JP2001271675A - 内燃機関の振動低減装置 - Google Patents

内燃機関の振動低減装置

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JP2001271675A JP2000088097A JP2000088097A JP2001271675A JP 2001271675 A JP2001271675 A JP 2001271675A JP 2000088097 A JP2000088097 A JP 2000088097A JP 2000088097 A JP2000088097 A JP 2000088097A JP 2001271675 A JP2001271675 A JP 2001271675A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン回転軸の回転変動も効果的に低減す
る内燃機関の振動低減装置を提供する。 【解決手段】 エンジン回転軸4からゴム層を介して駆
動されるオルタネータ回転軸18を有する内燃機関の振
動低減装置において、ゴム層とオルタネータ回転軸18
との共振に伴って発生するエンジン回転軸4の回転変動
の反共振の周波数が、エンジン2の運転状態のうち、略
一定回転で運転される所定運転状態でのエンジン回転軸
4の回転周波数を(自然数/2)倍した周波数のいずれ
かと略一致している。これによって、略一定回転で運転
される所定の運転状態での内燃機関の回転変動を大幅に
低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用エンジン
等の内燃機関において、燃焼圧力変動等に起因して生じ
る内燃機関の振動を低減するための内燃機関の振動低減
装置に関し、特に内燃機関のロール振動と回転変動の双
方を効果的に低減する内燃機関の振動低減装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の内燃機関のロール振動低減装置と
して、例えば特開平6−33990号公報のものが知ら
れている。これは、クランクシャフト及びフライホイー
ルを主体とする主フライホイール系に対し、これと逆方
向に回転駆動される副フライホイール系を設け、これら
の2つのフライホイール系の軸受部分に作用する反力に
より発生するロールモーメントを利用して、内燃機関の
各気筒の燃焼ごとに発生するトルク変動により発生する
内燃機関の長手方向を軸とした回転方向への振動である
ロール振動を打ち消すものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記構成では、内燃機
関のロール振動を完全に打ち消すための条件は、次式
(1)のようになる。
【0004】
【数1】
【0005】但し、I1は主フライホイール系の慣性質
量、I2は副フライホイール系の慣性質量、ρは副フラ
イホイール系の増速比、である。
【0006】この条件の近傍では大きなロール振動低減
効果が得られる。しかし、主フライホイール系は元々大
きな慣性質量I1を持っているため、これを完全に打ち
消すためには、上記(1)式から明らかなように、副フ
ライホイール系の慣性質量I 2を十分大きくするか、あ
るいは増速比ρを大きく確保する必要がある。しかし、
副フライホイール系の慣性質量I2を大きくするために
は、大型の副フライホイールが必要であり、これに伴っ
て機関全体の重量増を招いてしまう。また増速比を大き
くすると、副フライホイール系が高速回転するため、そ
の軸受部の耐久性の低下を招いてしまう。これら種々の
要因により、現実的には上記の装置では、内燃機関のロ
ール振動を完全に打ち消すことはできず、その効果は限
られたものとなる。
【0007】また、上述した従来例の構成では、エンジ
ンのロール振動の低減は可能であるものの、エンジン回
転軸(クランク軸)の回転変動に関しては低減すること
ができないという問題がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1に記載
の発明は、回転軸から弾性体を介して駆動される回転体
を有する内燃機関の振動低減装置において、前記弾性体
と前記回転体との共振に伴って発生する前記回転軸の回
転変動の反共振の周波数が、前記内燃機関の運転状態の
うち、略一定回転で運転される所定運転状態での前記回
転軸の回転周波数を(自然数/2)倍した周波数のいず
れかと略一致していることを特徴としている。これによ
って、内燃機関の所定運転条件で、この内燃機関の回転
変動が低減される。
【0009】請求項2に記載の発明は、回転軸から弾性
体を介して駆動される回転体を有する内燃機関の振動低
減装置において、前記弾性体と前記回転体との共振に伴
って発生する前記回転軸の回転変動の反共振の周波数
と、前記弾性体と前記回転体の共振に伴って発生する前
記内燃機関のロール振動の反共振の周波数との間に、前
記内燃機関の運転状態のうち、略一定回転で運転される
所定運転状態での前記回転軸の回転周波数を(自然数/
2)倍した周波数のいずれかが存在していることを特徴
としている。これによって、内燃機関の所定運転条件
で、この内燃機関の回転変動及びロール振動の両方が低
減される。
【0010】請求項3に記載の発明は請求項2に記載の
発明において、前記回転体が前記回転軸に対して逆方向
に回転させられていることを特徴としている。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載の発明において、前記内燃機関は自動車
に搭載されており、かつ前記内燃機関の所定運転状態が
アイドル運転であることを特徴としている。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の発明において、前記自動車は、その運転状態を検出す
る手段と、前記自動車の運転状態に応じて、アイドル運
転状態での前記回転軸の回転周波数を(自然数/2)倍
した周波数のいずれかが前記回転軸の回転変動の反共振
の周波数もしくは前記内燃機関のロール振動の反共振の
周波数のいずれかと略一致するように、前記アイドル運
転の回転数を変更する制御手段と、を有していることを
特徴としている。これによって、自動車のアイドル運転
状態で、内燃機関の振動が低減される。
【0013】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の発明において、補機を作動させることにより負荷が大
きくなった内燃機関のアイドル運転状態では、前記回転
軸の回転周波数の(自然数/2)倍した周波数のいずれ
かが前記回転軸の回転変動の反共振の周波数と略一致す
るよう前記アイドル運転状態における該回転軸の回転数
が制御され、補機が作動しない内燃機関のアイドル運転
状態では、前記回転軸の回転周波数の(自然数/2)倍
した周波数のいずれかが前記内燃機関のロール振動の反
共振の周波数と略一致するようアイドル運転状態におけ
る前記回転軸の回転数が制御されていることを特徴とし
ている。エアコン等の補機類を作動させると内燃機関に
は大きな負荷が加わることになる。また、内燃機関から
の出力は変速機を介して車軸に伝達されている。これに
よって、変速機の歯車の歯打ち音の発生が防止される。
【0014】請求項7に記載の発明は、請求項5に記載
の発明において、前記自動車は自動変速機を有し、前記
回転軸の回転が前記自動変速機を介して車軸に伝達され
ている運転状態では、前記回転軸の回転周波数の(自然
数/2)倍した周波数のいずれかが前記回転軸の回転変
動の反共振の周波数と略一致するよう前記アイドル運転
状態における該回転軸の回転数が制御され、前記回転軸
の回転が前記自動変速機を介して車軸に伝達されていな
い運転状態では、前記回転軸の回転周波数の(自然数/
2)倍した周波数のいずれかが、前記内燃機関のロール
振動の反共振の周波数と略一致するよう前記アイドル運
転状態における該回転軸の回転数が制御されていること
を特徴としている。これによって、自動車のアイドル運
転状態で振動が低減される。
【0015】請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の
いずれかに記載の発明において、前記自然数が内燃機関
の気筒数であることを特徴としている。
【0016】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、略一定
回転で運転される所定の運転状態での内燃機関の回転周
波数の(自然数/2)倍の周波数が、内燃機関の回転軸
の回転変動の反共振の周波数と略一致するよう設定され
ているので、略一定回転で運転される所定の運転状態で
の内燃機関の回転変動を大幅に低減することができる。
【0017】請求項2に記載の発明によれば、略一定回
転で運転される所定の運転状態での内燃機関の回転周波
数の(自然数/2)倍の周波数が、内燃機関の回転軸の
回転変動の反共振の周波数と、内燃機関のロール振動の
反共振の周波数との間になるよう設定されているので、
略一定回転で運転される所定の運転状態での内燃機関の
回転変動と内燃機関のロール振動の両方を低減すること
ができる。
【0018】特に、請求項3のように、回転体を内燃機
関の回転軸に対して逆方向に回転させることで、より大
きな内燃機関のロール振動低減効果を得ることができ
る。
【0019】また、請求項4のように内燃機関の振動低
減装置を自動車に搭載することにより、自動車のアイド
ル振動を低減することができる。
【0020】そして、請求項5のように、自動車の運転
状態に応じて、アイドル運転の設定回転数を、その回転
周波数の(自然数/2)倍の周波数が回転変動の反共振
の周波数もしくはロール振動の反共振の周波数となるよ
う変更することにより、より大きな振動低減効果を得る
ことができる。
【0021】請求項6に記載の発明によれば、補機が作
動し内燃機関の負荷が大きくなったアイドル運転状態で
は、アイドル運転の設定回転数を、その回転周波数の
(自然数/2)倍の周波数が回転変動の反共振の周波数
となるように設定されるので、変速機内の歯車が内燃機
関から入力される回転変動により、歯打ち音を発生する
ことを防止することができる。
【0022】また、請求項7によれば、内燃機関のロー
ル振動に起因するアイドル振動を低減することができ、
全てのアイドル運転状態で大きな振動低減効果を得るこ
とができる。
【0023】そして、請求項8のように、反共振の周波
数を通常最も加振力の大きい内燃機関の(気筒数/2)
倍の周波数に設定することでより大きな振動低減効果を
得ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0025】まず、本発明の第1実施例を図1〜図6に
基づいて説明する。
【0026】図1及び図2に示す自動車用4気筒エンジ
ン2のエンジン回転軸4(クランクシャフト)には、一
端にフライホイール6が取り付けられていると共に、他
端にプーリ8が取り付けられている。このプーリ8に巻
き掛けられた駆動ベルト10によって、図3に示すオル
タネータ12のオルタネータプーリ14が前記エンジン
回転軸4と同一方向に回転するよう配設されている。
【0027】ここで、16はオルタネータ12のロータ
部を示す。
【0028】前記オルタネータプーリ14は、図4及び
図5に示すように、回転体となるオルタネータ回転軸1
8に直接結合された内周部20と、前記駆動ベルトが巻
き掛けられた外周部22と、に二分割されている。前記
外周部22は、ベアリング24を介して前記内周部20
に回転自在に支持されていると共に、弾性体となるゴム
層26によって該内周部20と結合されている。
【0029】上記のようにゴム層26を介してオルタネ
ータ12を回転させると、ゴム層26をバネ、前記ロー
タ部16をマスとしてバネ−マス系の振動系が構成さ
れ、回転系に共振が発生する。このとき、エンジン回転
軸4の回転変動に関しては、この共振に伴う反共振が起
こり、この反共振の周波数fは、次式で表される。
【0030】
【数2】
【0031】但し、f0は共振周波数、f1はエンジン回
転軸の回転変動の反共振周波数、I 1はエンジン回転軸
4及びエンジン回転軸4に取り付けられた前記フライホ
イール6等からなるのエンジン回転部の慣性質量、I2
はオルタネータ12のロータ部16の慣性質量、ρはオ
ルタネータ12増速比(エンジン回転軸4に対して順回
転の場合ρ>0、エンジン回転軸4に対して逆回転の場
合ρ<0)、kはゴム層26の回転バネ定数をそれぞれ
表す。
【0032】この反共振の周波数を前記エンジン2の運
転条件のうち一定回転で頻繁に使われ、かつエンジン回
転軸4の回転変動が問題となる運転条件で問題となる周
波数に合わせておくことにより、大きな回転変動低減効
果を得ることができる。
【0033】通常、自動車用のエンジンの場合には、こ
のような運転条件としてアイドル運転が上げられる。ま
た、4気筒エンジンの場合にはその振動は、燃焼圧力の
変動によりエンジン回転の2次,4次,6次といった周
波数が大きく、そのうち特にエンジン回転2次の周波数
が大きくなる。この周波数は6気筒エンジンの場合は3
次、8気筒エンジンの場合は4次の周波数が特に大きく
なり、一般にエンジン気筒数の1/2倍の次数が基本次
数と呼ばれている。
【0034】例えば、4気筒エンジンのアイドル回転数
が750rpmであった場合、アイドル回転の2次の周
波数、すなわち、エンジン回転軸4の回転周波数の2倍
の周波数、つまり25Hzに反共振の周波数がくるよう
に、上記(2)、(3)式に従い、オルタネータ12の
ロータ部16の慣性質量I2、ゴム層26の回転方向の
バネ定数k及び増速比ρを設定する。
【0035】これにより、図6に示すように、内燃機関
のアイドル回転(750rpm)で大きな回転変動の低
減効果が得られる。
【0036】上記ゴム層26の回転方向のバネ定数k
は、該ゴム層26の材質や厚みを変化させることで適宜
設定される。具体的には、上記ゴム層26の材質を柔ら
くし、半径方向の厚みを厚くすると回転バネ定数kは小
さくなる。
【0037】また、上記増速比ρは、オルタネータ12
を駆動させるプーリ8とオルタネータプーリ14との径
の比で決まり、小さくするには、前記プーリ8を小さ
く、前記オルタネータプーリ14の外周部22の外径を
大きくすればよい。
【0038】一方、アイドル回転時の共振周波数f0
ある28Hz付近、すなわち内燃機関の回転数が800
rpm付近では回転変動の悪化が見られるが、通常の運
転では、走行時には約1000rpm以上のエンジン回
転数を使用するので、このような回転数はほとんど使用
されることはなく、大きな問題となることはない。
【0039】以下、上述した第1実施例とは異なる実施
例について説明する。尚、上述した第1実施例と同一構
成の部分については同一の符号を付し説明を省略する。
【0040】図7及び図8は本発明の第2実施例を示し
ている。
【0041】この第2実施例においては、オルタネータ
プーリ14の外周部22が該オルタネータプーリ14の
内周部20に対して、ゴム層26ではなく金属バネ28
を介して結合されている。すなわち、オルタネータプー
リ14の内周部20は、上述した第1実施例と同様にオ
ルタネータ回転軸18に固定され、オルタネータプーリ
14の外周部22は前記内周部20にベアリング24を
介して回転自在に支持されるている一方で、前記外周部
22と前記内周部20とが渦巻き状の金属バネ28によ
って結合されている。
【0042】この金属バネ28は、内側の端部が前記オ
ルタネータ回転軸18に差し込まれ、かつ外側の端部が
前記オルタネータ外周部22に差し込まれている。
【0043】オルタネータプーリ14にバネ要素を持た
せるとエンジン回転軸4の回転変動だけでなく、エンジ
ンロール振動に関しても反共振が発生する。エンジンロ
ール振動の反共振の周波数f2は次式で表される。
【0044】
【数3】
【0045】上述した第1実施例のように、オルタネー
タ12とエンジン回転軸4とが同一方向に回転している
場合には、エンジンロール振動の反共振の周波数は、回
転変動の反共振の周波数よりも高いものとなる。
【0046】図9は、回転変動とエンジンロール振動の
効果を比較したものである。回転変動の反共振における
エンジンロール振動抑制の効果、エンジンロール振動の
反共振における回転変動抑制の効果は共に小さく、一方
をアイドル回転数に設定すると、他方はあまり効果が得
られないことがわかる。そこで、この第2実施例では、
2つの反共振周波数の略中間にアイドル回転の基本次数
の周波数(回転基本次数の周波数)、つまり4気筒エン
ジンでは2次の周波数である25Hzがくるよう、オル
タネータプーリ14の金属バネ28のバネ定数、ロータ
部16の慣性質量の大きさ及び増速比がそれぞれ調整さ
れている。
【0047】これにより、この第2実施例においては、
エンジン2のアイドル回転でエンジンロール振動、回転
変動の両方に対して低減効果を得ることができ、さらに
金属バネ28を用いることで、ゴム層からなる弾性体と
比較して減衰を小さくできるので、反共振の効果が大き
くなり、より大きなアイドル振動低減効果を得ることが
できる。
【0048】図10は、本発明の第3実施例を示してい
る。
【0049】この第3実施例は、上述した第2実施例に
おいて、オルタネータプーリ14を駆動ベルト10の背
面で駆動させ、このオルタネータプーリ14をエンジン
回転軸4に対して逆方向に回転させている。
【0050】そのため、図11に示すように、反共振の
効果が大きなものとなり、さらに大きなアイドル振動低
減効果を得ることができる。
【0051】この第3実施のように、オルタネータ12
の回転方向とエンジン回転軸4の回転方向とが逆方向と
なると回転変動の反共振周波数の方がエンジンロール振
動の反共振周波数よりも高い周波数に現れる。また、3
0は前記オルタネータ12以外の補機であり、オルタネ
ータ12を駆動する前記駆動ベルト10とは異なる補機
駆動ベルトによって駆動される。
【0052】尚、31a,31bは、駆動ベルトによっ
て駆動される補機である。
【0053】次に本発明の第4実施例について説明す
る。この第4実施例は図10に示した第3実施例と同様
に大略構成されているが、弾性体となるゴム層36が、
図12及び図13に示すように、エンジン回転軸4に取
り付けられたプーリ8に設けられている。
【0054】前記プーリ8は、エンジン回転軸4に結合
された内周部34と、この内周部34に結合された第1
外周部38及び第2外周部40と、からなっている。
【0055】詳述すると、オルタネータ12を駆動する
駆動ベルト10が巻き掛けられた前記第1外周部38
は、ベアリング42を介して前記内周部34に回転自在
に支持されていると共にゴム層36によって前記内周部
34に結合されている。
【0056】前記補機30を駆動する補機駆動ベルト3
2が巻き掛けられた前記第2外周部40は、ゴム層37
によって前記内周部34に結合されている。この第2外
周部40は前記エンジン回転軸4のねじり共振を抑える
ための動吸振器として働くように、前記ゴム層37のバ
ネ定数、第2外周部40の慣性モーメントがチューニン
グされている。
【0057】このように、エンジン回転軸4とオルタネ
ータ12との間にバネ要素が設けられているので、上述
した実施例と同様に反共振の効果が大きくなり、アイド
ル振動低減効果を得ることができると共に、オルタネー
タ12が、エンジン回転軸4と逆方向に駆動されている
ので、反共振の効果を大きく得ることができる。
【0058】そして、オルタネータ12以外の補機3
0、31a,31bについてもバネ要素を介して駆動す
ることになるので、オルタネータ12以外の補機30が
バネ−マス系のマスに含まれ、マスを大きくとることが
できる。
【0059】また、この第4実施例におけるエンジン2
は、図14に示すように、手動変速機44と組み合わさ
れて車両45に搭載されており、そのアイドル回転数は
ECU(エンジンコントロールユニット)により制御さ
れている。そして、この車両はエアコンを装備してお
り、このエアコンは温度調節のため、エアコンコントロ
ールユニット46からの信号により作動、停止を繰り返
す。
【0060】手動変速機44においては、アイドル運転
時でエアコン作動時等のエンジン負荷が大きくなるよう
な運転条件において、手動変速機44内の歯車がエンジ
ン2から入力される回転変動により、歯打ち音を発生さ
せる場合がある。
【0061】これを防止するため、本実施例の車両44
では、エアコンがエアコンコントロールユニット46か
らの信号により作動し、エンジン負荷が大きくなると、
このエアコンコントロールユニット46からの信号がE
CUにも入力される。そして、その入力された信号を検
知したECUが前記エンジン回転軸4の回転変動の低減
効果を最大にするために、該エンジン回転軸4の回転変
動が反共振となる周波数に回転基本次数の周波数が一致
するようにアイドル回転数を変更する。
【0062】それ以外の運転条件では、手動変速機44
内の歯打ち音は問題とならないので、車室内のアイドル
振動、こもり音を最小とするために、それに対して寄与
の大きいエンジンマウントを介して車体に入力されるエ
ンジンロール振動の反共振周波数に回転基本次数の周波
数が一致するようにアイドル回転数を変更する。
【0063】そのため、図15に示すように、エアコン
作動時の回転変動、エアコン停止時のエンジンロール振
動を低減することができ、手動変速機内の歯打ち音を防
止しつつ、アイドル振動及びこもり音を低減することが
できる。
【0064】図16に示す第5実施例は、上述した第4
実施例と同じ構成のエンジン2を自動変速機48に組み
合わせ、車両に搭載したものである。
【0065】自動変速機48の場合、エンジン2がアイ
ドル運転状態で、自動変速機48がニュートラルレンジ
やパーキングレンジとなっている場合には、エンジン2
の回転は自動変速機48と切り離されているので、エン
ジン回転軸4の回転変動は車両の振動やこもり音に対し
て寄与せず、それらにはエンジンマウントを介して入力
されるエンジンロール振動の寄与が大きくなる。
【0066】また、アイドル状態で自動変速機48がド
ライブレンジとなっている場合には、エンジン2の回転
はトルクコンバータ50を介して前記自動変速機48に
伝達されており、回転変動は該自動変速機48からプロ
ペラシャフト52、デファレンシャルギア54、ドライ
ブシャフト56を介してタイヤ58に伝達され、そこで
の反力が車両45に入力されて振動やこもり音になり、
その寄与はエンジンマウントからの入力よりも大きくな
る。
【0067】そこで、自動変速機48がドライブレンジ
となっている場合には、自動変速機コントロールユニッ
ト60からの信号がECUに入力され、その信号を検知
したECUがエンジン回転軸4の回転変動の低減効果を
最大するために、この回転変動が反共振となる周波数に
回転基本次数の周波数が一致するようにアイドル回転数
を変更する。
【0068】自動変速機48がドライブレンジ以外とな
っている場合には、同様に自動変速機コントロールユニ
ット60からの信号がECUに入力され、その信号を検
知したECUがエンジンロール振動の低減効果を最大と
するために、エンジンロール振動が反共振となる周波数
に回転基本次数の周波数が一致するようにアイドル回転
数を変更する。
【0069】このようにすることによって、図17に示
すように、この車両45では全てのアイドル運転状態に
おいて、大きな振動やこもり音の低減効果を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る内燃機関の正面図。
【図2】本発明の第1実施例に係る内燃機関の側面図。
【図3】図1及び図2に示したオルタネータの断面図。
【図4】図3に示すオルタネータのオルタネータプーリ
の正面図。
【図5】図4のA−A線に沿った断面図。
【図6】第1実施例における内燃機関の回転変動の低減
効果を示す特性線図。
【図7】本発明の第2実施例に係るオルタネータプーリ
の断面図。
【図8】図7のB−B線に沿った断面図。
【図9】第2実施例における内燃機関の回転変動及びエ
ンジンロール振動の低減効果を示す特性線図。
【図10】本発明の第3実施例に係る内燃機関の正面
図。
【図11】第3実施例における内燃機関の回転変動及び
エンジンロール振動の低減効果を示す特性線図。
【図12】本発明の第4実施例に係るオルタネータプー
リの断面図。
【図13】図12のC−C線に沿った断面図。
【図14】第4実施例における内燃機関が搭載された自
動車の説明図。
【図15】第4実施例における内燃機関の回転変動及び
エンジンロール振動の低減効果を示す特性線図。
【図16】本発明に第5実施例に係る内燃機関が搭載さ
れた自動車の説明図。
【図17】第5実施例における内燃機関の回転変動及び
エンジンロール振動の低減効果を示す特性線図。
【符号の説明】
2…エンジン 4…エンジン回転軸 8…プーリ 10…駆動ベルト 12…オルタネータ 14…オルタネータプーリ 16…オルタネータ回転軸

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸から弾性体を介して駆動される回
    転体を有する内燃機関の振動低減装置において、前記弾
    性体と前記回転体との共振に伴って発生する前記回転軸
    の回転変動の反共振の周波数が、前記内燃機関の運転状
    態のうち、略一定回転で運転される所定運転状態での前
    記回転軸の回転周波数を(自然数/2)倍した周波数の
    いずれかと略一致していることを特徴とする内燃機関の
    振動低減装置。
  2. 【請求項2】 回転軸から弾性体を介して駆動される回
    転体を有する内燃機関の振動低減装置において、前記弾
    性体と前記回転体との共振に伴って発生する前記回転軸
    の回転変動の反共振の周波数と、前記弾性体と前記回転
    体の共振に伴って発生する前記内燃機関のロール振動の
    反共振の周波数との間に、前記内燃機関の運転状態のう
    ち、略一定回転で運転される所定運転状態での前記回転
    軸の回転周波数を(自然数/2)倍した周波数のいずれ
    かが存在していることを特徴とする内燃機関の振動低減
    装置。
  3. 【請求項3】 前記回転体が前記回転軸に対して逆方向
    に回転させられていることを特徴とする請求項2に記載
    の内燃機関のロール振動低減装置。
  4. 【請求項4】 前記内燃機関は自動車に搭載されてお
    り、かつ前記内燃機関の所定運転状態がアイドル運転で
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    内燃機関の振動低減装置。
  5. 【請求項5】 前記自動車は、その運転状態を検出する
    手段と、前記自動車の運転状態に応じて、アイドル運転
    状態での前記回転軸の回転周波数を(自然数/2)倍し
    た周波数のいずれかが前記回転軸の回転変動の反共振の
    周波数もしくは前記内燃機関のロール振動の反共振の周
    波数のいずれかと略一致するように、前記アイドル運転
    の回転数を変更する制御手段と、を有していることを特
    徴とする請求項4に記載の内燃機関の振動低減装置。
  6. 【請求項6】 補機を作動させることにより負荷が大き
    くなった内燃機関のアイドル運転状態では、前記回転軸
    の回転周波数の(自然数/2)倍した周波数のいずれか
    が前記回転軸の回転変動の反共振の周波数と略一致する
    よう前記アイドル運転状態における該回転軸の回転数が
    制御され、補機が作動しない内燃機関のアイドル運転状
    態では、前記回転軸の回転周波数の(自然数/2)倍し
    た周波数のいずれかが前記内燃機関のロール振動の反共
    振の周波数と略一致するようアイドル運転状態における
    前記回転軸の回転数が制御されていることを特徴とする
    請求項5に記載の内燃機関のロール振動低減装置。
  7. 【請求項7】 前記自動車は自動変速機を有し、前記回
    転軸の回転が前記自動変速機を介して車軸に伝達されて
    いる運転状態では、前記回転軸の回転周波数の(自然数
    /2)倍した周波数のいずれかが前記回転軸の回転変動
    の反共振の周波数と略一致するよう前記アイドル運転状
    態における該回転軸の回転数が制御され、前記回転軸の
    回転が前記自動変速機を介して車軸に伝達されていない
    運転状態では、前記回転軸の回転周波数の(自然数/
    2)倍した周波数のいずれかが、前記内燃機関のロール
    振動の反共振の周波数と略一致するよう前記アイドル運
    転状態における該回転軸の回転数が制御されていること
    を特徴とする請求項5に記載の内燃機関の振動低減装
    置。
  8. 【請求項8】 前記自然数が内燃機関の気筒数であるこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の内燃機
    関の振動低減装置。
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