JP3572449B2 - 内燃機関の振動低減装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用エンジン等の内燃機関において、燃焼圧力変動等に起因して生じる内燃機関の振動を低減するための内燃機関の振動低減装置に関し、特に内燃機関のロール振動と回転変動の双方を効果的に低減する内燃機関の振動低減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の内燃機関のロール振動低減装置として、例えば特開平6−33990号公報のものが知られている。これは、クランクシャフト及びフライホイールを主体とする主フライホイール系に対し、これと逆方向に回転駆動される副フライホイール系を設け、これらの2つのフライホイール系の軸受部分に作用する反力により発生するロールモーメントを利用して、内燃機関の各気筒の燃焼ごとに発生するトルク変動により発生する内燃機関の長手方向を軸とした回転方向への振動であるロール振動を打ち消すものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成では、内燃機関のロール振動を完全に打ち消すための条件は、次式(1)のようになる。
【0004】
【数1】
Figure 0003572449
【0005】
但し、Iは主フライホイール系の慣性質量、Iは副フライホイール系の慣性質量、ρは副フライホイール系の増速比、である。
【0006】
この条件の近傍では大きなロール振動低減効果が得られる。しかし、主フライホイール系は元々大きな慣性質量Iを持っているため、これを完全に打ち消すためには、上記(1)式から明らかなように、副フライホイール系の慣性質量Iを十分大きくするか、あるいは増速比ρを大きく確保する必要がある。しかし、副フライホイール系の慣性質量Iを大きくするためには、大型の副フライホイールが必要であり、これに伴って機関全体の重量増を招いてしまう。また増速比を大きくすると、副フライホイール系が高速回転するため、その軸受部の耐久性の低下を招いてしまう。これら種々の要因により、現実的には上記の装置では、内燃機関のロール振動を完全に打ち消すことはできず、その効果は限られたものとなる。
【0007】
また、上述した従来例の構成では、エンジンのロール振動の低減は可能であるものの、エンジン回転軸(クランク軸)の回転変動に関しては低減することができないという問題がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、請求項1に記載の発明は、回転軸から弾性体を介して駆動される回転体を有する内燃機関の振動低減装置において、前記弾性体と前記回転体との共振に伴って発生する前記回転軸の回転変動の反共振の周波数が、前記内燃機関の運転状態のうち、略一定回転で運転される所定運転状態での前記回転軸の回転周波数を(自然数/2)倍した周波数のいずれかと略一致していることを特徴としている。これによって、内燃機関の所定運転条件で、この内燃機関の回転変動が低減される。
【0009】
請求項2に記載の発明は、回転軸から弾性体を介して駆動される回転体を有する内燃機関の振動低減装置において、前記弾性体と前記回転体との共振に伴って発生する前記回転軸の回転変動の反共振の周波数と、前記弾性体と前記回転体の共振に伴って発生する前記内燃機関のロール振動の反共振の周波数との間に、前記内燃機関の運転状態のうち、略一定回転で運転される所定運転状態での前記回転軸の回転周波数を(自然数/2)倍した周波数のいずれかが存在していることを特徴としている。これによって、内燃機関の所定運転条件で、この内燃機関の回転変動及びロール振動の両方が低減される。
【0010】
請求項3に記載の発明は請求項2に記載の発明において、前記回転体が前記回転軸に対して逆方向に回転させられていることを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記内燃機関は自動車に搭載されており、かつ前記内燃機関の所定運転状態がアイドル運転であることを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記自動車は、その運転状態を検出する手段と、前記自動車の運転状態に応じて、アイドル運転状態での前記回転軸の回転周波数を(自然数/2)倍した周波数のいずれかが前記回転軸の回転変動の反共振の周波数もしくは前記内燃機関のロール振動の反共振の周波数のいずれかと略一致するように、前記アイドル運転の回転数を変更する制御手段と、を有していることを特徴としている。これによって、自動車のアイドル運転状態で、内燃機関の振動が低減される。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、補機を作動させることにより負荷が大きくなった内燃機関のアイドル運転状態では、前記回転軸の回転周波数の(自然数/2)倍した周波数のいずれかが前記回転軸の回転変動の反共振の周波数と略一致するよう前記アイドル運転状態における該回転軸の回転数が制御され、補機が作動しない内燃機関のアイドル運転状態では、前記回転軸の回転周波数の(自然数/2)倍した周波数のいずれかが前記内燃機関のロール振動の反共振の周波数と略一致するようアイドル運転状態における前記回転軸の回転数が制御されていることを特徴としている。エアコン等の補機類を作動させると内燃機関には大きな負荷が加わることになる。また、内燃機関からの出力は変速機を介して車軸に伝達されている。これによって、変速機の歯車の歯打ち音の発生が防止される。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記自動車は自動変速機を有し、前記回転軸の回転が前記自動変速機を介して車軸に伝達されている運転状態では、前記回転軸の回転周波数の(自然数/2)倍した周波数のいずれかが前記回転軸の回転変動の反共振の周波数と略一致するよう前記アイドル運転状態における該回転軸の回転数が制御され、前記回転軸の回転が前記自動変速機を介して車軸に伝達されていない運転状態では、前記回転軸の回転周波数の(自然数/2)倍した周波数のいずれかが、前記内燃機関のロール振動の反共振の周波数と略一致するよう前記アイドル運転状態における該回転軸の回転数が制御されていることを特徴としている。これによって、自動車のアイドル運転状態で振動が低減される。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、前記自然数が内燃機関の気筒数であることを特徴としている。
【0016】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、略一定回転で運転される所定の運転状態での内燃機関の回転周波数の(自然数/2)倍の周波数が、内燃機関の回転軸の回転変動の反共振の周波数と略一致するよう設定されているので、略一定回転で運転される所定の運転状態での内燃機関の回転変動を大幅に低減することができる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、略一定回転で運転される所定の運転状態での内燃機関の回転周波数の(自然数/2)倍の周波数が、内燃機関の回転軸の回転変動の反共振の周波数と、内燃機関のロール振動の反共振の周波数との間になるよう設定されているので、略一定回転で運転される所定の運転状態での内燃機関の回転変動と内燃機関のロール振動の両方を低減することができる。
【0018】
特に、請求項3のように、回転体を内燃機関の回転軸に対して逆方向に回転させることで、より大きな内燃機関のロール振動低減効果を得ることができる。
【0019】
また、請求項4のように内燃機関の振動低減装置を自動車に搭載することにより、自動車のアイドル振動を低減することができる。
【0020】
そして、請求項5のように、自動車の運転状態に応じて、アイドル運転の設定回転数を、その回転周波数の(自然数/2)倍の周波数が回転変動の反共振の周波数もしくはロール振動の反共振の周波数となるよう変更することにより、より大きな振動低減効果を得ることができる。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、補機が作動し内燃機関の負荷が大きくなったアイドル運転状態では、アイドル運転の設定回転数を、その回転周波数の(自然数/2)倍の周波数が回転変動の反共振の周波数となるように設定されるので、変速機内の歯車が内燃機関から入力される回転変動により、歯打ち音を発生することを防止することができる。
【0022】
また、請求項7によれば、内燃機関のロール振動に起因するアイドル振動を低減することができ、全てのアイドル運転状態で大きな振動低減効果を得ることができる。
【0023】
そして、請求項8のように、反共振の周波数を通常最も加振力の大きい内燃機関の(気筒数/2)倍の周波数に設定することでより大きな振動低減効果を得ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0025】
まず、本発明の第1実施例を図1〜図6に基づいて説明する。
【0026】
図1及び図2に示す自動車用4気筒エンジン2のエンジン回転軸4(クランクシャフト)には、一端にフライホイール6が取り付けられていると共に、他端にプーリ8が取り付けられている。このプーリ8に巻き掛けられた駆動ベルト10によって、図3に示すオルタネータ12のオルタネータプーリ14が前記エンジン回転軸4と同一方向に回転するよう配設されている。
【0027】
ここで、16はオルタネータ12のロータ部を示す。
【0028】
前記オルタネータプーリ14は、図4及び図5に示すように、回転体となるオルタネータ回転軸18に直接結合された内周部20と、前記駆動ベルトが巻き掛けられた外周部22と、に二分割されている。前記外周部22は、ベアリング24を介して前記内周部20に回転自在に支持されていると共に、弾性体となるゴム層26によって該内周部20と結合されている。
【0029】
上記のようにゴム層26を介してオルタネータ12を回転させると、ゴム層26をバネ、前記ロータ部16をマスとしてバネ−マス系の振動系が構成され、回転系に共振が発生する。このとき、エンジン回転軸4の回転変動に関しては、この共振に伴う反共振が起こり、この反共振の周波数fは、次式で表される。
【0030】
【数2】
Figure 0003572449
【0031】
但し、fは共振周波数、fはエンジン回転軸の回転変動の反共振周波数、Iはエンジン回転軸4及びエンジン回転軸4に取り付けられた前記フライホイール6等からなるのエンジン回転部の慣性質量、Iはオルタネータ12のロータ部16の慣性質量、ρはオルタネータ12増速比(エンジン回転軸4に対して順回転の場合ρ>0、エンジン回転軸4に対して逆回転の場合ρ<0)、kはゴム層26の回転バネ定数をそれぞれ表す。
【0032】
この反共振の周波数を前記エンジン2の運転条件のうち一定回転で頻繁に使われ、かつエンジン回転軸4の回転変動が問題となる運転条件で問題となる周波数に合わせておくことにより、大きな回転変動低減効果を得ることができる。
【0033】
通常、自動車用のエンジンの場合には、このような運転条件としてアイドル運転が上げられる。また、4気筒エンジンの場合にはその振動は、燃焼圧力の変動によりエンジン回転の2次,4次,6次といった周波数が大きく、そのうち特にエンジン回転2次の周波数が大きくなる。この周波数は6気筒エンジンの場合は3次、8気筒エンジンの場合は4次の周波数が特に大きくなり、一般にエンジン気筒数の1/2倍の次数が基本次数と呼ばれている。
【0034】
例えば、4気筒エンジンのアイドル回転数が750rpmであった場合、アイドル回転の2次の周波数、すなわち、エンジン回転軸4の回転周波数の2倍の周波数、つまり25Hzに反共振の周波数がくるように、上記(2)、(3)式に従い、オルタネータ12のロータ部16の慣性質量I、ゴム層26の回転方向のバネ定数k及び増速比ρを設定する。
【0035】
これにより、図6に示すように、内燃機関のアイドル回転(750rpm)で大きな回転変動の低減効果が得られる。
【0036】
上記ゴム層26の回転方向のバネ定数kは、該ゴム層26の材質や厚みを変化させることで適宜設定される。具体的には、上記ゴム層26の材質を柔らくし、半径方向の厚みを厚くすると回転バネ定数kは小さくなる。
【0037】
また、上記増速比ρは、オルタネータ12を駆動させるプーリ8とオルタネータプーリ14との径の比で決まり、小さくするには、前記プーリ8を小さく、前記オルタネータプーリ14の外周部22の外径を大きくすればよい。
【0038】
一方、アイドル回転時の共振周波数fである28Hz付近、すなわち内燃機関の回転数が800rpm付近では回転変動の悪化が見られるが、通常の運転では、走行時には約1000rpm以上のエンジン回転数を使用するので、このような回転数はほとんど使用されることはなく、大きな問題となることはない。
【0039】
以下、上述した第1実施例とは異なる実施例について説明する。尚、上述した第1実施例と同一構成の部分については同一の符号を付し説明を省略する。
【0040】
図7及び図8は本発明の第2実施例を示している。
【0041】
この第2実施例においては、オルタネータプーリ14の外周部22が該オルタネータプーリ14の内周部20に対して、ゴム層26ではなく金属バネ28を介して結合されている。すなわち、オルタネータプーリ14の内周部20は、上述した第1実施例と同様にオルタネータ回転軸18に固定され、オルタネータプーリ14の外周部22は前記内周部20にベアリング24を介して回転自在に支持されるている一方で、前記外周部22と前記内周部20とが渦巻き状の金属バネ28によって結合されている。
【0042】
この金属バネ28は、内側の端部が前記オルタネータ回転軸18に差し込まれ、かつ外側の端部が前記オルタネータ外周部22に差し込まれている。
【0043】
オルタネータプーリ14にバネ要素を持たせるとエンジン回転軸4の回転変動だけでなく、エンジンロール振動に関しても反共振が発生する。エンジンロール振動の反共振の周波数fは次式で表される。
【0044】
【数3】
Figure 0003572449
【0045】
上述した第1実施例のように、オルタネータ12とエンジン回転軸4とが同一方向に回転している場合には、エンジンロール振動の反共振の周波数は、回転変動の反共振の周波数よりも高いものとなる。
【0046】
図9は、回転変動とエンジンロール振動の効果を比較したものである。回転変動の反共振におけるエンジンロール振動抑制の効果、エンジンロール振動の反共振における回転変動抑制の効果は共に小さく、一方をアイドル回転数に設定すると、他方はあまり効果が得られないことがわかる。そこで、この第2実施例では、2つの反共振周波数の略中間にアイドル回転の基本次数の周波数(回転基本次数の周波数)、つまり4気筒エンジンでは2次の周波数である25Hzがくるよう、オルタネータプーリ14の金属バネ28のバネ定数、ロータ部16の慣性質量の大きさ及び増速比がそれぞれ調整されている。
【0047】
これにより、この第2実施例においては、エンジン2のアイドル回転でエンジンロール振動、回転変動の両方に対して低減効果を得ることができ、さらに金属バネ28を用いることで、ゴム層からなる弾性体と比較して減衰を小さくできるので、反共振の効果が大きくなり、より大きなアイドル振動低減効果を得ることができる。
【0048】
図10は、本発明の第3実施例を示している。
【0049】
この第3実施例は、上述した第2実施例において、オルタネータプーリ14を駆動ベルト10の背面で駆動させ、このオルタネータプーリ14をエンジン回転軸4に対して逆方向に回転させている。
【0050】
そのため、図11に示すように、反共振の効果が大きなものとなり、さらに大きなアイドル振動低減効果を得ることができる。
【0051】
この第3実施のように、オルタネータ12の回転方向とエンジン回転軸4の回転方向とが逆方向となると回転変動の反共振周波数の方がエンジンロール振動の反共振周波数よりも高い周波数に現れる。また、30は前記オルタネータ12以外の補機であり、オルタネータ12を駆動する前記駆動ベルト10とは異なる補機駆動ベルトによって駆動される。
【0052】
尚、31a,31bは、駆動ベルトによって駆動される補機である。
【0053】
次に本発明の第4実施例について説明する。この第4実施例は図10に示した第3実施例と同様に大略構成されているが、弾性体となるゴム層36が、図12及び図13に示すように、エンジン回転軸4に取り付けられたプーリ8に設けられている。
【0054】
前記プーリ8は、エンジン回転軸4に結合された内周部34と、この内周部34に結合された第1外周部38及び第2外周部40と、からなっている。
【0055】
詳述すると、オルタネータ12を駆動する駆動ベルト10が巻き掛けられた前記第1外周部38は、ベアリング42を介して前記内周部34に回転自在に支持されていると共にゴム層36によって前記内周部34に結合されている。
【0056】
前記補機30を駆動する補機駆動ベルト32が巻き掛けられた前記第2外周部40は、ゴム層37によって前記内周部34に結合されている。この第2外周部40は前記エンジン回転軸4のねじり共振を抑えるための動吸振器として働くように、前記ゴム層37のバネ定数、第2外周部40の慣性モーメントがチューニングされている。
【0057】
このように、エンジン回転軸4とオルタネータ12との間にバネ要素が設けられているので、上述した実施例と同様に反共振の効果が大きくなり、アイドル振動低減効果を得ることができると共に、オルタネータ12が、エンジン回転軸4と逆方向に駆動されているので、反共振の効果を大きく得ることができる。
【0058】
そして、オルタネータ12以外の補機30、31a,31bについてもバネ要素を介して駆動することになるので、オルタネータ12以外の補機30がバネ−マス系のマスに含まれ、マスを大きくとることができる。
【0059】
また、この第4実施例におけるエンジン2は、図14に示すように、手動変速機44と組み合わされて車両45に搭載されており、そのアイドル回転数はECU(エンジンコントロールユニット)により制御されている。そして、この車両はエアコンを装備しており、このエアコンは温度調節のため、エアコンコントロールユニット46からの信号により作動、停止を繰り返す。
【0060】
手動変速機44においては、アイドル運転時でエアコン作動時等のエンジン負荷が大きくなるような運転条件において、手動変速機44内の歯車がエンジン2から入力される回転変動により、歯打ち音を発生させる場合がある。
【0061】
これを防止するため、本実施例の車両44では、エアコンがエアコンコントロールユニット46からの信号により作動し、エンジン負荷が大きくなると、このエアコンコントロールユニット46からの信号がECUにも入力される。そして、その入力された信号を検知したECUが前記エンジン回転軸4の回転変動の低減効果を最大にするために、該エンジン回転軸4の回転変動が反共振となる周波数に回転基本次数の周波数が一致するようにアイドル回転数を変更する。
【0062】
それ以外の運転条件では、手動変速機44内の歯打ち音は問題とならないので、車室内のアイドル振動、こもり音を最小とするために、それに対して寄与の大きいエンジンマウントを介して車体に入力されるエンジンロール振動の反共振周波数に回転基本次数の周波数が一致するようにアイドル回転数を変更する。
【0063】
そのため、図15に示すように、エアコン作動時の回転変動、エアコン停止時のエンジンロール振動を低減することができ、手動変速機内の歯打ち音を防止しつつ、アイドル振動及びこもり音を低減することができる。
【0064】
図16に示す第5実施例は、上述した第4実施例と同じ構成のエンジン2を自動変速機48に組み合わせ、車両に搭載したものである。
【0065】
自動変速機48の場合、エンジン2がアイドル運転状態で、自動変速機48がニュートラルレンジやパーキングレンジとなっている場合には、エンジン2の回転は自動変速機48と切り離されているので、エンジン回転軸4の回転変動は車両の振動やこもり音に対して寄与せず、それらにはエンジンマウントを介して入力されるエンジンロール振動の寄与が大きくなる。
【0066】
また、アイドル状態で自動変速機48がドライブレンジとなっている場合には、エンジン2の回転はトルクコンバータ50を介して前記自動変速機48に伝達されており、回転変動は該自動変速機48からプロペラシャフト52、デファレンシャルギア54、ドライブシャフト56を介してタイヤ58に伝達され、そこでの反力が車両45に入力されて振動やこもり音になり、その寄与はエンジンマウントからの入力よりも大きくなる。
【0067】
そこで、自動変速機48がドライブレンジとなっている場合には、自動変速機コントロールユニット60からの信号がECUに入力され、その信号を検知したECUがエンジン回転軸4の回転変動の低減効果を最大するために、この回転変動が反共振となる周波数に回転基本次数の周波数が一致するようにアイドル回転数を変更する。
【0068】
自動変速機48がドライブレンジ以外となっている場合には、同様に自動変速機コントロールユニット60からの信号がECUに入力され、その信号を検知したECUがエンジンロール振動の低減効果を最大とするために、エンジンロール振動が反共振となる周波数に回転基本次数の周波数が一致するようにアイドル回転数を変更する。
【0069】
このようにすることによって、図17に示すように、この車両45では全てのアイドル運転状態において、大きな振動やこもり音の低減効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る内燃機関の正面図。
【図2】本発明の第1実施例に係る内燃機関の側面図。
【図3】図1及び図2に示したオルタネータの断面図。
【図4】図3に示すオルタネータのオルタネータプーリの正面図。
【図5】図4のA−A線に沿った断面図。
【図6】第1実施例における内燃機関の回転変動の低減効果を示す特性線図。
【図7】本発明の第2実施例に係るオルタネータプーリの断面図。
【図8】図7のB−B線に沿った断面図。
【図9】第2実施例における内燃機関の回転変動及びエンジンロール振動の低減効果を示す特性線図。
【図10】本発明の第3実施例に係る内燃機関の正面図。
【図11】第3実施例における内燃機関の回転変動及びエンジンロール振動の低減効果を示す特性線図。
【図12】本発明の第4実施例に係るオルタネータプーリの断面図。
【図13】図12のC−C線に沿った断面図。
【図14】第4実施例における内燃機関が搭載された自動車の説明図。
【図15】第4実施例における内燃機関の回転変動及びエンジンロール振動の低減効果を示す特性線図。
【図16】本発明に第5実施例に係る内燃機関が搭載された自動車の説明図。
【図17】第5実施例における内燃機関の回転変動及びエンジンロール振動の低減効果を示す特性線図。
【符号の説明】
2…エンジン
4…エンジン回転軸
8…プーリ
10…駆動ベルト
12…オルタネータ
14…オルタネータプーリ
16…オルタネータ回転軸

Claims (8)

  1. 回転軸から弾性体を介して駆動される回転体を有する内燃機関の振動低減装置において、前記弾性体と前記回転体との共振に伴って発生する前記回転軸の回転変動の反共振の周波数が、前記内燃機関の運転状態のうち、略一定回転で運転される所定運転状態での前記回転軸の回転周波数を(自然数/2)倍した周波数のいずれかと略一致していることを特徴とする内燃機関の振動低減装置。
  2. 回転軸から弾性体を介して駆動される回転体を有する内燃機関の振動低減装置において、前記弾性体と前記回転体との共振に伴って発生する前記回転軸の回転変動の反共振の周波数と、前記弾性体と前記回転体の共振に伴って発生する前記内燃機関のロール振動の反共振の周波数との間に、前記内燃機関の運転状態のうち、略一定回転で運転される所定運転状態での前記回転軸の回転周波数を(自然数/2)倍した周波数のいずれかが存在していることを特徴とする内燃機関の振動低減装置。
  3. 前記回転体が前記回転軸に対して逆方向に回転させられていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のロール振動低減装置。
  4. 前記内燃機関は自動車に搭載されており、かつ前記内燃機関の所定運転状態がアイドル運転であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の振動低減装置。
  5. 前記自動車は、その運転状態を検出する手段と、前記自動車の運転状態に応じて、アイドル運転状態での前記回転軸の回転周波数を(自然数/2)倍した周波数のいずれかが前記回転軸の回転変動の反共振の周波数もしくは前記内燃機関のロール振動の反共振の周波数のいずれかと略一致するように、前記アイドル運転の回転数を変更する制御手段と、を有していることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の振動低減装置。
  6. 補機を作動させることにより負荷が大きくなった内燃機関のアイドル運転状態では、前記回転軸の回転周波数の(自然数/2)倍した周波数のいずれかが前記回転軸の回転変動の反共振の周波数と略一致するよう前記アイドル運転状態における該回転軸の回転数が制御され、補機が作動しない内燃機関のアイドル運転状態では、前記回転軸の回転周波数の(自然数/2)倍した周波数のいずれかが前記内燃機関のロール振動の反共振の周波数と略一致するようアイドル運転状態における前記回転軸の回転数が制御されていることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関のロール振動低減装置。
  7. 前記自動車は自動変速機を有し、前記回転軸の回転が前記自動変速機を介して車軸に伝達されている運転状態では、前記回転軸の回転周波数の(自然数/2)倍した周波数のいずれかが前記回転軸の回転変動の反共振の周波数と略一致するよう前記アイドル運転状態における該回転軸の回転数が制御され、前記回転軸の回転が前記自動変速機を介して車軸に伝達されていない運転状態では、前記回転軸の回転周波数の(自然数/2)倍した周波数のいずれかが、前記内燃機関のロール振動の反共振の周波数と略一致するよう前記アイドル運転状態における該回転軸の回転数が制御されていることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の振動低減装置。
  8. 前記自然数が内燃機関の気筒数であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の内燃機関の振動低減装置。
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