13との接触部には
低摩擦板14を介在させる。
【0044】ハブプレート6の内周部とドライブプレー
ト7との間にも低摩擦板15を介在させる。ハブプレー
ト6の内周部とサイドプレート8との問には、ハブプレ
ート6の内周部の軸線方向位置を固定するスペーサリン
グ16を介在させる。
【0045】ハブプレート6の内周部には更に、軸線方
向に貫通させて摩擦ブロック17を設け、この摩擦ブロ
ック17がハブプレート6に対し制限範囲内で円周方向
に相対変位可能になるよう、ハブプレート6の内周部に
形成した摩擦ブロック貫通窓の形状を決定する。そして
各摩擦ブロック17は、サイドプレート8に回転係合さ
せた共通な摩擦板18を介し皿ばね19によりドライブ
プレート7に押し付けられる。皿ばね19は摩擦板18
およびサイドプレート8間に介在する。摩擦ブロック1
7、摩擦板18および皿ばね19は、上記制限範囲を越
えたハブプレート6とドライブプレート7とサイドプレ
ート8との相対回転中、この相対回転に抵抗を与えてト
ーショナルダンパ5の回転振動を減衰させる、いわゆる
振動減衰機構を構成する。
【0046】一方、図4にも示すように、エンジン1の
前部にはクランクシャフト20と逆方向に回転する副慣
性体としてサブフライホイール22が設けられる。
【0047】クランクシャフト20の前端にはクランク
プーリ21が結合される。サブフライホイール22の前
部に従動プーリ33が一体形成される。エンジン1の前
部には一対のアイドラプーリ24が従動プーリ33を挟
むようにして設けられる。クランクプーリ21と各アイ
ドラプーリ24および従動プーリ33に渡って両面歯付
きベルト23が掛け回され、これらによりクランクシャ
フト20の回転を逆転させかつ増速してサブフライホイ
ール22に伝達する回転伝達機構を構成する。
【0048】ベルト23はクランクプーリ21に対して
そのベルト内側面が掛け回され、従動プーリ33に対し
てそのベルト背面が掛け回されて、クランクシャフト2
0の回転を逆転させてサブフライホイール22に伝達す
る。
【0049】ベルト23はその両面にクランクプーリ2
1と従動プーリ33のそれぞれに噛合うリブ状の歯が形
成され、ベルト23がクランクプーリ21と従動プーリ
33に対して滑らないようになっている。こうしてベル
ト23と各プーリ21,31間の滑りを無くすことによ
り、後述するように、燃焼加振力によって発生するクラ
ンクシャフト20のトルク反力を有効に打ち消し、エン
ジン1のロール振動を抑えられる。
【0050】従動プーリ33のプーリ径はクランクプー
リ21のプーリ径より小さく形成され、クランクシャフ
ト20の回転が2〜3倍程度の所定比に増速されてサブ
フライホイール22に伝達される。
【0051】各アイドラプーリ24は従動プーリ33を
挟むようにしてこれより上方に配置される。各アイドラ
プーリ24および従動プーリ33は、ベルト23が従動
プーリ33に対して90°以上の巻き付き角度を持って
曲折するように配置される。これにより、ベルト23が
従動プーリ33に対して滑ることを抑制する。
【0052】右側のアイドラプーリ24の回転軸はブラ
ケット25に固定され、ブラケット25はシリンダブロ
ック32の右側壁部に締結される。
【0053】左側のアイドラプーリ24の回転軸はブラ
ケット26に位置調整可能に固定され、ブラケット26
はシリンダブロック32の左側壁部に締結される。ブラ
ケット26に対するアイドラプーリ24の回転軸の位置
を変えて固定することにより、ベルト23の張力を適正
に調整することができる。
【0054】サブフライホイール22の回転軸34は、
図5に示すように、ベアリング37を介して取付座38
に回転可能に支持される。取付座38はシリンダブロッ
ク32の前壁部に図示しないボルトを介して締結されて
いる。
【0055】サブフライホイール22は円盤状に形成さ
れ、その背面にはバランス調整用のドリル穴39が空け
られている。
【0056】以上のように構成される本発明につき、次
に作用を説明する。
【0057】エンジン1の運転時、トーショナルダンパ
5はトーションスプリング12を撓ませてハブプレート
6をドライブプレート7に対して相対回転させることに
より、クランクシャフト20のトルク変動を吸収する。
【0058】このときハブプレート6がドライブプレー
ト7に対して相対回転するのに伴い、摩擦ブロック17
が摩擦抵抗を付与することにより、トルクコンバータ2
の回転振動を減衰する。
【0059】こうしてトーショナルダンパ5がクランク
シャフト20のトルク変動を吸収することにより、トル
クコンバータ2を介してパワートレインに伝達されるト
ルク変動を十分に抑えられ、ロックアップ走行時にこも
り音等が発生することを防止できる。
【0060】トーションスプリング12をドライブプレ
ート7とハブプレート6の間に介装し、トルクコンバー
タ2をクランクシャフト20から切り離す構造により、
クランクシャフト20とドライブプレート7とサイドプ
レート8等で構成される主慣性体の慣性モーメントを小
さく設定することができる。
【0061】一方、サブフライホイール22をトルクコ
ンバータ2と逆方向に増速して回転駆動することによっ
て、エンジン1の燃焼加振力によって発生するクランク
シャフト20のトルク反力を打ち消し、エンジン1のロ
ール振動を抑えられる。
【0062】トーショナルダンパ5を介して主慣性体か
らトルクコンバータ2を切り離し、主慣性体の慣性モー
メントI1と副慣性体(サブフライホイール22)の慣
性モーメントI2の比I2/I1を大きくすることによ
り、サブフライホイール22によるエンジン1のロール
振動を低減する効果を高められる。
【0063】図6は、主慣性体の慣性モーメントI1と
副慣性体22の慣性モーメントI2の慣性モーメント比
I1/I2とエンジン1のロール振動の低減効果の関係
を増速比r毎に表している。この特性図から明らかなよ
うに、増速比rが大きいほど、また慣性モーメント比I
1/I2が大きいほど、ロール振動の低減効果が大きく
なることがわかる。
【0064】排気量2000cc程度の直列4気筒エン
ジンの場合、主慣性体のうちでトルクコンバータ2の慣
性モーメントが0.07〜0.09kgm2であり、ク
ランクシャフト20やクランクプーリ21等の慣性モー
メントが0.04〜0.06kgm2である。トーショ
ナルダンパ5を設けてトルクコンバータ2を軽量化する
ことにより主慣性体の慣性モーメントを1/3程度に減
らし、増速比rを2.5として、ロール振動低減効果を
10dB程度確保するためには、サブフライホイール2
2の慣性モーメントを0.0075kgm2程度とな
る。これはサブフライホイール22の直径を150mm
程度に設定することが可能であり、車載上のレイアウト
を容易にすることができる。
【0065】一方、エンジンの等価慣性モーメント(=
I1+r2*I2)は、0.09kgm2となり、元々の
エンジン側慣性モーメントに対しては1/2程度に抑制
される。このため、補機ベルトはその負荷が低減され、
十分な耐久性を確保できる。
【0066】次に、図7に示す実施形態について説明す
る。
【0067】エンジン1の前部にはクランクスプロケッ
ト41と2つのカムスプロケット42と従動スプロケッ
ト43が設けられ、これらに渡ってチェーン40が掛け
回される。クランクスプロケット41は図示しないクラ
ンクシャフトの前端に結合される。各カムスプロケット
42は図示しない吸・排気弁を開閉駆動するカムシャフ
トの前端にに結合される。
【0068】エンジン1の前部にはクランクシャフトと
逆方向に回転する副慣性体としてサブフライホイール4
4が設けられる。
【0069】従動スプロケット42には駆動ギア47が
一体形成される一方、サブフライホイール44に従動ギ
ア46が一体形成される。駆動ギア47に従動ギア46
が噛合い、クランクシャフトの回転を逆転させてサブフ
ライホイール44に伝達する。
【0070】従動スプロケット46の歯数は駆動スプロ
ケット47の歯数より少なく形成され、クランクシャフ
トの回転が2〜3倍程度の所定比で増速されてサブフラ
イホイール44に伝達される。
【0071】サブフライホイール44の回転軸は、ベア
リングを介して取付座45に回転可能に支持される。取
付座45はシリンダブロック32の側壁部にボルトを介
して締結されている。
【0072】以上のように構成され、チェーン40はク
ランクスプロケット41に向かうその張り側部分でしか
駆動トルクを伝えられないが、クランクシャフトに発生
するトルク変動は、図8に示すように、正側でのみ変化
するため、サブフライホイール44の慣性モーメントに
よってクランクシャフトのトルク反力を打ち消し、エン
ジンのロール振動を抑えられる。
【0073】また、サブフライホイール44に従動スプ
ロケットを一体形成し、従動スプロケットをチェーン4
0の背面側に噛合わせることにより、クランクシャフト
の回転を逆転させてサブフライホイール44に伝達する
ことも考えられる。これに対して、本実施形態は、チェ
ーン40が各スプロケット41,42,43を同方向に
回転させる構造により、チェーン40が共振することを
抑え、ロール振動低減効果を高めるとともに、チェーン
40と各スプロケット41,42,43の噛合い部が発
生する騒音を低減することができる。
【0074】次に、図9に示す実施形態について説明す
る。
【0075】図1に示すように、車両に搭載される直列
4気筒エンジン1はクランクシャフト20の後端にトー
ショナルダンパ53を介してクラッチ52が結合され
る。
【0076】クランクシャフト20の後端にはフレキシ
ブルプレート50が固定的に結合される。トーショナル
ダンパ53は、フレキシブルプレート50とクラッチ5
2側に設けられるフライホイール51を相対回転可能に
結合してクランクシャフト20の捩り振動を吸収する。
【0077】エンジン1の前部には副慣性体としてフラ
イホイール58が回転可能に支持される。クランクシャ
フト20の前端にはクランクギア55が結合される。サ
ブフライホイール58の前部に従動ギア57が一体形成
される。クランクギア55と従動ギア57の間には複数
の中継ギア56が介装され、これらによりクランクシャ
フト20の回転を逆転させかつ増速してサブフライホイ
ール58に伝達する回転伝達機構を構成する。
【0078】以上のように構成され、エンジンの運転
時、トーショナルダンパ53がフレキシブルプレート5
0に対してフライホイール51を相対回転させてクラン
クシャフト20のトルク変動を吸収することにより、ク
ラッチ52を介して車両のパワートレインに伝達される
トルク変動を十分に抑えられ、車室内にこもり音等が発
生することを防止できる。
【0079】一方、サブフライホイール58をクランク
シャフト20と逆方向に増速して回転駆動することによ
り、燃焼加振力によって発生するクランクシャフト20
のトルク反力を打ち消し、エンジン1のロール振動を抑
えられる。
【0080】トーショナルダンパ53を介してフレキシ
ブルプレート50からフライホイール51を切り離し、
主慣性体と副慣性体の慣性モーメント比を大きくするこ
とにより、副慣性体によるエンジンのロール振動を低減
する効果を高められる。
【0081】この結果、従来装置のようにフライホイー
ルをアルミ合金等を用いて軽量化する必要がなく、クラ
ッチ等の耐久性を損なうことを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すエンジン等の斜視図。
【図2】同じく図3のA−A線に沿うトルクコンバータ
等の断面図。
【図3】同じくトーショナルダンパ等の正面図。
【図4】同じくエンジンの正面図。
【図5】同じくサブフライホイール等の断面図。
【図6】同じくロール振動低減効果を示す特性図。
【図7】他の実施形態を示すエンジンの正面図。
【図8】同じくロール振動低減効果を示す特性図。
【図9】さらに他の実施形態を示すエンジン等の側面
図。
【符号の説明】
1 エンジン 2 トルクコンバータ 5 トーショナルダンパ 7 ドライブプレート 12 トーションスプリング 20 クランクシャフト 21 クランクプーリ 22 サブフライホイール 23 ベルト 24 アイドラプーリ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの回転力を取り出すクランクシャ
    フトと、 クランクシャフトを含みクランクシャフトと一体となっ
    て回転する主慣性体と、 主慣性体に相対回転可能に結合してクランクシャフトの
    捩り振動を吸収するトーショナルダンパと、 クランクシャフトと逆方向に回転する副慣性体と、 クランクシャフトの回転を副慣性体に増速して伝達する
    回転伝達機構と、 を備えたことを特徴とするエンジンのトルク変動抑制装
    置。
  2. 【請求項2】前記クランクシャフトに結合されるドライ
    ブプレートと、 ドライブプレートにトーショナルダンパを介して連結さ
    れるトルクコンバータと、 を備えたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの
    トルク変動抑制装置。
  3. 【請求項3】前記クランクシャフトに結合されるフレキ
    シブルプレートと、 フレキシブルプレートにトーショナルダンパを介して連
    結されるフライホイールと、 を備えたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの
    トルク変動抑制装置。
  4. 【請求項4】前記回転伝達機構として、 クランクシャフトに結合されるクランクプーリと、 副慣性体に結合される従動プーリと、 クランクプーリと従動プーリおよびアイドラプーリに渡
    って掛け回されるベルトとを備え、 ベルトの両面にクランクプーリと従動プーリのそれぞれ
    に噛合う歯を形成したことを特徴とする請求項1から3
    のいずれか一つに記載のエンジンのトルク変動抑制装
    置。
  5. 【請求項5】前記回転伝達機構として、 クランクシャフトに結合されるクランクスプロケット
    と、 クランクスプロケットからの回転がチェーンを介して伝
    達される従動スプロケットと、 従動スプロケットに結合される駆動ギアと、 副慣性体に結合され駆動ギアに噛合う従動ギアと、 を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一
    つに記載のエンジンのトルク変動抑制装置。
JP9255114A 1997-09-19 1997-09-19 エンジンのトルク変動抑制装置 Pending JPH1191376A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012219717A (ja) * 2011-04-08 2012-11-12 Toyota Motor Corp 補機駆動装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012219717A (ja) * 2011-04-08 2012-11-12 Toyota Motor Corp 補機駆動装置

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