JP3565312B2 - 内燃機関の振動低減装置 - Google Patents

内燃機関の振動低減装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の燃焼圧力の変動等に起因して生じる内燃機関自体の振動を低減する振動低減装置に関し、特に、クランクシャフトに対して順方向あるいは逆方向に回転する慣性質量体を用いて内燃機関自体のロール振動を低減する内燃機関の振動低減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の環境問題に対応した自動車の燃費向上への関心の高まりから、自動車に搭載される内燃機関(エンジン)として、燃料を直接筒内に噴射する直噴ガソリンエンジンや直噴ディーゼルエンジンが脚光を浴びつつあるが、これらのエンジンは、従来のエンジンに比べ燃焼加振力が大きいためトルク変動に伴うロール振動も大きくなっており、このロール振動に起因するアイドリング時の車内のこもり音や車体のフロア振動が悪化するという問題を抱えている。
【0003】
このような問題を解決する一手法として、例えば、特開平6−33990号公報に示される振動低減装置がある。この振動低減装置は、図12(a),(b)に示すように、エンジン1のクランクシャフト2の後端に直接結合された主フライホイール3の他に、クランクシャフト2の前端に直接結合されたクランクプーリ4により例えばベルト5を介して逆方向に回転させる副フライホイール6を設け、トルク発生の反作用としてエンジン本体に作用するモーメントと逆方向のモーメントを発生させ、エンジン本体のロール振動を打ち消すものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の振動低減装置において、エンジンのロール振動を完全に打ち消すためには、主フライホール3等のエンジン本体における回転体の慣性モーメントをI、副フライホイール6の慣性モーメントをI、増速比をρとするとき、理論的にはI=ρ・Iの条件を満たすことが要求され、又、この条件の近傍においてロール振動の低減効果が得られるものである。
【0005】
ここで、上述の条件を満たすには、上記主フライホイール3の慣性モーメントIが本来的に大きいことから、副フライホイール6の慣性モーメントIを大きくするか、あるいは、増速比ρを大きくする必要がある。
【0006】
しかしながら、副フライホイール6の慣性モーメントIを大きくすると、それに伴なって装置としての重量増加を招き、また、増速比ρを大きくすると、副フライホイール6が高速で回転することになり、その軸受部の耐久性の低下を招くことになる。従って、現実的にはエンジンのロール振動を完全に打ち消すことはできず、その低減効果は限られたものになるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、ロール振動の低減を特に必要とする内燃機関の特定の運転領域において、ロール振動の大幅な低減を図ることのできる内燃機関の振動低減装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る内燃機関の振動低減装置は、クランクシャフトの回転駆動力を伝える駆動力伝達機構と、前記駆動力伝達機構により回転させられて慣性力を生じる慣性質量体とを備えて、クランクシャフトの回転に伴なう内燃機関のロール振動を低減するようにした内燃機関の振動低減装置であって、前記駆動力伝達機構から慣性質量体までの回転振動系の振動モードと前記クランクシャフトの回転に伴うロール振動系の振動モードとの重ね合わせによって発生する反共振の周波数が、前記クランクシャフトの所定回転速度における回転周波数を(自然数/2)倍した周波数のうちのいずれかの周波数と略一致するように形成された、構成となっている。
【0009】
本発明の請求項2に係る内燃機関の振動低減装置は、請求項1に係る内燃機関の振動低減装置において、前記反共振の周波数が、前記クランクシャフトの所定回転速度における回転周波数を(気筒数/2)倍した周波数と略一致するように形成された、構成となっている。
【0010】
本発明の請求項3に係る内燃機関の振動低減装置は、請求項1及び2に係る内燃機関の振動低減装置において、前記クランクシャフトの所定回転速度は、内燃機関がアイドル運転状態にある際の回転速度である、構成となっている。
【0011】
本発明の請求項4に係る内燃機関の振動低減装置は、請求項1ないし3に係る内燃機関の振動低減装置において、前記駆動力伝達機構が、前記クランクシャフトに結合されて一体的に回転するクランクプーリと、前記慣性質量体と同軸上にて一体的に回転する従動プーリと、前記クランクプーリと従動プーリとを連動させる駆動用弾性ベルトとを含む、構成となっている。
【0012】
本発明の請求項5に係る内燃機関の振動低減装置は、請求項4に係る内燃機関の振動低減装置において、前記慣性質量体及び従動プーリは、補機の回転軸と一体的に回転するように取り付けられた、構成となっている。
【0013】
本発明の請求項6に係る内燃機関の振動低減装置は、請求項4及び5に係る内燃機関の振動低減装置において、前記従動プーリと前記慣性質量体とは、弾性体を介して一体的に回転するように結合された、構成となっている。
【0014】
本発明の請求項7に係る内燃機関の振動低減装置は、請求項5及び6に係る内燃機関の振動低減装置において、前記慣性質量体は弾性体を介して前記回転軸に結合され、前記従動プーリは前記回転軸に直接結合された、構成となっている。
【0015】
本発明の請求項8に係る内燃機関の振動低減装置は、請求項5及び6に係る内燃機関の振動低減装置において、前記慣性質量体は前記回転軸に直接結合され、前記従動プーリは弾性体を介して前記慣性質量体に結合された、構成となっている。
【0016】
本発明の請求項9に係る内燃機関の振動低減装置は、請求項4ないし8に係る内燃機関の振動低減装置において、前記クランクプーリが、前記クランクシャフトに直接結合される結合フランジ部と、前記駆動用弾性ベルトを巻き掛ける巻掛部と、前記結合フランジ部と巻掛部との間に介在して両者を結合する弾性体とからなる、構成となっている。
【0017】
本発明の請求項10に係る内燃機関の振動低減装置は、請求項9に係る内燃機関の振動低減装置において、前記クランクプーリに、前記クランクシャフトの振動を吸収する動吸振器を設けた、構成となっている。
【0018】
本発明の請求項11に係る内燃機関の振動低減装置は、請求項10に係る内燃機関の振動低減装置において、前記動吸振器が、前記弾性体と前記結合フランジ部との間に介在させられた前記弾性体に結合される質量体及び前記質量体と前記結合フランジ部に結合される第2弾性体からなる、構成となっている。
【0019】
本発明の請求項12に係る内燃機関の振動低減装置は、請求項1ないし3に係る内燃機関の振動低減装置において、前記駆動力伝達機構が、前記クランクシャフトに結合されて一体的に回転する駆動スプロケットと、前記慣性質量体と同軸上にて一体的に回転する従動スプロケットと、前記駆動スプロケットと従動スプロケットとを連動させる駆動用チェーンと、前記従動スプロケットと前記慣性質量体との間に介在させられて前記従動スプロケットの回転力を前記慣性質量体に伝える弾性体とを含む、構成となっている。
【0020】
本発明の請求項13に係る内燃機関の振動低減装置は、請求項1ないし3に係る内燃機関の振動低減装置において、前記駆動力伝達機構が、前記クランクシャフトの回転力により駆動されて前記慣性質量体と同軸上にて回転する従動歯車を備える歯車機構と、前記従動歯車と前記慣性質量体との間に介在させられて前記従動歯車の回転力を前記慣性質量体に伝える弾性体とを含む、構成となっている。
【0021】
本発明の請求項14に係る内燃機関の振動低減装置は、請求項12及び13に係る内燃機関の振動低減装置において、前記慣性質量体が、補機の回転軸と一体的に回転するように取り付けられた、構成となっている。
【0022】
本発明の請求項15に係る内燃機器案の振動低減装置は、請求項12ないし14に係る内燃機関の振動低減装置において、前記弾性体が金属製スプリングからなる、構成となっている。
【0023】
本発明の請求項16に係る内燃機関の振動低減装置は、請求項1ないし15に係る内燃機関の振動低減装置において、前記慣性質量体が、前記クランクシャフトの回転方向と反対の方向に回転するように形成されている、構成となっている。
【0024】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係る内燃機関の振動低減装置によれば、慣性質量体に回転力を伝える回転振動系の振動モードとロール振動系の振動モードとの重ね合わせによって、お互いの振動モードが逆相となる領域でお互いの振動を打ち消し合う方向に作用し、振動レベルが極端に小さくあるいは零になる状態、すなわち反共振を生じる領域が存在する。
【0025】
この際、上記反共振が生じる点での反共振周波数が、クランクシャフト(内燃機関)の所定回転速度における回転周波数を(自然数/2)倍した周波数のうちのいずれかの周波数と略一致するように上記振動系が構成されていることから、所定回転速度で運転される内燃機関において、この内燃機関の気筒数に応じた種々の回転次数成分、例えば、4気筒の場合2次,4次,6次・・・、6気筒の場合3次,6次,9次・・・、8気筒の場合4次,8次,12次・・・、等の回転次数成分の周波数、あるいは、気筒間の燃焼ばらつき等により生じる0.5次,1次,1.5次・・・等の回転次数成分の周波数に起因するロール振動を大幅に低減することができる。
【0026】
本発明の請求項2に係る内燃機関の振動低減装置によれば、上記反共振が生じる点での反共振周波数が、クランクシャフト(内燃機関)の所定回転速度における回転周波数を(気筒数/2)倍した周波数と略一致するように上記振動系が構成されていることから、所定回転速度で運転される内燃機関において、支配的な回転基本次数成分の周波数、例えば、4気筒の場合2次、6気筒の場合3次、8気筒の場合4次等の回転基本次数成分の大きい周波数に起因するロール振動を効率良く大幅に低減することができる。
【0027】
本発明の請求項3に係る内燃機関の振動低減装置によれば、内燃機関がアイドル運転状態にあるときの上記回転次数成分に起因するロール振動を低減することができる。
【0028】
本発明の請求項4に係る内燃機関の振動低減装置によれば、慣性質量体に回転駆動力を伝える駆動力伝達機構が、クランクプーリ、従動プーリ、駆動用弾性ベルト等により構成されていることから、この駆動用弾性ベルトを回転振動系のばね成分として用いて、このばね特性を調整することにより、上述反共振周波数を所望の周波数に設定することができる。
【0029】
本発明の請求項5に係る内燃機関の振動低減装置によれば、慣性質量体及び従動プーリの回転軸を別個に設ける必要がなく、又、補機の配置場所を兼用することで、装置全体としてのコンパクト化を行なうことができる。
【0030】
本発明の請求項6及び7に係る内燃機関の振動低減装置によれば、従動プーリと慣性質量体との間に介在する弾性体を回転振動系のばね成分として用いることで、反共振周波数の設定を容易に行なうことができる。すなわち、駆動用弾性ベルトは本来的に補機を駆動する必要があるため、そのばね定数をあまり小さくできず、従って、この駆動用弾性ベルトを回転振動系のばね成分として用いる場合は、そのばね定数の設定範囲が限られる場合がある。そこで、上記弾性体を採用することで、ばね定数の設定自由度が大きくなり、上述反共振周波数を所望の周波数に容易に設定することができる。
【0031】
本発明の請求項8に係る内燃機関の振動低減装置によれば、慣性質量体が補機の回転軸に直接結合すなわち補機のロータ部等と一体的に回転するように結合され、又、従動プーリが弾性体を介して慣性質量体(及び補機のロータ部)を回転させるように形成されていることから、この弾性体を回転振動系のばね成分として用いることができると共に、補機のロータ部をも慣性質量体として作用させることができるため、本来的に設けるべき慣性質量体を小さくすることができ、その分だけ軽量化を行なうことができる。
【0032】
本発明の請求項9に係る内燃機関の振動低減装置によれば、クランクプーリの結合フランジ部と巻掛部との間に設けられた弾性体を回転振動系のばね成分として用いることで、駆動用弾性ベルトのばね定数の設定範囲が限られる場合であっても、上述反共振周波数を所望の周波数に容易に設定することができる。
【0033】
本発明の請求項10に係る内燃機関の振動低減装置によれば、動吸振器によりクランクシャフトのねじり等の振動が抑制されると共に、このクランクシャフトの振動の影響を受けることなく、所望の反共振現象を実現させることができ、これにより、ロール振動を大幅に低減することができる。
【0034】
本発明の請求項11に係る内燃機関の振動低減装置によれば、クランクシャフトのねじり等の振動を吸収する動吸振器が、クランクプーリを形成する結合フランジ部、弾性体、及び巻掛部のうち、結合フランジ部と弾性体との間に介在する質量体及び第2弾性体により構成されることから、例えば、これら結合フランジ部、第2弾性体、質量体、弾性体、巻掛部の順で径方向外側に向かって順次積層した構造を採用することができ、クランクプーリとしての構造の複雑化あるいは回転軸線方向における幅厚化を防止することができる。
【0035】
本発明の請求項12に係る内燃機関の振動低減装置によれば、慣性質量体に回転駆動力を伝える駆動力伝達機構が、駆動スプロケット、従動スプロケット、駆動用スプロケット、従動スプロケットと慣性質量体との間に介在する弾性体等により構成されていることから、この弾性体を回転振動系のばね成分として用いて、このばね特性を調整することにより、上述反共振周波数を所望の周波数に設定することができる。
【0036】
本発明の請求項13に係る内燃機関の振動低減装置によれば、慣性質量体に回転駆動力を伝える駆動力伝達機構が、クランクシャフトの回転力により駆動されて慣性質量体と同軸上にて回転する従動歯車を備える歯車機構、従動歯車と慣性質量体との間に介在する弾性体等により構成されていることから、この弾性体を回転振動系のばね成分として用いて、このばね特性を調整することにより、上述反共振周波数を所望の周波数に設定することができる。
【0037】
本発明の請求項14に係る内燃機関の振動低減装置によれば、慣性質量体の回転軸を別個に設ける必要がなく、又、補機の配置場所を兼用することで、装置全体としてのコンパクト化を行なうことができる。
【0038】
本発明の請求項15に係る内燃機関の振動低減装置によれば、潤滑油等が供給される雰囲気下においても、ゴムのような劣化を生じることなく、ばねとしての機能を長期に亘って確保することができ、機能上の信頼性を向上させることができる。
【0039】
本発明の請求項16に係る内燃機関の振動低減装置によれば、慣性質量体がクランクシャフトと同一方向に回転する場合に比べてより一層ロール振動を低減することができ、又、反共振周波数と回転振動系の共振周波数との隔たりが大きくなるため、低減効果が得られる周波数帯域も広くなり、反共振周波数の設定を容易に行なうことができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
【0041】
図1は、本発明に係る振動低減装置を備えたエンジンの第1実施例を示すものであり、このエンジン10では、図1(a)に示すように、エンジン本体11の駆動力を発生するクランクシャフト12の前端部にクランクプーリ13が固着されており、又、補機としてのオルタネータ14が、アイドラプーリ15及び他の補機としてのパワステポンプ16のプーリ16bを介して、その回転軸14aに固着されたオルタネータプーリ14bとクランクプーリ13との間に巻き掛けられた駆動用弾性ベルトとしての補機駆動ベルト17により回転駆動されるようになっている。
【0042】
さらに、上記オルタネータ14の回転軸14aには、図1(b)に示すように、慣性質量体としての副フライホイール18が一体的に回転するように固着されており、又、オルタネータプーリ14bと副フライホイール18ともお互いに一体的に回転するように固着されている。
【0043】
上記オルタネータプーリ14bは、副フライホイール18を回転させるための従動プーリの役割を成し、又、このオルタネータプーリ14b、クランクプーリ13、補機駆動ベルト17等により、慣性質量体にクランクシャフト12の回転駆動力を伝える駆動力伝達機構が構成されている。
【0044】
上記構成においては、補機駆動ベルト17が弾性体であることから、この補機駆動ベルト17をばね成分とし、又、副フライホイール18及びオルタネータ14のロータ部,エンジン本体11の回転部分(クランクプーリ13,クランクシャフト12,主フライホイール(不図示)等)を質量成分とする補機回転振動系において、所定の共振周波数が存在し、又、エンジン本体11のロール振動系においても所定の共振周波数が存在する。
【0045】
上記補機回転振動系の振動とロール振動系の振動とは相互に影響を及ぼし合い、両者の振動モードが逆相となってお互いの振動を打ち消し合う現象、すなわち、反共振現象が生じる領域がある。
【0046】
そこで、上記振動系の構成においては、エンジンが所定回転速度で頻繁に使用されかつロール振動が問題となるような運転領域に、上記反共振現象が現われるように設定されている。
【0047】
以下に、反共振現象が所望の運転領域に現れるように設定する際の手法について説明する。先ず、図1(a)に示すエンジンの振動系は、図2(a)に示すような振動モデルで近似することができる。ここで、エンジン本体11のロール軸回わりの慣性モーメントをI、ロール変位角をφ、エンジン本体11の回転系(クランクプーリ13,クランクシャフト12,主フライホイール(不図示)等)の慣性モーメントをI、クランクプーリ13の変位角をθ、副フライホイール18の(あるいはオルタネータ14のロータ部も含めた)慣性モーメントをI、副フライホイール18の変位角をθ、クランクプーリ13の駆動半径をr、副フライホイール18の駆動半径(従動プーリの駆動半径)をr、エンジン本体11のロールばね定数をke、補機駆動ベルト17の伸び側のばね定数,ベルト反力をk,f及び縮み側のばね定数,ベルト反力をk,f、入力トルクをTとすると、図2(a)に示す振動モデルの運動方程式は次式(1)で表わすことができる。
【0048】
Figure 0003565312
上記(1)式から、I>>I,I、φ=0等の条件の下、反共振現象が現われる点の反共振周波数fを求めると、次式(2)となる。
【0049】
Figure 0003565312
上記(2)式で表わされる反共振周波数fは、図2(b)に示すように、ロール振動のモード1と補機回転振動のモード2とが逆相となり、お互いの振動を打ち消し合う点の周波数として表わされる。
【0050】
そこで、この反共振周波数fが、エンジン(クランクシャフト12)の所定回転速度N(rpm)における回転周波数fn(=N/60)を(自然数/2)倍、すなわち、0.5倍,1倍,1.5倍,2倍.2.5倍、3倍,・・・した周波数のうちのいずれかの周波数と略一致するように、副フライホイール18の慣性モーメントI、増速比ρ等を設定する。具体的には、エンジンの燃焼圧力の変動により、4気筒エンジンの場合は、回転速度の2次,4次,6次,・・・、6気筒エンゾンの場合は、回転速度の3次,6次,・・・、8気筒エンジンの場合は、回転速度の4次,8次,・・・等の周波数成分に起因するロール振動が大きくなるため、上記反共振周波数fをこれらの次数の周波数のいずれかの周波数と略一致するように設定することで、エンジンのロール振動を低減することができる。
【0051】
また、気筒間の燃焼にばらつきがあった場合には、回転速度の0.5次,1次、1.5次・・・等の周波数成分に起因するロール振動も発生するため、上記反共振周波数fをこれらの次数の周波数のいずれかの周波数と略一致するように設定することで、同様にエンジンのロール振動を低減することができる。
【0052】
さらに、上記のような種々の次数の周波数成分の中でも、特に(気筒数/2)倍の次数、すなわち、4気筒エンジンの場合2次、6気筒エンジンの場合3次、8気筒エンジンの場合4次の周波数が最も大きくなるため、上記反共振周波数fがこれらの回転基本次数の周波数と略一致するように設定することで、エンジンのロール振動を一層低減することができる。
【0053】
また、通常の自動車用エンジンの場合ロール振動が問題となる運転条件としては、アイドル運転状態が挙げられる。エンジンの所定回転速度として、アイドル運転状態における回転速度を適用し、この運転領域で上記反共振周波数fの設定を行なうことにより、より一層のロール振動低減結果を得ることができる。
【0054】
ここで、一例として、4気筒ガソリンエンジンでアイドル回転数(回転速度)Nが750rpmの場合において、反共振周波数fが、回転速度の2次すなわち25Hz((750/60)×2)と一致するように設定した結果を図3に示す。図3から理解されるように、アイドル運転状態の回転2次周波数25Hzのところでロール振動が大幅に低減されている。また、補機回転振動系の共振周波数である28Hz近傍ではロール振動の悪化がみられるものの、アイドル運転時以外の通常の運転条件では、回転速度Nが約1200rpm以上、すなわち、回転2次の周波数は40Hz((1200/60)×2)以上となり、上記28Hz近傍のロール振動の悪化が問題となることはない。
【0055】
図4は、上記振動低減装置を備えたエンジン10をシリーズ型のハイブリッド車21に搭載した例を示すものである。このシリーズ型のハイブリッド車21においては、エンジン10はオルタネータ14を駆動して発電するための発電機駆動源としてのみ用いられ、このオルタネータ14により発電された電力がバッテリ22を経由して電動モータ23に供給され、この電動モータ23が変速機24を介して車輪25を回転駆動するようになっている。従って、エンジン10は、車輪25を直接駆動する必要がないため、最も効率の良い運転条件の下ほぼ一定の回転速度で運転されることになる。
【0056】
例えば、この回転速度が3000rpmの場合には、4気筒エンジンのロール振動は、その回転速度の2次の周波数すなわち100Hz((3000/60)×2)において最も大きくなる。従って、反共振周波数fが100Hz近傍となるように、副フライホイール18等の慣性モーメントI,増速比ρ等を調整することで、ロール振動を大幅に低減することができる。
【0057】
図5は、本発明に係る振動低減装置を備えたエンジンの第2実施例を示すものであり、このエンジン30では、図5(a)に示すように、クランクシャフト12に固着されたクランクプーリ13と、オルタネータ14のオルタネータプーリ14bと、アイドラプーリ15とに補機駆動ベルト17が巻き掛けられ、又、この補機駆動ベルト17の背面が補機としてのパワステポンプ16のパワステポンププーリ16bに巻き掛けられている。
【0058】
さらに、上記パワステポンプ16の回転軸16aには、図5(b)に示すように、慣性質量体としての副フライホイール18が一体的に回転するように固着されており、又、パワステポンププーリ16bと副フライホイール18ともお互いに一体的に回転するように固着されている。上記パワステポンププーリ16bは、副フライホイール18を回転させるための従動プーリの役割を成している。本実施例においては、図1に示す前述の実施例に比べて、副フライホイール18がクランクシャフト12の回転方向と反対の方向に回転するようになっている。
【0059】
上記構成における反共振周波数fは、パワステポンププーリ16bの駆動半径をrとすると、次式(3)で表わすことができる。
【0060】
Figure 0003565312
ここで、この反共振周波数fが、前述実施例と同様に、4気筒エンジンにおける回転速度750rpmのアイドル運転状態で問題となる回転2次の周波数25Hzとなるように、副フライホイール18の慣性モーメントI、増速比ρ等を設定すると、そのときの振動伝達特性は図6に示すようになる。
【0061】
図6から理解されるように、副フライホイール18がクランクシャフト12と逆方向に回転する本実施例では、同方向に回転する前述の実施例に比べて、ロール振動の低減幅は大きくなり、又、補機回転振動系の共振周波数と反共振周波数との隔たりも大きくなる。従って、ロール振動の低減効果が得られる周波数帯域も広くなり、反共振周波数の設定も容易になる。
【0062】
図7は、本発明に係る振動低減装置を備えたエンジの第3実施例を示すものであり、このエンジン40では、図7(b),(c)に示すように、副フライホイール41とパワステポンププーリ16bとが弾性体を介して結合され一体的に回転するようになっている以外は、前述第2実施例とほぼ同様の構成となっている。
【0063】
すなわち、パワステポンププーリ16bは回転軸16aに直接固着されているものの、副フライホイール41は、回転軸16aに外嵌固着される円筒状ハブ部42との間に弾性体としての環状ゴム43を介在させた状態で、回転軸16aに結合されている。従って、補機回転振動系において、この環状ゴム43をばね成分として用いることで、補機駆動ベルト17をばね成分として用いる場合に比べて、ばね定数の設定自由度が大きくなる。また、補機駆動ベルト17のばね定数は、補機駆動という本来の目的のために要求される大きさに設定することが可能となる。
【0064】
上記構成における反共振周波数fは、補機駆動ベルト17をばね成分として用いる場合の式(1)におけるk,k,f,f等に代えて、環状ゴム43の回転ばね定数kを用いることで、次式(4)で表わすことができる。
【0065】
Figure 0003565312
ここで、この反共振周波数fが、前述実施例と同様に、4気筒エンジンにおける回転速度750rpmのアイドル運転状態で問題となる回転2次の周波数25Hzとなるように、副フライホイール18の慣性モーメントI、増速比ρ、回転ばね定数k等を設定することにより、ロール振動を低減することができる。
【0066】
図8は、本発明に係る振動低減装置を備えたエンジンの第4実施例を示すものであり、このエンジン50では、図8(b),(c)に示すように、副フライホイール51とパワステポンププーリ兼用の従動プーリ52とが弾性体を介して結合され、かつ、副フライホイール51が回転軸16aに直接固着されている以外は、前述第2及び第3実施例とほぼ同様の構成となっている。
【0067】
すなわち、大径部51aと小径部51bの2段構成からなる副フライホイール51は、パワステポンプ16の回転軸16aに直接固着されており、一方、従動プーリ52は、環状ゴム53を介して副フライホイール51の小径部51b外周面に結合されている。
【0068】
上記構成においては、副フライホイール51だけでなく、補機としてのパワステポンプ16が元々持っている回転部も慣性質量体として作用することから、付加される副フライホイール51そのものの慣性モーメントすなわち質量を小さくすることができ、その分の軽量化が可能である。また、環状ゴム53の回転ばね定数kを十分小さくすることができれば、新たに慣性質量を付加せずとも、パワステポンプ16の慣性質量のみでロール振動を低減することも可能である。この場合、補機としても、慣性質量の大きいものを適用するのが好ましい。
【0069】
本実施例においても、反共振周波数fは、前述式(4)のように表わすことができ、この反共振周波数fを前述同様例えばアイドル運転状態で問題となる25Hz近傍に設定することにより、ロール振動を大幅に低減することができる。
【0070】
図9は、本発明に係る振動低減装置を備えたエンジンの第5実施例を示すものであり、このエンジン60では、図9(a)に示すように、エンジン本体11のクランクシャフト12に駆動スプロケット61が固着されており、この駆動スプロケット61と、動弁系のカムシャフトを駆動するカムシャフト用スプロケット62と、アイドラスプロケット63とに駆動用チェン67が巻き掛けられ、さらに、補機64及び副フライホイール65を回転駆動する従動スプロケット66に、駆動用チェーン67の背面側が巻き掛けられている。
【0071】
上記副フライホイール65は、図9(b)に示すように、補機64の回転軸64aに直接固着されており、一方、従動スプロケット66は、回転軸64aに対して回動自在に取り付けられている。また、副フライホイール65は、大径部65aと小径部65bの2段構成に形成され、この小径部65bの外周面に従動スプロケット66が回動自在に外嵌されると共に、図9(c)に示すように、小径部65bに形成された周方向に長尺な切り欠き部65cと従動スプロケット66の嵌合部内周面から突出した突出片66aとの間に、弾性体としての金属製スプリング68が配置されており、この金属製スプリング68を介して、従動スプロケット66の回転力が副フライホイール65に、さらには補機64に伝わるようになっている。
【0072】
上記駆動スプロケット61、従動スプロケット65、金属製スプリング68、駆動用チェーン67等により、慣性質量体にクランクシャフト12の回転駆動力を伝える駆動力伝達機構が構成されている。
【0073】
本実施例においては、副フライホイール65は、クランクシャフト12の回転方向と反対の方向に回転し、又、金属製スプリング68が、補機回転振動系のばね成分としての役割を成すようになっている。さらに、副フライホイール65と補機64の回転部とが、慣性質量体として作用するため、付加する副フライホイール65そのものの質量を小さくすることができる。また、補機回転振動系のばね成分として金属製スプリング68を採用することから、上記駆動力伝達機構に潤滑油が供給されて潤滑作用が行なわれる場合でも、弾性体としてゴムを用いる場合に生じる劣化等の問題はなく、長期に亘る機能上の信頼性(耐久性)を確保することができる。
【0074】
上記構成における反共振周波数fは、金属製スプリング68の回転ばね定数をk、増速比ρ(=r/r;rは駆動スプロケット61の駆動半径、rは従動スプロケット66の駆動半径)とすることで、前述式(4)と同様に表わすことができ、この反共振周波数fを前述同様例えばアイドル運転状態で問題となる25Hz近傍に設定することにより、ロール振動を大幅に低減することができる。
【0075】
図10は、本発明に係る振動低減装置を備えたエンジンの第6実施例を示すものであり、このエンジン70は、図10(a)に示すように、エンジン本体11のクランクシャフト12に駆動スプロケット71が固着されており、この駆動スプロケット71と、スプロケット兼歯車72のスプロケット部72aとの間に駆動用チェーン73が巻き掛けられている。そして、スプロケット兼歯車72の歯車部72bは、補機75の回転軸75aに回動自在に取り付けられた従動歯車74に噛合しており、この従動歯車74の回転力は、前述第5実施例と同様に配置された金属製スプリング76を介して、回転軸75aに直接固着された副フライホイール77に伝わり、さらには補機75の回転部に伝わるようになっている。
【0076】
尚、上記金属製スプリング76は、副フライホイール77の小径部77bに形成された切り欠き部77cと従動歯車74の嵌合部内周面から突出した突出片74aとの間に配置されて、上述のように従動歯車74の回転力を副フライホイール77に伝えるようになっている。
【0077】
上記駆動スプロケット71、駆動用チェーン73、スプロケット兼歯車72及び従動歯車74からなる歯車機構、弾性体としての金属製スプリング76等により、慣性質量体にクランクシャフト12の回転駆動力を伝える駆動力伝達機構が構成されている。
【0078】
本実施例においては、副フライホイール77は、クランクシャフト12の回転方向と反対の方向に回転し、又、金属製スプリング76が、補機回転振動系のばね成分としての役割を成すようになっている。さらに、副フライホイール77と補機75の回転部とが、慣性質量体として作用するため、付加する副フライホイール77そのものの質量を小さくすることができる。また、補機回転振動系のばね成分として金属製スプリング76を採用することから、上記駆動力伝達機構に潤滑油が供給されて潤滑作用が行なわれる場合でも、弾性体としてゴムを用いる場合に生じる劣化等の問題はなく、長期に亘る機能上の信頼性(耐久性)を確保することができる。
【0079】
上記構成における反共振周波数fは、金属製スプリング76の回転ばね定数をk、増速比ρ(=r/r;rは駆動スプロケット71の駆動半径、rは従動歯車74のピッチ円半径)とすることで、前述式(4)と同様に表わすことができ、この反共振周波数fを前述同様例えばアイドル運転状態で問題となる25Hz近傍に設定することにより、ロール振動を大幅に低減することができる。
【0080】
図11は、本発明に係る振動低減装置を備えたエンジンの第7実施例を示すものであり、このエンジン80は、クランクプーリ81に対して、補機回転振動系のばね成分及びクランクシャフト12の振動を吸収する動吸振器を設けた以外は、図5に示す第2実施例と同様の構成となっている。
【0081】
すなわち、クランクシャフト12に固着されたクランクプーリ81と、オルタネータ14のオルタネータプーリ14bと、アイドラプーリ15とに補機駆動ベルト17が巻き掛けられ、又、この補機駆動ベルト17の背面が補機82及び副フライホイール83を回転させる従動プーリ84に巻き掛けられている。上記副フライホイール83は、大径部83aと小径部83bからなる2段構成に形成されると共に、補機82の回転軸82aに直接固着されており、上記従動プーリ84は、副フライホイール83の小径部83b外周面に外嵌固着されている。従って、補機駆動ベルト17により、クランクシャフト12の回転方向と反対の方向に従動プーリ84が回転すると、副フライホイール83及び補機82の回転部も一体的に反対の方向に回転するようになっている。
【0082】
上記クランクプーリ81は、図11(c)に示すように、クランクシャフト12に直接固着される結合フランジ部81aと、この結合フランジ部81aの外周面に結合された第2弾性体としての内側環状ゴム81bと、この内側環状ゴム81bの外周面に結合された質量体としての環状質量部81cと、この環状質量部81cの外周面に結合された弾性体としての外側環状ゴム81dと、この外側環状ゴム81dの外周面に結合された巻掛部81eとにより、径方向に積層された積層構造として形成される。
【0083】
上記クランクプーリ81において、内側環状ゴム81b及び環状質量部81cは、クランクシャフト12の振動、主としてねじり共振振動を吸収する動吸振器(ダイナミックダンパ)を構成している。一方、外側環状ゴム81dは、補機駆動ベルト17により回転される補機回転振動系のばね成分の役割を成すものである。
【0084】
上記構成における反共振周波数fは、外側環状ゴム81dの回転ばね定数をkとすることで、前述式(4)と同様に表わすことができ、この反共振周波数fを前述同様例えばアイドル運転状態で問題となる25Hz近傍に設定することにより、ロール振動を大幅に低減することができる。
【0085】
また、上記構成においては、クランクシャフト12の例えばねじり共振周波数は通常数百Hzであることから、動吸振器として作用する内側環状ゴム81bのばね定数は、補機回転振動系のばね成分として作用する外側環状ゴム81dのばね定数kよりもかなり大きく設定される。
【0086】
従って、周波数の低い補機回転振動系の共振周波数付近では、内側環状ゴム81bはほぼ剛体として作用し、環状質量部81cはクランクシャフト12に固着された結合フランジ部81aと共に一体的に回転することになる。一方、クランクシャフト12のねじり共振周波数付近では、外側環状ゴム81dのばね定数kが十分小さいことから、巻掛部81eを含めた補機回転振動系はクランクシャフト12の振動から絶縁され、内側環状ゴム81b及び環状質量部81cが動吸振器として作用して、クランクシャフト12の特にねじり共振振動を抑制することになる。このように、本実施例においては、クランクシャフト12の共振振動とエンジンの例えばアイドル運転時におけるロール振動とを共に低減することができる。尚、上記動吸振器は、クランクシャフト12のねじり振動だけでなく、曲げ振動を吸収するものとして構成されてもよい。
【0087】
以上述べた第2ないし第7実施例においては、慣性質量体としての副フライホイール18,41,51,65,77,83をクランクシャフト12の回転方向と反対の方向に回転(逆回転)させる場合について示したが、これに限らずクランクシャフト12の回転方向と同じ方向に回転(順回転)させる構成を採用することも可能であり、この場合の反共振周波数fは、次式(5)で表わすことができる。
【0088】
Figure 0003565312
そして、この(5)式により導かれる反共振周波数fが、エンジンのロール振動が問題となる運転条件で振動の誘発に起因する周波数と略一致するように設定されることにより、前述同様にロール振動を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃機関の振動低減装置の第1実施例を示すものであり、(a)は概略構成図、(b)は補機及び副フライホイール相互の結合関係を示す一部拡大構成図である。
【図2】本発明に係る内燃機関の振動低減装置の作用を説明するための図であり、(a)は振動モデルを示す概略図、(b)は周波数応答特性を示す図である。
【図3】図1に示す振動低減装置における振動伝達特性を示す図である。
【図4】図1に示す振動低減装置を備えた内燃機関をシリーズ型ハイブリッド車に搭載した状態を示す概略構成図である。
【図5】本発明に係る内燃機関の振動低減装置の第2実施例を示すものであり、(a)は概略構成図、(b)は補機及び副フライホイール相互の結合関係を示す一部拡大構成図である。
【図6】図5に示す振動低減装置における振動伝達特性を示す図である。
【図7】本発明に係る内燃機関の振動低減装置の第3実施例を示すものであり、(a)は概略構成図、(b)及び(c)は補機及び副フライホイール相互の結合関係を示す一部拡大構成図である。
【図8】本発明に係る内燃機関の振動低減装置の第4実施例を示すものであり、(a)は概略構成図、(b)及び(c)は補機及び副フライホイール相互の結合関係を示す一部拡大構成図である。
【図9】本発明に係る内燃機関の振動低減装置の第5実施例を示すものであり、(a)は概略構成図、(b)及び(c)は補機及び副フライホイール相互の結合関係を示す一部拡大構成図である。
【図10】本発明に係る内燃機関の振動低減装置の第6実施例を示すものであり、(a)は概略構成図、(b)及び(c)は補機及び副フライホイール相互の結合関係を示す一部拡大構成図である。
【図11】本発明に係る内燃機関の振動低減装置の第7実施例を示すものであり、(a)は概略構成図、(b)及び(c)は補機及び副フライホイール相互の結合関係を示す一部拡大構成図である。
【図12】従来の振動低減装置を示すものであり、(a)は概略構成正面図、(b)は概略構成側面図である。
【符号の説明】
11 エンジン本体
12 クランクシャフト
13 クランクプーリ
14 オルタネータ(補機)
14a 回転軸
14b オルタネータプーリ(従動プーリ)
15 アイドラプーリ
16 パワステポンプ
16a 回転軸
16b パワステポンププーリ(従動プーリ)
17 補機駆動ベルト(駆動用弾性ベルト)
18 副フライホイール(慣性質量体)
21 ハイブリッド車
22 バッテリ
23 電動モータ
24 変速機
25 車輪
41 副フライホイール(慣性質量体)
42 円筒状ハブ部
43 環状ゴム(弾性体)
51 副フライホイール(慣性質量体)
51a 大径部
51a 小径部
52 従動プーリ
53 環状ゴム(弾性体)
61 駆動スプロケット
62 カムシャフト用スプロケット
63 アイドラスプロケット
64 補機
64a 回転軸
65 副フライホイール(慣性質量体)
65a 大径部
65b 小径部
65c 切り欠き部
66 従動スプロケット
66a 突出片
67 駆動用チェーン
68 金属製スプリング(弾性体)
71 駆動スプロケット
72 スプロケット兼歯車
72a スプロケット部
72b 歯車部
73 駆動用チェーン
74 従動歯車
74a 突出片
75 補機
75a 回転軸
76 金属製スプリング(弾性体)
77 副フライホイール(慣性質量体)
77b 小径部
77c 切り欠き部
81 クランクプーリ
81a 結合フランジ部
81b 内側環状ゴム(第2弾性体)
81c 環状質量部(質量体)
81d 外側環状ゴム(弾性体)
81e 巻掛部
82 補機
82a 回転軸
83 副フライホイール(慣性質量体)
83a 大径部
83b 小径部
84 従動プーリ

Claims (16)

  1. クランクシャフトの回転駆動力を伝える駆動力伝達機構と、前記駆動力伝達機構により回転させられて慣性力を生じる慣性質量体とを備えて、クランクシャフトの回転に伴なう内燃機関のロール振動を低減するようにした内燃機関の振動低減装置であって、
    前記駆動力伝達機構から慣性質量体までの回転振動系の振動モードと前記クランクシャフトの回転に伴うロール振動系の振動モードとの重ね合わせによって発生する反共振の周波数が、前記クランクシャフトの所定回転速度における回転周波数を(自然数/2)倍した周波数のうちのいずれかの周波数と略一致するように形成されている、
    ことを特徴とする内燃機関の振動低減装置。
  2. 前記反共振の周波数が、前記クランクシャフトの所定回転速度における回転周波数を(気筒数/2)倍した周波数と略一致するように形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の振動低減装置。
  3. 前記クランクシャフトの所定回転速度は、内燃機関がアイドル運転状態にある際の回転速度である、ことを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の振動低減装置。
  4. 前記駆動力伝達機構は、前記クランクシャフトに結合されて一体的に回転するクランクプーリと、前記慣性質量体と同軸上にて一体的に回転する従動プーリと、前記クランクプーリと従動プーリとを連動させる駆動用弾性ベルトとを含む、
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか1つに記載の内燃機関の振動低減装置。
  5. 前記慣性質量体及び従動プーリは、補機の回転軸と一体的に回転するように取り付けられている、ことを特徴とする請求項4記載の内燃機関の振動低減装置。
  6. 前記従動プーリと前記慣性質量体とは、弾性体を介して一体的に回転するように結合されている、ことを特徴とする請求項4又は5記載の内燃機関の振動低減装置。
  7. 前記慣性質量体は弾性体を介して前記回転軸に結合され、前記従動プーリは前記回転軸に直接結合されている、ことを特徴とする請求項5又は6記載の内燃機関の振動低減装置。
  8. 前記慣性質量体は前記回転軸に直接結合され、前記従動プーリは弾性体を介して前記慣性質量体に結合されている、ことを特徴とする請求項5又は6記載の内燃機関の振動低減装置。
  9. 前記クランクプーリは、前記クランクシャフトに直接結合される結合フランジ部と、前記駆動用弾性ベルトを巻き掛ける巻掛部と、前記結合フランジ部と巻掛部との間に介在して両者を結合する弾性体とからなる、ことを特徴とする請求項4ないし8いずれか1つに記載の内燃機関の振動低減装置。
  10. 前記クランクプーリには、前記クランクシャフトの振動を吸収する動吸振器が設けられている、ことを特徴とする請求項9記載の内燃機関の振動低減装置。
  11. 前記動吸振器は、前記弾性体と前記結合フランジ部との間に介在させられた前記弾性体に結合される質量体及び前記質量体と前記結合フランジ部に結合される第2弾性体からなる、ことを特徴とする請求項10記載の内燃機関の振動低減装置。
  12. 前記駆動力伝達機構は、前記クランクシャフトに結合されて一体的に回転する駆動スプロケットと、前記慣性質量体と同軸上にて一体的に回転する従動スプロケットと、前記駆動スプロケットと従動スプロケットとを連動させる駆動用チェーンと、前記従動スプロケットと前記慣性質量体との間に介在させられて前記従動スプロケットの回転力を前記慣性質量体に伝える弾性体とを含む、ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか1つに記載の内燃機関の振動低減装置。
  13. 前記駆動力伝達機構は、前記クランクシャフトの回転力により駆動されて前記慣性質量体と同軸上にて一体的に回転する従動歯車を備える歯車機構と、前記従動歯車と前記慣性質量体との間に介在させられて前記従動歯車の回転力を前記慣性質量体に伝える弾性体とを含む、
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか1つに記載の内燃機関の振動低減装置。
  14. 前記慣性質量体は、補機の回転軸と一体的に回転するように取り付けられてる、ことを特徴とする請求項12又は13記載の内燃機関の振動低減装置。
  15. 前記弾性体が金属製スプリングからなる、ことを特徴とする請求項12ないし14いずれか1つに記載の内燃機関の振動低減装置。
  16. 前記慣性質量体は、前記クランクシャフトの回転方向と反対の方向に回転するように形成されている、ことを特徴とする請求項1ないし15いずれか1つに記載の内燃機関の振動低減装置。
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