JP2755054B2 - 内燃機関のトルクバランサー - Google Patents

内燃機関のトルクバランサー

Info

Publication number
JP2755054B2
JP2755054B2 JP20258792A JP20258792A JP2755054B2 JP 2755054 B2 JP2755054 B2 JP 2755054B2 JP 20258792 A JP20258792 A JP 20258792A JP 20258792 A JP20258792 A JP 20258792A JP 2755054 B2 JP2755054 B2 JP 2755054B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inertial mass
sub
housing
flywheel
speed increasing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP20258792A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0650388A (ja
Inventor
史泰 丹羽
博文 東
隆 堂ケ原
信明 村上
克則 上田
勝彦 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP20258792A priority Critical patent/JP2755054B2/ja
Publication of JPH0650388A publication Critical patent/JPH0650388A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2755054B2 publication Critical patent/JP2755054B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Retarders (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関本体内で回転
する回転体のトルク変動に伴い生じる車体振動を低減さ
せる内燃機関のトルクバランサーに関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関はその運転時において、各気筒
毎に一定クランク角毎に、爆発行程を行ない、これに伴
い、内燃機関本体には上下方向の振動や、クランクシャ
フトの回転中心線回りの回転振動及びクランクシャフト
自体のねじり振動が発生する。ここで、内燃機関本体に
加わる上下方向の振動は燃焼室の爆発行程で内燃機関本
体に直接加わり、内燃機関本体の騒音の要因と成ってい
る。更に、内燃機関本体に加わる回転振動はクランクシ
ャフトの長手方向に分散して対向する各気筒の爆発行程
で生じた回転変動に伴うもので、これらは軸受部を介し
て内燃機関の本体側にローリングモーメントとして加わ
り、内燃機関本体の騒音の要因と成っている。更に、ク
ランクシャフトのねじり振動も軸受部を介して内燃機関
の本体側に振動として伝達され、内燃機関本体の騒音の
要因と成っている。
【0003】これら各騒音要因の内、内燃機関本体に加
わる上下方向の振動は、クランクシャフトに並設され、
不釣合質量によって上下方向の振動を打ち消す逆振動を
生じさせるサイレントシャフトによって低減出来ること
が知られている。他方、クランクシャフトのねじり振動
もクランクシャフトに一体的に装着されるクランクシャ
フトねじり振動ダンパによって低減出来ることが知られ
ている。これらに対して、内燃機関本体内の回転体のト
ルク変動に伴う内燃機関本体のローリングモーメントに
よる回転振動を低減させる装置(トルクバランサー)と
しては次のようなものが知られている。
【0004】たとえば、実開昭62−80055号公報
の内燃機関用バランサ装置は主フライホイールの回転を
エンジン本体に枢支される遊星ギヤを介し副フライホイ
ールに逆転して伝えるよう構成される。実開昭62−8
1741号公報の内燃機関用バランサ装置は主フライホ
イールに遠心クラッチを介し副フライホイールを断続自
在に連結し、これら主、副フライホイールのいずれかの
リングギヤにスタータを噛み合い可能に配備し、特に、
スタータの回転軸に主、副フライホイールとは逆回転す
る付加重量回転体を連結するよう構成される。特公昭5
1−34922号公報の回転体による反力モーメント平
衡装置は、動力軸乃至出力軸側に連動する平衡回転体を
パワーユニットケースに支持し、出力軸側の回転によっ
てパワーユニットケースに生じる反力モーメントと、平
衡回転体側の回転によってパワーユニットケースに生じ
る反力モーメントとを釣り合わせ、これにより2輪車の
発進時における車体姿勢の倒れを防止出来るようにして
いる。更に、実開昭60−122041号公報のローリ
ング振動制御装置は、クランク軸回転をベルト伝導装置
を介しリングギヤに伝達し、リングギヤの回転を遊星歯
車機構を介し太陽ギヤ側と一体の慣性質量体に増速して
逆転して伝えるよう構成される。
【0005】これら各従来装置は、内燃機関のクランク
シャフト側の主フライホイール系慣性体が生じるローリ
ングモーメントを、これらと逆回転状態で連動する副フ
ライホイール系慣性体(トルクバランサー)を用いて消
去している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来装
置の場合、遊星歯車機構や慣性質量体(副フライホイー
ル、スタータ側の付加重量回転体等)のケーシング内で
の収容状態や枢支状態を記載するにあたり、回転ロスや
枢支部の耐久性を十分に考慮したものとは成っていな
い。即ち、ローリングモーメントによる回転振動を低減
させる装置(トルクバランサー)で用いる主フライホイ
ール系とトルクバランサーとを結ぶ回転力伝達手段とし
ては、トルク変動を常時確実にロス無く伝導することが
望ましく、特に、枢支部の耐久性を十分確保できるもの
が望まれている。本発明の目的は、回転ロスを低減する
と共に装置の耐久性を十分に確保出来る内燃機関のトル
クバランサーを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、この発明は、ハウジングを中間壁により区画して
慣性質量体を収容する収容部と、同慣性質量体を増速さ
せるための増速手段を収容する収容部とを有する様に形
成し、上記慣性質量体が上記中間壁を貫通して増速手段
の収容部に回転軸として延びる延長部が設けられ、該延
長部に増速手段の出力を受ける被駆動伝達部としての太
陽伝導手段が装設され、軸心になる部分には中空の中央
孔が設けられて、上記ハウジングにシールリングを介し
て回転自在に支持され、また、上記増速手段は上記慣性
質量体の中央孔を貫通して延びるようハウジングに両持
ち支持される入力軸としての副回転軸に固定された回転
板と上記慣性質量体の回転軸との間に介在される遊星伝
導機構で構成され、上記副回転軸の一端縁側に取り付け
られたプーリから入力される回転駆動力は遊星伝導機構
の回転板のリング伝導手段から遊星伝導手段ならびに太
陽伝導手段を介して慣性質量体に逆方向回転力として増
速駆動伝達されるようにしたことを特徴とする。
【0008】
【作用】この発明によれば、慣性質量体を収容する収容
部と増速手段を収容する収容部とにハウジングが中間壁
によって区分され、慣性質量体の中央孔を貫通する副回
転軸がハウジングにスパンの長い2点で両持ち支持さ
れ、慣性質量体を収容する収容部が増速手段を収容する
収容部及び慣性質量体の中央孔側とシールリングで区画
されるので、慣性質量体のドライ化を図り易く、しか
も、副回転軸側の撓みによる回転中心線のずれを防止出
来る。
【0009】
【実施例】図1には本発明による内燃機関のトルクバラ
ンサー(以後端にトルクバランサーTと記す)を直列4
気筒エンジン(以後単にエンジンと記す)10に装着し
た図が示されている。このエンジン10の本体11は概
略的に見るとシリンダブロック31とその上側のシリン
ダヘッド32と、下側のクランクケース33及びオイル
パン34とによって構成されている。図4に示すよう
に、本体11は中央部長手方向にクランクシャフト12
を枢支し、各軸受20は長手方向に所定間隔を隔てて複
数配設され、クランクシャフト12を本体11内に枢着
する。シリンダブロック31の一側端側(紙面手前側)
にはクランクシャフト12と一体にクランクプーリ35
が、他端側には主フライホイール13(クラッチ17の
基板を成し、ここには一体的に回転するクラッチケース
18やプレッシプレート19が取り付けられる)が一体
的に結合される。図4、図5に示すように、その中間部
には複数の気筒(ここでは1番気筒♯1乃至4番気筒♯
4から成る)の各ピストン18をコンロッド19を介し
て連結しており、クランクシャフト12と一体化されて
いる部材が主フライホイール系を成し、ここではその慣
性モーメントをI1とする。
【0010】更に、クランクプーリ35には両面Vリブ
ドベルト36が巻き掛けされ、これはエンジン補機類で
あるパワステポンプ37、テンショナー38及び慣性質
量体としての副フライホイール39を備えたトルクバラ
ンサーTを駆動するように構成されている。なお、クラ
ンクプーリ35は2段に両面Vリブドベルト36,40
を巻き掛けしており、他方の両面Vリブドベルト40は
一対のカムプーリ41,42及び複数のテンショナ43
等に掛け渡された構造を成す。他方、図2に示すよう
に、ここでのトルクバランサーTは副フライホイール3
9、副回転軸44、これらを収容するケーシング27を
備える。
【0011】ケーシング27は図2に示すように、概略
筒状を成し、副フライホイール39の収容部271及び
増速手段としての遊星ギア列PGを収容する増速手段収
容部272、両収容部間の中間壁273及びクラッチ取
付壁274とを備える。ここでケーシング27は複数の
取付用ブラケット60を突出形成しており、このブラケ
ットを介して本体11側であるシリンダブロック31及
びクランクケース33の外壁面にその回転中心線L1を
クランクシャフト12と平行状にしてボルトオン結合さ
れる。
【0012】副フライホイール収容部271には副フラ
イホイール39が遊嵌され、同ホイールの両端は副回転
軸44と同心的に配設される一対の軸受45、50を介
し副フライホイール収容部271の側壁及び中間壁27
3に枢着される。なお、ここでの副フライホイール39
は軸受50側の回転軸としての延出部が後述するサンギ
ア46に一体結合される。しかも副フライホイール39
はサンギア46をも貫通する中央孔51を有し、同孔に
副回転軸44が遊嵌される。この副回転軸44は一端が
軸受56を介し副フライホイール収容部271の側壁
に、他端、即ち、ベルト対向側がベルト対向側軸受52
を介してクラッチ取付壁274に枢着されている。ここ
で、軸受56は側壁蓋64を介し副フライホイール収容
部271の側壁にボルトオン結合される。このように2
層構造を成す側壁に軸受56が支持されるので、副回転
軸44の軸心合わせと副フライホイール39の軸芯合わ
せとの調整が容易化される利点がある。
【0013】このベルト対向側軸受52はその内側の遊
星伝達機構としての遊星ギア列PGと外側のクラッチ基
板53の間に配設される。この結果、副回転軸44はそ
の端部に両面Vリブドベルト36を巻き掛けする副回転
軸プーリ49と断続されるクラッチ基板53を片持ち支
持し、更に、遊星ギア列PGの回転板54を両持ち支持
することと成る。
【0014】この構成を採ることによって、ベルト対向
側軸受52とクラッチ基板53との間隔を極小さく出
来、副回転軸44をスパンの長い2点で確実に枢支出
来、軸の撓みによる回転中心線L1のずれを防止出来
る。しかも、両面Vリブドベルト36側よりの外力は副
回転軸プーリ49を介し後述のクラッチ軸受58で受け
取られる。
【0015】このため、例えば、副回転軸44がベルト
対向側軸受52の外側の部分に遊星ギア列や副回転軸プ
ーリを共に取り付けた片持ち構造(図示せず)の場合に
はオーバーハング量が大きく、軸長手方向に沿った曲げ
方向の撓みが大きくなってしまい、遊星ギア列内の各要
素の噛み合いずれが生じ、スラスト力が生じてしまって
いたものを、ここでは完全に防止出来、回転中心線L1
のずれに伴う噛み合いずれによるギア等の偏摩耗を防止
出来、装置の耐久性の低下を防止できる。
【0016】次に、副フライホイール収容部271は一
対の軸受45、50にそれぞれ並設される一対のシール
リング55,55によって外部よりシールされる。更
に、副フライホイール39を貫通する中央孔51を介し
て増速手段収容部272と副フライホイール収容部27
1の側壁側の両軸受45,56の収容空間とが連通して
いる。ここでは、副フライホイール収容部271の内部
空間57をドライ状に保持し、増速手段収容部272側
の内部空間及び中央孔51にオイルを充填した。これに
よって、摺動部の潤滑性を確保すると共に、内部空間5
7の副フライホイール39がオイルを撹拌することによ
る回転抵抗を低減する効果が得られる。
【0017】遊星ギア列PGは副回転軸44の増速手段
収容部272との対向位置に回転板54を介して一体的
に取り付けられるリング伝導手段としてのリングギア4
8と、副フライホイール39に一体的に取り付けられる
太陽伝導手段としてのサンギア46と、サンギア46と
リングギア48に共に噛合すると共に中間壁273に枢
着される複数の遊星伝導手段としての遊星ギア47とか
ら成る。この遊星ギア列PGは増速手段の要部を成し、
後述のクラッチCLを介して副回転軸44に伝導された
回転力を逆転増速して副フライホイール39に伝える。
【0018】ここで、副回転軸44と一体の回転板54
は概略皿状に形成されており、その周縁が中間壁273
側に延出するように一体的にリングギア48を取付てお
り、その中央部がサンギア46と複数の遊星ギア47を
覆うように形成されている。このため、ここでの回転板
54は遊星ギア47の脱落防止効果が有ると共に、同部
がグリース溜り機能をも発揮することが出来る。次に、
クラッチCLはクラッチ取付壁274に枢支された副回
転軸44に一体結合されているクラッチ基板53と、ク
ラッチ取付壁274のボス部にクラッチ軸受58を介し
て外嵌される副回転軸プーリ49と、クラッチ取付壁2
74にブラケットを介し装着される電磁石59とを備え
る。この電磁石59はコントローラ61に制御される。
図3に示すように、電磁石59は回転中心線L1回りに
環状に複数配設され、クラッチ基板53と一体回転する
皿バネ62の可動端である環状外周端に常時対向するよ
うに設けられている。なお、副回転軸プーリ49はその
電磁石59と皿バネ62との両対向部に挾まれた位置に
環状に多数のスリット63を形成される。このスリット
によって、電磁石59と皿バネ62との間の磁束密度の
低下を防止している。
【0019】コントローラ61は周知のエンジンコント
ロールユニットであり、適宜入力されるエンジン回転数
Neを取り込み、図6に示す制御特性に沿った制御を行
なうよう機能する。即ち、現回転数Neが設定回転数N
e1(例えば2000rpm)を下回っているか否かの
判断を行ない、下回っている間はオン出力を発してクラ
ッチCLを接続し、副フライホイール系にトルクバラン
サーとしての機能を発揮させ、上回ると、オフ出力を発
してクラッチCLを遮断し、副フライホイール系を主フ
ライホイール系より遮断する。このような制御特性によ
れば、エンジン回転数が高回転側ではクランクシャフト
側のマスの低減を図り、エンジンの加速応答性や燃費の
低下を防止でき、低回転時には主フライホイール系と副
フライホイール系を連結してローリングモーメントの完
全消去を達成することが出来る。
【0020】次に、ここでの両面Vリブドベルト36は
クランクプーリ35及び副回転軸プーリ49の外側にそ
れぞれ巻き掛けされ、両プーリを同方向に回転すべく回
転を伝達しており、これらとクラッチCLと遊星ギア列
PGとがここでの増速手段を構成する。なお、クランク
プーリ35と副回転軸プーリ49とクラッチCL及び遊
星ギア列PGとの働きでクランクシャフト12の回転は
逆転増速され、ここでの増速手段としての増速比ρは
3.6に設定されている。特にここでは、クランクシャ
フト12とクランクプーリ35とクラッチ17とから成
る主フライホイール系慣性モーメントI1が(=0、0
5Kgm)とされ、副フライホイール39の副フライホ
イール系慣性モーメントI2が(=0.014Kgm)
とされ、増速比ρが(=3.6)と設定される。このた
め、後述のローリングモーメントの完全消去条件式であ
る(3)式は下記のように満足されている。
【0021】 I1=ρ×I2=3.6×0.014≒0.05・・・・・・(3) この時のローリングモーメント消去条件を後述する図8
の振動低減特性線図上に特性点P1として示した。この
特性点は、残留ローリングモーメント比≒0.1(−2
0dB)、等価慣性モーメントI’≒1.3となり、回
転振動の低減、低速こもり音あるいは動力性能の判断値
を低減できる理想域a内にある。ここで、トルクバラン
サーTを備えた内燃機関のローリングモーメント消去装
置の基本原理を図7及び図8を用いて説明する。なお、
ここで図1中の構成部材と同様の部材には同一符号を付
し、その重複説明を略す。
【0022】ここでも、本体11に軸受20を介しクラ
ンクシャフト12が枢着され、このクランクシャフト1
2には主フライホイール13が結合される。クランクシ
ャフト12より所定量離れた平行位置の回転中心線L1
上にトルクバランサーTの副回転軸21が配備され、同
軸は軸受22を介して本体11に枢支されている。副回
転軸21は副フライホイール14と一体化される。主フ
ライホイール13の半径r1と副フライホイール14の
半径r2の比であるr1/r2は1以上の値であり、こ
こでの増速比ρは例えば、(=2.5)と設定される。
そして、主フライホイール13上の主ギア15とこれに
噛み合い逆転する副フライホイール14の副ギア16と
が逆転増速手段を構成する。
【0023】ここでは、クランクシャフト12と主フラ
イホイール13等とから成る主フライホイール系の慣性
モーメントをI1とし、副フライホイール14とその副
回転軸21とによる副フライホイール系の慣性モーメン
トをI2とする。このようなトルクバランサーTを備え
たエンジンでは所定クランク角毎に爆発行程が成され、
その時のクランクシャフト12は各軸受20を介して本
体11にN1の押圧力を与え、同時に本体11には爆発
反力に応じたクランクシャフト回りの爆発反力モーメン
トM1が加わる。これが従来の残留ローリングモーメン
トとしてエンジン10の回転振動となる。即ち、爆発行
程で主ギア15よりの押圧力n1を副ギア16が上向き
の押圧力n2として受けると、上向きの押圧力n2に応
じて軸受22を介し本体11には上向きの押圧力N2が
働く。この結果、クランクシャフト12と軸受22間の
間隔をL1とすると、本体11にはクランクシャフト1
2回りの逆モーメントM2(=L1×N2)が働く。こ
の逆モーメントM2はクランクシャフト回りの爆発反力
モーメントM1を打ち消すように働き、両値が一致する
時、残留ローリングモーメントを完全消去出来るものと
見做せる。
【0024】そこで、このような図1の内燃機関のロー
リングモーメント消去装置の原理に基づく運動方程式に
沿って、後述の(1),(2),(3)式を導く。な
お、これら運動方程式の詳細は本願発明に先立ち出願さ
れた内燃機関のローリングモーメント消去装置(特願平
4−191138号)に明記されている。ここで、エン
ジンの本体11が受ける残留ローリングモーメント比
(回転振動量)は、 αm=(I1−ρ×I2)/(I1+ρ2×I2}・・・・・・(1) として表され、更に、本体11が受ける低速こもり音あ
るいは動力性能の判断値である等価慣性モーメントは、 I’=I1+ρ2×I2・・・・(2) として表される。更に、残留ローリングモーメント比α
mをゼロとするのは、即ち、完全消去条件は(1)がゼ
ロとなる下記(3)式を満たすことと成る。
【0025】I1=ρ×I2・・・・・・・(3) このような(1)式乃至(3)式に基づくトルクバラン
サー性能特性線図の一例を図8に示し、同トルクバラン
サー性能特性線図上に、図7の内燃機関のトルクバラン
サーの特性点をP0として示した。この特性点P0が達
成されたのは、主フライホイール系慣性体である主フラ
イホイール13等をアルミ合金化し、その慣性モーメン
トI1を(=0.04Kgm)とし、副フライホイール
系慣性モーメントI2を(=0.016Kgm)とし、
増速比ρ(=2.5)と設定したことによる。これによ
って残留ローリングモーメント比αmがほぼゼロの完全
消去を達成出来、等価慣性モーメントI’も1.4近傍
で比較的小さく、低速こもり音や動力性能の低下を押さ
えることが出来、ほぼトルクバランサー振動特性を理想
域aに保持出来る。なお図8中符号bは動力性能悪化域
を示し、符号cは振動低減効果小域を示す。なお、上述
の処において遊星伝達機構として遊星ギア列PGを説明
したがこれに代えて遊星ローラ機構を用いても良い。
【0026】
【発明の効果】以上のように、この発明は慣性質量体の
収容部と増速手段の収容部を中間壁で区分し、副回転軸
がハウジングに2点で両持ち支持され、慣性質量体収容
部が増速手段収容部及び中央孔側と区画されるようにし
たので、慣性質量体のドライ化を図り易く、慣性質量体
の回転抵抗を低減して無駄な回転エネルギロスを防げ、
しかも、副回転軸側の撓みによる回転中心線のずれを防
止出来るので、増速手段側のギア列の偏摩耗を防止し、
噛合い時のスラスト力の発生を押さえ、トルクバランサ
ーの耐久性を向上させることがきる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内燃機関のトルクバランサーを備えた
エンジンの概略全体構成図である。
【図2】図1のトルクバランサーの側断面図である。
【図3】図2のトルクバランサーのA−A線断面図であ
る。
【図4】図1のトルクバランサーを装着したエンジンの
概略側面図である。
【図5】図1のトルクバランサーを装着したエンジンの
クランクシャフトの機能説明概略斜視図である。
【図6】図1のトルクバランサーを装着したエンジンの
コントローラの制御機能特性線図である。
【図7】本発明のトルクバランサーの基本原理説明用の
装置の概略全体構成図である。
【図8】本発明のトルクバランサーの振動低減特性線図
である。
【符号の説明】
10 エンジン 11 本体 12 クランクシャフト 13 主フライホイール 14 副フライホイール 44 副回転軸 46 サンギア 47 遊星ギア 48 リングギア 49 副回転軸側プーリ 52 ベルト対向側軸受 54 回転板 64 側壁蓋 271 収容部 272 収容部 273 中間壁 T トルクバランサー CL クラッチ PG 遊星ギア列 L1 回転中心線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 信明 東京都港区芝五丁目33番8号・三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 上田 克則 東京都港区芝五丁目33番8号・三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 宮本 勝彦 東京都港区芝五丁目33番8号・三菱自動 車工業株式会社内 (56)参考文献 実開 昭63−100638(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハウジングを中間壁により区画して慣性質
    量体を収容する収容部と、同慣性質量体を増速させるた
    めの増速手段を収容する収容部とを有する様に形成し、
    上記慣性質量体が上記中間壁を貫通して増速手段の収容
    部に回転軸として延びる延長部が設けられ、該延長部に
    増速手段の出力を受ける被駆動伝達部としての太陽伝導
    手段が装設され、軸心になる部分には中空の中央孔が設
    けられて、上記ハウジングにシールリングを介して回転
    自在に支持され、また、上記増速手段は上記慣性質量体
    の中央孔を貫通して延びるようハウジングに両持ち支持
    される入力軸としての副回転軸に固定された回転板と上
    記慣性質量体の回転軸との間に介在される遊星伝導機構
    で構成され、上記副回転軸の一端縁側に取り付けられた
    プーリから入力される回転駆動力は遊星伝導機構の回転
    板のリング伝導手段から遊星伝導手段ならびに太陽伝導
    手段を介して慣性質量体に逆方向回転力として増速駆動
    伝達されるようにしたことを特徴とする内燃機関のトル
    クバランサー。
JP20258792A 1992-07-29 1992-07-29 内燃機関のトルクバランサー Expired - Lifetime JP2755054B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20258792A JP2755054B2 (ja) 1992-07-29 1992-07-29 内燃機関のトルクバランサー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20258792A JP2755054B2 (ja) 1992-07-29 1992-07-29 内燃機関のトルクバランサー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0650388A JPH0650388A (ja) 1994-02-22
JP2755054B2 true JP2755054B2 (ja) 1998-05-20

Family

ID=16459958

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20258792A Expired - Lifetime JP2755054B2 (ja) 1992-07-29 1992-07-29 内燃機関のトルクバランサー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2755054B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0650388A (ja) 1994-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3071815B2 (ja) エンジンのバランサー装置
US7533639B1 (en) Dual crankshaft engine with counter rotating inertial masses
JPH0854045A (ja) 自動車の駆動トレーンの変動トルクおよび振動を補正する装置
US6192851B1 (en) Vibration reducing system for internal combustion engine
US20070278029A1 (en) Hybrid drive system
US9074655B2 (en) Apparatus for damping flywheel
JPH01312246A (ja) 定次数形ダイナミックダンパ
US20080191568A1 (en) Structure of motor generator
US5879237A (en) Device for damping rotational fluctuation and torsional vibration of rotary shaft
JP2755054B2 (ja) 内燃機関のトルクバランサー
US20050087421A1 (en) Viscous damper
JP3426478B2 (ja) エンジンのファン取付構造
JPH10184799A (ja) 増速型振り子式動吸振器
WO2021235560A1 (ja) パワーユニット
CN1116284A (zh) 交变转矩的平衡装置
US6652334B1 (en) Flywheel structure with an internally mounted torsional damper
JP3206049B2 (ja) エンジントルク変動吸収装置
JPH0642591A (ja) 内燃機関のローリングモーメント消去装置
JP2000055133A (ja) トルクバランス機構
JP3515580B2 (ja) ベルト伝動用のディスク状構成部品
JP2007046633A (ja) エンジンのバランサ装置
JPH0633990A (ja) 内燃機関のローリングモーメント消去装置
CN215334190U (zh) 一种发动机的曲轴系统
JPH11311297A (ja) 内燃機関の振動低減装置
JPH11303938A (ja) 内燃機関の振動低減装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19980203