JP3254221B2 - 有機エレクトロルミネセンス・デバイス用の注入層または接触電極あるいはその両方としての非縮退広バンドギャップ半導体 - Google Patents

有機エレクトロルミネセンス・デバイス用の注入層または接触電極あるいはその両方としての非縮退広バンドギャップ半導体

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、個別的発光デバイス、アレイ、表示装置な
どの有機エレクトロルミネセンス・デバイスに関し、特
に、そのようなデバイスに適した注入層および接触電極
に関する。さらに、そのようなデバイスを作成する方法
に関する。
発明の背景 有機エレクトロルミネセンス(EL)は、個別的発光デ
バイス、アレイおよび表示装置における応用が可能性が
あるため広範囲に研究されてきた。これまで研究されて
きた有機材料は、多くの応用例において従来の無機材料
に置き換えることができ、全く新しい応用が可能であ
る。有機ELデバイスの製造の容易さとその合成のきわめ
て高い自由度によって、近い将来、デバイス構造のさら
なる進歩を利用できるより高効率でかつ高耐久性の材料
になると思われる。
低効率有機ELは、何年も前に、たとえば、ポープ(Po
pe)他の論文Journal Chem.Phys.,Vol.38,1963,pp202
4、およびヘルフリッチ(Helfrich)他の論文「Recombi
nation Radiation in Anthracene Crystals」、Physica
l Review Letters,Vol.14、No.7、1965,pp.229〜231に
報告されたような金属/有機物/金属構造で観察され
た。近年、高効率有機ELの2つの報告によってその開発
に大いに拍車がかけられた。それらの報告は、C.W.タン
グ(Tang)他の「Organic electroluminescent diode
s」、Applied Physics Letters,Vol.51,No.12,1987,pp.
913〜915と、ケンブリッジ大学のグループ、バローズ
(Burroughs)他のNature、Vol.347,1990,pp.539であ
る。タングらは、真空蒸着した分子染料化合物を使用し
て2層の有機発光デバイスを作成し、一方バローズは、
スピン・コートしたポリ(p−フェニレンビニレン)
(PPV)重合体を使用した。
タングおよびケンブリッジ大学のグループのその後の
研究、たとえばN.グリーンハム(Greenham)他、「Effi
cient LEDs based on polymers with high electron af
finities」、Nature、Vol.365,1993,pp.628〜630に記載
された進歩は、主に、適切な有機多重層と接触金属の選
択によって得られるELデバイスの設計の改良によって達
成された。
有機EL発光デバイス(OLED)は、光が一般に透明ガラ
ス基板に付着された透明電極を介して取り出されること
以外は、無機LEDとよく似た動作をする。第1A図に概略
的に示した最も簡単な構造は、電子(e-)と正孔(h+
をそれぞれ注入する2つの電極11と12の間に挟まれた有
機発光層10からなる。そのような構造は、たとえば、バ
ローズらの前述の論文に記載されている。電子と正孔
は、有機物層10で出会い再結合して光を出す。有機物層
10を形成する有機材料のそれぞれの分子軌道と一致する
ように電極材料を選択したときに性能を高めることがで
きることは、多くの研究所において示されている。たと
えば、D.D.C.ブラッドレー(Bradley)、「Conjugated
polymer electroluminescencen」、Synthetic Metals,V
ol.54,1993,pp.401〜405、「The effect of a metal el
ectrode on the electroluminescence of Poly(p−ph
enylvinylene)」、J.ペン(Peng)他、Japanese Journ
al of Applied Physics,Vol.35,No.3A,1996,pp.L317〜L
319、およびI.D.パーカー(Parker)、「Carrier tunne
ling and device characteristics in polymer LED
s」、「Journal of Applied Physics」、Vol.75,No.3,1
994,pp.1656〜1666を参照のこと。第1B図に、そのよう
な改良された構造を示す。最適の電極材料13および14を
選択することによって、図示したように、キャリア注入
のエネルギー障壁が小さくなる。このような単純な構造
でも、電子が有機物層10を横切って陽極14に達しまたは
正孔が陰極13に達するのをほとんど止めることができな
いため、依然として性能はよくない。
第2A図は、電子が少ししか注入されず、正孔が陰極15
で再結合するしかないような大きな電子障壁16を有する
デバイスを示す。
第2B図に示した第2の問題は、ほとんどの既知の有機
材料、特に導電性材料において、電子と正孔の移動度が
大きく異なるということである。第2B図は、陽極18から
注入された正孔が迅速に有機物層19を横切り、一方注入
された電子はそれよりもずっとゆっくりと移動し、陰極
17付近で再結合する例を示している。有機物層19内の電
子移動度が正孔の移動度よりも大きい場合は、再結合が
陽極18の近くで起こる。金属接点の近くでの再結合は、
そのような欠陥のあるデバイスの効率を制限する接点に
よってかなり消滅する。
タングは、主に前述の問題を解決するために、第3図
に示したように、電子と正孔の輸送機能を異なる有機物
層、電子輸送層20(ETL)と正孔輸送層(HTL)21に分離
した。C.W.タング他、「Electroluminescence of doped
organic thin films」、Journal of Applied Physics,
Vol.65,No.9,1989,pp.3610〜3616に、2層設計で高いキ
ャリア移動度が達成され、それによりデバイスの直列抵
抗を下げ低い動作電圧で同等の光出力を可能になったこ
とが記載されている。接触金属22、23は、ETL20とHTL21
の分子軌道とそれぞれ一致するように別々に選択し、接
触金属22、23から遠い有機物層20と21の間の境界24で再
結合が起こるように選択することもできる。タングは、
電極として、MgAg合金陰極と、陽極として透明な酸化イ
ンジウムスズ(ITO)を使用した。エグサ(Egusa)他
は、「Carrier injection characteristics of organic
electroluminescent devices」、Japanese Journal of
Applied Physics,Vol.33,No.5A,1994,pp.2741〜2745
で、有機多重層を適切に選択することにより、どちらの
電極からも遠い有機物境界において電子と正孔を両方と
も遮ることができることを実験的に示した。この効果
は、HTLとETLの材料を適切に選択することにより、電子
がHTL21に入るのを防ぎまたその逆も防止する、第3図
の構造によって示される。この特徴は、第1A図に示した
ような金属接点での非発光性再結合をなくし、また同堆
積中での電子と正孔の密度を高めて発光性再結合を強化
する。
第3図に示したヘテロ接合の分子軌道エネルギーのア
ライメントは、実際に、好ましいOLED材料において、デ
バイス設計に(また、後で説明するように本発明に)有
益な傾向を反映している。その傾向とは、電子を高い移
動度で輸送する傾向のある材料20が、LUMOのエネルギー
準位が低いこともあって、そのように輸送を行うことで
ある。同様に、適切な正孔伝導特性は、より高エネルギ
ー準位にあるHOMOと連携する。こうしたことから、電子
輸送有機物層と正孔輸送有機物層の間に形成されるヘテ
ロ接合が、それぞれの分子軌道エネルギーが不連続なた
め、境界での一方または両方のキャリアの注入を妨げる
可能性が高くなる。この注入を妨げる作用により、再結
合の効率が最もよい消光電極から遠く離れた所にキャリ
アが偏在する。
一般に、2つの関連する有機分子軌道、すなわち有機
材料の最も高い占有された分子軌道(HOMO)と最も低い
占有されない分子軌道(LUMO)の位置、または半導体の
場合は、それぞれの対応物、すなわち価電子帯(VB)と
伝導帯(CB)の位置、を示すのに2つの技術用語が用い
られる。本明細書における取り扱いではこれらの用語は
すべて、自由電子よりも低いエネルギーの単位を有し、
このことは、電子が拘束されていてほぼすべての既知の
材料から電子を取り出すためにエネルギーが必要とされ
ることを反映している。便宜上、本明細書では、自由電
子はエネルギーを持たないものとして任意に定義し、し
たがって、上記の量が自由電子(または真空)状態に対
して負のエネルギー値を有するものとして話をする。
そのような用語の第一は仕事関数であり、材料から最
も弱く束縛された電子を「取り出す」ため、すなわち自
由電子にするために必要なエネルギーの量を表す。金属
または縮退半導体(すなわち、きわめて高い自由キャリ
ア濃度を特徴とする半導体)では、仕事関数は、フェル
ミ・エネルギー準位と呼ばれるもう1つの量と同じであ
る。金属または縮退半導体は、大量の自由伝導キャリア
の原因となる部分的に満たされたバンドを有する。最も
高いエネルギーの電子が最も解放されやすいため、フェ
ルミ・エネルギー準位は、最も高いエネルギー・バンド
が満たされるエネルギーである。
以下の説明において、エネルギー準位について述べる
ときは、上記の文脈におけるような、仕事関数、HOMOま
たはLUMO、伝導帯または価電子帯、あるいはフェルミ・
エネルギーである。
現在よく理解され一般に使用されている多層デバイス
構造では、OLDEの主な性能上の制限となっているのは、
理想的な接触電極がないことである。従来技術において
周知の電極材料の主な良度指数は、注入しなければなら
ない有機分子軌道のエネルギーに対する電極のフェルミ
電位のエネルギーにおける位置である(詳細な考察につ
いては、ブラッドレーとパーカーの論文を参照)。ま
た、いくつかの応用例では、電極材料が透明かまたは高
い反射率を有することが望ましい。電極はまた、OLDEを
有効に封入するために、化学的に不活性でかつ高密度で
均一な薄膜を形成できなければならない。また、電極が
有機ELをほとんど消光(quench)させないことが望まし
い。
OLED用の透明で導電率が高く化学的に安定した適切な
電子インジェクタである陰極材料はまだ確認されていな
い。良好な電子輸送有機材料は、低い仕事関数の金属と
だけエネルギーが一致する最低非占有分子軌道(LUMO)
を有する。仕事関数の低い金属は化学的反応性が高い。
たとえば、Caは、その仕事関数のエネルギーが、Alq
3(トリス(8−ヒドロキシキノリンアルミニウム)有
機電子輸送層のLUMOと十分に一致するが、Ca陰極は、空
気中ですぐに変質し、デバイスがすぐに劣化する。ま
た、そのような反応しやすい金属は、近くの有機材料と
化学反応を起こして、デバイスの性能に悪影響を及ぼす
可能性がある。そのようなメカニズムは、前述の参考文
献においてパーカーによって提示されており、SmとYbの
仕事関数がCaよりも小さいにもかかわらず、Sm陰極やYb
陰極のOLEDがCa陰極のOLEDよりも性能が低い理由を説明
している。仕事関数が小さい金属陰極を使用する手法
は、通常の雰囲気中での動作が必要な場合に、陰極金属
の汚染を防ぐためのデバイスの慎重な取り扱いと、迅速
でかつ高品質なデバイスの封止を必要とする。良好に封
止した仕事関数の小さな金属接点でも、有機LED材料か
ら自然に発生した気体や不純物や溶剤による劣化を受け
る。
一方、たとえばAlなどの大きな仕事関数を有する安定
した金属を選択すると、デバイスを高い電圧でしか動作
させることができない。高い電圧が必要なのは、Alから
Alq3などのLUMOへの電子注入が電界で支援されるからで
ある。高い動作電圧は、オーム損失を大きくするため、
デバイスの効率が低下する。さらに、高い電圧で生じる
強い電界は、相互拡散を促進しあるいは寄生化学反応や
再結合プロセスを励起することにより、デバイス材料を
速く劣化させやすい。Al接点は、MgやCaよりも反応性が
低いが、それでもOLED動作中に劣化が観察された。これ
については、たとえば、L.M.ドー(Do)他の論文「Obse
rvation of degradation processes of Al electrodes
in organic EL devices by electroluminescence micro
scopy,atomic force microscopy,and Auger electron m
icroscopy」、Journal of applied Physics,Vol.76,No.
9,1994,pp.5118〜5121を参照のこと。
陰極電極の不安定性、劣化および高い注入電圧の問題
を解決するために、多くの方法が試みられた。共通の手
法は、小さな仕事関数の金属を厚い金属被覆の下に埋め
込んで使用することである。この場合、Y.サトー(Sat
o)他の論文「Stability of organic electroluminesce
nt diodes」、Molecular Crystals and Liquid Crystal
s,Vol.253,1994,pp.143〜150、およびJ.キド(kido)他
の論文「Bright organic electroluminescent devices
with double−layer cathode」、IEEE Transactions on
Electron Devices,Vol.40,No.7,1993,pp.1342〜1344に
記載されているように、金属のピンホールが、酸素と水
が下側の反応性金属まで達するのに十分な経路となる。
さらに、そのような接点は、OLEDの構成材料から生じた
気体によって劣化する。この手法を使用するOLEDの寿命
は限られ、厳重な封止が必要となる。
ITOやAuの陽極は、一般に陰極接点よりも性能が優れ
ているため、陽極接点の最適化にはあまり注意が払われ
てこなかった。しかしながら、陽極電極を改善できれ
ば、デバイスの性能と信頼性に関して陰極を改良したの
と同様のよい効果が得られる。
酸化インジウムスズは、長い間陽極として選択されて
きている。その主な利点は、大きな仕事関数(約4.9e
V)を有する透明電極であり、そのためガラス上に透明
陽極を形成するのに適していることである。しかしなが
ら、ITOは、好ましい有機物HTL材料への正孔注入に対し
て障壁となることが知られている。パーカーは、同一の
OLED構造で、より大きな仕事関数を有するAuでITOを置
き換えてITO/有機物正孔注入障壁をなくすことによっ
て、デバイスの効率が2倍になることを示した。また、
ITOは、ITOからOLEDに放出されるInの拡散によってデバ
イスを劣化させ、最終的に回路短絡を引き起こす可能性
がある。ITOからPPVへのInの拡散は、印刷中のG.サウア
(Sauer)他の論文「Characterization of polymeric L
EDs by SIMS depth profiling analysis」、Fresenius
J.Analyt.Chem.で明確に確認されている。また、ITO
は、ITOから有機物層に拡散するときに有機LED材料に有
害な酸素の貯蔵所として働く。この問題は、J.C.スコッ
ト(Scott)他の「Degradation and failuer of MEH−P
PV light−emitting diodes」、Journal of Applied Ph
ysics,Vol.79,1996,pp.2745〜2751で明らかにされてい
る。ITOは、OLEDに一般に使用される形では多結晶材料
である。多くの結晶粒界が、ITOを介した不純物拡散に
十分な経路を提供する。最後に、ITOは、一般の有機材
料に有害な影響を与えることが知られている酸素の貯蔵
所でもある。ITOの陽極と関連したこれらのすべての既
知の問題にもかかわらず、当技術分野では、これと同等
またはこれよりも優れた品質の透明電極材料が他にない
ため、ITOが好まれている。実際のOLEDには、光を利用
するために効率よく取り出さなければならないため、少
なくとも1つの透明電極が必要である。
Auは大きな仕事関数(5.2eV)を有するが、有機材料
内でauの拡散率がきわめて高いために、Au陰極を利用し
て長寿命のOLEDデバイスを作成することはできない。さ
らに悪いことに、ITOからのInおよびOの拡散と同様
に、接点からAuがOLED内に拡散し、最終的にデバイスを
短絡させる。さらに、Auは、透明でないため、ほとんど
の構造で実際的な陽極材料にならない。透明な陰極材料
がないため、陽極は、現在のOLEDでは透明接点でなけれ
ばならない。
ITO以外の他の半導体もOLED電極として試されてき
た。l.D.パーカー(Parker)とH.H.キム(Kim)の論文
「Fabrication of polymer light−emitting diodes us
ing doped silicon substrates」、Applied Physics Le
tters,Vol.64,No.14,1994,pp.1774〜1776は、半導体の
ドーピングに応じて、Si/SiO2が、有機物薄膜に正孔ま
たは電子を注入することができることを示した。この研
究は、多数キャリア注入用のSi半導体電極、すなわち電
子注入用のn型Siと正孔注入用のp型Siに適用された。
Si電極は、OLED材料内への電子と正孔両方の注入に対し
て大きな障壁を有する。これは、Siの小さなバンドギャ
ップと、エネルギー上Siの伝導帯と価電子帯が中程度の
位置にあることによるものである。また、Siは、可視ス
ペクトルの多くを吸収し、従来の材料を上回る改善は見
られない。パーカーとキムは、Si接点とOLEDの間にSiO2
中間層を加えることによって、不適切なSiバンド・エネ
ルギーの位置を回避した。SiO2絶縁体両端間での電圧降
下により、Siバンドをその有機分子軌道のそれとそろえ
ることができたが、電子は、強制的にSiO2絶縁体を通り
抜けさせられ、直接注入されなかった。そのようなOLED
は、効率的なデバイス動作には高すぎる10Vを越える高
いターンオン電圧を有する。
低電圧で効率のよい安定したOLED動作を得るための不
活性で安定しエネルギー的に一致した透明電極材料がな
いことが、あいかわらずOLED開発の大きな障害になって
いる。
有機LEDは、多くの用途で従来の無機LEDよりも優れた
性能を示す可能性が高い。OLEDとそれに基づくデバイス
の1つの重要な利点は価格であり、これは、(無機LED
の場合のように)成長温度が比較的高く面積が限られた
高価な結晶基板ではなく、大きくて安価なガラス基板や
様々な安価な透明、半透明または不透明の結晶または非
結晶基板に、低い温度で付着させることができるためで
ある。基板は、さらに、柔軟なOLEDや新しいタイプの表
示装置を可能にする可とう性のものでもよい。現在まで
のところ、OLEDとそれに基づくデバイスの性能は、次の
いくつかの理由のために無機物のものよりも劣ってい
る。
1.動作電圧が高い:有機デバイスは、活性領域(発光
層)内に電荷を注入し輸送するために高い電圧を必要と
し、デバイスの電力効率が低くなる。この高い電圧は、
電極/有機物境界においてエネルギー障壁を越えるキャ
リアを注入するために必要な強い電界と、大きなオーム
電圧降下および電力消費の原因となる有機物輸送層(ET
LとHTL)内のキャリアの低い移動度とによるものであ
る。
2.輝度が低い:今日のOLEDは、1電子当たり一般の無機
LEDとほぼ同じ数の光子を生成することができる。すな
わちその量子効率は優れている。OLEDは、主に抵抗性輸
送層(HTLまたはETL)を比較的少しの電荷しか通すこと
ができないため、無機LEDよりも輝度が低い。この周知
の効果は、空間電荷制限電流と呼ばれる。簡単に言う
と、有機材料中のキャリアの低い移動度により、発光層
に達する電子と正孔の流れを制限するトラフィック・ジ
ャムが生じる。高い導電率の輸送層が利用可能にならな
ければ、優れた発光材料が輝度を大幅に高めることはで
きない。
3.信頼性:有機LEDは、空気中での動作で劣化する。こ
れは、次のいくつかの問題が原因であることが知られて
いる。
A)弱い電界で効率よく電子を注入するためには、酸素
や水の中で反応性しやすいMg、Ca、Liなどの仕事関数の
小さな陰極金属が必要である。周囲の気体と有機材料か
ら出る不純物によって接点が劣化する。
B)従来のAgMgとITOの接点は、好ましいETLおよびHTL
材料のキャリア注入に対して相変わらずそれぞれ大きな
障壁を有する。したがって、大きな注入電流を生成する
ためには、強い電界が必要である。抵抗性の電極/有機
物境界での強い電界と抵抗加熱による応力は、デバイス
劣化の原因となる。
C)キャリア輸送層の低い抵抗により、動作中にデバイ
スが発熱する。
D)ほとんどのOLED材料は温度安定性が低く、熱の影響
を受けやすい。加熱すると、非晶質有機材料の多くが粒
に結晶化する。微結晶は体積が小さく、非晶質固体より
も分布の均一性が低い。その結果生じる微結晶の隙間と
不揃いな形状により、ある微結晶から次の微結晶までの
伝導が困難になり、正帰還ループにおける抵抗と加熱が
高まり、気体汚染物が浸透したり隣接材料が拡散する新
しいチャネルができる。有機材料中の結晶化と移動度の
関係は、たとえば、ブロゼンバーガー(Brosenberger)
とワイス(Weiss)の「Organic photoreceptors for im
aging systems」、Marcel Dekker Inc.,New York,1993
の光伝導体の論文から十分に理解される。
4.化学的安定性が低い:OLEDに一般に使用されている有
機材料は、接触電極材料および周囲大気との反応および
拡散によって劣化しやすい。
OLEDは、主に、その接点と輸送層、および輸送層の加
熱によるフィードバックによって制限される。したがっ
て、仕事関数が小さい金属をベースにした陰極を、OLED
への無障壁電荷注入を特徴とする安定したできるだけ透
明の陰極と交換することがきわめて望ましい。また、IT
O陽極を、OLEDへの無障壁電荷注入を特徴とする安定し
たできるだけ透明な陽極と交換することがきわめて望ま
しい。
しかしながら、現在の解決策は、性能を抑制しかつデ
バイスの信頼性を低下させる。再結合効率を高めるため
に活性層を金属接点から引き離すと、それによりHTL/ET
Lの両側でのオーム電圧降下が発生し加熱と電力消費が
高まる。仕事関数が小さい金属は、不安定で信頼性が低
い。ITOは不純物を導入し、正孔注入に対する障害を有
する。
前述の例と最新の技術の説明から分かるように、優れ
た特性を有するOLEDとそれに基づく表示装置を実現する
ために、接点材料を改善する必要がある。研究者たち
は、好ましい仕事関数を有する材料という、良好な電極
材料を定義する周知のパラダイムの範囲内だけで研究し
てきたため、電極材料を改良する研究においてわずかな
進歩しか得られなかった。
材料の仕事関数は、フェルミ・エネルギーと真空基準
エネルギーの間のエネルギーの分離として定義される。
金属において、これは、フェルミ・エネルギーのすぐ下
から電子を注入し、あるいはフェルミ・エネルギーのす
ぐ上から正孔を注入することができる。電子の密度によ
り他のバンドを使用することはない。ITOは、理論的に
バンドギャップが広い半導体であるが、後で考察するよ
うに、従来の金属ベースのモデルに対応する。
ITOは、OLEDに正孔を注入するために首尾よく使用さ
れてきたバンドギャップの広い半導体である。ITOは、
約1021cm-3の電子濃度を特徴とする高縮退n型材料であ
る。ITOの伝導帯は、有機物のHOMOに正孔を注入するの
に適切なエネルギーの近くに位置している、すなわち、
ITOは、大きな仕事関数を有する。電子濃度が高いた
め、所与のITO試料の仕事関数を定義するITOのフェルミ
・エネルギーは、伝導帯よりも数100meV上である。フェ
ルミ準位よりも上は、正孔として働く空の状態であり、
有機材料に注入されるのは、VBの正孔ではなく、これら
の正孔である。したがって、ITO電極は、Au電極がフェ
ルミ・エネルギーのすぐ上から行う厳密なメカニズムに
よって注入し、ITOは、後で説明する本発明の手法に含
まれない。
本発明の目的は、新規でかつ改良された有機ELデバイ
ス、アレイおよびそれに基づく表示装置を提供すること
である。
本発明のさらに他の目的は、高い効率と、低い動作電
圧と、高い安定性および信頼性を有する、新規で改良さ
れた有機ELデバイス、アレイおよびそれに基づく表示装
置を提供することである。
さらにその他の目的は、この新規でかつ改善された有
機ELデバイス、アレイおよび表示装置を作成する方法を
提供することである。
発明の概要 上記目的は、接触電極の陰極か陽極の少なくとも一方
が、非縮退広バンドギャップ半導体(n−d WBS)、
すなわち2.5eVを越えるバンドギャップを有する半導体
を含むOLEDを提供することにより実現された。陽極がn
−d WBSを含む場合、このn−d WBSは、陽極の価電
子帯から隣接する有機材料のHOMOに正孔が注入されるよ
うに選択すべきである。n−d WBSの陰極は、n−d
WBSの伝導帯から隣接有機材料のLUMOに電子が注入さ
れるように選択すべきである。
本発明の手法は、バンドギャップが通常のOLED材料の
バンドギャップに匹敵するかまたはそれよりも大きい、
すなわち2.5eVより高い半導体が本質的に、有機物のHOM
OまたはLUMOに対してそれぞれ好ましいエネルギー準位
に位置する伝導帯または荷電子帯あるいはその両方を有
し、その結果、一方または両方のキャリア・タイプの注
入を、エネルギーがほとんどないかまたは全くない障壁
を横切って低い電圧で行うことができることに依存する
ものである。本発明の手法は、また、適切な導電率、可
視スペクトルでの透明性、化学的不活性、堅さ、および
ガラス、有機物薄膜またはその他の非晶質または多結晶
基板上に特にきわめて低い温度で非晶質または多結晶状
態で付着できる能力を含めて、半導体、特に広バンドギ
ャップ半導体の多くの改善された特性を利用する。プラ
スチックも基板として利用することができる。
本発明の一実施形態においては、対応する有機物層に
直接接触したn−d WBS陰極と、これと対向する従来
の接触電極とを有する単層または多層のOLED構造が提示
される。
本発明の別の実施形態においては、対応する有機物層
に直接接触したn−d WBS陽極と、これと対向する従
来の接触電極とを有する単層または多層のOLED構造が提
示される。
本発明のもう1つの実施形態においては、対応する有
機物層に直接接触したn−d WBS陽極とn−d WBS陰
極の両方を有する単層または多層のOLED構造が提示され
る。
本発明のもう1つの実施形態においては、第2または
第3あるいはその両方の半導体を導入することによって
性能が改善されたn−d WBS電極を有するOLED構造が
提示される。第2の半導体は、対応する有機物層に直接
接触し、対応する有機物層分子軌道に対する注入バンド
の改善された一致を特徴とする。第2の半導体は、n−
d WBSの合金でもよく、または全く異なる半導体でも
よい。第3の半導体は、有機物層から最も離れており、
高伝導水平輸送層に対して改善されたオーム接触を形成
できる能力を特徴とする。第3の半導体は、また、n−
d WBSの合金でもよく、また全く異なる半導体でもよ
い。
本発明のさらに別の実施形態においては、n−d WB
Sが最も近い有機物層に直接接触しているが、n−d W
BSと有機物の境界のきわめて近くに薄い金属中間層が埋
め込まれたOLEDが提示される。この金属は、仕事関数、
有機材料とn−d WBSとの間の拡散障壁としての特
性、または透明度によって選択することができ、n−d
WBSと有機物の境界の安定性または電子注入を改善す
るために役立つ。薄い埋込み金属層の反対側のn−d
WBSは、同じn−d WBSでも異なるn−d WBSでもよ
い。
本発明のもう1つの実施形態においては、n−d WB
S電極が薄い金属中間層によって最も近い有機物層から
分離されたOLEDが提示される。金属は、透明度、仕事関
数、または有機材料とn−d WBSの間の障壁としての
特性によって選択することができ、n−d WBSと有機
物の境界の安定性または電子注入をさらに改善する働き
をする。
n−d WBSベースの電極の導入により、次のような
利点が得られる。
1.好ましいOLED材料に対してn−d WBSエネルギーを
きわめて適切に合わせることにより低い電圧のキャリア
注入が実現される。
2.n−d WBSは、可視光線の透明度が高い。
3.n−d WBSは、化学的に不活性で熱的に安定してお
り、そのため、接触状態またはきわめて接近した状態で
の、有機物層との望ましくない固体物理的な相互作用が
ない。
4.n−d WBSは、ほぼ非晶質状態でかつ不純物の拡散速
度が遅いため、OLEDの優れた封入材料であり機械的保護
材料である。
5.n−d WBSは、伝導材料でOLED形成に必要な条件(た
とえば、低い温度、非晶質基板、成長面への最小の損
傷)で付着させることができる。
6.n−d WBSは、近接した有機物層での光学的再結合を
金属ほど強く消滅させないので、輸送層の厚さを薄くす
ることができる。
図面の説明 本発明を、次の概略的図面を参照して以下に詳細に説
明する(図面が実物大で示されていないことに注意され
たい)。
第1A図は、発光層と2つの電極を有する既知のOLEDを
示す。
第1B図は、キャリア注入のエネルギー障壁が小さくな
るように選択された仕事関数を有する発光層と2つの金
属電極とを有するもう1つの既知のOLEDを示す。
第2A図は、発光層と、陽極の仕事関数が正孔注入のエ
ネルギー障壁が低くなるように選択され、一方陰極の仕
事関数が発光層と適切に一致しない2つの金属層とを有
し、したがって発光層において電子注入と再結合をほと
んど起こさないもう1つの既知のOLEDを示す。
第2B図は、陰極の近くで再結合が起こるように正孔移
動度よりも低い電子移動度を有する発光層を備えたもう
1つの既知のOLEDを示す。
第3図は、電子輸送層と正孔輸送層を有するもう1つ
の既知のOLEDを示す。
第4図は、n−d WBSの伝導帯(CB)と価電子帯(V
B)の間と、n−d WBSに接した有機材料の最低非占有
分子軌道(LUMO)と最高占有分子軌道(HOMO)の間の可
能な3種類のバンドのラインアップを示す。(A)CBが
LUMOよりも上にあり、VBがHOMOよりも上にある。この境
界で、有機物に電子を注入することができる。(B)n
−d WBSが有機物よりも少し小さいバンドギャップを
有する。CBがLUMOよりも下で、VBがHOMOの少し上にあ
る。この境界で、小さな障壁を越えて有機物に正孔を効
率的に注入することができる。(C)CBがLUMOよりも上
にあり、VBがHOMOよりも下にある。理想的なケースで
は、バイアス方向によるいずれかの極性の注入を低い電
圧で行うことができる。
第5図は、バンド整合のために合金化を利用した少数
キャリアの有機接触電極の方式を示す。
第6図は、横方向輸送層材料へのオーム接触と有機接
触電極に対するバンド整合のために合金化を利用した多
数キャリアの有機接触電極の方式を示す。
第7図は、GaN/Alq3ヘテロ接合のための紫外発光分光
法によって測定されたバンド構造を示す。図示したよう
に、Alq3バンドには実験誤差が含まれる。データは、Ga
N/Alq3が第4(C)図のバイポーラ注入の場合に対応す
ることを示す。実験で、GaNの陽極と陰極が共に高い電
圧で電荷を注入することが確認された。
第8図は、実験室で製造された陰極上のGaNベースのO
LED構造のI−V特性とEL−V特性を示す。優れたダイ
オード特性とELの4.8Vonsetは、有機材料上に配置され
たときでもGaN陰極の品質が優れていることを立証して
いる。
第9図は、本発明の第1の実施形態の断面を示す。
第10図は、本発明の第2の実施形態の断面を示す。
第11図は、本発明の第3の実施形態の断面を示す。
第12図は、本発明の第4の実施形態の断面を示す。
第13図は、本発明の第5の実施形態の断面を示す。
第14図は、本発明による表示装置またはアレイの断面
を示す。
第15図は、本発明による表示装置またはアレイの断面
を示す。
第16図は、本発明による表示装置またはアレイの断面
を示す。
第17図は、本発明による表示装置またはアレイの断面
を示す。
一般的な説明 本発明の基礎は、n−d WBSが、電荷を一般のOLED
材料に注入するために好ましいエネルギー準位に位置す
る伝導帯(CB)または価電子帯(VB)あるいはその両方
を有するという認識である。n−d WBSを電極材料と
して評価するために、まず、理想的なOLED電極を定義し
なければならない。
理想的な接触電極材料は、次のような特徴を持たなけ
ればならない。
1.光の取出し方向と有機物層の設計厚さの柔軟性を可能
にするために、可視スペクトルでの透明度が高く、電極
近くでの発光再結合の消滅(quench)が少ない。
2.好ましいOLED材料内に電荷を低電圧で注入するのに適
した1つまたは複数のエネルギー・バンド準位を有す
る。
3.導電率が、垂直デバイスの総直列抵抗が電極による影
響を受けないよう十分に高い。高導電率層を追加して横
方向の導電率を高めることができるため、電極材料の導
電率はそれほど高くなくてもよい。
4.下地材料への損傷なしに、低い温度で、有機物層、ま
たは非晶質、結晶質あるいは多結晶質の基板へ付着でき
る。
5.化学的不活性。
6.不純物拡散率が低い。
7.機械的な堅さと温度安定性。
項目1は、n−d WBSが、定義上可視光線の大部分
またはすべてに透明であるため満たされる。これは、2.
5eV以上の禁制ギャップの範囲内に電子状態(electroni
c states)がほとんど存在しないためであり、このこと
は半導体のバンドギャップよりも低いエネルギーを有す
る光子では無視しうる吸収しか起こらないことを意味す
る。
項目2は、n−d WBSのバンドギャップが一般のOLE
D材料に匹敵するかそれより大きいため満たされる。こ
れは、CB、VBまたは場合によっては両方のバンド(第4
(C)図を参照)が、特定のOLED材料のLUMOまたはHOMO
に関して都合のよいエネルギー準位にあることを意味す
る。要するに、n−d WBSが、OLED材料に正孔を効率
よく注入しない場合は、電子を効率よく注入しなければ
ならない。電子を効率よく注入しない場合には、正孔を
効率よく注入しなければならない。さらに、電子輸送有
機材料が正孔輸送有機材料よりも低いエネルギーのLUMO
を有し、正孔輸送材料が電子輸送有機材料よりも高いエ
ネルギーのHOMOを有する傾向のため、好ましいOLEDデバ
イスの実施形態では、n−d WBSは自然に両方の極性
のインジェクタになる。有機分子軌道エネルギーに対す
るいくつかの典型的なn−d WBSバンドの整合状態
を、第4(A)図〜第4(C)図に示す。これらの図
は、すべての場合に、少なくとも1つのn−d WBSバ
ンドが、小さいかまたは存在しないエネルギー障壁を横
切って有機材料内のその分子軌道対応物に電荷注入でき
る位置にあることを示す。
項目3は、半導体がドープすることができ、あるいは
自然の欠陥または真性キャリアによって導通し、一般の
OLED材料よりもはるかに高い移動度を有するので満たさ
れる。ほとんどの真性n−d WBSは本質的に、一般のO
LED材料よりも導電性が高く、垂直デバイス構造におけ
る抵抗性電圧効果に悪影響を与えない。
項目4は、ほとんどの周知のn−d WBSが、低い温
度で付着するときに得られる非晶質または多結晶質状態
で半導体であるので満たされる。一般の半導体成長方法
は、一般のOLED基板に影響を及ぼさないほど低い温度で
かつガラス遷移温度よりも低い温度でも材料を付着させ
ることができる。OLED技術と両立する技術は、化学的気
相付着、プラズマ増強化学的気相付着(PECVD)、レー
ザ・アブレーション、蒸着、分子ビーム付着(MBD)お
よびプラズマ増強MBDである。
また、項目5〜7は、n−d WBSが一般に比較的強
いイオン結合または共有結合を有するので満たされる。
そのような結合は、分子間のファン・デル・ワールス結
合によって弱く結合された有機材料のものよりもかなり
強い。
本発明の手法と対比させて従来技術を要約すると、金
属あるいはITOなどの縮退半導体のような導電性の高い
材料は、そのフェルミ・エネルギー準位からキャリアを
注入する。それらは、事実上1つのバンド・システムで
あり、その仕事関数によって制限される。ITOのVBは、
正孔インジェクタとして働くようにきわめて都合よく位
置決めされ、エネルギーがほとんどの有機物のHOMOより
も約3−4eV低いことに注意されたい。これは、ITOが実
際に広いバンドギャップの半導体であり、したがって、
本明細書で考察するように低い電圧の注入が可能な少な
くとも1つのバンドを有することによるものである。し
かしながら、ITOのVBは、VBに自由正孔が存在せず、ま
たITOのVBに注入された正孔が過剰の電子と再結合する
前にほんのわずかな平均自由行程しか持たないことを示
す縮退したn型のITOの性質のために、正孔注入には役
に立たない。この場合も、これはまさに金属の物理現象
であり、多くのバンドがあっても1つのバンドしか伝導
を行うことができない。
これと対照的に、本発明の手法は、「n−d WBS」
において、VBが正孔注入に有利に位置しているか、CBが
電子注入に有利に位置しているか、あるいはその両方で
あるという事実に基づく。「n−d WBS」という用語
は、どちらかのバンドを有機物への注入に使用できるよ
うにするのに適度なキャリア濃度を有するという意味
で、金属と対照的に、半導体のように振る舞うように適
度なキャリア濃度を有するWBSを意味する。少数キャリ
アの輸送の場合は(すなわち、n型半導体を通る正孔あ
るいはp型半導体を通る電子)、再結合なしに有効でか
つ実際的な距離の少数キャリアの輸送を支援するため
に、半導体は多数キャリアを大きく空乏化される必要が
ある。実際の自由キャリア濃度の上限は、約1020cm-3
あり、これは、1〜3nmの空乏領域幅に相当する(半導
体の誘導率による)。キャリア濃度が、少数キャリア輸
送用のわずか1〜3nmの空乏領域を作ることができない
ほど大きい場合は、有効かつ実用的な厚さの薄膜で少数
キャリアの極性を注入することができないため、この材
料は、少なくとも1つの極性の本質的に良好な電極材料
になる基準に適合しない。そのような高濃度にドープし
た半導体は、もしその多数キャリア・バンドのエネルギ
ーが一般の有機分子軌道に対して有利に位置している場
合には良好な多数キャリア電極になることができるが、
このケースは、従来のパラダイム、すなわち縮退半導体
がフェルミ準位からしか電荷を注入することができない
というパラダイムに含まれ、本発明に含まれない。半導
体のさらに詳しい情報は、「Physics of Semiconductor
Devices」S.シー(Sze)、Pub:John Wiley and Sons,N
ew York,1981を参照されたい。
多くのWBSは、キャリア濃度を制御することが困難か
または不可能であるという点でITOと似ている。しかし
ながら、含まれるキャリアの濃度が、1020cm-3未満と適
度である限り、前述の概念は有効である。その理由は、
有機物層スタックの反対側に金属か半導体を追加するこ
とによって、それぞれの半導体に、有用でかつ実用的な
厚さの空乏領域を作ることができるためである。この空
乏領域は、少数キャリアを、非多数キャリアのバンド、
たとえば平衡状態のn型半導体では価電子帯を介して輸
送し、そのバンドでの注入に有利なエネルギー準位を利
用することができる。空乏領域がない場合、少数キャリ
アは、有機物に注入される前に多数キャリアと再結合す
ることになる。そのような再結合事象は、デバイス全体
の動作効率を直接悪化させる。簡単に言うと、n−d
WBSは、原則として、有機分子軌道対応物にキャリアを
注入するために半導体の両方のバンドを利用できるよう
にするために、隣接金属によって有用な厚さの空乏領域
を作ることができる。
半導体のもう1つの利点は、等電子元素やその他の半
導体と合金にしたときに、バンドギャップとバンド・エ
ネルギーが通常、連続的に変化することであり、単一の
成分が等電子元素と置き換えられる。たとえば、Siのバ
ンドギャップは、Geを加えることによって連続的に変化
させることができ、またGaAsのバンドギャップは、InAs
またはAlAsを加えることによって変化させることができ
る。また、同様に、たとえばAlNやSiCなどの異なる半導
体と合金にすることによって、バンドギャップとバンド
・エネルギーを変化させることができる。半導体の電極
を横切って合金濃度に勾配をつける能力は、合金濃度を
変化させることによってバンド・エネルギーを調整する
能力、キャリア輸送に対する障壁を除去する能力、およ
び電極に対するオーム接触としてより小さなバンドギャ
ップの材料を使用する能力を含むいくつかの特性を有す
る。
一般に、非縮退半導体電極によって、有機材料に対し
て2種類の接点を形成することができる。これは、フェ
ルミ・エネルギー準位からしか電子または正孔の注入が
できない縮退半導体や金属の場合と対照的である。これ
らの2つの接点の方式は、本明細書では、それぞれ少数
キャリア接点と多数キャリア接点と呼ぶ。第5図に、オ
ーム接触および注入を改善するために勾配をつけた合金
を含む少数キャリア接点の構成を示し、この場合、非縮
退広バンドギャップ半導体は、n型の導電性を有する
が、正孔の注入すなわち少数キャリアの注入のための陽
極電極として使用される。また、以下の議論は、電子を
注入するために使用されるp型半導体の場合にも当ては
まる。半導体は、有機物薄膜の近くで、有機材料のHOMO
への注入の障壁がなくなるようにバンドギャップを大き
くしVBエネルギーを低くするために(たとえば、AlNやG
aNの導入によって)合金にされる。他方の側では、半導
体は、バンドギャップを小さくするために、(たとえ
ば、GaNにInNを加えることによって)合金にされ、そし
て、VBエネルギーが正孔を注入する金属またはITOのも
のと一致するように高められる。合金の含有率は、両側
でVB(または、電子注入の場合にはCB)の変化が滑らか
になるように勾配が付けられる。全般的にみて、正孔は
急な障壁には出合わないが、正孔を有機物内へ駆動する
ためには電圧が必要である。この系では正孔が少数キャ
リアなので、半導体領域全体は、金属またはITOの正孔
注入層によって電子が大きく空乏化されるような薄さで
なければならない。これは、前述のように、キャリア濃
度が1020cm-3よりも小さい非縮退半導体においてのみ、
実用的でかつ有用な厚さ(>1nm)の半導体薄膜で達成
することができる。
第6図に、有機物のLUMOに電子を注入するために使用
され、またこの例ではn型のn−d WBSのためにオー
ム接触および注入を改善するように濃度勾配を付けた合
金を含む多数キャリア接点の構成を示す。極性をp型に
変更すると、第5図と議論が同じになる。広バンドギャ
ップの合金と勾配によって、電極をLUMOと整合させ、合
金の遷移領域内の障壁を回避する機能が維持される。バ
ンドギャップの小さな合金は、第5図の場合と同じよう
に、材料を、Alのような電子注入金属の仕事関数と良好
に一致させることができ、あるいは第6図に示すよう
に、キャリア密度が大きい場合には、CBとエネルギーが
一致しない材料にオーム接触を形成するためにバンドギ
ャップの小さな合金を使用することができるが、そうで
ない場合は、ITO(透明度と導電率の組み合わせに有
用)などが望ましい。本発明が対象とする温度における
半導体のキャリア濃度は、一般に、真性キャリアの増
大、ドーパントの浅さ、および欠陥レベルを含むいくつ
かの理由のために、バンドギャップが小さくなるほど高
くなる。したがって、オーム性トンネル接触を利用する
ために、合金のバンドギャップを小さくする方が有利で
ある。たとえば、我々は、InNオーム接触層まで勾配を
付けたGaN陰極を介してITOからOLEDに電子を注入するの
に成功した。この成功は、InNとITOの仕事関数の大きな
差にもかかわらず、それぞれ高濃度にドープした材料の
空乏領域がトンネルできるほど薄く、オーム接触の形成
に関する半導体物理学の周知の法則と一致していること
による。さらに、明瞭にするために、前述の例のInN
は、n−d WBSではないことに注意されたい。一般
に、2.5eV未満のバンドギャップを有する半導体は、本
発明のn−d WBSベースの接点の方式では、オーム接
触層として有用なことがある。これは、薄い接触層が、
オーム接触を形成するのに十分であるためであり、金属
に比べてバンドギャップが小さい半導体の吸収係数が低
い場合に、薄くて有用なオーム接触層を追加することに
よってデバイスの吸収損失が大幅に増大しないことを意
味する。したがって、より小さなバンドギャップの半導
体のオーム接触層を含むn−d WBSベースの接点は、
高度に透明な全面接触電極を作り出すことができる。
GaNは、前述の議論と本発明をうまく例示するが、そ
れらの議論は、前述の基準を満たす場合は、一般に非縮
退広バンドギャップ半導体にも同じように当てはまる。
有用な電極材料となりえるその他の非縮退広バンドギャ
ップ半導体の例は、例えば、GaN、AlN、BN、AlGaN、InG
aN、InAlGaNなどの広バンドギャップIII族−N化合物、
ZnS、MgS、ZnSe、MgSe、ZnMgSSe、CdS、ZnO、BeOなどの
II−VI族化合物、あるいはダイヤモンド、SiCまたはZnG
aSSe、CaF2、AlPなどのより特殊な非縮退広バンドギャ
ップ半導体がある。また、これは、導電率を修正するた
めにドープされる非縮退広バンドギャップ化合物にも当
てはまる。
第7図は、GaN/有機物(Alq3)ヘテロ接合の紫外線光
電子放出分光法(Ultraviolet Photoemission Spectros
copic−UPS)の結果を示す。UPSを利用して、AlqのHOMO
に対するGaN価電子帯の位置を観察する。GaNのVBとCBの
間の周知のエネルギー分離(すなわち、3.39eVのGaNバ
ンドギャップ・エネルギー)とAlq3のHOMOとLUMOを考慮
すると、第7図に示したような全体的なバンド構造が解
明される。このデータは、GaNのCBとVB両方が、Alq3
の電荷注入のために有利な位置にあることを示す。ま
た、これは、GaN VBが、好ましいOLED HTL材料内への
無障壁の正孔注入に有利なエネルギーに位置しているこ
とを示している。HTL(正孔輸送層)は、前述のよう
に、そのHOMOのエネルギーが、電子輸送のAlq3のHOMOレ
ベルのエネルギーよりも高くなる傾向がある。
さらに、我々の実験室で作製したOLEDデバイスから、
GaNバンドの有利な位置を直接確認することができる。
第8図は、ガラス/ITO/CuPc/NPB/Alq3/GaNベースの陰極
の構造を有するOLEDに関する、(左側の軸、線形スケー
ル)電流−電圧特性と(右側の軸、対数スケール)エレ
クトロルミネセンス−電圧特性である。第8図におい
て、実践のカーブはダイオード特性を示し、2点鎖線は
エレクトロルミネセンス特性を示している。このデバイ
スは、低い逆バイアス電流レベルをもつ優れたダイオー
ド特性と、わずか4.8Vでの高効率のエレクトロルミネセ
ンスの開始を示し、このことはGaN陰極が低い電圧で、
すなわち電子注入に対する障壁が全くないかほとんどな
い状態で、Alq3に電子を注入できることを示している。
また、第8図のデバイスにおいて、GaNは、プラズマ増
強分子ビーム付着によってOLEDスタックに直接付着さ
れ、それによりOLED材料上にn−d WBSを適切に付着
することができることが直接実証され、それにより理想
的な電極に関する前述のリストの特性の項目4が満たさ
れる。
我々の研究所で作製した有機物層の上または下にn−
d WBSを付着させた多数のGaN陰極/陽極デバイスは、
第8図のデータから、OLED内へのキャリア注入に有利な
CBとVB両方のエネルギー準位を備えたn−d WBSであ
るため、GaNが、以上に概説した本発明の手法と一致す
る一般のOLEDデバイス構造用の優れた陽極でもあり陰極
でもあることが分かる。
第9図に、従来技術に対して改善を有する本発明の最
も単純な実施形態を示し、基板から上に向かって、ガラ
ス基板/n−d WBS陰極/(ETL、EL)/HTL/金属陽極の
順のOLED構造である。ガラス基板60上に形成されたn−
d WBSを含む陰極61により障壁がなくなるかまたは減
少する他、光学的消滅が減少する結果として、組み合わ
されたETL/EL層62の厚さが薄くなり、また陽極64が透明
接点である必要がなくなったので、従来のITO陽極を仕
事関数が大きくて拡散しにくい金属と交換することがで
きる。第9図に示した構造は、横方向輸送層として働く
追加層がn−d WBS陰極に対する良好なオーム接触を
形成するならば、陰極61の横方向のシート抵抗を小さく
するためにGaN陰極とガラス60との間に追加層(たとえ
ば、InGaNやITO/InGaN)を設けることによって追加の利
点を得ることができることに注意されたい。この追加層
は、陰極の一部分を形成するものと見なされる。最後
に、図のガラス基板60を、不透明なものを含む任意の基
板と交換することができる。この場合、好ましい実施形
態は、陰極61が、n−d WBSを含む場合にはITOなど、
透明な上部接点64を有することになる。第1の実施形態
の有機領域65は、ETL/EL層62とHTL63を含む。この図と
他のすべての図は、原寸に比例していないことに注意さ
れたい。
第10図に、n−d WBS陽極デバイスの第2の実施形
態を示す。基板70から上方に、付着させる順に、ガラス
/金属陰極/ETL/EL/HTL/n−d WBS陽極のOLED構造であ
る。第9図と第10図の大きな違いは、当技術分野でしば
しば実施されるように、第10図の事例では、分離した発
光層73(EL)を含む有機物層スタック76の上に最後に、
n−d WBSを含む陽極75を付着させることである。ま
た、たとえば、第10図に示したように、陽極75は、陽極
接点75.1に加えてオーム接触層や横方向輸送層などの追
加層75.2を含んでもよい。オーム接触層の場合には、横
方向の導電性を高めるために、金属またはITOの最上層
(図示せず)を追加すると有利である。不透明なものを
含むガラス以外の任意の基板を選択することもできる。
後者の場合には、陽極75は、光の取り出しを容易にする
ために十分に透明になるように設計することが好まし
い。第2の実施形態の有機領域76は、ETL72、エレクト
ロルミネセンス(EL)に適した層73、およびHTL74を含
む。
第9図と第10図に示した装置は、有機物層の極性と対
向電極材料の選択を適切に変更すれば、N−d WBS陽
極が下またはn−d WBS陰極が上の構造でも同じに機
能することに注意されたい。たとえば、第9図に示した
装置を、ガラス/n−d WBS/HTL/ETL/MgAgの構造を持つ
ように修正し、第10図に示した装置を、ガラス/lTO/HTL
/EL/ETL/n−d WBSの構造を持つように修正することが
できる。
第11図に、本発明の第3の実施形態を示す。この実施
形態は、基板80から上方に、付着する順に、ガラス/n−
d WBS陽極/HTL/(ETL、EL)/OIL/n−d WBS陰極を含
む。この構造は、デバイスがn−d WBSを含む両方の
接点を備えることによって改善されていること以外は、
第9図と第10図のデバイスと同じように機能する。第3
の実施形態の有機領域85は、当技術分野でしばしば実施
されているように、組み合わされたETL/EL層83.1とHTL8
2を含む。我々は、有機物注入層(OIL)83.2を追加し
た。OILは、n−d WBS陰極の付着によって生じる損傷
の影響を受けにくく、またn−d WBS84.1 CBとETL8
3.1 LUMOの中間のLUMOエネルギーを有し、さらに電子
注入に対して存在する障壁が小さいという特徴を有す
る。
第12図に、本発明の第4の実施形態を示す。基板90か
ら上に、付着される順に、ガラス/金属/HTL/(ETL、E
L)/金属/n−d WBS OLEDの構造を示す。この構造
は、陰極のn−d WBS 94.2の外側の導電性の高い合
金94.3を利用して、第6図に関連して考察したような外
部陰極へのオーム接触を容易にする。さらに、薄い属9
4.1の中間層は、金属94.1の小さな仕事関数によって注
入を改善し、あるいは、n−d WBS陰極94の蒸着およ
び/またはクロス拡散および/または化学反応から有機
物層スタック85を保護することによって信頼性と安定性
を改善するという、付加適な利点を有する。第12図に示
したn−d WBS電極を有利に合金にする概念は、たと
えば、第5図と関連して考察したように、どちらかの極
性のn−d WBSベース陽極や少数キャリアのn−d W
BS接点を含む関連する実施形態にも同じように有効であ
る。薄い金属94.1の中間層の概念は、その主な役割が正
孔注入を強化することである場合に金属がその大きな仕
事関数のために選択されるとすれば、陽極の形成にも同
じように有効である。陽極内の薄い金属94.1の中間層の
役割が、障壁を形成することである場合は、金属が薄い
かあるいは隣接有機物層またはn−d WBSベースの接
点との化学反応によって大部分が消費されるという条件
で、陽極形成のために小さな仕事関数の金属を使用する
ことができる。
第13図は、n−d WBS陰極104が、陰極/有機物境界
の近くに埋め込まれた小さな仕事関数の薄い金属104.2
(TM)中間層を含み、これを封止しているOLED構造を示
す。TMは、化学的障壁、機械的障壁、保護障壁、または
拡散障壁として働き、双極子を作製するかまたはETL103
と隣接するn−d WBS104.1のCBに電子を提供すること
によって、電子注入を改善することができる。また、少
しの量しか必要ないため、高い透明度を得ることができ
る。第4の実施形態の有機領域105は、組み合わされたE
TL/EL層103とHTL102を含む。
主な役割が正孔注入を強化することである場合に、金
属が高い仕事関数の金属であるという条件で、薄い封止
された金属の概念が陽極にも同じように有効であること
に注意されたい。また、この概念は、有機物スタックの
付着の前と後のどちらかに成長させたn−d WBSベー
スの接点にも同じように有効である。最後に、TMの両側
にn−d WBSは同じ材料でなければならないという理
由はない。実際、それらが異なる材料の場合にいくつか
の利点が得られる。たとえば、n−d WBS中間層104.1
が注入の障壁や低い導電率などの好ましくない特性を持
つ場合でも、有機物面上に穏やかに蒸着できるかあるい
は有機物に直接接触しても有機物に悪影響を及ぼさない
n−d WBS中間層104.1を有することが望ましい。これ
らの2つの問題は、外側のn−d WBS 104.3が高いCB
エネルギーを有する場合に、隣接したTMからの電子が、
有機物に直接接触した状態のn−d WBS104.1に送られ
て、フェルミ準位をCBよりも高くし、障壁を電子注入レ
ベルまで下げて、伝導電子を提供するので、解決するこ
とができる。もう1つの例は、n−d WBS中間層104.1
が、TMフェルミ準位よりも高いCBエネルギーを有する有
機物と直接接触する場合である。この場合、n−d WB
S104.1が十分に薄く作成されると、TMからの電子は、介
在するn−d WBS104.1を通り抜け、さらに低い電圧の
注入を達成することができる。この手法により、電子の
注入または伝導電子の提供の難しさと関係なく、高い絶
縁性をもつn−d WBSを使用できるようになる。
次に、本発明に基づいて可能にされたいくつかの表示
装置の実施形態を開示する。
OLEDを付着させる前に、アクティブ・マトリックス、
ドライバ、メモリなどのアクティブSiデバイスを含むよ
うに基板を作成することができるので、OLEDをSi基板に
一体化できると有利である。そのような構造は、主にSi
で実現される高い解像度および性能を有するきわめて安
価で小面積の有機物表示装置で可能である。OLED、OLED
アレイまたはOLED表示装置は、Siデバイスを支持するよ
うなSi基板上に直接成長させるか、あるいは別々に作成
して、後でSi基板上に付けることもできる。問題は、Si
メタライゼーションである。従来のOLED陰極金属は、Si
プロセスや空気中で不安定であった。もう1つの問題
は、Siが透明でないため透明な上部接点が必要なことで
ある。本発明は、これらの問題に対して解決策を提供す
る。開示したn−d WBSベースの電極は、いずれかの
極性の安定しかつ低い電圧の接点を通常のSiプロセス・
メタライゼーションの上に形成することを可能にし、し
たがってOLED技術と両立させることができる。さらに、
n−d WBSベースの電極は、パターニングを必要せ
ず、完成したSiIC基板をOLED付着プロセスに直接入れら
れるようにすることによって製造プロセスを節約する。
n−d WBSの導電率は従来の金属接点材料に比べて低
いため、n−d WBSベースの接点がSiIC全体に一面に
付着されると、寸法が小さな(約50nm)縦方向に主に導
通が起こり、横方向(約1μm)にはわずかな導通しか
起こらない。横方向の電流の流れを制御することは、画
素間のクロストークをなくすために重要である。基板面
の上方への光の取り出しを可能にする透明な上部電極を
形成するために、n−d WBSベースの陰極と陽極を両
方とも付着する。最後に、特に、OLEDデバイスを付着す
る前に付着されたn−d WBSベースの陽極は、安定性
と信頼性ならびに注入電圧の低さという点で、従来のIT
OまたはAuのメタライゼーション手法と比べて表示に有
利である。
第14図は、上部に透明陽極を有するOLEDアレイまたは
OLED表示装置の構造を示している。Si基板110上にパタ
ーン形成された陰極111が形成され、陰極111を覆うよう
にOLED112が形成される。OLED112上に透明陽極113が形
成され、光は基板の上方から取り出される。
第15図に、Si基板上に形成した有機物アレイまたは表
示装置の構造を示し、以下に説明する。この表示装置
は、メモリ・セル、ドライバ、キャパシタ、トランジス
タ(これらの素子は図示していない)などを含む集積回
路を有するSi基板120を含む。Si集積回路の上には、安
定したOLED陽極(たとえば、本発明によるn−d WBS
ベースの陽極、あるいは従来のITO、Au、Ni、PtまたはC
r陽極)121が、OLED122にSiデバイスを接続するために
パターン形成される。陰極が上になった形状のOLED122
は、パターン形成された陽極121とSi基板120の上に付着
される。最後に、n−d WBSベースの陰極123が設けら
れる。簡潔にするためにOLEDの詳細は示していないが、
OLEDは、白を含む任意の色でよいことに注意されたい。
白または青のOLEDデバイスの場合は、透明陰極123の上
に、カラーフィルタまたは変換層あるいはその両方をそ
れぞれパターン形成するか、あるいは透明陰極123上に
パターン形成したカラーフィルタまたは変換器のアレイ
を取り付けることによってフル・カラー表示機能を実現
することができる。n−d WBSベースの接点の利点
は、上部陰極123が、有機デバイス122を、封止材料とし
ての特性のために必要なパターン形成段階に耐えるよう
にすることである。最後に、SiIC基板を使用することに
より、上部陰極123をすべてのデバイスに共通にして、
個々の画素の上部電極の高価で難しいパターン形成や配
線をなくすことができることに注意されたい。
たとえば、Au、ITOまたはInGaN/GaNの陽極121をパタ
ーン形成するAlメタライズSiチップ120は、OLEDアレイ
または表示装置122の基板として役立つ。そのような1
つのOLEDは、(下から上の順に)安定した陽極層、HT
L、有機物ドープまたはアンドープ活性領域、ETL、およ
びGaNを含む陰極123を含む。この陰極123は、たとえ
ば、MgSe/TM/GaN/InGaN/ITOの「複数層」のスタックを
含む。
第16図に、陽極が上にあるOLED132のもう1つのアレ
イまたは表示装置の実施形態を示す。この図において、
Si基板130の上のOLED132を概略的に示す。このケースで
は、Si基板130は、n−d WBS陰極131に電荷を注入す
るAlの金属電極131.1によって一部分が覆われている。
他の領域130.1は、電流を流さない。さらに、SiIC基板1
30は、Si処理の最後の工程で平坦化することができる。
この手法は、OLEDの付着する直前にn−d WBSベース
の陰極131を全体に付着させることができ、追加のパタ
ーン形成を必要としないので処理コストを削減すること
ができる。前に考察したように、これは、意図した垂直
電流が、Al接点パッド131.1の間隔よりも小さな距離だ
けを移動しなければならないため可能である。第16図に
示したような単純な幾何学形状により、陽極133がすべ
てのデバイスに共通なときでもクロストークはほとんど
起きないことが保証される。Si基板130がほとんど可視
光線に不透明であるため、上部陽極133は透明でなけれ
ばならない。また、陽極133は、n−d WBSベースの接
点を使用する場合に改善される。陽極133は、たとえ
ば、AlGaN/GaN/InGaN/ITOの層スタックからなる。ま
た、透明上部接点に付着またはパターン形成されたカラ
ー・フィルタおよび/または変換器134を設けることに
よって、第16図に示した実施形態に、カラー機能を都合
よく組み込むことができる。
第16図のSiの陽極が上にある実施形態は、第15図の陰
極が上にある実施形態に比べ、HTL層内の正孔移動度が
一般にETL層内の電子移動度よりも大きいことから生じ
る利点を有しうる。電極を付着あせている間に上部有機
物層に損傷が起きるかまたは汚染が電極内に拡散してHT
Lが劣化する場合は、HTLが、埋め込まれ勾配のないETL
より高い移動度を有することがあり、したがって全体的
な電流伝導率の制限因子になることはない。簡単に言う
と、HTLは、最初、既知のOLEDデバイスのETLよりも優れ
た性能を持つため、このデバイスは、ETLよりもHTLの初
期の段階の劣化の影響をあまり受けない。
次に、第17図に示したもう1つの表示装置の実施形態
について説明する。この表示装置は透明基板140を含
み、その上に、アクティブ・マトリクス型液晶表示装置
用に開発されたものと同じ技術を利用して非晶質Siまた
は多結晶Si構造が形成される。通常、Siは、アクティブ
・マトリクスを作成するために、薄膜トランジスタ141
(TFT)やその他のデバイスを提供するように構成され
る。また、多結晶シリコンまたは非晶質Si回路よりも高
い性能ではほぼ同じ機能を実現するために、透明度が高
くなるように十分に薄い単結晶Siデバイス141をガラス
基板上に設けることも可能である。次に、これらのSi回
路141を、特殊層144で覆うかまたは平坦化することがで
きる。さらに、OLED145が白色光または青色光を発光す
る場合は、カラー・フィルタまたは色変換器142を設け
ることができる。Siデバイス141は、構造化されたn−
d WBSベースの透明な陰極または陽極143を含み、そこ
に、たとえば、OLED145を付着させることができる。ま
た、上部電極は、n−d WBSベースの接点でも従来の
接点でもよい。この手法の利点は、OLEDとアクティブ・
マトリクス液晶ディスプレイ(AMLCD)技術を組み合わ
せて、大きな領域に安価で高性能なAM表示装置を実現で
きることである。さらに、適切な設計により、光がガラ
ス基板140を通して発光されるようにすれば、上部接点
(陰極146)を透明にする必要はない。陽極146をキャッ
プ層147で覆うこともできる。また、この実施形態の陽
極は、n−d WBSベースでもよく、表面発光デバイス
が望ましい場合は透明に作成することもできる。
このデバイスの有機領域は、電荷輸送層の他に必要に
応じて次のどれかを含むことができる。
・複数の有機発光層(EL)のスタック。
・エレクトロルミネセンスを制御し増強するために選択
される、複数の不純物、有機物または無機物をドープし
た有機化合物。
・複数の有機発光層のスタック。その一部は、特定の有
機発光層のエレクトロルミネセンスを制御または増強す
るためにドープされることがある。
・複数の有機物層のスタック。前記有機物層のうちの1
つまたは複数の層の役割は、1つまたは複数のキャリア
・タイプを電気的に制限して隣接有機物層の発光を改善
することである。
以下に、使用可能な有機材料のいくつかの例を示す。
電子輸送/発光材料 Alq3、Gaq3、Inq3、Scq3、BAlq3(qは、8−ヒドロ
キシキノリンを意味する)や、たとえば、Znq2、Beq2、
Mgq2、ZnMq2、BeMq2、AlPrq3などのその他の8−ヒドロ
キシキノリン金属錯体。これらの材料は、ETLまたは発
光層として使用することができる。その他の種類の電子
輸送材料は、たとえばPBDのようなオキサジアゾール
(任意の誘導体)、トリアゾール、たとえばTAZ(1、
2、4−トリアゾール)である。また、これらの官能基
を、重合体、スターバースト(starburst)およびスピ
ロ化合物に組み込むこともできる。さらに他の種類は、
ピリジン、ピリミジン、ピラジンおよびピリダジン官能
基を含む材料である。最後に、キノリン、キノキサリ
ン、シンノリン、フタラジンおよびキナジリン官能基を
含む材料は、その電子輸送能力が周知である。その他の
材料は、シアン基置換重合体、ジデシルセキシチオフェ
ン(DPS6T)、ビス−トリイソプロピルシリルセキシチ
オフェン(2D6T)、アゾメチン亜鉛錯体、ピラジン(た
とえば、BNVP)、スチリルアントラセン誘導体(たとえ
ばBSA−1、BSA−2)、ノンプレーナ・ジスチリルアリ
ーレン誘導体(たとえば、DPVBi)(C.ホソカワ(Hosok
awa)とT.クスモト(Kusumoto)、International Sympo
sium on Inorganic and Organic Electroluminescence
1994,Hamamatsu,42を参照)、シアノPPV(PPVは、ポリ
(p−フェニレンビニレンを意味する)およびシアノPP
V誘導体を含む。次の材料は、特に適切である。
発光層とドーパント: アントラセン、ピリジン誘導体(たとえば、ATP)、
アゾメチン亜鉛錯体、ピラジン(たとえば、BNVP)、ス
チリルアントラセン誘導体(たとえばBSA−1、BSA−
2)、コロネン(ドーパントとしても適する)、クマリ
ン(ドーパントとしても適する)、DCM化合物(DCM1、D
CM2。これらは、両方ともドーパントとしても適す
る)、ジスチリルアリーレン誘導体(DSA)、アルキル
置換ジスチリルベンゼン誘導体(DSB)、ベンゾイミダ
ゾール誘導体(たとえば、NBl)、ナフトスチリルアミ
ン誘導体(たとえば、NSD)、オキサジアゾール誘導体
(たとえば、OXD、OXD−1、OXD−7)、N,N,N',N'−テ
トラキス(m−メチルフェニル)−1,3−ジアミノベン
ゼン(PDA)、ペリレン、およびペリレン誘導体、フェ
ニル基置換シクロペンタジエン誘導体、12−フタロペリ
ノン誘導体(PP)、スクワリリウム(squarilium)染料
(Sq)、1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン
(TPBD)、セキシチオフェン(6T)、ポリ(2,4−ビス
(コレスタノキシル)−1,4−フェニレン−ビニレン(B
CHA−PPV)、ポリチオフェン、キナクリドン(QA)(T.
ワキモト(Wakimoto)他、International Symposium on
Inorganic and Organic Electroluminescence、1994、
Hamamatsu、77を参照)、置換キナクリドン(MQA),ル
ブレン、DCJT(たとえば、C.タング(Tang)、SID Conf
erence San Diego:Proceedings,1996,181を参照)、た
とえばPPV、PPV誘導体(可溶前駆物質)などの共役およ
び非共役重合体、MEH(PPV(ポリ(2−メトキシル、5
−(2'−エチルヘキソキシ)−1.4−フェニレンビニレ
ン))、ジアルコキシおよびジアルキルPPV誘導体、セ
グメントPPV(たとえば、E.スターリング(Staring)、
International Symposium on Inorganic and Organic E
lectroluminescence、1994、Hamamatsu、48、およびT.
オシノ(Oshino)他、Sumitomo Chemicals,1995 monthl
y reportを参照)。
正孔輸送層と正孔注入層: 正孔輸送層および正孔注入層として、TDP、NPB(C.タ
ング(Tang)、SID Meeting San Diego,1996、およびC.
アダチ(Adachi)他、Applied Physics Letters,Vol.6
6,p.2679,1995参照)、TPA、NIPC、TPM、DEH(略語につ
いては、たとえば、P.ブロゼンバーガー(Brosenberge
r)およびD.S.ワイス(Weiss)、Organic Photorecepto
rs for Imaging Systems,Marcel Dekker 1993参照)な
どの芳香族アミノ基を含む材料が適切である。また、こ
れらの芳香族基は、重合体、スターバースト(たとえ
ば、TCTA、m−MTDATA:Y.クワバラ(Kuwabara)他、Adv
anced Materials,6,p.677,1994、およびY.シロタ(Shir
ota)他、Applied Physics Letters,Vol.65,p.807,1994
参照)およびスピロ化合物に組み込むこともできる。さ
らに他の例には、Cu(II)フタロシアニン(CuPc)、NP
B(N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス−(4−フェニル)
−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン)、ジスチリルア
リーレン誘導体(DSA)、ナフタレン、ナフトスチリル
アミン誘導体(たとえば、NSD)、キナクリドン(QA:ド
ーパントとしても適している)、ポリ(3−メチルチオ
フェン]族(P3MT)、ペリレンとペリレン誘導体、ポリ
チオフェン(PT)、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン
酸二無水物(PTCDA)(絶縁体としても適する)、テト
ラフェニルジアミノジフェニル(TPD−1、TPD−2、ま
たはTAD)、PPVといくつかのPPV誘導体、ポリ(2−メ
トキシル、5−(2'−エチルヘキソキシ)−1,4−フェ
ニレンビニレン)(MEH−PPV)、ポリ(9−ビニルカル
バゾール)(PVK)、discotic液晶材料(HPT)がある。
良好な発光体として他にも多くの有機材料があり、さ
らにもっと多くのものが発見されるであろう。これらの
材料は、本発明による発光構造を作成するために同じよ
うに使用することができる。そのような材料の例は、本
明細書の導入部分で引用した出版物に示されている。そ
れらの出版物の内容は、参照により本明細書に組み込ま
れる。さらに、高分子バインダに活性基を含む混合物
(すなわち、ゲスト・ホスト)も使用することができ
る。OLED用の有機材料の設計に使用される概念は、大部
分は、有機光受容体における広範囲な経験から得られ
る。有機物光受容体を作成するために使用されるいくつ
かの有機材料の簡単な概要は、P.ブロゼンバーガーとD.
S.ワイスの前述の出版物と、Teltech,Technology Dossi
er Service,Organic Electroluminescence(1995)、な
らびに前述の文献に見られる。
OLEDは、重合体分子、オルゴマー分子および小さな有
機分子を使用して実証された。層の付着は様々に変化す
るが、それぞれのタイプの分子で形成されたデバイスは
機能的に似ている。本発明は、重合体のオリゴマー有機
発光デバイスの前述のすべての形態において同じように
有効である。
小さい分子のデバイスは、慣例的に、真空蒸着によっ
て作成される。これは、GaNのPEMBDとまったく両立す
る。蒸着は、独立制御されたソースの抵抗電子ビーム加
熱によりベルジャー型チャンバ内で行うことができる。
また、複数のエフュージョン・セル(effusion cell)
と電子ビーム付着装置を有する分子ビーム付着システム
で行うこともできる。それぞれの事例において、GaNの
付着は、同じチャンバか真空接続チャンバ、あるいはあ
る程度の汚染が許容される場合は、分離したチャンバで
も行うことができる。
また、オリゴマーと重合体の有機物を、その単量体成
分を蒸着した後で基板を加熱またはプラズマ励起するこ
とによって付着させることもできる。したがって、共同
蒸着によってこれらをさらに合金にすることができ、そ
れらは、単量体成分にまったく影響を与えない。
一般に、重合体を含むデバイス(単一層、多重層、重
合体混合層など)は、重合体を溶媒に溶かし、それをス
ピン・コートまたはドクター・ブレード法によって基板
上に広げることによって作成される。基板をコーティン
グした後、加熱その他の方法で溶媒を除去する。この方
法により、それぞれの次の層がその前に付着した層を溶
かさない限り、明確に規定された多層構造を形成するこ
とがでる。さらに、重合体と蒸着した小さな有機分子の
両方を含む複合デバイスも可能である。この場合、一般
に、蒸着した小さな分子の層があまり処理に耐えること
ができないため、重合体薄膜は最初に付着される。さら
に興味深いことは、単量体層を蒸着した上に重合体/無
機物輸送層を作成することができることであり、また合
金を含むこともできる。重合体を真空状態に入れる前に
不活性雰囲気中で処理すると、デバイス製造の清浄度が
十分が高く維持される。いずれの場合も、GaNやその他
のn−d WBSの化学的に不活性な性質により、重合体O
LEDの処理の許容度が高くなる。
要約すると、本発明はすべて、重合体、オリゴマー、
および小さな分子のOLEDの設計あるいは任意の複合的な
設計と十分に両立できる。
フロントページの続き (72)発明者 ストライト、サミュエル、クラゲット スイス国キルヒベルク、ホルンハルデン シュトラーセ 1 (56)参考文献 特開 平3−262170(JP,A) 特開 平3−210791(JP,A) 特開 平2−139893(JP,A) 特開 平1−312874(JP,A) 特開 平4−125683(JP,A) 特開 平3−152897(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 33/00 - 33/28

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)基板と、 b)一方が陽極として働き、他方が陰極として働く2つ
    の接触電極と、 c)前記2つの接触電極の間に位置し、前記2つの接触
    電極の間に電圧を印加したときエレクトロルミネセンス
    を発生する有機物層とを含み、 前記接触電極のうちの少なくとも一方が、2.5eVよりも
    大きいバンドギャップを有する非縮退広バンドギャップ
    半導体を含み、且つ前記少なくとも一方の接触電極のバ
    ンドギャップおよびバンド・エネルギを連続的に変化さ
    せる半導体層を含み、 前記陰極が前記非縮退広バンドギャップ半導体を含む場
    合には、電子が前記非縮退広バンドギャップ半導体の伝
    導帯(CB)から前記有機物層のLUMOへ実質的に無障壁注
    入され、また前記陽極が前記非縮退広バンドギャップ半
    導体を含む場合には、正孔が前記非縮退広バンドギャッ
    プ半導体の価電子帯(VB)から前記有機物層のHOMOへ実
    質的に無障壁注入される有機発光デバイス。
  2. 【請求項2】両方の前記接触電極が、非縮退広バンドギ
    ャップ半導体を含む請求項1に記載の発光デバイス。
  3. 【請求項3】層の順序が、基板/陰極/有機領域/陽極
    である請求項1に記載の発光デバイス。
  4. 【請求項4】層の順序が、基板/陽極/有機領域/陰極
    である請求項1に記載の発光デバイス。
  5. 【請求項5】前記有機物層が、前記陽極側に位置する正
    孔輸送層と前記陰極側に位置する電子輸送層とを含む請
    求項1に記載の発光デバイス。
  6. 【請求項6】前記有機物層が、前記非縮退広バンドギャ
    ップ半導体を前記有機物層上に付着させることによって
    生じる損傷を軽減するために導入される有機物注入層
    (83.2)を含む請求項1に記載の発光デバイス。
  7. 【請求項7】前記少なくとも一方の接触電極が、前記有
    機物層と直接接触する、または前記非縮退広バンドギャ
    ップ半導体内に埋め込まれる金属中間層(94.1、104.
    2)をさらに含む請求項1に記載の発光デバイス。
  8. 【請求項8】前記基板が、集積回路(141)を備えるシ
    リコン基板(140)である請求項1に記載の発光デバイ
    ス。
  9. 【請求項9】前記非縮退広バンドギャップ半導体が、 ・GaN、AlN、BN、AlGaN、InGaN、InAlGaNなどの広バン
    ドギャップIII族−N化合物 .ZnS、MgS、ZnSe、MgSe、ZnMgSSe、CdS、ZnO、BeOなど
    の広バンドギャップII−VI族化合物 ・ダイアモンド、SiC、ZnGaSSe、CaF2、AlP のうちのいずれかである請求項1に記載の発光デバイ
    ス。
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