JPH11190397A - エンジンのロール振動低減装置 - Google Patents
エンジンのロール振動低減装置Info
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- JPH11190397A JPH11190397A JP36136397A JP36136397A JPH11190397A JP H11190397 A JPH11190397 A JP H11190397A JP 36136397 A JP36136397 A JP 36136397A JP 36136397 A JP36136397 A JP 36136397A JP H11190397 A JPH11190397 A JP H11190397A
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- crankshaft
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- gear mechanism
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 遊星歯車機構を用いたロール振動低減装置に
おけるクランクシャフトの振れ回りによるギヤの噛み合
い不良の回避を図る。 【解決手段】 遊星歯車機構１０のプラネタリギヤ１２
を支持固定するブラケット１６を防振材２２を介してフ
ロントカバー８に固定することにより、クランクシャフ
ト１の撓み変化によるインターナルギヤ１１の振れ回り
運動を防振材２２で吸収し、遊星歯車機構１０のギヤの
噛み合い不良を回避することができる。
おけるクランクシャフトの振れ回りによるギヤの噛み合
い不良の回避を図る。 【解決手段】 遊星歯車機構１０のプラネタリギヤ１２
を支持固定するブラケット１６を防振材２２を介してフ
ロントカバー８に固定することにより、クランクシャフ
ト１の撓み変化によるインターナルギヤ１１の振れ回り
運動を防振材２２で吸収し、遊星歯車機構１０のギヤの
噛み合い不良を回避することができる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車等の車両に搭
載されるエンジンのロール振動低減装置に関する。
載されるエンジンのロール振動低減装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】近年の環境問題に対応した自動車の燃費
向上への関心の高まりから、直噴ガソリンエンジンや直
噴ディーゼルエンジンが脚光を浴びつつあるが、これら
のエンジンは一般のエンジンに比べて燃焼加振力が大き
いためトルク変動に伴うロール振動も大きくなってお
り、それに伴いアイドリング時のこもり音やフロア振動
が悪化するという問題を抱えている。
向上への関心の高まりから、直噴ガソリンエンジンや直
噴ディーゼルエンジンが脚光を浴びつつあるが、これら
のエンジンは一般のエンジンに比べて燃焼加振力が大き
いためトルク変動に伴うロール振動も大きくなってお
り、それに伴いアイドリング時のこもり音やフロア振動
が悪化するという問題を抱えている。
【０００３】このような問題を解決する一手段として、
例えば特開平６−４２５９１号公報に示されているよう
に、フライホイールと逆回転する副フライホイールを追
加することによって、トルク発生の反作用としてエンジ
ン本体に作用するモーメントと逆方向のモーメントを発
生させてエンジン本体のロール振動を低減させるように
したものが知られているが、この場合、副フライホイー
ルという重量物を新たに追加する必要があるため、エン
ジン重量の増加や副フライホイールの配置空間確保の問
題を招来してしまう。
例えば特開平６−４２５９１号公報に示されているよう
に、フライホイールと逆回転する副フライホイールを追
加することによって、トルク発生の反作用としてエンジ
ン本体に作用するモーメントと逆方向のモーメントを発
生させてエンジン本体のロール振動を低減させるように
したものが知られているが、この場合、副フライホイー
ルという重量物を新たに追加する必要があるため、エン
ジン重量の増加や副フライホイールの配置空間確保の問
題を招来してしまう。
【０００４】一方、特開平７−３５１９９号公報には、
遊星歯車機構を用いてクランクプーリーをクランクシャ
フトに対して逆回転させ、クランクプーリーによって駆
動されるエンジン補機類の慣性モーメントを利用して、
トルク発生の反作用としてエンジン本体に作用するモー
メントと逆方向のモーメントを発生させ、トルクキャン
セルによりエンジン本体のロール振動を低減させるよう
にした技術が開示されており、この技術によればエンジ
ン補機という既存の慣性体を有効活用するため、前者の
如き副フライホイールといった新規重量物の追加に伴う
問題を生じることなくエンジンのロール振動を低減させ
ることができる。
遊星歯車機構を用いてクランクプーリーをクランクシャ
フトに対して逆回転させ、クランクプーリーによって駆
動されるエンジン補機類の慣性モーメントを利用して、
トルク発生の反作用としてエンジン本体に作用するモー
メントと逆方向のモーメントを発生させ、トルクキャン
セルによりエンジン本体のロール振動を低減させるよう
にした技術が開示されており、この技術によればエンジ
ン補機という既存の慣性体を有効活用するため、前者の
如き副フライホイールといった新規重量物の追加に伴う
問題を生じることなくエンジンのロール振動を低減させ
ることができる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記後
者の遊星歯車機構を用いてクランクプーリーをクランク
シャフトに対して逆回転させてエンジンのロール振動を
低減させる機構においては、燃焼圧によるクランクシャ
フトの撓み変化や、クランクシャフトの特定振動モード
における撓み変化によって、クランクシャフトに直付け
された遊星歯車機構のインターナルギヤが振れ回りを起
し、ギヤの噛み合い不良等を誘発する可能性がある。
者の遊星歯車機構を用いてクランクプーリーをクランク
シャフトに対して逆回転させてエンジンのロール振動を
低減させる機構においては、燃焼圧によるクランクシャ
フトの撓み変化や、クランクシャフトの特定振動モード
における撓み変化によって、クランクシャフトに直付け
された遊星歯車機構のインターナルギヤが振れ回りを起
し、ギヤの噛み合い不良等を誘発する可能性がある。
【０００６】そこで、本発明はこのような遊星歯車機構
を用いたロール振動低減機構におけるクランクシャフト
の撓み変化に起因する遊星歯車機構のギヤの噛み合い不
良を回避できて、ロール振動低減効果を向上することが
できるエンジンのロール振動低減装置を提供するもので
ある。
を用いたロール振動低減機構におけるクランクシャフト
の撓み変化に起因する遊星歯車機構のギヤの噛み合い不
良を回避できて、ロール振動低減効果を向上することが
できるエンジンのロール振動低減装置を提供するもので
ある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】請求項１の発明にあって
は、エンジンのクランクシャフトとクランクプーリーと
の間に遊星歯車機構を介装し、クランクシャフトと遊星
歯車機構のインターナルギヤを接続する一方、クランク
プーリーと遊星歯車機構のサンギヤを接続し、遊星歯車
機構のプラネタリギヤの公転を固定することによってク
ランクプーリーにクランクシャフトと反対方向の回転を
行わせるようにしたエンジンのロール振動低減装置にお
いて、前記遊星歯車機構のプラネタリギヤを支持固定す
るブラケットを防振材を介してエンジン側部材に固定し
たことを特徴としている。
は、エンジンのクランクシャフトとクランクプーリーと
の間に遊星歯車機構を介装し、クランクシャフトと遊星
歯車機構のインターナルギヤを接続する一方、クランク
プーリーと遊星歯車機構のサンギヤを接続し、遊星歯車
機構のプラネタリギヤの公転を固定することによってク
ランクプーリーにクランクシャフトと反対方向の回転を
行わせるようにしたエンジンのロール振動低減装置にお
いて、前記遊星歯車機構のプラネタリギヤを支持固定す
るブラケットを防振材を介してエンジン側部材に固定し
たことを特徴としている。
【０００８】請求項２の発明にあっては、請求項１に記
載のプラネタリギヤを支持固定するブラケットを加振し
た場合の加振点応答の共振周波数が、クランクシャフト
系の特定振動モードにおける固有振動数の約１／１．４
以下となるように、防振材の弾性係数を調整したことを
特徴としている。
載のプラネタリギヤを支持固定するブラケットを加振し
た場合の加振点応答の共振周波数が、クランクシャフト
系の特定振動モードにおける固有振動数の約１／１．４
以下となるように、防振材の弾性係数を調整したことを
特徴としている。
【０００９】請求項３の発明にあっては、請求項２に記
載のクランクシャフト系の特定振動モードにおける固有
振動数が、クランクプーリー側であるクランクシャフト
先端が振動の腹となる振動モードにおける固有振動数で
あることを特徴としている。
載のクランクシャフト系の特定振動モードにおける固有
振動数が、クランクプーリー側であるクランクシャフト
先端が振動の腹となる振動モードにおける固有振動数で
あることを特徴としている。
【００１０】請求項４の発明にあっては、請求項１に記
載のエンジンが直列４気筒エンジンであって、プラネタ
リギヤを支持固定するブラケットを加振した場合の加振
点応答の共振周波数が約２５０Ｈｚ以下となるように、
防振材の弾性係数を調整したことを特徴としている。
載のエンジンが直列４気筒エンジンであって、プラネタ
リギヤを支持固定するブラケットを加振した場合の加振
点応答の共振周波数が約２５０Ｈｚ以下となるように、
防振材の弾性係数を調整したことを特徴としている。
【００１１】請求項５の発明にあっては、エンジンのク
ランクシャフトとクランクプーリーとの間に遊星歯車機
構を介装し、クランクシャフトと遊星歯車機構のインタ
ーナルギヤを接続する一方、クランクプーリーと遊星歯
車機構のサンギヤを接続し、遊星歯車機構のプラネタリ
ギヤの公転を固定することによってクランクプーリーに
クランクシャフトと反対方向の回転を行わせるようにし
たエンジンのロール振動低減装置において、前記クラン
クシャフトとインターナルギヤとを、接続点を中心に回
動する継手を用いて接続したことを特徴としている。
ランクシャフトとクランクプーリーとの間に遊星歯車機
構を介装し、クランクシャフトと遊星歯車機構のインタ
ーナルギヤを接続する一方、クランクプーリーと遊星歯
車機構のサンギヤを接続し、遊星歯車機構のプラネタリ
ギヤの公転を固定することによってクランクプーリーに
クランクシャフトと反対方向の回転を行わせるようにし
たエンジンのロール振動低減装置において、前記クラン
クシャフトとインターナルギヤとを、接続点を中心に回
動する継手を用いて接続したことを特徴としている。
【００１２】請求項６の発明にあっては、請求項５に記
載の継手としてカルダノジョイントを用いたことを特徴
としている。
載の継手としてカルダノジョイントを用いたことを特徴
としている。
【００１３】請求項７の発明にあっては、継手として等
速ジョイントを用いたことを特徴としている。
速ジョイントを用いたことを特徴としている。
【００１４】
【発明の効果】請求項１に記載の発明によれば、クラン
クシャフトとクランクプーリーとの間に介装した遊星歯
車機構のプラネタリギヤを固定支持するブラケットを、
防振材を介してエンジン側部材に固定してあるため、燃
焼圧によるクランクシャフトの撓み変化や、クランクシ
ャフトの特定振動モードにおける撓み変化に起因する遊
星歯車機構のインターナルギヤの振れ回り運動を、この
防振材の弾性変形によって吸収することができ、この結
果、遊星歯車機構のギヤの噛み合い不良を回避すること
ができて、エンジンのロール振動低減効果を向上するこ
とができると共に、該防振材により遊星歯車機構の駆動
振動のエンジン本体への伝達を低減することができる。
クシャフトとクランクプーリーとの間に介装した遊星歯
車機構のプラネタリギヤを固定支持するブラケットを、
防振材を介してエンジン側部材に固定してあるため、燃
焼圧によるクランクシャフトの撓み変化や、クランクシ
ャフトの特定振動モードにおける撓み変化に起因する遊
星歯車機構のインターナルギヤの振れ回り運動を、この
防振材の弾性変形によって吸収することができ、この結
果、遊星歯車機構のギヤの噛み合い不良を回避すること
ができて、エンジンのロール振動低減効果を向上するこ
とができると共に、該防振材により遊星歯車機構の駆動
振動のエンジン本体への伝達を低減することができる。
【００１５】請求項２に記載の発明によれば、請求項１
の発明の効果に加えて、防振材の弾性係数を適切に設定
することによって、クランクシャフト系の特定振動モー
ドにおける固有振動数では、ブラケットの振動伝達特性
を防振領域とすることができるため、エンジンのロール
振動低減効果および遊星歯車機構の駆動振動のエンジン
本体への伝達低減効果をより一層向上することができ
る。
の発明の効果に加えて、防振材の弾性係数を適切に設定
することによって、クランクシャフト系の特定振動モー
ドにおける固有振動数では、ブラケットの振動伝達特性
を防振領域とすることができるため、エンジンのロール
振動低減効果および遊星歯車機構の駆動振動のエンジン
本体への伝達低減効果をより一層向上することができ
る。
【００１６】請求項３に記載の発明によれば、請求項２
の発明の効果に加えて、クランクプーリー側であるクラ
ンクシャフト先端が振動の腹となるクランクシャフト系
の振動モードにおける固有振動数を対象として防振材の
弾性係数を調整してあるため、振動悪化が最も顕著にな
ると予想されるクランクシャフト系の固有振動数におい
てブラケットの振動伝達特性を防振領域とすることがで
き、従って、エンジンのロール振動低減効果および遊星
歯車機構の駆動振動のエンジン本体への伝達低減効果を
更に向上することができる。
の発明の効果に加えて、クランクプーリー側であるクラ
ンクシャフト先端が振動の腹となるクランクシャフト系
の振動モードにおける固有振動数を対象として防振材の
弾性係数を調整してあるため、振動悪化が最も顕著にな
ると予想されるクランクシャフト系の固有振動数におい
てブラケットの振動伝達特性を防振領域とすることがで
き、従って、エンジンのロール振動低減効果および遊星
歯車機構の駆動振動のエンジン本体への伝達低減効果を
更に向上することができる。
【００１７】請求項４に記載の発明によれば、請求項１
の発明の効果に加えて、直列４気筒エンジンにおいて前
記ブラケットを加振した場合の加振点応答の共振周波数
が約２５０Ｈｚ以下となるように防振材の弾性係数を設
定すれば、該直列４気筒エンジンではクランクシャフト
先端が振動の腹となって振動悪化が最も顕著になると予
想されるクランクシャフト系の固有振動数が約３５０Ｈ
ｚ付近であることから、前記ブラケットの共振周波数が
クランクシャフト系の固有振動数の約１／１．４以下と
なって、ブラケットの振動伝達特性を防振領域とするこ
とができ、従って、エンジンのロール振動低減効果およ
び遊星歯車機構の駆動振動のエンジン本体への伝達低減
効果をより一層向上することができる。
の発明の効果に加えて、直列４気筒エンジンにおいて前
記ブラケットを加振した場合の加振点応答の共振周波数
が約２５０Ｈｚ以下となるように防振材の弾性係数を設
定すれば、該直列４気筒エンジンではクランクシャフト
先端が振動の腹となって振動悪化が最も顕著になると予
想されるクランクシャフト系の固有振動数が約３５０Ｈ
ｚ付近であることから、前記ブラケットの共振周波数が
クランクシャフト系の固有振動数の約１／１．４以下と
なって、ブラケットの振動伝達特性を防振領域とするこ
とができ、従って、エンジンのロール振動低減効果およ
び遊星歯車機構の駆動振動のエンジン本体への伝達低減
効果をより一層向上することができる。
【００１８】請求項５に記載の発明によれば、クランク
シャフトと遊星歯車機構のインターナルギヤとを、接続
点を中心に回動する継手を用いて接続してあるため、ク
ランクシャフトの振れ回り運動がこの継手部分で遮断さ
れてインターナルギヤに伝達されないから、遊星歯車機
構のギヤの噛み合い不良を確実に回避することができて
エンジンのロール振動低減効果を向上することができ
る。
シャフトと遊星歯車機構のインターナルギヤとを、接続
点を中心に回動する継手を用いて接続してあるため、ク
ランクシャフトの振れ回り運動がこの継手部分で遮断さ
れてインターナルギヤに伝達されないから、遊星歯車機
構のギヤの噛み合い不良を確実に回避することができて
エンジンのロール振動低減効果を向上することができ
る。
【００１９】請求項６に記載の発明によれば、請求項５
の発明の効果に加えて、継手としてカルダノジョイント
を用いているため、構造が簡単でコスト的に有利に得る
ことができる。
の発明の効果に加えて、継手としてカルダノジョイント
を用いているため、構造が簡単でコスト的に有利に得る
ことができる。
【００２０】請求項７に記載の発明によれば、請求項５
の発明の効果に加えて、継手として等速ジョイントを用
いているため、クランクシャフトの振れ回りを継手部分
で吸収する際に回転変動が生じることがなく、遊星歯車
機構のギヤの噛み合い不良をより確実に回避することが
できる。
の発明の効果に加えて、継手として等速ジョイントを用
いているため、クランクシャフトの振れ回りを継手部分
で吸収する際に回転変動が生じることがなく、遊星歯車
機構のギヤの噛み合い不良をより確実に回避することが
できる。
【００２１】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面と
共に詳述する。
共に詳述する。
【００２２】図１において、１はエンジン本体Ｅのクラ
ンクシャフトを示し、その先端部には図外の動弁機構へ
動力伝達するためのチェーンスプロケット２，オイルポ
ンプ３のスペーサ７，遊星歯車機構１０のインターナル
ギヤ１１をこの順に固定配置してある。
ンクシャフトを示し、その先端部には図外の動弁機構へ
動力伝達するためのチェーンスプロケット２，オイルポ
ンプ３のスペーサ７，遊星歯車機構１０のインターナル
ギヤ１１をこの順に固定配置してある。
【００２３】オイルポンプ３はフロントカバー８とポン
プケーシング４との間にインナローター５とアウタロー
ター６とを配置して構成され、フロントカバー８とイン
ターナルギヤ１１のボス部との間にはオイルシール９を
介装してある。
プケーシング４との間にインナローター５とアウタロー
ター６とを配置して構成され、フロントカバー８とイン
ターナルギヤ１１のボス部との間にはオイルシール９を
介装してある。
【００２４】遊星歯車機構１０のインターナルギヤ１１
はクランクシャフト１の先端面に螺装したボルト１９に
よって抜止め固定してある。
はクランクシャフト１の先端面に螺装したボルト１９に
よって抜止め固定してある。
【００２５】プラネタリギヤキャリヤ１３に軸支された
プラネタリギヤ１２は前記インターナルギヤ１１に噛合
し、該プラネタリギヤ１２に噛合するサンギヤ１４はシ
ャフト１５にスプライン結合等により固定してある。
プラネタリギヤ１２は前記インターナルギヤ１１に噛合
し、該プラネタリギヤ１２に噛合するサンギヤ１４はシ
ャフト１５にスプライン結合等により固定してある。
【００２６】プラネタリギヤキャリヤ１３はシャフト１
５に軸受１７により軸支したブラケット１６の内側に接
合固定してあり、該ブラケット１６の前側部を覆ってク
ランクプーリー１８をシャフト１５端にナット２０によ
り締結固定してある。
５に軸受１７により軸支したブラケット１６の内側に接
合固定してあり、該ブラケット１６の前側部を覆ってク
ランクプーリー１８をシャフト１５端にナット２０によ
り締結固定してある。
【００２７】前記ブラケット１６はそのアーム部１６ａ
をエンジン側部材である前記フロントカバー８にボルト
２１により固定してある。
をエンジン側部材である前記フロントカバー８にボルト
２１により固定してある。
【００２８】これにより、遊星歯車機構１０のプラネタ
リギヤ１２の公転が固定され、クランクプーリー１８が
クランクシャフト１に対して逆回転して、該クランクプ
ーリー１８により駆動される図外のエンジン補機類の慣
性モーメントを利用してトルク発生の反作用としてエン
ジン本体Ｅに作用するモーメントと逆方向のモーメント
を発生させることができ、トルクキャンセルによりエン
ジン本体Ｅのロール振動の低減作用が得られる。
リギヤ１２の公転が固定され、クランクプーリー１８が
クランクシャフト１に対して逆回転して、該クランクプ
ーリー１８により駆動される図外のエンジン補機類の慣
性モーメントを利用してトルク発生の反作用としてエン
ジン本体Ｅに作用するモーメントと逆方向のモーメント
を発生させることができ、トルクキャンセルによりエン
ジン本体Ｅのロール振動の低減作用が得られる。
【００２９】ここで、前記ブラケット１６のアーム部１
６ａは、図示するように前記フロントカバー８に防振材
２２を介してボルト２１によって締結固定してある。
６ａは、図示するように前記フロントカバー８に防振材
２２を介してボルト２１によって締結固定してある。
【００３０】前記クランクシャフト１は例えば図２に示
すように燃焼圧による撓み変化や、後述するように特定
振動モードでの撓み変化によって振れ回りを生じる傾向
があり、従って、前述のようにクランクシャフト１の先
端部に遊星歯車機構１０のインターナルギヤ１１を固定
してあると、このインターナルギヤ１１の振れ回りに起
因する遊星歯車機構１０のギヤの噛み合い不良の誘発が
懸念されるが、前述のようにプラネタリギヤ１２を支持
固定するブラケット１６のアーム部１６ａと、フロント
カバー８との間に防振材２２を介装することによって、
インターナルギヤ１１の振れ回り運動をこの防振材２２
の弾性変形によって吸収することができ、この結果、遊
星歯車機構１０のギヤの噛み合い不良を回避することが
できて、エンジン本体Ｅのロール振動低減効果を向上す
ることができると共に、防振材２２によって遊星歯車機
構１０の駆動振動のエンジン本体Ｅへの伝達を低減する
ことができ、音振性能を一段と向上することができる。
すように燃焼圧による撓み変化や、後述するように特定
振動モードでの撓み変化によって振れ回りを生じる傾向
があり、従って、前述のようにクランクシャフト１の先
端部に遊星歯車機構１０のインターナルギヤ１１を固定
してあると、このインターナルギヤ１１の振れ回りに起
因する遊星歯車機構１０のギヤの噛み合い不良の誘発が
懸念されるが、前述のようにプラネタリギヤ１２を支持
固定するブラケット１６のアーム部１６ａと、フロント
カバー８との間に防振材２２を介装することによって、
インターナルギヤ１１の振れ回り運動をこの防振材２２
の弾性変形によって吸収することができ、この結果、遊
星歯車機構１０のギヤの噛み合い不良を回避することが
できて、エンジン本体Ｅのロール振動低減効果を向上す
ることができると共に、防振材２２によって遊星歯車機
構１０の駆動振動のエンジン本体Ｅへの伝達を低減する
ことができ、音振性能を一段と向上することができる。
【００３１】一方、この防振材２２はその弾性係数を適
切に設定することにより、クランクシャフト系の固有振
動モードによる前記振れ回りに対して著効を発揮させる
ことができる。
切に設定することにより、クランクシャフト系の固有振
動モードによる前記振れ回りに対して著効を発揮させる
ことができる。
【００３２】即ち、クランクシャフト１のクランクプー
リー１８およびフライホイール２３を含めたクランクシ
ャフト系は図３に示す固有振動モードの振動を起す。従
って、前記プラネタリギヤ１３を支持固定するブラケッ
ト１６の共振周波数をこのクランクシャフト系の振動モ
ードにおける固有振動数よりも低くすることによって防
振性が得られるが、最も簡単な手段として前記防振材２
２の弾性係数を調整すればよく、図４の（ａ），（ｂ）
に示すように前記ブラケット１６を加振した場合の加振
点応答の共振周波数が、前記クランクシャフト系の特定
振動モードにおける固有振動数の約１／１．４以下とな
るように、この防振材２２の弾性係数を調整することに
よって、同図（ｂ）に示すようにブラケット１６の振動
伝達特性を防振領域とすることができる。
リー１８およびフライホイール２３を含めたクランクシ
ャフト系は図３に示す固有振動モードの振動を起す。従
って、前記プラネタリギヤ１３を支持固定するブラケッ
ト１６の共振周波数をこのクランクシャフト系の振動モ
ードにおける固有振動数よりも低くすることによって防
振性が得られるが、最も簡単な手段として前記防振材２
２の弾性係数を調整すればよく、図４の（ａ），（ｂ）
に示すように前記ブラケット１６を加振した場合の加振
点応答の共振周波数が、前記クランクシャフト系の特定
振動モードにおける固有振動数の約１／１．４以下とな
るように、この防振材２２の弾性係数を調整することに
よって、同図（ｂ）に示すようにブラケット１６の振動
伝達特性を防振領域とすることができる。
【００３３】とりわけ、振動悪化が最も顕著となるのは
図３に示したように、クランクプーリー１８側であるク
ランクシャフト１の先端が振動の腹となる振動モードで
あるから、ブラケット１６の共振周波数がこの特定振動
モードにおける固有振動数の約１／１．４となるように
防振材２２の弾性係数を調整することによって、防振効
果を著しく高めることができる。
図３に示したように、クランクプーリー１８側であるク
ランクシャフト１の先端が振動の腹となる振動モードで
あるから、ブラケット１６の共振周波数がこの特定振動
モードにおける固有振動数の約１／１．４となるように
防振材２２の弾性係数を調整することによって、防振効
果を著しく高めることができる。
【００３４】より具体的には、図３に示す４気筒エンジ
ンのクランクシャフト系のモデルでは、各種のレポート
から前述のようにクランクシャフト１の先端が振動の腹
となって振動悪化が最も顕著になると予想されるクラン
クシャフト系の固有振動数が約３５０Ｈｚ付近であるこ
とが明らかとされているから、前記ブラケット１６を加
振した場合の加振点応答の共振周波数が約２５０Ｈｚ以
下となるように防振材２２の弾性係数を設定することに
よって、ブラケット１６の共振周波数がクランクシャフ
ト系の前記振動モードにおける固有振動数の約１／１．
４以下となって、該ブラケット１６の振動伝達特性を図
４の（ｂ）に示したように防振領域とすることができ
て、エンジン本体Ｅのロール振動低減効果および遊星歯
車機構１０の駆動振動のエンジン本体Ｅへの伝達低減効
果をより一層向上することができる。
ンのクランクシャフト系のモデルでは、各種のレポート
から前述のようにクランクシャフト１の先端が振動の腹
となって振動悪化が最も顕著になると予想されるクラン
クシャフト系の固有振動数が約３５０Ｈｚ付近であるこ
とが明らかとされているから、前記ブラケット１６を加
振した場合の加振点応答の共振周波数が約２５０Ｈｚ以
下となるように防振材２２の弾性係数を設定することに
よって、ブラケット１６の共振周波数がクランクシャフ
ト系の前記振動モードにおける固有振動数の約１／１．
４以下となって、該ブラケット１６の振動伝達特性を図
４の（ｂ）に示したように防振領域とすることができ
て、エンジン本体Ｅのロール振動低減効果および遊星歯
車機構１０の駆動振動のエンジン本体Ｅへの伝達低減効
果をより一層向上することができる。
【００３５】図５は本発明の第２実施形態を示すもの
で、本実施形態では遊星歯車機構１０のインターナルギ
ヤ１１の背面に近接してポンプケーシング４を配設し、
これら両者間にインナロータ５およびアウタロータ６を
配設してオイルポンプ３を構成し、クランクプーリー１
８側の構造を薄型化してある。
で、本実施形態では遊星歯車機構１０のインターナルギ
ヤ１１の背面に近接してポンプケーシング４を配設し、
これら両者間にインナロータ５およびアウタロータ６を
配設してオイルポンプ３を構成し、クランクプーリー１
８側の構造を薄型化してある。
【００３６】また、フロントカバー８とインターナルギ
ヤ１１の外周との間にオイルシール２４を配設してあ
る。
ヤ１１の外周との間にオイルシール２４を配設してあ
る。
【００３７】クランクシャフト１は、前記インターナル
ギヤ１１を固定した先端部分１Ａを分割して、クランク
シャフト１の本体側に接続点０を中心に回動する継手２
５、例えばカルダノジョイント２６を用いて接続してあ
る。
ギヤ１１を固定した先端部分１Ａを分割して、クランク
シャフト１の本体側に接続点０を中心に回動する継手２
５、例えばカルダノジョイント２６を用いて接続してあ
る。
【００３８】このように、インターナルギヤ１１を固定
したクランクシャフト１の先端部分１Ａと、本体部分と
をカルダノジョイント２６を用いて接続することによっ
て、前述したクランクシャフト１の振れ回り運動が図６
に示すようにこのカルダノジョイント２６の部分で遮断
されてインターナルギヤ１１へは伝達されないから、遊
星歯車機構１０のギヤの噛み合い不良を確実に回避する
ことができる。
したクランクシャフト１の先端部分１Ａと、本体部分と
をカルダノジョイント２６を用いて接続することによっ
て、前述したクランクシャフト１の振れ回り運動が図６
に示すようにこのカルダノジョイント２６の部分で遮断
されてインターナルギヤ１１へは伝達されないから、遊
星歯車機構１０のギヤの噛み合い不良を確実に回避する
ことができる。
【００３９】また、カルダノジョイント２６を用いれば
構造が簡単でコスト的に有利に得ることができる。
構造が簡単でコスト的に有利に得ることができる。
【００４０】更に、前記継手２５として開示は省略した
が公知のトライポート型やＤ０Ｊ型等の等速ジョイント
を用いることによって、クランクシャフト１の振れ回り
を該等速ジョイントで吸収すると共に、クランクシャフ
ト１とクランクプーリー１８側とでの回転変動をなくす
ことができて、遊星歯車機構１０のギヤの噛み合い不良
をより確実に回避することができる。
が公知のトライポート型やＤ０Ｊ型等の等速ジョイント
を用いることによって、クランクシャフト１の振れ回り
を該等速ジョイントで吸収すると共に、クランクシャフ
ト１とクランクプーリー１８側とでの回転変動をなくす
ことができて、遊星歯車機構１０のギヤの噛み合い不良
をより確実に回避することができる。
【図１】本発明の第１実施形態を示す断面図。
【図２】本発明の第１実施形態におけるクランクシャフ
トの振れ回り挙動を示すモデル図。
トの振れ回り挙動を示すモデル図。
【図３】クランクシャフト系の固有振動モデル図。
【図４】クランクシャフト先端の加振点応答の周波数特
性（ａ）と、ブラケットの加振点応答の周波数特性
（ｂ）とを示すグラフ。
性（ａ）と、ブラケットの加振点応答の周波数特性
（ｂ）とを示すグラフ。
【図５】本発明の第２実施形態を示す断面図。
【図６】本発明の第２実施形態におけるクランクシャフ
トの振れ回り挙動を示すモデル図。
トの振れ回り挙動を示すモデル図。
１ クランクシャフト １０ 遊星歯車機構 １１ インターナルギヤ １２ プラネタリギヤ １３ プラネタリギヤキャリヤ １４ サンギヤ １５ シャフト １６ ブラケット １８ クランクプーリー ２２ 防振材 ２５ 継手 ２６ カルダノジョイント Ｅ エンジン本体
Claims (7)
- 【請求項１】 エンジンのクランクシャフトとクランク
プーリーとの間に遊星歯車機構を介装し、クランクシャ
フトと遊星歯車機構のインターナルギヤを接続する一
方、クランクプーリーと遊星歯車機構のサンギヤを接続
し、遊星歯車機構のプラネタリギヤの公転を固定するこ
とによってクランクプーリーにクランクシャフトと反対
方向の回転を行わせるようにしたエンジンのロール振動
低減装置において、前記遊星歯車機構のプラネタリギヤ
を支持固定するブラケットを防振材を介してエンジン側
部材に固定したことを特徴とするエンジンのロール振動
低減装置。 - 【請求項２】 プラネタリギヤを支持固定するブラケッ
トを加振した場合の加振点応答の共振周波数が、クラン
クシャフト系の特定振動モードにおける固有振動数の約
１／１．４以下となるように、防振材の弾性係数を調整
したことを特徴とする請求項１に記載のエンジンのロー
ル振動低減装置。 - 【請求項３】 クランクシャフト系の特定振動モードに
おける固有振動数が、クランクプーリー側であるクラン
クシャフト先端が振動の腹となる振動モードにおける固
有振動数であることを特徴とする請求項２に記載のエン
ジンのロール振動低減装置。 - 【請求項４】 エンジンが直列４気筒エンジンであっ
て、プラネタリギヤを支持固定するブラケットを加振し
た場合の加振点応答の共振周波数が約２５０Ｈｚ以下と
なるように、防振材の弾性係数を調整したことを特徴と
する請求項１に記載のエンジンのロール振動低減装置。 - 【請求項５】 エンジンのクランクシャフトとクランク
プーリーとの間に遊星歯車機構を介装し、クランクシャ
フトと遊星歯車機構のインターナルギヤを接続する一
方、クランクプーリーと遊星歯車機構のサンギヤを接続
し、遊星歯車機構のプラネタリギヤの公転を固定するこ
とによってクランクプーリーにクランクシャフトと反対
方向の回転を行わせるようにしたエンジンのロール振動
低減装置において、前記クランクシャフトとインターナ
ルギヤとを、接続点を中心に回動する継手を用いて接続
したことを特徴とするエンジンのロール振動低減装置。 - 【請求項６】 継手としてカルダノジョイントを用いた
ことを特徴とする請求項５に記載のエンジンのロール振
動低減装置。 - 【請求項７】 継手として等速ジョイントを用いたこと
を特徴とする請求項５に記載のエンジンのロール振動低
減装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP36136397A JPH11190397A (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | エンジンのロール振動低減装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP36136397A JPH11190397A (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | エンジンのロール振動低減装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11190397A true JPH11190397A (ja) | 1999-07-13 |
Family
ID=18473277
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP36136397A Pending JPH11190397A (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | エンジンのロール振動低減装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11190397A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2017503960A (ja) * | 2014-01-07 | 2017-02-02 | サフラン エアークラフト エンジンズ | 減速ターボ機械の羽根組の回転装置のための遊星歯車減速装置 |
-
1997
- 1997-12-26 JP JP36136397A patent/JPH11190397A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2017503960A (ja) * | 2014-01-07 | 2017-02-02 | サフラン エアークラフト エンジンズ | 減速ターボ機械の羽根組の回転装置のための遊星歯車減速装置 |
| US10495005B2 (en) | 2014-01-07 | 2019-12-03 | Safran Aircraft Engines | Epicyclic reduction device for the rotational drive of blade sets of a reduction turbomachine |
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